白山登山者の自然環境への意識について
~ゴミ対策に着目して~
有井 勇人 (生涯スポーツ学科 野外スポーツコース)
指導教員 中野 友博 キーワード:登山者,自然環境,意識,ゴミ
1
.
序論石川県白山自然保護センターは
,1981
年か ら白山でゴミ対策を行っており,
現在ではゴミ 箱を置かないなど「ゴミの持ち帰り」を徹底している
.
岩田ら(1991)
の調査では,
白山は高山植物の宝庫として知られているため登山者の自 然環境への意識が高く
,
大きく目立ったゴミが 少ないので,
比較的綺麗な山であると述べられ ている.
2013
年10
月に白山に筆者が登った際には登 山道ではゴミがあまり見られなかったが,
登山 道途中の休憩所においてはペットボトルや行 動食のゴミが散在しているのが見られた.
筆者 は,
ゴミ対策が行われてきた白山で登山者がど のような意識を持ち,
工夫をして登山をしてい るのか疑問に思った.
そこで本研究では
,
白山登山者の自然環境へ の意識と白山のゴミ対策の実態ついて明らか にすることを目的とする.
2
.
研究方法対象者は
,
白山登山者,20
代から60
代の男性55
名,
女性45
名,
合計100
名とした.
アンケート 用紙は,
白山国立公園利用調査報告書を参考に 筆者が独自に作成した「自然環境への意識」に ついて5
項目と「ゴミに対する工夫」について3
項目の合計8
項目である.
調査時期は,
平成26
年8
月の第一週の金曜日と土曜日の二日間で 行い,
場所は別当出合登山口にて行った.
3.
結果と考察1)自然環境への意識
白山の自然環境を維持するために必要なこ とは「入山料の徴収」と回答した登山者は
32
人(32
%)であったが,
実際に払うと回答した 登山者は80
人(80
%)と多くなった.
この回答 を年間登山回数別にみると,登山回数が0
回の 初心者2
人(50.0
%),1
~9
回の経験者51
人(
78.5
%),10
回以上の上級者28
人(90.3
%)と
,
登山回数が増えるにつれて実際に払うと回 答した登山者が多い結果となった.
白山登山 回数別に見ると、白山登山が初めての登山者は全員払う、と回答した
,
このことから白山登 山者は,
入山料を払ってでも,
白山に登りたい,
白山を美しくしたいという自然環境への意識 が高いことが明らかとなった.
2)ゴミに対する工夫
ゴミに対する工夫の項目で意識が高い結果 となったのは
,
他府県から訪れた登山者(表1),
中高年者の登山者(表2)であることが明らか になった.
中高年者より若者の意識の割合が低いこと から
,
白山登山者に対しての啓発がもう少し必 要になってくるのではないかと考える.
表1 出身地別 ゴミに対する工夫
表2 年代別 ゴミに対する工夫
4
.
まとめ自然環境への意識の項目では
,
入山料を実際 に払うという登山者が80
人(80
%)とほとん どの登山者が払うと回答した.
また,
年間登山回 数が多くなるにつれて入山料の支払いに対し ての意識が高いことが明らかとなった.
白山登 山回数では,
初めての登山者の方が意識が高い ことが明らかとなった.
ゴミに対する工夫の項 目で違いがあったのは,他府県から訪れた中高 年者の登山者の方がゴミに対して工夫を施し ていることが明らかとなった.
このことから,
若 者,
地元からの登山者に対しての啓発を行えば,
白山はより一層ゴミの少ない山になっていく と考えられる.
引用・参考文献
石川県白山自然保護センター(1997)白山国立公園利用調 査報告書、石川県白山自然保護センター,pp.1‐25.
岩田憲二ほか(1981)白山国立公園におけるゴミ対策の現 状、石川県白山自然保護センター研究報告,7,pp.55‐66.
岩田憲二ほか(1982)白山の空きかん問題の特性について、
石川県白山自然保護センター研究報告,8,pp.73‐80.