Y‑G性格検査を通してみた本学学生の心的事象の変 化
著者 降旗 義而
雑誌名 紀要
巻 26
ページ 26‑32
発行年 1972
URL http://id.nii.ac.jp/1118/00000898/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止
http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
Y‑G 性格検査 を通 してみた本学学生 の心的事象 の変化
は じめに
1)
筆者は本学紀要24号に本学創立以来の学生の健康診断 結果の推移について記載 したが,それに よると体格 (身 長,体重,胸W,座高)お よびむ し歯 と視力の変動がか な り大 きいことが判明した。 この変化は戦争の影響が深 刻であるところか ら塀境条件の変化に よるところが大 き いであろ うと考 えられたけれ ど,体格については生物現 象説 (基本的には長期にわた って変化する一種の生物現
2)
象 とする意見)を唱えるもの もある。環境説が生物現象 説 かは よ り長期的展望に立たなければ判明しないけれ ど
ち,おそ ら く両者が原因 していると思われる。
以上の ような身体的な変動を思 うと,心的事象につい て も必ずや変化がおこっているであろ うと考 え,矢悶部
‑ ギルフォー ド(Guilford)性格検査 に着 目し,本学の 学生に昭和39年以来実施 して きた検査結果 を利用 してこ の ことを研究 してみた。矢EEI部‑ ギルフォー ド (以下Y
‑ G
と略称)性格検査は後に詳述す るけれ ども,端的に いえは 自己内省に基づ いて, どの よ うな状況で どの よ う な種煩の行動を とるかを客観的に把え ようとす る形式の8)
ものであるから,学生の心情的事象の一端を知 り得 ると 考 えたか らである。
Y‑ G
性格検査は情緒性や向性をみ るための性格検査4)
と考えられているが, この よ うな検査を実施 したのでは それぞれの年度に在学 した学生の心情的事象を把え,そ の 年度毎の学生の意識が どの ように変 ってきたか とい う よ うな現象をみ るのではな くて, どんな性格の学生がそ れ等の年年にいたか とい うことをみるに過ぎないのでは ないか とい うふ うに も考 え られ る。特にわずか7年間 と い う短期間では一層 この感 じを強 くす る。 しかし, この 短かい年月の間に激 しい学生運動に よって象徴 され るよ うに,国内や国際社会 におけるいろいろな事象の変動は 極めて大 き く.それに伴な ってわれわれの生活様式の変■ 化による行動様式の変容 と意識の変化には予測をこえる ほ ど大 きな影響があるように思 う。
性格検査 とい うものは各個人が もつ比較的恒常的な思 考や行動の様式を把え,それに よってその個人のある状 況下における行動の予測を可能にするような性質の もの と考 えるが
,Y‑ G
性格検査の ように情緒的色彩の強い26
降 旗 義 而
しか も自己内省に基づ く検査においては,激 しい環境条 件の移 り変 りに対す る反応 としての態度が多分かな り反 映するのではないか と考 える。
若 し振 りに以上の ような前提が許 されない として も, 年度毎に どの ような性格の学生がいたか,そ して7年間 に どの ような変化があ ったかを知 もことは,本学を指向 す る高校生の性格を予測 した り,入試 との関連を考 えた り,精神衛生上の観点か ら眺めた りとい うように興味あ る問題を捉起 して くれ ると思 う。
本来性格検査は個人の性格を調査す ることが 目的であ るが,特定集団の性格特徴をみるためにも多用 されてい る。特に体育学方面では,例えはスポーツマソの性格特
5) 6)
性 とか,スポー ツ種 目別特 性の研究な ど多方面 にわた っ ての研究がある。 しか しある年月にわた っての年度毎に 別の集団の性格特徴をみ るとか,あるいは性格検査をつ か って心的事象の変遷をみ ようとした ような研究はあ ま
りみ られない。
Y‑G
性格検査 1)性格検査の限界7‑ G
性格検査はギルフォー ドが作成 した性格検査を 矢田部が 日本人向に改訂 し,さらに辻岡がその信煩性, 妥当性な どを検証 し標準化 した 自己内省に基づ く素質的7) 情緒的倣向を もつ性格検査である。
牛島は この ような性格検査について次の よ うに述べて いる。評定法 とか 自己診断の形でなされる性格検査はパ ー ソナ リティを構成する1つの特徴を断片的に 目録風に 並べて採点 し,それに よってその人の性格の方向だ とか 行動様式を知ることはできる. しか し元来パー ソナ リテ ィは力動的に発現 しているものである,その現象を捕え た り,その行動を測定 した り計算 しただけではその動い ているパー ソナ リティをつか まえることにな らない。 ま た この生 きているパー ソナ リティは生活行動の中に絶え ずその片鱗 を表わすが平常の事のない場合には表面下に 隠れていて危機的な場面に表面に出て くることも多い。
人の個性な どは事のない平常な場においては,だれ もが 同じような態度にな った り特前の傾向を極力抑制 しよ う と努めている,それが危機的場面に表面に現われて くる
長野県短期大学紀要
i.I・.・・ ]/rA.・・■‑J
ものである。ゆえに表面 に表われた行動の頻数を とった ら だけではいかにそれが正確な測定であ って も正 しいパー ソナ リティ理解 とはな らない.む しろ行動の現われ る場 面 と開通 させなが ら解釈 してい く必要がある。 この よう な ことは標準化 したテス ト場面 においては非常に困難で ある。む しろ1対1の臨床的な場において特殊な刺激を 用いて観察理解す ることが大 切にな って くるo この よう な立場か ら考案 されたテス トが ロールシャ‑の方法や,
8) 不明瞭な絵画か ら自由に作話す るTATな どであるとい
ってい る。 しか しロー ラッ‑ル
(班.
Rohracller)は性 格 と人格を区別す ることは概念上 で大 きな プラスにな る とし,人格はすでに発展 した心的素質の全体であ り.性格 はすべての心的素質一発展 した もの もしない もの もーの 全体を指す とい って,性格 と人格を区別 した上で次の よ9) うに述べで性格研究のむずかしさを指摘 してい る。
人間 と動物 との決定的な違いの1つは,人間が 自分 自 身の衝動興啓や行為に拒否的な態度を とることができ, そのために 「内心のたたかい」がおこるとい う点 に あ る。 この点に人格の概念を関連させてみ ると人格は拒否 的な態度を とる部分が極めて多いのに性格は拒否 される 成分を含んでいる。実地の性格学的調査研究に とっては 人格が拒否的な態度を とる部分が極めて多い ことか ら, 一般 に行われ る手段 (テス ト・表出,行動観察)では総 じて人間のその時 どきの人格 しか とらえ られぬ ことがわ
10)
かる。 したが ってこの ような観点に立つ と作為された場 面におけるテス トについて も白から限界があることが知 れ る。
以上か らY‑G性格検査の性質を考えてみ ると性格特 性 とか心的事象の変化 とかい ってみてもそれはあ くまで Y‑G性格検査を通 してみた事象に過ぎない と考え るべ きもの と思 っている。
11) 2) Y‑G性格検査の内容
次の12性質をそれぞれ10個,計120の小間で検査す る。
各小間には はい
, い
いえ,あるいは ? に反応 し,揺 点は「はい」2点, ?は1点 とな る。特殊印刷 で被検者の 反応 した ものが,容易に採点できるようにな っている。結果はパーセンタイル標準点 (5段階)に示 し,プ ロフ ィールで表わすO プ ロフィールの尺度は隣接 した尺度が それぞれ関連の深い よ うに日立べ られてお り,その グルー プを因子 と呼んでい る。12尺度の中Dか らCoま で の6 尺度は情緒的色彩を もった ものであ り,AgからSま で の6尺度は向性をみてい ると辻岡は述べている。
D (Depression) 抑 うつ性 C (CyclicTendency) 回帰性傾向
Ⅰ (Inferiority Feelings
) 劣等感
N (Nervousness)神経質 第
26号
1971情緒不安定 性田子
0 (Lack ofObjectivity) 客観性欠除 Co (Lack of
CooperdtivelleSS) 協調性欠除
Ag (Lack of 愛想の恋い こ
社会不適 応因子 Agreeabler】ess) と ) ら (Genera.Activity) ̲般的活動性 i警警 竺 R (Rhathym ia) のIL‑盲言q
' 一
)讐動性困TA '(TAhs?eknic:agnEcxet,raversion
芸
芸F;
?=
外向 酔 生 S (socialExtra,ersi。n)社会的外向 )主雛 因子 12特性尺度の組合わせによって更 にい くつかの横型に 分けて人格を記述す る。その典型が次に示す5煩型である。( )内はプ ロフィールによる名称である。
A型 (平均型)AverageType
この型は全尺度が平均 またはそれに近い もの。
B型 (右寄 り型)Black ListType
情緒不安定.社会的不適応,活動的,外向的で性格 の不均衡が直接外面にあらわれ易い タイプ。
C型 (左寄 り型)Calm Type
B
型の反対の タイプ,良い面安定落着いた タイプ。D型 (右下 り型)DirectorType
情緒的安定,社会的適応 または平均,活動的積極的 外向的 タイプ,良好な タイプ。
E型 (左下 り型)EccentricType
D型の反対の タイプ, ノイ p‑ゼ型 といわれ る.
調査の対象 と期間
調査は本学の学生1年生全員に39年以来毎年10月下旬 か ら11月中旬にわた る間の体育理論の授業時に,筆者が テス ト用紙に示 された通 りの方法で実施 させた。ただ し 集計にあた っては4月1日現在で18歳の学生のみに限定 を した。
被検者ついての若干の調査結果を次に示す。
1) 被検者教 と被検者の出身地
表1に長野県の通常の区分による地区別す な わ ち 北 信,東信,中信,南信それ と県外 との出身地区別に分け て,調査年度毎の人数 とパーセソ トを示 したO被検者数 は計欄に示 されてい る。x2検定によるとLi''身地区別の年 度毎の分布には統計的有意触 まみ られなか った。
2) 被検査の同胞数
表2の上段に年度毎の同胞数別の人数 とそのパーセン トを示 し,下段に平均値 と標準偏差の差のt検定結果を 示 した。※印は5%以下の,※※印は1%以下の危険率 で有意の ものである。 これによると40年度 と41年度,41 年度 と42および43年度,43年度 と44年度 に差がみ られな いだけで他はすべて平均値か もし くは標準偏差 に差がみ られた。同胞数はだんだん減少 し, しか も平均値付近 に 集中している傾向がみ られ る。
27
〔 表 1〕 年度毎の地区別出身者数
〔 表 2〕 同胞数の年度別IЁ移 (頻数分布,下 段は平均 と標準偏差および差の検定) 人数 %1人 数 %1人 数 %
地区別 ``ヽ、J ノヽ豫X ‐ / Jヒ 作 ] 1 68 40.7 東 信 1 37 22.1
準] 1 21 12 6
垢 R //卜 1 27 162
人数 盤
% 1 人 数 4 3 % 1 人
数 4 4 %
65 37.1 63 20.6 28 16.0 22 12.6 24 13.7
74 37 9 32 16 4 21 10.8 27 13.9 41 21.0
79 41.1 35 18 2 17 8.9 32 16.7 29 15.1
62 36.2 31 18.2 24 14 0 22 12.9 32 18.7
66 36.7 23 12.8 28 15 5 24 13.3 39 21.7
6 4
3 5
2 7
2 8
4 0
33.0 18.1 13 9 14.4 20.6
194 100.0 1 195 100 0
3 9 頻 数 %
40 頻数 %
41 頻数 %
42 頻数 %
43 顔数 %
44 頻数 %
45 頻数 %
8 2 2 6 7 3 8
・ 9 8 4 0 0 1
4 8 13 2 40 1 22.7 11.4 4 . 8 2 . 4
0 . 6
8 4 . 6 32 18.3 77 44.0 38 21.7 11 6.3
5 2 . 8 4 2 . 3
8 5 0 8 6 3 5
・ 1 2 2
4 . 1 25.8 44.4 18.0 5 . 7 1 . 0 1 . 0
・3
57
7.
39
7
5
3
6 . 7 29 2 36.4 20.0 3 6 2 . 6 1 . 5
10 5.2 55 28.6 82 42.8 35 18.2 8 4 . 2 1 0 . 5 0 0 . 0 1 0 5
6 3 . 5 67 39.2 70 40.9 19 11.1 7 4 . 1 2 1 . 2
5 2 . 8 59 32.8 86 47.7 22 12.2 7 3 . 9 1 0 . 6
計 167 100 0 175 100.0 194 100.0 195 100 0 192 100 0 171 100 0 180 100.0
M S . D
3.25 1.18
3 . 0 3 1 . 1 3
2.98 1 17
2.77 0.93
2 8 3 0 6 6
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
※
※ ※
※ ※※ ※
※ ※ ※
※
※
一 ※ ※
※ ※
※ ※
年 度
※ ・※※印は 5%・ 1%の 危険率で有意下に一線のあるものは S.Dの 差の有意の もの
調査結果 とその考察 られた ものである。表 5に よると,39年 ,40年 ,41年 , 1)類 型分4」の年次別推移 43年 の相互間および42年,44年 ,45年 の相互間には分布 表 4に 類型別の頻数 と典型の 5類 型によるパーセン ト に有意差は認められなかつたが,前 者の 4年 度 と後者の を年度毎 に示 した。表 5に は各年度におけ る 5類 型の頻 3年 度相互間にはいずれ も分布に差異がみ られた。
数分布をχ2検定 によ り比較 した結果を示 した。 ※ 印 は 表 4の 5類 型のパーセン トを用 いて図 1に 各年度毎の 5%以 下の,※ )K印は 1%以 下の危険率で有意性の認め 5類 型の変遷の様相を折線 グラフに して示 した。図によ
長野県短期 大学紀要
FIトトートトト︲︲
〔表 3〕 類型別頻数の年度別推移
41
数 小計 % 」 (蓋%1頻数ポ争%
4︒ %
¶
4
10 19 47 18 A A / A″
・ 6 2 . 9 一 5 7
・ 0 一 9
・ 3 6 一
・ 2 2 2
・ 0
171 100.01 180 100.
10 16 48 28 22 10
13 29 15.
6
26 45 23.21 18 39 20.
D y
A D 24 51 26.51 17 30 17.
13 1 7 15
17 41 24.
9
〔 表 4〕 年度別におけ る 5類 型顔数分布のX2検 定
年 度
達 してい る,そ れに比較 し安定積1亜 型のD類 と安定,適 応,消 極型の C類 は39年,40年 には両者をあわせ約40%
であったものが,44年 ,45年 にはそれぞれ23%,28%と 減少 している。
図 1 年度別におけるY― G5類 型の分布
一 B
E A
〉( ※
※
※※ ※※
※※ ※※
※ ※
7 40 2.96 20.50 10 00
7.73 3.12
: : 静
\
≧ 卜 、
30.80 17.72 12.86 4 98 26 44 15 04 10.12 2.00
〔 注〕 df=4 5%の 危険率 P=9.49※
1% ″ P=1328※ ※ ̀
るとB類 とE類 は漸増傾 向を示 し, C類 とD類 は漸減傾 向がみ られA類 は横這状態を示 した。そ してCお よびD 類 とBお よびE類 とではその比率が逆転 して しまってい
る。
B類 型は先 きにY― G性 格検査の解説で示 したよ うに 不安定不適応積極型であ り, E類 型は不安定不適応消極 型で, Bは 性格の不均衡が直接外にあ うわれ易いタイプ であ り, Eは 性格の悪い面が内攻 し易いノイローゼ型 タ イプといわれている。39年,40年 当時は両年 ともB,E 類型をあわせて も約25%お よび30%に 過ぎない,そ れが 44,45年 度はいずれ も両者をあわせ ると約50%の 多きに
,F261計 1971
ヾ
一 一
﹄ ゝ 輸 ∨
42 43 44 45
若 し仮 りに性格 の
5類 型の出現率が環境の変化にかか わ りな く母集団にいつ も同 じよ うな頻数 であ らわれ ると すれば,それを グ ラフにあ らわ した場合
5塀 型の示す グ ラフはほぼ平行線 とな って描 かれ る筈 であ る。それが こ の よ うな交 叉現 象 とな ってあらわれて きた と い う こ と は, この仮定 か らすれば本学への入学者は年 々に性格 の 変 った ものが本学 を選択す るよ うにな ったか,あ るいは 入学試験 とい う関門を通過す るのに
B類 型
E類型の者の 方が勉強 して入 り易 くな ったためか‑すなわち情緒的 に 平常時か ら試験 とい うものに反応 し易 い タイプとい うこ と‑ とい うよ うに考え ることがで きる.
一
万7‑G検査 日身の もつ 情緒的色彩が強 い検査 とい う性質か ら, この検査 に反 応す る学生 の精神状態が国内 や国際社会 におけ る詣 もろの事象の激 しい変動 を敏感に 反映 していて, このために
Bや
E頬型の者が母集団であ る高校生の中に増加 してい るとい うことも考 え られ る。
40
年の慶応大学の学費値上げ反対 の学園粉争には じまっ て,つ ぎつ ぎに波及 し,激 しい学生運動 として展開 され てい った学生 たちの行動 を思 うとき, また例え直接その よ うな激 しい運動 に参加 しな い者 も意識 に大 きな変化が あ ったであろ うと推測 され るが, この よな若者たちの意 識や行動が,前記の よ うな考えに真実 性を与えているよ
うに思われ る。
また小林醇鏡の神経症者 につ いての調査 をみて もBや
E類 の増加はあ る程度反応性的な ものではないか と考 え られ るO彼 は大学生 では一般社会人 に比較 して, ことに 神経症者の士 紬 1 が注 目されてい るとし,大学生 に神経症 者が多いか ど うかを同年令
(17‑25歳)の青年労働者 と 実際に比較 してみて多い ことを確認 してい る。小林の京
〔表5
〕 年度別の
Y‑G性格特性尺度別平均値 と標準偏差
大生 に関す る調査 では治療や指導助言の必要な ものが1
3%,それに対 し某電気 メーカーの青年労働者は
2‑ 3%1 2 ) であ った とい う。
深町 は
C.M.Ⅰ(CornellMedicalIndex)に よって神 経症者の判別基準を作成 し,神経症者の ス ク リー ニング 1 3)
(Screenings)
に役立ててい る
。C.M.Ⅰは身体症 状,過 去の疾病, 家族歴, 精神症状な どにつ いて1
8項 目19
5間 か らな る自覚症状調査 であ る。筆者はかつ て
Y‑G性格 検査の
5頬塑 とこの
C.M.Ⅰの訴え数 との間の相関関係 を本学の学生 につ いて調べた ことがあ るが,1
8項 目の中
M不適応
,N抑 うつ
,0不安
,P敏感
,Q憤怒
,R緊張 の
6項 目の加算 された訴え数 と5 煩型 との間 に は
.4901 4 )
( 調査人数36
4名)の相関がみ られた。以上 の ことは小林 の調査 で推測 した ことの裏付け としての意味が認め られ ると考え るO
以上 いろいろの原因が考え られたが,学生運動や神位 症者の増加
,C.M.Ⅰと
Y‑G性格検査 の相 関 な ど か ら,情緒性反応が敏感にな って きてい ることのため と考 えた い。 しか し
B炉型
,E塀型の増加はその よ うな素質 的傾向者が偶然に入学 してきた と考 えて も,その偶然性 が学生の指 向性 と学校の選抜の重な り合 いのため と考 え ると受験体制な どの問題が提起 されて,社会的精神衛生 的問題 として極めて重要性をおびて くるもの と考え る。
2)
性格特性尺度 にみ られ る変化
表
5に性格特性尺度別に各年度の特性尺度得点の平均 値 と標準偏差を示 した。 この統計値に基づ いて図
2に平 均値の95%の信頼限界を付 して,各年度の平均得点を特 性尺度別に示 した。
図に よると情緒的色彩の強 い
6尺度す な わ ち
D.C.調 査
年度
M SD M SD M SD M SD M SD
392884955971082171088423545534444455
5.06111.97 4.81111.33 5.07】13.54 4.54112.47
‑
I:≡‑II‑‑tI:‑‑̲I 白日夢 器
千千二二̲二̲; 子二 ‑二
D
抑 うつ性
C
回帰性傾 向
Ⅰ
劣 等 感
N神 経 質
0客観性のない こと
Co
協調性のない こと
Ag
愛想の悪 い こと
G一般的活動性
Rのん きさ
T思考的外向
A
支 配 性
S
社会的外 向
9.65 5.20 8.71 4.79 8.54 4.71 8.74 4.96 7.37 3.62 5.93 3.57
344444
雄
…22 三二;芸F≡:;;
7510.91 4.78flO.10
人 数
l 167 】 175 194 1 195 1 192 171 J 18030
長野県短期大学紀要
‑
, L
I r ‑ 、 L
J
吻 徹 叶 L
= 咋 卜
︲ o L ︲ ﹁ 晴 r 川 L
T ト
亡
Y― G陛 格特性尺度別 ・年度別平均得点 (付 95%の 信頼限界)
││キ キ │
C
│ 十 1 1 1 1 1
I
I I I I + │ │
N
│ キ 十 1 1 1 1
0
1 1 1 + │ │ 十
C o
l 十 + + 十 十+
ト ト ト L L I
F F ト ト
Ag
i l 十十 十1
G
│ + 1 1 1 + │
R
│ キ │ │ 十 キ│
T
+ 1 キ 1 + 1 1
A
│ │ │ │ │ ギ │
│十 11111
39 41 41 43 45 39 41 43 45 39 41 43 45 39 41 43 45 年 度
IN.O Coの 各年度毎の平均得点は43年度を除 き, 増 特性順に 1問 づつ12間が排列 され,つ ぎにまた Sか らD 加傾向がみ られた。 これに対 して外向性,内 向性傾向を にいた る順序に 1間 ずつ排列され るとい う構成にな って み る尺度Ag,G.R.T.A.Sの 6尺 度は39年度の G尺 いる,こ のような小間の検査用紙における排列を考える 度を除 きは とん どに差異が認め られず前期 6尺 度の増加 とAgか らSの 6尺 度の平均得点が どの年度につ い て も 傾向を示す よ うな特徴ある傾 向はみ られなか った。検査 ほとん ど差異がな く,Dか らCOの 6尺 度についてのみ明 用紙におけ る小間の配列は Sか ら A.T… … I.C.Dの かな特徴がみ られたのは,一 応学生の正 しい応答の結果
〔 表 6〕 D〜 C06特 性尺度について同胞数に よる平均値の比較
D C I N O Co
9.65 8.71 8.54 8.74 7.37 5.93
4.71 4.
3.
3. 3.4
2人 以下
9.43 5.
4 : 2 有意差
※ ※
同胞 4人 以上
x S . D12.98 4.
11.31 4・
10.83 5.
11.06 4.
9.35 3 11.97 4.
10.60 4.
10,43 4・
10.68 4.
9.07 3.
9.03 4.4
潮
﹁
﹁ o o l
﹁
﹁ 4 2 ︲
劇
﹁
5 .
4 .
5 .
4
4 .
3 .
※ ※
批 1 纏
11.73 10.13 10.52 11 17 9.19 7.96 4.
5.
3.
6 37 4.
7.30 4.
6.70 2.
5.57 2. 7.48 3.7 8.31 3.4
硫 │
10 52 8 39 9.27 8.59 8.24 6.10
〔注〕 M Xは 平均,S.D標 準偏差 ※※印は 1%以 下の危険率で有意
であると考えてよいと思 う。すなわち信懇性あ りと判断 41年 ,43年 度相互間のその頻数分布に差がな く,ま た他
して よいと考え る。 の 3年 度相互間にも差がなかったが,前 者 と後者間には
以上の傾向は既に B類 型 とE類 型が増加 しD類 型 とC 差異が認め られたので,前 者からは39年度 を後者からは 類型が減少 していることから予測 されていたわけである 42年 度を選んで,D, C, I,N,0, Coの 6尺 度につ が,調 査対象の項で同胞数の集中傾向がみ られた ことを いて同胞数による平均得点の検討をしてみた。同胞数は 述べたが,同 胞数の性格への影響のためか と考え, 5類 4人 以上の者, 2人 以下の者の グループに分けて行な っ 型について検討 した。検討にあた っては,39年 ,40年 , た。表 6に 尺度別,年 度別平均得点 と標準偏差を示 し平
第26号 1971
均値の差 のt 検定結果 を付記 した。 蓑 に よると
39年度 の
Ⅰと0尺度に有異差 がみ られただけで他はすべて認め られ なか った。 しか し平均 値をみ ると両年度 とも同胞数の多 い者の方が平均得点は大 きめであ る傾 向がみ られた。 し たが って今回の調査結果 だけか らは何が原田 して Dか ら
Coの
6尺度 に差異 あ る傾 向がみ られたのか判明 しな い。
おそ ら く5 塀型の出現率の ところで検討 した と同様な こ とが原因 と考え られ る。 すなわち
(1), 環境条件の変動に対 応 して惜捌 勺反応の過敏な者が増加 してい る。 (
2)B棋 型, E類 型の性格の者が高校生柴 田に多 くな り, この よ うな性格の者が多数入学 す るよ うにな った。 この ことは 大学生 に神経症者が増加 してお り,一般青年労働者に少 な い とい うことを考 え るとあ ま り信頼性のおけ る仮定 で はないがO( 3) 受験体制に B塀 型 とE摘出の者が適応 し易 くそのために この性格の者が退抜 とい う門を通過 し易 く な ってい る, または公立の頒大 を指向す るよ うな性格の 者に B類型 とE析I aL J が多い.( 4) あ るいは全 く偶 然 的 に か。等 であ る。 この中頒 型の ところで詳細 に検 討 した よ うに
,(1)が猿 も大 きな原因 とな ってい ると筆 者 は 考 え るo
Lか し其の原田が何 んであれ
,D, C,Ⅰ
,N.0,
Co尺度 におけ る叩 匂得点の増加傾 向は情緒不安 定 因 子 と社会不適応田子の増加 とい うことであ るか ら精 P 幡 生 上好 ましい方 向であ るとはいえない。
む すび
本学 の学生に
対 し391
F‑ 以来
7年間にわた って訴査 した Y‑
G性 格検査桔
31
'!によ t ),学生の心的事象 の 変遷 をみ よ うとして この研究を 行な ったが,その結果 を要約す る と.
1) Y‑ G
性格検査のi E l , L 型
5頒 型の出現率の変遷 をみ ると問魅のある性格 と考え らるB類型 とE頒 塾 が 漸 増 し
,D根盟 と
C炉型が酢 域してい る現象がみ られた
039年 と40年七はBとE 描̲ . I ̲ n ) . あわせて約30%であ っ た も の が,44 J ' = F ‑ ・ と
45年度 では結50%にな ってい る0
2)
性 格特性別では惜k l r ; I r g色彩の強 い
D, C,Ⅰ, N, 0
,Co特性の‑ Y‑ ・ 均得点が漸増傾向を示 していたO
以上の よ うな結双 につ いての原因をいろいろ考えて検
32
討 したが,激動す る環境条件に対す る心情的反応 と解釈;
した い と筆者は考えた。 しか しまた仮 りに偶然に1
)に示=
す よ うな性格特性の ものが入学者 とな った と考えて も, その偶然性が学生の指 向性 と学校 の選抜 との重な り合 い のため と考え ると受験体制な どの問題 が提起 されて,社 会的精神衛生的問題 としての重要性があ ることにはいず れに して も変 りはない。原因の追求につ いては, よ り長 期間の調査や他の検査 を併用 して今 後更 に研究を してみ‑
な い と碓 かない ことは分 らな い。
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