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「北 海 道 二 級 町 村 制 」

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(2)

「 北 海 道 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察

‑ 「北 海 道 一 級 町 村 制 」 各 条 項 と の 比 較 な ど ‑

鈴 江 英 一

日次一'本稿の意図三H課題の設定日「二級町村制」についての研究史二、「二級町村制」の制定過程≡H北海道各別の制定過程⇔北海道各制の施行延期と改正臼「二級町村制」の改正三'「改正二級町村制」の基本的な性格及び執行機関の権限三六日章款構成及び基本的な性格31執行機関の担任事務と権限田小括四

' 議 会

の機能空H町村会の組織と選挙31町村会の権限'会議法

「北海道二級町村制」についての考察(鈴江) 田小括五'財政事務の性格H収入の基礎31町村税、夫役現品'

公債等の収入及び徴収に対する異議等臼予算と決算㈲小括六

' 監 督

官庁の権限'施行措置及び要約H監督権の行使jI施行のための措置(附則関係)田「1級町村制」との比較の要約七'「沖縄県等町村制」などとの比較H「沖縄県等町村制」の制定過程的「沖縄県等町村制」の特色臼「沖縄県等町村制」との差異と共通性'八'まとめと展望三二

二 美仝その他

(3)

史料館研究紀要第二六号

「 本 稿 の 意 図

H 課 題 の 設 定

( ‑

)

者 は, れ で こ ま

「 北 海

道 区

」 小

論 ‑

「 市 制

」 各 条 項 比 較 の と ‑

( 以 下' 「 制 区

小 論

」 略 と

)' 「 「

北 海 道

( 2

)

級 町

村 制

小 考 「 町 ‑

村 制

各 条

項 の と

較 中 を

心 に

(

下'

「 一

級 町

村 制 小 考

」 略 称 と

) お お や を け に L t

主 て と し

全 国 の

「 市 制

」 「 改 正 北 海 道 制 区 と

」' 「 町

村 制

」 「 改 正 一 と

級 町

村 制

」 の と

比 を

行 た っ

( 本

箱 に 関

す る

各 法

令 の 一 八

八 年

( 明 治 二 一

) か 一 九 二 年 ら

( 明 治 四 四

) で の ま

正 の

移 は' 第

表 の お と ‑

)。

稿 は'

れ ら そ

後 を

受 け て'

九 〇

二 年

( 明

治 三 五

) に

全 文 改

正 れ た さ

「 北 海 道 二

級 町

村 制

( 以 下' 適 宜' 「 二

親 町

村 制

」 ま

た は

「 改 正 二

級 町

村 制

」 略 と

) つ い て' に

他 の

各 町

村 制 の と

較 を

行 い' の 制 こ

度 の

色 と

一 般

性 を

察 よ う と し

す の で あ れ て' る る こ に よ も っ 。

「 北 海

道 区'

一' 二

級 町

村 制

」 す べ つ そ の 施 行 時 点 お 条 の て い て' に け る に

項 の

討 果 す を た に な る こ と 。

れ ま

で の

二 つ の

文 は い '

ず れ も

全 国 の

度 の と

対 比 「 制 で あ た 区 っ 。

小 論

」 で 「 は '

北 海 道 制 区

( 以

下、

「 区

ま 」

た は

「 改

正 区

」 略 称 と

) の 特 色 主 て 「 市 制 を と し '

」 の と

対 比 て に よ っ

挙 げ た す な わ ち 。 '

① 監 督 官

庁 の

権 限 の

強 化'

② 執 行 機 で 長 権 強 化' 関 あ る 区 の 限

③ 会 権 限 の 制 約' 区

④ 区

財 政' 歳 入 面 の 強 に と く

化'

⑤ 訴

願 訴 ・

訟 の 制 限'

( 3

)

⑥ 公 民 要 件 の 制 的 改 正' 名 限

誉 職 就 任

辞 要

件 の

積 和'

⑦ 「 沖

縄 県 区 制

」 の と

共 通

性 の

点 で あ た た' ま っ 。

「 一

町 級

村 制

小 考

」 で は' 「

北 海 道

級 町

村 制

( 以

下'

「 一

級 町

村 制

」 た は ま

「 改 正 一 級 町 村 制

」 略 称 と

) つ い て' 主 に と

し て

「 町

村 制

」 対 比' 「 制 の あ る い は 区 と

」 対 比 の か で 次 の 指 の な ご と と く

摘 た そ れ 第 1 「 は' に し 。

1

級 町

村 制

(4)

[第1](1888年〜1911年)

r別」

.

1888(21).4.25[施1889.4.195(28).3.298(31)62816+20%1889.4.195(28).3.2171897(明30).5.2997(明32)818158378 1897(30).5.291591900(33).3.1200(+33).3.1200(33)3124647481900(33).3.1200(33)3124748L>【施 1897.10.1]1900(33)32351ll(44).4.71911.10.168ll(44).4.7【施1911.10.16901(34).3.3119【施1 900.7.101(34).3.3106(39).7.3

20182「二一扱別」

H1897(30).5.291902(435).2.22【施1902.4.1]06(39).7.3ll(44).5.2716037183170 1908(41).3.1719443[施190

8.4.146)1.2.

)1.r昏J2.長官調

(5)

史料館研究紀要第二六号1

は 「町 村 制 」 の 制 度 的 枠 組 み を 基 本 的 に 変 え る も の で は な く ' 「町 村 制 」 の 主 な 性 格 ‑ ① 町 村 が 公 法 上 の 団 体 で あ

る こ と ' ② 町 村 を 構 成 す る 主 な 成 員 と し て 「公 民 」 が 設 定 さ れ て い る こ と ' ③ 公 民 の 直 接 選 挙 に よ る 議 会 と ' そ の 議

会 に よ っ て 選 挙 さ れ る 町 村 長 と そ の 補 助 機 関 が 構 成 す る 執 行 校 閲 に よ っ て ' 行 政 運 営 が な さ れ る こ と ' ① 町 村 経 済 が

公 経 済 と し て 議 会 に よ っ て 決 定 さ れ ' 執 行 機 関 に よ っ て 処 理 さ れ る こ と ' ⑤ 町 村 に 対 し て ' 国 ‑ 府 県 (ま た は 北 海 道

庁 ) ‑ 那 (ま た は 支 庁 ) の 三 段 階 に よ る 監 督 が な さ れ る ‑ な ど が ' 「 一 級 町 村 制 」 に お い て も 継 承 さ れ て い る こ と

で あ る 。 第 二 に は ' 「 一 級 町 村 制 」 が ' 「町 村 制 」 以 上 に 「区 制 」 と 近 似 し て お り ' こ れ と 一 体 的 な 構 造 を も っ た 制 度

で あ っ た こ と で あ る 。 こ の よ う な 前 提 の う え で ' 両 制 の 差 異 を 見 る な ら ば ' 第 三 に ' 「 1 級 町 村 制 」 は 「町 村 制 」 と

比 較 し て 公 民 要 件 に 制 限 的 設 定 が な さ れ て い る こ と ' 第 四 に ' 町 村 長 ・ 助 役 の 有 給 化 に 見 ら れ る よ う な 名 誉 職 制 自 治

の 後 退 が あ る こ と ' 第 五 に 基 本 財 産 の 蓄 積 命 令 ' 収 益 性 確 保 の 強 調 ' 継 続 費 ・ 特 別 会 計 の 設 定 な ど 財 政 基 盤 の 強 化 が

図 ら れ て い る こ と ' 一 方 で 旧 慣 保 護 の 条 項 が 削 除 さ れ て い る こ と ' 第 六 に ' 国 ' そ の 他 上 級 官 庁 の 監 督 関 係 の 強 化 が

著 し い こ と , を 挙 げ

﹀ さ ら に 付 け 加 え る な ら ば , 「区 制 」 「 1 級 町 村 制 」 「 二 級 町 村 制 」 は ・ 「市 制 町 村 制 」 に 対 置 さ

れ る 一 体 的 な 構 造 を も っ こ と ' ま た ' 北 海 道 が 「町 村 制 」 の 適 用 除 外 と さ れ ' こ れ を 「特 殊 」 化 し た 制 度 の 設 定 と な っ

た 要 因 は ' 沖 縄 県 な ど の 場 合 と 同 様 ' 名 誉 職 制 自 治 が 十 分 貫 徹 し 得 な い と す る ' 制 度 設 定 者 側 の 認 識 に あ っ た こ と を 35 E 指 摘 し

た。

先 稿 「 一 級 町 村 制 小 考 」 の 「ま と め 」 の 中 で も 指 摘 し た よ う に ' 本 稿 の 主 題 で あ る 「 二 級 町 村 制 」 は ' 北 海 道 各 制

の 体 系 の 中 で も 特 異 な 位 置 づ け を も っ て い る 。 そ れ は ' 「区 制 」 は 「市 制 」 に ' 「 一 級 町 村 制 」 は 「町 村 制 」 に ' そ れ

ぞ れ 対 応 し て い る が ' 「 二 級 町 村 制 」 に 対 応 す る 全 国 的 制 度 が な い 点 で あ る 。 ま た ' 北 海 道 各 制 の 中 で 「 一 級 町 村 制 」

は ' 北 海 道 内 の 標 準 的 な 制 度 と し て 設 定 さ れ た が ' 「 二 級 町 村 制 」 の 方 は ' 二 級 町 村 が や が て は 一 級 町 村 へ 昇 格 す る

(6)

(6 ) こ と を 前 提 と する ' 過 渡 的 な 措 置 と し て 設 定 さ れ た 制 度 で あ っ た 。 さ ら に 付 け 加 える な ら ば' 「 二 級町 村制 」 施行 当

時 に は ' 町 村 制 未 施 行 地 (戸 長 役 場 設 置 町 村 ) が 広 汎に 存 在し ' こ れ ら の 地 域に 対し て は ' ま ず 「 二 級 町 村 制 」 の 施

行 を 実 現 する こ と が ' 当 面 の 目 標 と さ れ た 。 「 二 級 町 村 制 」 は ' 北 海 道 各 制 の 制 度 の 体 系 で は ' 上 昇 過 程 (昇 格 構 造) (‑ ) に お け る 通 過 点 と して の 位 置 づ けで あ っ た 。 も っ と も' 「 二 級 町 村 制 」 施 行 期 間 二 九 〇 二 ‑ 四 三 年 )' 二 級 町 村は そ (8 ) の 数 に お い て 一 級 町 村 を 常 に 上 回 ‑ ' 北 海 道 各 制 中 ' 最 も 多 い 数 を 示 して い

た。

右 の よ う な 意 味で は ' 「 二 級 町 村 制 」 は ' 北 海 道 各 制 の 中で ' 標 準 的で は な い が 一 般 的 な 制 度 で あり ' 北 海 道 の 地

方 自 治 の 状 況 を 最 も 如 実 に 反 映 する 制 度 で あ っ た t と い える 。 従 っ て 「 二 級 町 村 制 」 へ の 考 察 が '「 地 方 自治 法」 以 (9 ) 前 の 北 海 道 に お け る 基 礎 的 地 方 自 治 体 制

度の

性 格 を 理 解 する う え で ' 欠 ‑こ と の 出 来 な い 要 件 で あ る と 考 え て い る 。

ま た二 親 町 村 は ' 小 規 模 町 村が その 大 半 で あ っ たこ と か ら ' 町 村 制 が 施 行 さ れ た 場 合' そ の 行 政 運 営 に 当 た っ て 制 度

の 「重 み 」 を 最 も 受 け や す い 地 域で あ っ た と い える 。 し た が っ て 二 級 町 村 の 地 域で は ' 公 法 化 さ れ た 制 度 と 住 民 の 自

治 的 要 求 と の 対 応 関 係 な どに ' 制 度 の 「重み 」 を あ ら わ に 見る こ と が 出 来 よ う 。 地 域 社 会 の 形 成 過 程に ある 北 海 道 の

中で ' 自 治 の 有 り 様 を 見る う え で は ' 二 級 町 村 の 実 態 が ' ひ と つ の 典 型 を 提 示 する の で は な か ろ う か と 思 う 。

こ の よ う な 「 二 級 町 村 制 」 の 特 色 を 理 解 する 方 法 の ひ と つ と し て ' こ れ ま で 筆 者 が 試み て き た よ う に ' 「 二 級 町 村

制 」に つ い て も 「 1 級 町 村 制 」 の 条 項 と の 比 較 ' ま た 類 似 し た 性 格 を 有 する 「沖 縄 県 及 島 喚 町 村 制 」( 以 下 ' 「沖 縄 県

等 町 村 制 」 と 略 称 ) と の 比 較 を 行 う こ と が 有 効 で は な い か t と 思 う 。 さ ら に ' 「市 制 町 村 制 」 の 改 正 t と ‑ に 一 九 一

一 年 (明 治四 四 ) の 全 文 改 正 ( こ れ に よ っ て ' 「市 制 」 「町 村 制 」 と が 分 離 さ れ ' そ れ ぞ れ 別 の 法 律 と なる 。 )の 間に '

北 海 道 ・ 沖 縄 県 等 の 各 制 を 置 ‑こ とに よ っ て ' 「 二 級 町 村 制 」「 沖 縄 県 等町 村 制 」 の 条 文 の 意味 'また 一 九 二 年 の 「町 村 制 」 全 文 改 正 (以 下 ' 「改 正 町 村 制 」 と 略 称) の 性 格 が ' いっ そ う 明 確に な る も の と 考 え る 。 「北 海 道 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察 (鈴 江 )

巨王

(7)

史料館研究紀要第二六号

関 連 す る 法 令 の 条 文 を 逐 一 対 比 す る と い う 作 業 は ' こ れ ら の 法 令 の 制 定 準 備 段 階 ' ま た 実 効 性 を 有 し て い た 当 時 '

法 令 制 定 担 当 者 ・ 行 政 実 務 担 当 者 が ' 或 い は 行 っ て い た こ と か も し れ な い 。 い ま そ の 作 業 を 筆 者 が あ え て 行 お う と す

る 理 由 は ' こ れ ら の 制 度 に つ い て ' 今 後 ' 研 究 を 重 ね て い く た め に な さ ね ば な ら な い 基 礎 的 作 業 で あ っ て ' 筆 者 自 身

の た め に 必 要 で あ っ た か ら で あ る 。 ま た ' こ れ ま で に 十 分 ' 典 拠 と す る に 足 る 条 文 の 比 較 を 行 っ た 研 究 な い し 実 務 書 (10 ) に 出 会 っ た こ と が な か っ た た め で も

も と よ り ' 筆 者 が め ざ そ う と し て い る の は ' 北 海 道 に お け る 基 礎 的 地 方 自 治 体 で あ る 区 (市 ) 町 村 の 実 態 を 歴 史 的

に 解 明 す る こ と で あ る 。 関 係 法 令 の 検 討 の 後 に は ' 自 治 体 制 度 の 形 成 ・ 運 営 の 具 体 的 な 姿 ' い わ ば モ ノ グ ラ フ を 試 み

た い と 考 え て い る 。 そ の う え で は じ め て ' 北 海 道 の 基 礎 的 地 方 自 治 体 制 度 の 歴 史 的 な 全 体 像 に 触 れ る こ と が 出 来 る の

で は な い か t と 思 っ て い る 。 北 海 道 の 事 象 を 逐 う な か で ' あ る い は 全 国 的 な 制 度 の 理 解 に な に か の 寄 与 が 出 来 る な ら

ば ' ま た 望 外 の 幸 せ で あ る 。 い ま 筆 者 が 行 っ て い る の は ' 北 海 道 に お け る 制 度 の 展 開 過 程 を 明 ら か に す る た め の ' 全

‑ 基 礎 的 な 準 備 作 業 に す ぎ な い 。 た だ ' 他 の 町 村 制 と の 対 比 を 通 じ て ' 「 二 級 町 村 制 」 の 性 格 が よ ‑ 明 確 に な っ て ‑

る と 同 時 に ' 一 九 〇 〇 年 代 初 頭 に お け る 各 町 村 制 共 通 の 傾 向 に も ' 触 れ る こ と が 出 来 る か も し れ な い t と 思 っ て い る 。

以 下 ' 次 項 で は 本 稿 の 考 察 の 方 向 を 得 る た め ' 「 二 級 町 村 制 」 を 中 心 と し た 若 干 の 研 究 史 に 言 及 し て お き た い 。 そ の

う え で 次 節 以 下 で は ' 北 海 道 各 制 の 成 立 過 程 と 「 二 級 町 村 制 」 の 制 定 ・ 改 正 過 程 に つ い て 述 べ る 。 さ ら に 「改 正 一 級

町 村 制 」 と 「改 正 二 級 町 村 制 」 の 各 条 項 の 比 較 を 中 心 と し て ' 「沖 縄 県 等 町 村 制 」 及 び 再 度 の 全 文 改 正 と な っ た 1 九

二 七 年 十 月 一 日 施 行 の 「 二 級 町 村 制 」 な ど と の 比 較 を 加 え つ つ ' 「 二 級 町 村 制 」 の 特 色 を 摘 出 し よ う と 思 う 。 最 後 に ' 「ま と め と 展 望 」 を 設 け て ' 個 別 自 治 体 研 究 へ の 視 点 を 整 理 し て お ‑ こ と と し た い 。

(8)

H 「 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 研 究 史

本 稿 の 主 題 で あ る 「 二 級 町 村 制 」 に つ い て は ' 級 町 村 制 」 に 比 較 す る と ' 制 度 の 特 異 性 ' ま た 施 行 地 域 の 拡 が (ll ) り か ら ' 研 究 者 の 関 心 も 少 な か ら ず 注 が れ て き た 。 戦 前 の 業 績 の 紹 介 に つ い て は ' 拙 著 r北 海 道 町 村 制 度 史 の 研 究 」

に ゆ だ ね ' 以 下 に 一 九 四 五 年 以 降 の 主 要 な 研 究 を 略 述 す る こ と と し た い 。

ま ず ' 戦 後 間 も な く 公 刊 さ れ た 藤 田 武 夫 著 「日 本 地 方 財 政 発 展 史 J に お い て は ' 「北 海 道 地 方 財 政 制 度 の 成 立 」 の

中 で ' 一 八 九 七 年 公 布 の 当 初 の 「区 制 」 「 一 級 町 村 制 」 と と も に ' 短 い な が ら も 当 初 の 「 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 記 (12 ) 速 が あ る 。 藤 田 は ' 「区 ' 一 ㌧ 二 級 町 村 制 」 以 前 の 区 町 村 財 政 が ' 「未 だ 何 等 の 規 律 が 加 へ ら れ て を ら な か っ た た め 」 「無 秩 序 と 混 清 」 の う ち に あ っ た と し ' 北 海 道 各 制 の 制 定 に よ っ て ' 区 町 村 は 「無 組 織 無 秩 序 」 か ら ' 「 一 定 の 整 備 せ (マ マ ) る 制 度 を 与 へ ら れ ' と も か ‑ も 近 代 的 な 自 治 財 政 の 運

営に発足

し た 。」 と し て い る 。 同 時 に ' 「 二 級 町 村 制 」 は ' 「 区

制 」 「 一 級 町 村 制 」 の 性 格 を 基 本 的 に 継 承 し っ つ ' 「そ の 行 財 政 上 の 自 治 権 能 は ' 一 級 町 村 に 比 し は る か に 狭 少 」 で あ っ

た ' ま た ' 財 政 諸 条 項 は ' 町 村 会 が 町 村 費 支 弁 事 業 に 関 す る 議 決 権 を 有 し な い こ と な ど に よ り ' 「 二 級 町 村 の 財 政 自

治 権 を 甚 し ‑ 削 減 」 す る も の と し て 制 定 さ れ て お ‑ ' こ れ は 「北 海 道 と い ふ 特 殊 性 に 規 定 」 さ れ た も の で あ る t と 指 (13 ) 摘 し て い

藤 田 の 右 の 指 摘 は ' 実 際 に は 施 行 が さ れ な か っ た 一 八 九 七 年 の 各 勅 令 に つ い て 述 べ た も の で あ る が ' 北 海 道 各 制 に

対 す る 藤 田 の 基 本 的 な 認 識 を 示 し て い る 。 す な わ ち ' 北 海 道 各 制 ' な か で も 「 二 級 町 村 制 」 の 制 定 は ' 「無 秩 序 」 か

ら 「整 備 」 を 生 み だ し た が ' そ の 内 容 は 官 治 性 の 強 さ ' 対 す る 自 治 権 の 弱 さ ' 及 び 財 政 権 の 狭 少 と い う 性 格 の も の で

あ っ た t と し て い る . こ の よ う な 基 本 的 な 性 格 規 定 は ' そ の 後 の 研 究 に 継 承 さ れ て い っ た 。 柴 田 啓 次 「北 海 道 二 二 「北 海 道 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察 (鈴 江 )

IV

(9)

史料館研究紀要第二六号

級 町 村 制 皮 の 変 遷 」;

‑管

, 「 1 , 1 一級 町 村 制 」 の 条 文 の 変 遷 に つ い て , そ の 終 幕 に 至 る ま で は じ め て 詳 細 に 検 討 を

加 え た 論 考 で あ る 。 こ の 論 文 に お い て も ' 当 初 の 両 町 村 制 が ' 「府 県 の 町 村 と か な り そ の 性 格 を 異 に す る も の と い う (15 ) べ く ' 自 治 団 体 と い え る か ど う か も 疑 わ し い 位 で あ る

述 べ た う え で ' そ の 後 の 改 正 に よ っ て ' 「本 道 の 自 治 制 度 (16 ) の 拡 張 は 著 し い も の が あ っ

し て い る 。 す な わ ち ' 制 度 改 正 の 過 程 は ' 全 体 的 に 自 治 権 拡 大 の 過 程 と の 認 識 を 提

示 し て い る 。

次 い で ' 堅 剛 采 の ' ま た 右 の 戦 後 の 諸 研 究 を 踏 ま え て 清 水 昭 典 の 一 連 の 北 海 道 地 方 自 治 制 度 史 研 究 が 一 九 六 〇 年 代

後 半 か ら 公 け に さ れ て い る 。 清 水 は ' 北 海 道 の 地 方 自 治 制 度 全 般 の な か に 基 礎 的 地 方 自 治 体 制 度 の 歴 史 的 展 開 を 置 き '

さ ら に こ れ の 理 論 化 を 意 識 的 に 追 求 し た 。 清 水 の 一 連 の 研 究 の 中 で ' 全 道 的 な 制 度 を 研 究 対 象 と し た 最 新 の 業 績 は ' (17 ) 共 著 昏 r地 域 か ら の 政 治 学 J 所 収 ' 第 二 串 「戦 前 北 海 道 の 政 治 行 政 」 で あ る 。 同 啓 の 「ま え が さ 」 で 清 水 は ' 北 海 道

の 政 治 行 政 へ の 自 ら の 視 点 を 解 説 し て い る 。 そ れ に よ る と ' 北 海 道 の 統 治 と 行 政 機 構 の 設 置 は ' 明 治 維 新 後 ' 列 強 諸

国 の 圧 力 t と ‑ に ロ シ ア 帝 国 に 対 す る 「脅 威 」 を 契 機 に ' 短 い 期 間 で 急 速 に か つ 強 権 的 に 推 進 さ れ た も の で あ ‑ ' 「住 民 の 地 位 を 劣 位 の ま ま に 置 い て ' 統 治 目 的 に 即 し た 行 政 官 僚 制 を 先 行 的 に 整 備 し た 」 と さ れ る 。 そ し て 町 村 自 治

制 は 「沖 縄 と と も に ' 明 治 憲 法 成 立 後 も 近 代 的 地 方 自 治 制 ' 市 制 ・ 町 村 制 を す ら 通 用 せ ず 」 「 一 ' 二 級 町 村 制 な ど 公

権 力 の 後 見 監 督 ' 特 に 北 海 道 町 村 の 典 型 と い わ れ た 後 者 (「 二 級 町 村 制 」 ‑ 鈴 江 註 ) へ の 巨 細 に わ た っ て 至 ら ざ る (18 ) な し と さ れ る ほ ど 監 督 の 強 化 さ れ た 特 異 な 自 治 制 」 が 生 み だ さ れ た と す る 。 す な わ ち 北 海 道 で は 早 急 な 統 治 形 成 の 中 (t9 ) で 官 油 性 が 強 ‑ t か つ 全 国 に 比 し て 「特 異 な 後 進 性 」 を 有 す る 自 治 制 皮 が 定 立 し た と L t そ の 歴 史 的 過 程 が 後 進 性 の (20 ) 克 服 と し て 把 握 さ れ

二 級 町 村 制 」 は ' そ の 後 進 性 の 典 型 と い う こ と に な ろ う 。 な お ' 清 水 に は 、 個 別 町 村 を 対 と こ ろ の つけ うし あ いの な い (2 ) 象 と し た 研 究 と し て '

'

( い ず れ も ' 現 ・ 北 見 市 ) に つ い て の 論 文 が あ

(10)

北 海 道 の 基 礎 的 地 方 自 治 体 制 度 が 「特 殊 」 性 ' 「特 異 」 性 か ら 生 れ た も の で あ る と す る こ と ' ま た ' 「官 治 的 」 で あ

り 自 治 と し て は 「制 限 的 」 で あ り t か つ 「後 進 的 」 で あ る と す る 見 解 は ' 学 説 と し て 定 着 し て い る か に 見 え る 。 事 実 '

こ の 見 解 は 「 二 級 町 村 制 」 の 法 解 釈 か ら も ' 具 体 的 な 実 施 の 態 様 を 見 る 視 点 と し て も ' 継 承 さ れ 拡 大 再 生 産 さ れ て い

る こ と が 少 な ‑ な い 。 例 え ば ' 個 別 の 支 庁 管 内 の 事 例 を 検 討 し た 堀 江 敏 夫 「 二 級 町 村 制 実 施 前 後 に み る 町 村 の 動 き (22 ) ‑ 主 と し て 室 蘭 支 庁 管 内 の 例 ‑ 」 な ど も ' そ の 1 つ で あ る . こ こ で は ' 「 二 級 町 村 制 」 で さ え 施 行 困 難 と す る '

各 町 村 の 行 政 実 態 が 明 ら か に さ れ て い る 。 も っ と も ' 北 海 道 の 基 礎 的 地 方 自 治 体 制 度 の 展 開 を 考 え る う え で ' 北 海 道

の 「特 殊 」 性 と い う 規 定 性 の 下 に ' 制 度 の 定 立 が 官 治 的 ' 後 進 的 に 結 果 す る と い う 視 点 が ' ど こ ま で 有 効 で あ ろ う か '

と い う 問 題 が あ る 。 こ の よ う な 官 治 性 ' 後 進 性 と い う 性 格 規 定 の 視 点 は ' 北 海 道 の 制 度 に 対 し て の み 存 在 す る の で は (23 ) な ‑ ' 本 稿 で も 触 れ る 沖 縄 県 は じ め 各 地 に 少 な ‑ な い の で あ

制 度 を 考 え る 場 合 に ' 官 治 性 ' 後 進 性 と は 別 の 視 点 が 成 立 し な い で あ ろ う か t と い う 点 に 関 し て は ' 滑 水 昭 典 共 著 (24 ) 前 掲 書 に も '官 治 的 制 度 展 開 に 括 抗 し た 「市 民 自 治 運 動 」 が 紹 介 さ れ て い

る。

そ の よ う な 、 制 度 の 下 に 生 活 す る 住 民

を 照 射 す る こ と が 出 来 る な ら ば ' 官 治 性 に 包 摂 し き れ ず ' 後 進 性 に 収 致 し 得 な い 自 治 体 と 住 民 の 活 動 が ' 多 面 性 を も っ

て 明 ら か に な る の で は な か ろ う か 。 筆 者 も 前 著 「北 海 道 町 村 制 度 史 の 研 究 し で は ' 北 海 道 の 「特 殊 」 性 か ら 制 度 を 理 (25 ) (26 ) 解 す る こ と の 限 界 を 論

'

戸 長 役 場 制 度 下 に 住 民 が 創 出 し た 多 様 な 議 決 機 関 の 輩 出 を 紹 介 し

基 礎 的 地 方 自 治 体 に (27 ) お け る ' 自 ら を 発 展 せ し め て ゆ ‑

考 え る な ら ば ' 制 度 へ の 理 解 を 「特 殊 」 性 の 下 の 官 治 性 ' 後 進 性 と い う 規 定

性 に と ど め ず ' 各 地 の 事 例 を 具 体 的 に 見 る こ と に よ っ て ' 北 海 道 の 制 度 を 解 明 し ' ひ い て は こ れ を 全 国 の 制 度 に 位 置 (28 ) づ け る 方 途 を 見 出 し て ゆ く こ と が ' 可 能 と な る の で は な か ろ う か 。

も と よ ‑ 本 稿 は ' 前 述 の ご と ‑ ' 基 礎 的 地 方 自 治 体 の 実 態 の 解 明 に 到 達 す る も の で は な く ' そ の 基 礎 的 作 業 と し て 「北 海 道 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察 (鈴 江 )

(11)

史料館研究紀要第二六号云

行 っ て い る に す ぎ な い 。 本 箱 の 関 心 は ' 他 の 標 準 的 な 町 村 制 (例 え ば 「 一 級 町 村 制 」 ) と 比 較 す る こ と に よ っ て ' 「 二

級 町 村 制 」 の 特 色 を 摘 出 し ' 「沖 縄 県 等 町 村 制 」 な ど と の 比 較 に よ っ て ' 「 二 級 町 村 制 」 の 「特 殊 」 と 思 わ れ て い た 諸

側 面 を よ り 一 般 性 を も っ て 理 解 し ょ う と す る と こ ろ に 甘 め て い る 。

な お ' 「 二 級 町 村 制 」 に 関 連 す る 条 文 解 説 書 を ' 管 見 の 限 り 挙 げ る と 次 の と お り で あ る 。 川 田 中 愛 書 ・ 神 尾 重 亮 ・ 塙 善 書 共 著 r北 海 道 区 町 村 制 義 解 J t 進 振 堂 ・ 玉 振 堂 ' 一 八 九 七 年 十 月 十 三 日 刊 。 本 稿 で

は r田 中 義 解 」 と 略 称 。 以 下 同 じ 。 脚 太 田 敏 ・ 川 越 常 次 郎 共 著 r北 海 道 二 級 町 村 制 詳 解 L t 太 田 敏 ・ 川 越 常 次 郎 ' 一 九 〇 二 年 七 月 五 日 刊 。 略 称 t r太 田

詳 解 」。 ㈱ 伊 藤 玉 一 著 「北 海 道 二 級 町 村 制 義 解 L t 伊 藤 玉 一 ㌧ 一 九 三 三 年 七 月 二 十 日 刊 。 略 称 t r伊 藤 義 解 J 。

右 の う ち 川 は 二 八 九 七 年 制 定 の 当 初 の 勅 令 に 対 す る 解 説 な の で , 本 稿 で は 引 用 す る こ と が 少

Mt!t

淫 , 共 著 者

が と も に 北 海 道 庁 内 務 部 地 方 課 貝 で ' 町 村 を 指 導 監 督 す る 立 場 か ら の 著 述 で あ る 。 「町 村 制 」 の 下 で の 行 政 裁 判 例 '

行 政 実 例 を 豊 富 に 付 し て い る 。 附 録 に は ' 北 海 道 庁 令 な ど の 関 係 道 庁 例 規 ' 会 議 規 則 な ど 町 村 で 制 定 す べ き 規 程 の 按

例 な ど を 収 録 し て い る 。 北 海 道 庁 参 事 官 横 山 隆 起 ら の 校 閲 を 経 る と し て い る こ と か ら ' 同 書 の 条 文 解 釈 は ' ほ と ん ど

有 権 的 解 釈 に 近 い と い っ て よ い の で は な か ろ

の 著 者 は , 北 海 道 庁 根 室 支 庁 地 方 係 の 属 官 で あ る 。 道 庁 内 務 部

長 ら の 序 文 が あ り へ 関 係 法 規 を 収 録 し て い る . 本 稿 七 節 白 項 「沖 縄 県 等 町 村 制 」 と の 差 異 と 共 通 性 、 そ の 他 、 で は '

一 九 二 七 年 改 正 時 点 の 「 二 級 町 村 制 」 に つ い て 論 じ た が ' 同 書 は ' そ の 六 年 後 の 刊 行 で あ る 。 し か し ' こ れ よ り 早 い

時 期 の 解 説 書 に 出 会 わ な か っ た の で ' 同 書 を 参 考 に し た 。

(12)

ほ か に ' 次 の も の は 「区 制 」 を 扱 っ た 解 説 昏 で あ る が ' 本 稿 で 引 用 す る こ と も 少 な ‑ な い の で 挙 げ て お こ う 。 仙 石 森 憲 治 著 r北 海 道 区 制 釈 義 し 、 札 幌 活 版 印 刷 所 ' 一 八 九 九 年 十 月 五 日 刊 。 略 称 「石 森 釈 義 」 .

r石 森 釈 義 」 も ' 著 者 は 北 海 道 庁 地 方 課 月 で ' 似榊 の 著 者 と 同 様 ' 現 役 の 法 制 実 務 家 と し て の 立 場 か ら 著 述 が さ れ

て い る 。

(‑ ) 函 館 市 史 編 さ ん 室 編 r地 域 史 研 究 は こ だ て ︼ 第 二 言 方 ' 同 市 ' 一 九 九 〇 年 ' 所 収 。 (2 ) 旭 川 市 総 務 局 総 務 部 市 史 編 集 事 務 局 桐 r旭 川 研 究 < 昔 と 今 > 」 第 四 号 ' 同 市 ' 一 九 九 三 年 ' 所 収 。 (3 ) 「区 制 小 論 」 ' 三 八 貢 以 下 。 (4 ) 「 一 級 町 村 制 小 考 」 ' 五 三 貫 以 下 。 (5 ) 同 前 ' 五 六 頁 以 下 。 (6 ) 同 前 ' 五 六 頁 以 下 。 (7 ) 「二 級 町 村 制 」 が 制 度 上 ' 通 過 点 と 位 置 づ け ら れ て い た こ と は ' 例 え ば ' 「区 ' 1 ㌧ 二 級 町 村 制 」 を 閣 議 決 定 し た と き の 拓 殖 務 大 臣 講 読 に 「未 夕 二 級 町 村 制 ヲ 施 ス コ ト 能 ハ

サ ル 地 ハ 漸 次 之 ヲ 施 シ 既 二 二 級 町 村 制 ヲ 施 シ タ ル 地 ハ 進 テ 1 級 町 村 制 ヲ 施 シ 終 二 同 道 最 下 級 ノ 団 体 ヲ シ テ 1 級 町 村 以

上 ノ 地 位 二 速 セ シ メ ン ト 欲 ス 」 (r 公 文 煩 宋 」 、 国 立 公 文 書 「北 海 道 t l級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察 (鈴 江 ) 館 所 蔵 。 札 幌 市 教 育 委 月 会 絹 r新 札 幌 市 史 j 第 七 巻 ' 同 市 ' 一 九 八 六 年 ' 一 〇 〇 〇 頁 ) と の 文 言 に 端 的 に 表 明 さ れ て い る 。 (8 ) 「 1 級 町 村 制 小 考 」 ' 五 九 頁 註 (4 ) 。 (9 ) 「基 礎 的 地 方 自 治 体 制 度 」 と い う 用 語 に つ い て は ' 「 一 級 町 村 制 小 考 」' 三 ‑ 四 頁 証 の ' 参 照 。

( 10 ) 聾 者 の 管 見 で は ' 「二 級 町 村 制 」 と 「市 制 町 村 制 」 「 一 級 町 村 制 」 な ど の 条 文 を 対 照 し た も の の 最 初 は ' 一 九 二 九 年

十 月 初 刊 と 推 定 さ れ る ' 加 除 式 の r逐 条 対 照 北 海 道 自 治 例

規 集 」 (北 海 道 自 治 研 究 会 舶 ・ 刊 ) と 思 わ れ る 。 こ れ は ' 「 二 二 級 町 村 制 」 全 文 改 正 後 の も の で ' 各 別 の 対 照 の ほ か 、 行 政 判 例 ' 行 政 実 例 、 訴 願 裁 決 ' 資 料 を 収 録 し て い る 。

こ の 時 点 で 各 制 の 逐 条 対 照 が 可 能 と な っ て く る の は 、 「 二

級 町 村 制 」 と 「町 村 別 」 が 、 少 な ‑ と も 条 項 の 構 成 で は '

(13)

史料館研究紀要第二六号

ほとんど差異が見られな‑なったためではなかろうか。(ll)北海道大学図書刊行会'一九八五年'一六貢以下。(12)藤田武夫著r日本地方財政発展史Lt河出書房'一九四

九年'四七頁以下。

(13)同前'四六‑四七'五六

五七頁。(

1

4)北海道自治

会編r北海

自治」第一四巻四

六号、一

六四年四月〜六月'所収。ここでは'北海道

ほか樺太

の町村制につ

ても触れている。(15)柴田前掲論文Ht三頁。(16)同前'四頁。(17)窓社tl九九一年'五三

二三貫。この先行論文は'「戦前における北海道自治制

後進性とそれからの脱却過

程‑府県の制度との比較において‑」(北海道通史桐集所編「新しい通史」第四〇号二九七〇年'所収)'「戦

前における北海道自治制の

色について‑府県における自治制との対比‑」(「北見工業大学研究報告」第二巻五号'一九七〇年'所収)'「北海道における地方制度の成立

と変遷」(関

志編r北海道の研究」五近・現代篇Ⅰ(清文堂出版'︼九八三年'所収)である。「区、一tl一

級 町

制」についての見解は'ほぼ同内容であって'基本的には'近著に吸収されている。このうち最後の論文が引用される

塀度が多く'影響が大きい。(18)清水昭典ほか共著前掲書'r地域からの政治学Lt

.Ⅵ

頁。 ≡

(19)清水昭典前掲論文'「北海道における地方制度の成立と

変遷」'九二貫。(20)同前'七山頁。

(21)「北見(野付牛)における地方自治制度の発達‑維新

から二級町村制まで‑」(r北見郷土博物館紀要」2‑Ⅱへ一九七二年'所収)。r大正・昭和初期相内村の発達と有力者達し'北見市史楯さん重'1九七八年。r北見における地

方自治史」上'北見市史婿さん室tt九八1年。(2)北海道通史編集所編r新しい通史]第七二号'1九七七年'所収。

(23)沖縄県の区町村制皮においても'「官治性」が強‑「自

治性」(住民自治)が弱いという評価がある。これについては'琉球政府筋r沖縄県史」第二巻、1九七〇年'三七

八頁以下'参照。

(2

4)清水昭典ほか共著前掲書'八二貫以下。「自主・自治的

方政治を創ろうとした」(.Ⅵ頁)動きとして同書で紹介されている住民運動は函館区の官有物払下げ問題'北海道

議会開設請願運動'小樽区の港湾埋立て反射運動である。(25)拙著前掲書'四〇〇貢以下。とくに第三掃第二章「r新

撰北海通史」にお

け る

町村制皮に関する記述の批判」'第三章「北海道区制'1二1級町村制の制定過程」'参照。

(26)同前'四二九頁。(27)同前'終論「総括と課題」四五七頁など。

(14)

筆者は'同番において基礎的地方自治体が自らを発展せ

しめてゆく過程を'「内在的発展過程」として捉え'その解明の意義を強調した。(28)「二級町村制」の各地の実態については'清水昭典著の前掲香、r大正・昭和初期相内村の発達と有力者達しのほか'蓮池桟「北海道における農村自治体の形成‑札幌郡

手稲村の事例二八七二年‑1九〇二年)I」(r北大法学論集j第三六巻1・二号(1九八

年へ所収)などがある。(29)r田中義解」は'「区、二二級町村制」の解説書であるが'「区卜町村トハ其制度ヲ立ツルノ原質二重テハ同一ノ

モノナリ故こ区制ノ部こ於テ解釈セル法理ハ直チ二移シテ以テ両級町村制こ応用スルヲ得ルモノナレハ一級町村制以

下ハ総へテ解義ヲ省略セリ」(一六三頁)として'「区別」 の解説を行うに留めている。

(30)r太田詳解Jが'北海道庁の条文解釈を全面的に反映しているとすれば、自序の第二項に「町村ノ自治ハ法律命令

ノ許与シタル範囲内こ於テ活動セサルへカラス」とあるのは'町村への道庁の指導の基本的な姿勢萱不したものといってよい。そこでは、「従来ノ実践こ敢スルこ自治制下エア

ル町村ハ関々自治ノ意衣ヲ謬解シ行政機関及談邸機関ハ往々法律命令こ依り限定セラレタル権限を投趨シ無限こ自治権

ノ濫用ヲ計り動モスレハ官府ノ命令監督ヲ無視シ自治ノ常

軌ヲ逸スル無謀ノ行動ヲ為スモノナキニアラサルナリ」(自序三貢)として'道外府県にみる「町村別」に依拠した自治権伸張の要求に対する、道庁内部の否定的評価を窺うことが出来る。

二、「二級町村制」の制定過程

H北海道各制の制定過程

「二級町村制」の各条項を検討する前に'この制度の制定過程を'先箱よりは多少詳し‑たどってお‑ことにした

い。「二親町村制」の制定過程や公布後'施行されないまま改正される過程の中に'その特色の一端を見ることが出

来るかと思う。「北海道二級町村制」についての考察(鈴江)

(15)

史料館研究紀要第二六号

先 稿 で 触 れ た よ う に ' 「 二 二 級 町 村 制 」 の 制 定 を 必 要 と す る 根 拠 は ' 「此 法 律 ハ 北 海 道 ' 沖 縄 県 其 他 勅 令 ヲ 以 テ 指

定 ス ル 島 喚 こ 之 ヲ 施 行 セ ス 別 こ 勅 令 ヲ 以 テ 其 制 ヲ 定 ム 」 と し た 「町 村 制 」 第 二 二 二 条 で あ っ た 。 北 海 道 は ' 沖 縄 そ の

他 の 島 喚 と と も に ' 「町 村 制 」 の 適 用 を 除 外 さ れ ' 「市 制 」 の 適 用 も な さ れ な か っ た 。 北 海 道 内 で は ' 「市 制 町 村 制 」 (‑ ) 公 布 当 初 か ら ' 「町 村 制 」 の 適 用 除 外 を ' 衆 議 院 議 員 選 挙 権 付 与 ' 北 海 道 議 会 開

設の

遅 延 と と も に ' 自 治 制 度 上 ' 「内

地 」 府 県 に 対 す る 北 海 道 の 格 差 で あ る と 把 え て い た 。 こ の た め 一 八 八 九 年 (明 治 二 二 年 ) か ら 九 二 年 (明 治 二 五 ) 頃

に か け て ' 道 内 在 野 言 論 界 か ら は ' 一 部 地 域 に 対 す る 「町 村 制 」 の 早 期 適 用 ' ま た は 「町 村 制 」 に 準 じ た 制 度 (「 町

村 制 」 第 一 三 二 条 に い う ' 別 途 の 勅 令 ) 制 定 の 要 求 を 内 容 と し た 提 議 が あ い つ い で な さ れ た 。

そ れ ら 在 野 言 論 界 の 諸 提 議 は ' お よ そ 三 つ の 主 張 に 大 別 さ れ る 。 第 一 の 主 張 は ' 旧 閑 地 の 函 館 地 方 に 起 き た も の で '

同 地 方 ひ い て は 道 南 ‑ 北 海 道 南 部 地 方 を 北 海 道 庁 管 轄 か ら 分 離 独 立 さ せ よ う と い う 分 県 論 を 伴 う 提 議 で あ っ た 。 分 (2 ) 県 に よ っ て 道 南 地 方 が 内 地 同 様 の 制 度 の 適 用 を 受 け よ う と す る 構 想 で あ

る.

第 二 は ' 分 県 論 を 採 ら な い が ' 道 内 の 1 (3 ) 地 域 ' 一 部 の 都 市 に 府 県 同 様 の 制 度 を 適 用 し ' 他 の 地 域 に は 特 別 制 度 を 施 行 す る 構 想 で あ

る。

こ れ は ' 道 南 か ら も ' (3 ) ま た 札 幌 ・ 小 樽 の 道 央 の 都 市 か ら も 提 議 さ れ

た。

第 三 の 立 場 は ' 北 海 道 全 域 に 「特 別 」 制 度 を 施 行 す る と い う 提 議 で (4 ) あ る 。 こ の 構 想 は ' 主 と し て 札 幌 の r北 海 道 毎 日 新 聞 」 に 拠 っ た 久 松 義 典 な ど に よ っ て 主 張 さ れ て い

る。

こ の う ち 第

一 と 第 二 と は ' 在 野 言 論 界 に お い て も 全 道 的 に 支 配 的 な 論 議 と は な ら ず ' 町 村 制 度 設 定 へ の 主 流 と な っ た の は ' 第 三

の 提 議 で あ っ た 。

(5)

第 三 の 立 場 の 最 も 有 力 な 論 客 は 久 松 義 典 で あ っ た が ' そ の 著 書 r北 海 道 新 策

」二

八 九 二 年 刊 ) で 主 張 し て い る 特

別 市 制 町 村 制 は ' そ れ ま で の 在 野 言 論 界 の 諸 提 議 を ' ほ ぼ 集 約 し た も の と い え よ う 。 久 松 は こ の 中 で ' 北 海 道 の 町 村

を 「草 創 」 に し て 「来 た 1 定 の 習 慣 風 俗 を 成 さ ざ る 」 「幼 稚 社 会 」 と L t こ れ を 「誘 披 指 導 し て ' 新 鮮 ' 純 潔 ' 堅 固 '

(16)

富 美 に し て 且 和 熟 せ る 小 団 体 を 組 綴 せ し め 」 る た め ' こ の 「特 殊 」 な 状 況 に 対 応 す る 制 度 が 必 要 で あ る と し た 。 こ の

た め ' 函 館 区 会 規 則 ' 総 代 人 撰 拳 法 な ど の 全 廃 と ' 次 に 掲 げ る 特 別 制 度 の 設 定 を 提 起 す る の で あ る 。 久 松 の 提 議 の 要

点 は ' 「市 制 町 村 制 」 に 規 定 さ れ て い る 諸 要 件 の 変 更 を 軸 と し た も の で ' ① 公 民 権 資 格 の 特 例 (資 格 要 件 の 緩 和 )へ ②

地 方 税 か ら の 補 助 ' ③ 町 村 長 ・ 助 役 の 有 給 化 ' ④ 基 本 財 産 維 持 の 義 務 化 で あ っ た 。 ① の 公 民 資 格 要 件 の 綾 和 は ' 「市

制 町 村 制 」 各 第 七 条 の 規 定 で あ る ' 地 租 納 入 ま た は 直 接 国 税 年 額 二 円 以 上 の 納 入 者 と い う 要 件 を 拡 大 さ せ よ う と の 意

図 で あ る 。 久 松 に よ れ ば ' 現 状 で は 「 二 円 以 上 」 の 要 件 を 満 た す 者 は 極 め て 少 な く ' 地 租 五 円 未 満 納 入 者 に し て 四 '

〇 〇 〇 人 余 に 限 定 さ れ る た め ' 制 度 設 定 に 当 た っ て は 公 民 の 範 囲 の 拡 大 を 必 須 と し た 。 ま た ' ② と ④ は ' 市 町 村 の 経

済 的 自 立 の た め ' 基 本 財 産 の 維 持 強 化 を 図 る 一 方 ' 自 立 ま で の 問 ' 地 方 税 か ら の 補 助 を 行 い ' 新 制 度 へ の 移 行 に 際 し

て の 負 担 増 を 極 力 軽 減 し ' 移 行 を 円 滑 に な さ し め よ う と す る も の で あ っ た 。 ③ の 町 村 長 等 の 有 給 化 (「 町 村 制 」 節 五

六 条 の 特 例 適 用 ) は ' 広 域 に し て 往 来 険 路 の 状 況 ' 漁 期 の 季 節 的 繁 忙 が 免 れ な い 漁 村 地 帯 の 状 況 で は ' 無 給 の 名 誉 職 (6 ) 町 村 長 等 に よ っ て は ' 職 務 を 遂 行 し 難 い と の 理 由 で あ る

制 度 の 担 い 手 の 確 保 と 新 た な 賦 課 へ の 対 応 を 内 容 と し た 久

松 義 典 の 提 議 は ' 「市 制 町 村 制 」 と は 異 っ た 町 村 編 成 原 理 を 求 め た の で は な ‑ ' む し ろ 戸 長 役 場 制 度 か ら 「市 制 町 村

制 」 に 移 行 す る た め の 中 間 過 程 と し て 必 要 な 最 小 限 皮 の 措 置 を 講 じ よ う と す る 内 容 で あ っ た 。

在 野 言 論 界 が 提 起 し た 諸 種 の 特 別 町 村 制 は ' こ の 後 ' 北 海 道 庁 さ ら に 内 務 省 の 構 想 の 中 に 継 承 さ れ て ゆ く 。 内 務 省

は ' 当 初 ' 北 海 道 に お け る 「自 治 」 制 の 制 定 に は 慎 重 で あ っ て ' 時 期 尚 早 と い う 立 場 で あ っ た 。 し か し ' 一 八 九 五 年 (明 治 二 八 ) 二 月 八 日 ' 第 八 回 帝 国 議 会 で は ' 内 務 大 臣 が 「北 海 道 施 政 方 針 ノ 件 」 (百 方 梅 治 の 質 問 ) に 対 し て 述 べ る

中 で '

(‑)

「最 下 級 ノ 地 方 制 度 ノ 如 キ 最 速 こ 改 正 ノ 必 要 ヲ 認 メ 現 今 粗 ホ 其 ノ 草 案 ノ 調 査 ヲ 完 了 セ ン ‑ セ リ 」 ( 二 月 大 目 付 答

弁昏)

「北 海 道 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察 (鈴 江 )

(17)

史料館研究紀要第二六号

と 答 弁 し て い る 。 そ の う え で こ の 議 事 録 に は 参 照 の た め と し て ' 前 年 一 八 九 四 年 五 月 付 の 内 務 大 臣 井 上 馨 に よ る 「北

海 道 こ 関 ス ル 意 見 書 」 を 掲 載 し て い る 。 そ の う ち の 「第 五 ' 地 方 制 度 」 の 項 で は ' 次 の と お ‑ 述 べ て い る 。 (皮 ) 「左 ノ 標 準 こ 依 リ テ 先 ツ 最 下 級 ノ 組 織 ヲ 制 定 シ 以 テ 略 ホ 之 力 基 礎 ヲ 確 立 ス ル ヲ 待 テ 漸 次 本 道 地 方

完 成 ヲ 期 シ \徐 々 こ 其 ノ 進 歩 ヲ 謀 ラ ン ト 欲 ス

(ママ)

一 函 館 ノ 如 キ 禰

完 全 ノ 市 街 ヲ 成 シ 其 ノ 負 担 二 堪 へ 得 へ キ ノ 地 こ ハ 之 こ 適 当 ス ヘ キ

特種ノ

組 織 ヲ 設 ク ル 事

一 他 ノ 村 落 こ 関 シ テ ハ 二 種 若 ク ハ 三 種 ノ 組 織 ヲ 設 ケ 其 ノ 人 口 疎 密 及 資 力 厚 薄 ノ 皮 二 照 ラ シ 之 ヲ 適 当 二 応 用 シ 並 二 道

路 修 繕 ' 学 校 病 院 其 ノ 他 国 庫 ノ 補 助 二 関 シ テ ハ 資 力 ノ 発 達 二 随 テ 漸 次 逓 減 ノ 法 二 拠 ル 事

要 ス ル ニ 本 道 地 方 制 度 こ 閑 シ テ ハ 啓 二 急 進 的 改 正 ノ 必 要 ヲ 見 サ ル ノ ミ ナ ラ ス 寧 口 其 ノ 本 道 ノ 発 達 進 歩 ヲ 阻 害 セ ン (8 ) コ ト ヲ 恐 ル ナ リ 」 「意 見 書 」 の 構 想 は ' 制 度 の 変 型 簡 素 化 ' 国 家 財 政 に よ る 支 援 ' 地 域 社 会 の 発 展 段 階 に 応 じ た 階 層 性 の あ る 制 度 の

設 定 な ど で ' 久 松 義 典 に 代 表 さ れ る 在 野 言 論 界 の 提 議 と は 矛 盾 が な い 。 政 府 答 弁 が 「租 ホ 其 ノ 草 案 ノ 調 査 ヲ 完 了 セ ン

ト セ リ 」 と い う の は 事 実 で ' 同 年 ' 構 想 の 「大 体 ノ 要 旨 ヲ 確 定 」 L t 九 五 年 に は ' 「北 海 道 区 町 村 制 ヲ 定 ム ル ノ 件 」 (9 ) と し て ' 勅 令 案 が 準 備 さ れ て い た 。

か く し て 北 海 道 の 特 別 自 治 制 度 と い わ れ た も の が ' 一 八 九 七 年 五 月 二 十 五 日 (官 報 登 載 五 月 二 十 九 日 。 官 報 登 載 日

が 公 布 日 と な る o 以 下 同 じ )' 勅 令 第 1 五 八 号 「北 海 道 区 制 」 ' 勅 令 第 一 五 九 号 「北 海 道 1 級 町 村 制 」 ' 勅 令 第 1 六 〇 (10 ) 号 「北 海 道 二 級 町 村 制 」 と し て 結 実 し た の で あ る 。 も っ と も ' こ の 時 点 で も 戸 長 役 場 制 度 を 残 存 さ せ る ' 町 村 制 未 施 ( ) 行 地 の 広 汎 な 存 在 が 予 定 さ れ て い た 。

一 九 〇 〇 年 代 初 頭 の 北 海 道 で は ' 基 礎 的 地 方 自 治 体 制 度 は 四 種 類 の 階 層 構 成 を 有 す る こ と に な っ た 。 そ れ を ほ ぼ 同

(18)

時 代 の 全 国 ・ 沖 縄 県 な ど の 制 度 と 対 照 す る な ら ば ' 第二 表 に 掲 げ た と お り

で ある (こ こ で は ' 後 述 する 北 海 道 各 制 改 正 施 行 後 の 状 況 を 示 し た) 。

⇔ 北 海 道 各 制の 施 行 延 期 と 改 正

一 八 九 七 年 (明 治 三 〇 ) 公 布 を み た 北 海 道 各 制 で あ っ た が ' た だ ちに 施 (12 ) 行 は さ れ な か っ た 。 同 年 六 月 十 七 日 ' 拓 殖 務 省 令 第 七 号に よ ‑ ' 「区 制 」

の 施 行 日 は 同 年 十 月 一 日 ' 「 一 級 町 村 制 」 は 翌 九 八 年 一 月 一 日 とな っ た に (̲3 ) もか か わ ら ず ' 九 七 年 九 月 十 1 日 ' 内務 省

二 五 号 で ' 「区 制 」 及 び

「 一 級 町 村 制 」 の 施 行 延 期 が 指 示 さ れ た 。 こ の た め ' 「区 ' 一 ' 二 級 町 村 制 」

と も 当 初 の 勅 令 が 施 行 さ れ ず ' 大 幅 な 改 定 後に よ う や ‑ 1 八 九 九 年 ‑ 1 九

〇 二 年 の 間 に 施 行 さ れ た 。 第 一 表 で 見 た と お ‑で ある 。 と ‑に 本 稿 の 主 題

で ある 「 二 級 町 村 制 」 は ' 当 初 公 布 の 五 年 後 、 一 九 〇 二 年 二 月二 十 二 日 '

全 文 改 正 が さ れ た う え で 再 び 公 布 さ れ ' 同 年 三 月 十 三 日 付 ' 内 務 省 令 第 七

号 に よ っ て ' 四 月 一 日の 施 行 と な っ た 。 同 時に 札 幌 郡 札 幌 村ほ か 六 一 か 町

村 を 施 行 地 と す る こ と も 指 定 さ れ た 。 「市 制 」に よ り 近 づ い た 「 区 制 」 に

比 較 して 「 1 ' 二 級 町 村 制 」 t と ‑に 「 二 級 町 村 制 」 の 施行 が 著 し ‑遅 延

し た の は ' 主 と して 当 初 の 「 二 級 町 村 制 」 の 是 非 が 理 由 で あ っ た と 報 道 さ

れ てい る 。 「北 海 道 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察 (鈴 江 )

【 第

2

表】 市区町村制の階層構成

(1902

年現在 )

施 行 対 象 地 方

地 域 の 区 分

縄 県

A

都 市 部 [1889年施行 ] [1899年施行] 〔1

896年 施 行 】

市 制 北 海

道 区 制 沖 縄 県 区 制 ち 都市部以外の地域 [1889年施行 ] 北[1900年施行】 [1899年 施 行 ]

海道一級町村制 沖 縄 県 間 切 島 規 程 町 村 制

.

北海道二[1902年施行]

級町村

制( i

.la;8&*

冨孟制)

C

(19)

史料館研究紀要第二六号

当 初 の

'

二 級 町 村 制 」 を 要 約 する と ' 両 制 と も ' ま ず 章 款 構 成 で は ' 「町 村 制 」 とほ ぼ 同 じで あ っ た が へ 「区 制 」

と 同 様' 第 二 章 の 町 村 会 と 第 三 章 の 町 村 行 政 が 入 れ 替 わ っ て ' 第 二 章 町 村 行 政 ' 第三 章 町 村 会 と な っ て い る 。 「 一 級

町 村 制 」 は ' 「町 村 制 」 に 近 い も の で ' 第 二 章 ・ 第三 章 を 見 る と' 主 要 な 異 同 は ' 町 村 長 が ' 「町 村 制 」 で は 公 選 (読

会 に よ る 選 出) ・ 名 誉 職 (無 給) で あ っ た の に 対 し ' 「 一 級 町 村 制 」 は ' 道 庁 長 官 の 任 命 に よ る 有 給吏員 t か つ 「 町

村 長ノ 給 料 及 旅 費 ハ 国 庫 ヨ リ 支 給 ス 」 (第 二 六 条 ) と あ っ て ' 道 庁 長 官 が そ の 額 と 支 給 方 法 を 定め る と し た 点' ま た '

町 村に は 助 役が な ‑ 収 入 役 は 書 記 の 中 か ら 郡 長 が 命 ずる と し た 点 で ある 。 一 方' 「 二 級 町 村 制 」 は ' 多 ‑ の 点 で 「 一

級 町 村 制 」 に 準 じ た 内 容 とな っ て い た 。 例 え ば 、 と も に 道 庁 長 官が 町 村 長 を 任 免 する ' ま た ' 書 記 は 郡 長 が ' その 他

の 附 属 月 は 町 村 長 が 任 命 する と して い る 。 町 村 長 の 給 料 ・ 旅 費 の 国 庫 支 弁' ま た 助役 が 置 か れ な い の も 同 様 で あ る (「 二 親 町 村 制 」 で は ' 収 入 役 も 置 か れ な い )。 た だ' 「 二 級 町 村 制 」 の 町 村 会 の 地 位 は 低 ‑ ' 条 例 ・ 規 則 の 制 定 権' 町 (14 ) 村 営 造 物 の 管 理 方 法 の 議 決 権 の 明 示 が な く こ れ に 対 し て 町 村 長 の 専 決 権 が 大 き か っ

た。

改 正 前 の 「 一 ' 二 級 町 村 制 」 間に は ' 後 の 改 正に 見 ら れ る よ う な 際 立 っ た 差 異 を 見 出 す こ と が 難 しい 。 北 海 道 庁 は '

「 一 級 町 村 制 」 と の 間に ' 基 本 的 な 差 異 が 乏し い 「 二 級 町 村 制 」 を 全 道 的に 施 行 するの が ' な お 時 期 尚 早 と 見 て ' コ 一

級 町 村 制 」 の 廃 止' 給 代 人 制 度 の 改 訂 と 財 政 関 係 法 規 の 整 備 を 主 張 し ' 内閣 法 制 局 、 内 務 省 と 対 立 し た 。 道 庁 の 主 張 (15 ) を 要 言 す れ ば ' 「 二 級 町 村 制 」 施 行 対 象 地 の 「村 勢 の 不 足 」 に あ っ

そ れ を 新 聞 の 報 道 記 事 に よ っ て 窺う なら ば ' 「組 織 不 完 全 の 小 町 村 に 該 制 を 施 行 するの は 将 来 其 町 村 の 発 達 の 後 に 為 さ ん と す る 事 に 影 響 あ り '即 ち之を 一 級 に 移 (マ マ ) さ ん と する 場 合 の 如 き 殊 に 種 々 の 手 数 を 要 す べ L t 其よ り は

行 を 止 めて 現 行 総 代 人 規 則に 改 正 を 加 へ 会 計 の

整 理 及 び 総 代 人 数 を 増 す 等 の 方 法に 拠 て 暫 ら く 町 村 自 治 の 根 底 を 作 り 然る 上に て 適 当 な る 自 治 校 閲 を 与ふ る に 如か ず (16 )

と い う も の で あ っ た 。 こ れ に 対 し て 法 制 局 は ' い ち ど 公 布し た 勅 令 を 廃 止 す る 理 由 と し て ' 「村 力微弱 」 で は'

(20)

到 底' 根 拠 薄 弱 で ある と 主 張し た 。 結 局 ' 「 一 級 町 村 制 」 は 施 行 を 延 期 し ' 条 文 改 正 の う え 一 九 〇 〇 年 に 施行 さ れ る (17 ) こ と と な っ た 。 本 稿 の 主 題 と な る 「改 正二 級 町 村 制 」 は ' さ ら に ' 二 年 後 の 一 九 〇 二 年 に よ う や く 公 布 施 行 をみ る こ と

に な る 。

臼 「 二 級 町 村 制 」の 改 正

施 行 さ れ た 「区 制 」 「 一 級 町 村 制 」 が 一 部 改 正 で あ っ た の に 対 し ' 「 二 級 町 村 制 」 の 場 合 は ' 全 文 改 正で あ っ て し か

も 当 初 の 全 一 〇 六 か 条 は ' わ ず か 七 一 か 条に 縮 減 さ れ た 。 こ れ は 、 改 正 点 が 「公 民 」 条 項 の 削 除 ' 収 入 役 な どの 新 設 '

選 挙 関 係 規 定 と 財 政 関 係 規 定 の 大 幅 な 簡 素 化 な ど 多 数 の 条 項に 及 ん だ こ と と' 章 款 の 設 定 ・ 名 称 に も 多 数 の 改 正 が あ っ

た か らで ' 条 文 の 部 分 的 修 正 で は 対 処 し 得 な か っ た た め で ある 。 全 文 改 正 と な っ た 「 二 級 町 村 制 」 の 主 要 な 改 正 点 を

挙 げ る と ' 第三 表 の ご と ‑に ま と め ら れ る 。 一 見 し て 大 幅 な 削 減 の 痕 が 認 め ら れ よ う 。

改 正 点 は ' ま ず 第 一 章 「総 則 」 で 「市 制 町 村 制 」 以 来 ' 制 度 の 担 い 手 と し て 措 定さ れ てい た 「公 民 」 制 の 設 定 が 放

棄 さ れ た 。 こ の た め 公 民 の 権 利 ・ 義 務 に か か る 諸 事 項 が 削 除 さ れ た 。 公 民に 対 す る 規 定 は ' 町 村 会 議 員 の 選 挙 人 資 格

要 件 と して の み ' 議 員 就 任 拒 辞 ' 任 期 中 退 職に 対 する 制 裁 規 定 と あ わ せて ' 第 三 章 第 1 款 に 移 さ れ て 残 っ た 。 ま た '

町 村 の 条 例 ・ 規 則 制 定 権 の う ち 条 例 の 制 定 が 削 除 さ れ ' 規 則 の 制 定 の み が 残 っ た 。 但し ' こ の 条 例 ・ 規 則 の 制 定 は '

町 村 長 の 担 任 事 務で あ っ た も の が ' 改 正 に よ りこ こ か ら は 削 除 さ れ ' 町 村 会 の 議 決 事 項に 移 さ れ た 。

第 二 章 「町 村 行 政 」 (改 正 後は 「町 村 吏 員 」 ) で は ' 収 入 役 の 設 置 が 付 加 さ れ る 一 方 、 町 村 長 の 補 助 機 関 で あ る 常 設 ・

臨 時 の 委 員 の う ち ' 常 設 委 員 の 設 置 が 削 除 さ れ た 。 町 村 長 の 担 任 事 務 か ら は ' 前 述 の 条 例 ・ 規 則 の 制 定 の ほ か' 「 町

村 ノ 権 利 ヲ 保 護 ス ル 事 」が 削 除 さ れ た 。 一 九 〇 一 年 (明 治 三 四 ) に 「北 海 道 地 方 費 法 」 (法 律 第 三 号 )が 公 布 ・ 施行 「北 海 道 二 級 町 村 制 」 に つ い て の 考 察 (鈴 江 )

参照

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