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要 旨 多義動詞「つながる」の意味分析

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Academic year: 2021

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(1)

多義動詞「つながる」の意味分析

──「因果関係用法」に注目したその通時変化及び特徴の考察──

9N14007

本論では、例文「金の供給量の減少は金の価格の上昇につながるのである。」のよ うな「つながる」の意味用法を因果関係用法とする。その用法に関して、どの用法か ら発生してきたのか、その発生時期及び特徴を明らかにすることを目的として、以下 のことを行った。

(1)多義動詞「つながる」の多義構造の分析

(2)コーパスを利用した、その発生時期の検証

(3)因果関係用法の特徴の考察

(4)対応する他動詞「つなげる」との対照

(1)については、「つながる」の意味用法を15種類に分け、因果関係用法と比較的 に近い用法を見出し、その共通点と相違点を考察した。比較的に近い【意味用法14】

(事柄同士の相互関係)は「地域福祉は、住民の生活と直接つながっている領域とし て、社会福祉分野がその他の分野の動向に規定され影響されるパイプになってい る。」のようなものである。【意味14】と【意味15】(因果関係用法)との共通点は、

両者ともが事柄同士の関係を示していることである。【意味14】には時間的の前後順 序がない、その一方で因果関係用法において、事柄同士の間に時間的の前後順序が存 在する。【意味14】から【意味15】へ向かい、「つながる」には時間的の要素が加わ っている。

(2)については、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』、『青空文庫』、『神戸大学新 133

(2)

聞記事文庫』と『国会会議録(予算委員会)』を利用し、その年代変化を考察した。

結果としては、1931年に因果関係用法の早い用例が見られ、1970年代以来活発に使 われていることを明らかにした。

(3)について、について、因果関係用法の格体制は、〔ガ,ニ/へ/ヘト〕が典型 的であり、非対称性用法しかない。因果関係用法は、推量・蓋然性を表す文末表現と 共起するが、これは【意味2】を除き、他の用法では見られない。最後に、「つなが る」の持つ因果関係用法は直接的ではなく、様々なプロセスを経て最終的に後件の事 態に至ることを表している。

(4)自動詞「つながる」と他動詞「つなげる」には、意味の対応があり、因果関係 用法もある。他動詞「つなげる」の因果関係用法の格体制は、基本的に〈ガ、ヲ、

ニ〉である。「つながる」との相違点は、「つながる」の場合は、ある事柄の影響で、

ある結果が自然に出てくるのに対して、「つなげる」では、動作主の意図が感じられ る。

今後の課題としては、因果関係用法の発生と関連していると思われる【意味14】

(事柄同士の関係)の発生年代を調べること、また、「むすびつく」など類義語との比 較等を行いたい。

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