香 川 大 学 経 済 論 叢
第76巻 第3号 2003年 12月 97‑134
ドイツの I T 労働市場と外国人技術者
はじめに
I 情 報 化 の 衝 撃 1. 市 場 化
2. 新 し い 労 働 力 類 型 3. IT労 働 市 場
I I
労 働 力 不 足 1. IT技 術 者
2 . ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 技 術 者 皿 外 国 人 技 術 者
1. ドイツ版グリーンカード 2. 受 け 入 れ
むすび
は じ め に
佐 藤 忍
IT技術者の国際移動が注目を集めている。日本でも着実に進展しているよ うである。本稿は, 2000年の夏から開始されたドイツにおける国家的プロジェ クトとしての IT技術者の受け入れについて考察する。とりわけ IT労働市場の 動向に注目しつつ,それとの関わりにおいて労働力輸入の新展開の意義を探ろ
うと思う。
まず最初に情報化のもたらした衝撃を労働市場のなかに確認する。ドイツの 産業社会がこれまで築き上げてきた秩序が情報化によって大きく動揺している ことを各種の資料で裏付ける。そして喧伝されている IT技術者の労働力不足
* 本 稿 は , 平 成 15年 度 科 学 研 究 費 基 盤 研 究(CX2)に よ る 研 究 成 果 の 一 部 で あ る 。 記 し て 謝 意 を表したい。
‑98‑ 香川大学経済論叢 620 についてその数値を紹介する。ドイツのソフトウェア開発に関するデータは日 本では珍しいであろう。
ついで IT技術者の受け入れについて具体的なデータを示し, ドイツ移民政 策の一大転換がここに始まったことを主張する。
I 情報化の衝撃
,. 市 場 化
情報技術は,企業の内部における部署の壁や企業の境界を超えた情報空間を 形成する。クライエント/サーバ方式ば情報処理の様式を根底から変革した。
大型コンピュータが情報処理の主役であった時代は,処理すべき情報を規格化 し標準化していた。機械制御や種々の管理運営(給与計算,会計制度,生産管 理)など諸業務の遂行に必要な情報処理はルーティン化され,そのうえでコン
ピュータに情報処理を移管した。コンピュータは各業務の情報処理を支援する が,それらから隔絶しており,各業務もそれぞれが分離していた。パソコンの 登場と,そしてパソコンをサーバとしての大型コンピュータに接続するという
クライエント/サーバ方式の普及とによって,情報の共有空間が形成された。
インターネットはこの空間をさらに拡大した。
情報の非対称性が市場の一つの限界であるとすれば,情報の共有空間の形成 は市場化 (Vermarktlichung) を押し進めると考えてよい。企業内における各部 署の分権化,自律化の動き,あるいはその結果としての分杜化は企業内部への 市場原理の浸透を表している。たとえば各部署は外注した場合のコストと絶え ず比較されるようになる。従業員一人ひとりも自己の市場価値を常に意識させ られる。それによって市場競争の論理が企業組織のなかに深く浸透してくる。
組織の論理に代わって市場の論理が企業の統制力となる。「まず企業ありき」
ではなくなる。自律した主体が一定のプロジェクトの遂行のために契約にもと
(1) Andreas Boes, Andrea Baukrowitz, Arbeitsbeziehungen in der IT‑Industrie. Erosion oder Innovation der Mitbestimmung ? , edition sigma, 2002, 33‑68; Andrea Boes, Zukunft der Arbeit in der "Informationsgesellschaft", http: //staff‑www.uni‑marburg.de「boes/textel bambe rg. html.
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づいて結集し,そして解散する一—いわばバーチャル企業の性格を帯びてく る。かくして企業内における市場化の進展は企業組織の求心力そのものを弱め ざるをえない。
企業内への市場化の浸透は企業間関係の「脱市場化」 (Entmarktlichung) を 随伴している。企業間の財・サービスの取引関係ば情報の共有空間において模 写され,シンボル形式で表現され,シミュレートされる。市場が本来的にもっ 不確実性ぱ情報ネットワークの形成によって予測され,そして制御される。企 業組織の市場化と企業間取引の脱市場化とは補完関係にある。市場論理を企業 の統制原理として導入するのは,激変する環境のなかで競争に勝ち残ることの 難しさの表現であり,脱市場化は市場化にたいして組織としての主体性を失う
(3)
ことなく保持しようとする企業の営為である。市場化と脱市場化のどちらも情 報技術を駆使することでもたらされる新しい合理化の形態である。
脱市場化はそれゆえ市場化への対抗策ではなく,むしろ市場化に即応しうる 形での主体性回復に向けた企業の運動である。「企業文化」 (Unternehmens‑
kultur)の創造もそのひとつである。あるいは最近とくに脚光を浴びている「顧 客志向」 (Kundenorientierung) という経営戦略上のキャッチフレーズにもそれ が現れている。これは企業内の各構成要素が外部の市場に直接さらされている
ことを表現している。同時に,そのもとで進むべき方向性を明示的に指し示す ことで,企業としての一体性と求心力とを確保しようとする意図に発するもの である。
(2) Dieter Sauer, Volker Dahl, Kontrolle <lurch Autonomie ‑Zurn Formwandel von Herrschaft bei unternehmensi.ibergreifender Rationalisierung, in : J. Sydow und A. Windeler (hrsg.), Management interorganisationaler Beziehungen, Opladen 1994, 258‑274.
(3) Dieter Sauer, Volker Dahl, Die Auflosung des Unternehmens? ‑Entwicklungstendenzen der Unternehmensorganisation in den 90er Jahren, Institut fi.ir Sozialwissenschaftliche For‑ schung (ISF) et al (hrsg.), Jahrbuch sozialwissenschaftliche Technikberichtesstattung 1996. Schwerpunkt: Reorganisation, sigma 1997, S. 19‑76.
(4) Gundrun Trautwein‑Kalms, Elke Ahlers, Software/ IT‑Dienstleistung: Der Markt, die Kun‑
den, die Arbeit, in : Dieter Sauer (hrsg.) , Dienst ‑Leistung (s) ‑Arbeit. Kundenorientierung und Leistung in tertiiiren Organisation, Mi.inchen 2002, 207‑223.
‑JOO‑ 香川大学経済論叢 622
2. 新しい労働力類型
こうした市場化の進展は,労働力の利用形態にも深遠な変質を引き起こして いる。
労働力の市場取引には本来的に次のような不確実性が内在している。売り手 である労働者と切り離して労働力だけを利用するということができない以上,
その利用過程には人間的な契機が介在せざるをえない。人間のもつ不確実性を できるだけ除去する資本家的な試みとして職務を細分化,規格化,標準化する というテイラー主義的な労務管理が定着した。他方,労働力の市場価値はそれ によって生産された財・サービスが市場で付加価値を生み出すときその大きさ によって規定されるものである。事後的にしか確定できないその価値をあらか
じめ労働契約において賃金として提示することには当然ながらリスクがある。
そのリスクは,双方によって分担される場合もあるが,労働力の買い手によっ て分担されるケースが多いであろう。それゆえにこそ能率管理,業績管理といっ
(5)
た種々の管理が経営者によって遂行されるのである。
企業組織の内部への市場化の浸透は以上のような労働力の伝統的な利用形態 に重大な変質をもたらす。労働力の管理を買い手側から売り手側に「外部化」
し,売り手である労働者自身がそれを引き受け,「内面化」することになる。
企業に代わって,企業目的に沿う形で,労働力を「自己管理」 (Selbstkontrolle) しうる労働者が時代の要請となる。そこでは,労働者自身が労働力の売り手と して,かつ労働力を用いて一定の財・サービスを産出する生産者として,「経 済計算」 (Okonornisierung) にもとづいて,労働力の投資効率を高め,生産管 理原価管理を遂行するのである。企業という擬制された市場経済のなかで市 場価値を予測しつつ主体的に行動する,最近流行の言葉でいえばイントラプレ
ナー(社内起業家)である。彼らはもはや一方的に管理される存在ではなく,
裁量労働と目標管理にもとづいて主体的に行動する。それゆえ職住分離ではな
(5) G. Gunter VoB, Hans J. Pongratz, Der Arbeitskraftunternehmer. Eine neue Grundform der Ware Arbeitskraft ?, in : Koiner Zeitschrift fur Soziologie und Sozialpsychologie, Jg. 50 Heft 1, 1998, S. 137‑139.
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く,職住融合的な柔軟な働き方が主流となり,仕事と私生活との境界が不鮮明 とならざるをえない。そうした労働スタイルは「脱境界」 (Entgrenzung) とし て特徴づけられる。労働時間,就労場所,あるいは必要な技能の形成は労働者 自身の管理下に置かれることとなる。これらは企業としての正式な管理の対象
(6)
から外れることによって「非公式化」 (Informalisierung) される。
「自己管理」と「経済計算」にもとづく「脱境界」の働き方が賃労働の新し いあり方として注目と論議を集めている。そこに求められる労働者は,あらか じめ事細かに指定された方法で摩擦なく機能する客体ではもはやなく,企業家 のごとくに行動する主体である。自己の労働給付は市場にたいして提供され,
市場によって評価されることを自覚している労働者である。労働過程における 主体の復権である。
そうした労働者像に対応して能力概念についても変化が見られる。「機能的 な能力概念」 (funktionaler Leistungsbegriff) がそれである。従来の能力概念は 職務分析にもとづいて職務の難易度を確定し,それゆえ職務のなかに必要な能 力を詳細に記述している。能力はきわめて具体的であり,顕在的である。これ にたいして新しく登場している能力概念は,「抽象的」であり,かつ「状況対 応的」 (kontextgebunden) である。能力は,ひとまず機能として抽象的に規定 される。そして目標設定にかかわる上司との面談のなかで具体化され,明示化 され,市場動向等を勘案しながら「状況対応的に」定義される。目標の達成過 程における一定の権限は「経済計算」にもとづいて「自己管理」しうる労働者 に委譲される。市場とのリンクが密接であればあるほど,市場の変動性に即応 しうるように職務内容の曖昧さが組み込まれる必要がある。「計画の時点では
(8)
計画しえないものを(未定のまま)計画に織り込む」ことによって市場の変動 性に対処するのである。上司とのコミュニケーションが新しい管理技法として
(6) Ibid., S. 139‑145.
(7) Gerd Bender, Lohnarbeit zwischen Autonomie und Zwang. Neue Entlohnungsformen als Element veriinderter Leistungspolitik, Campus 1997, S. 222.
(8) Ibid., S. 225. (9) Ibid., S. 223‑227.
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定着する。社内におけるコミュニケーションの構造そのものが合理化戦略のひ
(9)
とつとして認識されつつある。
かくして新たな労働とその担い手が工業の内部に出現している。
工業労働とはドイツ社会の自己理解によれば構想から分離された実行の過程 にほかならない。いわゆるテイラー主義の原理である。たんに労働組織が構想 と実行とに峻別されているだけではない。実行の担い手は職業教育をつうじて 自律性を,そして労働組合をつうじて対抗力を保持している。それによってエ 業の効率性と労働者の自律性とが両立しうるように設計されている。そもそも 労働時間の(弾力的な)短縮はテイラー主義にもとづく生産性向上の果実を用 いて労働時間の境界線を引き直す運動である。労働のなかに,そして労働の外 に「境界線を引くこと」 (Grenzung)がテイラー主義という編成原理の基本で ある。産業別の労働組合と経営者団体とによる団体交渉や労働協約の締結はこ
うした意味でテイラー主義を徹底し,そしてそれによって現にある労働世界の 編成原理を補強しているのである。
いまわれわれが考察しようとしている労働はこのように理解され了解されて いる工業労働の内部に登場している。 ドイツ社会学が「労働社会の終焉」とい う一見すると奇妙な問題を提起し,そして論争を引き起こしたのは,こうした
(10)
文脈においてである。ドイツ労働社会の編成原理から逸脱していると判断され ているがゆえに衝撃をもって受け止められている。こうした労働者類型にたい するネーミングとして最も反響が大きくかつ論議を巻き起こしているのは,「労
(11)
働力企業家」 (Arbeitskraftunternehmer)である。その新しい労働のあり方におい て構想と実行とは融合し,それゆえ革新過程と労働過程とは同時並行的に進行 する。絶えざる改善が求められる。「労働はしたがって労働過程において常に 自己に向き合い,自己をそれ自身の対象とするのである。これは一テイラー
(10) Nicolai Egloff, Postindustrielle Dienstleistungsgesellschaft oder industrielle Arbeits‑ gesellschaft? Zurn gesellschaftstheoretischen Kontext der These von der"Informations‑ gesellschaft", in : Rudi Schmiede (hrsg.), Virtuelle Arbeitswelten. Arbeit, Produktion und Subjekt in der Informationsgesellschaft, edition sigma 1996, S. 79‑106.
(11) G. Gunter VoB, Hans J. Pongratz, op. cit ..
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(12)
の原理と比べるとき_根本的な断絶である。」
この「断絶」にかかわるデータを紹介しておこう。テイラー主義の原理にし たがって編成された労働紺織に働く労働者はドイツの労働者全体のなかに約 40%を占める。テイラー主義がいまなお支配的であることを示唆している。こ
れにたいして自律性,参加,協力関係といった諸指標から判断してテイラー主 義の対極に位置すると思われる労働組織(いわゆるポスト・テイラー主義)の もとに働く労働者はおよそ 25%を占めている。両極分化の傾向にあることが
(13)
確認されている。「労働者企業家」の労働が後者に属することはいうまでもな
し
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労働条件の規制方法はどうなっているのだろうか。労働協約の適用率をみよ う。全産業の平均でみると,全労働者の 70.7% (西ドイツ)が地域労働協約 ないし企業別労働協約の適用対象となっている。年を追うごとに低下する傾向 にあるとはいえ,依然として労働協約の影響力はきわめて大きい。 IT関連企 業を包括する「企業向けサービス」 (Dienst ftir Untemehmen) 部門における労
(14)
働協約の適用率は,全産業部門のなかで最も低い。わずかに 38.6%である。 IT 関連のベンチャー企業 60杜を対象にしたアンケート調査によれば,労働協約 によって賃金を決定しているのはわずかに 2%, すなわち 1社にすぎない。そ れ以外は企業と労働者との個別的な労働契約によって取り決めているのが現状 である。そのさいの最も代表的な賃金形態 (47%) は,基本給に加えて賃金総
(15)
額の 20%から 50%を変動部分とする賃金である。こうした新興企業群におけ る脱協約の動きは金属産業のなかの伝統的な企業をも労働協約から背を向けさ
(12) Andrea Baukrowitz, Andreas Boes, Arbeit in der "Informationsgesellschaft" Einige Uberlegungen aus einer (fast schon) ungewohnten Perspektive, Rudi Schmiede(hrsg.), op. cit., 150.
(13) Gerhard Bosch, Entgrenzung der Erwerbsarbeit‑Losen sich die Grenzen zwischen Erwerbs‑ und Nichterwerbsarbeit auf ?, in: Heines Minssen (hrsg.), Begrenzte Entgrenzungen. Wandlun‑
gen von Organisation und Arbeit, edition sigma 2000, S. 253‑254.
(14) Susanne Kohaut, Claus Schnabel, Zur Erosion des Flachentarifvertrags: AusmaB, Einfluss‑ faktoren und GegenmaBnahmen, Industrielle Beziehungen Jg. 10 Heft 2, 2003, S. 196‑199. (15) Peter lttermann, Jorg Abel, Gradwanderung zwischen Tradition und Innovation ‑
Reifepriifung der New Economy, in: Ibid., Jg. 9 Heft 4, 2002, S. 467.
‑]04‑ 香川大学経済論叢 626
せ,たとえそこに踏みとどまる場合にも労働協約の内容に重大な改変を余儀な くさせている。たとえば労働時間規制におけるいっそうの個別化・弾力化にそ れが端的に現れている。 IT企業における労働協約ではたとえば次のような取
(16)
り決めがなされている。最低年 1回の上司との面談にもとづいて個別的に「労 働時間予算」が確定される。各個人に割り当てられる年度予算は当該年度の市 場動向,目標に応じて基準となる週労働時間にたいして個別的に年間 135時間 の範囲で上乗せできる。確定した年度予算は各個人の「労働時間口座」に記帳 される。追加労働時間の累積は 5年間で 550時間まで可能である。「口座」は 5年単位で精算される。つまり基準労働時間にたいする超過分は 5年のスパン で精算されるのである。企業にとってみれば市場動向に合わせた労働時間の調 整がきわめて柔軟に行えるわけである。超過分の精算は連続6週間以上の自由 時間,教育訓錬,基準労働時間の短縮,あるいは「長期口座」 (Langzeitkonto)
への繰り越しなど,多様な選択肢が用意されている。実際の運用は, しかしな がら,厳密ではないようである。 IT技術者の時間意識はそもそも希薄である といわれており,「サービス残業」 (VersteckteMehrarbeit) も稀ではないようで
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情報社会への移行はつまりドイツ労働社会のこれまでの編成原理の革新と変 容を伴いつつ, しかもその進捗の度合いに制約されつつ進展しうるのである。
次節で述べる情報産業の「労働力不足」にはその背後にこうした社会的変動が ある。
3. IT労働市場
ドイツの IT労働市場はどのように特徴づけられるのであろうか。
(16) Hilde Wagner, Armin Schild, Auf dem Weg zur Taritbindung im Informations‑ und Kommunikationssektor. En Beispiel der Tarifpolitik der 1G Metall im Bereich industrieller Dienstleistung, in : WSI‑Mitteilungen 2/1999, S. 97.
(17) Gudrun Trautwein‑Kalms, Elke Ahlers, Innovative Dienstleistungen und die Suche nach neuen Gestaltungsansatzen in der Leistungspolitik, in: ibid., 9/2002, S. 526‑527 ; Gudrun Trautwein‑Kalms, Elke Ahlers, Leistungsbedingungen in der IT‑Branche, in: Arbeitsrecht im Betrieb 7 /2001, S. 402‑405.
627
製造業 (IT部門除く)
エネルギー・水・建設 商 業 ・ 運 輸
金 融 ・ 保 険 IT部門
技術系サービス
ドイツの IT労働市場と外国人技術者 第 1表 IT技 術 者 の 数
‑105‑
(部門別) (2000年) IT技術者数* IT企 業 比 率 IT雇 用 比 率 大卒比率
51 160 38.1 1.8
28 0.8 145 19.5 2. 1
81 70.3 6.8 444 94.8 35.3 65 38.5 9.8 その他の企業向けサービス 123 30.3 5.8
51 54 63 74 62 教 育 ・ 健 康 ・ 公 務 330 2.9
計 1,384 3.6 58
* 単位:千人
出典: Martin Falk, IKT‑Fachkraftemangel und Anpassungsreaktionen der Untemehmen, in: Beitriige zur Arbeitsmarkt‑und Berufsforschung BeitAB 256, 2002, S. 54.
IT関連の技術者は 2000年時点で 140万人弱を数える。ドイツの就労者全体 に占める割合は 3.8%である。 140万人のおよそ 3分の 1がいわゆる IT部門で 働いている。第 1表をみよ。残りの 3分の 2 (68%) は公共部門をはじめとし たその他の様々な部門に就職している。各部門のなかで IT技術者を雇用する 企業の割合 (IT企業比率),従業員に占める IT技 術 者 の 割 合 (IT雇用比率)
によって各部門のいわばIT集約度を測ることができる。前者の IT企業比率か らみると,いうまでもないことであるがIT部門の企業の約 95%がIT技術者 を雇用している。次いで高い比率を示すのは,金融部門の 70.3%である。製 造業では 4割弱の企業がIT技術者を雇用している。逆にいえば,製造業のな かの 6割弱の企業には IT技術者がいない。 IT部門の企業はそのほとんどがIT 技術者を雇用しているのであるが,従業員に占める割合をみると,平均 35.3%
である。この IT雇用比率は従業員規模によって異なる。企業規模が小さくな るほど,それは高くなる。従業員 500人以上の企業では IT技術者以外の労働 者のほうがずっと多く, IT雇用比率は 20%にとどまる。従業員 50人未満では 逆に 41%, 10人未満で 55%, さらに 5人未満の企業になると 82%になる。 IT 部門以外の企業における IT雇用比率は,技術的な対事業所サービスに従事す
る部門でも 10%未満である。平均すると, 3 %程度にすぎない。また非IT部