• 検索結果がありません。

地域開発銀行について 一アジア開発銀行の設立一

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "地域開発銀行について 一アジア開発銀行の設立一"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

地域開発銀行について

一アジア開発銀行の設立一

一 は し が き

二 国際金融機関と:地域開発銀行 三アジア開発銀行について

 発展途上国の経済開発に対する先進工業国の経済協力の問題は,今日理論的にも実際的 にも極めて重要な課題である.発展途上国の経済開発計画が先進工業国の経済援助なくし ては,到底自力で推進されがたいことはいうまでもない。新興独立国が政治的独立のみな らず,経済的独立を確立するために,先進国のいかなる経済協力が必要かつ効果的である かは複雑な問題をはらんでいる。アメリカやソ連の発展途上国に対する経済援助が,いわ ば自己陣営の維持ないし拡大というがごとき政治的色彩の強いことも事実であろう。経済 協力が被援助国の立場からする経済的観点のみから行なわれるものでないことから,先進 国側と被援助国側との間に援助をめぐる理念にギャップが見られるであろう。

 1964年のIM:F・世界銀行総会でも国際流動性問題とならんで低開発国開発援助問題が 会議の重要議題であった。ともあれ発展途上国に対する先進工業国の経済協力は現在ひと つの転機にさしか\っているといってよいであろう。

 それは経済協力の方式において,二国間援助のや\停滞傾向が指摘せられるかたわら,

多角的な経済援助ないし地域的経済協力が新しい動向を示すものとして重要視されてきた ことであろう。(註1表,2蓑)世界銀行総会において,援助に対し世銀グループの機能拡 大やアフリカ開発銀行につづくアジア開発銀行の設立構想などそれを示すものである。

 発展途上国の経済開発促進に対する経済協力のありかたについて,最近援助よりも貿易 をという声の強いものがある。発展途上国の国際収支が,景気変動の国際的波及や,経済 開発計画の推進に伴なって履々見舞われる外貨危機によって,大きな困難に直面している。

発展途上国の交易条件の改善を目ざす以上の要請も,従来発展途上国の開発問題における 貿易問題が比較的軽視されたことから生まれた声で,開発に対する経済援助の重要性が否 定されるものではない。発展途上国に対する資金援助の増大が対外債務を増大させ,国際 収支の悪化による対外支払能力を著しく低下させたことから,援助より貿易をという考え 方を有力ならしめたのであるが,そこに経済協力の形として貿易と資金援助との有機的結

(2)

2

合をはかる方法の必要さが望まれるのであって,発展途上国の経済開発計画の推進に際し,

資金援助の重要性はいうまでもない。

 従来わが国の東南アジア諸国に対する経済協力が, とかく他の先進国や被援助国側から の要請にもとずいて,受動的立場において行なわれた傾向にあったが,アジア開発銀行の 設立が具体的に進められてきた過程において,いまや自主的な理念のもとに行なわるべき 時機を迎えたというべきであろう。

(註) 1 表 OECD諸国から発展途上国および国際機関への援助供与額

119561195711958119591196・ 196中962

政府 資 金   3,270

@二国間援助

@国 際機 関

3,046

@224

3,044

@416

3,863自,382    4,016     296

4,001

@377

4,35114,941    4,227     424

6,116 T,274

@736

6,017 T,375

@506 民 閻 資金

@二国間援助

@国 際機 関

2,978 Q,952

@26

3,665 R,465

@200

2,893 Q,451

@442

2,756 Q,556

@200

 3,031

@2,827

奄Q04

2,802

@111

2,913i2,473

@  12,226

@    247

二国間援助(計)

総ロ機関(計)

5,998

@250

6,909

@619

6,467い・55了1

@808   550

7,104

@868

8,076

@953

7,601

@889 単位100万ドル

東京銀行月報(1964年11月)PP.6−7.(OECD The flow of financial resources to developing countries,1956〜62.Jan,1964)

2 表

ア  メ  リ カ フ ラ  ン ス イ ギ リ ス 西 ド イ ツ 日    本 イ タ リ ア オ ラ ン ダ ベ ル ギ ー

カ  ナ  ダ

ポルトガル

デンマー ク ノ ルウェF

ス  イ  ス

スェーデン オーストリ炉

3,542  995.4  420.8  449.8  168。0  109.9  86.1  97.3  54.3  40.8  8.3  6.9  4.9  18.6  18.3

3,323  879.2  380.2  347.4  160。9  77.8  42.0  68.6  41.8  40.8  1.6  1.2  2.2  3.1  5.3

国 へ

際の機寄関 与

219.1 116.2 40.6 102.4  7」

32」

44.1 28.7 12.5

 6,7  5.7  2.7 15.5  8.5

976 329。2 253.6 182.2 118.0 286.4 55.1

5.0 4,0

18.2 15,9

計16,01715,375 64212,473

816

426.4 182.6 117.3 268.5.

43.8

5.0 4.0

18.2 10.9

国へ際の 機寄関 与

160 11.0  7.2

−0.4  0.7 17.9 11.3  1.9  8.6

27.6、

5.0

2,226 247

4,518 1,324.6  674.4  332.0  286.0  396.6  141.2

13.3 11.0.

152.5 36。8 29.7 8,490

QECD諸国から発展途上国および国際機関への国別援助供与額単位100万ドル(資料は前表と同じ)

(3)

 1.発展途上国に対する経済援助に,二国間の双務的援助と国際機構を通ずる多角的援 助とがある。前者は技術援助を含め,贈与,借款供与,民間ベースによる投資など特定国 間で行なわれる。経済援助をめぐる国際関係の推移からみて,双務的援助が最大の比重を 占めていることは前掲表から明らかである。この形式による援助を大規模かつ多数の国に す\めてきたのはいうまでもなくアメリカであり,それは海外市場の開拓という直接的な 経済的目的にくわえて,自由主義世界の安全保障という政治的,軍事的目的からするもの である。フランス,イギリスにおける双務的援助も相当の規模で行なわれてきたが,それ らは主として従来の植民地地域に限られるものであった。日本の援助は,賠償:を除外して 技術援助が主であった。

 うえの双務的援助に対し,近年多角的援助が重要視されてきたことはすでに指摘したご とくである。多角的援助の機構は,技術援助については国連の諸機関によって行なわれて きた。すなわち,国連の拡大技術援助計画,(Expanded Program for the Technical Assistance, EPTA),特別基金(United Nations Special Fund)などである。国際金 融機構を通ずるものとしては,世界銀行(IBRD),第二世界銀行(lnternational Dev−

elopment Association, IDA),国際金融公社(lnternational:Finance Corporation,

IFC)などがある。

 この間にあって,経済協力の体制に新しい局面を開いたのは,経済協力開発機構(Org・

anization for Economic Cooperation and Development, OECD)および開発援助グ

ルーフ。 iDevelopment Assistance group, DAG)である。前者はOEECを継承したも のであり,後者はアメリカの提唱になるもので,二国間援助に関する協議調整機構として,

資本輸出国の双務的資金援助の増額およびその実効性を強化するための方法を検討する目 的で設けられたものであって,多角的援助の国際機関ではないが重要な役割を果たすもの である。・発展途上国の開発援助においては協調的な国際協力が望まれるのであるが,この 意味でも世界銀行主催のもとで開催された対インド。パキスタン債権国会議は先進援助国 の調整と協調に実質的役割を果しており,今後の援助方式のうえで重要な意味をもつもの である。

 さらに注目せらるべきことに,援助のための地域的協力の金融機関として,米州開発銀 行(lnter−American DeveloPlnent Bank),アフリカ開発銀行(African Developm−

ent Bank)の存在は重要である。前者の業務開始は1960年10月で,中南米地域の経済開発 の目的で融資を行なうものであり,後者は1964年11月業務を開始したが,業務の歴史が浅

く将来にまたねばならないが,これら地域開発銀行としてその活動は高く評価される。こ うした時にあたりアジア開発銀行(Asian Development Bank)の設立準備がす\められ てきたことはアジア人の手による地域開発銀行として重要な意味をもち,我国のアジア地

(4)

4

域に対する経済協力の具体化がす〜められることにもなり,その銀行活動に対するアジア 諸国の期待と関心は極めて強いものがある。(日銀調査日報,「アジア開発銀行設立の意義と問 題点」,昭和40年8月)

 さて二国間援助についてみれば,特定国間の歴史的,政治的,経済的関係を反映するも ので,ブラック世界銀行総裁の言のごとく,政治的考慮が優先されるきらいがあり,従っ てひも付援助となって必要部門に必要資金が注入されないきらいがある。この点多角的援 助は特定国間の関係を遮断し,政治的考慮を離れて援助機関の方針に従った経済的援助が 行なわれ易いところにその特色があり,それは被援助国にとっても好ましいものであろう。

国際機関を通ずる援助の増大が新しい動向であるが,地域開発銀行の役割に新しい重要性 があるといえよう。

 2.発展途上国に対する資金援助の開発金融機関についてその概要をみることにしよう。

 世界銀行(IBRD)

 世界銀行は国際通貨基金(IMF)とともに設立されたブレトン・ウッヅ機構の一環をな す国際機関である。その目的は,国際投資の促進を通じ加盟国の復興開発を援助するため 長期資金の貸付を行なうことにある。その授権資本額は240億ドル,加盟国は103ケ国であ

る。

 世界銀行は国際機構を通ずる資金供与のうち最大の援助機関であり,援助総額の約60%

を世界銀行が占めている。融資は当初先進工業国に対するものがその主たるものであった が,1955年頃から開発途上にある国に対する貸付が行なわれるようになり,近年は開発途 上国向け融資が圧倒的に大きくなっている。

 その融資対象は・電源開発・道路,港湾など公共部門を中心とするプロジェクトが全体 の約70%を占め,ついで一般産業部門および灌概など農業部門となっている。融資条件は 通常15〜25年の返済期間・金利は5〜6%,硬貨返済となっている。世界銀行の融資方針 は民間投資銀行の慣行にもとづいて,企業の経済的価値,実施計画の安全確実性,元利返 済能力がとわれている。また政府以外の政府関係機関または民間企業に対する場合は政府 の保証を要求している。融資条件はきびしくハード・ローンである。

 1962年10月,その貸付利率が0.2%引き下げられ5.5%となったが,64年7月にはその約 定手数料も従来の%%から鮪%に引き下げをみた。さらに1965年度以降は先進国向けの融 資条件がきびしくなり,その貸付利率は5.5%より1%をこえない範囲で引き上げられる

ことになり,いわば発展途上国向けの融資が優遇せられることになった。返済期間および 据置期間についてもより長期の弾力的方針がとられることになった。世界銀行の資金調達

は加盟国の出資,特別準備金および世銀債の発行による借入金などによる。世銀債の発行 は1964年度および65年度でそれぞれ104.5百万ドルおよび232.2百万ドルであった。保有債 権の売却による資金調達も行なわれ,その準備金も漸次増加を示し,1965年6月現在で89 5百万ドルにおよんでいる。(通産省,経済協力の現状と問題点,1964,PP.287〜90,)

(5)

 第二世界銀行(IDA)

 国際開発協会の通称である第二世界銀行(以下第二世銀と呼ぶ)は発展途上国の経済開 発に対する世界銀行の補完的機関である。すなわち,発展途上国からの融資条件緩和の強 い要請に応じ,新たに設立された国際金融機関である。元来,第二世銀の構想は1958年2 月,アメリカ上院における通貨委員会に対するモンロー二議員の提案に発している。その 後1960年2月,アメリカ,イギリス,西ドイツ,オーストラリア,イタリア,南阿連邦,

スエーデン,ノルウェーの9工業国と発展途上国6ケ国の承認を得て発足した。世界銀行 の加盟国はすべてIDA協定を受諾すれば,無条件にその加盟が認められた。現在の加盟 国は95ケ国である。

 第二世銀の設立の背景には,1954年頃から活濃化した共産圏諸国の経済援助に対抗する 必要が感じられたことである。共産圏の経済援助が自由主義国のそれと異なり,金利2.5 パーセント,償還期限10ケ年以上,返済も被供与国の現地通貨で生産物を買付けるという がごとき寛大な条件であったので,世界銀行のハード・ローンは経済開発計画の推進のう

えで,外貨不足になやむ被供与国の実情にそわない融資条件であった。被供与国側からす れば,摩る程度商業的採算ベースに拘束されない長期融資を行ないうる金融機関が要望さ れたのである。

 第二世銀は協定第一条に「低開発地域の重要な開発計画に対し,通常の融資よりも弾力 的かつ国際収支上の負担が軽い条件で融資を行ない,それによって世界銀行の活動を補完 し,低開発国の経済開発を促進し,生産性および生活水準の向上に資する」としている。

世界銀行のハード・ローンでまかない得ない部門を,ソフト・ローンで補足するところに その役割がある。

 その融資の対象としては,電源開発,道路,港湾,灌概などが主で,その分野は世界銀 行のそれと重複しているが,その融資国はアジア地域では特にインドおよびパキスタンの 占める割合が大きい。被供与国側の国際収支上の負担を軽減させようとして,融資条件を 大幅に緩和している。すなわち,貸付は無利子(0.75%の手i数料のみ徴収)とし,返済期 限も50年(10年の据置期間を含み,次の10年で元本の10%,その後年々3%づ\30年で返 済する)という長期融資,かつ返済通貨は交換可能通貨とするが,軟貨による返済も場合 により認めうるというごとき寛大な融資を行なっている。これまでのところ第二世銀の融 資は直接政府に対するそれであった。同一事業に対し世界銀行と第二世銀の融資が協力的 に行なわれている。すなわち,発展途上国の金利負担が外貨事情を逼迫させるおそれのあ る場合,世界銀行融資はその一部を第二世銀により肩代りとして行なわれる。

 授権資本額は10億ドルで5年毎に増資を検討することになっている。加盟国は第一部国

(工業国)と第二部国(非工業国)とにわかれ,出資は前者では全額を金または交換可能 通貨で行ない,後者では上記のもので10%,残り90%は自国通貨で払込めばよいことにな

っている。ソフト・ローンを立前とする第二世銀は,世界銀行におけるごとき国際金融市

(6)

、6

場から資金の調達を行なうことは困難にして,限られた開発資金の供給に対しその需要が 大きいところに融資機能のうえで問題がある。1963〜64年度の世界銀行純益97百万ドルの うち50百万ドルが第二世銀に贈与され,また1964〜65年度においてもその純益のうちから 75百万ドルが贈与される予定であるのも(通産省,前掲書,P.294.)うえの事情からであると 考えられる。

 国際金融公社(IFC)

 国際金融公社は1955年7月に設立され翌年から業務を開始した。これは低開発地域にお ける企業の助成,経済開発の援助を目的とするもので,この点世界銀行との間に大きな差 異はない。たゴ世界銀行は株式投資を行なわず,また民間企業に対する貸付には当該国政 府機関の保証を必要とするために,その融資はかなり限定されるものであった。このよう な欠陥を補完しようとするところに公社の目的があり,政府機関の保証を必要とせず,株 式投資自体は認められていないが,それ以外の方法で冒険資本を援助しうるところにその 業務活動における特色がある。

 東南アジア諸国の経済開発計画は一般に政府のイニシアチブのもとに遂行されている。

その結果政府の計画的事業からの圧追で,民間企業が資本調達の面で阻害されがちの傾向 にある。か\る場合,国際金融公社は生産的民間企業の発展を援助するため,政府保証を 必要とせずして民間投資家と協調して融資する。民間投資家は必らずしも当該国の投資家 のみでなく,外国の投資家をも含むものである。開発資金の不足になやむ民間企業に対し,

先進国側の対民間投資を促進するうえからも国際金融公社の果す役割は重要である。

 国際金融公社の授権資本額は1.1億ドルで,保有債権の売却によってもその資金を調達 する。公社に加盟しうるのは世界銀行の加盟国であるが,1965年8月現在で79ケ国である。

各加盟国の応募額は世界銀行に対する出資額に比例して割当てられ,その払込は金または 米ドルで行なわれる。主要国の応募割当額は,アメリカ3,516.8万ドル・イギリス1・440万

ドル,フランス581.5万ドル, ドイツ365.5万ドル,日本276.9万ドル,イタリア199.4万ド ルとなっている。

 融資条件は一般に返済期限が7〜10年,金利6〜7%が主である。融資額はそう多くな いが,従来ブラジル,チリー,アルゼンチン,ペルーを主とする中南米向けの融資が大部 分を占めているが,近年アジア,アフリカ地域に対するものが増大し,インド,パキスタ ン,タイ,イラン等の民間企業,開発金融機関に投融資されている。なお公社の融資額は 逐年増加を示し,1964年度において21百万ドル,65年度において26百万ドルとなっている。

この金額のうちには株式投資をも含み,64年度で12.3百万ドル,65年度で11百万ドルに達

している。 (通産省,前掲書,P・294・)

 つぎにご㌧で地域開発銀行としての米州開発銀行およびアフリカ開発銀行についてみよ

う。

 米州開発銀行は米州機構加盟国の経済開発の促進,あわせてヨーロッパ先進諸国からこ

(7)

の地域への開発資金の援助導入をす\める目的で,アメリカおよび中南米諸国20ケ国の参 加により設立されたものである。設立協定は1959年4月に成立をみたが,その業務開始は 翌年10月であった。その授権資本額は当初8.5億ドルであらたが1964年1月21.5億ドルに 増額した。このうちアメリカの拠出分は7.6億ドルにして全額米ドルで出資し,その他の 加盟国は50%を金または交換可能通貨で,残りを自国通貨で払込むことを認められている。

その活動は貸付,保証,開発政策の誘導,技術援助などの分野にわたっている。 融資は主 として一国または地域ベースのプロジェクトに対し行なわれ,プロジェクト総所要資金の 50%以内を限度として融資される。(前掲日銀調査月報,昭和40年8月)

 米州開発銀行の融資には,資本金による通常条件による一般融資と特別基金による寛大 な条件での融資および社会進歩信託基金による融資とがある。一般融資は政府および政府 関係機関の事業への融資が約半分を占めており,電力,輸送施設等基礎部門が主たる対象 である。民間企業に対しては直接融資のほか,それぞれの国の開発銀行を通ずる間接融資 も行なわれる。融資条件は従来金利5.75%であったが,1964年8月以降6%に引き上げら れた。返済期限は5〜20年程度にして貸出通貨による返済が行なわれる。(通産省,前掲書,

PP.296〜98.)

 特別基金による貸付は一般融資よりも緩和された条件で行なわれ,借入れ国通貨による 返済を認め一般融資よりも貸付利率が低く(4〜5%),返済期限も10〜30年と長期にわ たるなどである。社会進歩信託基金からの融資は土地利用の改良,水道施設および衛生設 備,低所得層の住宅,教育の向上と職業訓練の促進等の分野にわたる金融援助である。こ れによる融資は特別に寛大な条件で行なわれ,金利は1.25〜2.75%で返済期限も20〜30年 の長期にわたり,借入れ国通貨による返済が認められている。社会進歩信託基金は進歩の ための同盟 (Alliance for Progress)の一部として中南米諸国の社会発展を促進するた めに全額アメリカの拠出により設定されたものである。

 1964年増資により財源が強化された。前述したごとく一般融資の財源は21.5億ドルに拡 充され,そのほか請求可能資本金を担保に債券を発行し,また保有債権を融資参加証書の 形で先進国の金融機関に売却して資金を調達している。特別基金は2.19億ドルに増額され,

社会進歩信託基金は1964年2月5.25億ドルに拡充された。これは全額アメリカの拠出であ るが,同年12月カナダが0。臆ドルの信託基金を拠出することになった。(通産省,前掲書,

PP.300一一1.)

 アフリカ開発銀行は南ア連邦を除くアフリカ独立国の27ケ国の協定により設立されたも ので,1963年8月協定の成立をみ,64年11月業務が開始された。この銀行の目的とすると

ころは,加盟国の経済開発と社会進歩を,個々の国でまた共同して促進するための必要開 発資金を供給せんとするものである。 その授権資本額は2.5億ドル,払込資本金はその半 額である。加盟国の出資は50%を金または交換可能通貨で,残額を自国通貨で払込むこと

になっている。その本店は象牙海岸のアビジャンに設置されている。

(8)

8

 業務開始後なおまだ日が浅いが,貸付,保証,株式投資などの業務のほか,開発計画の 準備作成や技術援助など実施しており,アフリカ地域の開発金融機関として活動している。

融資の基本方針は米州開発銀行と同様に,一国または地域ベースのプロジェクトを対象と するが,多i数国にまたがるプロジェクトに特に重点がおかれている。またその融資はプロ

ジェクト総所要資金の50%以内にとダめられており,株式投資の際はその企業の経営に参 加しないことを立前とする。(前掲日銀調査月報,昭和40年8月)以上援助機構としての開発金 融機関について述べたが,その融資状況はつぎのごとくである。

1960年度 1961  1962

19631196411965

(註1)568.6 568.3 506.7 449 810 1,023

世界銀行@  (借款)

@  (註2) 341.0 320.7 409.2

183.6 186.7 260 283 309

第二世銀@  (借款) 0.5 24.7 56 124 222

14.6 12.6 18.0 18 21 26

 国際金融公社

i借款,資本参加) 13.0 7.9 18.1

176.7 124.5 259 299

米州開発銀行

@  (借款)

@  (註3) 4.9 37.5 141 198

通産省,経済協力の現状と門題点,1962,1963,1964年より作成

(註1)各金融機関別に上段は援助供与約束額,下段は援助実行額を示す。

(単位100万ドル)

(註2)世界銀行に対する返済額は,1961年は12,270万ドル,1962年は13.830万ドル。

(註3)1961,1962年度の数字は社会進歩信託基金からの融資を除く。

1963年度の援助供与約束額の内訳は一般融資1了9百万ドル,特別基金からの融資33百万ドル,

社会進歩信託基金からの融資47百万ドルである。

同様に1964年度の援助供与約束額の内訳はそれぞれ164百万日目,

である。

49百万ドル,86百万ドル

1965年6月末における世界銀行の融資約束額の累計は8,954百万ドル, その融資実行額は 6,590百万ドルに達する。同様に国際金融公社の累計はそれぞれ137百万ドル,93百万ドル におよんでいる。

 3.先進工業国の発展途上国に対する資金援助の近時の動同ないしそこに見られる問題 点について若午:考察しよう。前にかかげたOECD諸国から発展途上および国際機関に対す

る援助供与の数字から知られることは,1956年以来援助総額は一時的なダウンはあったが 増加を示しているが,1961年における90億ドルをピークとしてその後停滞している。これ が一時的な停滞であるか否かは1963年以降の動きをみなければ早急には断定できないであ ろうが,この場合考えられることは,アメリカの国際収支の悪化が重大化して以来,その ドル防衛策からアメリカ国内における対外経済援助に対する再検討がその援助を停滞させ ていることである。1962年における国別援助額についてみると,アメリカが総額で45億ド ル,56%を占め,フランス,17%,イギリス,10%,西ドイツ,8%,日本,3.4%,イ

(9)

タリア,3.3%となっており,アメリカの比重が従来に比して低下していることである。

対外援助の必要性はこれを認めつつも,その援助効果について反省批判が行なわれている。

(東京銀行調査月報,「最近の低開発国援助の動向と問題点」,1964年11月)

 かかる援助の頭打ち傾向を内容的にみた場合,政府資金と民間資金との援助で,前者が 大幅に増大したのに対し,後者はその金額で殆んど停滞を示しており,援助総額の中で占 める割合は減退している。従って民間資金援助の停滞ないし減少がその原因となっている ことが理解される。

 さらに従来,二国間援助が援助総額の約90%を占めていたが,このうち贈与より借款へ の傾向が強くなっている。このことは被援助国側の返済を義務づけることになり,援助資 金の効率的使用を促進するうえで有効であるが, これは同時に被援助国側の対外債務の負 担を増大させることとなっている。従って借款条件の緩和について被援助国側から強い要 請となってあらわれている。

 援助条件についてみれば,返済期限,貸付利率,借款使用条件についての問題がある。

全般的に長期借款の割合が増加しつつあり,貸付利率についても低利化の傾向がみられる。

また被援助国の立場からみれば,借款による物資調達がいわゆるuntied aidが要望され ている。すなわち援助国または特定範囲の国に限定されることなく,発展途上国側の自由 な選択による物資調達の方が好都合であるが,近年むしろtied aidの傾向が高まってい

る状態にある。1962年のDAC諸国の援助はその約3分の2がtied aidである。特にア メリカは1963年の国際収支特別教書で新規援助の大部分をこの方式によって行なわんとす る方針を強調している。

 国際金融機関を通ずる開発途上にある国への資金供与も,前にかかげた表の示すごとく,

漸次増大しつつある。このうち世界銀行の資金供与額がもっとも大きいが,第二世銀が融 資条件の大幅な緩和によって,試供与国の資金需要の増大に対応し,融資可能資金の不足 から増資が問題となり,1963年9月の世界銀行総会で先進工業国による75,000万ドルの増 資決定をみている。

 国際金融公社の融資も品濃に伸びており,世界銀行総会においても世銀グループの業務 改善について検討がつづけられた。国際金融機関の活動を強化してゆこうとするのがその 基本方針で,米州開発銀行についても中南米における融資活動は増加している。一方アフ リカ開発銀行も地域的開発機構の一環としてその業務を開始したが,さらにアジア開発銀 行もその設立がすすめられている。

 アジア開発銀行については,1960年2月バンコックにおけるエカフェ第16回総会の席上,

タイによって地域経済協力の具体策として,貿易金融を中心とする地域開発銀行の設立が

(10)

10

示唆されたことにはじまる。ここではアジア開発銀行の設立の経過,設立協定等について ふれておきたい。(前掲日銀調査月報,昭和40年8月)1963年3月マニラにおける第19回エカ フェ総会において,地域経済協力促進の具体策検討に関し,閣僚会議を開催し,貿易およ び産業開発のための協力促進が決議され,それによってインド,フィリッピン,イラン,

ニュージーランド,イギリス,フランス,メキシコよりなる七人委員会が開催され,地域 的な工鉱業プロジェクトに融資する域内国の出資による地域開発銀行の設立が提案された。

 ついで1963年10月,バンコックにおけるエカフェ域内貿易促進会談において,アジア開 発銀行設立の必要性が確認され,同年12月,マニラにおけるアジア経済協力閣僚会議で,

開発銀行設立についての具体案作成のため専門家委員会の設置が定められた。

 専門家委員会は日本,インド,イラン,フィリッピン,タイ,インドネシア,パキスタ ン,ニュージーランドの8ケ国のほか,米州開発銀行および国際金融公社の代表も参加し,

1964年10月,バンコックにおいて,アジア開発銀行の基本構想を検討した。

 この専門家委員会の報告は,1965年3月ウェリントンで開催されたエカフェ第21回総会 に提出され,アジア開発銀行の設立をエカフェの最優先議題として取りあげた。この会議 で開発銀行の定款案作成にあたる諮門委員会の新設が決定した。

 諮門委員会は日本,インド,イラン,タイ,マレーシア,フィリッピン,南ベトナム,

パキスタン,セイロンの域内9ケ国よりなる専門家で構成され,同年6月バンコックに参 集し委員会開催の後,銀行設立に関し域内国の意向聴取,また域外先進国および国際金融 機関に対する協力要請のため各国を歴訪した。

 アジア開発銀行の設立に関するエカフェの開催した会議の経過は以上のごとくであるが,

開発銀行は10億ドルの出資を予定していた。このうち域内各国から6億ドル,残余を域外 先進国からの出資を期待するものであった。わが国は域内最大の出資国として2億ドルを 引受け,積極的協力の態度を示してきた。この間アメリカも2億ドルの出資の意向を表明

し,積極的参加の姿勢を示した。

 アジア開発銀行の構想はすでに述べたごとく,早くからあったが,アジア諸国の殆んど が開発途上国である関係から出資以上に融資への期待が強く,その機構について深い関心 がもたれてきた。従ってそれだけに,本店の自国内誘致や,総裁の選出,投票権など,融 資活動の方針とともに重要課題であった。本店所在地についてもすでに,東京,マニラ,

テヘランなど7都市からその誘致の意思が表示されていた。1965年12月,マニラにおける 18ケ国からなるエカフェ閣僚会議でマニラに決定するところとなった。 「開発途上国の問 題はすべて開発途上国の主導権で解決すべきである」という基本的態度によって東京誘致 が実現しなかったが,このことはわが国のアジア低開発地域に対する従来の経済協力につ いて,大きな反省を迫るものであった。

 ともあれ本店所在地の決定によって重大な懸案が解決し,設立協定は1966年9月末まで に各国で批准の運びになる筈であるが,授権資本の65%以上を代表する15ケ国(うち域内

(11)

国が10ケ国)以上が批准すれば発効する。その厳威加盟国から一人つつだされた総務会の 第一回会合で理事を選出し,銀行業務の開始日が決定する予定である。銀行業務の準備は,

諮問委員会で準備委員会をつくって進められる。

 マニラにおける閣僚会議において,本店所在地の決定,銀行定款の調印が行なわれたが,

このようにアジア開発銀行の設立が具体化するに至ったことについては勿論そこにそれだ けの背景があったことは当然である。

 現在東南アジア諸国において,意欲的な経済開発計画がすすめられている。かかる経済 開発計画の推進にあたって先進国の経済協力が必要であり,そのための役割を果たすもの として地域開発銀行の存在が有効である。経済開発計画が自国の工業化を目ざしてすすめ られていることから,計画相互間の調整は行なわれていない。このことはアジア地域全体 についてみれば,投資の重複を招いている。将来は市場の課題が工業化の阻害要因として 表面化することも考えられよう。各国が経済開発計画を相互に調整することは長期的観点 から必要である。このような域内経済協力をはかるうえから,中心的機関となる地域開発 銀行を設けることは,同種の地域開発銀行である,中南米における米州開発銀行,あるい はアフリカ開発銀行の実情からみても十分必要と考えられることである。域内経済協力の 中枢としてアジア開発銀行を設立し,域外資金を受入れ域内外資金をプールして,投資の 調整をはかることは全体的見地から効果的である。

 東南アジア諸国が過大な入口をかかえ,その経済成長が,高率の人口増加に吸収され,

一人当りの国民所得の伸びが低く,先進工業国との格差は拡大する傾向がある。 したがっ て工業化を促進し,経済成長率を高めるためにも経済開発計画を積極的に促進する要があ る。そのための開発資金を如何にして調達するか。発展途上国における国内貯蓄が不十分 である以上,外国資金に依存せぎるを得ない状況にある。南北閥題が世界的な課題として 大きくクローズアップしてきた今日,アジア地域の経済開発計画における域内経済協力機 構として開発銀行のもつ意義は重要である。

 つぎにアジア開発銀行の設立協定の要旨について見ればつぎのごとくである。

 銀行の目的・任務

 銀行の目的とするところはアジア地域の経済成長と経済協力の育成により,域内低開発 地域の経済開発を個別的にまた全体的に促すことにある。この目的のために,域内の政府 および民間投資の促進,経済開発計画の立案,実施とその計画に対する融資についての技 術援助,発展途上国の調和のとれた経済開発に対する融資を行ない,かつ国連その他の国 際機関との協力を任務とする。

 加 盟 国

 開発銀行への加盟資格はエカフェの加盟国および準加盟国のほか,域内国と域外先進国

(いずれも国連または専門機関の加盟国)に与えられている。このように加盟国の資格を 広げているのは,銀行が可能な限り多額の資金を調達せんがためである。域内で加盟が予

(12)

12

定されているのは,アフガニスタン,イラン,インド,オーストラリア, リ国,カンボジ ア,セイロン,台湾,タイ,日本,西サモア,ニュージーランド,ネパール,パキスタン,

フィリッピン,マレーシア,南ベトナム,ラオスの諸国である。準加盟国としては,香港 およびブルネイ,域外先進国で加盟が予想されるものは,アメリカ,イギリス,オランダ 等で共産圏諸国は不参加の模様である。

 銀行の資本

 銀行の授権資本額は10億ドルとし,必要に応じ増資する。うち6億ドルを域内加盟国か ら,4億ドルを域外加盟国からの出資に期待する。授権資本金のうち,5億ドルを払込資 本金,残余を請求可能資本金とする。

 払込資本に対する各加盟国の払込みは20%ずつ5回払込みとする。最初の払込みは原則 として設立協定の発効後30口以内とし,第2回以後は,協定発効時から一年目ごとに払込 む。かつその払込みは50%を金または交換可能通貨,残余を加盟国の自国通貨によること

とした。

 銀行は資金調達手段として,請求可能資本金の範囲内で借入れを行なうことができる。

この場合,請求可能資本金は銀行の借入れ,債券発行などの担保となり,銀行がそれら債 務の返済のために,加盟国に請求して払込ませることになる。

 銀行の業務

 銀行の業務は通常資金による通常業務と特別基金による特別業務からなる。

 銀行の業務は特定プロジェクトへの融資を原則とするが,国の開発銀行などに対する貸 付またはそれに対する保証もできる。

 銀行は払込み資本の10%をこえない額の特別基金を設けることができる。また銀行の目 的に合致した特別基金の運営の委託を引受けることができる。特別基金は通常業務より長 期,低利の貸付や保証などに使用される。

 融資先は政府,政府機関,公社あるいは民間会社などで,既存金融機関の活動を補完し,

域内の開発のための農工鉱業など生産部門に重点をおいている。運輸通信など大規模な融 資,教育,社会開発部門などのプロジェクトについては特別基金のごとき資金が入手され た場合考慮:される。通常資金がコマーシャル・ベースにもとずいて供与されるに対し,ア ジア地域の後進性から長期,低利の資金供給の必要なところがら,特別基金によるソフト

・ローンを行なう可能性が与えられている。いずれにしても域内外から可能な限りの資金 を確保するため,また限られた資金の効率的使用をはかるため健全経営主義を貫かんとし,

元利支払能力がある・と認められるプロジェクトに対し融資する。

 銀行の組織・運営

 銀行の機構として総務会,理事会,総裁,一名または複数の副総裁,および必要なi数の 役員,職員をおく。

 総務会は各加盟国の代表1名をもって構成され,銀行の最高意思決定機関であり,新旧

(13)

盟国の承認,増資,加盟国の資格停止,協定改定などの権限をもつ。理事会は総務会で選 出した域内7名,域外3名の計10名で構成し,銀行業務の運営にあたるものである。

 総裁は銀行の基本的性格から域内加盟国から選出されることになっており,任期は5年 である。副総裁は総裁の推薦により理事会が任命する。

 投票権については,総投票権数は基本票と比例票からなるが,基本票は総投票権数の20

%を加盟国に均等に分配し,比例票は各加盟国の出資株数と同数の票となっている。

 以上アジア開発銀行の協定内容についてみたが,アジア開発銀行には他の地域開発銀行 とは異なったそれなりの特質がある。一言にしていえばアジア人によるアジアのための開 発銀行という点であろう。出資額の60%を域内国で拠出し,総裁もアジア人の中から選出 することにそれはあらわれている。

 アジアは国連が一つの統一した地域として扱っているが,まとまった地域とするには構 成が複雑である。地域経済協力を必要とするにもかかわらず,経済的には同質のグループ ではない。その殆んどが発展途上国であるが,開発の程度,開発の方向など多くの相異が あり,このなかでアジア開発銀行をして地域的開発金融機関たらしめるところにアジア諸 国の願望がある。アジア諸国の主導権のもとに運営せらるべきことは当初からの構想であ り,またそれは当然望まれるべきあり方であった。ただ域内諸国の出資能力には自ら限ら れるものがあるから,広く資本を導入するために域外先進国からの参加を求めてきた。同

じく地域開発銀行といっても低開発国のみで構成され,したがって授権資本額も2.5億ド ルと比較的に少額であるアフリカ開発銀行とも異なり,またアメリカの主導権のもとにあ る米州開発銀行とも異なるものがある。アジア開発銀行の投票権はすでに述べたごとく基 本票は20%,比例票が80%となっており,世界銀行や米州開発銀行に比して基本票の割合 が大きく,アジア諸国の全投票権は65%をもつようになっている。

 アジア開発銀行が域内発展途上国の経済開発の促進のために農工鉱業に対する融資,保 証,投資など信用供与とともに,開発計画の立案ないし技術援助を行なうものであるが,

域内の先進国である日本,オーストラリヤ,ニュージーランド等は直接受益国とはならな い。しかし長期的にみれば,アジア地域全体の経済開発がすすめば,貿易を通じてその利 益が伸張することになろう。アジア開発銀行がまずなによりも域内発展途上国の経済開発 の促進にあれば,それは南北問題の解決にも一歩前進するものである。ベトナムにおける 現在の状態からみても,域内における政治的対立,域外からの政治的影響が開発銀行の本 来の運営に障害をもたらさ凍よう政治的介入が極力排除されなければならない。

 アジア開発銀行の本店がマニラに決定したことは,二回にわたるエカフェ閣僚会議をマ ニラで開催したことにみられるように,フィリッピンが強力に誘致に動いたこともさりな がら,日本の誘致の動きがフィリッピンより後手に回り,しかも本店誘致とならんで総裁 をも求める動きもあって,それに象徴されるわが国の態度にエカフェ諸国の警戒心を惹起 したと考えられる,戦後のわが国は激動するアジア情勢の中で自国経済の復興と発展のた

(14)

14

めにその力を集中し,驚異的な経済成長をとげた反面アジアの連帯意識に疑念がもたれ,

その孤立的な態度が経済協力を求めるエカフェ域内諸国の失望を招来したと考えられる。

この点わが国の域内先進国としての経済協力のあり方に再検討が望まれるところである。

援助の国民所得に対する比率は1964年のDAC諸国の平均0.96%に対しわが国のそれは0.45

%である。これを1%に引上げるとすればその財政負担,国際収支への影響は大きいもの があろう。わが国の経済協力に対する基本的な態度について十分な考慮を要するところで あるが,アジア開発銀行の発足に際して,同行の政策決定の上でわが国のもつ比重の重要 性からも,アジア開発銀行の地域開発金融機関としての運営に重大な責務をもつものであ

るQ

参照

関連したドキュメント

その最新報告に従えば, 『人間開発』とは人間開発を達成するプロセスとその達成度を示す言葉で

  1999 年新ラウンド立ち上げを目指し,シアトルで第 3 回 WTO

公共施設管理者等との同意・協議及び関係図書が整い、開発計画が固まった段階で、

 この10数年、著しい経済発展を遂げてきた

第6章 サヘル地域の紛争と国際資源開発-ニジェールを事例として- 吉田 敦 はじめに 本章では、サヘル地域の紛争・不安定化と資源開発の相関性を明らかにすることにある。 紛争と資源開発の関連性についての先行研究では、紛争国を横断的に分析する計量経済学 的手法を用いた研究や、統治体制の脆弱性の観点から紛争の発生要因を説明する研究が進

 しかしながら、ナショナリズムの高まりのなかで、外国企業の接収、西イリアンの解

⑷弁済計画案の確認報告   ①弁済計画案に関する確認報告書

2.政策・制度の改革