The Directed Gaze as a Positive Reinforcer for 6-7-month-old Infants [ PDF
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(2) 1 試行は 3 分間であり、各対象児に 2 条件を各 1 回ず. った(Fig. 3 上段) 。また第一ブロックにおいて、DA. つ計 2 試行実施した。試行順序はカウンターバランス. 条件の方が DD 条件よりも多く紐を引く傾向が見られた. をとった。. (F(1,54)= 3.43, p =.070) 。. データ分析. 紐引き回数と同様の傾向がモデル出現時間について. 紐引き回数、モデル出現時間を計測した。また、反. も見られるかを検討するために、モデル出現時間につ. 応の時系列変化を検討するために、1 試行の 3 分間を 1. いても同様の分析を行った。3 分間のモデル出現時間を. 分ごとに分割して 3 ブロックに分けて分析を行った。. 条件と条件の順序を要因として 2 要因分散分析を行っ たところ、各主効果も交互作用も有意ではなかった。. 結果 3 分間の紐引き回数を条件と条件の順序を要因とし. しかし、紐引き回数の場合と同様に 3 要因分散分析を 行ったところ、交互作用が有意であった(F(2,36)= 3.82,. て 2 要因分散分析を行ったところ、各主効果も交互作. p =.031) 。ライアン法による多重比較の結果、DD 条件. 用も有意ではなかった。しかし、上記の要因にブロッ. においてのみ、第一ブロックよりも第三ブロックの方. クを要因に加えて 3 要因分散分析を行ったところ、交. がモデル出現時間が有意に長かったが(t (72) = 3.03,. 互作用が有意であった(F(2,36)= 4.69, p =.016)。. p =.003) 、DA 条件ではブロック間にそのような差異は. ライアン法による多重比較の結果、DD 条件においての み、第一ブロックよりも第三ブロックの方が紐を引く 回数が有意に多かったが(t(72)= 2.99, p =.004)、 DA 条件ではブロック間にそのような差異は見られなか. Fig. 3 各条件における平均紐引き回数(上段)と平均 Fig. 2 実験セットアップ(上段)と実験の様子(下段). モデル出現時間(下段).
(3) 見られなかった(Fig. 3 下段) 。また、第一ブロックに. Averted head with Directed gaze (AD)条件. おいて、DA 条件の方が DD 条件よりモデルが長く出現し. 乳児を見つめたまま、乳児から水平方向に約 20°. ていた傾向が見られた(F(1,54)= 3.20, p =.079)。. ずれた方向に頭を向ける Directed head with Averted gaze (DA)条件. 考察 実験Ⅰにおいて、DD 条件においては試行を通して継 時的に紐引き反応が増加する傾向が見られたが、DA 条. 頭の方向は変えずに、乳児から水平方向に約 20° ずれた位置を見つめる 手続き、データ分析. 件においてはそのような傾向は見られなかった。この. 実験Ⅰと同様である。ただし、最初の条件の第一ブ. 結果は、 「自分に向けられた視線」が強化子として作用. ロックにおいて紐引き回数が三回未満の対象児は分析. しうることを示している。. から除外した。. また、第一ブロックにおいて DA 条件の方が DD 条件 よりも多く紐引き反応をする傾向が見られた。これは. 結果. 条件をまたいだキャリーオーバー効果とモデルの注意. 3 分間の紐引き回数を条件と条件の順序を要因とし. を回復させようとした行動(e.g., Striano, 2004)に. て 2 要因分散分析を行ったところ、各主効果も交互作. よるものと考えられる。本実験では、DD 条件から始め. 用も有意ではなかった。実験Ⅰと同様に、上記の要因. た群は紐引き反応が増加した状態で DA 条件を開始した. にブロックを要因に加えて 3 要因分散分析を行ったと. のに対し、DA 条件から始めた群は紐引き反応が実験開. ころ、いずれの主効果も交互作用も有意ではなかった. 始状態から増加していない状態で DD 条件を開始した。 また、テスト試行開始前にラポール形成のためにモデ ルは乳児とフェイストゥフェイスの状態で遊んでいた ため、DA 条件から始めた乳児にとっては先ほどまで自 身に視線を向けてきたモデルが急に視線を向けなくな った状況にあった。一方、DD 条件から開始した乳児に とっても先ほどまでの視線を合わせていた(DD 条件) モデルが急に視線を向けなくなった状況(DA 条件)に あった。これらの状況において、モデルの注意を回復 させようとして比較的行い易い腕を動かして紐を引く 反応を多く行ったのであり、これら二つの要因の相乗 効果として第一ブロックにおける条件間の差が生じた と考えられる。 実験Ⅱ これまでの研究において、視線方向の処理に対して 頭の向きが影響を与えることが示されている(e.g., Caron et al., 1997) 。そこで実験Ⅱでは、実験Ⅰにお いて示唆された「自分に向けられた視線」の強化子と しての機能が頭の向きに影響されるのかどうかを検討 した。 方法 対象児 20 名の 6-7 ヶ月児(男女各 10 名、Mean:214.65 日、 SD:15.77、Range:188-236 日) 条件 強化子として呈示する女性の視線方向として以下の 2 条件を設定した(Fig. 1) 。. Fig. 4 各条件における平均紐引き回数(上段)と平均 モデル出現時間(下段).
(4) (Fig. 4 上段) 。. で報酬になるということは、周囲の大人が子どもにか. モデル出現時間についても同様の分析を行ったが、. けるコストを削減することができる。子どもの学習を. 条件と条件の順序を要因として 2 要因分散分析におい. 促進するために大人が払うコストが少なく、極めて経. ても、ブロックを要因に加えた 3 要因分散分析におい. 済的であるため、 「自分に向けられた視線」が強化力を. てもいずれの主効果も交互作用も有意ではなかった. 持つようになったのであろう。. (Fig. 4 下段) 。. 今回示唆された「自分に向けられた視線」の強化子 としての機能は社会的経験を通して獲得されたもので 考察. あると考えられる。Zeifman ら(1996)は泣いている 2. 実験Ⅱにおいて、頭が正面を向いていない場合には. 週齢児はショ糖水を与えられることで泣き止むのに対. 「自分に向けられた視線」が感覚性強化子として作用. し、4 週齢児が泣き止むにはショ糖水に加えて実験者と. しないことが示唆された。このことから、コミュニカ. アイコンタクトを取ることが必要であることを実験的. ティブな文脈において視線方向のみではなく頭の向き. に示し、 「自分に向けられた視線」が持つ親和的な機能. も重要な役割を果たしており、「自分に向けられた視. は、ヒトに生得的に備わっているというよりも獲得さ. 線」が強化子としての機能を持つためには視線が自分. れるものと考えられると指摘した。Caron ら(1997)も. の方を向いているだけでは不十分であり、視線と頭が. また 5 ヶ月児は視線を自分に向けている動画刺激に対. 同時に自分の方を向いていることが必要であると考え. して笑顔を増加させたが、3 ヶ月児ではそのようなこと. られる。. が生じないことを示し、 「自分に向けられた視線」に対 する反応の発達的変化を示唆した。これらからも、授 総合考察. 乳や世話をされるといった一次的な強化子と「自分に. 実験Ⅰにおいて、継時的に反応が増加していること. 向けられた視線」が対呈示される経験を通じて、獲得. から、 「自分に向けられた視線」が感覚性強化子となる. された親和的機能がさらに拡張された結果、 「自分に向. 可能性が示唆された。また、この結果により、乳児は. けられた視線」は生後 6 カ月頃までに行動を制御しう. 与えられた「自分に向けられた視線」に受動的に反応. るような二次的な強化力を獲得するかもしれない。本. するのみではなく、 「自分に向けられた視線」を与えら. 研究は探索的に 6-7 ヶ月児を対象にしたが、強化力を. れることを得るために能動的に行動することが示され. 獲得する時期について検討する必要がある。. た。 実験Ⅱにおいて、 「自分に向けられた視線」が強化子. 主要引用文献. として機能するためには、視線のみではなく頭も自分. Bloom, K. (1974). Eye Contact as a Setting Event for. の方を向いている必要があることが示唆された。コミ. Infant Learning. J. Exp. Child Psychol. 17,. ュニカティブな文脈において、視線方向と頭の向きが. 250-263.. 一致していることが典型的な状況であるため、発達早. Caron, A. J., Caron, R. , Roberts, J., & Brooks, R.. 期においてはこれらの方向が一致していることが重要. (1997).. であり、頭の向きに依存せずに視線方向をそれ自体と. Dynamic Facial-Vocal Displays: The Role of Eye. して利用できるようになるのは後の段階であると考え. Regard. Dev. Psychol. 33, 802-813.. られる。 本研究では、モデルが呈示したものとして視線に加 えて、笑顔と口と頭の動きがある。これまで表情と視. Infant Sensitivity to Deviations in. Kleinke, C. L. (1986). Gaze and eye contact: A research review. Psychol. Bull. 100, 78!100. Striano, T. (2004). Direction of regard and the. 線方向の処理に相互作用があることが指摘されており、. still-face effect in the first year: Does. 本研究において笑顔が視線方向と相互作用を引き起こ. intention matter? Child Dev. 75, 468!479.. した可能性も考えられる。したがって、この笑顔との. Zeifman, D., Delaney, S., & Blass, E. M. (1996).. 相互作用について検討する必要がある。 ヒトは生後間もなくから多くのことを学習する必要 がある。 「自分に向けられた視線」が強化力を持つとい うことは、ヒトが言語を含む様々な行動を身につける 上で重要な役割を果たすと考えられる。見つめるだけ. Sweet taste, looking, and calm in 2-and 4-week-old infants: The eyes have it. Dev.. Psychol. 32, 1090-1099..
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