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都市自治体の労働コスト格差と要因分析

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Academic year: 2021

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都市自治体の労働コスト格差と要因分析

著者 林 亮輔

雑誌名 九州地区国立大学教育系・文系研究論文集

巻 1

号 1

発行年 2013‑10

URL http://hdl.handle.net/10232/00030028

(2)

都市自治体の労働コスト格差と要因分析

1

An Empirical Analysis of Labor Productivity : The Case of Japanese Municipalities

林 亮 輔

2

1. は じ め に

地 方 財 政 に お け る 人 件 費 は 、歳 出 総 額 に 占 め る 割 合 が 都 道 府 県 で 28.8%( 平 成 22 年 度 決 算 )、市 町 村 で 18.1%( 同 )と 、性 質 別 歳 出 の 中 で 最 大 の ウ ェ イ ト を 占 め て お り 、 近 年 の 地 方 財 政 危 機 を 契 機 と し て 、 多 く の 自 治 体 で 給 与 水 準 の 抑 制 と 職 員 数 の 削 減 が 行 わ れ て い る 。

し か し 、平 成 22 年 に お け る 政 令 市 を 含 む 市 の 一 般 行 政 職 の 平 均 給 料( 年 額 ) を 比 較 す る と 、千 葉 県 市 川 市 の 452.64 万 円 か ら 、北 海 道 夕 張 市 の 317.16 万 円 ま で 、 自 治 体 間 の 差 は 非 常 に 大 き い 。 人 口 千 人 当 た り 職 員 数 に つ い て も 、 最 多 の 北 海 道 歌 志 内 市 が 15.91 人 、最 少 の 愛 知 県 春 日 井 市 が 2.44人 と 、大 き な 差 が あ る 。 こ う し た 格 差 は 、 行 政 サ ー ビ ス の 供 給 に 関 す る 自 治 体 間 の 効 率 性 格 差 の 存 在 を 予 想 さ せ る 。 し か し 、 人 件 費 の 格 差 に は 、 例 え ば 、 規 模 の 経 済 性 に よ っ て 人 口 規 模 が 大 き い 自 治 体 ほ ど 人 口 当 た り 職 員 数 が 少 な く な る な ど 、 各 自 治 体 が 置 か れ て い る 環 境 の 相 違 に よ っ て 発 生 し た 部 分 も あ り 、 格 差 の す べ て を 効 率 性 の 大 小 に 帰 属 さ せ る わ け に は い か な い 。

自 治 体 の 人 件 費 の 高 低 を 評 価 す る 際 、「 ラ ス パ イ レ ス 指 数 」が 用 い ら れ る こ と が 多 い 。 し か し 、 ラ ス パ イ レ ス 指 数 は 自 治 体 ご と の 給 与 水 準 の 高 低 を 把 握 す る こ と が で き る も の の 、 自 治 体 間 に 生 じ て い る 給 与 水 準 格 差 が 、 効 率 性 の 違 い に よ っ て 生 じ て い る の か 、 あ る い は 、 環 境 の 違 い に よ っ て 生 じ て い る の か を 把 握 す る こ と は で き な い 。 ま た 、 人 件 費 は 給 与 水 準 と 職 員 数 の 両 方 の 影 響 を 受 け る に も か か わ ら ず 、 ラ ス パ イ レ ス 指 数 は 、 人 件 費 を 部 分 的 に 検 証 し て い る に 過 ぎ

1 本 稿 は 、 日 本 地 方 財 政 学 会 第 18 回 大 会 ( 青 山 学 院 大 学 ) で の 報 告 論 文 に 加 筆 、 修 正 し た も の で あ る 。本 稿 の 作 成 に 際 し て 、川 崎 一 泰 先 生( 東 洋 大 学 )、沼 尾 波 子 先 生( 日 本 大 学 )、 林 宜 嗣 先 生 ( 関 西 学 院 大 学 )、 本 稿 を 審 査 し て 下 さ っ た 先 生 か ら 数 多 く の 有 益 な コ メ ン ト 及 び ア ド バ イ ス を い た だ い た 。 こ こ に 記 し て 感 謝 の 意 を 表 し た い 。 な お 、 本 稿 に つ い て の 責 任 は 、 す べ て 筆 者 に 帰 す る 。

2 鹿 児 島 大 学 法 文 学 部 経 済 情 報 学 科 准 教 授 。E-mail[email protected]

(3)

な い 。 一 方 、 人 口 当 た り 職 員 数 の 「 類 似 団 体 と の 比 較 」 も 同 様 の 問 題 を 抱 え て い る3

本 稿 の 目 的 は 、 こ う し た 従 来 の 指 標 の 欠 点 を 視 野 に 置 き 、 自 治 体 間 に 生 じ て い る 人 件 費 格 差 を 、「 給 与 水 準 格 差 」と「 職 員 数 格 差 」の 両 方 か ら 把 握 す る と と も に 、 そ れ ぞ れ の 格 差 を 生 じ さ せ て い る 要 因 を 、 ① 自 治 体 が 置 か れ て い る 環 境 の 違 い に 左 右 さ れ る 部 分 と 、 ② 行 政 運 営 に お け る 自 治 体 の 効 率 性 の 違 い に よ っ て 生 じ る 部 分 に 分 解 し 、検 証 す る こ と で あ る 。本 稿 で は 、前 者 を「 非 裁 量 要 因 」、

後 者 を 「 裁 量 要 因 」 と 呼 ぶ こ と に す る 。 も ち ろ ん 、 非 裁 量 要 因 と 裁 量 要 因 を 明 確 に 分 離 す る こ と は 困 難 で あ る し 、 個 々 の 自 治 体 に 存 在 す る 特 別 な 非 裁 量 要 因 を 抽 出 す る こ と も 難 し い と い う こ と は 、 断 っ て お か な け れ ば な ら な い 。

本 稿 の 構 成 は 以 下 の 通 り で あ る 。 本 稿 で は 分 析 対 象 を 人 件 費 総 額 で は な く 職 員 給 与 ( 以 下 、 労 働 コ ス ト と す る ) と し て い る が 、 第 2 節 で は そ の 理 由 を 示 す と と も に 、 労 働 コ ス ト に 影 響 を 及 ぼ す 非 裁 量 要 因 を 特 定 化 す る 際 の 考 え 方 を 提 示 す る 。 第 3 節 で は 給 与 水 準 、 第 4 節 で は 職 員 数 に つ い て 、 自 治 体 に 共 通 し て 存 在 す る 非 裁 量 要 因 を 抽 出 し 、 自 治 体 間 格 差 に 及 ぼ す 影 響 を 推 計 す る 。 本 稿 で は 、 特 に 「 平 成 の 大 合 併 」 の 影 響 に つ い て も 検 証 し て い る 。 第 5 節 で は 、 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 い た 給 与 水 準 お よ び 職 員 数 を 求 め た う え で 、 両 者 か ら 得 ら れ る 労 働 コ ス ト を も と に 、 自 治 体 間 格 差 の 背 景 に 存 在 す る 要 因 を 検 証 す る 。

自 治 体 の 効 率 性 分 析 に つ い て は 、DEA(Data Envelopment Analysis) や SFA(Stochastic Frontier Approach)を 用 い る こ と も 考 え ら れ る が 、本 稿 で は 、

① 公 営 企 業 の よ う に ア ウ ト プ ッ ト が 明 確 で は な い 一 般 会 計 全 体 を 対 象 と し て い る こ と 、 ② ラ ス パ イ レ ス 指 数 や 人 口 当 た り 職 員 数 の 単 純 比 較 と い っ た 、 人 件 費 に 関 す る 従 来 の 指 標 の 問 題 点 を 明 確 に し 、 そ の 修 正 を 行 う こ と 、 ③ イ ン プ ッ ト

( 職 員 数 ) お よ び イ ン プ ッ ト 単 位 当 た り コ ス ト ( 給 与 水 準 ) の 自 治 体 間 格 差 を よ り 詳 細 に 分 析 す る と い う 目 的 が あ る こ と 等 の 理 由 か ら 、 最 小 二 乗 法 に よ る 分 析 を 採 用 し て い る 。

3 類 似 団 体 と の 比 較 を 用 い た 議 論 で は 、人 口 」と「 産 業 構 造( 産 業 別 就 業 人 口 の 構 成 比 )」

が 似 通 っ た 自 治 体 同 士 を 比 較 す る こ と に よ り 、 こ れ ら の 違 い に よ っ て 生 じ る 格 差 部 分 を 取 り 除 い て い る が 、 給 与 水 準 格 差 あ る い は 職 員 数 格 差 に 影 響 を 及 ぼ す 環 境 要 因 が 他 に も 考 え ら れ る こ と か ら 、 人 件 費 を 論 ず る 上 で 十 分 な 指 標 で あ る と は 言 え な い 。

(4)

2. 分 析 対 象 と す る 給 与 お よ び 職 員 の 範 囲 と 非 裁 量 要 因 の 特 定 化

2.1 給 与 お よ び 職 員 の 範 囲

地 方 財 政 に お け る 人 件 費 は 、 職 員 給 与 、 地 方 公 務 員 共 済 組 合 等 負 担 金 、 退 職 金 、 委 員 等 報 酬 、 議 員 報 酬 手 当 な ど か ら な っ て い る 。 自 治 体 間 比 較 を 行 う 際 に は 、 経 常 的 に 支 出 さ れ 、 か つ 比 重 の 大 き い 経 費 を 対 象 と す る の が 適 当 で あ る と 考 え ら れ る こ と か ら 、 本 稿 で は 職 員 給 与 を 「 労 働 コ ス ト 」 と 定 義 し 、 分 析 対 象 と す る 。

労 働 コ ス ト は 、

労 働 コ ス ト ( 職 員 給 与 ) = 給 与 水 準 ×職 員 数 (1)

と 分 解 で き 、 給 与 水 準 に 職 員 数 を 乗 じ た も の で あ る 。 し た が っ て 、 自 治 体 間 の 労 働 コ ス ト 格 差 は 、「 給 与 水 準 格 差 を 生 じ さ せ て い る 要 因 」と「 職 員 数 格 差 を 生 じ さ せ て い る 要 因 」 に よ っ て 生 じ て い る こ と に な る 。

次 に 、 職 員 給 与 に つ い て も 分 析 対 象 を 調 整 す る 必 要 が あ る 。 地 方 公 務 員 の 給 与 は 、① 給 料 、② 地 域 手 当 や 通 勤 手 当 と い っ た「 諸 手 当 」、③ 民 間 に お け る 賞 与 な ど の 特 別 給 に 見 合 う 手 当 と し て 支 給 さ れ る「 期 末 手 当 」、④ 職 員 の 勤 務 成 績 に 対 す る 報 償 的 意 図 を も つ 「 勤 勉 手 当 」 に よ っ て 構 成 さ れ て い る 。

諸 手 当 は 職 員 の 勤 務 に 対 す る 実 質 保 障 の 性 格 を 持 っ て お り 、 地 域 的 な 特 殊 事 情 に よ る 部 分 が 大 き い4。し た が っ て 、本 稿 で は 、諸 手 当 を 分 析 対 象 か ら 除 外 す る 。 ま た 、 勤 勉 手 当 に 関 し て は 、 給 与 水 準 を 引 き 上 げ る 要 素 に な っ て い る と も 考 え ら れ る が 、 手 当 の 本 来 の 目 的 は 「 職 員 の 成 果 に 対 す る 報 酬 」 で あ り 、 恒 常 的 な も の で は な い と い う 点 を 考 慮 し 、 自 治 体 間 の 給 与 水 準 の 差 に は 含 め な い 。 職 員 に 関 し て は 、『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』に お い て「 全 職 員 」、「 一 般 職 員 」、

4 諸 手 当 に は 、 寒 冷 積 雪 の 度 合 の 厳 し い 地 域 に 勤 務 す る 職 員 に 対 し て 支 給 さ れ る 「 寒 冷 地 手 当 」 や 、 地 域 の 民 間 賃 金 水 準 を 公 務 員 給 与 に 適 切 に 反 映 す る た め 、 民 間 賃 金 の 高 い 地 域 に 勤 務 す る 職 員 に 支 給 さ れ る「 地 域 手 当 」な ど が 含 ま れ て い る 。「 地 域 手 当 」に 関 し て は 、 国 基 準 の 支 給 率 に 比 べ て 、 高 く 支 給 を し て い る 自 治 体 が 存 在 す る こ と か ら 、 本 稿 で 分 析 対 象 と し た 「 給 料 」 と 「 期 末 手 当 」 に 「 地 域 手 当 」 を 加 算 し た 額 を 給 与 水 準 と し 、 非 裁 量 要 因 に 民 間 給 与 水 準 を 加 え て 分 析 す る こ と も 考 え ら れ る 。 し か し 、 自 治 体 単 位 で 民 間 給 与 水 準 を 知 る こ と が で き な い た め 、 地 域 手 当 を 加 算 す る と 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 け な い と い う 問 題 が 生 じ る 。そ こ で 、本 稿 で は 地 域 手 当 を 加 え ず に「 給 料 」と「 期 末 手 当 」 の み を 分 析 対 象 と す る 。

(5)

「 一 般 行 政 職 員 」 の 3つ に 分 類 さ れ て い る 。 専 門 職 の 雇 用 は 自 治 体 の 規 模 や 財 政 力 な ど の 要 因 に 左 右 さ れ る こ と か ら 、 本 稿 で は 、 自 治 体 間 の 業 務 内 容 に 偏 り が 生 じ な い よ う 、専 門 的 な 職 種 が 含 ま れ な い「 一 般 行 政 職 」を 分 析 対 象 と す る5。 以 上 の こ と か ら 、 本 稿 で は 、 図 1に 示 さ れ て い る よ う に 、 給 料 と 期 末 手 当 か ら 構 成 さ れ る 「 給 与 」 と 、 一 般 行 政 職 員 の 「 職 員 数 」 を 用 い 、 都 市 自 治 体 ( 政 令 市 を 含 む 市 )を 対 象 と し た 労 働 コ ス ト 格 差 の 要 因 分 析 を 行 う6。な お 、経 年 の 変 化 を 検 証 す る た め に 、 平 成 15 年 、 そ し て 、 平 成 19 年 か ら 平 成 22 年 を 分 析 対 象 年 度 と す る 。

図 1 分 析 対 象 と す る 給 与 お よ び 職 員 の 範 囲

2.2 非 裁 量 要 因 の 特 定 化

地 理 的 条 件 な ど 自 治 体 の 裁 量 が 及 ば な い 要 因 に よ っ て 生 じ る 格 差 を 除 去 す る た め に は 、 非 裁 量 要 因 を 特 定 し て お か な く て は な ら な い 。 そ こ で 、 ま ず 、 ① 地

5 自 治 体 ご と に 一 般 行 政 職 員 数 の 内 訳 が 異 な る こ と か ら 、 一 般 行 政 職 を 分 析 対 象 と し て も 、 個 々 の 自 治 体 に 存 在 す る 特 殊 事 情 を 排 除 で き て い な い 可 能 性 も 考 え ら れ る 。 し か し な が ら 、 一 般 行 政 職 員 の ほ と ん ど が 「 そ の 他 の 一 般 事 務 関 係 職 」 に 属 し て お り 、 給 料 な ど の デ ー タ が 得 ら れ る 最 低 限 の 分 類 で あ る こ と か ら も 、 一 般 行 政 職 を 分 析 対 象 と す る 。

6 職 員 給 与 に 占 め る 労 働 コ ス ト の 割 合 は 、 神 奈 川 県 横 浜 市 で は 27.3% ( 平 成 22 年 ) で あ る 。 な お 、 平 成 19 年 か ら 平 成22 年 は 、 財 政 再 建 団 体 で あ る 北 海 道 夕 張 市 を 除 い て 分 析 を 行 う 。

期 末 手 当

勤 勉 手 当

給与

全 職 員 一 般 職 員 一 般 行 政 職 員 給 料

諸 手 当

・・・職 員 給 与

・・・分 析 対 象

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方 交 付 税 の 基 準 財 政 需 要 額 の 算 定 に お い て 用 い ら れ て い る 「 補 正 」 を 参 考 に 非 裁 量 要 因 を 選 定 す る 。 そ し て 、 本 稿 で は 、 全 国 の 都 市 自 治 体 を 対 象 に 、 非 裁 量 要 因 を 調 整 し た 労 働 コ ス ト を 算 出 し 、 現 実 の 労 働 コ ス ト と の 乖 離 を 検 証 す る こ と か ら 、 ② 選 定 し た 非 裁 量 要 因 の 中 で 、 多 く の 自 治 体 に 存 在 し 、 統 計 的 に 有 意 な 変 数 を 最 終 的 に 利 用 す る7

3. 給 与 水 準 格 差 の 非 裁 量 要 因

3.1 給 与 水 準 格 差 と 非 裁 量 要 因 候 補

一 般 行 政 職 員 の 給 与 水 準 に 関 す る 基 本 統 計 量 が 表 1 に 示 さ れ て い る 。給 与 水 準 の 全 市 平 均 値 は 年 々 低 下 傾 向 に あ り 、 自 治 体 間 の 給 与 水 準 格 差 も 縮 小 し て い る 。 し か し 、 平 成 22 年 の 給 与 水 準 を 見 る と 、 給 与 水 準 の 最 高 額 は 東 京 都 国 立 市 の 579.33 万 円 で あ る の に 対 し 、 最 低 額 は 北 海 道 留 萌 市 の 402.62 万 円 と 、自 治 体 間 の 差 は 依 然 と し て 大 き い 。

し か し な が ら 、 こ の よ う な 給 与 水 準 格 差 に は 、 自 治 体 が 置 か れ て い る 環 境 の 違 い ( 非 裁 量 要 因 ) に よ っ て 生 じ て い る 部 分 も 含 ま れ て お り 、 現 実 の 給 与 水 準 が 高 い 自 治 体 を 非 効 率 な 行 政 運 営 の 結 果 だ と 結 論 づ け る の は 早 計 で あ る 。

給 与 水 準 に 影 響 を 及 ぼ す 非 裁 量 要 因 と し て 、 第 1 に 職 員 の 年 齢 構 成 が あ げ ら れ る 。 平 成 22 年 に お け る 各 自 治 体 の 職 員 の 平 均 年 齢 を み る と 、 最 も 高 い 青 森 県 つ が る 市 で は 48.3歳 、最 も 低 い 秋 田 県 鹿 角 市 、福 岡 県 行 橋 市 で は 39.3歳 と 、 自 治 体 間 の 職 員 の 年 齢 構 成 に は 大 き な 差 が 存 在 し て い る 。 地 方 公 務 員 の 給 与 形

表 1 給 与 水 準 に 関 す る 基 本 統 計 量

( 資 料 )『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』 よ り 作 成 。

( 注 ) 平 成 15 年 に つ い て は 、 長 野 県 佐 久 市 に お け る 期 末 手 当 の デ ー タ が 得 ら れ な い こ と か ら 除 外 し て い る 。

7 し た が っ て 、 特 定 の 自 治 体 の み に 存 在 し 、 聞 き 取 り 調 査 等 を 行 わ な け れ ば 判 明 し な い 非 裁 量 要 因 に つ い て は 、 考 慮 し て い な い 。

単位:万円 平成15年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年

最大 692.79 654.36 645.07 610.85 579.33

最小 455.35 418.70 382.71 418.02 402.62

平均 561.20 533.28 527.72 522.06 505.93

標準偏差 34.56 31.87 30.22 27.97 24.47

標本数 676 781 782 782 785

(7)

態 が 年 功 序 列 に な っ て い る こ と か ら 、 職 員 の 年 齢 構 成 の 違 い に よ っ て 給 与 水 準 格 差 が 生 じ て い る と 予 想 さ れ る8

職 員 の 年 齢 構 成 が 高 く 、 そ の た め に 給 与 水 準 が 高 く な っ て い る こ と は 、 自 治 体 の 非 効 率 性 を 表 し て い る と い う 考 え も あ ろ う 。 し か し 、 現 時 点 で 年 齢 構 成 が 低 い 自 治 体 も 、 若 年 職 員 が 早 期 退 職 を し な い 限 り 年 齢 は 上 昇 し 、 給 与 水 準 は 上 昇 し て い く 。 つ ま り 、 現 時 点 で の 年 齢 構 成 の 違 い は 、 非 裁 量 要 因 で あ る と 考 え る 方 が 適 当 で あ る 。

第 2 の 非 裁 量 要 因 と し て 、市 町 村 合 併 の 有 無 が あ げ ら れ る9。分 析 対 象 年 度 で あ る 平 成 15 年 、 そ し て 、 平 成 19 年 か ら 平 成 22 年 ま で は 、 市 町 村 合 併 が 数 多 く 行 わ れ て お り 、 合 併 の 有 無 が 給 与 水 準 に 何 ら か の 影 響 を 及 ぼ す こ と が 予 想 さ れ る 。 特 に 、 新 設 合 併 の 多 く は 町 村 同 士 の 合 併 で あ り 、 表 2に 示 さ れ て い る よ う に 、 町 村 の 給 与 水 準 は 市 の 給 与 水 準 に 比 べ て 低 い こ と か ら 、 新 設 合 併 に よ っ て 新 た に 市 に 昇 格 し た 自 治 体 の 給 与 水 準 は 、 合 併 を 経 験 し て い な い 市 の 給 与 水 準 に 比 べ て 低 い と 考 え ら れ る 。 つ ま り 、 現 実 の 給 与 水 準 を 比 較 し た 場 合 、 新 設 合 併 に よ っ て 市 に 昇 格 し た 自 治 体 の 給 与 水 準 が 低 か っ た と し て も 、 そ れ は 削 減 努 力 を し た こ と に よ っ て 低 い 水 準 に 抑 え ら れ て い る わ け で は な く 、 新 設 合 併 に よ っ て 低 い 水 準 に 留 ま っ て い る だ け で あ る 。 し た が っ て 、 新 設 合 併 の 有 無 は 給 与 水 準 格 差 を 生 じ さ せ る 非 裁 量 要 因 で あ る と 考 え ら れ る 。

表 2 市 と 町 村 に お け る 給 与 水 準 の 違 い ( 平 成 22 年 )

( 資 料 )『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』 よ り 作 成 。

8 『「 地 方 公 務 員 の 給 与 の あ り 方 に 関 す る 研 究 会 」 報 告 書 』 に お い て も 、 地 方 公 務 員 の 給 与 形 態 が 年 功 的 で あ る と の 指 摘 が さ れ て い る 。

9 市 町 村 合 併 を 行 う か ど う か は 、 自 治 体 の 裁 量 に よ っ て 決 め ら れ る こ と か ら 、 非 裁 量 要 因 で は な い と も 考 え ら れ る 。 し か し 、 人 件 費 の 抑 制 の み を 目 的 と し て 、 市 町 村 合 併 が 行 わ れ て い る わ け で は な い た め 、 本 稿 で は 非 裁 量 要 因 と す る 。

単位:万円 市 町村

最大 579.33 560.92

最小 402.62 371.31

平均 505.93 481.64

標準偏差 24.47 28.98

標本数 785 941

(8)

一 方 、 編 入 合 併 に つ い て は 、 そ の 多 く が 市 と 町 村 と の 合 併 で あ り 、 合 併 を 経 験 し て い な い 市 と の 間 に 給 与 水 準 の 差 を 生 じ さ せ な い と 考 え ら れ る が 、 編 入 合 併 が 給 与 水 準 に 及 ぼ す 影 響 は 定 か で は な い こ と か ら 、 こ の 点 に つ い て も 検 証 を 行 う 。

3.2 推 計 結 果 - 給 与 水 準 格 差 と 非 裁 量 要 因 -

給 与 水 準 格 差 の 非 裁 量 要 因 と し て 、「 職 員 の 年 齢 構 成 」と「 市 町 村 合 併 の 有 無 」 を あ げ た が 、 実 際 に こ れ ら の 非 裁 量 要 因 に よ っ て 自 治 体 間 の 給 与 水 準 格 差 が 生 じ て い る の だ ろ う か 。「 給 与 水 準( ܵܣܮ)」を 被 説 明 変 数 、「 職 員 の 年 齢 構 成(ܣܩܧ)」、

市 町 村 合 併 の 有 無 を 表 す 「 新 設 合 併 ダ ミ ー ( ܦܷܯ௦௛௜௡)」 と 「 編 入 合 併 ダ ミ ー

(ܦܷܯ௛௘௡)」 を 説 明 変 数 と し た 、

ܵܣܮ=ߙ+ߚ∗ܣܩܧ∗ܦܷܯ௦௛௜௡௜∗ܦܷܯ௛௘௡௜ (2)

を 推 計 し 検 証 を 行 う 。 な お 、 添 字݅は 自 治 体 を 表 す 。

給 与 水 準 は 、『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』か ら 平 均 給 料 月 額 の デ ー タ と 期 末 手 当 の デ ー タ を 用 い て 計 算 す る 。職 員 の 年 齢 構 成 は 、『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』か ら 平 均 年 齢 の デ ー タ を 用 い る 。 新 設 ・ 編 入 合 併 ダ ミ ー は 、 平 成 の 大 合 併 が 開 始 し た 平 成 11 年 4 月 1 日 か ら 各 年 度 の 4 月 1 日 ま で に 、 新 設 ・ 編 入 合 併 を し た 自 治 体 に 1、 そ れ 以 外 に 0を と る ダ ミ ー 変 数 で あ る 。

各 年 度 の ク ロ ス セ ク シ ョ ン デ ー タ を 用 い て 回 帰 分 析 を 行 っ た 結 果 が 、表 3 に 示 さ れ て い る10

推 計 結 果 か ら 以 下 の 点 が 明 ら か に な っ た 。

① 職 員 の 年 齢 構 成 は 、 い ず れ の 年 度 に お い て も プ ラ ス に 有 意 な 結 果 が 得 ら れ て お り 、 給 与 水 準 と 年 齢 構 成 と の 間 に は 、 明 確 な 正 の 相 関 関 係 が 見 ら れ る 。 し た が っ て 、 職 員 の 年 齢 構 成 が 高 い 自 治 体 ほ ど 、 給 与 水 準 が 高 く な っ て お り 、 職 員 の 年 齢 構 成 と い う 非 裁 量 要 因 に よ っ て 給 与 水 準 格 差 が 生 じ て い る11

10 平 成 15 年 は 期 末 手 当 の デ ー タ が 得 ら れ な い 長 野 県 佐 久 市 を 除 い て 推 計 を 行 っ た 。

11 職 員 の 年 齢 構 成 の 係 数 を 年 度 間 で 比 較 す る と 、平 成15年 は14.407、平 成19年 は12.666 平 成 20 年 は11.900、平 成 21年 は 10.708、平 成 22 年 は 9.712と 年 を 経 る ご と に 小 さ く な っ て お り 、 給 与 水 準 の 抑 制 が 行 わ れ て い る こ と が 伺 え る 。

(9)

表 3 給 与 水 準 と 非 裁 量 要 因 の 推 計 結 果

( 注 )1) 括 弧 内 は ݐ値 、adjR2は 自 由 度 修 正 済 決 定 係 数 を 表 す 。

2)*は10% 、**は 5% 、***は 1% 有 意 水 準 で 有 意 で あ る こ と を 示 し て い る 。

② 新 設 合 併 ダ ミ ー は 、 平 成 15 年 で は 有 意 な 結 果 が 得 ら れ な か っ た も の の 、 平 成 19年 か ら 平 成 22年 ま で は マ イ ナ ス に 有 意 な 結 果 が 得 ら れ た 。こ の 結 果 は 、 平 成 19 年 か ら 平 成 22年 に お い て 、新 設 合 併 を し た 自 治 体 の 給 与 水 準 が 他 の 自 治 体 の 給 与 水 準 よ り も 低 く な っ て お り 、 新 設 合 併 の 有 無 は 給 与 水 準 格 差 を 生 じ さ せ る 非 裁 量 要 因 で あ る こ と を 示 し て い る 。

③ 編 入 合 併 ダ ミ ー は 、い ず れ の 年 度 に お い て も 有 意 な 結 果 が 得 ら れ な か っ た 。 編 入 合 併 で は 、合 併 後 の 給 与 水 準 が 合 併 前 の 市 の 給 与 水 準 に 合 わ せ ら れ る た め 、 編 入 合 併 を し た 自 治 体 と 合 併 を 経 験 し て い な い 自 治 体 と の 間 に 、 給 与 水 準 の 差 が 生 じ て い な い た め だ と 考 え ら れ る 。

以 上 の 検 証 結 果 か ら 、 自 治 体 間 の 給 与 水 準 格 差 は 、 自 治 体 間 に お け る 職 員 の 年 齢 構 成 の 違 い や 、 新 設 合 併 を 経 験 し た 自 治 体 で あ る か と い っ た 非 裁 量 要 因 に よ っ て 生 じ て い る 部 分 が あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 給 与 水 準 の 自 治 体 間 比 較 を 適 正 に 行 う た め に は 、 こ う し た 非 裁 量 要 因 に よ る 格 差 部 分 を 取 り 除 く 必 要 が あ る 。

4. 職 員 数 格 差 の 非 裁 量 要 因

4.1 職 員 数 格 差 と 非 裁 量 要 因 候 補

人 口 千 人 当 た り 職 員 数 ( 以 下 、 職 員 数 と す る ) に 関 す る 基 本 統 計 量 が 表 4 に 示 さ れ て い る 。 職 員 数 の 全 市 平 均 値 、 自 治 体 間 の 職 員 数 格 差 は と も に 、 ほ ぼ 一

平成15年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 定数項 -56.876***

(-3.10)

-13.478

(-0.66)

14.075

(0.62)

60.601***

(2.70)

88.790***

(4.50)

平均年齢 14.407***

(33.70)

12.666***

(27.17)

11.900***

(23.13)

10.708***

(20.88)

9.712***

(21.35)

新設合併ダミー -5.035

(-0.71)

-19.855***

(-11.88)

-18.702***

(-10.84)

-16.733***

(-9.91)

-13.469***

(-8.90)

編入合併ダミー 7.129

(0.95)

-2.957

(-1.36)

-1.620

(-0.72)

0.167

(0.08)

0.168

(0.09)

adjR2 0.627 0.574 0.482 0.416 0.397

観測値数 676 781 782 782 785

(10)

表 4 職 員 数 に 関 す る 基 本 統 計 量

( 資 料 )『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』 よ り 作 成 。

定 で 推 移 し て い る 。 し か し 、 平 成 22 年 の 職 員 数 を み る と 、 最 多 の 北 海 道 歌 志 内 市 が 15.91人 で あ る の に 対 し 、最 少 の 愛 知 県 春 日 井 市 は 2.44人 と 、自 治 体 間 の 差 は 非 常 に 大 き い 。

と こ ろ が 、 こ の よ う な 職 員 数 格 差 に は 、 給 与 水 準 格 差 と 同 様 、 自 治 体 が 置 か れ て い る 環 境 の 違 い ( 非 裁 量 要 因 ) に よ っ て 生 じ て い る 部 分 も 含 ま れ て お り 、 現 実 の 職 員 数 が 多 い 自 治 体 を 放 漫 な 自 治 体 で あ る と 考 え る こ と は で き な い 。

職 員 数 に 影 響 を 及 ぼ す 非 裁 量 要 因 と し て 、 第 1に 自 治 体 の 人 口 規 模 が あ げ ら れ る 。 行 政 サ ー ビ ス の 供 給 に は 規 模 の 経 済 性 が 働 く も の が 存 在 す る し 、 一 定 の 人 口 規 模 を 超 え る と 大 都 市 特 有 の 行 政 需 要 が 表 れ る こ と も 考 え ら れ る 。 こ れ ま で の 研 究 に お い て も 、職 員 数 は 人 口 規 模 の 影 響 を 受 け る こ と が 知 ら れ て い る12。 平 成 22 年 に お け る 各 自 治 体 の 人 口 規 模 を 比 較 す る と 、 最 大 の 神 奈 川 県 横 浜 市 で 362 万 562人 、最 小 の 北 海 道 歌 志 内 市 で 4,589 人 と 、自 治 体 間 の 人 口 規 模 の 差 は 非 常 に 大 き く 、 こ の よ う な 人 口 規 模 の 違 い に よ っ て 職 員 数 格 差 が 生 じ て い る と 考 え ら れ る 。

第 2 の 非 裁 量 要 因 と し て 、 自 治 体 の 人 口 増 減 率 が あ げ ら れ る 。 人 口 が 急 激 に 大 き く 変 動 す る 自 治 体 は 、 人 口 の 変 動 に 合 わ せ て 即 座 に 職 員 数 を 調 整 す る こ と は で き な い 。 し た が っ て 、 人 口 が 急 減 し た 自 治 体 は 、 人 口 規 模 が 同 程 度 で あ る が 人 口 数 が 安 定 し て い る 自 治 体 に 比 べ る と 職 員 数 が 大 き く 算 出 さ れ 、 一 方 、 人 口 急 増 自 治 体 は 、 職 員 数 が 小 さ く 算 定 さ れ る 可 能 性 が あ る13。 各 自 治 体 に お け

12 中 核 市 や 政 令 指 定 都 市 へ の 移 行 に よ る 権 限 の 強 化 に 伴 っ た 職 員 数 の 増 加 は 、職 員 数 格 差 を 生 じ さ せ る 非 裁 量 要 因 で あ る と 考 え ら れ る 。し か し な が ら 、中 核 市 や 政 令 指 定 都 市 へ の 移 行 は 、人 口 規 模 が 条 件 と な っ て お り 、本 稿 の よ う に 、人 口 規 模 を 非 裁 量 要 因 と す る こ と で 、中 核 市 や 政 令 指 定 都 市 で あ る こ と に よ っ て 生 じ る 職 員 数 の 格 差 は 取 り 除 か れ る 。 な お 、 人 口 規 模 と 職 員 数 の 関 係 に つ い て は 、 林 亮 輔 (2009、pp.55-57) を 参 照 。

13 基 準 財 政 需 要 額 の 算 定 方 法 に も 、人 口 急 増( 急 減 )補 正 が あ り 、人 口 の 急 激 な 変 化 は 非

単位:人 平成15年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年

最大 15.24 13.48 13.21 14.71 15.91

最小 2.90 2.61 2.59 2.54 2.44

平均 5.30 5.52 5.41 5.32 5.26

標準偏差 1.60 1.83 1.81 1.78 1.77

標本数 677 781 782 782 785

(11)

る 、平 成 17年 か ら 22 年 ま で の 5 年 間 の 人 口 増 減 率 を 比 較 す る と 、最 高 の 茨 城 県 守 谷 市 で 16.0% 増 、最 低 の 北 海 道 歌 志 内 市 で 16.5% 減 と 、人 口 増 減 率 の 差 は 非 常 に 大 き く 、 こ の よ う な 人 口 増 減 率 の 違 い に よ っ て 職 員 数 格 差 が 生 じ て い る と 考 え ら れ る 。

第 3 の 非 裁 量 要 因 と し て 、 自 治 体 の 面 積 が あ げ ら れ る 。 平 成 22 年 に お け る 可 住 地 面 積 を 比 較 す る と 、最 大 の 新 潟 県 新 潟 市 が 669.77km2、最 小 の 埼 玉 県 蕨 市 が 5.10km2 と 、 自 治 体 間 の 差 は 非 常 に 大 き い 。 可 住 地 面 積 が 広 い 自 治 体 は 、 支 所 の 数 を 多 く 設 置 す る 必 要 が あ る な ど の 理 由 で 、 職 員 数 が 多 く な る こ と が 予 想 さ れ る 。 実 際 に 、 新 潟 市 に は 区 役 所 、 連 絡 所 、 出 張 所 の 数 が 37 カ 所 (2013 年 1 月 現 在 ) あ る の に 対 し 、 蕨 市 で は 6カ 所 ( 同 ) し か な く 、 可 住 地 面 積 が 広 い 自 治 体 ほ ど 支 所 の 数 を 多 く 設 置 し て い る14

第 4 の 非 裁 量 要 因 と し て 、市 町 村 合 併 を し た 自 治 体 の 合 併 後 経 過 年 数 が あ げ ら れ る 。

4.2 合 併 と 職 員 数

合 併 に は 行 政 に お け る 規 模 の 経 済 性 に よ る 職 員 数 の 削 減 が 期 待 さ れ て い る 。 し か し 、 合 併 直 後 に お い て は 、 合 併 自 治 体 の 職 員 数 は 合 併 前 の 職 員 数 を 加 算 し た 数 と な る た め 、 合 併 を 経 験 し て い な い 人 口 規 模 が 同 程 度 の 自 治 体 の 職 員 数 よ り も 多 く な る こ と が 予 想 さ れ 、 時 間 の 経 過 と と も に 合 併 効 果 が 現 れ る と 考 え ら れ る 。

図 2 に は 合 併 後 経 過 年 数 と 職 員 数 と の 関 係 が 示 さ れ て い る 。合 併 を 経 験 し て い な い A 市 、 分 析 対 象 年 度 (t 期 ) の 3 年 前 に 合 併 を し た B 市 、2 年 前 に 合 併 を し た C 市 、1 年 前 に 合 併 を し た D 市 が あ り 、合 併 後 経 過 年 数 以 外 の 職 員 数 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 が 同 じ で あ る と 仮 定 す る 。 合 併 に よ る 人 員 削 減 効 果 が 3 年 で 表 れ る と す る と 、t 期 に お け る B 市 の 職 員 数 は A 市 の 職 員 数 と 同 数 、C 市 は 2 年 間 の 削 減 を 経 た 職 員 数 、D 市 は 1年 間 の 削 減 を 経 た 職 員 数 と な り 、 合 併 後 の

裁 量 要 因 で あ る と 考 え ら れ る 。

14 支 所 の 設 置 は 自 治 体 の 裁 量 に よ っ て 決 定 す る こ と が で き 、支 所 の 数 を 非 裁 量 要 因 と す る こ と が 適 当 か と い う 考 え も あ ろ う 。し か し 本 稿 で は 、可 住 地 面 積 を 非 裁 量 要 因 と と ら え て お り 、全 自 治 体 に 共 通 し て 影 響 す る 部 分 の み を 調 整 す る と い う 方 法 を 採 用 す る こ と で 、 過 大 な 支 所 を 有 し て い る 自 治 体 に つ い て は 非 効 率 と 算 出 さ れ る こ と に な る 。

(12)

図 2 合 併 後 経 過 年 数 に よ る 職 員 数 の 違 い

( 注 ) 職 員 数 は 人 口 千 人 当 た り 職 員 数 を 表 す 。

年 数 が 経 つ に つ れ て 、徐 々 に 合 併 後 自 治 体 の 人 口 規 模 に 見 合 っ た 職 員 数 に な る 。 つ ま り 、 市 町 村 合 併 を 経 験 し た 自 治 体 の 合 併 直 後 の 職 員 数 は 、 行 政 運 営 の 非 効 率 性 に よ っ て 職 員 数 が 多 く な っ て い る の で は な く 、 ま た 、 分 析 対 象 年 度 時 点 に お け る 合 併 後 経 過 年 数 の 違 い に よ っ て 、 自 治 体 間 の 職 員 数 に 格 差 が 生 じ る 。 以 上 の こ と か ら 、 市 町 村 合 併 後 の 経 過 年 数 は 職 員 数 格 差 を 生 じ さ せ る 非 裁 量 要 因 で あ る と 考 え ら れ る 。

4.3 推 計 結 果 - 職 員 数 格 差 と 非 裁 量 要 因 -

職 員 数 格 差 の 非 裁 量 要 因 と し て 、「 人 口 規 模 」、「 人 口 増 減 率 」、「 可 住 地 面 積 」、

「 市 町 村 合 併 後 の 経 過 年 数 」 を あ げ た が 、 実 際 に こ れ ら の 要 因 に よ っ て 自 治 体 間 の 職 員 数 格 差 が 生 じ て い る の だ ろ う か 。「 職 員 数( ܷܰܯ )」を 被 説 明 変 数 、職 員 数 と 人 口 規 模 の U 字 型 の 関 係 を 捉 え る た め の「 人 口 規 模( ݈ܱ݊ܲܲ、(݈ܱ݊ܲܲ))」、

「 人 口 増 減 率 ( ܴܣܶܧ)」、「 可 住 地 面 積 ( ݈݊ܣܴܧܣ)」、「 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー

(ܦܷܯ௬௘௔௥௝)」 を 説 明 変 数 と し た 、 職 員 数

t 時 間 t-3 t-2 t-1

D 市( 合 併 後 1 年 目 )の 職 員 数

C 市( 合 併 後 2年 目 )の 職 員 数

B 市( 合 併 後 3 年 目 )の 職 員 数

B C D

A B・C・D 市 の 合 併 前 職 員 数

(13)

ܷܰܯ=ߛ+ߠ∗݈ܱ݊ܲܲ∗(݈ܱ݊ܲܲ)∗ܴܣܶܧ∗݈݊ܣܴܧܣ

+෍ ߤ∗ܦܷܯ௬௘௔௥௜௝

ଵ଴

௝ୀ଴

(3)

を 推 計 し 検 証 を 行 う 。な お 、「 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー( ܦܷܯ௬௘௔௥௝)」に つ い て は 、 合 併 後 の 経 過 年 数 が 1 年 未 満 を ݆= 0、1年 以 上 2 年 未 満 を ݆= 1、2 年 以 上 3年 未 満 を ݆= 2、3 年 以 上 4年 未 満 を ݆= 3、4 年 以 上 5 年 未 満 を݆= 4、5 年 以 上 6 年 未 満 を ݆= 5、6 年 以 上 7 年 未 満 を ݆= 6、7 年 以 上 8 年 未 満 を ݆= 7、8 年 以 上 9年 未 満 を ݆= 8、9年 以 上 10 年 未 満 を ݆= 9、10 年 以 上 を ݆= 10と し 、添 字 ݅は 自 治 体 を 表 す 。

職 員 数 は 、『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』 の 一 般 行 政 職 員 数 を 、 人 口 規 模 は 、『 市 町 村 別 決 算 状 況 調 』 か ら 住 民 基 本 台 帳 登 載 人 口 の デ ー タ を 用 い る15。 人 口 増 減 率 は 、『 市 町 村 別 決 算 状 況 調 』 か ら 、 分 析 対 象 年 度 と そ の 5 年 前 の 住 民 基 本 台 帳 登 載 人 口 の デ ー タ を 用 い て 算 出 す る 。可 住 地 面 積 は 、『 統 計 で み る 市 区 町 村 の す が た 』 か ら デ ー タ を 用 い る16。 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー は 、 条 件 に 該 当 す る 自 治 体 に 1を 、 そ れ 以 外 の 自 治 体 に 0 を と る ダ ミ ー 変 数 で あ る 。

各 年 度 の ク ロ ス セ ク シ ョ ン デ ー タ を 用 い て 回 帰 分 析 を 行 っ た 結 果 が 表 5に 示 さ れ て い る 。 推 計 結 果 か ら 明 ら か に な っ た 点 は 、 以 下 の 通 り で あ る 。

① 人 口 規 模 は( ݈ܱ݊ܲܲ、(݈ܱ݊ܲܲ)と も に )、い ず れ の 年 度 に お い て も 有 意 な 結 果 が 得 ら れ て お り 、 人 口 規 模 が 大 き く な る に つ れ て 規 模 の 経 済 性 に よ り 職 員 数 が 減 少 す る が 、 一 定 の 人 口 規 模 を 超 え る と 職 員 数 が 増 え る と い う 関 係 が 示 さ れ て い る 。 し た が っ て 、 人 口 規 模 の 違 い に よ っ て 、 職 員 数 格 差 が 生 じ て い る と 言

15 本 稿 で 用 い る『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』の 職 員 数 は 年 度 初 め(4 1日 )の デ ー タ で あ り 、『 市 町 村 別 決 算 状 況 調 』 は 前 年 度 末 (3 31 日 ) の デ ー タ で あ る 。 し た が っ て 、4 1日 に 市 町 村 合 併 を し た 自 治 体 は 、 人 口 規 模 が 合 併 前 の デ ー タ で あ る に も 関 わ ら ず 、 職 員 数 が 合 併 後 の デ ー タ と な る こ と か ら 、 人 口 規 模 に 対 す る 職 員 数 の 数 が 過 大 に な る 。 そ こ で 本 稿 で は 、4 1日 に 合 併 を し た 自 治 体 に 関 し て は 、3 31 日 時 点 で の 合 併 前 自 治 体 の 人 口 数 を 足 し 合 わ せ て 、 合 併 後 自 治 体 の 人 口 数 と し た 。 な お 、 平 成 15 4 1日 に 合 併 を し た 自 治 体 は 、 山 梨 県 ア ル プ ス 市 、 岐 阜 県 山 県 市 、 静 岡 県 静 岡 市 、 広 島 県 呉 市 、 香 川 県 東 か が わ 市 、 愛 媛 県 新 居 浜 市 、 福 岡 県 宗 像 市 、 平 成 20 4 1日 に 合 併 を し た 自 治 体 は 、 新 潟 県 村 上 市 、 静 岡 県 島 田 市 で あ る 。

16 『 統 計 で み る 市 区 町 村 の す が た 』で は 、山 梨 県 甲 府 市 の 可 住 地 面 積 の デ ー タ が 得 ら れ な か っ た こ と か ら 、 山 梨 県 甲 府 市 に 関 し て は 『 地 域 経 済 総 覧 』 よ り デ ー タ を 使 用 し た 。

(14)

表 5 職 員 数 と 非 裁 量 要 因 の 推 計 結 果

( 注 )1) 括 弧 内 は ݐ値 、adjR2は 自 由 度 修 正 済 決 定 係 数 を 表 す 。

2*10% 、** 5% 、*** 1% 有 意 水 準 で 有 意 で あ る こ と を 示 し て い る 。

え る 。

② 人 口 増 減 率 は 、い ず れ の 年 度 に お い て も マ イ ナ ス に 有 意 な 結 果 が 得 ら れ た 。 こ の 結 果 は 、 人 口 急 減 自 治 体 は 、 人 口 規 模 に 対 す る 職 員 数 が 大 き く 算 出 さ れ 、

平成15年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 79.237***

(22.26)

55.896***

(12.36)

54.307***

(12.38)

56.375***

(13.30)

58.097***

(14.27)

ln人口 -11.789***

(-19.54)

-7.977***

(-10.43)

-7.756***

(-10.47)

-8.139***

(-11.37)

-8.434***

(-12.27)

(ln人口)2 0.454***

(17.71)

0.288***

(8.91)

0.281***

(8.96)

0.298***

(9.87)

0.311***

(10.70)

-0.094***

(-8.99)

-0.125***

(-9.65)

-0.125***

(-10.13)

-0.123***

(-10.33)

-0.120***

(-10.35)

0.229***

(5.26)

0.533***

(9.20)

0.524***

(9.33)

0.488***

(8.92)

0.485***

(9.04)

1年未満 0.387

(1.60)

0.098

(0.32)

1.167***

(3.19)

0.073

(0.23)

0.413**

(2.17)

1年以上 2年未満

0.209

(0.48)

0.588***

(5.70)

0.097

(0.33)

0.920**

(2.56)

0.111

(0.34)

2年以上 3年未満

0.385

(0.88)

0.680***

(6.40)

0.543***

(5.38)

0.160

(0.56)

0.951**

(2.54)

3年以上 4年未満

3.224***

(4.26)

1.190***

(5.84)

0.616***

(5.95)

0.541***

(5.46)

0.224

(0.73)

4年以上 5年未満

0.308

(0.70)

1.065***

(5.38)

0.593***

(5.85)

0.522***

(5.33)

5年以上 6年未満

-0.161

(-0.23)

0.289

(0.67)

1.021***

(5.29)

0.561***

(5.66)

6年以上 7年未満

0.471

(0.68)

-0.119

(-0.18)

0.289

(0.69)

0.924***

(4.94)

7年以上 8年未満

1.604

(1.63)

0.476

(0.71)

-0.098

(-0.15)

0.204

(0.51)

8年以上 9年未満

0.687

(0.72)

0.307

(0.47)

-0.220

(-0.35)

9年以上 10年未満

0.478

(0.52)

0.321

(0.51)

10年以上 -

0.389

(0.43)

0.776 0.715 0.724 0.731 0.746

677 781 782 782 785

adjR2 観測値数 人

口 規 模

定数項

ln可住地面積 人口増減率

合 併 後 経 過 年 数 ダ ミー

(15)

人 口 急 増 自 治 体 は 小 さ く 算 出 さ れ る こ と を 表 し て お り 、 人 口 の 急 激 な 変 化 に よ っ て 、 職 員 数 格 差 が 生 じ て い る こ と を 示 し て い る 。

③ 可 住 地 面 積 は 、 い ず れ の 年 度 に お い て も プ ラ ス に 有 意 な 結 果 が 得 ら れ て い る こ と か ら 、 可 住 地 面 積 が 広 い 自 治 体 ほ ど 職 員 数 が 多 い こ と が 示 さ れ て お り 、 職 員 数 格 差 を 生 じ さ せ る 非 裁 量 要 因 で あ る と 言 え る 。

④ 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー は 、平 成15年 に つ い て は「3年 以 上 4年 未 満 ダ ミ ー 」、

平 成 19 年 に つ い て は「1 年 以 上 2年 未 満 ダ ミ ー 」、「2 年 以 上 3 年 未 満 ダ ミ ー 」、

「3 年 以 上 4 年 未 満 ダ ミ ー 」、 平 成 20 年 に つ い て は 「1 年 未 満 ダ ミ ー 」、「2 年 以 上 3年 未 満 ダ ミ ー 」、「3年 以 上 4年 未 満 ダ ミ ー 」、「4年 以 上 5年 未 満 ダ ミ ー 」、

平 成 21 年 に つ い て は「1 年 以 上 2年 未 満 ダ ミ ー 」、「3 年 以 上 4 年 未 満 ダ ミ ー 」、

「4 年 以 上 5 年 未 満 ダ ミ ー 」、「5 年 以 上 6 年 未 満 ダ ミ ー 」、 平 成 22 年 に つ い て は「1 年 未 満 ダ ミ ー 」、「2 年 以 上 3 年 未 満 ダ ミ ー 」、「4 年 以 上 5 年 未 満 ダ ミ ー 」、

「5 年 以 上 6 年 未 満 ダ ミ ー 」、「6 年 以 上 7 年 未 満 ダ ミ ー 」 が プ ラ ス に 有 意 な 結 果 と な っ た 。

図 2 に 示 さ れ て い た よ う に 、合 併 後 の 年 数 が 経 つ に つ れ て 合 併 効 果 が 現 れ る な ら 、 合 併 後 経 過 年 数 の 短 い ダ ミ ー ほ ど 、 合 併 後 間 も な い こ と か ら 係 数 が 大 き く な り 、 合 併 後 経 過 年 数 の 長 い ダ ミ ー ほ ど 、 人 口 規 模 に 見 合 っ た 職 員 数 に 近 づ い て い る こ と か ら 、 小 さ な 係 数 に な る と 考 え ら れ る 。

し か し な が ら 、平 成 19 年 に お い て 有 意 に な っ た「1年 以 上 2 年 未 満 ダ ミ ー 」、

「2年 以 上 3 年 未 満 ダ ミ ー 」、「3 年 以 上 4年 未 満 ダ ミ ー 」の 係 数 を 見 て み る と 、

「1年 以 上 2 年 未 満 ダ ミ ー 」で は 0.588、「2 年 以 上 3年 未 満 ダ ミ ー 」で は 0.680、

「3 年 以 上 4 年 未 満 ダ ミ ー 」 で は 1.190 と 、 経 過 年 数 の 大 き な ダ ミ ー ほ ど 係 数 が 大 き く な っ て い る 。

そ の 理 由 と し て 、 図 3 に 示 さ れ て い る よ う に 、 合 併 時 期 に よ る 合 併 直 後 に お け る 職 員 数 の 違 い が あ げ ら れ る 。 つ ま り 、 近 年 の 行 政 改 革 に よ る 職 員 数 の 全 国 的 な 減 少 傾 向 は 、 合 併 年 度 の 古 い 自 治 体 ほ ど 合 併 直 後 の 職 員 数 が 多 く 、 合 併 年 度 の 新 し い 自 治 体 ほ ど 合 併 直 後 の 職 員 数 が 少 な い と い う 現 象 を 生 じ さ せ て い る 。 図 2 と 同 様 、 合 併 を 経 験 し て い な い A 市 、 分 析 対 象 年 度 (t 期 ) の 3年 前 に 合 併 を し た B 市 、2 年 前 に 合 併 を し た C 市 、1 年 前 に 合 併 を し た D 市 が あ り 、合 併 後 経 過 年 数 以 外 の 職 員 数 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 が 同 じ で あ る と 仮 定 す る 。D 市

(16)

図 3 合 併 時 期 に よ る 職 員 数 の 違 い

( 注 ) 職 員 数 は 人 口 千 人 当 た り 職 員 数 を 表 す 。

で は 合 併 前 に す で に 職 員 数 の 削 減 が 行 わ れ て い た と す る と 、 合 併 後 間 も な い D 市 が 最 も 早 く A 市 と 同 じ 職 員 数 と な り 、合 併 後 経 過 年 数 が 一 番 長 い B 市 が 最 後 に A 市 と 同 じ 職 員 数 に な る 。回 帰 分 析 結 果 に お い て 、合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー に か か る 係 数 が 経 過 年 数 の 大 き な も の ほ ど 大 き く な っ て い る の は 、 こ の よ う な 状 態 を 表 し て い る と 考 え ら れ る 。

つ ま り 、 合 併 後 経 過 年 数 が 職 員 数 格 差 を 生 じ さ せ て い る 非 裁 量 要 因 で あ る か ど う か は 、 合 併 直 後 に 職 員 数 が 大 き く 算 定 さ れ 、 そ の 後 、 合 併 効 果 で 年 数 が 経 つ に つ れ て 職 員 数 が 減 少 し て い る の か を 検 証 し な け れ ば な ら な い の で あ る 。

⑤ 平 成 19 年 に お い て「1 年 以 上 2年 未 満 」の 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー に 属 し て い た 自 治 体 は 、平 成 20 年 に は「2年 以 上 3 年 未 満 」に 属 す る と い う よ う に 、平 成 19 年 と 平 成 20 年 と で は 、 属 す る 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー が 1 つ ず つ ず れ る 。 こ の こ と を 踏 ま え て 、平 成 19 年 か ら 平 成 22 年 ま で の 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー を 比 較 す る と 、平 成 19 年 の「1 年 以 上 2 年 未 満 」の 係 数 が 0.588 で あ る の に 対 し 、 平 成 20 年 の 「2 年 以 上 3 年 未 満 」 の 係 数 が 0.543、 平 成 21 年 の 「3 年 以 上 4 年 未 満 」 の 係 数 が 0.541、 平 成 22 年 の 「4 年 以 上 5 年 未 満 」 の 係 数 が 0.522。 平 成 19 年 の 「2年 以 上 3 年 未 満 」 の 係 数 が 0.680 で あ る の に 対 し 、 平 成 20年

職 員 数

t 時 間 t-3 t-2 t-1

B 市( 合 併 後 3 年 目 )の 職 員 数

C 市( 合 併 後 2 年 目 )の 職 員 数

D 市( 合 併 後 1年 目 )の 職 員 数 B

C

D

A B市 の 合 併 前 職 員 数

C市 の 合 併 前 職 員 数

D市 の 合 併 前 職 員 数

(17)

の 「3年 以 上 4年 未 満 」 の 係 数 が 0.616、 平 成 21 年 の 「4 年 以 上 5 年 未 満 」 の 係 数 が 0.593、 平 成 22 年 の 「5 年 以 上 6 年 未 満 」 の 係 数 が 0.561。 平 成 19 年 の「3年 以 上 4年 未 満 」の 係 数 が 1.190 で あ る の に 対 し 、平 成 20 年 の「4 年 以 上 5 年 未 満 」の 係 数 が 1.065、平 成 21年 の「5 年 以 上 6年 未 満 」の 係 数 が 1.021、 平 成 22 年 の「6 年 以 上 7年 未 満 」の 係 数 が 0.924 と な っ て お り 、合 併 後 の 年 数 が 経 つ に つ れ て 、 職 員 数 が 減 少 し て い る こ と が 伺 え る 。 つ ま り 、 合 併 時 期 の 違 い に よ っ て 、 合 併 直 後 の 職 員 数 が 違 う と し て も 、 市 町 村 合 併 を 経 験 し た 自 治 体 は 、 合 併 直 後 に 職 員 数 が 多 く な り 、 そ の 後 、 合 併 に よ る 効 率 効 果 で 年 数 が 経 つ に つ れ て 職 員 数 が 減 少 し て い く17

以 上 の 検 証 結 果 か ら 、自 治 体 間 の 職 員 数 格 差 は 、自 治 体 間 に お け る 人 口 規 模 、 人 口 増 減 率 、 可 住 地 面 積 の 違 い や 、 市 町 村 合 併 後 の 経 過 年 数 の 違 い と い っ た 非 裁 量 要 因 に よ っ て 生 じ て い る 部 分 が あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。

5. 労 働 コ ス ト 格 差 の 検 証

5.1 非 裁 量 要 因 に よ る 格 差 の 調 整 方 法

第 3 節 、 第 4 節 で は 、 自 治 体 間 に お け る 給 与 水 準 格 差 と 職 員 数 格 差 を 生 じ さ せ て い る 非 裁 量 要 因 に つ い て の 検 証 を 行 っ た 。 第 5 節 で は 、 こ れ ら の 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 い た 「 給 与 水 準 」 お よ び 「 職 員 数 」 を 算 出 し 、 こ れ ら の デ ー タ を 用 い て 労 働 コ ス ト の 自 治 体 間 格 差 を 推 計 し 、 格 差 の 背 景 に あ る 要 因 を 検 証 す る 。 給 与 水 準 は 「 職 員 の 年 齢 構 成 」 と 「 新 設 合 併 の 有 無 」 と い う 非 裁 量 要 因 に 影 響 を 受 け る こ と か ら 、 こ れ ら の 非 裁 量 要 因 を 調 整 し た 給 与 水 準 を 算 出 す る 。 具 体 的 に は 、 ① 各 自 治 体 の 「 給 与 水 準 の 理 論 値 (ܵܣܮ௧௛௘)」 か ら 、「 全 市 の 給 与 水 準 の 平 均 値( ܵܣܮ௔௩௘)」を 引 き 、非 裁 量 要 因 に よ る 給 与 増 加 部 分 を 算 出 す る 。② 各 自 治 体 の「 給 与 水 準 の 現 実 値( ܵܣܮ)」か ら 、非 裁 量 要 因 に よ る 給 与 増 加 部 分 を 引 く こ と に よ っ て 、非 裁 量 要 因 を 調 整 し た「 給 与 水 準 の 調 整 値(ܵܣܮ௔ௗ௝)」が 求 め ら れ る 。 上 述 の 手 順 を 数 式 化 し た も の が

17 平 成 20 年 の 「1年 未 満 」 の 係 数 が 1.167、 平 成 21 年 の 「1年 以 上 2年 未 満 」 の 係 数 が 0.920 と 、 合 併 後 の 年 数 が 経 つ に つ れ て 職 員 数 が 減 少 し て い る が 、 平 成 22 年 の 「2 以 上 3年 未 満 」 の 係 数 は 0.951と 職 員 数 が 増 加 し て い る 。 平 成 22 年 に お い て 「2 年 以 3 年 未 満 」 の 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー に 属 し て い る 自 治 体 は 6 市 し か な い こ と か ら 、 い ず れ か の 自 治 体 の 特 別 な 事 情 が 結 果 に 影 響 を 及 ぼ し て い る 可 能 性 が 考 え ら れ る が 、こ の 点 に つ い て は 今 後 の 検 証 課 題 で あ る 。

(18)

ܵܣܮ௔ௗ௝௜௧=ܵܣܮ௜௧−൫ܵܣܮ௧௛௘௜௧−ܵܣܮ௔௩௘௜௧

=ܵܣܮ௜௧−൛൫ߙଵ௧∗ܣܩܧ௜௧ଶ௧∗ܦܷܯ௦௛௜௡௜௧൯−൫ߙଵ௧∗ܣܩܧ௔௩௘௧൯ൟ (4)

で あ る18。 ߙ、ߚଵ௧、 ߚଶ௧に は 表 3 に 示 さ れ て い る 係 数 を 、「 給 与 水 準 の 現 実 値

(ܵܣܮ)」、「 職 員 の 年 齢 構 成 ( ܣܩܧ)」、「 新 設 合 併 ダ ミ ー ( ܦܷܯ௦௛௜௡)」 に は 各 自 治 体 に お け る 年 度 ご と の 値 を 、「 全 市 の 職 員 年 齢 の 平 均 値( ܣܩܧ௔௩௘௧)」に は 各 年 度 の 全 市 の 平 均 値 を 代 入 し 、「 給 与 水 準 の 調 整 値 (ܵܣܮ௔ௗ௝)」 を 算 出 す る 。

職 員 数 は 「 人 口 規 模 」、「 人 口 増 減 率 」、「 可 住 地 面 積 」、「 市 町 村 合 併 後 の 経 過 年 数 」 と い う 非 裁 量 要 因 に 影 響 を 受 け る こ と か ら 、 こ れ ら の 非 裁 量 要 因 を 調 整 し た 職 員 数 を 算 出 す る 。 調 整 手 順 は 給 与 水 準 の 調 整 値 を 算 出 す る 際 と 同 じ で あ り 、 算 出 手 順 を 数 式 化 し た も の が 、

ܷܰܯ௔ௗ௝௜௧=ܷܰܯ௜௧−൫ܷܰܯ௧௛௘௜௧−ܷܰܯ௔௩௘௜௧

=ܷܰܯ௜௧

−ቐቌߛଵ௧∗݈ܱ݊ܲܲ௜௧ଶ௧∗(݈ܱ݊ܲܲ௜௧)ଷ௧∗ܴܣܶܧ௜௧ସ௧∗݈݊ܣܴܧܣ௜௧ +෍ ߤ௝௧∗ܦܷܯ௬௘௔௥௜௧௝

௝ୀ଴

−ቀߛଵ௧∗݈ܱ݊ܲܲ௔௩௘௧ଶ௧∗൫݈ܱ݊ܲܲ௔௩௘௧ସ௧∗݈݊ܣܴܧܣ௔௩௘௧ቁቑ (5)

で あ る 。な お 、(5)式 に お け る 、ܷܰܯ௔ௗ௝は「 職 員 数 の 調 整 値 」、ܷܰܯ は「 職 員 数 の 現 実 値 」、 ܷܰܯ௧௛௘は 「 職 員 数 の 理 論 値 」、 ܷܰܯ௔௩௘は 「 全 市 の 職 員 数 の 平 均 値 」で あ る 。ߛ、ߠଵ௧、ߠଶ௧、ߠଷ௧、ߠସ௧、ߤ௝௧に は 表 5 に 示 さ れ て い る 係 数 を 、「 職 員 数 の 現 実 値( ܷܰܯ )」、「 人 口 規 模( ݈ܱ݊ܲܲ、(݈ܱ݊ܲܲ))」、「 人 口 増 減 率( ܴܣܶܧ)」、

「 可 住 地 面 積( ݈݊ܣܴܧܣ)」、「 合 併 後 経 過 年 数 ダ ミ ー( ܦܷܯ௬௘௔௥௝)」に は 各 自 治 体 に お け る 年 度 ご と の 値 を 、「 全 市 の 人 口 規 模 の 平 均 値 ( ݈ܱ݊ܲܲ௔௩௘௧)」「 全 市 の 可

18 「 全 市 の 職 員 年 齢 の 平 均 値 」と 同 じ 平 均 年 齢 を も つ 自 治 体 が 存 在 し た 場 合 、そ の 自 治 体 に は 非 裁 量 要 因 部 分 が 存 在 し な い こ と に な る が 、 本 稿 で は 「 全 市 の 職 員 年 齢 の 平 均 値 」 を 非 裁 量 要 因 部 分 を 調 整 す る た め の 基 準 値 と し て 用 い て い る だ け で あ り 、非 裁 量 要 因 が 存 在 し な い と 考 え て い る わ け で は な い 。

(19)

住 地 面 積 の 平 均 値 (݈݊ܣܴܧܣ௔௩௘௧)」 に は 各 年 度 の 全 市 の 平 均 値 を 代 入 し 、「 職 員 数 の 調 整 値 (ܷܰܯ௔ௗ௝)」 を 算 出 す る 。

上 述 の 方 法 を 用 い て 算 出 し た「 給 与 水 準 の 調 整 値 」お よ び「 職 員 数 の 調 整 値 」 が 、表 6に 示 さ れ て い る 。表 1 に 示 さ れ て い る 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 く 前 の 給 与 水 準( 現 実 の 給 与 水 準 の デ ー タ )と 比 較 す る と 、標 準 偏 差 が 平 成 15 年 は 34.56、

平 成 19 年 は 31.87、平 成 20 年 は 30.22、平 成 21 年 は 27.97、平 成 22 年 は 24.47 で あ っ た も の が 、 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 く こ と で 平 成 15 年 は 21.08、 平 成 19 年 は 20.79、 平 成 20年 は 21.72、 平 成 21年 は 22.81、 平 成 22 年 は 20.05 と 小 さ く な り 、 非 裁 量 要 因 に よ っ て 自 治 体 間 の 給 与 水 準 格 差 が 大 き く な っ て い る こ と が 明 ら か で あ る 。

職 員 数 も 同 様 に 、 表 4 に 示 さ れ て い る 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 く 前 ( 現 実 の 職 員 数 デ ー タ ) と 比 較 す る と 、 標 準 偏 差 が 平 成 15 年 は 1.60、 平 成 19 年 は 1.83、

平 成 20 年 は 1.81、 平 成 21 年 は 1.78、 平 成 22 年 は 1.77 で あ っ た も の が 、 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 く こ と で 平 成 15 年 は 0.75、平 成 19年 は 0.97、平 成 20 年 は

表 6 給 与 水 準 ・ 職 員 数 の 調 整 値 に 関 す る 基 本 統 計 量

( 注 ) 長 野 県 佐 久 市 に お け る 平 成 15 年 の 期 末 手 当 の デ ー タ が 得 ら れ な い こ と か ら 、 平 成 15年 の 平 均 給 与 の 標 本 数 が 676と な っ て い る 。

給与水準 職員数 給与水準 職員数 給与水準 職員数

最大 646.67 9.39 634.98 8.99 643.34 8.73

最小 430.84 1.74 425.92 1.97 412.92 1.79

平均 561.20 4.28 540.45 4.36 534.48 4.26

標準偏差 21.08 0.75 20.79 0.97 21.72 0.94

標本数 676 677

給与水準 職員数 給与水準 職員数

最大 620.09 8.43 591.51 8.10

最小 398.12 1.77 382.75 1.64

平均 522.06 4.14 505.93 4.07

標準偏差 22.81 0.92 20.05 0.89

標本数 単位:万円

平成21年 平成22年

785 782

単位:万円

平成15年 平成19年 平成20年

782 781

(20)

0.94、 平 成 21 年 は 0.92、 平 成 22 年 は 0.89 と な っ て お り 、 非 裁 量 要 因 に よ っ て 自 治 体 間 の 職 員 数 格 差 が 大 き く な っ て い る こ と が わ か る 。

し か し な が ら 、 職 員 数 が 多 い 地 域 で も 給 与 水 準 が 低 け れ ば 、 そ の 自 治 体 の 労 働 コ ス ト は 高 い と は 言 え ず 、 給 与 水 準 が 高 か っ た と し て も 、 職 員 数 が 少 な け れ ば 、 働 き に 見 合 っ た コ ス ト で あ る と 考 え ら れ る 。 そ こ で 、「 給 与 水 準 の 調 整 値 」 と 「 職 員 数 の 調 整 値 」 を 掛 け 合 わ せ て 求 め た 「 労 働 コ ス ト ( 人 口 一 人 当 た り )」

の 基 本 統 計 量 が 、 表 7 に 示 さ れ て い る 。 上 述 し た 通 り 、 給 与 水 準 が 高 い 地 域 の 職 員 数 が 少 な く 、 職 員 数 の 多 い 地 域 の 給 与 水 準 が 低 け れ ば 、 自 治 体 間 の 労 働 コ ス ト 格 差 は 小 さ く な る 。 し か し 、 平 成 22 年 の 労 働 コ ス ト を 見 て み る と 、 最 高 額 が 沖 縄 県 宮 古 島 市 の 3 万 7,941 円 、 最 低 額 が 富 山 県 小 矢 部 市 の 8,055 円 と 、 自 治 体 間 の 労 働 コ ス ト 格 差 は 非 常 に 大 き い 。

表 7 労 働 コ ス ト に 関 す る 基 本 統 計 量

( 注 ) 平 成 15 年 は 長 野 県 佐 久 市 を 除 い た 676市 で あ る 。

5.2 財 政 力 と 労 働 コ ス ト 格 差

自 治 体 間 の 労 働 コ ス ト 格 差 に は 非 裁 量 要 因 に よ っ て 生 じ て い る 部 分 が あ る も の の 、 非 裁 量 要 因 を 調 整 し た 後 も 依 然 と し て 自 治 体 間 格 差 は 存 在 す る 。 こ う し た 労 働 コ ス ト 格 差 は 、 こ れ ま で の 分 析 で 把 握 し き れ な い 個 別 自 治 体 の 特 別 な 事 情 と 、 各 自 治 体 の 行 政 効 率 へ の 取 組 み に よ っ て 生 じ て い る 。 行 政 運 営 の 非 効 率 性 に 影 響 を 及 ぼ す 、 全 自 治 体 に 共 通 し た 要 因 を 抽 出 す る こ と は 困 難 で あ る が 、

「 財 政 力 の 強 い 自 治 体 は 給 与 水 準 が 高 く 、 職 員 数 も 多 い こ と か ら 、 労 働 コ ス ト が 高 く な っ て い る 」 の で は な い か と い う 一 つ の 仮 説 が 考 え ら れ る 。

こ の 仮 説 を 検 証 す る た め に 、「 労 働 コ ス ト( 人 口 一 人 当 た り )」を 被 説 明 変 数 、

「 財 政 力 指 数( 基 準 財 政 収 入 額 / 基 準 財 政 需 要 額 )」を 説 明 変 数 と し た 回 帰 式 を 単位:円 平成15年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年

最大 50,263 44,572 42,779 39,771 37,941

最小 10,003 10,485 9,249 8,993 8,055

平均 24,028 23,588 22,803 21,621 20,587

標準偏差 4,305 5,340 5,143 4,851 4,575

標本数 676 781 782 782 785

(21)

推 計 す る 。

各 年 度 の ク ロ ス セ ク シ ョ ン デ ー タ を 用 い て 回 帰 分 析 を 行 っ た 結 果 が 、表 8 に 示 さ れ て い る19。い ず れ の 年 度 に お い て も 有 意 な 結 果 が 得 ら れ て お り 、平 成 15 年 は 財 政 力 指 数 が 0.66以 上 、平 成 19年 は 0.77 以 上 、平 成 20 年 は 0.78以 上 、 平 成 21 年 、 平 成 22 年 は 0.76 以 上 の 自 治 体 間 で は 、 財 政 力 が 強 い 自 治 体 ほ ど 労 働 コ ス ト が 高 く な っ て い る こ と が 明 ら か に な っ た20

次 に 、 財 政 力 が 豊 か な 自 治 体 ほ ど 労 働 コ ス ト が 高 く な っ て い る の は 、 給 与 水 準 と 職 員 数 の ど ち ら に 起 因 し て い る の か を 検 証 す る た め 、 財 政 力 指 数 と 労 働 コ ス ト が 正 の 相 関 関 係 に あ る 自 治 体 ( 平 成 15年 は 財 政 力 指 数 が 0.66 以 上 、 平 成 19年 は 0.77以 上 、平 成 20年 は 0.78 以 上 、平 成 21 年 、平 成 22 年 は 0.76以 上 の 自 治 体 ) を 対 象 に 、「 給 与 水 準 の 調 整 値 」、「 職 員 数 の 調 整 値 」 を 被 説 明 変 数 、

「 財 政 力 指 数 」 を 説 明 変 数 と し た 回 帰 式 を 推 計 す る 。

表 8 労 働 コ ス ト と 財 政 力 指 数 の 推 計 結 果

( 注 )1) 括 弧 内 は ݐ値 、adjR2は 自 由 度 修 正 済 決 定 係 数 を 表 す 。

2)*は10% 、**は 5% 、***は 1% 有 意 水 準 で 有 意 で あ る こ と を 示 し て い る 。

19 労 働 コ ス ト を 推 計 す る 際 に 用 い た 『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』 は 、 年 度 初 め (4 1 日 ) の デ ー タ で あ り 、財 政 力 指 数 を 入 手 し た『 市 町 村 別 決 算 状 況 調 』は 、昨 年 度 末(3 31 日 ) の デ ー タ で あ る こ と か ら 、 平 成 15 4 1 日 に 合 併 を し た 、 山 梨 県 ア ル プ ス 市 、 岐 阜 県 山 県 市 、静 岡 県 静 岡 市 、広 島 県 呉 市 、香 川 県 東 か が わ 市 、愛 媛 県 新 居 浜 市 、福 岡 県 宗 像 市 、 平 成 20 4 1日 に 合 併 を し た 、 新 潟 県 村 上 市 、 静 岡 県 島 田 市 を 除 い て 分 析 を 行 っ た 。 ま た 、 平 成 15年 は 期 末 手 当 の デ ー タ を 得 ら れ な い 長 野 県 佐 久 市 を 除 い て 分 析 を 行 っ て い る 。

20 財 政 力 指 数 が 平 成 15 年 は 0.66未 満 、平 成 19年 は 0.77未 満 、平 成 20 年 は 0.78未 満 、 平 成 21年 、 平 成 22年 は 0.76未 満 の 自 治 体 間 で は 、 財 政 力 が 貧 し い 自 治 体 ほ ど 労 働 コ ス ト が 高 く な っ て い る 。そ の 原 因 と し て 、財 政 力 指 数 が 低 い 自 治 体 は 地 方 圏 に 多 く 、個 別 自 治 体 が 抱 え る 特 別 な 非 裁 量 要 因 が 考 慮 さ れ て い な い こ と か ら 、労 働 コ ス ト が 高 く な っ て い る 可 能 性 が 考 え ら れ る 。

平成15年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年

定数項 30221.345***

(29.80)

32746.874***

32.40)

31365.099***

(31.79)

28153.122***

(30.81)

26622.295***

(31.89)

財政力指数 -21845.345***

(-7.68)

-27794.133***

(-10.04)

25904.086***

(-9.82)

-20102.883***

(-8.44)

-18467.594***

(-8.46)

財政力指数2 16790.574***

(8.82)

18190.067***

10.38)

16900.566***

(10.36)

13261.873***

(9.22)

12083.693***

(9.16)

adjR2 0.118 0.199 0.120 0.101 0.097

観測値数 669 781 780 782 785

表 3 給 与 水 準 と 非 裁 量 要 因 の 推 計 結 果 ( 注 ) 1 ) 括 弧 内 は ݐ 値 、 adjR 2 は 自 由 度 修 正 済 決 定 係 数 を 表 す 。 2) *は 10 % 、 **は 5% 、 ***は 1% 有 意 水 準 で 有 意 で あ る こ と を 示 し て い る 。 ② 新 設 合 併 ダ ミ ー は 、 平 成 15 年 で は 有 意 な 結 果 が 得 ら れ な か っ た も の の 、 平 成 19 年 か ら 平 成 22 年 ま で
表 4 職 員 数 に 関 す る 基 本 統 計 量 ( 資 料 )『 地 方 公 務 員 給 与 の 実 態 』 よ り 作 成 。 定 で 推 移 し て い る 。 し か し 、 平 成 22 年 の 職 員 数 を み る と 、 最 多 の 北 海 道 歌 志 内 市 が 15.91 人 で あ る の に 対 し 、最 少 の 愛 知 県 春 日 井 市 は 2.44 人 と 、自 治 体 間 の 差 は 非 常 に 大 き い 。 と こ ろ が 、 こ の よ う な 職 員 数 格 差
図 2 合 併 後 経 過 年 数 に よ る 職 員 数 の 違 い ( 注 ) 職 員 数 は 人 口 千 人 当 た り 職 員 数 を 表 す 。 年 数 が 経 つ に つ れ て 、徐 々 に 合 併 後 自 治 体 の 人 口 規 模 に 見 合 っ た 職 員 数 に な る 。 つ ま り 、 市 町 村 合 併 を 経 験 し た 自 治 体 の 合 併 直 後 の 職 員 数 は 、 行 政 運 営 の 非 効 率 性 に よ っ て 職 員 数 が 多 く な っ て い る の で
表 5 職 員 数 と 非 裁 量 要 因 の 推 計 結 果 ( 注 ) 1) 括 弧 内 は ݐ 値 、 adjR 2 は 自 由 度 修 正 済 決 定 係 数 を 表 す 。 2 ) * は 10 % 、 ** は 5 % 、 *** は 1 % 有 意 水 準 で 有 意 で あ る こ と を 示 し て い る 。 え る 。 ② 人 口 増 減 率 は 、い ず れ の 年 度 に お い て も マ イ ナ ス に 有 意 な 結 果 が 得 ら れ た 。 こ の 結 果 は 、 人 口
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