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法人の機関による保険事故招致について

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(1)

法人の機関による保険事故招致について

河 森 計 二

■アブストラクト

保険契約者または被保険者が法人である場合,法人のいかなる範囲の者の 保険事故招致を法人の事故招致と認めるかについては,商法第641条の文言 からすると明らかでない。本稿は,この法人契約における保険事故招致のあ り方を論ずるものである。従来,保険契約者・被保険者と近い関係にある者 の事故招致について保険者の免責を認める理論として,いわゆる 代表者責 任論 が主張されてきた。しかし,法人契約について 代表者責任論 が妥 当するか検討しなければならない。法人契約については,特に有限責任の法 人による保険契約については,法人性を重視し,法人の財産的側面から検討 を加える必要がある。

■キーワード

法人,保険事故招致,請求権代位

問題の所在

商法第641条後段では,損害保険契約における免責事由として,保険契約 者または被保険者の悪意もしくは重過失によって損害が生じた場合,保険者 は免責されると規定している 。しかし,保険契約者または被保険者が法人

*平成19年10月28日の日本保険学会大会(桃山学院大学)報告による。

/平成20年9月16日原稿受領。

1) 商法第641条の法定免責事由は,保険法(平成20年法律第56号)においても 同様の規律を基本的に維持している(保険法第17条1項)。ちなみに,商法641 条にいう 悪意 は,保険法第17条第1項では 故意 に改められている。

(2)

である場合(以下,この場合を 法人契約 と呼ぶ),法人のいかなる範囲の 者の保険事故招致を法人の事故招致と認めるかについては,商法第641条の 文言からすると明らかでない。観念的な存在にすぎない法人自身が現実に行 動して保険事故を招致することはありえないから,法人のうち誰の故意をも って,保険契約者または被保険者の故意とみなされるかが問題となる。そこ で,法人契約では,つぎの問題が生じることになる。

第一に,法人以外の第三者が保険事故を招致したときでも,商法第641条 を適用し得るのかが問題になる。そして,第二に,商法第641条の適用が可 能であれば,法人に関係する者のうち,だれの事故招致をもって法人の事故 招致と評価することができるのかが問題になる。

従来の学説と裁判例

1 商法第641条後段と第三者の保険事故招致

商法第641条後段は,保険契約者もしくは被保険者の悪意もしくは重大な 過失によって生じた損害は保険者これをてん補する責に任ぜずと規定する。

しかし,被保険者と一定の関係にある第三者による保険事故招致については 何ら規定していない。

もっとも,後述するように,火災保険約款では,通常, 保険契約者,被 保険者またはこれらの者の法定代理人(保険契約者または被保険者が法人で あるときは,その理事,取締役または法人の業務を執行するその他の機関)

の故意もしくは重大な過失または法令違反 によって生じた損害に対しては,

保険金が支払われない とされている。この約款の免責条項は,一般に,商 法第641条後段の立法趣旨と同義であると解されている 。そこでまず,商 法第641条後段の立法趣旨が何にあるのかを整理した後,商法第641条後段と 約款の免責条項との関係について整理することにする。

2) 西島梅治 保険法 第3版,1998年,p.249。

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⑴商法第641条後段の立法趣旨

商法第641条後段で保険者が免責とされることの理論的根拠は何かという ことについては,当然だという説がある 。しかし,故意の場合には当然と いえるかもしれないが,重過失の場合に当然かというと問題がある。そこで,

理論的根拠としていくつかの見解がみられる。その一つとして,保険事故は 本来偶然な一定の事故でなければならないということから,故意または重大 な過失で保険事故を招致した場合には偶然性を欠き保険事故にはあたらない とする見解がある 。しかし,偶然性は保険契約締結の際の要件であっても,

保険契約存続の要件であるとはいえず,また,人の意思で行われたとしても,

それは客観的な必然ではありえないから,偶然たりうる 。同様の批判が成 り立ち得ることは,偶然性は保険契約締結のときの要件であって保険事故の 偶然性自体は保険金請求権の要件ではないとする近時の最高裁判決 からも 明らかである。

通説 ・判例 によれば,保険契約者・被保険者が故意・重過失により保険

3) 松本烝治 保險法 1915年,p.97,犬丸巖 改正商法保險法論 1941年,

p.106。

4) 水口吉藏 保険法論 第10版,1927年,pp.209‑210 三浦義道 保險法論 訂補第7版,1926年,p.208,小町谷操三 海上保険法各論㈡ 1961年,p.98。

その他,たとえば,保険者免責条項を,保険契約者・被保険者の故意・重過失 という主観的な高度の危険を除外することを目的とする条項であると理解する 見解(坂口光男 保険事故の招致と保険者免責 保険契約法の基本問題 1996年,pp.56‑59,竹濵修 保険事故招致免責規定の法的性質と第三者の保 険事故招致㈡・完 立命館大学 第171号,1984年,pp.681‑683)が見られ る。

5) 大 森 忠 夫 被 保 険 者 の 保 険 事 故 招 致 保 険 契 約 の 法 的 構 造 1956年,

p.213,石田満 商法Ⅳ (保険法) 改訂版,1997年,p.195。

6) 最高裁平成18年6月1日判決( 最高裁判所民事判例集 第60巻第5号,

p.1887),最高裁平成18年6月6日判決( 判例時報 第1943号,p.14)。

7) 大森忠夫・前掲(注5)p.217,石田満・前掲(注5)p.194,岡田豊基 保 険法 2003年,pp.126‑127。

8) 最 高 裁 平 成 5 年 3 月30日 判 決( 最 高 裁 民 事 判 例 集 第47巻 第 4 号,

p.3262)。

(4)

事故を招致した場合,被保険者に保険金請求権を認めることは,保険契約の 射倖契約の性質にかんがみて,保険契約当事者に要求される信義誠実の原則 に反し,かつ,保険事故招致した場合についてもてん補することになると公 序良俗等,公益上の要請を損なうから,一般にこれを保険者免責としたとさ れる。要するに,保険事故招致の場合に保険者が損害をてん補することにな れば,いわゆる 詐欺の公認 であるということになる。たしかに,保険契 約者や被保険者が故意に保険事故を招致し,保険金を取得することは信義則 や公序良俗に反する。しかし,保険契約者や被保険者が意図せず,重大な過 失で保険事故を引き起こしてしまうこともあり,その場合,ただちに信義則 や公序良俗に反するとまでは認め難い。

そこで,条件の成就によって利益をうる者が,信義誠実に反して条件を成 就させたという民法第130条 の考え方を保険事故招致の場合にも類推して 及ぼすべきだとする見解がみられる 。民法第130条の考え方は,形式的に は法律行為の附款として条件に関するものであることはいうまでもないが,

保険契約が保険事故の発生・不発生によって一方の当事者が利益を受けると いう構造上,不当な利得は許さないという信義則の一つの現れとして考える ならば当然のことと解することが妥当である。

⑵商法第641条後段の任意法規性

保険契約者または被保険者が,悪意または重過失によって保険事故を招致

9) 民法第130条は,条件の成就によって不利益を受ける当事者が故意にその条 件成就を妨げた場合には,相手方はその条件が成就したものとみなすことがで きるという規定である。反対に,ある条件の成就によって利益を受ける当事者 が故意にその条件を成就させた場合に相手方はその条件が成就しなかったもの とみなすことができるかについては民法上,規定がない。しかし,条件の成就 によって利益を受ける者が故意に条件を成就させたときは,民法第130条の類 推適用によって,相手方は条件が成就していないとみなすことができるとする 最高裁判例(最高裁平成6年5月31日判決( 最高裁判所民事判例集 第48巻第 4号,p.1029))がある。

10) 大森忠夫・前掲(注5)pp.217‑220。

(5)

した場合における商法第641条後段に反する特約は有効であろうかという問 題がある。すなわち,保険者がこの場合の損害をもてん補すべき旨の契約を 締結することは可能か否か問題となる。

①重過失による事故招致のてん補可能性

まず,重過失による事故招致であってもてん補するということは可能であ ろうか。有効であることは現在では異論はない。このことは,実際,任意の 自動車総合保険約款でも,故意の事故招致については保険金を支払わないが,

重過失については,一般に,免責条項から除かれていることからも明らかで ある 。

②悪意(故意)による事故招致のてん補可能性

つぎに,悪意すなわち故意の場合でもてん補することは可能であるか問題 となる。これは一般的には悪意についてもてん補するというのは公序良俗に 反する。ただし,違法性のない悪意あるいは故意の場合,たとえば正当防衛,

緊急避難,人命救助のために行った事故,共同海損 などについては,てん 補可能と考えられる。

したがって,公序良俗に反しない限り,契約当事者の約定により変更可能

11) 自動車損害賠償保障法(以下, 自賠法 という)第14条によると, 保険会 社は,第82条の3に規定(重複契約の場合の免責)する場合を除き,保険契約 者又は被保険者の悪意によって生じた損害についてのみ,てん補の責めを免れ る と規定されている。したがって,自賠法でも重過失による損害で損害賠償 責任を負い,これを履行した被保険者は保険会社に保険金の請求ができるとい うことになっている。なお,自賠法自体は被害者の救済ということも目的とさ れるため,被害者が保険会社に直接請求した場合に関しては,この保険契約 者・被保険者の悪意も抗弁とすることもできずに支払わなければいけないとい うことになっている。そして,支払った金額については,保険会社は政府に補 償請求ができるということになっている(自賠法第16条4項)。この補償請求 に応じた政府は被害者の保険契約者・被保険者に対する権利について代位する ということになっている(自賠法第76条2項)。

12) 共同海損のときも,故意に貨物あるいは船舶などに損害を加えることになる わけだが,これも保険者によっててん補されなければならず,現実にてん補さ れており,問題ない。

(6)

な任意規定と解される。約款で保険者が免責となる保険事故招致者の範囲が 確定されていれば,公序良俗に反しないものであり,かつ不合理な保険者免 責の範囲の拡張 ではないかぎり,それに従うということになる。

2 商法第641条後段と約款免責条項との関係

商法第641条後段は,すべて保険契約者または被保険者が自ら保険事故を 招致した場合の免責事由である。したがって,保険契約者または被保険者以 外の第三者については,原則として保険者は損害てん補責任を免れるもので はない。しかし,第三者が保険契約者や被保険者と近い法律関係にある場合,

たとえば,家族,使用人,代理人,そして本稿で扱う法人の機関のように,

保険契約者や被保険者と身分的にも契約的にも近い法律関係にある者が保険 事故を招致した場合,単に法律上,第三者であるということで保険者の免責 を認めないということになると問題である。すなわち,保険契約者や被保険 者が教唆して保険事故を招致させ,あるいは共謀して実行は第三者にさせる 場合,あるいは被保険者の選任監督義務に重大な違反がある場合,問題であ る。

⑴ 学 説

第1説(代表者責任論)

そこで,ある第三者は身分的にも契約的にも保険契約者・被保険者の 身 代わり であるとしてこれら問題を解決する見解がみられる。この見解を,

代表者責任論 という。すなわち,保険契約者または被保険者にかわって保

13) ここにいう約款における不合理な範囲の拡張とは,実際上,被保険者などと の共謀・教唆といった関係を立証することは困難が多いため,この立証の困難 を除去するために政策的に約款規定を設けたとする自己責任主義の考えによっ て保険者免責とすることの合理性が認められないことを意味する。

14) ここにいう 代表者 とは,事実上,被保険者のために保険の対象を管理す る者(Gefahrverwalter)をさす。いわば 被保険者の身代わり という意味 で代表者という。

(7)

険の目的物を事実上管理する地位にある者が故意・重過失によって保険事故 を招致したときは,商法第641条後段にいう保険契約者または被保険者の保 険事故招致と同視して保険者免責になると解し,免責条項に規定されている 被保険者の法定代理人や理事・取締役などが,それに該当する場合には,そ の者の悪意・重過失による事故招致について保険者の免責が認められると解 する見解である。この見解によれば,仮に約款の免責条項に規定がなくとも,

商法第641条後段の解釈によって保険者免責は当然に導かれ,免責条項の規 定は当然のことを確認したにすぎないということになる。

しかし,この代表者責任論には次のような批判がみられる。たとえば,商 法の法文を離れて,なぜ危険の管理をする第三者の保険事故招致が保険者免 責となるのか,そのほうが立論上の基礎付けが必ずしも明確ではないとする もの 。保険目的物の現場管理責任者のように単なる従業員のような者まで 法人の代表者に含めるのかどうかは依然として明らかではなく,このような 管理責任者も代表者に当たるとすると,その場合には法人の機関は代表者と 認められなくなるのかが問題となるとするもの 。あるいは,免責条項の主 要な目的は,法人成りした小規模会社の実質的な企業主の事故招致を保険者 免責にすることにあり,保険の目的物の管理を要件として,この免責条項を 適用すべきではないとするもの ,などの批判がみられる。

第2説(自己責任主義)

代表者責任論に対し,自己責任主義と呼ばれる見解が見られる。この説は,

商法第641条後段で保険者の免責が認められるのは,被保険者のような保険 の利益享受者が悪意・重過失で保険事故を招致した場合を中心に考えるべき

15) 竹濵修 会社役員の保険事故招致⎜損害保険契約の場合⎜ 損害保険研究 第65巻3・4号合併号,2004年,p.344。

16) 出口正義 法人の機関の保険事故招致に関する一考察 損害保険研究 第 65巻3・4号合併号,2004年,p.216。

17) 加瀬幸喜 破産会社の取締役による保険事故招致 法律のひろば 2006年 3月号,p.70。

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であると解し,約款の免責条項で,法定代理人や理事・取締役などの事故招 致が免責事由とされているのは,これらの場合には実際上被保険者などと共 謀・教唆などといった関係にあることが少なくなく,しかもその立証が困難 なことが多いため,立証の困難を除去するために政策的に設けられたものと 解するものである 。

しかし,この自己責任主義に対しても,法人が保険契約者または被保険者 である契約の場合,法人自身に故意・過失などの責めある場合は考えがたく,

共謀・教唆・監督義務懈怠等の事実が認められるのは個人契約の場合だけで,

法人契約においてそのような事実の立証問題はないとする批判がみられる 。

第3説(経済的被保険者理論)

そこで近時では,第2説(自己責任主義)の立場をとりながらも,保険事 故を招致する行為は,法律行為ではなく事実行為であるから,個々の自然人 の行為を把握せざるを得ず,それゆえ,同条後段の趣旨に基づき,たとえば,

法人は,その機関を構成する自然人の意思および行為を通じて活動するもの であるため,法人の機関構成員の保険事故招致は保険者免責になると解し,

免責条項は同条後段の趣旨を確認もしくは明確化したものと解する説がみら れる 。

この説によると,小規模会社の取締役はその会社の大株主である場合が多 いことから,会社と経済的に一体であると解することが可能となる。また,

破産会社の取締役は,会社債権者に対して損害賠償責任を負う可能性が高い が,保険金が会社に支払われることになるとすれば,その保険金を会社債権 者への返済に充てることが可能となり,その結果,取締役はその範囲で会社 債権者に対する賠償責任を軽減されることになるから,破産会社の取締役を 経済的被保険者と解し,保険者免責が認められる可能性があるともいわれ

18) 大森忠夫・前掲(注5)p.275以下,西島梅治・前掲(注2)p.250。

19) 出口正義・前掲(注16),p.212。

20) 竹濵修・前掲(注4),pp.688‑689。

(9)

る 。

しかしながら,やはり代表者責任論と同様に第3説によったとしても,経 済的被保険者の範囲の不明確さは拭えない。たとえば,大株主を経済的被保 険者であると解した場合,大口の会社債権者もそれに該当するのかという疑 問も生じてくる。すなわち,会社債権者は,会社財産のみを担保としている ことからしても,株主に劣らず会社との経済的一体性を有しているというこ とも可能であろう 。

⑵裁判例

保険契約者・被保険者以外の第三者による保険事故招致に関する裁判例を みると,未成年者の法定代理人・後見人が未成年者を保険契約者且つ被保険 者として保険契約を締結し,その後,後見人が事故招致(放火の教唆)をし た事例において,保険者を免責にしたものがある 。これとは逆に,法人に 関して被保険者たる法人の理事が自己の犯跡(犯罪の跡)を隠すために放火 した事例において,大審院は保険者の責任を肯定している 。その理由とし て,保険者が免責となるのは,法人の理事が,法人の目的の範囲内で職務執 行者としてなしたときであり,本件は,もっぱら個人たる資格によってなし たものであるから,保険者は免責とはならないとした。しかし,一般に法人 の機関の行為は法人の行為とされているが,保険事故を招致するような者は,

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条・第197条(改正前民法 第44条) の法人の不法行為に関する規定にいう 職務を行う につきとい

21) 山下典孝 第三者による保険事故招致と保険者の免責の範囲 金融・商事判 例 第1093号,2000年,p.59。

22) 出口正義・前掲(注16),p.221,加瀬幸喜・前掲(注17),p.70。

23) 大審院昭和18年6月9日判決( 法律新聞 第4851号,p.5)。要するに,本 件は,放火の教唆をした後見人は未成年者と法律上一体であるとしたものであ る。

24) 大審院昭和7年9月14日判決( 最高裁判所民事判例集 第11巻,p.1815)。

25) 法人の不法行為能力に関する民法第44条は改正され,一般社団法人及び一般

(10)

えるかどうかは疑問である。

ここでは,近時の法人契約における保険事故招致に関する主な裁判例を紹 介するにとどめる。

①判決:福岡地裁平成11年1月28日判決

会社が経営面で全面的に依存していた経営コンサルタント(監査役)Aに よる放火の場合に,会社が保険金請求をなすことは信義則に反するとした事 例。

Aは, X会社の経営に深く関与していたとはいえ,監査役にすぎず,本 件建物を事実上管理していた訳でもないから,本件免責条項の 理事,取締 役または法人の業務を執行するその他の機関 に該当するということはでき ない。(略)Aと密接な関係にあった会社がAの放火による本件火災に基づ く本件各請求を行うことは,信義誠実の原則に反し,許されないものという べきである と判示した。

②判決:札幌高裁平成11年10月26日判決

会社の従業員Aを,約款における 法人の業務を執行するその他の機関 とみなして,保険者免責の条項を適用した事例。

従業員Aは,約款の 免責条項にいう 法人の業務を執行するその他の機 関 に当たるというべきである。すなわち,Aは従業員であったものの,会 社の代表者から任され,営業の実際のほとんどを行い,保険の目的を管理す るなどしていたものであるから,会社のためにその機関として業務を執行し ていたものというべきであり,本件放火も〔会社〕の経営再建のために会社

財団法人に関する法律(おそくとも平成20年12月1日までに施行)に変更され た。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条・第197条に規定があ るほか,会社法第350条・第600条にて,不法行為能力については各法人につい て規定がある。

26) 判例時報 第1684号,p.124。

27) 金融・商事判例 第1099号,p.35。

(11)

に本件保険金を取得させようと企図してなされたものであって,会社のため になされたその機関の行為とみるのが相当である。したがって,本件火災は 本件免責条項が適用され,保険会社は保険金を支払う義務がない と判示し た。

③判決:東京地裁平成12年9月27日判決

保険契約締結直前まで取締役であり,現在も実質的な経営権を把握する者 が,約款における その他の機関 に該当するとした事例。

実質的経営者であるAは, 本件契約時ないし本件火災発生時の会社の取 締役ではないが,本件各契約直前までは代表取締役であったこと,現在の代 表者は同人の妻であるものの,実質的な経営権は依然としてAが掌握してお り,会長と呼ばれていることなどの諸事情を勘案すれば,会社の業務を執行 する機関と同一の立場にある者であり,したがって(略) 法人の業務を執 行するその他の機関 に該当するものと解するのが相当である。そうすると,

保険会社は,本件免責条項により,保険金支払義務を負わない と判示した。

④判決:最高裁平成16年6月10日判決(以下, 最高裁平成16年判決 という) 有限会社の破産宣告当時に取締役の地位にあった者による放火が火災保険 約款の免責条項所定の 取締役 の故意による事故招致に当たるとされた事 例。

〔要旨①〕

商法641条は,損害保険において,保険契約者または被保険者の悪意また は重大な過失により生じた損害については,保険者は,てん補責任を免れる と定めているが,その趣旨は,保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過 失によって保険事故を招致した場合に被保険者に保険金請求権を認めるのは,

28) 判例時報 第1733号,p.128, 判例タイムズ 第1073号,p.200。

29) 最高裁判所民事判例集 第58巻第5号,p.1178, 判例時報 第1864号,

p.168。

(12)

保険契約当事者間の信義則に反し,または公序良俗に反するものであること によるものと解される。

〔要旨②〕

本件免責条項は,同様の趣旨から,保険契約者,被保険者又はこれらの者 の法定代理人の故意もしくは重大な過失または法令違反によって生じた損害 についての保険者の免責を定めるとともに,保険契約者または被保険者が法 人である場合における免責の対象となる保険事故の招致をした者の範囲につ いては,前記のとおり,その括弧内において, その理事,取締役または法 人の業務を執行するその他の機関 と定め,理事,取締役の地位にある者に ついては,業務執行権限の有無や保険の目的物を現実に管理していたか否か などの点にかかわりなく免責の対象となる保険事故の招致をした者に含まれ ることを明らかにしている。

法人契約における約款免責条項

一般に,損害保険普通保険約款では,つぎのように, 理事,取締役また は法人の業務を執行するその他の機関が保険事故を招致したとき は,法人 自体が保険事故を招致したものとみなされ保険者は免責されると規定する。

第三者の保険事故招致に商法第641条が適用される余地はあるのか問題にな りうるが,たとえ代表者責任論であろうと自己責任主義であろうと,約款の 免責条項で法人契約における代表者の範囲が明確にされているのであれば,

保険事故招致者の範囲は同条項に列挙されている者に限られ,それ以外の者 に商法第641条後段を適用する余地はない。

実際の約款免責条項をみると,つぎのように明記されている。しかし,こ のとき,約款にいう 取締役 をどのように解するかによって,保険事故招 致者の範囲が異なってくる。

約款①: 火災保険普通保険約款 第2条第1項第1号

当会社は,次に掲げる事由によって生じた損害(残存物取片づけ費用を含

(13)

みます。以下同様とします。)に対しては,保険金を支払いません。

⑴ 保険契約者,被保険者またはこれらの者の法定代理人(保険契約者また は被保険者が法人であるときは,その理事,取締役または法人の業務を 執行するその他の機関)の故意もしくは重大な過失または法令違反

⑵ 〔以下,省略〕

約款②: 自動車総合保険普通保険約款 第9条第1項第1号

①当会社は,次の各号のいずれかに該当する事由によって生じた損害に対し ては,保険金を支払いません。

⑴ 保険契約者,記名被保険者またはこれらの者の法定代理人(保険契約者 または記名被保険者が法人である場合は,その理事,取締役または法人 の業務を執行するその他の機関)の故意

⑵ 〔以下,省略〕

1 約款の免責条項にいう 取締役 の意義

これら約款の規定によって,法人の業務執行権限を有する役員が故意に保 険事故を招致した場合,保険者が免責されることは明らかである。しかし,

業務執行権限のない取締役が保険事故を招致した場合にはどのように解する のか,約款の免責条項にいう 取締役 の意義について議論がみられる 。 主な見解を挙げると,約款の免責条項にある 取締役 とは,業務執行権の 有無に関係なく,すべての 取締役 が含まれるとする説 ,代表取締役に

30) 昭和25年(1950年)の商法改正によって,法人の業務を執行する機関は代表 取締役とされたことにより,取締役という文言だけでは業務執行権があるとい うことにはならなくなった。そのため,保険約款の免責条項にいう 取締役 とは業務執行権をもつ代表取締役を意味し,業務執行権をもたない取締役は含 まれないのではないかという問題が生じてきた。

31) 甘利公人 法人の保険事故招致 文研論集 第133号,2000年,p.48,近 藤光男 法人(会社)における保険事故招致 現代民事法学の理論上巻⎜西 原道雄先生古稀記念⎜ 2001年,p.525,竹濵修 取締役の放火損害に関する 破産会社の保険金請求 商事法務 第1662号,2003年,p.110。

(14)

限られるとする説 ,そして業務執行権限を有する取締役に限るとする説 といった三説に分類できる。

この点,最高裁平成16年判決(要旨②)によれば,すべての 取締役 が 含まれると解する説ということになる 。

2 最高裁平成16年判決をめぐる問題点

しかし,最高裁平成16年判決のように,約款免責条項の意義を,理事,取 締役の地位にある者については,業務執行権限の有無や保険の目的物を現実 に管理していたか否かなどの点にかかわりなくすべて免責の対象とするとい うことになると,次の二つの問題が生じてくる。

問題点① 取締役と登記されているにもかかわらず,会社の業務執行に全 く関与していない,いわゆる 名目的取締役 が保険事故招致 した場合であっても,保険者は免責されることになるのか。

問題点② 最高裁平成16年判決を反対解釈すると,実質的に会社の業務執 行に関与している者であっても,取締役には就任しておらず,

また保険事故発生の直前に取締役を退任した者は,保険者免責 の対象とならなくなるのではないか。

最高裁の考えにしたがえば,保険約款で 取締役 と明記されているもの については,業務執行権限の有無や保険の目的物を現実に管理していたか否 かにかかわりなく,理事,取締役の地位にあるものが保険事故を招致した場 合はすべて保険者免責となる。

32) 大澤康孝 火災保険約款の免責条項にいう 取締役 の意義 民商法雑誌 第132巻2号,2005年,p.237。

33) 出口正義・前掲(注16),p.219。

34) 調査官解説でも示されている(吉田健司 最高裁判所判例解説民事篇 平成 16年度 > 2007年,p.379)。

(15)

これに対して,保険約款で法人契約について明記されていない保険契約に ついては,取締役以外の実質的関係者の行った行為は,最高裁平成14年10月 3日判決(以下, 最高裁平成14年判決 という) によるものと考えられる。

本判決は生命保険についてのものであるが,ここで示された判断基準は損害 保険においても妥当するものである。

最高裁平成14年判決の事案は,被保険者である夫が,保険金受取人である 有限会社の代表取締役であり,会社の業務を実質的に支配していたところ,

平取締役である妻が,夫を殺害したというものである。

法人契約について保険者が免責となる対象が明記されていない約款条項に ついて最高裁は次のように判示した。すなわち, 保険契約者又は保険金受 取人そのものが故意により保険事故を招致した場合のみならず,公益や信義 誠実の原則という本件免責条項の趣旨に照らして,第三者の故意による保険 事故の招致をもって保険契約者又は保険金受取人の行為と同一のものと評価 できる場合を含むと解すべきである。したがって,保険契約者又は保険金受 取人が会社である場合において,取締役の故意により被保険者が死亡したと きには,会社の規模や構成,保険事故の発生時における当該取締役の会社に おける地位や影響力,当該取締役と会社との経済的利害の共通性ないし当該 取締役が保険金を管理又は処分する権限の有無,行為の動機等の諸事情を総 合して,当該取締役が会社を実質的に支配し若しくは事故後直ちに会社を実 質的に支配しうる立場にあり,又は当該取締役が保険金の受領による利益を 直接享受しうる立場にあるなど,本件免責条項の趣旨に照らして,当該取締 役の故意による保険事故の招致をもって会社の行為と同一のものと評価する ことができる場合には,免責条項に該当するというべきである とし,本件 妻のように,代表権がなく経営者として業務に関与していない取締役による 故殺について保険者免責を否定した。

最高裁で示された取締役の意義をみると,つぎの図1のようになる。

35) 最 高 裁 平 成14年10月 3 日 判 決( 最 高 裁 判 所 民 事 判 例 集 第56巻 8 号,

p.1706)。

(16)

ここでは,法人契約について約款に免責条項があるか否かで区分したが,

最高裁平成16年判決の要旨②をみると,すべての取締役の保険事故招致が保 険者免責の対象となることから,業務執行の有無に関係なく 取締役 と呼 ばれる者すべて保険者免責に該当する。そうすると,実質的取締役と退任取 締役はどうなるのかが問題となる。これらについては,反対に解するならば,

保険者免責の対象とはならないと解されるであろうが,商法第641条の法定 免責の解釈に及ぶということもしていないため,さらに検討する必要がある。

因みに,下級審③判決のように,実質上経営権を掌握している者も約款にい う業務を執行するその他の機関に該当するとされた事例がある。

これに対し,法人契約について約款に免責条項がない場合の判例,最高裁 平成14年判決では,取締役が会社を実質的に支配し,もしくは事故後直ちに 会社を実質的に支配しうる立場にあり,又は当該取締役が保険金の受領によ る利益を直接享受する立場にあるなど,約款免責条項の趣旨に照らして,当 該取締役の故意による保険事故の招致をもって会社の行為と同一のものと評 価できる場合には保険者は免責されるとしている。この判示にしたがえば,

単に平取締役や名目的取締役であるというだけでは保険者免責の対象となら ないことになる。

しかし,法人契約において,約款で取締役が招致した保険事故を保険者免 図1:〔最高裁判決で示された取締役の意義〕

約款に免責規定あり (最高裁16年判決)

約款に免責規定なし (最高裁14年判決)

代表取締役 ○ ○

業務担当取締役 ○ ○

平取締役×

名目的取締役×

実質的取締役

退任取締役

(実質的会社支配性がなければ×)

(17)

責とするように定めをおくのは,本来,法人機関のうち事故招致した者に保 険金を支払うことになれば,要するに,自ら保険事故を起した者に利得が生 じるというのであればおかしいということであり,それを立証すること等が 困難であるから,約款で明記したということになるであろう。そうであれば,

約款に規定を設けたことによって,本来,利得を得る可能性が低い平取締役 や名目的取締役も含まれるというのは疑問である。

私見

これまで,保険契約者・被保険者と近い関係にある者の事故招致について 保険者の免責を認める理論として代表者責任論が主張されてきた。これは法 人契約においても検討されてきたところでもある。しかし,保険契約者・被 保険者と近い関係にある者の事故招致を認める場合,どこまでの範囲の者の 事故招致を保険契約者・被保険者の事故招致と評価すべきか,その限界付け が曖昧であり,解釈によっては被保険者間の不公平が生じるおそれが生じて こよう。

前述したとおり,観念的な存在にすぎない法人自身が現実に行動して保険 事故を招致することはありえないが,だからといって,法人契約について,

法人の機関,あるいは法人の理事,取締役,あるいは監査役も含めて考える とよいかもしれないが,それらのものが犯罪,放火等をして保険事故を招致 する場合, これらの者の保険事故招致=法人自身の保険事故招致 と構成 して保険者免責とするには問題がある。特にその法人が有限責任の法人であ ると問題である。すなわち,法人契約における被保険者の財産を考えると,

法人のうち特に有限責任のもの(たとえば,株式会社,合同会社等)について は,法人の財産のみが会社債権者等の拠り所となるであろう。法人契約にお いて保険者免責とすることにより,もっとも不利益を被る者は保険事故招致 をした者ではなく,会社債権者などの利害関係者が不利益を被る結果となる。

このことからしても,法人契約においては法人の機関が保険事故を招致した としても,保険者免責とはせずに,保険者有責を基本におくことのほうが論

(18)

理的なように思われる。しかし,そうすると,問題となるのは,たとえば,

会社と経済的に一体であるような小規模会社の取締役が,法人契約を利用す ることが考えられるのではないかという懸念が生じてこよう。しかし,この ような懸念は,結局は,実際に保険事故を招致した取締役が保険制度を利用 して何らかの利得を得ることから生じるものであるように思われる。そうす ると,事故を招致した取締役に利得が生じないよう,これを防止しなければ ならない。

現行法上,保険契約者・被保険者以外の第三者が保険事故を招致した場合,

保険者は被保険者に対して保険金を支払わなければならないが,第三者の行 為のよって生じた損害に保険者が保険金を支払ったのであれば,保険者はそ の支払った金額の限度において保険契約者または被保険者が第三者に対して 有する権利を取得することになる。これが商法第662条 にいう請求権代位 である。

これを法人契約にあてはめるならば,法人の取締役が保険事故を招致した 場合,保険者は法人に対して保険金を支払うことになるが,取締役の行為に よって生じた損害に保険者が保険金を支払ったことになり,そうであれば保 険者はその支払った金額の限度において法人が取締役に対して有する不法行 為に基づく損害賠償請求権を代位取得するということになるであろう。つま り,法人の機関のうち何れかが保険事故を招致した場合,保険者は法人に保 険金を給付して,その後,不法行為を行った代表者なり,第三者に対して保

36) 商法第662条の請求権代位( 被保険者の 第三者に対する権利の代位)に関 する規定は,保険法(平成20年法律第56号)第25条に規定されているが,保険 者に移転する権利については, 保険契約者 の第三者に対する権利は代位の 対象とされていない。これは,学説上(横尾登米雄 損害保険契約における保 険契約者と被保険者 損害保険研究 第32巻2号,p.39以下,西島梅治・前 掲(注2),p.187,石田満・前掲(注5),p.211,山下友信 保 険 法 2005 年,p.552。また, 損害保険契約法改正試案(1995年確定版) も 保険契約 者 の文言を削除している),被保険者に利得を生じさせないためには被保険 者の権利を代位の対象とすれば足りるとの指摘をふまえたものとされる(萩本 修編著 保険法立案関係資料 2008年,p.117)。

(19)

険代位で追及していくことのほうが現行法からいくと筋であろうし,事故を 招致した取締役の利得防止の効果も期待されよう。また,先の小規模会社の 取締役を例でいうと,取締役自身が会社債権者等のために保険事故を招致す ることで,取締役個人の財産にまで責任が及び,ましてや刑法上の責任も問 われかねないということを考えると,保険事故を招致しようとする主観的動 機をそぐことにもつながるのではなかろうか。

前述したとおり,実際の約款では,法人契約については,法人のうち誰の 事故招致をもって法人の事故招致と評価するのか,その範囲が示されている。

このように約款で保険事故を招致した事実を立証する困難を克服する意味で 政策的に保険者免責とすることは妥当であろう。しかしながら,現在一般に 用いられている約款をみるとき,取締役の意義について付言しておきたい。

約款では 保険契約者・被保険者またはこれらの者の法定代理人(保険契約 者・被保険者が法人であるときは,その理事・取締役または法人の機関を執 行するその他の機関)の故意もしくは重大な過失または違反 によって生じ た損害について保険者は免責されると規定されている。約款の免責条項にい う取締役とは,代表取締役,業務執行取締役であれば該当するであろうが,

単なる取締役会の構成員である取締役はどうなるのかが問題である。約款の 文言をみる限り,はたして最高裁が示したように,業務執行等云々せずにす べての取締役が該当するといえるのか問題である。

約款の文言を見る限り,法定代理人については,保険契約者または被保険 者が法人であるときは,その理事,取締役または法人の業務を執行するその 他の機関というように言っている。したがって,株式会社についていえば,

取締役会の構成員にすぎない,いわゆる平取締役はそれにあたらないと読む ことができる。つまり,約款の文言上,法定代理人括弧その他の機関といっ ているのであるから,平取締役が保険事故を招致しても,この約款の文言か らは保険者は免責されないと解することが妥当である。

法人の機関による保険事故招致について,保険約款でこのようなことを掲 げていれば,その約款にしたがうことになる。しかし,約款に規定がない場

(20)

合,商法第641条でいう保険契約者・被保険者の中に法人の場合には代表者責 任論などを用いて保険者免責を認めていくには,やはり問題がある。たとえ 法人契約において被保険者たる法人の事故招致がないということになれば,

商法第641条後段は,適用されることなく,空文化してしまい,保険契約当 事者の意図するところではないと批判されるかもしれない。しかし,この点,

約款によって商法第641条後段の保険者免責の範囲を拡張していくことで法 人契約における空文化を補うことが可能である。

法人契約については,法人と法人の機関とはその主体を別個のものという ことを基本としつつ ,法人性を尊重して,法人の機関による保険事故招致 は,約款に保険者免責の範囲が規定されない限り,原則として保険者有責と して扱い,保険者は請求権代位によって不法行為を行った保険事故招致者に 賠償請求していくべきものであると考える。また,約款の規定のあり方につ いては不当な利得は許さないという商法第641条の趣旨を斟酌していくべき ものと考える。

ここでは考察しきれないものが多数ある。会社の法人性を強調しつつ合理 的な解決を導きだしていくことは現実的な困難も予想される。法人契約につ いて保険者免責を求めるならばどのようなことが考えられるのか,特に請求 権代位が法文上準用されていない生命保険契約について解釈論としての可能 性も含め,今度引き続き検討していきたい。

(筆者は北海道大学大学院法学研究科助教)

〔追記〕

本稿は,㈶生命保険文化センターの平成19年度研究助成による研究成果の一部 である。

37) このように解さなければ,会社が法人であるとする会社法第3条,第2条第 1号に抵触する可能性がある。

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