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卒業論文要旨 電場下におけるネマティック液晶の粘度測定

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Academic year: 2021

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卒業論文要旨

電場下におけるネマティック液晶の粘度測定

流体力学研究室 佐藤博則

1. 緒言

液晶の液晶ディスプレイ以外の新規応用の一つとして,ア クチュエータやセンサといった力学的応用がある.液晶を力 学的に応用するためには粘度が重要な物性値となる.液晶を 力学的,特に流体力学的観点から扱うには必要不可欠なため である.液晶分子は回転楕円状で,流れに対する分子の配向 によって異なる粘度を示すため,液晶の粘度測定は困難であ る.例えば,速度勾配と分子の配向方向が平行の場合は最も 高い粘度を示す.流れ方向と分子の配向方向の関係は複雑で あるため通常の粘度測定装置のみでは測定することができな い.液晶の粘度測定を行うには分子配向を固定するための外 力が必要となる.液晶は電場下では分子が電場方向に向く性 質があり,液晶を電場下で粘度測定を行えば流れに対しても 配向を固定した状態で粘度測定を行える可能性がある.

そこで,本研究では一様電場下で分子の配向方向を固定し た状態で液晶の粘度測定を行う.測定された値から流れの速 度勾配と分子の配向が平行の場合の粘度を調べ,分子の配向 を固定した状態での粘度測定法を確立させる.

2. 実験装置および方法

液晶を測定するために粘度計の一種であるレオメーター (HAAKE MARSⅢ: Thermo Fisher Scientific社)を用いる.電場 下で測定できるようにレオメーターに改良を加える.図1に 本実験装置の概略図を示す.この装置では透明電極膜および 壁面での配向状態を垂直に保つ垂直配向膜を施した 直径

D=60mm のガラスプレートを用いる.プレートには直流電

圧を印加する.測定原理は2枚のプレートに液晶を挟み,上 部プレートのみを回転させることでプレート間にせん断流動 を生じさせ,付与したせん断速度と測定されるせん断応力か ら粘度を算出する.平板間距離は h=100 μm,測定温度 T=25 ℃,液晶材料には4-Cyano-4’-pentylbiphenyl (5CB)を用 いる.せん断速度γ

として5~300 s-1を与える.各せん断速度 においては測定開始から30 s間付与し,最後の10 s間の平均 値を積算する.

図1.実験装置の概略図

3. 実験結果および考察

図2に0~50 Vの6つの印加電圧におけるせん断速度と粘度

の関係を示す.測定回数10回の平均値および標準誤差を示し ている.

図2. 電場下におけるせん断速度と粘度の関係

図より印加電圧に関わらず,せん断速度が増加すると粘度が 減少する.これは,せん断速度が増加すると分子に働く粘性 トルクが大きくなり,液晶分子が速度勾配に対して水平を保 つことができなくなるためであると考えられる.また,各せ ん断速度において印加電圧が高くなると粘度は高い値を示す.

次に,低せん断速度かつ十分に高い印加電圧において分子 の配向が固定されている可能性が高い.そこで,図3にせん 断速度が最も低い5 s-1においての電圧と粘度の関係に示す.

図3. せん断速度5 s-1における電圧と粘度の関係

図より0~30 V間では粘度は増加しているが,30~50 V間では

粘度の変化がほとんどなく一定値を示している.これより,こ の3点の粘度115.35±0.2 mPa·sは液晶分子が速度勾配に平行 の時の粘度と推察でき,5CBはせん断速度5 s-1以下かつ印加

電圧30 V 以上で分子の配向を固定した状態での粘度測定が

できると結論付けられる.

文献

(1) 液晶便覧編集委員会,液晶便覧,丸善,(2000) シャフト

測定温度 T

25 ℃ 液晶

ガラスプレート

ガラスプレート直径D 60 mm

電 場 平板間距離h 100 μm

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参照

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