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既成市街地におけるまちづくり協議会の形成プロセスに関する研究 -北九州市八幡東区枝光地区におけるケーススタディー- [ PDF

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Academic year: 2021

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40-1 3. 研究の方法  本研究では、設立から 10 年以上が経過する枝光地 区の各まち協の形成プロセスを把握し、考察する。  まず、北九州市における市民センターとまち協の位 置づけを整理する (4 章 )。次に、枝光地区の各まち協 の設立当初、部会制導入時、現在の 3 時点に着目し、 運営体制と独自活動の変遷について把握する (5 章 )。 最後に、各まち協の運営体制の特徴と、形成要因につ いて考察を行う (6 章 )。  これらの調査として、市民センターや市の HP から 行政資料の収集と、各まち協の総会資料・役員会資料 の収集、各まち協の会長や役員、市民センターの館長 経験者へのヒアリングを行った。 1. 研究の背景と目的  現在、我が国の地域運営は、地域主権型社会の推進 を背景に行政主導型から協働型への転換期を迎えてい る。自治体によるコミュニティセンターや支援制度の 整備に伴い、多様な地域団体で構成される協議会を設 置し、住民主体による地域課題の共有と解決を図る協 議会方式の地域運営が全国的に取り組まれている。  地域運営を担う協議会の組織形成には、地域の実情 に応じた独自のプロセスが必要であり、地域課題、母 体組織、活動拠点等の違いにより異なる。特に、既成 市街地においては、既存の地域住民組織や地域施設と の調整を図りながら、施策の趣旨を踏まえた協議会の 体制・活動の形成を行うためのマネジメントが求めら れる。  以上より本研究では、北九州市八幡東区枝光地区の まちづくり協議会 ( 以下、まち協 ) である「枝光一区 地域まちづくり協議会」( 以下、一区まち協 )、「枝光 まちづくり協議会」( 以下、二区まち協 )、「枝光北ま ちづくり協議会」( 以下、三区まち協 ) を対象として、 各まち協の運営体制と活動内容の変遷を把握し、運営 体制の特徴と形成要因について考察することで、既成 市街地におけるまちづくり協議会の形成手法について 知見を得ることを目的とする。 2. 研究対象地区の概要  研究の調査対象地区である北九州市八幡東区枝光地 区 ( 図 1) は、1889 年の市町村制施行まで存在した枝 光村の村域にあたり、枝光八幡神社の祭祀圏を構成し ている。現在では枝光一区、枝光二区、枝光三区の 3 自治区会の範囲となっている。1901 年の八幡製鉄所 の操業以降、製鉄所職員や労働者の住宅需要を受けて 急速に開発が進み、斜面住宅地が形成された。その後、 製鉄所拡張や労働者の増加に伴い、商店街・歓楽街が 形成される。しかしながら、1959 年に実施された八 幡製鉄所の第三次合理化計画を境にして、製鉄所の再 編・合理化により労働人口が流出している。その後、 地区の一部では宅地開発が行われたものの、モータリ ゼーションの進展や郊外住宅地の拡大により、各地区 で人口減少や高齢化が急激に進行している。

既成市街地におけるまちづくり協議会の形成プロセスに関する研究

ー北九州市八幡東区枝光地区におけるケーススタディー 林田 朋也 図 1 研究対象地区の概要 500m 200 100 N 凡 例 自治会境界線 ■小学校 ■中学校 ◆枝光八幡神社 枝光中央商店街 高等学校 ■ ■ 市民センター ◯ ●区民館 ▲JR駅 第1種中高層住居専用地域 第1種住居地域・第2種住居地域 第1種低層住居専用地域 商業地域 工業専用地域・準工業地域 枝光一区 枝光二区 枝光三区 面積:67.8ha ■ 面積:107.9ha 面積:44.8ha 面積:67.8ha 面積:107.9ha 面積:44.8ha JR枝光駅 JRスペースワールド駅 JR枝光駅 JRスペースワールド駅 ◯ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ▲ ◆ ◆ ◯ ◯ ● ◯ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ▲ ◆ ◆ ◯ ◯ ● ▲ ▲

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40-2 る。翌年には、育成会行事であった文化祭がまち協主 催によりセンターで開かれ、地域住民のセンターとま ち協に対する理解を促した。一方、公民館類似施設で ある区民館ではセンター設置以前と同様に自治区会・ 社協の役員会が開催される等、拠点施設としての位置 づけを保っている。  既存の公民館を二枚看板化した二区では、公民館運 営委員会が母体となり 1999 年に枝光まちづくり協議 会が設立した。当初は育成会主催であった樹木のネー ムプレートづくりをまち協主催で行ったことに加え、 生活体験通学合宿などのセンターを活用した青少年育 成活動や通学路見守りパトロールが取り組まれてお り、子どもを対象にした活動が充実している。  三区では、1994 年に公民館が現在地に移転新築し た後、2000 年に二枚看板化してセンターとなった。 当地区は 1987 年より八幡東区のコミュニティ活動推 進モデル地区として協議会を結成しており、この組織 が 1999 年に枝光北まちづくり協議会へ名称を変更し ている。さらに、2001 年からは、構成団体の活動領 域を補うため、特別委員会が設置され、空家調査や防 犯灯の現状調査、住民アンケート等を行った。 5-2. 部会の構成団体と独自活動の展開  部会制の導入時期は地区によって異なり、一区まち 協では 2006 年に部会制が導入された。当初は 7 部会を 設けたが、翌年には防犯防災部会を地域活性化部会に 統合した 6 部会構成とし、構成団体との対応関係の明 確化を進めた。特に、地域活性化部会は自治区会だけ で構成しており、自治区会の取り組みである区内美化・ 防災巡視で得られた情報を利用した地域防災マップづ くりを、自治区会、まち協、大学の三者協働でおこなっ た。さらに、レモンロードづくり、共同菜園づくりが 設立以降新たな独自活動として加わっている。  二区では 2006 年に市民センターの全面改装に伴い、 まち協の拠点空間となるボランティアルームが整備さ れたことを機に、体制の見直しや独自活動の検討を 行った。2009 年に 6 部会が導入され、自治区会は全て の部会に所属しており、センター職員も 4 部会に所属 している。その他構成団体は明確に部会に対応してい 4. 北九州市におけるまちづくり協議会設立の背景  北九州市のまち協は、概ね小学校区を単位として住 民による自主的なまちづくりの推進を目的とし、自治 会、社会福祉協議会 ( 以下、社協 )、婦人会などの既 成住民組織によって構成される横断的な組織である。  同市では 1993 年に高齢化社会対策総合計画を策定 し、市、区、地域の三層に分けて地域福祉のネットワー クづくりを推進してきた。翌年から地域レベルの基本 単位である小学校区に、地域住民の活動拠点として市 民福祉センターの整備を開始した。なお、小学校区に 地域公民館が設置されている場合は公民館・市民福祉 センターの二枚看板としている。併せて、地域活動の 実践と市民福祉センターの管理運営を行う組織として まち協の設立を推進した。また、市民福祉センターは 保健福祉分野に止まらず、様々な地域活動の拠点とし て位置づけられ、2005 年には市民センターへと名称 を変更している。さらに、2004 年には市の各部局が 地域団体に交付していた補助金を一本化してまち協に 交付する「地域総括補助金制度」の創設や、類似した 活動領域を持つ構成団体を集約化し効率化を図る「部 会制」の導入を推奨することによって、総合的な地域 運営を促している。2008 年時点で市内全域に及ぶ 130 校区で市民センターの整備とまち協の設立が完了して いる。 5. 枝光地区におけるまちづくり協議会の運営体制  枝光地区の各まち協の運営体制を「設立当初」、「部 会制導入 ( 再編 ) 時」、「現在」の 3 時点で整理し、変遷 を把握する ( 図 2)。特に、設立当初は母体組織と独自 活動、部会制導入 ( 再編 ) 時は部会の構成団体と独自 活動の展開、現在の体制は部会の再編と会議の招集範 囲に着目し、考察する。 5-1. 母体組織と独自活動の始動  市民福祉センターが新設された一区では、まち協設 立にあたり、主に社協と自治区会で構成される準備会 を立ち上げ、1997 年に準備会の役員がそのまま移行 するかたちで枝光南まちづくり協議会を組織した。初 年度は落成祝賀会の開催、備品の検討、職員の採用検 討などセンターの管理運営に関わる活動が行われてい 表 1 枝光地区におけるまちづくり協議会の概要

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40-3 図 2 運営体制のプロセスと関連活動・行事 ・区内美化・防災巡視 ■■地域防災マップづくり ■空き家実態調査 ・防災防犯パトロール ・生活安全パトロール ■生活環境等要望申請 ・防犯・防災懇談会 ・区民大運動会 ■■センター門松づくり ・枝光二区防災防犯パトロール ・避難訓練 ◯ふれあい文化祭 ・祗園まつり ●古紙回収 ●通学路見守りパトロール ・枝光区民防火まつり・避難訓練 ・地域一斉清掃 ・夢二通り清掃 ・地域一斉清掃 ・夢二通り清掃 ・地域一斉清掃 ■■枝光小中との合同清掃 ■ ■ 花咲く街角マナー啓発運動 ・地域公園清掃 ■花壇運営 ■ふれあい菜園 ■センター草刈り ■■であい広場の維持管理 枝光公園樹木ネームプレート取り付け ●古紙回収 ●花いっぱい運動 ・敬老福祉大会 ・1人暮し地域交歓の集い ■健康づくり事業 ・敬老会 ・一人暮らし年長者交歓の集い ・ふれあいネットワーク事業・ふれあい昼食交流会・友愛訪問 ■枝光健康塾 ・ふれあいネットワーク事業 ・ふれあい昼食交流会 ■健康講座 ・ふれあい昼食交流会 ・友愛訪問 ・青少年問題懇談会 ・スポーツ大会等の実施 ・ふれあい交流昼食会 ●研修会の実施 ・近郊ウォーキング ・年長者健康相談◯ふれあい文化祭 ◯文化祭 ・どんど焼き□ふれあいグラウンドゴルフ大会 ◯えだみつきた文化祭□研修バスハイク ◯きずなの編集発行 ●健康づくり事業 ◯健康ウォーキング ●こどもひろば ・子育て支援事業 ・青少年健全育成事業 ●こどもひろば ●生活体験通学合宿 ●こどもひろば ●元気っこひろば ・スポーツ大会 ・キャンプ大会 ・山王児童館まつり ・非行防止パトロール ・山王児童館カルタ大会 ・区民レクリエーション ・枝光八幡宮子ども相撲大会 ◯地域成人祭 ◯餅つき大会 ◯ふれあい文化祭 ■こいのぼり製作 ・八幡東区子どもまつり □餅つき大会 ■子供会立ち上げ ●役員会の開催 ●まち協通信の発行 ◯ふれあい枝北まつり ●レモンロードづくり ■共同菜園づくり ●いきいき子どもの集い 校区まちづくり支援事業の企画調整 ◯ ふれあいサマーキャンプ ・非行防止パトロール ●ぽけっとるーむ ■■安心安全パトロール隊 ・スポーツ大会親睦会等の実施 ・スポーツ大会等の実施 枝北健康フェスティバル ・生きがい型デイサービス ・健康づくり推進員講習会 評議委員会・総会の開催 ・区会社協だよりの発行 枝北ミーティングの開催 ・健康育児相談 ・健康料理 ・餅つき大会 ◯ ◯ ●:まち協独自の活動(設立~部会制導入時に開始) ■:まち協独自の活動(部会制導入・再編~現在に開始) □:まち協主体へと移行した活動(部会制導入・再編~現在) ◯:まち協主体へと移行した活動(設立~部会制導入時) 凡例 人口 高齢化率 4,440人 24.9% 7,180人 高齢化率26.1% 8,349人高齢化率23.1% 人口 高齢化率 3,734人 33.7% 高齢化率 6,441人 32.5% 高齢化率 7,592人 28.4% 人口 人口 人口 人口 人口 人口 人口 高齢化率 3,177人 38.9% 高齢化率 6,183人 33,4% 高齢化率 6,543人 33.8% 市民福祉センター(新設)と区民館(既存)が 共存している。 公民館(既存)を公民館・市民福祉センターの二枚看板とした。 平成6年に移転・新設した公民館を公民館・市民福祉センターの二枚看板とした。 部会制導入後、構成団体の増加に伴い、 一部部会を統合し、構成団体を明確化した。 新たに果樹育成部会が立ち上げられた。 役員会招集範囲に副部会長を追加した。 PTAが4つの部会に参加している。役員会招集範囲に副部会長を追加した。 設立以降、構成団体が増加している。 自治区会が全部会に所属している。 再編時に構成団体の参入と、部会への統合が見られる。 枝北ミーティングでは、役員と部会長に 加え、副部会長を招集している。 役員数22 会長1/副会長2/会計1/ 会計監査2/事務局長1/書記3/ 専門部長5/監事7 役員数23 顧問3/会長1/副会長2/会計1/ 会計監査2/事務局長1/書記2/ 部会長6/監事5 そ の 他地域団体 そ の 他地域団体 その他地域団体 役員数8 会長1/副会長3/会計1/ 会計監査2/事務局長1 地域活性化部会 地域活性化部会 青少年育成部会 青少年育成部会 健康学習部会 福祉推進部会 環境美化部会 防犯防災部会 広 報 部 会 広 報 部 会 そ の 他地域団体 役員数11 顧問3/会長1/副会長2/会計1/ 会計監査2/事務局長1/事務局次長1 健康学習部会 地域福祉部会 環境美化部会 果樹育成部会 そ の 他地域団体 総務 ・ 広報部会 青少年育成部会 環境保全部会 防犯 ・ 防災部会 保健 ・ 福祉部会 文化 ・ 体育部会 役員数18 顧問2/会長1/副会長2/会計1/ 事務局長1/事務局員3/ 部会長6/監事2 そ の 他地域団体 役員数31 顧問1/会長1/副会長2/会計1/ 事務局長1/事務局員5/ 部会長6/副部長12/監事2 環境 ・ 美化部会 青少年育成部会 社会福祉部会 防犯 ・ 防災部会 体育 ・ 健康部会 文化研修部会 事 務 局 そ の 他地域団体 役員数25 ※兼任あり 顧問2/会長1/副会長1/会計1/ 会計監査2/事務局長1/書記2/ 部会長6/監事10 枝光北まちづくり協議会 枝光南まちづくり協議会 枝光一区地域まちづくり協議会 枝光まちづくり協議会 枝光まちづくり協議会 枝光北まちづくり協議会 枝光南まちづくり協議会 まちづくり協議会準備会 統合 統合 統合 移行 構成員数 29 構成員数 31 構成員数 91 構成員数 57 構成員数 62 構成員数 146 構成員数 63 構成員数 69 構成員数 128 構成団体数 17 構成団体数 21 構成団体数 19 構成団体数 17 構成団体数 25 構成団体数 24 構成団体数 24 構成団体数 25 構成団体数 22 役員数12 顧問2/会長1/副会長5/ 事務局長1/会計1/監事2 枝光まちづくり協議会 公民館運営委員会 移行 役員数7 会長1/副会長3/ 事務局長1/監事2 枝光北コミュニティ推進協議会 子供健全育成部 環境 ・ 美化部 広報 ・ 啓発部 文化 ・ 体育部 福祉 ・ 健康部 枝光北まちづくり協議会 名称変更 特別委員会 特別委員会 特別委員会 役員会 役員会 評議 委員会 評議 委員会 特別委員会 評議 委員会 評議 委員会 ◇:新たに追加された構成団体 1997年 1999年 1999年 2006年 2009年 2006年 2014年 2014年 2014年 総務 ・ 広報部会 青少年育成部会 環境保全部会 防犯 ・ 防災部会 保健 ・ 福祉部会 文化 ・ 体育部会 環境 美化部会 青少年育成部会 社会福祉部会 防犯 ・ 防災部会 体育 ・ 健康部会 文化研修部会 事 務 局 市民福祉 セ ン タ ー 市民福祉 セ ン タ ー 市民福祉 セ ン タ ー 市民センタ ー 市民センタ ー 市民センタ ー 市民センタ ー 部会長ミーティング 枝北ミーティング 市民センタ ー 市民センタ ー ◇ 子 ど も ひ ろ ば ・ 自治区会 ・ 社会福祉協議会 ・ 青少年育成会 ・ 老人 ク ラ ブ ・ 児童館 ・民生委員 ・老人 ・青少年育成会 ・自治区会 ク ラ ブ ・ 民生委員 ・老人青少年育成会自治区会 ク ラ ブ ・ 民生委員 ・ 婦人会 ・ P T A ・ 体育委員 ・ 枝光万歩会 ・商店組合 ・ 社会福祉協議会 ・ 老人 ク ラ ブ ・ 自治区会 ・ 民生委員 ◇公園愛護会 ・ 青少年育成会 ◇ 体育委員 ・ 児童館 ◇ 子 ど も ひ ろ ば ◇ ひ ま わ り 会 ・ 母親 ク ラ ブ ・ P T A ・ 自治区会 ◇ 公園愛護会 ・ 老人 ク ラ ブ ◇ 体育委員 ・ 青少年育成会 ◇保育園 ・社会福祉協議会 ・ 子供会 ・商店組合 ・消防団 ◇ 児童館 ・小中学校 そ の 他地域団体 ・ 自治区会 ・ 公園愛護会 ・ 老人 ク ラ ブ ・ 体育委員 ・ 青少年育成会 ・社会福祉協議会 ・ 子 ど も ひ ろ ば ・ 保育園 ・子供会 ・商店組合 ・消防団 ・ 児童館 ・セ ン タ ー ク ラ ブ ・ 小中学校 枝光万歩会 青少年育成会 ・ P T A ・ 公園愛護会 老人・ ク ラ ブ ・ 自治区会 ・ 消防団 ◯ 食生活改善推進員 ◯ 健康 づ く り 推進員 ◯町内防犯推進員 ◯ 園芸 ボ ラ ン テ ィ ア ◯ ま ち づ く り 推進員 ・婦人会 ・ 民生委員 ◯ 少年補導員 ◯ 子育 て サ ポ ー タ ー ◯ 年長者 い こ い の 家 ・ 体育委員 ・ セ ン タ ー ク ラ ブ 枝光万歩会 青少年育成会 ・ P T A ・ 公園愛護会 老人・ ク ラ ブ ・ 自治区会 ・ 消防団 ・ 婦人会 ・ 民生委員 ◇ 少年補導員 セ・ 体育委員・ タ ー ク ラ ブ 体育委員 ・ P T A ・ 公園愛護会 ・老人 ク ラ ブ ・ 自治区会 ・ 食生活改善推進員 ・ 健康 づ く り 推進員 ・ 町内防犯推進員 ・ 園芸 ボ ラ ン テ ィ ア ・ ま ち づ く り 推進員 ・ 民生委員 ・ 少年補導員 ・ 子育 て サ ポ ー タ ー ・ 年長者 い こ い の 家 ・セ ン タ ー ク ラ ブ ・ P T A ・ 公園愛護会 ・老人 ク ラ ブ ・ 自治区会 ・ 町内防犯推進員 ・ 民生委員 ・ 少年補導員 ・セ タ ー ク ラ ブ そ の 他地域団体 そ の 他地域団体 ・ P T A 役員会 役員会 役員会 役員会 ・ 社会福祉協議会 ・ 青少年育成会 ・老人 ・消防団 ク ラ ブ ・ 自治区会 ・ 民生委員 ◇ 消防後援会 ・ 母親 ク ラ ブ ・セ ン タ ー ク ラ ブ 役員会 役員会 役員会 役員会 役員会 役員会 役員会役員会 枝光一区地域まちづくり協議会(一区まち協) 枝光まちづくり協議会(二区まち協) 枝光北まちづくり協議会(三区まち協) 設 立 当初 部会制導入 ( 再編 ) 時 現在 ま ち 協関連行事 ・ 活動 の 構成

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40-4  二区では、育成会や PTA 出身のまち協構成員が、出 身団体の活動領域とは異なる部会に所属し、子どもに 関わる活動の充実が図られている。二区まち協ではセ ンター改修後の部会制導入を実質的な始動と位置づけ ているが、設立当初から主にセンターと育成会主導に よる活動を推進してきたことが、その後の組織形成が 方向づけている。  三区まち協では、部会会議の開催や地域行事を各部 会が担当するなど、部会活動が活性化している。これ は、まち協が既存の類似組織の体制を引き継いでおり、 設立時から部会制が取り入れられ、体制の見直し、再 編を通して部会活動の活性化が図られたためである。 一方、センター職員を含む事務局に対し、総合的な調 整を役割づけており、部会間の連携や部会とセンター との連携を図っている。さらに、部会横断で行われる 枝北ミーティングは部会や構成団体の枠を超えて地域 課題を協議する場として機能している。 7. まとめ  各まち協は市の施策に基づき既存組織を母体に組織 された後、独自活動を助長するための仕組みづくりと して、地域の特性や課題に応じた運営体制の再編を 行っている。特に、部会編成に地区の特徴が見られ、 一区では独自活動を担う自治区会の主体性を活かすこ とを目的として部会と構成団体との対応関係の明確化 が進められ、二区ではセンターを利用した活動を蓄積 した PTA 出身の構成員が増加し、複数の部会へ所属し ている。三区では構成団体は概ね複数の部会に所属し 部会活動を積極的に行う一方、部会横断で行われる会 議を設けることによる部会間の連携を推進している。 また、各まち協で活動領域を拡大しており、独自活動 として菜園づくりや地区の実態調査等の環境整備、改 善活動を実践している。今後は地域全体の課題である 人口減少や高齢化の進行と、それに伴う空家・空宅地 の増加に対し、各地区で地域の諸情報を蓄積しつつ、 情報共有、解決策の協議を行うためのまち協間の協働 体制を形成することが求められる。 図 2 の人口・高齢化率は、住民基本台帳の人口及び年齢人口の集計結果による。また、 この集計は枝光一区を上本町 1 〜 2 丁目・山王 1 〜 4 丁目、枝光二区を枝光本町・大宮町・ 白川町・諏訪 1 〜 2 丁目・日の出 1 〜 3 丁目・藤見町、枝光三区を荒手 1 〜 2 丁目、枝 光 1 〜 5 丁目・大宮町・宮田町の範囲で集計しており、自治区会の範囲とは若干異なる。 謝辞 本研究にあたり、枝光一区地域まちづくり協議会、枝光まちづくり協議会、枝光北 まちづくり協議会、各市民センターならびに枝光地区地域住民の方々に多大なご協 力を頂きました。ここに記して深謝いたします。 参考文献 1)『密集住宅市街地における地域主体のまちづくり手法に関する研究』  志賀 勉 2013 年 2)『まちづくり活動の組織形成のプロセスとその活動実態 - 福間町の場合 -』  小出 真司 2003 年 3)『地域まちづくり情報の体系的運用に関する研究 - 北九州市枝光北まちづくり協議 会における「わがまち枝北マップ」の取り組みを通じて -』  櫻井 恵介 2013 年 る。また、2009年は規約の一新、定例役員会の開始など、 実質的な始動と位置づけられており、部会制導入後は 子ども関連の活動に加え、空地を利用した菜園づくり や花壇運営などの環境整備活動を行っている。  三区では 2006 年に部会を再編しており、6 部会に加 えてセンター職員を含む事務局を部会と同列に位置づ け、組織内の調整や対外的な窓口などまち協の運営を 担っている。構成団体は概ね複数の部会に所属してい る。また、活動の継続が困難になった構成団体の部会 への統合や、部会会議の開催、文化祭等の地域行事の 部会担当制を行い、再編を機に部会活動の活性化を 図っている。さらに、役員と部会長により部会横断で 行う部会長ミーティングでは、地区の課題共有と活動 の企画、調整を行うことを目的としており、町内単位 の実態マップづくりや人材確保、育成を議題として挙 げている。 5-3. 部会再編  一区まち協では、レモンロードづくりや共同菜園 づくりの実行部隊として組織された果樹支え隊を母 体とした、果樹育成部会を 2013 年に新設した。また、 2014 年には役員と部会長に加え、副部会長を定例役 員会の招集範囲としている。  子どもを対象にした活動を充実させてきた二区まち 協では、部会制導入時に比べ PTA の部員が増大してお り、青少年育成部会に止まらず他の部会へも広く所属 している。また、一区と同様に 2014 年から新たに副 部会長を定例役員会へと招集している。  三区まち協は部会編成に大きな変化はないが、部会 長ミーティングは枝北ミーティングへと名称を変更し ており、地域マップづくりや、部会の統合、事業の見 直し等を議題として挙げている。なお、2014 年には 副部会長を招集範囲に加えており、各まち協で会議へ の招集範囲を拡大し、より多くの意見を取り入れるこ とによって、会議の活性化を図っている。 6. 運営体制の特徴と形成要因  最後に、枝光地区のまち協について運営体制の特徴 を整理し、形成要因を考察する。一区では、自治区会、 社協を基盤にした組織形成がなされている。特に、地 域活性化部会は、自治区会のみで構成されており、地 域防災マップづくりなど自主性を活かしつつまち協や 他団体と連携した活動を展開している。これは、まち 協の前身である準備会が自治区会や社会福祉協議会を はじめとする委員で構成されていたことに加え、公民 館類似施設が地域活動の拠点施設としてセンターと共 存していることが影響していると考えられる。

参照

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