会計的教義としての一般原則
その他のタイトル General Principles as the Accounting Doctrines
著者 植野 郁太
雑誌名 關西大學商學論集
巻 16
号 2‑3
ページ 163‑180
発行年 1971‑08‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/00021453
会計的教義としての一般原則
植 野 郁 太
は じ め に
わが国の企業会計原則は,会計公準にはまったくふれることなく,会計原 則を一般原則,損益計算書原則,貸借対照表原則に区別し,その順序に並べ ている。この構成のもとでは,一般原則は損益計算書原則と貸借対照表原則 の双方に共通な原則として位地づけられることになる。ところで一般原則と して真実性の原則,正規の簿記の原則,資本取引と損益取引区分の原則,明 瞭性の原則,継続性の原則,保守主義ないし安全性の原則,単一性の原則の 7つがあげられている。そのうち資本取引と損益取引区分の原則は,まさに 損益計算のありかたを基本的に規制するものとして,それ以外の一般原則と 明瞭に区別すべき性格のものである。この原則以外の一般原則は,個々の会 計処理の基準としてではなく,それら全般についてのまた各会計処理の結果 として作成された財務諸表の報告にあたっての信義条項 (articlesof faith of accounting) として遵守すべきものといった内容をもち, ギルマンにならっ て会計的教義 (accountingdoctrine) と規定できる性格のものである。
昭和44年12月に発表された企業会計原則修正案においても,一般原則につ いて大きな修正はなかった。その本文でほ継続性の原則の適用を緩和しただ けであり,他に注解として「重要性の原則の適用について」「資本取引と損益 取引との区別について」「継続性の原則について」「保守主義の原則について」
の4項目を設け,それぞれの内容を明確にしたに過ぎない。
本稿では資本取引と損益取引区分の原則以外の一般原則の内容を検討する ことにしよう。
I
真 実 性 の 原 則 と 単 一 性 の 原 則 1 真実性の原則164 (66) 会計的教義としての一般原則(植野)
企業会計原則の一般原則の冒頭には「企業会計ほ,企業の財政状態及び経 営成績に関して,真実な報告を提供するものでなければならない。」 と規定 している。これがすなわち真実性の原則で,一見それは当然のことのように みえる。問題はむしろ真実とはなにか, より正確にいえばなにをもって真実 とするか,真実といいうるための条件はなにかということである。しかしそ の答ほ時代の変遷,経済の発展に伴う財務諸表に対する社会的認識の推移に
ともなって変ってきている。以下その概略をみていこう。
第1は1862年ドイツ商法で財産目録と貸借対照表の規定が設けられた当時 から,さらに現在でもごく常識的に考えられているもので,真実とはすべて の資産・負債を決算時の価値で表示することと理解されている。それは貸借 対照表真正の原則 (Grundsatzder Bilanzwahrheit)といわれてきたものだが,
一般の貸借対照表は非貨幣的資産については取得原価を,貨幣的資産につい てほ債権金額を,負債については債務金額を中心にした表示を原則としてお
り,資産や負債の真正な価値を示していないことは周知のとうりである。
第2はとくに19世紀のイギリスにみられるもので,それは法の要求する取 引の正確な帳簿記録を真実の条件とするものである。そのことは現在でもイ ギリス会社法で会計帳簿の備置を規定した147条の2項の「……会社業務の 状態について真実公正な概観を与え (to give true and fair view)且つその 取引を明白にするのに必要な帳簿……」という文章にうかがうことができる
(1)
し,また1880年代のイギリスの会計監査計画の大部分が試算表にいたるまで の会計記録一切の検査にあてられており,そこでは記録担当者の行為を注意 深く完全に追跡することが会計に関する資料の信頼性をテストする鍵であっ
(2)
たという。
第 3は取引の正確な記録とともに会計原則の遵守とその継続的な適用をも って財務諸表の真実の条件とするもので,それは1930年代のアメリカにおけ る会計原則の理念の登場と会計士監査の採用に照応するものである。一般原 (1) 条文の訳は法務大臣官房司法法制画査部編イギリス会社法—1948年法, 1967
年法—による。
(2) A. C. Littleton & V. K. Zimmerman, Accounting Theory: Continuity and Change, 1962, p. 106.
会計的教義としての一般原則(植野) 165
則にいう真実性の原則もこの範疇に属するとみてよい。この意味での真実性 ほ監査証明書の文面に「……会社の採用する会計処理の原則及び手続ほ,一 般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し,かつ,前年度と同一の 基準に従って適用されており……」ということ(アメカリでは …incom‑
formity with generally accepted accounting principles on a basis consistent with that of the preceding year)をもって財務諸表の適正かどうかの判断
の基準としていることに明瞭に示されている。もっともここではすでに会計 処理には種々異った方法が競合しており,会計責任者さらにいえば経営者の 判断が多く介入することから,算術計算における、ような絶対的真実は考えら れないことが明らかにされており,この点について一般の誤解をさけるため に真実にかえ適正 (fairly)という用語をつかっていることが注目される。
第4は現在社会における法の意義を強調し,他面会計原則はもともと法的 強制力をもたないことを考えあわせ,合法性(legality)をもって真実性の条 件とするものである。それは,会計計算に対して法的規制が加えられるとき それに従うべきは当然だが,それ以外の事項につき会社の自主的判断により どのような処理がなされようとも,そのことに対して第三者がたとえば会計 原則を楯にして抗弁することはできないという事実からでたものである。こ のことと関連して,せっかく公的なものとして企業会計原則があるのだから それを遵守すぺしとの包括的規定を何らかの形で商法にとりいれるべきだと の意見が一部に強硬にだされたことが注目される。その結果として昭和45年 3月発表の商法改正要網案では,商業帳簿の作成に関連して,「商業帳簿の作 成に関する規定の解釈については,公正な会計慣行を掛酌しなければならな い」との規定が設けられることになったが,ここにほ真実性をまず合法性と
して理解しようとの考え方が潜んでいるとみることができる。
第5ほ上記の4つのものが外部報告を中心とし, とくに会計士監査との関 連で真実性を考えているに対して,内部利用の問題をふくめ,財務諸表の利 用目的との関連を重視して目的適合性あるいは有用性を強調するものである。
この意見は最近強くなってきたが,その契機となったのほ1966年のアメリカ 会 計 学 会 の 基 礎 的 会 計 理 論 (AAA. A Statement of Basic Accounting
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(3)
Theory)である。たとえばこの基礎的会計理論をよりところとしながら,ス ネヴリーは財務会計情報の選択の第一次的批判基準として真実性よりは有用
(4)
性 (usefulness)をとりあげるべきことを主張している。すなわちかれは,一 方に人間は真実を絶対的なもの,理想的なものとみるだろうが,企業につい てのまさに事実ありのままの情報と考えられる多くのものが提供しようと思 えばできるのに,提供されていないという現実を指摘し,他方にはボーリソ グの「会計士が真に求めているのほ正しい解答 (rightanswer)よりは十分に 満足できる解答 (sufficientanswer)である」という文章,メイの「会計は論 証できる真実としてではなく,有用であるとして是認されている一連の仮定 に依存している」との文章を引用した後に,どのような情報が,十分に満足 できる解答を与えるのか,その結果としての財務諸表が「行動に対して十分 に満足できる」資料を提供するようにするために必要な基準は何かという問 を出し,結局,有用性が必須の批判基準になると結論している。そこにはア メリカ会計に伝統的なプラグマティックな考え方の典型的な解説をみること ができる。絶対的真実のありえない会計計算においてほ有用性をもって真実 性におきかえることができる,あえて真実ということばを使いたければ,有 用なことすなわち真実だといってよいというわけだろう。
ところで企業会計原則における真実性の原則は上記の第3あるいは第4に 関連するもので,第 5の問題までは立入っていないことに注意しなくてはな
らない。
2
単一性の原則財務諸表の真実性の解釈とも関連して注目されるのが単一性の原則であり,
企業会計原則にはそれを次のように規定している。 「株主総会提出のため,
信用目的のため,租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸
(3) AAA, A Statement of Basic Accounting Theory, 1966. pp. 8‑13.飯野利 夫訳 アメリカ会計学会基礎的会計理論 12ー20ページ。
(4) H. J. Snavely, "Accounting Information Criteria" The Accounting Review, April 1967. pp. 223233.
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表を作成する必要ある場合,それらの内容は,信頼しうる会計記録に基いて 作成されたものであって,政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめて はならない。」
この規定の解釈について一般には表示の形式の単一性と内容の単一性に区 別して説明されるが,問題は後者に•ある。内容の単一性についてはさらに絶 対的単一性と相対的単一性の別が指摘されている。絶対的単一性は,企業が それぞれ異なった目的のために財務諸表を作成するにしても,それらの内容,
具体的にいえばそこに示される資産,負債,資本,費用,収益のそれぞれの 金額は同一であるぺきで, 目的の相違によって表示される金額が異なるよう なことはあるべきでない,真実な財務諸表はただ1つであるはずだとするも のである。これに対して相対的単一性は特定の目的のための財務諸表はただ
1つであるぺきだが, 目的が異なればまたちがった金額が示されることも許 されるとするものである。このことを阪本教授ほ「目的別単一性」とよび,
「財務諸表はそれぞれの目的に応じて真実なものがただ1つだけ作成される
(5)
ことになる」と説明されている。
絶対的単一性か相対的単一性かの問題を考えるときには同時に財務諸表の 作成•利用目的を明確にする必要がある。今日の財務諸表はながく一般目的 のもの (generalpurpose statements)といわれてきた。純形式的には一般目 的とは特定目的に対立する概念であり,それは財務諸表のすぺての利用者に 共通の目的ということにも理解されるが,その真意はあえていえば,外部報 告の財務諸表は本来,企業経営者の資本提供者に対する受託責任の履行とい うことから作成されるものでとりたててその目的を問題とするに及ばない,
このような目的で作成・公示されたものをどのような目的で利用するかは副 次的なことからだと、するものである。このような一般目的のもとでの財務諸 表には当然,絶対的単一性が要求される。そこでもし例えば税務上の課税所 得の計算等のように,なんらかの理由によって一般目的のための財務諸表と は別個の財務諸表が必要とされ,その内容が一般目的のものと相違するとき にほ,その相違を正当に説明しうるものでなくてはならない。
(5) 阪本安ー著,新稿財務諸表論 47ページ。
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企業会計原則では上記のように一般目的のものという考え方は表面にださ ず,それはいれば商法上の株主総会提出のためのものとし.それと信用目的 のため税務目的のため等の種々の目的を並立的にならべ,それぞれの目的に 応じた財務諸表という表現をとっているために,それは絶対的単一性ではな く,相対的単一性の見解を支持しているようである。しかしそこにはそれら の内容がすべて信頼しうる会計記録を共通の基盤としていること,信頼でき る会計記録からそれらの内容の相違が正当に客観的に説明しうることという 条件がついていること,すなわちそこには財務諸表の真実性についてとりわ け客観性の保持が重視されていることを見落してはならない。
客観性(objectivity)はその結果が財務諸表にあらわれてくる情報の起源に その焦点をあわせるもので, 目的適合性が情報の有用性を重視するのと対照
(6)
的である。計算の客観性については計算対象の客観的存在がまず問題となる。
独立した当事者間の交換取引がその典型的なものだが,いわゆる内部取引に ついてはその取引の存在を裏付けるに十分な資料の準備が必要となる。また 計算対象の認識・測定にあたってほ公正な,偏見にとらわれない態度(fairness, freedom from bias)により,法の規定に忠実に,また会計原則にのっとり一 般に是認された会計処理を採用し,みだりにその方法を変更しないことが要 求されている。こうした客観性の保持を前提として会計士等による財務諸表 の監査制度も成立することになる。最近一部に論議される会計情報的接近の 見解から,財務諸表の目的適合性・有用性を強調する考え方に順応して, 目
的の相違にしたがって財務諸表の内容が相違するのも当然だというように.
財務諸表の内容の相対的単一性を無条件に認めようとすることはいたずらに 混乱を引起すだけだといってよいだろう。
以上要するに財務諸表の内容の単一性については絶対的単一性を保持する のが本筋で,相対的単一性は各種の法的規制,とりわけ税法規定の遵守等,
特定のやむをえない事情を考慮して認められるにすぎないと解釈すぺきだろ
ぅ
。
(6) "Report of the 1961 Management Accounting Committee of AAA," ‑The Accounting Review, July 1962, p. 532.
会計的教義としての一般原則(植野)
次に形式の単一性について,ここに形式とは各財務表に示される関係項目 の区分・分類の方法とその詳細度,その結果としての各項目の配列の仕方,
表示の様式のことである。ドイツで1910年頃はじめて単一性の原則 (Grund‑
satz. der Bilanzeinheit)が主張された当時は, 内容の単一性とともに形式の 単一性も強く要求されていた。しかし今日では形式の単一性を強制すること は,それを利用する側からはかえって弊害があるとされている。上記の企業 会計原則の規定も形式的単一性は放棄され,特定目的に応じ形式の異なる財 務諸表が作成されることを想定した文章となっている。
I l
正 規 の 簿 記 の 原 則 , 明 瞭 性 の 原 則 , 重 要 性 の 原 則 前項に述べた真実性の原則を形式的側面から保証し,なお相互にとりわけ 密接な関連をもつ正規の簿記の原則,明瞭性の原則,重要性の原則をここに 一括してみていくことにしよう。1 正規の簿記の原則
企業会計原則の一般原則には「企業会計ほ,すべての取引につき,正規の 簿記の原則に従って,正確な会計帳簿を作成しなければならない」と規定し ている。これを正規の簿記原則という。同様の趣旨のことを商法は「商人ハ 帳簿ヲ備へ之二日日ノ取引其ノ他財産二影響ヲ及ボスベキ一切ノ事項ヲ整然 且明瞭二記載スルコトヲ要ス」と規定している(商法32条)。
さて正規の簿記の原則が具体的にどのような意味をもつのかは必ずしも明 確ではないが,それを記録ないし記録形式に関する原則とみるのが通説であ
り,それには次の 3つの要件があげられている。
(1) 会計脹簿ほ一定の体系のもとに相互に密接な関連をもち組織的に形成さ れ,かつ各帳簿は完全にしてページの脱落等がないこと。このような組織 的記録の場をもつことによってはじめて各取引の完全な体系的記録が可能
となる。
(2) 帳簿の記録は十分な外部的あるいは内部的証憑によって裏づけられ,記 録の信憑性ないし信頼性を確保すべきで,そのためには各種証憑書類の完
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全な整理・保管をすること。
(3) すべての取引を網羅的に完全に記録すること。ここにすべての取引とほ 取引として認識・測定されうるものすべてということではなく,その範囲 は後に述べる重要性の原則にてらして決定される。重要性の乏しいものに ついては記録を省略し,また厳密な会計処理にもとづく記録をしなくても よいとされている。その具体的な例として企業会計原則修正案の注解注1 には次の 5つをあげている。
( イ
) 重要性の乏しい消耗品,消耗性工具器具備品等について買入時または 払出時に費用として処理してもよい。
( 口
) 前払費用,未収収益,未払費用及び前受収益のうち重要性の乏しいも のは経過勘定項目として処理しなくてもよい。
り重要性の乏しい負債性引当金は必ずしも計上しなくてもよい。
(=‑) 棚卸資産の付随費用のうち重要性の乏しいものは当該資産の取得原価 に算入しなくてもよい。
( ホ
) 分割返済の長期債権または債務のうち,期限が一年以内に到来するも のでも重要性の乏しいものはそのまま固定資産または固定負債として表 示しておいてもよい。
上記 3つの要件のほかに複式簿記による記録を要件とするかどうか意見が わかれており,複式簿記によらない単式簿記,簡易簿記でもよいとする意見 が強い。しかし複式簿記によらない限り,すぺての取引を完全に記録するこ
とはできないから,厳格に解釈すれば当然に複式簿記を要件に加えてよい。
なお最近急速に発展しているコンピュークー会計において正規の簿記の原則 として具体的にどのような要件を指示するかは重要な問題である。
正規の簿記の原則を上記のように記録形式の原則ということに限定せず,
さらに実質的な会計処理まで含むとの意見も強力である。それはこの原則が もともとドイツ商法上の Grundsii.tzeordnungsmii.Biger BuchfUhrungの訳 語であり,それが会計帳簿や財務諸表の作成について公正な会計慣行による べきことを包括的に規定したものであることに立脚している。しかし現在で ほ形式的な簿記記録と実質的な会計処理とは概念的に明確に区別されており,
会計的教義としての一般原則(植野) 171
しかも財務諸表が誘導法によって作成されている限りにおいて,一般原則に おける正規の簿記の原則は財務諸表の真実性を会計の記録の面から保証する ために設けられたものとみるのが,常識的ではあるが妥当な解釈で,それを 拡大解釈して実質的な会計処理にまで及ぶものとする必要はない。
2
明瞭性の原則明瞭性の原則 (principleof disclosure, Bilanzklarheit)は会計の報告機能 との関連において重視される原則である。企業会計原則はそれを「企業会計 は,財務諸表によって,利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し,
企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない」と規定し ており,商法計算書類規則第2条にも同主旨のことを規定している。
明瞭性の原則はもともと財務諸表に利用される各用語の正確さとその記載 ないし表示の一覧性の確保,すなわちひととうり会計の知識をもつ人々にと って十分に解りやすく,誤解を生じないような表示を意味していた。このこ とから次のようなことが要求された。
(1) 財務諸表に記載される各項目の適切な設定とそれらの項目にあてられる 用語の正確性の維持。
(2) 各項目の適正な区分あるいは分類とそれらの適切な表示様式の採用によ る概観性の確保。
(3) 総額主義による,資産項目と負債項目の相殺あるいは収益項目と費用項 目の相殺の禁止。
会計では日常の用語を特定の専門術語としているためにかえって一般に理 解しにくく,また各項目の区分や分類についての企業の特殊性を強調し,財 務諸表の外部利用者に不便をもたらす例が多い。そこでこれらの点について は財務諸表の公示制の一般化とともに,はやくから一定の権威あるいは法の 裏付けのもとに財務諸表の用語,様式の規制ないし統一化が意図され,それ が財務諸表の明瞭表示に大きな力となっていることは周知のとうりである。
しかし1930年代アメリカを中心に投資家のための会計が強調されるように なってからは,明瞭表示の問題はさらに「十分な公開ないし開示」 (adequate
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disclosure)に対する要請,すなわち企業の収益力や財政状態についての判断 を誤らせないために必要とされる事項はできるだけ財務諸表に表示すべきだ ということに重点が移ってきた。この点を強調するために明瞭性の原則を公 開性の原則といいかえる例も多い。ところで「十分な公開ないし開示」のた めに引合にだされるのが重要性の原則である。それは次項でも説明するよう に,「重要」でない事項については,その会計処理を企業の自由裁量に委ねて
もよいし,また財務諸表に表示する必要はないという正確な表示に対する許 容規定として消極的な意味にとられる例が多い。しかし他面では「もしそれ が表示されたならば,財務諸表からえられる印象に重要な変化が生ずるだろ うような事項」は表示すべきだという積極的な内容のものとしてとらえるこ とができる。その例としては次のような事項があげられる。
(1) 関係会社との貸借関係や売上高,代入高,さらに役員,大株主,従業員 との貸借関係の独立項目としての表示や欄外注記。
(2) 自己株式の独立項目としての表示。
(3) 手形の割引高,裏書譲渡高その他偶発的な保証債務や賠償義務等の欄外 注記。
(4) 担保にふした資産の欄外注記。
(5) 棚卸資産についての評価基準及び棚卸方法等の欄外注記。
上記のように明瞭性さらには重要性の原則の適用結果として,財務諸表に はその本文のほかにカッコ書,欄外注記さらに各種付属明細表の利用のケー スが多くなってきたが,これら表示内容の充実とともに報告の適時性すなわ ちタイミ、ノグの問題が重視されるようになってきた。たとえば昭和46年 3月 改正の証券取引法でも次の2点が特に注目される。
(1) 半期報告書制度の創設 1年決算の有価証券報告書提出会社について は,その年央における企業内容を投資者に対し開示するため,新たに,毎 事業年度開始日から6カ月を経過した日までの営業状況,財務内容等を記 載した半期報告書を提出すること。この場合,その記載内容は,制度の趣
旨に照らし簡略なものとする。
(2) 臨時報告書制度の創設—企業内容に関し臨時に発生した重要な事実の
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内容を投資者に対し適時に開示するため,有価証券報告書提出会社は,① 国外における有価証券の発行,R親会社および重要なる会社の変動,⑧生 産活動等に著しい影響を及ぼした災害等について,その事実の内容を記載
した臨時報告書を提出すること。
3
重要性の原則重要性の原則 (principleof materiality)はアメリカでは典型的な会計原則 の1つとしてはやくから指摘されていた。とくにわが国の企業会計原則に最 大の影響を及ぼしたSHMの会計原則一覧にも一般原則のトップに「会計は,
(a)事業の財政条件ないし状態と,(b)利益獲得の経過とに関連した財務的性格 をもつすべての重要な情報(allmaterial information)を利用できるようにし
(7)
なくてはならない」と規定していた。しかし現行の企業会計原則にはこの原 則はあげられていなかった。この点について「真実性の原則は第 2の正規 の簿記の原則と結合して,アメリカの企業会計における一般に認められた会 計原則の1つを構成しているところの重要性の原則を形づくるものと考えら
(8)
れる」と説明されていた。しかし重要性の原則は45年の企業会計原則修正案 には独立の原則としてとりあげられた。ただしそれが本文ではなく,正規の 簿記の原則と明瞭性の原則に関連した注解のところで扱われているのは少し 物足りない。
重要性の原則の規定としてよく引用されるのほアメリカ会計学会の57年版 の会計原則で,表示の基準 (standardsof disclosure)のところにみられる説
(9)
明である。そこには「会計において使用されるとき,重要性とは相対的重要 さの状態 (astate of relative importance)を示すものといえよう。ある項目 の重要性はその金額,その性格,さらには両者の結合したものに依存する。
ある項目は,それについて知ることが情報を受ける投資家の意思決定に影響
(7) T. H. Sanders, H. R. Hatfield & U. Moore, A Statement of Accounting Principles, 1938, p. 113.
(8) 黒沢,諸井,飯野,江村,番場共著解説企業会計原則 65ページ。
(9) 中島省吾訳編, AAA会計原則,原文の部 59ページ,訳本の部 142ページ。
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を及ぽすだろうと信ずるだけの根拠があるときには,重要なものとみなさな くてはならない」と説明している。
企業会計原則の修正案では重要性の原則について「企業会計が目的とする ところは企業の財務内容を明らかにし,企業の状況に関する利害関係者の判 断を誤らせないようにすることにある」と述ぺ,そのことからすぐに「重要 性の乏しいものについてほ.本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な 方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる」「重要性 の原則ほ財務諸表の表示に関しても適用される」と規定し,つづけてその適 用例を示している(本項の1参照)。 これを上記のアメリカ会計学会の規定 と比較するとき,重要性の定義をせずにそれらしいことを財務諸表の目的と 関連して簡単にふれるだけですましていること,またこの原則の規定が消極 的な表現の仕方になっていることで何か中途半端な印象を与えている。
さらに1962年のアメリカ会計学会の管理会計委員会の報告にほ,重要性の 原則ほ,(a)会計プロセスにおいて,ある項目が少なくとも勘定に記録される べきかどうかの決定にあたって,(b)会計サイクルの分類面において,ある項 目が別個の勘定料目に記録されるべきかどうか,それが合理的に同種の項目 と結合されるべきかどうか,それが「雑」勘定にふくめられるぺきかどうか
(10)
の決定にあたって,適用されるべき判断基準であると説明している。この説 明を十分に検討するとき,重要性の原則と正規の簿記の原則や明瞭性の原則
との関連,それらの内容がいっそうよく理解されるだろう。
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継 続 性 の 原 則継続性の原則は広義に解するときにほ,次の3つの意味をもっている。
(1) 毎期の定期的決算を行ないながら,なお企業の存続する限りでの会計記 録の永続性の保持を強調するもので,シュマーレンバッハの指摘した継続 性の原則はこれに相当する。
(2) 企業の採用する各種会計処理法には相互に矛盾,競合するものがあって (10) "Report of the 1961 Management Accounting Committee of AAA", pp.
53353.4.
会計的教義としての一般原則(植野)
はならないとの意味で,継続性の原則のかわりに一貫性の原則というとき にはこのような意味を含めることもある。 (継続性に相当する英語 con‑ sistencyには行為の調和 (harmonyof conducts)の意味もあるo)
(3) 会計処理・会計報告について同一の方法を毎期継続的に適用すること。
ところで今日一般に継続性の原則 (principleof consistency)というときに は,それは上記(3)を意味する。企業会計原則にはそれを次のように規定して いる。 「企業会計は,その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し,みだ りにこれを変更してはならない。正当な理由によって,会計処理の原則又ほ 手続に重要な変更を加えたときは, これを財務諸表に注記しなければならな
I,ヽ。」
継続性の原則は,会計原則なる理念が登場した時点から常に重視されてい た。それは1930年代アメリカにおいて会計制度の改善の方策が論議されたと き,詳細な法的規制よりはむしろ会社の自主性の尊重を建前とし,各会社に 対してほ採用した処理方法の開示を求め,その方法のみだりな変更を監視す るほうが得策としたこと,またこの基本線にそって公認会計士の監査報告に も継続性の原則を大きな柱として財務諸表を適正なものと判断したというこ とを明示するようにしたことから,継続性の原則の重要性を一般に強く印象 づけることとなったという経緯によるものである。
継続性の原則は会計数値の相対的真実性と期問比較性の保持の要件として 説明されてきた。まず第1の点について,今日の会計ではたとえば棚卸資産 の期末評価方法や固定資産の減価償却計算にみられるように, 1つの事象の 会計処理についていくつかの方法を妥当なものとして是認し,そのいづれを 採用するかほ企業の自由にまかせている。採用した処理方法の相違から当然 その結果としての数値も異なってくる。そこで選択の自由を無条件に認める と,毎期末に自己にもっとも有利な処理法を採用することにもなり,計算結 果ほ歪曲され,数値に対する信頼性,その真実性はますます疑わしくなる。
そこで選択に対し制限を加へ,一度採用した処理法の毎期の継続適用の条件 をつけることによって各期間の数値相互問の相対的真実性を維持するとの考 え方がでてきた。
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次に第2の点について,財務諸表の個々の数値はどの1つをとってみても それ自体としてはそれほどの意味はなく,それらは数期間にわたる趙勢の分 析あるいは比較をつうじてはじめて有意義なものとなる。,これらの分析や比 較に役立つためには会計数値は毎期比較可能なものであることが必要で,そ
こに継続性の原則の遵守が要求されることになる。
ところで継続性の原則ほ一度採用した処理方法をいつまでも固執すべきこ とを意味するものではない。この原則が強調された当初,そこで問題にされ たのほ,その当時多くみられた毎決算ごとにもっとも有利な結果をもたらす
(11)
ように会計処理方法を変更する実務だったといわれている。このような事情
(12)
をよく示しているものにスコットの説明がある。スコットは継続性の原則を,
「会計上のルール・手続・技術は継続的に適用しなくてはならない。それら は決して経営者の一時的目的 (thetemporary purposes of management)に 役立つように勝手に変更してはならない。変更が必要とされるときには,そ れらは正義 (justice),公正 (fairness),真実 (truth)の原則によって統制され なくてほならない」と説明している。そしてかれほ継続性の原則とならぺて 適応性 (adaptation)の原則をかかげ,それについて「会計上のルール・手続
・技術は正義,公正,真実の原則を具現しうるようにするために,変動する 経済関係を考慮にいれるように常に改訂されなくてはならない」と説明し,
継続性と適応性の関係について,「それらは相互に矛盾するという事実にもか かわらず,ともに必要である。適応性の原則から,会計士は新しい会計方法 と手続の評価にあたり寛大で,偏見にとらわれるべきでなく,その評価ほ会 計慣習との適合という観点からではなく,提案された方法や手続が基本的原 則に調和しているかどうかという見地から行なわなくてはならない。そのこ とからまた経済関係の急激に変動する時代には,会計のルールや方法におけ る変更の歩調も速くなるのは当然である」と述べている。
先に引用した企業会計原則の文章によると,その前半で継続性の原則ほ
(11) "Report of the 1961 Management Accounting Committee of AAA" p. 533. (12) Dr. Scott, "The Basic for Accounting Principles" The Accounting Review,
December 1941, pp. 343344.
会計的教義としての一般原則(植野) 177
「みだりに」変更することの禁止として規定され,その後半の文章から「み だりに」とは「正当な理由のないこと」だと解釈され,その結果として「正 当な理由」とは具体的にどのようなことかが問題にされてきた。そしてそれ ほ例示的に,(a)会計原則自体の進歩によってより適切な方法が指示されたと き,(b)適用される法規が改正されたとき,(C)他の方法が現行のものより適切 なことが明瞭となったとき,(d)経済的環境や企業自体の営業の変動等に適応 するため変更が必要となったとき等が指摘されている。しかしなお統一的見 解はなく,現実にある重要な変更があったときにそれが正当な理由によるも のかどうかの判定にも多くの困難が伴うだろう。このような事情もあって,
商法計算書類規則では,評価方法その他会計処理の方法さらに貸借対照表や 損益計算書の記載方法を変更したときにほ,それが軽微なときをのぞき,そ の変更を注記すべきことを規定するにとどめた(同規則3条)。
商法のこの規定に歩調をあわせるかのように,企業会計原則の修正案は本 文の後半の「正当な理由……」の文章を削除し,注解の注 3で継続性の原則 の存在理由を説明した後に重要な変更の注記を規定している。そこでは次の
2点が注目される。
(1) 継続性の原則の必要性について,期間比較性の方を強調し,相対的真実 性のことは文面にでていないこと。
(2) 注記内容について変更の事実だけでなく,その変更による影響額をも記 載するよう規定したこと。 (この影響額の注記は変更前と変更後の各処理 方法による金額を示すことによって達成される。)
このことから修正案の継続性の原則ほ変更の禁止というよりはむしろ変更 についての十分な注記を重視する考え方に組するものだとの解釈もでてくる。
継続性の原則について期間比較性だけを強調すると, ソロモ ノズも述べてい るように,継続性の欠除がただちに期間比較性を阻害すると考える必要はな く,問題はむしろ変更についての十分な表示 (fulldisclosure)にあるという
(13) ・
ことになる。それでよいのかどうか。そこであらためて継続性の原則の存在 (13) D. Solomons, Divisional Performance: Measurement and Control, 1965,
p. 51.
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意義を反省しなくてはならない。商法規定との関連では当然考慮されるだろ う違法性の問題からはなれて,企業会計原則としてほただ「みだりに」とい うのではなく,具体的に各期間ごとの場当り的な,刹那的な判断による変更 を禁止するものとして,一般の誤解をさけるようにすることが望ましい。
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保 守 主 義 の 原 則保守主義(conservatism)の用語は会計ではまったく特殊な意味に用いられ ている。財務諸表の作成ほ過去の事実の記録とともに将来発生するだろう事 象の予測に依存する点もいろいろとある。ところで将来は不確定であり,企 業にとって種々の危険が潜在している。それらについての判断の行使にあた ってほ楽観的見方よりむしろ慎重な悲観的な見方のほうがすぐれているとす るのが,会計上の保守主義の原則の意味内容である。
保守主義を単純に純資産あるいは利益の過小表示を要求するものと考える ことは誤りである。将来の不確定要素をふくむ判断の結果としての評価額が 過大か過小かほ,その判断の対象となった事象が現実に発生した時点におい てはじめて判定されることである。将来の発生額と一致するような評価額の 算定が理想的であるが,将来の不確定性,客観的資料の欠如からそれは期待 できないとすれば,結果において純資産の過大表示であったとされるものよ り過小表示であったとされるような評価額を採用したほうが弊害が少ないと するのが保守主義の原則である。このような意味をより適切に示している点 では保守主義の原則より用心の原則 (principleof caution),安全性の原則の 用語のほうがまさっている。
保守主義は年度決算らしきものが登場した初期から受継がれてきた思考で,
財産計算中心の見方が支配的であった時代には無条件に是認されていた。と くに金融機関その他で,取引先の所有する財産の有高に注目し,その担保能 カの判定を第一義的に考えるところでは,貸借対照表における純資産ひいて また利益の過大表示がもっとも強く忌避されるのは当然であった。しかし 1930年代から一般に損益計算優先の考え方が強くなるにしたがって,保守主 義原則の意義について多くの批判がでてきた。その要点は,たとえば棚卸資
会計的教義としての一般原則(植野) (81) 179 産の低価主義評価や各種引当金の設定に明らかなように,ある期末の保守的 評価はそれに続く期末の非保守的評価をもたらし,その放果ほ短期的である こと,保守的会計処理ほとかく費用の繰上げ計上によってそれの正しい期間 帰属ひいてまた費用収益の適正な対応による期間損益の決定をゆがめ,適 正な期間的比較を害する結果におちいりやすいということにある。こうした 批判は株主の移動の少ないところでほそれほど大きな問題とはされない。け だし利益の期間帰属に若千のひずみはあっても,それらは最終的に同一の株
(14)
主に帰するからである。しかし株主の移動の激しいところでは利益の期間帰 属の不適正は結果的にはある期間の株主の犠牲において他の期間の株主に不 当な利益をもたらすことになり,こうした観点から保守主義的会計処理に対 する批判はいっそうきびしくなってくる。
しかしめざましい技術革新のもとでまったく流動的な経済事情,激烈な競 争に直面して企業をとりまく種々の危険に対処するために慎重な,用心深い 会計処理を要求する保守主義の原則の意義を否定することはできない。企業 会計原則が今度の修正案でも従来どうりの文章で保守主義の原則を一般原則 の1つとして維持していることはもっともだといえる。ただ今度の修正案で ほ注解4として「企業会計は,予測される将来の危険に備えて慎重な判断に 基づく会計処理を行なわなければならないが,過度に保守的な会計処理を行 なうことにより,企業の財政状態及び経営成績の真実な報告をゆがめてはな らない。」 との文章を加えたことが注目される。それは,わが国には伝統的 に業績のすぐれた期間には利益を適当に圧縮して将来の業績悪化の時期にそ なえることをすぐれた会計処理とする風潮があり,それをささえるものが保 守主義の原則であるかのように誤解されていることに対する警鐘だと説明さ
(15)
れている。
保守主義の原則はなにもあやまった不正な会計処理を是認するものではな い。排斥すべきは過度の保守的会計処理である。保守主義の原則によって将
(14) R. F. Salm onson, Basic Financial Accounting Theory, 1969, p. 57.松尾 憲橘訳 サルモンソン現代会計字 70ページ。
(15) 番場嘉一郎・日下部与市共著 企業会計原則修正案の解説 41ページ。
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来予想される危険を計算にとりいれるにしても,それには当該決算時点にお いてその発生を見越すに十分な合理的根拠,それ相当の客観的裏付けが必要・
である。単純な推測による計算を認めることは会計数値の破減をもたらす。
「企業の財政に不利な影響を及ぽす可能性ある場合」ということをいたずら に拡大解釈することは許されない。
また保守主義原則の適用例として次のものがしばしばあげられる。
(1) 費用は発生主義によるに対して,収益は実現主義によって認識・測定す ること。
(2) 棚卸資産の評価基準として低価主義の採用。
(3) 固定資産について予想利用期間より短かい耐用年数の設定や定率法等の 逓減的償却方法の採用によるできるだけ速やかな償却の実施。
(4) 各種引当金の設定のわくの拡大化。
しかしそれらは計算結果としてほ保守的会計処理になっているとしても,
単純に保守主義の原則だけで説明できるものではない。そこには他の要因も 作用していることが多い。また一般に是認されている会計処理について論理一 的に一貫した説明が難かしいものに対する説明の手段として安易に保守主義 の原則をもちだすことも慎しまなくてはならない。