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Nikon Capture NX 2画像編集講座 電子版

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■本書の内容と商標について 本書の内容は、基本的に 2008 年 11 月時点の情報を基に作成しました。 紹介した URL やサービスは変更される可能性もありますので、あらかじめご了承ください。 また、本書内に掲載の写真は、印刷の具合により、色味等が正しく表現されていない場合があります。あらかじめご了承ください。 本書に登場する会社名、製品名、サービス名は、各社の登録商標または商標です。 なお、本書では ® マークやTMマークは明記しておりません。 ■ Capture NX 2 が動作するパソコンのスペックについて

本書では、Capture NX 2 を Windows XP/Vista または Macintosh OS X で使用することを前提に解説しています。なお、Capture NX 2 が動作する 環境は以下のスペックを満たす必要があります。

Windows

OS

32-bit 版の Windows Vista Home Basic/Home Premium/Business/Enterprise/Ultimate(Service Pack 1)、 32-bit 版の Windows XP Home/Professional (Service Pack 2)

(すべて日本語版のプリインストールモデル) CPU Pentium 4 相当以上 メモリー 768 MB 以上実装(1 GB 以上実装を推奨) ハードディスク容量 インストール時に 200MB 以上の空き容量が必要 モニター解像度 1,024 × 768 ピクセル以上(1,280 × 1,024 ピクセル以上を推奨)で 16 ビット色以上(32 ビット色推奨) その他 ・インストール時には、CD-ROM ドライブが必要

・Nikon Message Center 機能を使うには、インターネットに接続できる環境が必要

・「カスタムピクチャーコントロール」をインポート / エクスポートするには、メモリーカード(カメラで動作確認しているカード) にファイルコピーができる環境が必要

Macintosh

OS 日本語版 Mac OS X(version 10.4.11、10.5.2)

CPU PowerPC G4、PowerPC G5(Intel Core Duo、Intel Core 2 Duo、Intel Xeon 相当以上 ) メモリー 768 MB 以上実装(1 GB 以上実装を推奨)

ハードディスク容量 インストール時に 200 MB 以上の空き容量が必要

モニター解像度 1,024 × 768 ピクセル以上(1,280 × 1,024 ピクセル以上を推奨)で 64,000 色以上(1,670 万色推奨)

その他

・インストール時には、CD-ROM ドライブが必要

・Nikon Message Center 機能を使うには、インターネットに接続できる環境が必要

・「カスタムピクチャーコントロール」をインポート / エクスポートするには、メモリーカード(カメラで動作確認しているカード) にファイルコピーができる環境が必要

(5)

 「Capture NX 2 はニコンのデジタル一眼レフカメラ用の RAW 現像ソフ

トである」このフレーズが間違っているということを認識することから、

このソフトの理解がスタートするのではないかと思います。

 Capture NX 2 は RAW 現像ソフトではなく、画像編集ソフトなのです。

「RAW」という言葉を使うとすれば、「ニコンの RAW 画像の現像も行える

画像編集ソフト」というところでしょうか。残念ながら、ニコン以外の

カメラで撮影した RAW 画像の現像はできません。ですが、JPEG ならメー

カーを問わず取り扱えるし、Capture NX 2 の最大の魅力である「U Point

テクノロジー」も使えるのです。つまり、どこのカメラを使っているユー

ザーにとっても、使う価値のある画像編集ソフトだといえます。ほかの

ソフトウェアではできない処理が Capture NX 2 には備わっています。特

に、画像処理を適用する範囲に関しては、これほど短時間で思い通りに

選択できるソフトはほかに見たことがありません。自然で、しかも正確

な範囲選択ができるということは、それだけ自然な画像処理ができると

いうことなのです。高度なデジタル技術のおかげで、デジタルっぽさを

感じさせない画像の仕上げができるのです。

 もちろん、ニコンのデジタル一眼レフカメラを使っている人なら、必

須のソフトウェアであることは間違いないでしょう。なにしろ、カメラ

の内部で行う処理の多くを、パソコン上で再現できるのですから。カメ

ラ内部で行っている画像処理を、自分自身で理解しながら絵作りを行っ

ていけるのです。

 本書を読み進めていただくことで、Capture NX 2 の使い方をマスター

していただくと同時に、「画像処理とは何か?」ということについても理

解を深めていただければ幸いです。

2008 年 11 月

塙 真一

はじめに

(6)

CONTENTS

01

本書の目的

... 010

02

デジタルデータの優位性と特徴

... 010

03

Capture NX 2 とは

... 012

はじめに

01

01

デジタル画像を理解する

... 016 デジタル画像とは... 016 ビット数について... 018 色について... 019 ヒストグラムと階調について... 021 ガンマとコントラストについて... 024 ホワイトバランスについて... 026 保存形式について... 028 NEF 形式の保存について... 028 出力機器の色再現... 030 デジタルカメラの色再現... 031

画像の基礎知識

02

01

撮影する

... 034 撮影時の保存形式... 034 RAW 撮影時の注意... 035

02

パソコンに取り込む

... 036

03

画像の調整

... 038

04

仕上げ

... 041

05

保存

... 042

06

プリント

... 043

ワークフロー

03

01

画像を開く

... 046 Welcome 画面やブラウザーを使いこなす... 046 ViewNX から画像を選んで Capture NX 2 で開く... 048 Capture NX 2 の各部の名称... 049 ラベルとレーティング... 050

02

ワークスペースを活用する

... 052 ワークスペースの種類... 052 ワークスペースの切り替え... 054 マイワークスペースを作る... 055 ワークスペースの管理... 056 2 台のモニタでワークスペースを使う... 057

03

画像を拡大 / 縮小する

... 058 ズームツールを使う... 058 メニューから拡大 / 縮小する... 059

04

表示部分をスクロールする

... 061 手のひらツールを使う... 061 ナビゲーターパレットで表示位置を変える... 062

Capture NX 2 の基本操作

04

(7)

||

 CONTENTS 

||

05

画像の階調を確認する

... 063 ヒストグラムを見る... 063

06

特定の場所のピクセル情報をチェックする

... 065 モニターポイントを使う... 065 モニターポイントの機能... 066

07

白とび/黒つぶれを確認する

... 067 白とび/黒つぶれとは... 067 白とびを確認する... 068 黒つぶれを確認する... 069

08

フォーカスポイントを確認する

... 070 フォーカスポイントを表示する... 070

04

01

画像処理の順序を理解する

... 072 エディットリストについて... 072 [現像]セクションと[調整]セクションの役割... 073 画像処理の順番と処理結果の関係... 074

02

処理の内容を調整する

... 076 エディットリストの動きを理解する... 076 新しいステップを追加する... 077 処理の適用される強さを調整する(不透明度)... 078 処理が行われる選択範囲を表示・調整する... 079 画像処理ステップを編集・削除する... 083

現像と調整を行う前に

05

01

RAW 画像のメリット

... 088 RAW 画像とは... 088 RAW と JPEG、TIFF の違い... 089 RAW 画像の持つ階調... 090 RAW 画像現像の流れ... 090

02

[現像]セクションの概要

... 092 3 つの現像処理項目... 092

03

ホワイトバランスを調整する

... 094 2 つのホワイトバランス設定モード... 094 色温度の設定... 095 グレーポイントの設定... 097

04

カラーノイズリダクション

... 100 高感度撮影時のノイズとは... 100 ノイズリダクションを使う... 101

05

複数の調整をまとめて行う

... 103 クイックフィックスを使う... 103 露出補正(RAW 画像のみ)... 104 コントラストの調整... 105 ハイライトの調整... 106 シャドーの調整... 107 彩度の調整... 108 トーンカーブを使った調整... 109

06

白とびや黒つぶれを低減する

... 112 白とび、黒つぶれとは... 112 アクティブ D-ライティングで調整する... 113

07

色モアレを軽減する

... 116 色モアレとは... 116 色モアレリダクションを使う... 117

RAW 画像の現像

06

(8)

08

ゴミやホコリの写り込みを軽減する

... 118 レンズやセンサーに付着するゴミ... 118 イメージダストオフを使う... 119

09

色収差を低減する

... 121 色収差とは... 121 自動色収差補正を使う... 121

10

画像周辺部の明るさ低下を調整する

... 123 レンズの周辺光量落ちとは... 123 ヴィネットコントロールを使う... 123

06

01

画像のサイズを調整する

... 126 画像サイズ / 画像解像度... 126 解像度と出力サイズの関係... 128 画像の大きさを合わせる... 130

02

画像の傾きを調整する

... 132 傾きツール / 傾き... 132

03

画像を切り抜く

... 134 クロップツール... 134

04

画面内の不要なゴミを取る

...136 自動レタッチブラシ... 136

05

画像の明るさを調整する

... 138 レベルとトーンカーブ... 138 コントラスト / 明るさ... 143 自動レベル... 144 D- ライティング... 145

06

画像の色を調整する

... 146 LCH エディター... 146 カラーバランス... 149 カラーブースター... 149 彩度 / 暖色... 151

07

色ずれを補正する

...152 倍率色収差の補正... 152

08

画像の輪郭を強調する

... 153 アンシャープマスク... 153 ハイパス... 155

09

画像に色を加える

... 156 カラーピッカー... 156

10

画像をぼかす

... 160 ぼかし(ガウス)... 160

11

画像のゆがみを補正する

...163 ゆがみ補正... 163

12

画像のざらつきを低減する

... 164 ノイズリダクション... 164

13

白黒やセピアの画像にする

...166 色変換... 166

14

ノイズを加えてフィルム粒子風の効果を出す

... 168 粒状 / ノイズを加える... 168

画像を調整する

07

(9)

||

 CONTENTS 

||

01

U Point テクノロジーについて

... 170 範囲選択を行うことなく画像調整が可能... 170

02

コントロールポイントを使用して画像を調整する

... 171 コントロールポイントを使う... 171 コントロールポイントを置く... 172 コントロールポイントを移動する... 173 コントロールポイントを削除する... 174 コントロールポイントを複製する...174 コントロールポイントの表示 / 非表示を切り替える... 178 コントロールポイントのスライダーを非表示にする... 178 コントロールポイントの選択範囲を確認する... 180

03

処理が適用される範囲を調整する

... 181 同じコントロールポイントを使った範囲の調整... 181 ほかのツールを併用した範囲の調整... 182

04

画像の色と明るさを調整する

... 185 カラーコントロールポイント... 185 カラーコントロールポイントの用途... 187

05

画像に適用する処理の範囲を設定する

... 188 選択コントロールポイント... 188 選択コントロールポイントの用途... 190 全体不透明度を調整する...192

06

画像処理を行う部分を限定する

... 193 なげなわと選択ツール... 193

07

一部に対して処理効果を調整する

... 195 選択ブラシで範囲を選択する... 195

08

画像内のもっとも暗い部分と明るい部分を設定する

... 197 ブラックコントロールポイント... 197 ホワイトコントロールポイント... 198 ブラックコントロールポイントとホワイトコントロールポイントの用途...200

09

画像内の中間色の部分を設定する

... 202 ニュートラルコントロールポイント... 202 ニュートラルコントロールポイントの用途... 203

10

人物の赤眼を補正する

... 205 赤目補正コントロールポイントを使う... 205

11

画像処理をグラデーション状に適用する

... 206 選択グラデーション... 206

12

選択範囲内に処理を適用 / 削除する

... 210 [塗りつぶし / 削除]ツール... 210

13

選択範囲の境界をぼかす

... 212 [境界線をぼかす]スライダー... 212

14

選択範囲を表示する

... 213 選択範囲の表示... 213

画像の一部を選択して調整する

08

01

編集バージョン

... 216 編集バージョンとは... 216 編集バージョンを利用する... 218 編集バージョンを編集する... 220

作業を効率的に行う

09

(10)

02

バッチ処理

... 222 バッチ処理とは... 222 バッチ処理を行う前に、調整の保存を行う... 223 フォルダーに対するバッチ処理の実行... 224 [ブラウザー]でのバッチの適用... 227 監視フォルダーについて... 228 ITPC 情報のコピーと貼り付け... 229 XMP/IPTC の情報のプリセット保存と読み込み... 230

09

01

カラーマネージメントの基本

... 232 カラーシステム... 232 色空間(カラースペース)... 233 カラープロファイル... 233 カラーマッチングとカラーマネジメントの違い... 234 カラーマネジメントも完全ではない... 236

02

モニタープロファイルの設定

... 237 Windows でモニタープロファイルを設定する... 237 Mac でモニタープロファイルを設定する... 239 専用周辺機器(キャリブレーター)を使って調整する... 242 カラープロファイルと環境の関係...244

03

プリンターのカラープロファイル設定

... 245 Windows でプリンタープロファイルを管理する... 245 Mac でプリンタープロファイルを管理する... 246 キャリブレーションツールでプリンタープロファイルを作成する... 247

04

Capture NX 2 のカラーマネージメント

... 249 カラーマネージメントの初期設定... 249 プリント時のカラーマネージメント... 250

カラーマネージメントを行う

10

01

ピクチャーコントロールとは

... 254 「ピクチャーコントロール」とはニコンの画作りシステムのこと... 254 [ピクチャーコントロール]非搭載カメラでは?... 256 オプションピクチャーコントロールについて... 257

02

ピクチャーコントロールを利用する

... 258 ピクチャーコントロールの種類を変更する... 258 クイック調整とは... 261 [クイック調整]で微調整する... 261 [詳細設定]でより好みの印象にする... 264 [モノクローム]の[詳細設定]... 266

03

ピクチャーコントロールの管理

... 269

[Picture Control Utility(ピクチャーコントロールユーティリティー)]とは... 269

ピクチャーコントロールユーティリティーの起動... 270 基本的なインターフェース... 270 カスタムピクチャーコントロールの作成の前に... 273 ピクチャーコントロールをカスタマイズする... 274 [手動調整]によるカスタマイズ項目... 274 カスタマイズしたピクチャーコントロールの登録... 276 ピクチャーコントロールの管理... 277 ピクチャーコントロールのインポートとエクスポート... 278 Capture NX 2 のピクチャーコントロールメニューについて... 280

ショートカットキー一覧

... 281

ピクチャーコントロール

11

(11)

01

第1章では、まず写真(画像)の撮影、現像、

調整を行う前に心がけておきたいことをまとめ

た。はじめてCapture NX 2に触れる人や、す

でにCapture NX 2を利用されている人も、こ

の 章を読 んで、 デジタル データの 優 位 性、

Capture NX 2とはなにか、といったことを頭に

入れておいていただきたい。その上で第2 章以

降を読み進めることで、より理解が高まるだろ

う。

はじめに

(12)

01

 デジタルカメラに記録される写真はデジタル画像と呼ばれる。デジタル画像とはコンピューター

で読み書きできるデータのことで、0 と 1 との組み合わせによってデータが作られているもののこ

とだ。つまり、データそのものは 0 と 1 で作られていて、それをパソコンが一定の処理を行うこ

とで写真として表示できるようになっているのだ。フィルムや印画紙写真のようなアナログ写真で

は、どんなに精巧にコピーをしたとしても絶対にオリジナルと同一にはならない。だが、デジタル

画像の場合は、デジタルデータのためコピーしたものはオリジナルとまったく同一のものとなるの

だ。これにより、デジタル画像はメモリーカードに記録されたデータをパソコンのハードディスク

に取り込んだり、DVD-R ディスクなどにバックアップしたりしておくことができ、オリジナルデー

タを複数保存しておくことも可能となっている。

デジタル画像とは

02 - 01 - 01

デジタル画像を理解する

図 01  白いマス目を「0」、黒いマス目を「1」とすると、すべてのマス目を0と1で表すことができる。この0と1の画面上の位置を記録して おけば、いつでもどこでも同じ絵柄を再現することができるのである。これがデジタル画像の基本イメージだ。

 デジタル画像は 0 と 1 の組み合わせで表されると書いたが、実際にデジタルカメラで撮影した

写真はもう少し複雑だ。なぜなら一般的にデジタルカメラで撮影された画像はカラーで色もあれば

明るさ(トーン)もある。単純に 0 と 1 によって白と黒というようには表せないのである。その

ため、ひとつのマス目をさらに 0 と 1 の組み合わせで表現しているのである。

図 02

の画像 C は 22 × 15 のマス目の画像だが、1 マスにひとつの色と明るさの情報しか持つ

ことができないので、この 22 × 15 マスだけでは絵柄が荒すぎてなにが写っているのかわからない。

000000000000000000000000000000000000000000 000000000000000000000100000000000000000000 000000000000000010001110001000000000000000 000000000000000011011111011000000000000000 000000000000000011111111111000000000000000 000000000000000011111111111000000000000000 000000000000000011111111111000000000000000 000000000000000011111111111000000000000000 000000000000000001111111110000000000000000 000000000000000000111111100000000000000000 000000000000000000011111000000000000000000 000000000000100000000100000000100000000000 000000000000110000000100000001100000000000 000000000000111000000100000011100000000000 000000000000011000000100000011000000000000 000000000000011100000100000111000000000000 000000000000001100000100000110000000000000 000000000000001110000100001110000000000000 000000000000000110000100001100000000000000 000000000000000111000100011100000000000000 000000000000000011000100011000000000000000 000000000000000011100100111000000000000000 000000000000000001100100110000000000000000 000000000000000001110101110000000000000000 000000000000000000110101100000000000000000 000000000000000000111111100000000000000000 000000000000000000111111100000000000000000 000000000000000000011111000000000000000000 000000000000000000001110000000000000000000 000000000000000000000100000000000000000000

(13)

||

 第 2 章  

||

 画像の基礎知識 

||

図 02  1 マスごとがひとつの色と明るさを持つこととなるため、 実際は写真のようには見えず、カラフルな模様にしか見 えない。

 例えば、ニコンが販売している D700 というデジタル一眼レフカメラは、有効画素数 1,210 万

画素というセンサーを搭載し、横 4,256 ×縦 2,832 ピクセルの画像データを記録できる。計算す

ると約 1,205 万ピクセルということになる。記録されるピクセル数のことを「記録画素数」とい

うが、記録画素数が多ければ多いほど、1 枚の写真をより細かく分割して表現できるということに

なる。

このため、実際のデジタルカメラはもっと多くのマス目を持っている。このマス目のことを「ピク

セル」と呼び、1 マスのことを 1 ピクセルまたは 1 画素と言うのだが、1,000 万画素のデジタル

カメラでは一般的に約 1,000 万個のピクセルを記録できるようになっている。1 枚の絵柄を 1,000

万分割して色と明るさを表現するのである。

画像 A:22×15 画像 B:50×33 画像 C:800×532

(14)

01

デジタル画像を理解する

ビット数について

02 - 01 - 02

 デジタルカメラに記録された画像データや画像編集ソフトの話をすると、

「8 ビット」や「16 ビッ

ト」という言葉がよく出てくる。これは「ビット数」と呼ばれるもので、ひとつの情報をどれだけ

細分化して表現できるかを表している。コンピューターの言語は 0 と 1 の組み合わせで情報を表

現するため、1 ビットは「1」か「0」かの 2 段階の数値で表す単位と考えることができる。2 ビッ

トだと 2 × 2 で 4 段階、3 ビットは 2 × 2 × 2 の 8 段階で表されるという具合に、ビット数が増

えるほどより細かな段階で表現することができる。ちなみに、8 ビットは 2 の 8 乗で 256 段階と

なる。

1ビット 0 1 2 ビット 00 01 10 11 3 ビット 000 001 010 011 100 101 110 111 8 ビット 00000000 00000001 00000010 00000011     … 11111110 11111111 2段階 4段階 8段階 256 段階 ∼ 図 03 

 JPEG 形式の画像は 8 ビットまでしか対応していないので、0 から 255 までの 256 階調を持つ

ことになる。ただし、モノクロ画像では白から黒までの 256 階調ということになるが、カラー

画像は色を R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)という光の三原色で表現するため、実際は

256 階調× 256 階調× 256 階調で約 1677 万色を表現することができるのである。さらに、これ

が 16 ビットになると R・G・B のそれぞれが 65,536 階調を持つことになり、R・G・B の各色を

より細かな階調で再現することができるようになるのである。

図 04  左図のように、R・G・Bの光の三原色を単純に重ねると、 さまざまな色を表現できる。また、R・G・B が適切な 割合で混ざると白色やグレー色を表現できる。 R・G・B の各色が 65,536 階調とすれば、人の目で判断 がつかないくらいの色数を表現できるのである。 R G B

(15)

||

 第 2 章  

||

 画像の基礎知識 

||

 デジタル画像における「色」は RGB それぞれの値によって表現される。例えば、8 ビットの

JPEG 画像で「R=255,G=0,B=0」は「完全な赤」を表し、

「R=0,G=0,B=255」なら「完全な青」

を表す、という具合である。もちろん、デジタルカメラで撮影した画像はカメラの液晶やパソコン

のモニターで「写真」という形になって再現されている。だが、実際には JPEG なら 8 ビットのデ

ジタルデータが記録されているものを読み取って、それを色として表示しているのにすぎないのだ。

 では、デジタルカメラはどのようにして色を関知して記録しているのだろうか。一般のデジタル

カメラで使用されている撮像センサー(CCD や CMOS といったもの)は、色を感じることができない。

あくまでも光の量に反応して電気を発生させているだけなのだ。このため、一つ一つのセンサー(画

素)にレッド、グリーン、ブルーといったカラーフィルターが装着されており、その組み合わせで

色を作り出しているのである(

図 05

)。ブルーのフィルターを装着した画素の周りにはレッドやグ

リーンのフィルターを持つ画素が存在しており、それらの情報をカメラ内部で組み合わせることで

ひとつの画素に色情報を持たせているのである。レッドの画素の周りにはグリーンとブルーの画素

がある、というように常に隣接する画素は別のカラーフィルターを持つ形になっているのだ。この

カラーフィルターの配列のことを「ベイヤー配列」というが、ほとんどのデジタルカメラのセンサー

はこの方式で色情報を得ているのである。

 余談だが、人間の目が色を認識するのも、R・G・B の光を個別に感応している。そういった意

味では、ベイヤー配列は人間の目に近いと言えるだろう。

色について

02 - 01 - 03

 ビット数が増えるほど階調が増える。

図 03

を見れば白から黒までのモノトーンにおいても、階

調が増えるほどになめらかなグラデーションが表現できることがわかるだろう。Capture NX 2 は

JEPG・TIFF・RAW のデータを自動的に RGB 各色のデータとして開き、編集することができるため、

JPEG 画像を Capture NX 2 で調整しても劣化が少なくて済む。例えば、空が広く写っている JPEG

画像を Photoshop 等で 8 ビットにて展開し、トーンカーブで調整すると、多少劣化(ヒストグラ

ムでは劣化部が欠落し櫛形状となる)が発生し、空の部分はトーンジャンプを起こし帯状となるこ

とがある。これに対し、Capture NX 2 では 16 ビットで展開しているため、同様なトーンカーブ調

整を行っても劣化の割合が 8 ビットでの処理に比べ大幅に少なくなる。さらに、この画像を保存

すると 16 ビットから 8 ビットに圧縮される際、劣化部も同様に圧縮され劣化の少ない画像となる。

(16)

 画像ファイルをパソコンに取り込んだら、いよいよ Capture NX 2 での編集作業となる。編集で

きる内容は RAW 画像と JPEG 画像で異なるが、編集で一番大切なことはまず「どこをどのように

調整して仕上げるか」というイメージを持つことだ。ただ闇雲に調整を繰り返すのではなく、どう

すれば自分がイメージした写真に仕上がるのか、ということを考えながら調整を行うようにしたい。

 RAW 画像では、エディットリストの[現像]セクションにある[カメラ設定]の項目が調整可

能となる。ここでは、[ホワイトバランス](

図 02

)、[ピクチャーコントロール](

図 03

)、[ノイ

ズリダクション]、[アクティブ D- ライティング]の調整が可能だ。カメラ側ですべての設定を調

整した上で撮影するのがベストだが、RAW 画像なら撮影後でも自由に変更できるので、これを活

用するのも手だ。撮影時に厳密な追い込みができなかった場合などでも、思い切った設定変更がで

きるのがうれしい。

 [カメラ設定]の調整が終わったら、次は[クイックフィックス]の中にある、

[トーンカーブ]や[露

出補正](RAW 画像のみ)、[コントラスト]などを調整する(

図 04

)。JPEG 画像の場合は、[カメ

ラ設定]が使用できないため、ここからのスタートとなる。クイックフィックスでの調整が終わっ

たら、必要に応じて[カメラとレンズの補正]にある項目も調整する。ここには[色モアレリダク

ション]や[イメージダストオフ]、[ヴィネットコントロール]などがある(

図 05

)。

 ここまでの調整で画像全体の基本的な調整を終える。そのあと、

[調整]セクションにて、

[カラー

コントロールポイント]や[選択コントロールポイント]、[選択ブラシ]などを使い、画像の細部

の調整を行っていく(

図 06

)。Capture NX 2 がもっとも得意とする調整がこのカラーコントロー

ルポイントや選択コントロールポイントを使った調整だ。調整する範囲の選択が簡単かつ正確に行

えるため、たとえば、花びらだけの色を調整するとか、人物の肌色だけを調整するといったことが、

とても簡単に行えるのである。

03

画像の調整

図 01  パソコンへの取り 込みが終わったら、 Capture NX 2 の [フォルダ]や[ブラ ウザー]から編集す る画像を選び、画 像を開く。

(17)

||

 第 3 章  

||

 ワークフロー 

||

図 02  RAW画像ではホワイトバランスの調整が可能。 撮影時にホワイトバランス設定をした画像で も、微調整をすることでよりイメージ通りの 写真となることが多い。 図 03  同様に RAW 画像ではピクチャーコントロール の設定変更も可能。ピクチャーコントロール を変更すると、画像の色あいやコントラスト が大きく変わるので、撮影時の設定で OKの場 合には、そのままでよい。 図 04  クイックフィックス内に用意されているトー ンカーブを調整したところ。 ここではトーンカーブ以外にも露出補正やコ ントラスト、彩度なども調整できる。

(18)

図 05  [調整前 / 調整後のヒストグラムを表示]ボ タンを押して、ヒストグラムを確認。ハイ ライトとシャドーのピクセルが増えている ことが分かる。

画像の明るさを調整する

05

図 04 トーンカーブのシャドーを下げ、ハイライトを持ち上げてコントラストをつけた。 図 03

[オリジナル画像]

 以下、トーンカーブのさまざまな機能を使って、画像がどのように調整されるか見てみよう。

(19)

||

 第 7 章  

||

 画像を調整する 

||

図 06 [自動コントラスト]ボタンを押し、コントラストを調整した。RGB チャンネルのトー ンカーブがそれぞれ変化していることが分かる。 図 07 [ホワイトポイントの設定]を選択し、女性の白いマフラーをスポイトでクリックした。 その部分の RGB値が255.255.255となるように、RGBの各トーンカーブが自動調整された。 図 08 [ニュートラルポイントの設定]を選択し、エスカレーターの金属部分をクリックした。 この部分を中心にグレーバランスが取られた。

(20)

ピクチャーコントロールを利用する

02

図 10 [クイック調整]を[- 1]とした場合。[輪郭強調]は [3]、[コントラスト]は[-1]、 [色の濃さ]は[- 1]となる。 図 09 [クイック調整]を[- 2]とした場合。[輪郭強調]は [2]、[コントラスト]は[- 2]、 [色の濃さ]は[- 1]となる。

トロールをあらかじめ選んでおく([ニュートラル][モノクローム]でもグレーアウトして使えな

いので注意のこと)。

 [クイック調整]の初期設定値は[0]で、[- 2]から[+ 2]までの 5 段階で調整が行える。

選択しているピクチャーコントロールの種類によってその調整の程度は異なるが、基本的にマイナ

ス側の調整で輪郭強調、コントラスト、色の濃さが弱まり、プラス側の補正でそれらが強まる。また、

初期状態に戻すには[リセット]ボタンをクリックする。[クイック調整]によって実際どのよう

な調整が行われているかは、[詳細設定]を開いた状態で[クイック調整]のスライダーを操作し

てみるといい。[クイック調整]のスライダー操作によって、[詳細設定]の[輪郭強調][コント

ラスト][色の濃さ]の 3 つの各要素が連動して動く。つまり[クイック調整]とは、選択してい

る[ピクチャーコントロール]に合わせて、[詳細設定]の必要な各要素を同時に操作するものだ。

また、[輪郭強調][コントラスト][色の濃さ]には[自動]もある。[自動]は Capture NX 2 が

撮影画像に対して最適な調整を自動に行ってくれるので、利用したい機能である。

 掲載の作例は、[ピクチャーコントロール]を[スタンダード]にした場合の、[クイック調整]

を 1 段階ずつ変更した調整結果だ。前述のように、マイナス側への調整で[輪郭強調]

[コントラスト]

[色の濃さ]が弱まり、プラス側の補正でそれらが強まっている。

 [クイック調整]によって[詳細設定]の各要素がどのように変化するかもあわせて確認してみ

よう。

(21)

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 第 11 章  

||

 ピクチャーコントロール 

||

図 13 [クイック調整]を[2]とした場合。[輪郭強調]は[5]、[コントラ スト]は[1]、[色の濃さ]は[2]となる。 図 12 [クイック調整]を[1]とした場合。[輪郭強調]は[4]、[コントラ スト]は[1]、[色の濃さ]は[1]となる。 図 11 [クイック調整]を[0]とした場合。[輪郭強調]は[3]、[コントラ スト]は[0]、[色の濃さ]は[0]となる。

図 05  [調整前 / 調整後のヒストグラムを表示]ボ タンを押して、ヒストグラムを確認。ハイ ライトとシャドーのピクセルが増えている ことが分かる。画像の明るさを調整する  05図 04 トーンカーブのシャドーを下げ、ハイライトを持ち上げてコントラストをつけた。図 03[オリジナル画像]  以下、トーンカーブのさまざまな機能を使って、画像がどのように調整されるか見てみよう。

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