生産性比較と収益性比較 : レーマン「経営比較論
」の所説を中心として
その他のタイトル "Produktivitat‑Vergleiche " and
"Rentabilitat‑Vergleiche"
著者 山上 達人
雑誌名 關西大學商學論集
巻 6
号 5‑6
ページ 324‑357
発行年 1962‑02‑28
URL http://hdl.handle.net/10112/00021682
外の企業活動能率と区別せねばならない︒ここに生産性比較と
レーマン「経営比較論」の所説を中心としてー~
生 産 性 比 較 と 収 益 性 比 較
経営比較において最も重要な問題は︑国民経済的観点と個別
企業的観点とを接合することにある︒すなわち︑個別企業の活
動を国民経済の再生産構造との関連の下で把握することが必要
である︒個別企業の基底的活動はいう迄もなく生産的活動であ
るが︑個別企業の実践はそれを包括したその他の流通事象の重
畳として現象する︒したがって︑経営比較にあっては︑企業活
動の成果の中から︑まず生産活動能率を抽出・把握し︑それ以
収益性比較が経営比較領域においてそれぞれ重要な地位を獲得
する根拠がある︒
レーマン教授の経営理論は︑しばしば指摘したように︑絶え
ず国民経済との結節を意識しながら展朋されて来たものである
l l
カ近時︑教授の研究はこれらの思考の具体的な適用に向けら
れている︒すなわち︑近著﹁経営比較論﹂はその成果の媒大成 ② ともいえる︒そこで︑われわれは本稿において︑この著作の概要の紹介を行いながら︑この著の中核ともいえる生産性比較
.
. . .
収益性比較について︑とくに具体例を中心として述べてみた3
し ︑ ︒
山レーマン経営理論の特徴については︑拙著﹁レーマソ生産性測定
と創造価値計算﹂︵税務経理協会刊︶一五二頁以下参照︒
③レーマソ経営理論体系における﹁経営比較論﹂の地位について
は︑拙稿﹁経済性思考とその測定方法口﹂︵本誌第五巻第六・七合
併号︶参照︒
③前掲拙稿において︑この書の理論的部分について簡単にふれたの
で︑本稿では主として実証例を解析することとする︒けだしこの実証的研究を通じて︑われわれは︑理論的分析の肉付けを得るととも
に︑
多く
の示
唆を
うけ
ると
思う
から
であ
る︒
まず経営比較領域における生産性比較・収益性比較の地位を田明らかにするために︑本書の構成を簡単に素描してみよう︒
山 上 逹 人
五〇
︵山
上︶
﹁経営比較の概念の下で総括される計算の体③ 系的区分を色々の観点から述べること﹂を本書の目標として︑
若干の前提的考察︵工業経営比較概念・経営比較の目的・経営
構造比較
( 1 1
相互比較︶について大要次のように述べている︒
すなわち︑経営比較を定義して﹁経営比較とは︵経営経済的︶
事後計算領域に帰属するすべての数的性格の経営経済比較をい③ い︑その場合︑統計的比較としての系列項比較を考える﹂とし
とくに工業経営比較においては﹁生産経済としての工業の比較
は1計算が問題とされる﹂と述べる︒また︑経営比較の目的につい
ては︑経営遂行全般についての役立ちを最終目的とし︑さらに
中間目的として経営事象の発展経過の解明と︑経営構造につい5 ての判断基礎の確保をあげている︒
次に経営比較の手続面に関しては︑まず経営比較で用いられ
(
‑
︶
る比較値の形式的数字特性を詳分し︑とくに系列項比較として
︵ 二
︶ ィ ス ー
の経営比較を統計系列の特質から三つに区分し︑最後に実際
イ ス ト ゾ レ イ ス ト
︵ 三
︶
値間の比較と基準・実際値比較に言及している︒
(‑)比較値は︑その形式的数字特性からみると次のように区分され
⑱絶対数と相対数 る ︒
( 11
比率︶ヽ⑮基礎数字︑差異数︑良さの数字︑構
生産性比較と収益性比較 比較の手続面・経営比較の実質面︶︑発展比較
( 1 1
時間
比較
︶︑
レ ー マ ソ は
五
イ ス ト ゾ
"
成数字c実際数字と基準数字仙工業経営経済の領域内に関する
数字と︑領域間の限界に関する数字︑囮静態数︵時点に関する大き
さ︶と動態数︵時間に関する大きさ︶
︵二︶統計系列が次の三つに分類されることから︑それぞれに照応す
る経
営比
較が
ある
︒
⑱時間系列・場所系列・質的系列・贔的系列︵←時間比較・場所比 較・種類比較・大きさ比較︶⑮本来的な系列と非本来的な系列︵←
限定されない比較と限定される比較︶︑c動態的系列と静態的系列
︵←
動態
的比
較と
静態
的比
較︶
︵三︶イスト・イスト比較はゾル・イスト比較によって補完されるこ とが必要である︒ゾル・イスト比較はゾル・イスト差異とゾル・イ
スト商︵控除的と分割的ゾル・イスト比較︶にわかれるつまたゾル数
字は次のようにして確定される︒
⑥ゾル数字がはじめから与えられている場合︑⑮任意のイスト数字
がゾル数字として定められる場合︵発展比較領域︶︑cゾル数字が計
算された統計系列のイスト数字から導出される場合︑すなわち統計
的平均値•最良値•最悪値(構造比較領域)、ldl事後計算たるイスト
数字に対応する事前計算からゾル数字を確認する場合︒
経営比較の実質面については︑経営比較をその準備・実行お
よび利用段階にわけて︑それぞれについて説明し︑次いで経営
︵ 一 ︶
比較の対象を比較対象の範囲︵大きさ︶から区分し︑さらに経
済生活を支配する二つの思考すなわち︑需要充足思考と経済性
思考との関連の下に比較値として機能する数字の実質的特性に
1表 経 済 性 種 類 の 区 分
投入経済性=給付:費用 産出経済性=費用:給付
照応する価値等式
静態(C) 静態(a) 動態(b) 静態(c) 静態(a) 動態(b)
= = = 特殊名称価値=数紐x価格 特殊名称 =
静:静 動:動 動:静 静:静 動:動 静:動
1 2 技術効率 技術効率 3 4
(5) (6) X X 7 8
, 10 11 ‑x X 12 13 14
15 16 X X 11り U8)
19 市場効率 市場効率 20
‑i ‑
生産性比較と収益性比較
︵一︶経営比較対
象は︑その大き
さが経営経済よ
り大きいか小さ
いかにより︑次
のように区分さ
れる
︒
⑱経営経済と同
じ範囲のもの
⑮経営経済より
小さい範囲の経営比較対象︵④個々の具体的経営部門@経営経済
の抽象的職能領域
11
調達・製造加工・販売・管理領域◎個々の製
品グループ︑個々の生産方法︶c経営経済より大きい範囲の経営
(注) xtこ照応する名称なし
︵山
上︶
度について述べて
︶ ︵ 四
いる
︒
そ し て 特 殊 な 比 較 値 た る 経 済 性 数 値
の経営比較の重要 に関して︑その意
︵ 三︶
義と区分を概説し
最後に実質面から
︵ 二︶
論及している︒
比較対象︵二︶この観点から経営比較は次の三つに区分される︒
⑱経済性措定経営比較︑⑮充足性経営比較︑c中性的経営比較︵上
の
a . b
に関係するもの︶︵三︶経営比較においては︑経済性を措定する良さ数字としての比較 値での実行がとくに重要である︒この経済性︵良さ数字︶はまず計 算商であり︑とくに費消と給付ないしは費用と収益の割算から得ら
6
れる︒経済性は次の三つに区分される︵一表参照︶︒
醤入経済性([声ー)•…・・収益性・動力設備の効率.労働生産性、
2a表 簿記決算の成果計算面借 方 創造価値計節としての経営成果計算 貸方 前給付原価: 一
材 料 費 1,061,214 減価僚却費 83,065 外部用役費 200,342 危 険 費 12,313
合計 1,356,934 創造価値:
労働収益 340,890
公共収益 146,568
経営投下資本収益 87,402
合計 574,860
1,931,794
,
総 成 果 計 算 外部資本利子 19,853 経営投下資本収益
中性費用 1,113 (経営資本収益)
貸借対照表利益 中性収益
=自己資本収益 70,000 90,966
総収益:
売 上 1,884,419 その他の総収益 •47,375 合 計 1,931,794
1,931,794 五
借 方 貸方
87,402 3.564
90,966
る 充 れ 補 さ 値 備 約 価 設
︐ 制 新 の 料 品 段 に 上 手 営 備 窮 払 経 設 計 材 製 支
産出経済性([鶏︶・・⁝製造原価
態的経済性︵労働生産性︶︑c技術効率と市場効率︵狭義の統計領域︶
右の説明のためい簡単な簿記決算の成果計算面と在高計算面を表示7 して(二ab表〗、これにもとづいて、給付(収益)の大きさと費消
︵費用︶の大きさを取り出し︑それぞれの経済性数値を求めると次の
よう あで る︒
A
.函弐
fダL
︿石
走財
0
汁 喝 昧
a)
jj l
J ii !
r /i l
f i@ :
1 15 7
4 ,8 6
0 DM =
1, 9
3 1, 7 94 DM
‑l
,3
56
,9
34
DM
b)
粛聴楚T
.滴 品︵ 際疎 滴料
︶淀 脳
11
87
,4
02
DM
2 b表
簿記決算の貸借対照表面
生産性比較と収益性比較 借方 実体資本貸借対照表としての経営貸借対照表 貸方
600,000 231,250 160,000 220,000 35,000
設備修正 以前の減価償却 引 当 金 実体資本
利子計郷する 700,000
利子計罪しない 931,250 231,250
1,246,250 250,000 65,000
1,246,250
⑮静態的経済性︵個片原価︶と動
俯方 総 貸 借 対 照 表 貸方
︵山
上︶ 経営実体資本.総額 931,250
売 掛 金 820,000 広義の経営積極項目 1,751,250
中性伯権 20,000
支払手段 10,000
経営に制約されない
設備補充,対立項目 買 掛 金 広義の経営消極項目 中性負偵 期首自己皆本 貸借対照表利益
=自己資本収益
1,781,250 231,250 450,000 681,250 350,000 680,000 70,000
1,781,250
五
次いで発展比較については︑発展方向の早期の認識︑貨幣価 c)匹印滴卦淀踪
I I f
芦溢
士恭
漑溢
踪1
17
0,
00
0D
M
B.
q J t
苺ゲ
L2
せ零玉0
汁 咽 咲
a)
蔀浬逃睾忌
1 19 5
A .
b ). '
j §‑
塞淀 既
i 11
涼這
11
34
0,
89
0D
M
C )
際疎泄苓滴斗
11
93
1,
25
0M
D d)
l i E
晦郡
漑計
11
1,
07
0,
00
0D
M1
11
,7 5
1 , 2
50
DM
‑ 6
81
, 2
50
DM
e)
1 3
2,i£l:,$:(Jtll~:{Ei11ii
: t珀證滴料+
8‑
賑拇
︶
11
68
0,
00
0D
M
疼〜
尺
H )
醤 腐 寄
H
︵ 疇 瓢
︶
11
Aa
: Ba
11
6,
05
1.
16
DM
/A
( I )
醤 腐 南
I︵⇒
疇 嗜 ︶
11
Aa
:B
b1
11
68
.6
%
︵ 旨
︶ 埓 汁 舟 漁 席
︵ 直 認 心
︶
11
Aa
: B
c=
61
. 7
3%
了
Ab
:B
d1
18
.2
%
際疎滴汁活臣
︵ 喜 喜 卦
(N
)
際晦滴卦活臥痔
(V
) 匹 口 翌 喜 旦 晶 昇 嗜
︶ ら
Be
11
10
.3
%
( W
)
翌 喜 荒I
︵ 鱈
疇 辻 汁 ︶
11
Be
:B
a1
19
,8
02
.6
3D
M/
A
(三)翌喜塁(は〗汁)
11B?Bb11273.20%︵四︶実質面からみた経営比較の重要性順位は︑次のようである︒
⑮経済性措定良さ数字比較⑮充足性措定良さ数字比較c構成数
比較︒そして︑経済性措定良さ数字比較の中では︑創造価値比
較︵生産性比較︶が最も重要であり︑次いで収益性比較が重要であ
ると述べている︒
生産性比較と収益性比較︵山上︶
︵ 一
︶
︵ 二
︶ 値 変 動 の 除 去 資 本 集 約 度 影 響 の 排 除
︑ 計 算 期 間 の 長 さ の 考 慮 が重要な問題である︒なお︑発展比較の一っとしての技術効率
︵ 三 ︶
比較・市場効率比較に特別の力点が払われている︒
︵一︶次の労働生産性発展比較の例によって説明している︒すなわち︑
例えば各期間
( I
. I
l
.皿︶の労慟生産性( I l i )
がそれぞれ
6•OODM/hr,
6.
40
DM
/h
r,
7•OODM/hrであり、照応する価格
指数が︑それぞれ
10
0%
,
10
5%
,
11
0%
であったとする︒修正し
ない労働生産性の指数は︑それぞれ
10
0%
,
10
6.
6%
,
11
6.
6%︑修
正要因は
1 .0 0
,
0 .9 5
0 .,
9 0
したがって修正後の労働生産性は︑
6.
00
DM
/h
r1
11
00
%,
6
.0
BD
M/
hr
11
10
1.
3%
, 6
.3
0D
M/
hr
11
10
5.
0
浚と なる
︒
しかし︑貨幣価値の尺度値である生計費指数の計算が問題であるた
め︑貨幣価値修正を必要としない比較値で行う方がよいといってい
る︒そのために労働生産性︵ gこ謬貫︶を用いると労賃率と貨幣価
値変動率が比例する限り︑貨幣価値修正の必要はなく︑また同時に
従業員構成の差についても調整し得る便があると述べている︒
凜塞辻 ︵二︶経営比較の実施にあたっては︑生産方法の資本集約度一塁滴汁︶
が各産業によって異なるので︑この影響を除去せねばならない︒
凜睾舟滞寄II滴卦併蹄南"滴汁潰容涛という関係にあるので︑資
本生産性比較︑収益性比較の場合には資本集約度修正を必要としな
い︒すなわち︑この数値には既に資本投入の高さが作用しているか
らである︒レーマンは労働生産性︵純化︶比較が資本生産性比較と同
じ結果になるにも拘らず︑資本集約度修正を行わねばならない前者
8U表 技術効率度の平均
こご
I→
l卜 : ィ
1ィ : 卜 ! ふ
l卜 : ィ
lイスト7.0 効 率 度 I I 100.0 I 103.4 I 106.9 I 112.1 I 116.3 I 120.s 1.5 I n lI I 100.0 I 105.1 I 107.2 I 109.1 I 110.9 I 112.4 1.5 I 11 直 100.0I 101.2 I 102.9 I 104. 7 I 106.0 I 107.4
::E=lOI平 均 I100.0 1103.3 1106.31 110.61114.0 1117.3
で行う場合もあることについて次のようにいっている︒すなわち︑
︱つは心理的・政策的性質からであり︑二つには計算技術的に実
体資本の確認が困難であるからである︒
︵三︶技術効率
(5
翡"丘5
竺と市場効率
(5
租5畔丘疇豆︶での
発展比較の湯合には次の三つの作業領域がある︒
固技術構成分についての作業
⑮市場構成分についての作業
c両構成分の結合作業⁝⑱そ
れぞれの期間のそれぞれの技
術効率から︑第一計算期間の
技術効率を統計的基準値とし
て︑他の計算期間の照応する
効率 の比 率︵ 効率 度︶ を出 す︒
すなわち︑異なった名称をも
つ個々の技術効率から同じ名
称の技術効率度に換算するの
である︒また︑個々の技術が
異なった重要性をもっために
それぞれにウェイトをつけ︑
ウェイトづけされた効率度を⑧
平均 する
︵三
a表
参照
︶︒
⑮市湯構成分についても︑仕
入および売上の個々の価格
︵原価財・収益財価格︶がそれ 重要度 6 五四
生産性比較と収益性比較
︵山
上︶
ぞれ異なった意味をもつのでウェイトづけしてその平均をとる︵三︐
b
dしめる︵三 ー1 表参照︶︒そして︑原価財価格指数と収益財価格指数を関係せc
表参
照︶
︒
c最後に技術構成分
(M
滞奇逢拇滞︶ャ丑曲等函5
一をグラフ上に描いてそれらの展開を相関的に観図淀翫蕊官苓蒜落百涸茸淀官苓寄緊
3 b
表 原価財価格指数の平均塁一\ご了
7―
2 1 3 1 4丁 ―
5‑‑│
6 ‑‑度 数字種類:
ど 亨 り
1イスト 1イスト 1イスト 1イスト1
イスト│
A の指数 100.0 100.0 102.0 │ 102.0 104.o B II I 100.0 I 100.0 I 100.0 I 105.0 I 105.0 c /I100.0 I 100.0 I 96.0 I 96.0 I 96.0 D II I 100.0 I 92.0 I 92.0 I 98.0 I 98.0 正 10I 価格指数の平均 i~o I
98.41~ J
102.31 102.34 3 1 2
104.0 105.0 96.0 98.0
3 C表 収益財価格指数の平均
鷹
度 \ 数 字 種 類 ご : 1 ! 2 1 3 1 4 1 5 6
鰐 り
1イスト 1イスト 1イスト 1イスト 1イスト 5 M の指数 100.0 100.0 97 0I
I ↓97.0 97.0, ! 97.0 3 N
100.0 100.0 95.0 95.0 95.0 95.0
2 ゜
100.0 99.0 99.0 99.0 99.0 99.0
~=10
I
価格指数の平均I
100.0I
99.8I
96.81 96.sI
96.8!
96.8五五 察して発展比較する︒まず生産性比較と収益性比較および製造原価計算的経済性比較と使用原
︵ 一
︶
価計算的経済性比較の説明を行い︑
次いで生産性比較および収益性比較
の個々の問題点・具体的措定例•利
用問題に説き及んでいる︒
(‑︶製造原価計算的経済性比較は製
造原価計算の結果を用いるものであ
る︒次の数式にもとづく︒
淀 誓 冒 言 巳 言
謬
1 1謬
使用原価計算的経済性比較は︑使用
収益計算の結果にもとづくもの︑す
なわち次の数式を基礎とする︒
昌 言 塁 喜 嘉 踪
雲
1 1謬
原価財に比べて収益財︵製品︶の方が個別化の度合が大きい故収益計
算にもとづく比較の方がよい結果をもたらすという︒最も簡単な使
翌 塁
︶
︵ 翌
璽
用原価計算的経済性比較の例は︑いわゆる資本使用収益
の比較である︒ここでは︑﹁原材料エに関する使用収益比較﹂・﹁資
l l
u
本利用に関する使用収益比較﹂と題された二つの表︵四ab 表 ︶
3d表 収益財ーおよび原価財価格指数(平均)の対置
¥ \数字種類:
□
I甚
=ゾ)レ; ! 値 │
1イスト2│ 3 │ 1イスト 1イスト4│ 口
1イスト 1イストI
100.0I
99.81 96.81 96.sl
96.sI
96.8100.0 I 98.4 I 98.8 I 101.5 I 102.3 I 102.3 100.0 I 101.4 I 98.0 I 95.4 I 94.6 価格指数,収益財
価格指数,原価財
価格指数,関係値 94.6
最後に︑構造比較の領域について
4a表
原材料
Xの使用収益比較数字種類: ~
‑‑‑:
製品 A•B の総売上 ー)販売管理舒
製品純売上 ー)主要原村料ェの加工費:
計算利子 その他
B 21,550DMI 21,950DM
3,430 I 7.512.50 18,120 I 14,437.50
A
3.000 2,400 9,600 I 5,475
合計 12,600 I 1,875
主要原村料の使用収益もしくは加工収益 5,520 I 6,562.50 主要原材料消野数fit I 4,800kg I 6,250kg 原材料単位批当り使用収益 115DM/100kg I 105DM/100kg
以上︑本古の内容の概略を説明したが︑本稽ではその中で最
生産性比較と収益性比較
を示しておこう︒これら両表からわかる点はa
表に
よる
と
Aの
方が
有利であるにも拘らず︑流動性を考應に入れるとb
表の
通り
B製品 の方が逆に有利になっている︵ただし主要原材料の入帳価格が一〇
0kg
当り
八四
マル
クと
仮定
され
てい
る︶
︒ ︵
山上
︶
4 b表 資本利用に関する使用収益比較
~ 1 · 数字種類: A .
I
B製品 A•B の総売上 21,550DM I 21,950DM
ー)販売管理費 3,430 7,512.50
製品純売上 1s,120 I 14,437.so ー)計第利子以外の製造費:
主要原材料牲 その他
合 資本利用の使用収益 資本利用醤
hmj当り資本利用使用収益(概卵)
収益性結果(概窟)
且r
4,032 I s,2so 9,600 I 5,475 13,632 I 10,12s
4,498 I 3, 112.so 500hmj I 400hmi 9DM/hmj ¥ 9.30/hmj
9彩 9.3彩
も中心的な生産性比較と収益性比較︵いずれも構造比較の場合 に適用されるもの︶について重点的に紹介しよう︒そして︑以 下︑主として本書に掲げられた具体例を中心として︑日生産性 比較と収益性比較の概略︑口それらについての個々の問題︑国 具体的措定例︑四利用問題の順で考察することとする︒
まず︑生産性比較と収益性比較の概略
についてみてみよう︒すなわち︑レーマ
ンによれば経営構造比較︵相互比較︶領 域には︑創造価値比較︵生産性比較︶と 収益性比較がある︒前者に属するものと
しては︑田創造価値係数
X1
00
)
郡活踪
︵ 要 喜 畠
②資本生産性︵疇認疇
X1
00
)
2X
翌挙
室︷
芦
一 速
津 +
翌 斎
丹
8
ヰ
翌 棗
③総生産性
X1
00
) があり︑後者に属するものとし て 山 経 営 資 本 収 益 性 盲 [ 疇 [ 疇 脳
x
10
0)
§自己資本収益性
X1
00
) の 二 つ が あ
四印滴料活踪
︵ 月
翌
五六︵山
上︶
異なった生産段階の経営体の比較には総生産性数値のみが用い
次に︑どのような前提の場合に︑上述のそれぞれの生産性数 値が適用されるかについて次のように述べている︒すなわち︑
創造価値係数は製造深度が同一である経営体の比較の場合にの 性が用いられる︒そして︑異なった産業部門の経営体︑または
生産性比較と収益性比較
産性が適当であり︑発展比較の実施にあたっては純化労働生産 み有用であり︑そうでない場合には︑構造比較に対して資本生 決算と商法上の財務決算にわかれる︶の対象である︒
また︑これらの個々の数値がどのような比較対象に関係する かについて︑レーマンは︑創造価値係数・資本生産性および総 生産性は狭義の経営に関係するものであり︑経営資本収益性は 広義の経営に︑自己資本収益性は全体の経営経済に関係する比
3 1
n u 較値であると述べる︒これを簿記決算の形体からみると︑狭義 の経営は狭義の経営決算の対象であり︑広義の経営は広義の経
営決算︑全体の経営経済は財務決算もしくは総決算︵内部財務 る ︒ によるとされ︑ここでは資本生産性をもって代表せしめてい る︒なお︑資本生産性は純化された労働生産性と等しいもので
u e
あるが︑それらのうち︑いずれをとるかはその時々の比較目的
五七
て効果があるといっている︒
山概観を得るために本書の構成内容を目次にしたがって示しておく︒
一章工業経営比較概念︵九頁
l ‑
︱ ︱ 一 頁 ︶ 一節経営比較の一般的特徴二節工業経営比較の特性
二章経営比較の目的(‑四頁
1
一五
頁︶
一節経営比較の最終目的と中間目的
二節発展比較と構造比較
三章経営比較の手続面︵一六ーニ六頁︶
一節比較値として機能する数字の形式的特性
二節系列項比較としての経営比較
三節イスト・イスト比較とゾル・イスト比較
四章経営比較の実質面︵二七頁
1
五四
頁︶
一節経営比較の進備・実行および利用二節経営比較の対 象三節比較値として機能する数字の実質的特性
四節特殊な比較値としての経済性措定的良さ数字︵経済性︶
五節経営比較の実質的順序
五章発展比較の有用な設定のための主要観点︵五五頁1
八五
頁︶
一節発展比較.描造比較の取扱いについての前がき二節 発展の変動方向の早期認識のための配應三節貨幣価値変動 の 影 響 の 排 除 四 節 資 本 集 約 度 変 動 の 顧 慮 五 節 特 に
短期発展比較の場合の計箕期間の種々なる長さについての配慮
六節特殊な技術効率比較・市場効率比較の特性をもつ発展比較
( a
︑原理b︑技術構成分
C︑市場樅成分d︑技術ー及び 市場構成分の結合︶七節発展比較の利用に関する原理
七章構造比較の有用な設定のための主要観点︵八六頁
1
一六
七頁
︶
一 節 構 造 比 較 と 発 展 比 較 問 題 の 部 分 的 照 応 関 係 二 節 構 造
比較対象の限定性三節構造比較のための比較値の選択
四 節 創 造 価 値 ー 及 び 収 益 性 比 較 と し て の 構 造 比 較 五 節 製 造原価計算的ー及び使用原価計算的経済性比較としての構造比較 六節創造価値ー及び収益性比較の特性をもつ構造比較の個別問
題
( a
︑評価の種類b︑比較対象たる経営の種類C︑比較経営の老旧度の顕慮
d
︑比較経営の縛記決算における賃借設備と
支払賃借料
e
︑総生産性構造比較の設定の場合の利子率の問題︶七節創造価値ー及び収益性比較の特性をもつ構造比較
の設定に対する措定例八節構造比較の利用に関する原理
九節内部経営の充足性構造比較の設定に︑関する原理
1 2 1 M
. R .
Le
hm
an
n:
"
In
du
st
ri
el
le
Be
rt
ie
bs
ve
rg
le
ic
he
"
(B
et
ri
eb
sw
ir
ts
ch
af
tl
ic
he
r
Ve
rl
ag
r D
. T
h.
Ga
bl
er
. W
ie
s,
ba
de
n)
1 9
5 8,
Vo
rw
or
t
③
De
rs
:
" a
. a. O
. "
S.11141Ders:
" a
. a. O
. "
S .
1 2
固
De
rs
:
" a
. a. 0
. "
S .
1 4
§
De
rs
:
" a
. 0 . a
. "
S .
3 8
⑦
De
rs
:
" a
. a. O
. '
`
S .4 4
~
De
rs
"
^
' a. a. 0
. "
S .
7 5
⑨
De
rs
"
^' a
. O . a
.
` `
S .7 9
E l
De
rs
:
" a
. a. O
. '
`
S .8 0
8
De
rs
:
" a
. a. O
`
.S .1 0
3 ,
1 04
⑫労働生産性の純化はまず原初労慟生産性の発展の指数をとり︑こ れをそれぞれ照応する期問の資本集約度の指数で割ることによって 行う︒︵詳細については︑拙稼﹁レーマン﹃生産性会計﹄について の一考察﹂︵木村和三郎編﹁生産性会計﹂税務経理協会刊所収︶︱
1 0
八頁 以下 参照
︶︒
⑬レーマンの経営概念については︑拙稿﹁レーマソ﹃原価理論﹄に
生産性比較と収益性比較
︵山
上︶
いる
︒
数︵比率︶を考えること︑時価での評価が必要であること
( I I
② ー原価計算価値︶を強調しP︑そのために五
a.b
表︵﹁全体簿記決算の成果計算面﹂と﹁全体簿記決算の在高計算面﹂︶を掲示し
ている︒これらの表はいずれも四区分からなっており︑表にも
とづいて資本生産性・経営資本収益性・実際の自己資本収益性
および想像上の自己資本収益性をそれぞれ次のように灘出して
滴 雷 言
=1 00 x5
謬 蒻
11
97
1 %
19
.8
%
16
,8
70
17
1,
31
5
際誨滴丹活踪洋
11
10
0x
︶ ︵ ︳
18
,3
90
渇顎
0匹口濠汁活踪寄
11100x119.1%20
1,
59
5
( 二 ︶
21
,7
90
15
9,
86
5 (
三 ︶
迄菊
L 0
匹印濠卦淀踪寄
11
10
0x
︵一︶井哭舟誼際晦滴汁
1 11 7
9 ,7 5
0 .1 :
.
(1
79
,7
50
│1
6,
87
0)
11
61
2,
88
0
DMo緊柿舟描 まず第一に評価問題について︑レーマンは比較値として相対
ろう
︒ さて︑それでは生産性比較と収益性比較の個々の問題点に移 照︒ついての一考察T﹂︵本誌第四巻第五号︶六四頁参 五八
333
5a表 借方
全体簿記決算の成果計算面
創造価値計算としての狭義の経営成果計算 貸li
生産性比較と収益性比較
前給付原価:
動力費をふくむ材料費 原価計雰的減価償却費 その他の前給付原価 創造価値:
賃金給料 法的・任意的社会費 税
狭義の経営資本収益
60,040 14,400 15,900
│
154,600 17,100 18,500 19,460
90,340 総収益:
売 上 製品在高の増加
︵山
上︶
209,660
300,000 300,000 借方
顧客割引控除 広義の経営資本収益
広義の経営成果計算 3,270 16,870 20,140 借方
担保利子 臨時費用 実際の自己資本収益
狭義の経営資本収益 供給者割引控除
内部財務ーあるいは総成果計算 1,250
20 18,390 19,660 借方
簿記的減価償却費 公表自己資本収益
=年次貸借対照表利益
広義の線営資本 投資収益及び有価証券利子 臨時収益
商法上の財務ーあるいは総成果計算 11,000
21,790 32,790
貸 方
I
19,460 680 20,140
実際の自己資本収益 原価計算的減価償却費
貸方 16,870
1,850 940 19,660 貸方
32,790 18,390 14,400
6
辿
̀
五九
29 3, 47 0 1 1 l O O X
"
器
" 330%,9 80 5 a
b湖丙.斤が滴卦冷臨溶
11 10 0 11 97 96
28,660
21 5, 80 0
x
20 4, 49 0 1 1 l O O X
"
" 9 5
% 21 5, 80 0
次に︑比較対象経営の老旧度を考慮し
なければならない︒すなわち︑同一の製 6
渇
︑
5a浙丙斤が塗賑室言念緊
11 10 0
11332%
29 3̀ 47 0
. 9
0, 34 0
x
数と資本生産性の差異を求めると次のようであ
る︒
︵二︶柑斉卦曲湮呻皿印滴計︵潰顎
a )
1
(1 92 ,4 00 )+ ー 皿 団 濠 汁 活 庚 9, 19 5)
2 ︵三︶井芍ま竺追.嗚皿口滴汁(≫湖
a )
1
(1 48
̀9 70
)+ー皿団淑
t1
淀踪
(1 0̀ 89 5)
2
そして︑狭義の経営成果計算を創造価
値計算と考えることによって︑前表から③ 原価計算割引額を除去した六表を示して
いる︒今︑これら両表からの創造価値係
5 b表
借 方
設備新価値=原価計算価値 設備補充
在庫品=原価計算価値 流動資金,経営に必要な
全体簿記決算の在高計算面
実体資本計算としての狭義の経営貸借対照表 貸方 183,500 以前の減価償却,原価計冥上 72,000
64,800 修繕・保証義務引当金 6,000 41,000 実体資本:利子計算する 151,000
4,500 利子計算しない 64,soo I 21s,soo 293,800 I I I 293,800 借 方
狭義の経営実体資本 売掛金
広義の経営貸借対照表 215,800
36,250 252,050
設備補充,対立項目 買掛金
広義の経営資本
貸 方 64,800
7,500 179,750 252,050
生産性比較と収益性比較
︵山
上︶
借方 貸 方
広義経営資本 投資および有価証券 流動資金.経営に必要でない
内部財務ーあるいは総貸借対照表 179,750 担保付負債
30,200 実際の期首資本 25,840 実際の自己資本収益 235,750
借 方 商法上の財務ーあるいは総貸借対照表
192,400
18,390│ 210,790 235,790 25,000
実際の自己資本 設備=簿記的価値 在庫品=薄記的価値
73,530 38,940
210,790 112,470
貸 方 設備.原価計算価値(残) 111,500 在庫品=原価計算価値 41,000 期首資本 120,000 引 当 金 25,000
繰越利益 3,970 I 148,970 公表自己資本収益
=年次貸借対照表利益
I
21,790・ 1
323,260
152,000
323,260 ' !
!
造 方
法 ・
販 売
条 件
の 同
一 部
門 ・
規 模
の 一
︱ ︱
つの経営の資本生産性の比較について︑
創造価値額・設備新価値・在庫品・流動
資金・修繕及び保証義務引当金等が同額
であり︑老旧度が異なる︵したがって減
価償却引当金が異なってくる︶例をあげ
山て次のように述ぺている︒︵七
a表 参
照 ︶
︒
すなわち︑各経営の場合︑実体資本が異
なってくるので︑資本生産性も異なって
くる︒したがって︑経営老旧度を考えな
いと︑旧い経営が新しい経営より経済的
に稼動したようにみえるので誤りとなる︒
この矛盾の解決策として︑レーマンは次
のように行っている︒すなわち︑
⑱実体資本貸借対照表の借方に︑老旧度
の調整のため︑減価償却引当金と同額の
補充額︵設備補充項目︶を計上し︑原初
設備価値と一致せしめる︒
⑮技術発展がみられる場合には︑設備補
充項目の算定にあたって︑この﹁発展分﹂
六〇
335
6表
借方
生産性比較と収益性比較
前給付原価:
材 料 費 ー)計算外仕入割引
(原)減価伯却費 その他前給付原価 創造価値:
賃金給料 法的・任意的社会費 税
狭義の経営資本収益
経営簿記決算の成果一および在高計算
創造価値計算としての狭義の経営成果計算(修正) 貸方
290,000 6,5301 283,470
10,0001 293,470 60,040
1,360│ 58,680 14.400 15,900
総収益:
売上
ー)計算外売上割引 製品在高の増加 88,980
︵山
上︶
154,600 17,100 18,500!
三 1
竺竺
293,470' 293,470 借方
計算外仕入割引 願客割引控除 広義の経営資本収益
広義の経営成果計算 1,360 3,270 16,870 21,500 借方
設備新価値=原価計算価値 設備補充
在庫品=原価計算価値 流動資金,経営に必要な
狭義の経営資本収益 計算外売上割引 供給者割引控除
実体資本計算としての狭義の経営貸借対照表 183,500
64,800 41,000 4,500 293,800
貸方 14,290
6,530 680 21,500 貸方 以前の減価償却費(原)
修繕・保証義務引当金
実体資本:利子計算する 151,000
利子計惇しない 64,800 215,800 293,800 72,000 6,000
借方 狭義の経営実体資本 売 掛 金
広義の経営貸借対照表 215,800
36,250
252,050
設備補充一対立項目 買 掛 金 広義の経営杏本
貸方 64,800
7,500 179,750 252,050
ー 』
ノ
c逆に貨幣価値下落時には︑
﹁ 貨 幣 価 値 下 落 分 ﹂ だ け 引 当 金 に
︵一︶際疎A "
廻華華浅滋
l l D
11111,000(~奎窟遮5-賑込)
1 ー(6x2—没)1194,350DM2
fぃ
沈
L
渫
翌
9油
墨
i井舟誼
2—冷ドL.,廻宰悉極茜華1母6 1
2 井r斗が
0 .
濁吝滴汁
11
11
3,
50
0+
94
,3
50
11207,850DM
際疎B"廻塞華浅溢
l l D
1
11
74
,0
00
ー
( 4 X 2 1没 ︶
2
1166•600DM
渇吝滴卦11150•500+66•600
11217•lOODM
際疎C"廻審苺浅虫皿
1
11
37
,0
00
ー
( 2 X 2 1冷
︶
2
1135•150DM
漏吝滴汁=187•500
+35•150DM11222,650DM
を引当金より控除した額だけ設
︵ 一︶