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柴田昇. 大原尚雄 Critical Resolved Twinning Shear Stress Law

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Academic year: 2021

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(1)

長崎大学学芸学部自科学研究報告第12号1‑5 (1961)

双晶の Critical Resolved Shear Stress Law に就いて 柴田昇. 大原尚雄

Critical Resolved Twinning Shear Stress Law for Magnesium

Noboru SHIBATA and Hisao OOHARA

Abstract

In order to examine the validity of the critical resolved twinning shear stress law, magnesium single crystals were subjected to tensile test. The twin markings appear‑

ing on the surface of the specimen were analized and the corresponding twin ele‑

ments to them were determined with the aid of crystallographic glove. The arising order of the twin elements was compared with the magnitudes of the resolved shear stress upon them. The results obtained show that the critical resolved twinning shear stress law holds qualitatively except for the region near the grain boundary where the constrain due to the grain boundary should cause local stress concentration.

I.緒論

変形双晶が生じる際にcritical resolved shear stressが存在するか否かに就いては種々 の研究がなされてきている。例えばThompson & Millard '), Yakovleva & Yakutovich2) やDavidenkov3>はCdに就いて, Bell4)はZnに就いて, Lee & Brick5)はBeに就いて resolved shear stressを測定し,貴大のstressを受けたtwin elementが貴もoperative であおという結論を得ている.然しresolved shear stressの大きさは純度の似た同じ金属に 就いても実験者によってかなり異った値が得られており, Cahn6)はこれらのstressの分散は 結晶のdistortionによるのか純度や表面条件によるのかはっきりせず,しかもtwinの出現は 急激でその後刀成長は比較的ゆっくりしているのでtwin nucleationにはstress concentra‑

tionが必要であることは明かでcritical resolved sheav lawが成立つかどうかは疑問であ ると主張している。更にBlewitt7)8)等の行った低温に於ける銅単結晶のtensile testの際

*長崎大学学芸学部物理教室

**長崎市山里中学校

(2)

2 柴田 昇・大原尚雄

に生じたconjugate twinは,最大のresolved shear stressを受けたtwin elementに属す るものでなく,従ってcdtical resolved shear・stress lawは定性的にも成立たないというこ とをRosenfield9)が報告している。

 我々はMg単結晶のcritical resolved shear stressを測定する手はじめに,Mg単結晶 にelongationを与えた場合に,各twinelementに属するtwinの出現順序を調べて,critical resolved shear stress lawが定性的に成立っているか否かを試みてみた。

 2.Mgのtwin elementとresolved shear stress

 Mgの6つのtwin elementのtwin planeとshear direction1。)は第1表に示してあり,

各elementをα,δ,6,4,0,∫,という記号で表わすことにする。試料軸方向に引張った場合 のresolvedshearstress∫は

  ∫㏄cosψcosλ      (1)

で与えられる。こ」でψはtwin planeの法線と試料軸とのなす角, λはtwin shear dire6tionと試料軸とのなす角である。試料軸方向(引張方向)が(h々1)面の法線方向と一致

し,sheardirectionが(24∂ω〕,twin飢aneが(ξηζ)であるとすると

  一λ㏄{hξ+ }(hη+々ξ)+4シζ}翅h+醐 

(2)

となる。ここで6は軸比である。 との式から種々の試料方位に対して最大のstresSを受け るtwin elementは第1図のようにstereo投影面上に示すことがでぎる。

第1表Mgのtwinelement

tWine lement

twin plane shear diretction

δ o 4 θ

1012  1102  0112 0112 1012  1101 1011  1101  0111  0n1  ユ01ユ  nOユ

も漁∫一 伽  1120

 、b

a,o

a

℃き

0001 10fo

    d,f      a,d,f        a       a、e

第1図 試料方位と最大のresolved shear stress    を受けるtwin element

(3)

双晶のCritical ResolvedShear Stress Lawに就いて 5,

 3.実験方法

 我々が用いた試料は厚さ約0.5mm,巾約5mmの再結晶法によって製作された純度99.9%の 板状単緒晶で,grainの長さは30mm〜40mmである・試料方位はX線背面反射写真から,Grenin・

ger chartと結晶儀を用いて決定した。 これと同時に6つのtwin elementのtwin plane と試料面との交線(twin markingの方向)が試料軸となす角と各twin elerr磁tに対する ψ,λの大きさを結晶儀上で求めcosψcosλの値から各elementに対する resolve¢shear streSSの大きさの順序を決定しておく。次にこの試料を顕微鏡載物台上に固定した小型の引張 器にかけてelongationを与えるのであるが,試料の全体の長さは大体100mm程度で,この試 料の中央にある長さ30mm〔・40mm程度のgrainをえらび,その両側にあるgrainを引張器の gripで固定し,gripによるconstrainが着目しているgrainに与える影響をなるべく小さ くするようにしている。これは勿論constrainによるstressconcentrainをなるべくgrain boundaryからうけるconstrainのみに限定するためである・elongationは5/100mm宛与え,

その都度生じたtwinを顕微鏡によって調べ,twin markingと試料軸とのなす角を測定して それがどのtwin elementに属するものであるかを前に結晶儀によって求めた角と比較して

決定する。

 4.結果と考察

 我々が用いた試料は9本でその方位は第2図に示してある。これらの各試料に対して上述の ような実験を行って得られたtwinの出現順序とそれらの属するtwin element,各element に対するcosψcosλの値は第2表に掲げてある。この結果からMgに就いては9てain bound−

aryの影響の及ばないと思われる部分ではcritical resolved shear stress lawが定性的に成 立っていると結論してよいと思われる。grainの中央部分に於てもresolvedshearstressの 大きさの順とtwinの出現順序とくい違っているものがある。しかしとれらのtwinelen}ent に対するCOSψCOSλ値は非常に小さいので次の二つの原因からこのようなくい違いが生じる と考えられる・1つはcosψcosλ値が小さいので,ψ,λの僅かの測定誤差(我々の場合試料方 位決定の誤差は20程度でψ・λ々結晶儀上で求めているのでその測定誤差が1。〜20あると思 われる)や・熱らのtwin なりのelon宮乱 を与えた後姓じるもので・その間の格 子の回転が「esolvedshea「sf「ess噸序を入れ繍9るということであり・もう1つは stress concentrationがtwinの出現順序をくるわしている と・いうことである。しかし我々の 場合には前者の原因によると考える方が妥当であろう。

 我々が測定したresolvedshear stress壱まtwinの成長に必要なstressであると考えら れるから常温に於けるMgのtwin growthはThompson&MiHard電)・の指摘したように

sliP d三slocationと同様な.twin dislocationの運動によるこ.とは疑う余地はないと思われる。

しかしtwinnucleationに就いてThampson&Millardが提唱したr餓trix内のmajor

(4)

4 柴田 昇・大原尚雄

第2表 各twin elementに対するcosψcosλ値と出現順序

  出現順序の下のA欄は grainの中央部,B欄はgrain boundary   近くの部分での出現順序,斜線の欄は出現しなかったelement,

  空欄は出現順序を確認できなかったelement

試料番号 elementtwin

α

δ

0

4

θ

試料番号 twin element

α

δ

0

4

θ

1

COSψ×

COSλ

0.40 0.00 0.55 0.52 0.40 0.00

出現順序 A B

1

5 4 2 5 6

COSψ×

COSλ

0.27 0.00 0.46 0.42 0.15 0.00

順序出現 A B

55

/6

1ユ

22 44

/5

2

COSψ×

COSλ

0.49 0.00 0.50 0.29 0。59 0.00

出現順序 A B

1

、/

5

2

COSψ×

COSλ

0.42 0.Ol O.52 0.50 0.41 0.07

出現順序 A B

11

6/

54 45 22

5/

5

COSψ×

COSλ

0.51 0.25 0.24 0.Ol O.16 0.05

順序出現 A B

8

COSψ×

COSλ

O.50 0.10 0.55 0.55 0.49 0.10

順序出現 A B

12

6/

54 45 21

5/

4

COSψ×

COSλ

0.42 0.02 0.28 0.40 0.59 0.00

順序出現 A B

11.

6/

4/

25 52

5/

9

COSψ×

COSλ

0.41 0.01 0.52 0.28 0.59 0.00

順序出現 A B

12

6/

54 45 21

5/

5

COSψ×

COSλ

0.57 0.05 0.20 0.16 0.56 0.04

出現順序 A B

11 56 55 44 22 65

重函

 9 !メ  憐 憾 4憐ス21

3憾  聴

  6 憐5

0⊂勘江

lolO

第2図試料の方位

dislocationがtwil1内で二っのminor dislocationとtwhmhlg dislocationに分解すると いう考え方が正しいか否かは,Mgのみでなく種々の六方晶形に属する結晶のcriticalre・

sQlved shear stressを測定しなければ判定できない問題である、

(5)

双晶のCritical Resolved Shear Stress Lawに就いて 5

 又grain bDulldary近傍ではcosψcosλ値の大きなtwin elementに対してもその出現順 序がresolved shear stressの大きさの順に従わないものがいくらか見られる。この場合には 勿論僅かの変形を受けただけでこれらのtwinが生じ,grain boundaryが試料軸に平行に近 い場合の方が垂直に近い場合よりもそのような出現順序のくい違いが生じる範囲が広いので,

grain boundaryのcollstrainによるlocal stress concentrationがtwinの出現順序をく るわす原因になっていることは明かである。このことはCahl1の考えを支持することになる。

 このようにcritical resolved shear stress lawが成立つ領域と,collstrainの為に判然と は成立たない領域とが区別できるようであるが,我々の場合grain boundaryの形が不規則で あった為にgrain boundaryや隣接しているgrainの方位がどのように影響しているかは調 べられていないので,この点に就いても更に詳細な研究が必要であると思われる。

 この研究に際して有益な助言,示唆を賜った物理教室土肥重政教授に感謝の意を表する。

      文   献

  N.Thompson and D。J。Millard,PhiL Mag,,43(1952)422.

  E。S.Yakovleva and M.V。Yakutovich,Zh.Tekh.Fiz。,20(195G)420   N.N。Davi(1enkov,Zh.Eksper.Teoret、Fiz.,3(1955)550.

  R・L Be11a蔦(l R.W・Cahn,Acta Met.,1(1955)752.

  H.T.Lee and R.M.Brick,0.N.R.Report.Contract24908.

  R。W.Cahn,Adv。in Phys,,3(1954)565.

  T.1{。Blewitt,R。R.Coltman an(1J.K,Re(1man,Z)魏ooα ゴoη5伽4〃甲θ6hα痂 αJ jP70ρθ7ガθsの  C7ッ吻!5(∫hon Wiley and Sons,Inc.,1957)179.

8.F.A.Sherril1,M.C.Wittels and T.H.Blewitt,J.AppL Phys.,28(1957)526.

9. A.R.Rosenfield,J.AppL Phys.,29(1958)227.

10. E.0.Hall,T 勉勉n8伽4P功物3 o%」6ss T7伽夢り nα擁oη3初〃8如!5(Butterworths Scientific  publications,Lon(10n,1954) 56.

参照

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