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多重スリット干渉を利用したガウス和計算による素因数分解

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Academic year: 2021

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多重スリット干渉を利用したガウス和計算による素因数分解

岩下・小林研究室

1170036 乙成 隆仁 1. 研究背景・目的

近年、コンピュータの回路等の部品の小型化が進み、電 子機器の映像や処理速度等の性能が急激な進歩を遂げてい る。しかし、今後回路等の部品の小型化が物理的に困難に なり、電子機器の性能の向上が難しくなることが予想され ている。その中で、現在のコンピュータとは全く異なる方 法で計算を行うために可視光線あるいはその他の光線に関

連した物理現象により情報処理を実現する光計算がある。

光計算の中でも、本研究では、光学的干渉における、明線 の条件に注目する。光路差𝛿が波長𝜆の整数倍、つまり、光 路差𝛿を波長𝜆で割った値が整数になったときに干渉の明線 が現れるが、逆に言えば、明線を測定できれば𝛿が𝜆で割り 切れるか調べることができる。この割り算は素因数分解に 応用できる。素因数分解を様々なアルゴリズムが考えられ てはいるが基本的に素因数の組み合わせの計算を逐次行な うため、計算量が膨大になり、計算に多くの時間を要して しまう。そこで、本研究では、多数の波長を持つ光波の光

学的干渉という物理現象を用いて、素因数分解を並列的に 効率よく計算できるのではないかと考え研究を行った。

2. 多重スリット干渉を利用したガウス和計算

図 1 多重スリット干渉概要

多重スリット干渉について概要を図 1 に示す。M番目の スリットからスクリーン上の原点x = 0までの長さ𝑙 𝑚 を求 め、x = 0での干渉光強度を計算する。

光強度を𝐼とし、m = 0からM番目のスリットの和をとると

𝐼 = | ∑ 𝐴 exp (−2𝜋 𝑖𝑚 2 𝑑 2 2𝑙𝜆 )

𝑀

𝑚=0

|

2

(1)

と表せる。ここで、 𝐴は光波の振幅、 𝑑はスリットの間隔、

𝑙はスリットとスクリーンの距離、𝜆は波長である。(1)式の

ように位相項に和の変数 m の 2 乗が含まれた式は「ガウス 和」と呼ばれる。ガウス和𝐼は 𝑑

2

2𝑙𝜆 が整数となるとき最大値 をとるため、多数のλを用いることで並列に割り算が計算で きる。

3. ガウス和計算による素因数分解 一般的にガウス和ℎは以下で定義される。

ℎ(𝑍, 𝑀, 2, 𝐿) = | 1

𝑀 + 1 ∑ exp (2𝜋𝑖𝑚 2 𝑍 𝐿 )

𝑀

𝑚=0

| (2)

ここで、素因数分解したい数を𝑍、𝑍の素因数の候補𝐿とす る。 (2)の計算例を図 2 に示す。 𝑍 = 40001、 𝑀 = 20のとき、

素因数の候補𝐿を 1~ √40001 まで変化させたときのガウス 和の値の変化である。 𝐿が𝑍の素因数であればℎ = 1となるが、

図 2 より40001の素因数 13、 17、 181 でℎ = 1となり、ガウ ス和を用いて素因数分解を行うことが可能となる。

4. Ghost Factor(GF)

測定を進めていく中でガウス和の値が ℎ = 1 となる 𝐿 の値 の測定を行いたいが、なかにはガウス和 ℎ の値が 1 に近い 𝐿 の値が存在する。本研究では、この ℎ が 1 に近いときの 𝐿 を Ghost Factor と呼ぶ。図 2 の点線は Ghost Factor を表してい る。測定を行うときは Ghost Factor の値をできるだけ小さく する必要がある。

5. まとめ

多重スリット干渉を利用したガウス和計算による素因数 分解は可能であると考える。

図 2 Z = 40001のときのガウス和計算例

𝐿

参照

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