い 合 ち 育
⑲ い 合 れ 触に・共いと会域出地一
1)神永直美
1)茨城大学教育学部附属幼稚園,〒310−0011茨城県水戸市三の丸2−6−8 Key words:家庭,地域,幼稚園,地域に開かれた幼稚園
本年度,私たちは「地域共に 一出会い・触れ合い・育ち合い一」を研究主題に,ひ らかれた幼稚園について考えると共に,ひらかれた幼稚園づくりのためにいくつかの 試みを行ってきた。
その結果,得られた成果をまとめると,以下の3項目となる。
1地域にひらかれた幼稚園の機能を明らかにし,ひらかれた幼稚園としてのイメー ジを描くことができた。
2本園の教育的環境を見直し,それを生かした具体的な方策を立案,実施した成果 をもとに,今後の課題を明らかにすることができた。
3具体的な試みを通して,子育てに対する親の意識についての実態を捉え,次年度 への研究の手がかりを得た。
1 研究主題について
(1)主題設定の理由
社会の変化に伴う子どもの生活環境の変化や生活経験の偏り,また,母親の子育 てへのあせりや不安,ストレスといった現代の子どもを取り巻く状況が,子どもの 健全な成長を脅かしている。過保護や過干渉を生んだり,過度の期待をもつなど,い ろいろな形で子どもの生活に影響を及ぼしている。
このような状況のなか,子どもたちが幼児期にふさわしい生活を展開していくた めには,幼稚園や保育所等が地域の子育てを支援していくという役割を担う必要が
ある。
(2)主題設定の背景 ① 本園が考える地域
「地域」を単に物理的な地面として捉えるのではなく,人と人とが出会ったり,
触れ合ったり,育ち合ったりする「人と人とのつながり」を生み出す場として広 く捉えることにした。
② 現在の幼稚園教育の動向
r時代の変化に対応した今後の幼稚園教育の在り方について一最終報告一」では,
多様なニーズに対応した幼稚園運営の弾力化の一つに「地域に開かれた幼稚園づ くりを積極的に進め,幼稚園と家庭や地域との連携を深めること」があげられて いる。
さらに,地域の自然,行事,施設等を活用することや,地域社会や地域の人々と
2
交流を深め地域と幼稚園の相互交流による多様な活動の展開について示唆してい
る。
また,「新しい時代を拓く心を育てるために一次世代を育てる心を失う危機一」
の第3章「地域社会の力を生かそう」では,盧ましい子育ての在り方について考 え,学ぶ機会を地域で様々に工夫して親に提供していくことは極めて重要である」
とし,様々な機会を捉えて子育て支援をしていく方向を提示している。
2 研究の概要
(1)目的
本研究は,2年計画で行い,その目的は以下の通りである。
平成10年度 地域にひらかれた幼稚園としての機能を明らかにし,本園のもつ 教育的環境を生かした具体的方策を考える。
平成11年度 1年次の反省をもとに,地域にひらかれた幼稚園としてのあり方 について追究する。
(2)方法
1子どもを取り巻く様々な状況を把握する。
2地域にひらかれた幼稚園としての機能を明らかにし,本園のもつ教育的環境を 見直す。
3 1,2を踏まえ,地域にひらかれた幼稚園の具体的方策を立案,実施する。
(3)内容
① 子どもを取り巻く様々な状況の把握
私たちは,子どもをより理解するために 日々の保育実践やアッセンブリー(子育て座 談会)「園から家庭から」(連絡ノート)等を 通して,子どもを取り巻く様々な状況をつか もうと努力している。
その中で最近,母親が子どもへの対応が分 からず苦悩している姿が目に付くようになつ てきている。今まで以上に
・育児の責任を一人で背負い込もうとし ないように
・周りの目を意識しすぎないように ・母親の心をいやせるように
と考え,対応していく必要を感じている。
②「ひらかれた幼稚園」について考える く幼稚園と家庭と地域との循環のなかで〉
子どもの生活は,幼稚園と家庭,地域と の連続性のなかで営まれており,お互いに 支え合いながら,互いの機能を発揮するこ とで,豊かな生活を展開できる。幼稚園 は,家庭や地域の子どもを取り巻く状況を 視野に入れながら,弾力的な運営をしてい
幼稚園
地域憂二二二二二二二≧家庭
*点線… 今後求められると取り組み 幼稚園・家庭・地域の関係図
拓く
地 域
幼稚園
開く 啓く
家 庭
幼稚園の機能と家庭地域の関係
3
く必要がある。
〈ひらかれた幼稚園の3つの機能〉
「ひらく」という言葉の「拓く」「啓く」「開く」という意味をひもとくこと から,「ひらかれた幼稚園」のもつべき機能について考え,それを幼稚園,家
庭,地域の関係のなかに重ねながら捉えていくことを行った。
「拓く」とは,開拓するというイメージ,「窪く」は,啓発するという意味,
「開く」は,扉を開ける,オープンにするというイメージがある。このような 意味をもとに,通園が考える「ひらかれた幼稚園」のイメージを次の表に表し
た。
機能 方 向 役 割 具体的方策
幼稚園→地域
・地域の開拓(子どもの新たな活動の場を求めて)・教育内容の充実
・遠足や園外保育
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拓く 開齢幽幽一一一一 一一r一下糊一一昌一 一 一 一 甲 一 圃 響 墜 一 一 一 一 一 一 一 門 冊 曹 一 営 一 一 一 一 一 r r 需 一 髄 魑 畠 _ _ _ _ 一 腎 鴨 冊 幣 謄 圏 嘗 薗 _ _ _ r 冊 _ _ 働 _ _ _ _ _
E地域の子どもの遊びを保障 一需鼎開圃嘗昌一一一一一冊欄閨唱一一一一一需門
E自由に遊べる空 地域→幼稚園 ・遊びの重要1生を伝え広げる 間と時間の確保D
・他附属学校,地域の学校や地域の人々との交流 ・出会いの機会E
・子どもの成長の発見をできるように…子育ての喜び ・子育て相談 B 幼稚園ゆ家庭 ・本来の子育ての在り方を啓発 ・情報の交流 AB
啓く ・子育ての悩みや経験を交流→子育ての楽しさを実感 ・情報の提供 B
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一一一冊階一一一一一一一辱幣髄幽一一一一r冊
家庭→幼稚園 ・幼稚園生活の理解 E幼稚園の生活へ援助
・保育参加 A E技能の提供 幼→家庭・地域
・家庭と地域の接点としての場を充実・豊かな体験の積み重ねの援助
・地域の子育て家
?の受け入れ D
開く 一P門一冊圏幽一一一r一一闇r憎餉一 一 一 一 一 一 一 冊 層 謄 一 墜 一 一 一 腎 一 冊 一 嘗 一 一 一 一 一 P P 一 一 一 幽 一 曽 r 一 一 P 鴨 謄 髄 餉 幽 一 一 一 一 一 一 } 需 一 一 一 _ _ _ r r 鴨 鴨
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家庭・地域→幼 ・幼稚園が身近な存在に E喜びを感じる場
・ネットワークの基
b作り ACDE
*ABCDEは,③を参照
③ 地域にひらかれた幼稚園の具体的方策を立案,実施
前述のことを具現化するために,本年度は主に次のような試みを計画し実施した。
A 保育参加を通して幼稚園教育を啓発する機会として ふれあいサタデー B 子育てのおしゃべりを通して心をいやす機会として おしゃべり広場 C新たな発見を求めて地域と触れ合う機会として 地域の日 D 地域の子育て家庭(2〜3歳児)の受け入れの機会として
コミュニティー広場 E 小学校・中学校・高校・大学との交流の機会として フレンドシップ事業
(3)考察
①親の心に寄り添うための手がかり
本年度の試みを実施し,親の意識について次の2つの視点から考察した。
〈多様な課題を抱えた親への対応〉
親の意識は,私たちが思っているよりももっと多様であり,価値観もそれぞれ である。一人一人の意識の背景にあるものを探りながら,色々なタイプの親が 自分に合った方法を選択し課題に向き合えるように,様々な場を提供していく 必要がある。
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〈課題が潜在している親への対応〉
なかなか表面に見えてこない親の意識(あるいは潜在意識)に目を向けること が大切である。そのような親に対してどんな支援策が考えられるのか検討して いく必要がある。
② よりよい運営の在り方の手がかり
・より参加を促すための期日,回数時間の検討
・スタッフについて,保護者の協力や地域のボランティアの活用等を含め検討
(4) 今後の課題
・さらに,親の意識の実態を把握すると共にその背景を探り,多様かつ柔軟な支 援の在り方を追究する。
・幼稚園の教育的環境を生かしながら,さらに充実した子育て支援の場を提供す るための方策を考える。
・本年度の試みを振り返り,状況を見極めながら今後継続的に運営していくため の在り方を考える。
人間力を育む
一心がひびき合う学習一
1)小 林 ︷一葬
1)茨城大学教育学部附属小学校,〒310−0011茨城県水戸市三の丸2−6−8
Key word:人間力,心がひびき合う学習,教育課程,総合学習,心の教育
1 はじめに
本校では,これまでの実践研究をもとに,人間として生きていく過程で6年間を過ご す小学校の学習はどうあるべきかを検討し,子どもが創造性を発揮していくことがで きる学校をつくっていこうと考えている。そのために子どもにとって必要なのものを,
次のようにとらえている。それは,よりょく生きていくための知恵や技であり,生命 への尊厳を感じる心であり,生きる努力を惜しまないたくましさである。また,複雑 で多岐にわたる問題を自分自身でとらえ,処理していこうとする力である。
そこで,「入間力を育む」という研究主題のもとに,自ら生活を拓きながら,他と共 に心豊かにたくましく生きる力をもった子どもの育成をめざして研究を進めている。
「人間力」を育むためには,一人一人の生きるための基礎となる心を大きくふくらませ ることが大切である。その心をさらに豊かにたくましくするためには,他(人,もの,
こと)とのかかわり合いを重視し,心と心をひびき合わせていくことが重要である。ま た,生涯学習を考え,その心が家庭や地域での生活に広がっていったり,将来にわた って育ち息づいていったりするようにしていきたいと考えている。
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