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参加型開発教育の実践と考察

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(1)

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研究論文

参加型開発教育の実践 と考察

一二重大学ベ トナムスタディッアーの事例よリー

 

 

美知子

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キー ワー ド:ス タデ ィッアー、参加型、開発教育、ベ トナム、参加促進

は じめに

途上 国の開発 では しば しば住民のオーナー シ ップを高 めるために参加型が推奨 され る。

大学の授業 において も、学生 の 自主 的な学 びを促進す るためにグループでの調査活動等を 取 り入れた参加型教育 の導入が進 め られている。では、学生 を集 めて実施す る途上国スタ デ イツアーに参加型を導入す る場合 にどのような方策があるか。

(2)

二重大学国際交流 セ ンター紀要20H 

6号

(通巻第

13号

)

本研究 では、 引率教員 の後 をつ いて回 るだけの、 ただの物見遊 山に終 わ る危険性 を備 え た多 くの悪条件 の もとで行 われたスタデ ィツアーを事例 に、学生 の参加 を促進 し、 自分 た ちで ツアーづ くりをす るための方策 を実践 し、 その成果が学生 の学 びや人 間変革 を どのよ うに もた らしたかを考察す る。 またそのよ うな参加促進 の工夫 が可能 であ った背景 にある しくみを明 らか にす る。

本研究が他 の類似 のスタデ ィツアーにおいて学生 の参加促進 の参考 となれば幸 いである。

先行研究の検討 1.「参加型」 の概念

「 参 加 型 」 は農 村 開 発 の 新 た な調 査 方 法 と して 、「 主 体 的 参 加 型 農 村 調 査 法 」 (PaFtiCipatory Rural Appraisal:PRA)の 名 で 1991年に ロバ ー ト・ チ ェンバ ースによ り 唱え られた概念 よ り発 して い る

(チ

ェンバ ース 2000:3)。 農村 開発 に当た り、先進 国や 途上 国中央政府 か ら派遣 され る専 門家 よ りも、地元 に住 んでいる貧 困農民 こそが開発 に必 要 な知識 と経験 を備 えていて、 それ ら住民 の参加 によ って こそ有益 な開発 プロジェク トの 立案 に必要 なデータ分析 がで きるとい う考 え方 である。

PRAはその後、農村調査以外 の多 くの方 向へ と広 が り、大学等 の教育機 関 にお ける教 育 の分野 で も利用 され るよ うにな った。 そ こで新 たな呼称 と して、「主体 的参加 による学 習 と行動」 (Participatory learning and action:PLA)が 登場 して い る

(同

掲書

:4‑5)。

「大学 や訓練機 関がその弊害 を減 らし、有益 な もの とな るためには、今 まで以上 に一方 的 な講義 か ら、学生 や訓練生がおのずか ら学ぶ ことができるようにエ ンパ ワー

(力

を与 え る)

し、 参 加 を重 ん じる方 向へ と変 わ らな けれ ばな らな い。」 とチ ェ ンバ ー スは述 べ て い る

(同

掲書

:13)。

本研究 で用 いる「参加型」 の概念 は、教員 の一方的な講義 や指導 ではな く、参加学生 が おのずか ら学べ るよ うにエ ンパ ワー し、参加 を重 ん じた とい う意味を持つ こととす る。

2.開発教育

日本 で は1990年前後 よ り「 開発教育」 と呼 ばれ る分野 で、授業者 か ら学習者 に一方 的 に与 え られ るのではな く、授業者 の援助 を得 なが ら学習者 自身 の活動 を通 じて探求 され る 教育 が実践 されて きている

(西

川 ほか 2006:759)。

NPO法人開発教育協会 によると、開発教育 とは「私 たち一人一人が、開発 をめ ぐる様 々 な問題 を理解 し、望 ま しい開発 のあ り方 を考 え、公正 な地球社会づ くりに参加す ることを ね らい と した教育活動 であ る」

(開

発研究協議会)と定義 されている。 この定義 に従 うと、

要す るにメ ンバ ーが開発 を 自分 で考 えて実行す ることを 目指 した教育 といえ る。

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(3)

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また西川 によると、「他地域・ 異文化への理解 を通 じて 自らの社会 と他 の社会の違 い と 共通性 を知 り、人 間 と しての普遍性 に気 づ くことによる思 いや りの心 を育 て、 その思 いや りを通 じて他者 と協力 し、世界 に貢献す る行動への促 しを導 くことをその基本的課題 とし てい る」

(西

川 ほか2006:760)のが開発教育 であ る。 この定義 によると、 開発教育協会 の定義 に加 えて、普遍性 や協力、世界への貢献 とい った新 たな概念が出てきている。

メ ンバーが 自分 で事実 を認識 し、考 え、意見 を表明・ 交換 し、行動 を決定 してい く参加 型の教育 が開発教育 であ るとい う考 え方 もあ る

(同

掲書

:760)。

ここでは教育 の内容 よ り

も、 その方法、 さ らには認識 か ら考 え、表明・ 交換、 そ して行動 までのプロセスを重視 し て開発教育 を定義 してい る。

本研究 では、上 の よ うな先行研究 の定義 を参考 に、開発教育 を「 開発をめ ぐる問題 を理 解 し、考 え、表明、交換 し、他者 と協力 しなが ら公正 な地球社会づ くりのために行動す る

ことを促す教育」 と定義す る。

この定義 に1。 で定義 した「参加型」 の概念 を加え ると、本研究 における「参加型開発 教育」 とはす なわ ち、「教員 の一方 的な講義 や指導 ではな く、参加学生 がおのずか ら開発 につ いて理解 し、考 え、意見 を表明、交換 し、公正 な地球社会づ くりのために行動す るよ うにエ ンパ ワーす ることを 目的 と した教育」 の ことである。

3.ス タデ ィツアー

先行研究 では、「 スタデ ィッアーに関す る学術的な研究 はほ とん どな く、 明確 な定義 は 存在 しない」

(高

2008:149)と され る。確 か にスタデ ィッアーの実施 団体 や参加者 に よる「XX国スタデ ィツアー報告書」 の類 は多 々存在す るが、学術論文 は2010年現在 に おいて もほ とん ど見つ け られなか った。

渡辺 の研究 では、 スタデ ィツアーの最 も数多 い実施主体 であるNGOにとって、 その定

義 は「 参加者 が特定 のテーマにつ いて、 その海外現場、多 くの場合が開発途上 国の活動地 域 を訪 れ ることを通 して学習す る場」

(渡

2001:H)であ ると述 べ られている。 この定 義 によると、特定 のテーマの存在、活動地域訪間 と学習 につ いてのみ言及 がな され、その 学習方法 につ いては触 れ られない。

スタデ ィッアー実施 団体 によ り構成 されているスタデ ィッアー研究会では、「 スタデ ィ ツアー とは『 国際交流・ 交流市民団体 (NGO)な どが相互理解 や体験学習 を 目的 と して 行 うツアー』 を さ し、『現地事情 や、NGOの活動 な どを学習 で きる』『 現地 の団体 や人 々 と、 同 じ目の高 さで交流 で きる』『 参加者 自ら、 プログラムに参加、協力 できる』 という 特徴 を持つ」 と定義 して い る

(田

中 2001:4)。 この定義 では、 ツアーの実施主体 か ら目 的、学習 内容、交流、参加、協力 とい った内容がよ り詳 しく説明 されている。

(4)

二重大学 国際交流 セ ンター紀要

高橋 の研究 で は これを凝縮 しく「 開発途上 国の現場視察 と現地 の人 々 との コ ミュニケー シ ョンを通 じた実体 験 に よ る学 びを 目的 と した ツアー」 と手短 に定義 して い る

(高

2008:150)。 方法 と目的だけを取 り出 した もので理解 しやす い反面、参加 につ いての言及 がな い、「視察」 とい う語 の本来 の意味であ る「組織 内で上位 にある者 が下位 の者 の活動 す る現場 を訪 問す ること」 につ いて誤用 がみ られ る等の難点があ る6

本研究 で は高橋 の定義 を もとに、「 開発 の現場見学 や活動 プログラムヘの参加,現地 の

人 々 との コ ミュニケー シ ョンを通 じた実体験 による学 びを 目的 と したツアー」 をスタデ ィ ツアーの定義 とす る。特 に開発途上 国 とい う訪 問先 を指定 しなか ったのは、 日本 のよ うな 先進 国において も国内でのスタデ ィツアーは可能 であると考 え るためである。 また実施主 体 も本事例 の大学 の よ うにNGOに限定 されない ことか ら、特 に指定 しなか った。

スタデ ィツアーは1980年代初頭 か らNGO活動 に携 わ って い るスタ ッフ自身 の現地訪 間 とい う形 で始 ま り

(田

中 2001:5)、 それが修学旅行 とい う素地 があ る 日本 において発 展 し、1990年代 に入 ってNGOが一般 の支援者 を現場 に連 れて行 くツアー旅行 を始 めた ことに端 を発 している

(高

橋 2008:150)。 その後実施主体 はNGOばか りでな く、」

ICA、

大学 や地方 自治体等 に も広が って きた。大学 では海外体験 を単位化、必修化す る試 み も増 えて きていて、恵泉女学 園大学 の行 った2006年の調査 では、関東地方 の153大学 中の

41

%で体験学習が単位化 されて いるとの結果が出ている

(同

掲書

:157)。

高橋 によると、 スタデ ィツアーを構成す る関係者 は実施 団体、受入 団体、参加者、現地 の訪問先 の4つに分類 で き、 その関係 は図 1の よ うに示 され る

(同

掲書

:151)。

スタディツアーの関係者 (高2008:151よ り引用)

本研究 では先行研究 よ り得 られた図1を枠組 み と し、 これを用 いて三重大学 スタデ ィツ アーの事例 に考察 を加 え ることとす る。

1」ICA!

現 地 の訪 問先

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参加型開発教育の実践と考察

  

1.二重大学 と二重大生

二重大学 は二重県 の県庁所在地、津市 に位置す る国立 の総合大学である。人文、教育、

医、工、生物資源 の各学部 および各研究科 と地域 イ ノベー シ ョン研究科があ り、約

7,000

名の学生 を擁す る。人文学部 内に社会科学系 の学科 を擁す るが、開発学、 開発経済学、国 際協力学等 の講座 は皆無 で、 これ らを専 門に研究す る学生 はいない。 唯一、国際交流セ ン タ ー が 開 講 す る 「 英 語 等 に よ る 国 際 教 育 科 目」 の な か で ̀uapanesc lnternational Cooperation A,B"と 題す る英語 による授業 が共通教育科 日として開講 されている。

学生 は地元二重県 出身者が4割以上 を占め、海外 はおろか「名古屋 に行 ったことがない。」

「新幹線 に乗 った ことがない。」「実家 を離れて3泊以上 の旅行 を した ことがないも」 とい う 学生 が散見 され る。上述 の国際協力 の授業 では名古屋駅 に近 いJICA中部 な ごや地球 ひろ

1訪

間の プ ログラムが組 まれて いるが、近鉄名古屋駅 を出て歩 き始 めた途端 に、学生 た ちは駅前 の高層 ビルを見上 げて感嘆の声 を上 げるのが毎度 の ことである。地元 に しっか り 根 を下 ろ してい る反面、海外 に向か う視野 の狭 い学生 が多 い。2009年度 に 10ヶ 月以上 の 長期で海外留学 に派遣 された学生 はわずか5名であ った

(三

重大学国際交流セ ンタニ資料)。

2.ス タデ ィツアー概要

ベ トナムスタデ ィッアー2010は二重大学 が大学 の国際交流促進 を 目的 と して設置 して いる「平成22年度二重大学 国際交流事業経費助成」 に国際交流 セ ンターが応募 し、審査 を受 けて採択 され、40万円の学 内資金 を得て実施 された。学 内公募 の開始 が2010年 4月 応募締 め切 りが翌5月、採択通知 が翌6月、 そ して ツアー実施 が同年8月 とい う非常 な短 期間 に企画 か ら準備、実施 までを行 った ことにな る。

ツアーは4泊4日、参加学生数 は5名以 内に制 限 し、訪間先 と してベ トナム、 ホーチ ミ ン市のODAによる都市部 の開発現場lヶ所、 国際NGOによる農村部 の開発現場lヶ所、

ローカルNGOによる都市部 の開発現場lヶ所の訪間を計画 した。 また協定大学であるホー チ ミン市師範大学訪間 とベ トナム人学生 との交流活動 も組み込んだ。引率教員 は 1名 とし、

筆者 が担 当 した。参加者 は二重大生 か ら公募 したが、筆者 が英語 で授業す る「 日本の国際 協力」 と「 日本 の市民社会」 の受講生か ら優先 して募集 した。結果的に受講生 は5名3 名であ った。表 1,2に 日程 と参加学生 の概要 を挙 げる。

l JICA中 部なごや地球 ひろば

 

〒453‑0872愛 知県名古屋市中村区平池町

4丁

60‑7, TEL(052)533‑0220

‑69‑一

(6)

スタデ ィツアー 日程 日付

(2010年 8月

)

大 阪→ ホーチ ミン市

ホーチ ミン市 師範大学表敬訪 問

FFSC(ス

トリー トチル ドレン友 の会

)施

設見学

VJCC(ベ

トナム 日本人材協カ セ ンター

)見

Nhom VK(メ

コ ンデル タに小 さい橋 を架 ける会

)架

橋現場見学 二重大生各 1名 に師範大生

1‑2名

がつ いて グルー プ別市 内見学 ホーチ ミン市→大 阪

23日

(月)AM

PM

24日 (火)AM

PM 25日

(水)

26日

(木)

27日

(金)

二重大学国際交流 セ ンター紀要

参加学生

写真

ロ ンア ン省架橋現場 にて

2010年 8月 Linh撮

学 部 学 年

性層

J

年齢

2 職 業

出身地

人 文

学部

1  

人 文

修±

2

57 元会社員

  人 文

修±

2

55 高校教員

 

4

学部

1

鹿児 島

生 資

学部

1

3.訪問先 とプ ログラム内容 (1)ホーチ ミン市 師範大学

ホーチ ミン市 師範大学

3は

ベ トナムの南半分 を管轄す る国立 の教員養成大学である。学 生数 はホーチ ミン市 の本部 キ ャンパ スに正規学生 が 9,000人 、南部各都市 の分校生徒 を合 わせ ると計 22,000人 とな る。 幼稚 園・ 小学校・ 中学校 の教員養成 を専 門 とす るが、2008 年 に 日本語学科 を創設す るな ど総合大学 にな りつつ ある。

二重大学 は2008年に師範大学 を初訪 間、2009年に学術・ 学生交流協定 を締結 し、相互 に教員 の往来 を行 った。本 スタデ ィツアーでは初 の学生対学生 の交流 を計画、 ツアー初 日 に副学長 お よび担 当者 を表敬訪 問 した後、4日 目には5名の二重大生 ひ と りずつ に1‑2

名 の師範大生 (日本語学科学生)がつ いて、5グループに分 かれて市 内見学 をす るとい う 2年齢 は ツ ア ー実 施 当時 の もの。

3 Ho chi Minh City University of Pedagogy.280,An Duong Vuong,Dist.5,Ho Chi Minh City,Vietnam.

TEL(84)(8)38355070.

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(7)

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参加型開発教育の実践と考察 ものである。訪 問先 は各 グループ内で話 し合 って決 めることとし、移動 にはタクシーを使 い、訪 問、移動、飲食 にかか る実費 は二重大生 がグループ全員分 を負担す ることとした。

9時に二重大生 の宿泊先 に師範大生 が集合、バイ クを とめて グループごとば らば らに 出発 した。16時の集合時刻 までに全員 が無事 に戻 った。訪 問先 は学生 の 自宅、病院、 カ フェ、市場等 さまざまであ った。

(2)FFSC(ス トリー トチル ドレン友の会)ビンチ ュウ能力開発 セ ンター

FFSC(Friends fOr Street Children)4は ホ̲チ ミン市 のス トリー トチル ドレンのケアを 専 門 とす る民 間・ 非営利 の ローカルNGOであ る。1984年よ り創始者 が個人 的 に活動 を 開始、1993年に団体設立、1997年に政府公認 団体 の傘下 に入 り、市 内 8ヵ 所 の施設 で計 19500名のス トリー トチル ドレンおよび路上 に出 る リス クのあ る子 どもたちのケアを行 っ ている。

本 ツアーではFFSC最大 の施設 であ る ビンチ ュウ能力 開発 セ ンター

5を

訪 間、寄宿舎 の 見学 を したあ と参加学生 が用意 したマ ジックシ ョーや書道、折 り紙 な どを介 して子 どもた ちとの交流活動 を行 い、施設 で昼食 を とった。昼寝のあと午後の無料授業 を見学 して施設 を後 に した。

(3)VJCC(ベ トナム 日本人材協カ セ ンター)

VJCC(Vietnam Japan Human Resources Cooperation Center)6は 移行経済 国への ビジ ネス人材養成支援 を 目的 と して2000年よ り開始 され た」ICAプ ロジェク トであ る。 ベ ト ナムにはハ ノイ とホーチ ミン市 の 2ヶ 所 のセ ンターがあ り、ベ トナム側 カウンターパー ト の貿易大学 とともにJICAから派遣 された 日本人長期派遣専 門家 によ リプロジェク トが進 め られている。 その主 な活動 は ビジネス コースの開講、 日本語教員養成、相互理解促進事 業の3つであ る。

本 ツアニではセ ンター概要説 明、 内部見学 とともに、 日本人専門家 よ リベ トナム南部 の ビジネス概況の講義 を聴 くことができた。

(4)Nhom VK(メ コンデルタに小 さな橋を架 ける会)架橋現場

Nhom VKは 2004年に設立 された国際NGOである。 フラ ンスに本部 を置 き、 フラ ン ス、ベ トナム、米 国、 日本等の各国の越僑 を中心 に世界 中か ら資金 を集 め、ベ トナム南部 の農村 に小 さな橋 を架 ける活動 を行 っている。

4 FFSC。

140/4 VO ThiSau,Dist.3,Ho Chi Minh City,Vietnamo TEL(84)(8)3829‑6951.ffsc.vn@gmailocOm 5 Binh Trieu Development Center.30b/1 QuOC Lo 13,Phuong Hiep Binh Chanh,Dist.Thu Duc,Ho Chi Minh City,vietnam.TEL(84)(8)3726‑9450。

FFSCおよ び ビ ン チ ュ ウ 能 力 開 発 セ ン タ ー に つ い て は (吉

2009:

61̲63,151‑162)を

参 照 の こ と。

6 vJcc̲HCMC.15,Duong D 5,Dist.Binh Thanh,HO Chi Minh City,Vietnam.TEL(84)(8)3512‑2151

‑71‑

(8)

(2)

二重大学国際交流センター紀要

本 ツアニではロ ンア ン省 の農村 に完成 したばか りのコンク リー ト製 の橋 を見学、 ドナー

である津在住 め市民 に代 わ り完成式 に出席 した。

橋 のす ぐ傍 には公立小学校 があ り、児童 の大部分 が完成 した橋 を利用することにな る。

完成式後 は この小学校 の会議室 にて、地元人民委員会代表や学校長等と懇談 を行 った。板 や丸木でで きた従来 の橋 ではバイ クが渡れず急病人 が運べない。悪天時 には子 どもの落下 事故 も絶 えなか った。新 たな架橋工事 に際 しては、地元 も資金の半額 を負担、労力 を無償 で提供す るな ど、住民参加 の もとで進 め られたプロジェク トであ るとの説 明を得た。

(5)その他

宿 泊先 はFFSCの本部事務 局 に併設 され たゲス トルー ムを利用 した。 そのため毎 日 出入 りの際 に事務局での業務 の様子 をつぶ さに観察す ることがで きた。

ベ トナム人が経営す る縫製工場、ベ トナム戦争 の事跡であるクチ トンネル も計画外では あ ったが見学 した。 また 日本人女性 とベ トナム人男性 の結婚披露宴 に招かれ、ベ トナム風 の結婚パ ーテ ィを体験 した。

4.参加促進 の工夫

本 スタデ ィツアーは、次 のような条件か ら非常 に参加度の低 い、ワ1率教員 に連れて もらっ て見て回 るだけの物見遊 山で終わ る危険性 が大変 に高か った。すなわ ち、①参加学生が開 発 を専攻 していない、②短期間 に募集 したためフィール ドにつ いての予備知識が浅 い、③ 授業 として単位化 されていないので学 びへのイ ンセ ンテ ィブが低い、④滞在期間が短 い、

⑤外 国または途上 国 に行 った ことのない学生 が大多数 (5名 中4名)であ る、等 の条件 で あ る。

そ こで引率教員 の側 で はツアー準備・ 実施・ フォローの各段階 において学生の参加 を促 すため次 のよ うな工夫 を施 した。

(1)準備段階での工夫

 参加資格 :参加学生募集要項 に「教員 の後 を気楽 につ いてい くのではな く、 自主的 にツアーをつ くりあげてい こうとい う気持 ちのあ る参加者 を求 め る」 と明記 した。

 費用 の 自己負担 :往復 の航空券代、空港 までの国内旅費、現地 での宿泊費、食費等 すべて学生 の 自己負担 と して、「 自分 のお金 で行 く自分 の ツアー」 とな るよ うに し た。

アポ取 り実習 :全部で 4ヶ 所の訪問先に学生各1名、 さらにロジ担当の1名を加え、

訪間の 日程調整、訪問先への行 き方の確認、訪問 目的 とメンバー リス トの送付、 レ ンタカー手配等をすべて各担当学生が行 うようにした。

事前学習 :非 常 に時間の余裕がないなかで、出発前 に各学生が担当訪間先の概要に

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(9)

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ま下 妻償

参加型 開発教育 の実践 と考察

つ いて事前調査 を行 い、 口頭発表会を行 った。

(2)実施段階での工夫

 臨時引率者 の任命 :例えば出発時の空港 内では海外旅行経験 ゼ ロの学生 を「 ベテラ ン添乗員 の○○ さん」 と名づ けてチ ェックイ ンか ら搭乗 口への先導 までを担当させ た り、各訪問先 では担当学生 が引率 を行 う形 で、引率教員がなるだけ引率 を行わな い形 を取 るよ う努力 した。

 臨時団長 の任命 :各訪 問先 では、担 当学生 が団長 であ るとい う位置づ けと し、訪問 受 け入 れへのお礼 のス ピーチやお土産 品の贈呈 な ど、すべて担 当学生 が中心 とな っ て進 め、 引率教員 は末席 で見 ているよ うに した。

  自由行動時間の設定 :「日本人 は 自分 ひ とり」 とい う状況 を作 り出すため、各学生 に現地学生 1‑2名をつ けて市 内見学 を1日行 った。行 き先 は各学生 が現地学生 と 相談 して 自由に決 め ることと した。

  トラブル時の対応 :(ベ トナム入 国審査時 に)「 入 国カー ドを機 内に置 いてきた」

(帰

国 日の夜 に)「 出入 国 カー ドを宿 で捨 てて しま った」「航空券 をスーツケースに 入れて預 けて しま った」等 々の細 かい トラブルが生 じたが、本人 もしくは学生 同士 で協力 し合 って解決す るように対処 した。

写真ス トリー トチル ドレン施設にて 2010年 8月 田中撮影

(3)フ ォロー段 階 で の工 夫

 お礼状 :訪問受 け入 れのお礼状 を各担 当学生 が作成、 それぞれEメ ール にて先方 に送付 した (2010年 8月)。

 複数 の報告会 :見学 した架橋現場 の橋 を寄付 した津市民 の 自宅 を訪ねて ツアー報告 (2010年 9月

)、

学生 お よび県下 の一 般 市民 を集 め た国際理 解 イベ ン トで の発 表 (2010年 12月

)、

そ して学 内での正式報告会での報告 (20H年 3月)等、少 な くと 3回の報告 を学生 が行 う。 引率教員 が行 う東京 での国際開発学会報告 (2010年 ]の

≧促

(10)

二重大学国際交流センター紀要 巻第 )

12月)には、 ツアー参加 学生 の うち2名が 自費 で 出張 して 出席 した。

 自主企画 による報告書 :ペー ジ数、 フォーマ ッ ト、製本形式等(詳細 は一切学生任 せ に して費用 と必要機材 のみ引率教員が提供す る方法 で、報告書 を作成 した (2010 年 10月

)。

 報告書 の送付 :各訪 間先 に担 当学生作成 のカバー レターを同封 し、報告書 を送付 し (2010年 H月)。

 次 回ツアーのオ リエ ンテー シ ョン:今後 も同様 の ツアーを実施す るに当た っては、

今 回の参加学生 によるオ リエ ンテー シ ョンの実施 を予定 している。

 今後 のツアーの企画・ 引率 :も し再度参加 を希望す る学生 がいた らツアー企画、 引 率 の多 くを任せ る形 での実施 を検討 している。

  

1.ツアーの成果

4。 に述 べた よ うな様 々な工夫 を施 して実施 したスタデ ィッアーであ ったが、果 た し てね らい通 りに学生 の参加 が促進 され、学生 の学 びは深 まったのか。 ツアーの成果 を測 る ためにツアーの事前 と事後 に行 った参加学生へのア ンケー ト結果 を参照す る。

行 きの機 内で記入 した事前 ア ンケー トでツアー参加 の 目的を尋 ねた ところ、ベ トナムや 途上 国の雰囲気 を感 じたい とい う感性追及派 と、 よ り具体的にODA現場 や途上 国NGO、

社会主義 国を見 たい とい う現場見学派 の大 き く二つ に分 かれた。資金面 では、5名2名 が親 か らの出資 を得 ていた。少 な くとも社会人2名を含 む残 りの3名につ いては 自己資金 で参加す ることで「 自分 のツアー」 と感 じる効果があったのではないだろうか。 またツアー 中に不安 な点 につ いて尋 ねた ところ、食物、水、 ス リ等 の衛生・ 健康面や安全面 での回答 が多か った。 自分 の取 ったアポの相手がちゃん と待 っていて くれ るか心配、資金 が足 りる だろ うか とい うよ り実際的な不安 も述べ られていた。

帰 りの機 内での事後 ア ンケー トでは、全体 的にどうだ ったか一言で との問いに、「 よか っ た」 が4名、「 とて もよか った」 が 1名 で、総 じて学生側 か らの評価 は高 か った といえ る。

いちばん よか った訪 問先 とその理 由 と しては、FFSCと の回答が3名VICCと Nhom VK架橋現場 が各 1名であ った。FFSCがよか った理 由 と して、NGO活動 にお けるマネ ジメ ン トの重要性が学べた、 自分 で考 えて交流活動 を行 った こと、運営主体 とサー ビスを 受 ける側 の両方 と接す ることがで きた こと、社会主義国 における市民社会 の重要性 を感 じ ることがで きた、等が挙 げ られた。非常 に短 時間のスケ ジュールではあ ったが、FFSCで

は学生 の 自主企画 による交流 も実施 し、 さらに本部事務局 に滞在 しなが らケア現場 も訪問

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参加型開発教育の実践と考察 できた ことで、最 も学 びの機会 が充実 していた と考 え られ る。VICCと 答 えた学生 は、人 材育成 の重要性 を学 んだため、 またNhom VKを選 んだ参加者 は、 旧来 の橋 の危険性 や 架橋の必要性 が実感 で きた ことをその理 由 と して挙 げている。参加者5名の うち2名が 自 身の担当訪 問先 をいちばん よか った と してお り、事前調査 やアポ取 り等 を通 して さ らに興 味が深 ま った と推測 で きる。

ぃちばん よ くなか った訪 問先 と しては、5名4名が ホーチ ミン市 師範大学 だ と し、事 前勉強が不足 して いた こと、初 日の表敬訪間 に際 して立派 な応接間 に通 されて気後れ して しまい副学長 に要領 よ く質 問がで きなか った こと、 メモを取 ることさえ忘れていた ことな どが反省点 と して挙 げ られた。 ア ンケー トの趣 旨は主催者側 が用意 した訪 問先 の うちでい ちばん よ くなか った ものを尋ね ることにあ ったが、学生 の回答 は 自分 たちが訪 問時 に うま く対応 ので きなか った ことに対す る反省 を理 由 と した ものが多か った。 ほか には、夏休 み 中で授業 を見 られ なか った とい う理 由 も挙 げ られて いた。 また、 よ くなか った訪 問先 に

Nhom VKを選 んだ学生 は、 受益者側 の住民 との交流 がで きなか った ことを理 由 と して いた。師範大学訪問時の対応 のまず さについては、初 日夜の反省会で十分な話 し合 いを行 っ た結果、2日 日以降の訪 問先 では大幅 に改善 が見 られた。

友人 に も同様 のツアーヘの参加 を勧 めるか との問いには全員が「勧 める」 と しなが らも、

「 自主的な人 でない と無理 なので、人 を選んでか ら勧 め る」 とい う条件つ きが2名あ った。

参加 を促す工夫 を施 した ことで、学生 自身 も参加 を楽 しめた ことで評価 が よか ったが、友 人 につ いては参加型 に合 わない人 もいると学生 が 自覚 していた といえ る。

参加者 の学 びや ツアー後 に 自分 の変 わ った点 につ いての問 いで は、「 開発 を受益者 の視 点で見 ることがで きるよ うにな った」「社会貢献・ ベ トナム支援 の必要性 を実感 した」「N GOのマネ ジメ ン トが企業 のそれ に比 して個人 の資質 に頼 りす ぎて い ることを感 じた」

「社会福祉 は身近 で単純 な ことだ とわか った」 とい う開発学、 ボ ラ ンテ ィア学 や社会福祉 学 に直結 しそ うな学 び と同時 に、「 飛行機 が怖 くな くな った」「生 きる力 がつ いた」「 チ ャ

ンスを生 かせ るよ うに常 に心 の準備 を しようと思 った」 とい うよ うな人間 と しての変化 を 記 した学生 もあ った。参加 を促進す る工夫 を施 し、「 自分 で創 り上 げるツアー」 に近づ け た ことで、 よ り多 く、深 い学 びや変化 を学生 が感 じたのではないか と考 え られ る。

特 に海外初体験 で「 ベ テ ラ ン添乗員 の○○ さん」役 を こな した学生 は、「何 で もで きる 気がす る」 と断言、東京 での国際開発学会 には学部 1年生 で最年少参加 を果 た したばか り か学会員 同士 の懇親会 にまで出席、学会員諸氏 に大 きな感銘 を与 えた。 さ らに20H年 2

月 には ドイツヘの短期留学 を予定 している。単 にア ンケー トで「生 きる力がつ いた」 と答 え るばか りでな く、 それが実行 されている状況が観察 できる。

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(12)

(通巻第 )

2。 参加促進の しくみ

ここで、多 くの悪条件 が揃 っていた本事例で どのような しくみで学生 の参加が促進 され たのかにつ いて考察 してみ る。       .

先行研究か ら得 られた図1を利用 して、本事例 のスタデ ィツアーにおける関係者 を当て はめてみ ると図2が得 られ る。

スタディッアーの関係者 (高2008:151を参考に筆者作成)

先行研究 の事例 では、JICAカ ンボ ジア事務所 が受入 団体 とな り、現地 の訪問先 をア レ ンジ していた。通常のスタデ ィッアーではこの現地取 りまとめ役 ともいえ る「受入団体」

が存在 している。 しか し本研究のベ トナムスタデ ィッアァではこれを通 さず、直接 に各訪 問先 に連 絡 を取 り、訪 間を依頼 し、訪問先 ごとに受入の約束 を得 た。 しか もその通信業務 をすべて参加学生 に任せ るとい う方法 を取 った。

これが可能 とな った背景 には、 引率教員の過去 の経歴が大 き く関与 している。以下、訪 問先別 にその背景 を考察す る。

(1)ホーチ ミン市師範大学

そ もそ も二重大学か ら協定 の話 を初 めて師範大学 に持 ち込んだのは引率教員である筆者 であ る。 その後 の両大学問の交流事業 において も、筆者が教員 として招へいされ師範大学 で集 中授業 を行 うな ど先頭 に立 って両大学問の交流 を進 めている。2009年6月師範大 学か ら副学長一行 を二重 に招待 した際 も、受入責任者 のひとりと して公私 ともにお世話 さ せていただいた。 また2009年 8月 に筆者 が私費 の家族旅行 でホーチ ミン市 を訪れた際に も個人 的に招待 を受 けるな ど、大学の枠 を超えた人間関係が確立 されている。

参加学生 にアポイ ン トのア レンジを任せて要領 を得ず失礼 な言動が多 々あることは予想 されたが、 それを予め断 って、「学生 の教育 のために我慢 して くだ さい」 とお願 いできる だけの関係がすでにあ った。 また 日本語学科学生 を 日本人学生 につ けて市内見学をす る計 画 は、 そ もそ も師範大学側 か ら出てきていたアイデアであ った。

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開発 者 を 適 て 先 と のた 調整

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(13)

(2)FFSC(ス トリー トチル ドレン友 の会)ビンチ ュウ能力開発 セ ンター

FFSCは 1992年か ら引率教員 が 1ドナー と して支援、1993年か ら2005年にか けて は、

経営幹部の一員 と して立 ち上 げにかかわ り、主 として対 日広報・ 資金調達 に当た ってきた。

2010年現在 も、 資金 の約7割が 日本 も しくは 日系 の団体 や個人 か ら調達 されて い るが、

これの布石 を敷 いた といえ る。本団体 の本部事務局 での宿泊や能力 開発 セ ンター訪間にお ぃては最大 の協力 が得 られ る体制があ り、学生 に連絡係 を任せて も安心 で きるだけの関係 があ った。

(3)V」CC(ベ トナム 日本人材協カ セ ンター

)

V」CCホーチ ミン市 は2001年に立 ち上 が ったJICAプロジェク トで あ るが、 引率教員 はこの立 ち上 げ にか かわ る初代業務調整専 門家 と して2004年まで の2年半 を勤 めた。

2010年現在 の訪 問受入担 当窓 回は3代目にあた る業務調整専 門家 であ るが、 いわば引率 教員の後輩 に当た る。 こち らにおいて も「学生 が失礼 な対応 をす ることがあ るか もしれな いが、教育 のためお許 し願 いたい」 旨の断 りを教員 か ら予 め入 れた上 で、学生 が連絡調整 に当た った。

(4)Nhom VK(メ コンデルタに小 さな橋を架 ける会)架橋現場

筆者 は この国際NGOの 日本代表 を担 当 している。すでに 日本 か らはツアー実施時点で 3本の架橋実績 があ り、 その うちの最新 の1本を視察す るとい う形 で ツアーが実現 した。

団体 の創設者 であ るベ トナム駐在代表が訪問受入担 当窓 口であ るが、 引率教員 とは旧知 の 間柄で もあ り、 ツアー参加学生 が直接英語 で訪 間のア レンジをす ることに問題 はなか った。

以上 のよ うに主 な4ヶ所 の訪 問先 はすべて引率教員 にとって、気心 の知 れた、訪 問受入 担当者 との関係構築 が しっか りで きているところばか りであった。 同時 に、 開発現場 と し ては (2)の ロー カルNGOによ る都市 ス ラム人 間開発、(3)ODAによる ビジネス人材 開発、(4)国NGOによる農村小規模 イ ンフラ開発 と、異 な る主体 に よる、異 な る受益 者を対象 と した、異 な る種類 の現場 が揃 っていて、短期間のスタデ ィツアーを組むには最 適であ った といえ る。

以上 の条件 を総合す ると、 図3が得 られ る。 関係者 は三者 に限 られ、参加者 は現地訪 問 先 との直接 の連絡窓 口とな る。実施 団体 と現地 の訪 問先 には実 は非常 に太 いパ イプがある のだが、 それ は学生 にはあま り知 らされず

(点

線 で表示

)、

学生 は 自分 が しっか り訪 間の 調整 を しな けれ ば と一所懸命 にな る。 そのために、Ⅲ l。 で見 たよ うに、「 自分 がアポを 取 った相手 が ちゃん と待 っていて くれ るか心配」 とい った不安 が、事前 ア ンケー トのなか で述べ られているのである。 また各訪問先 に着 くと、緊張 に震え る声で団長 と して挨拶 の ス ピーチ と団員紹介 を行 うていた学生 もあ った。

‑77‑一

(14)

第 6号

(通

巻第 13号

)

スタディツアーの関係者 (高2008:151を参考に筆者作成)

また訪 問先 と担 当学生 の関係 は事前調整 と訪 間時だけには限 らない。 ツアー終了後のお 礼状、報告書 の執筆担 当、報告書送付時のカバ ー レター・ 封筒作成 と、 スタデ ィッアー前 後 を含 め一環 して続 くよ うに工夫 されている。

このよ うな しくみがあ ったか らこそ、多 くの悪条件 のなかで も参加型で学生 の学 びの多 いスタデ ィツアーが実施 された と考 え られ る。

おわ りに

本報告 では多 くの悪条件 のなかで何 とか学生 の参加 を促進す る工夫 を しなが ら実施 した スタデ ィッアーを事例 とした6所与 の条件 の下 ではやむを得 ない措置であ った とはいえ、

そ もそ もその悪条件 自体 を解決す る努力 は必要 である。 ツアーは募集時期 を早 めて、 自主 的な準備勉強会 の時間をよ り多 く持 ち、 フィール ドの基礎知識 を深 めてか ら出発す るに越 した ことはない。 またよ り早期 に資金が獲得 できれば、年間 シラバ スに掲載 してツアーを 授業 と して単位化 す ること も可能 で あ る。 実 際 に2010年 H月現在、20H年度 にお ける ツアT単位化 に向けて準備 を進行 中である。

今後 は学生 の さ らな る参加促進 を図 るとともに、 ツアーでの学 びを阻害す る悪条件 の払 拭 に も力 を注 いでいきたい。

本研究 で明 らか に した参加促進 の しくみにつ いては、 たまたまそ うい う条件 の整 った引 率教員 が いたか らこそ可能 であ り、多 くのスタデ ィツアーには当てはま らない とい う論議 もあろ う。 しか し、 た とえ引率教員 が現地 に長期滞在 しNGOや ODAプロジェク トを立 ち上 げた経験 がな くて も、研究 や業務 出張の機会 に現地 の訪問先 と信頼 関係 を構築 してい くことは十分可能 であろ う。訪 問先

(1)の

ホーチ ミン市 師範大学 な どは、 これ にあた る。

その意味で、本研究 で分析 した参加促進 の しくみは、他 のスタデ ィツアーに も応用 が可能 であると信 じている。

本事例 のツアーは開発現場 での実務 か ら教育者 に転職 して 日が浅 い筆者 にとっての初 の

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実施 団体:二重大学

国際交流セ ンター

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試 み で あ つた。 研 究 報 告 を 行 う こ とで 同業 の 先 達 か ら多 くの示 唆 と忠 告 を 期 待 して い る。

謝 辞

引率教員 の風変 わ りな「 引率」 に驚 きなが らも、努力 を惜 しまず「 自分 た ちの ツアー」 を創 り上 げて くれた

5名

の学生 に感謝す る。

引用文献 日本語文献

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JICAカ

ンボ ジア事務所 での経験 に基づ い て一」筑波学院大学紀要第

3集

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田中

 

博 (2001)「 スタデ ィツアーの現状 と課題」『 開発教育 一公正 な地球社会 のための教育』誌、

No.44、

開発教育協議会、東京、

pp04… 7

西川芳 昭 (2002)「 地域文化 開発論」九州大学 出版会

西川芳 昭・ 佐藤 剛史 (2006)「 大 学専 門教育 にお け る参加型学習

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ー クシ ョップ

)手

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二重大 学 国 際交 流 セ ンタ ー資料

吉井 美 知 子 (2009)「 立 ち上 が るベ トナ ムの市 民 と

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明石 書 店

渡辺

 

恵 (2001)「 国際協 力市民組織

(NGO)に

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NGOス

タデ ィ・

ツア ー参 加 者 の学 習 プ ロセ スの分 析 一」 筑 波大 学 大 学 院教 育 学 研 究 集 録 、 筑 波 大 学 大 学 院教 育 学 研 究 科 、

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英語 文 献

Chambers,RObert.(1997)レ

協 θ

s̀R̀αJ′

Cθzη

Jら

Intermediate Technology Publications,London

(邦

訳 :チ ェ ンバ ー ス、 ロバ ー ト (2000)「 参 加 型 開発 と国 際 協 力 二変 わ るの は わ た した ち」 明 石 書 店 、 東 京

)

‑79‑

表 1  スタデ ィツアー 日程 日付 (2010年 8月 ) 大 阪→ ホーチ ミン市 ホーチ ミン市 師範大学表敬訪 問 FFSC(ス トリー トチル ドレン友 の会 )施 設見学 VJCC(ベ トナム 日本人材協カ セ ンター )見 学 Nhom VK(メ コ ンデル タに小 さい橋 を架 ける会 )架 橋現場見学 二重大生各 1名 に師範大生 1‑2名 がつ いて グルー プ別市 内見学 ホーチ ミン市→大 阪23日(月)AMPM24日(火)AMPM25日(水)26日(木) 27日 (金 ) 二重大

参照

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