九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Le dol éventuel en droit pénal français
井上, 宜裕
九州大学大学院法学研究院 : 准教授
https://doi.org/10.15017/16823
出版情報:法政研究. 76 (4), pp.47-63, 2010-03-05. Hosei Gakkai (Institute for Law and Politics) Kyushu University
バージョン:
権利関係:
フランス刑法における未必の故意
井 上 宜 裕
はじめに第一章 フランス刑法における故意概念
一 故意の定義
二 一般故意・特別故意
第二章 フランス刑法における未必の故意論
一 歴史的展開
二 未必の故意をめぐる問題状況
結びに代えて
説
切飼σ
論
獅
説
はじめに
聞
論
わが国において︑一般的に︑未必の故意は故意の一種とされる︒未必の故意をめぐる議論は︑認識ある過失との区別︑即ち︑故意と過失の区別基準の問題を忠に展開されてい璽故意処罰を原則とする以上・故意概念の明確化が必要不 ⑱胆σ
可欠であるが︑故意の内実については︑未だ結論の一致をみない︒そこで︑本稿では︑フランス刑法における未必の故
意気を素材に︑故意概念の再検討を試みる︒フランス刑法においては︑従来︑未必の故意は過失として扱われてきた︒
フランス刑法における未必の故意論の検討は︑わが国で故意と過失の区別を考える際︑有益な示唆をもたらすと考えら
れる︒
以下では︑フランス刑法における故意概念を整理した上で︑未必の故意論の歴史的展開︑問題状況を検討することに
する︒
第一章 フランス刑法における故意概念
一 故意の定義
フランス刑法において︑故意は︑次のように定義される︒例えば︑O>菊菊諺dUによれば︑犯罪的意図︵一三①づ江8
臼巨ぎ巴Φ︶とは︑﹁一定の作為または不作為によって︑法律に違反する意思﹂︑﹁法律によって保護された︑法的財を
害する意思﹂とされる︒≦U︾U11ζ︾Ω20けは︑﹁犯罪的故意︵伍︒一〇鼠ヨぎ9ないしは犯罪的意図︵ぎ8昌口8
︵2︶自冒ぎΦ=Φ︶とは︑法律によって規定された条件の下︑犯罪的行為を意識的に実行する意図﹂であると解している︒ま
た︑○国U幻︾ωによれば︑﹁意図︵一昌叶Φ昌什δ昌︶ないし犯罪的故意︵αo一自白ぎ9とは︑犯罪類型によって保護される社
会的価値に対する敵意の表明であり︑その際︑行為者は︑行為を意欲しているのみならず︑部分的な場合もあるが︑損
︵3︶害結果も意欲している﹂とされる︒
このように︑フランス刑法における故意の定義には︑そのいずれにも︑行為の違法性を認識しつつ当該行為に出る意
思が含まれている︒さらに︑論者によっては︑結果の意欲への言及が見られる︒この点について︑次々では︑全ての故
意犯に共通の一般故意と特定の犯罪において一般故意に加えて要求される特別故意に分けて検討する︒
二 一般故意・特別故意
︵4︶一般故意とは︑全ての故意犯に共通のもので︑行為者による行為の違法性の認識を指す︒即ち︑一般故意は︑﹁刑罰
︵5︶法規に違反する認識をもってある行為を実行する意思﹂であるとされる︒
封井これに対して︑特定の犯罪について︑立法者が︑故意犯の成立要件として︑さらなる要素を要求することがある︒そ
創
れが︑特別故意と呼ばれるもので︑結果の発生が要求される犯罪における結果発生の意欲や盗罪等における領得意思が磁秘る ︵6︶これに当たる︒竃国菊目国11<霜dによれば︑特別故意とは︑﹁立法者が特定の結果の発生を概して処罰対象としているいくつかの犯罪について︑その構成要素として個々の規定によって要求される︑精確な意図﹂であり︑そこでは︑﹁行
鰯
︵7︶為者は︑彼がこの結果を生じさせる意思を有していた場合にのみ非難される﹂ことになるといわれる︒また︑U中激刷ン畑胆σ
万
この点︑一般故意と特別故意の分類を否定する見解もある︒即ち︑U国0000は︑故意︵一般故意︶とは﹁犯罪を実
説
行ずる意思﹂であるとした上で︑特別故意の概念を定義するのは困難であり︑これを一般故意に解消すべきと主張す㍍酬
鵬
論
確かに︑U国OOOρの指摘するとおり︑特別故意の内容が各類型ごとに必ずしも明確ではないとしても︑抽象的な一
剥
般故意の定義のみで各犯罪類型の故意を措定するのは却って困難といえよう︒批判はあるものの︑一般故意と特別故意の区別は学説で広く承認されているところである︒胆σ
第二章 フランス刑法における未必の故意論
一 歴史的展開
1 未必の故意概念の生成過程
十九世紀前半の段階では︑未必の故意の概念自体十分に認識されておらず︑他の類似概念との混同が見られる︒この
混同は︑二十世紀に入っても依然として存在していた︒
例えば︑O>幻ZO臼は︑﹁被害者の死亡が故意でなされた殴打の結果であった場合︑たとえ殴打が殺人の故意をもつ
てなされたものでなかったとしても︑過失致死とはならないであろう﹂としてい鞠㌍この時点では︑未必の故意という
表現自体出てきていない︒
また︑幻>d8国因は︑未必の故意︵αOゴ﹄ω①<Φ昌ゴ﹄⇔嵩ω︶と不確定的故意︵αo冨ωぎ住Φ什興野口鉾ロω︶を同義に用いた上で︑
その例として︑群衆に向かって発砲する場合を挙げる︒この事案で︑幻﹀ご↓国書は︑﹁群衆の中の一人を彼が殺害した
場合︑彼が当該被害者を殺害する故意を何らもっていなくても︑誰かを積極的に殺害する故意すらなくても︑彼は故殺につき有責であろう︒彼が︑人を殺す危険を承知の上で発砲したことで十分である﹂とす㍍㌍ここで未必の故意ないし
は不確定的故意とされている事案は︑いわゆる概括的故意が問題となる場合で︑後に未必の故意と区別される不確定的
故意の例である︒
同様に︑十九世紀初頭の判例にも︑広く故意犯の成立を認める傾向があった︒例えば︑一八二八年九月一八日破段院
刑事部判決は︑故意になされた暴行または殴打から死亡結果が生じた事案で︑﹁死をもたらした殴打が故意になされた
ものであれば︑殺害は故意的であり︑殴打が死をもたらす意図をもってなされたことは必要でない﹂として︑故殺の成 ︵12︶立を肯定した︒この判例に対しては︑死をもたらしうる暴行及び殴打をする意思と殺人の意思を混同するもので︑法律 ︵13︶の文言を越えているとの批判がある︒
この問題は︑一八三二年四月二八日の改正で︑刑法第三〇九条に第四項が追加されたことによって︑立法的に解決さ
れた︒即ち︑刑法第三〇九条第四項は傷害致死罪を規定し︑傷害罪より重く故殺罪より軽い中間的な刑罰を導入し齢㌍
本条の改正理由は︑以下のとおりである︒﹁死をもたらすことを意欲しなかった者は︑死を惹起した傷害については責
任を負うとしても︑予謀をもって︑または︑首謀はなくとも故殺の意思をもって殴打した者と同視されえない︒法案は︑
齢併櫨⑳蘇暴行を行った者の境遇を当該暴行がもちうる帰結から切り離すものである︒この暴行の被害者が︑当該暴行が被害者の生命に向けられたものでないとはいえ︑死に至った場合︑暴行を行った者は有期懲役刑に処せられるであろ先﹁︒ この改正に関して︑Ud︿﹀いによれば︑刑法第三〇九条第四項は︑殴打及び傷害と故殺の中間的刑罰を規定しており︑未必の故意による刑の個別化を立法によって実現するものとして肯定的な評価がなされてい翻訪韓諺∪園﹀図も︑
溺
未必の故意を本来的意味における故意と同視することはできないとした上で︑未必の故意概念は︑﹁意欲して行った行激剛ン
為である以上その帰結については責任を負うべきということを説明する技術的手段﹂から︑﹁刑の個別化を実現する一 ︵17︶道具﹂に変容したとする︒細飼σ
万
いずれにしても︑この議論は︑いわゆる結果的加重犯に関するものであり︑ここでも概念の混同が見られる︒この事
珊
説
案は︑後に﹁超過された故意﹂と呼ばれる類型で検討されることになる︒
珊
論
十九世紀末から二十世紀初頭においても︑未必の故意概念は他の概念と混同されることが多い︒
遡
O︾幻OOZは︑例えば︑故殺について︑﹁この未必の故意を承認する重罪においては︑行為者は︑彼が積極的に予見し意欲した結果のみならず︑その結果が事物の通常の秩序内にあるが故に︑予見可能で︑かつ︑予見すべきであった結 ︵18︶果についても責任を負う﹂とする︒この見解に対しては︑予見可能でかつ予見すべきであった全結果というだけでは未飼σ
必の故意の限界が不明確である上︑実際に予見した者と予見すべきであった者を同視するのは不当とする批判があ煽γ
また︑O>幻幻︾dUは︑殺意のない故意の殴打から死亡結果が発生した場合を未必の故意の例として挙げ砺㌍ここで
も︑﹁超過された故意﹂として論じられるべき事案が未必の故意の例として扱われている︒
竃○口Z日量11<HU>ピも︑間接故意ないしは未必の故意︵匹︒一ぎ臼お90二〇<Φ昌ε①一︶とは︑﹁行為者が特定の行為を
実行し︑この行為が︑偶発的状況の故に︑行為者が予見し予見することができた結果より重大な結果をもたらす﹂場合
であるとして︑傷害の故意で妊婦を殴打したところ堕胎の結果が発生した例や傷害致死の例を挙げてい翻酬
なお︑間接故意︵伍O一一=創一﹃ΦOけ︶と未必の故意︵鳥︒一⑪<Φ三二Φ一︶を区別する見解がある︒じd幻○⇔O国○↓によれば︑﹁間
接故意は︑ある者が故意をもって違法行為を実行したが︑実際の結果が彼がもたらそうとした結果を越えていた場合﹂
であり︑この場合︑行為者が直接的結果をもたらそうと意欲した犯罪についての故意と︑彼によって意欲されなかった
別の犯罪を構成し処罰を加重する予想外の過失が結合しているとされる︒他方︑﹁未必の故意は︑適法行為において︑
その有害な結果を行為者が予見したが︑その実現を意欲しなかった場合﹂を指すとされる︒間接故意の例としては︑傷
害致死が挙げられ︑未必の故意の例としては︑船主がどんな事態にも耐えられるほどには頑丈でない船を出航させたと
ころ︑当初︑海は穏やかで︑難なく航海が終えられると思われたが︑天候が変化し︑大気の営力の影響で︑船が解体し ︵22︶沈没した場合等が挙げられている︒
2 未必の故意の定義
未必の故意概念について︑霞︾U肉諺網は︑次の三類型が想定されうるとする︒まず第一は︑犯罪結果を追求するこ
となく︑行為者がそれを可能なものとして予見し︑この危険を受け入れる場合である︒例えば︑自動車運転者が︑優先
通行権をもつ他の車が交差点に出現しうることを認識し︑かつ︑重大な事故を回避するには速度が速すぎて停止できな
いことを認識しつつ︑常軌を逸した速度で市街地を走行している際に︑この運転者が何者かを死なせた場合︑彼は被害
者の死を意欲していたとはいえないとされる︒第二は︑行為者が犯罪結果を可能なものとして予見しているが︑これを
承認していない場合である︒事故が起こりうることを完全に理解した上で︑常軌を逸した速度で市街地を走行する自動
車運転者が︑自分の運転技術をもってすれぼ事故を回避できると信じていた場合がその例である︒第三は︑行為者に犯
罪結果の予見はないが︑行為者にとってそれが予見可能で︑かつ︑行為者がそれを予見すべきであった場合である︒妊
︵23︶娠中と知らずに妊婦を殴打したところ︑この殴打が堕胎を惹起した例が挙げられる︒
まず︑竃︾U閑﹀肖自身は︑未必の故意を第一の類型で捉え︑未必の故意の本質を危険の引き受けという点に求めて
O併縮⑳妹 ︵24︶いる︒他方︑U国○○○のは︑未必の故意を第二の類型で捉え︑危険の引き受けがないことを未必の故意の特徴とし︑ ︹25︶﹁未必の故意﹂は故意ではなく︑過失を構成するにすぎないとする︒なお︑未必の故意を第三の類型で捉えるのは︑ ︵26︶Ω︾幻OO2で︑これに対する批判は上述のとおりである︒ ︵27︶ 一般的に︑未必の故意は︑行為者が結果を予見しているが︑それを意欲していない場合を指すと解されている︒例え
湖激刷フ
剥胴σ闘
説
未必の故意の具体例としては︑以下のものが挙げられる︒狭い道の坂の頂上手前数メートルで自動車運転者が故意を
蹴
論
もって前方車両を追い越した際に︑自車を対向車と激しく衝突させ︑複数人の死を惹起した場飴ボ︑意図的に高速度で走行し赤信号を無視して交通事故を起こし被害者を死亡させた場ふ叩さらには︑航空会社の社長が完全な耐航性がないのを知りながら飛行機を出発させた結果︑飛行中に乗客が死亡した場磁等がある︒
弱飼σ
なお︑学説の一部で︑故意において結果の予見を重視する見解が主張されている︒ω>d<︾菊∪は︑﹁意欲的行為が
結果の予見を伴っている場合には常に︑我々は︑故意︵一口けΦ昌昌Oづ︶が存在するというであろう﹂と述べ︑﹁結局︑刑法
的観点から︑﹃予見は意図に相当する︵勺み≦ω一8<鋤暮ぎけΦ暮一〇づ︶﹄ということを承認する者にとっては︑いわゆる未
必の故意と直接的故意の間には程度の差︑即ち︑質的差ではなく︑量的差しか存在しないのである﹂と結論づけ鞠㌍こ
れに対しては︑行為者が結果を意欲したというためには︑有害結果を生じさせる確実な意図が必要というべきであるという原則的な批判が向けられてい翻卵
二 未必の故意をめぐる問題状況
1 類似概念との区別
A 不確定的故意との区別
不確定的故意︵創︒=民騨興巨鼠ogαo=B嘆ひ︒一ω︶とは︑行為者がある犯罪結果を追求しつつも︑結果がいかなるものかをあらかじめ精確に想定することができない場合であ煽鮮例えば・殺意をもって群衆に発砲したり爆弾を投下した
りする場合難ある特定の人に殺意をもって発砲したところ・死亡したのが別人であった場ふげ値暴行殴打による傷害結果の精確な事前把握がなされなかった場鍮がこれに当たる︒
この場合︑﹁不確定的故意は︑その状況によって確定される︵山︒冨ω宣α簿9巨⇒讐¢ωα①什9書髭卑霞Φ<魯ε︶﹂といわ
れ︑行為者は生じた結果について故意犯の罪責を負うとされ鞠㌍
B ﹁超過された故意﹂との区別
﹁超過された故意︵αo一α9弊︒ωωOo¢αo一博器什興ぎ8二一〇暮Φ一︶﹂とは︑生じた結果が行為者の意図を越える場合をい・縛
例としては︑傷害の故意をもって妊婦を殴打し︑妊娠中絶を惹起する場合があり︑行為者は︑当該結果を望んでいな
﹁超過された故意﹂については︑立法者が︑いわゆる結果的加重犯規定を置くことがある︒これには︑傷害致死罪のように中間的刑罰が規定される場合煽W本来的意味における故意犯と同様に処罰する場合があ細群
の井2 未必の故意の位置づけ
創
フランスでは︑未必の故意は過失として扱われるのが一般的である︒例えば︑O国U菊﹀ωは︑﹁伝統的に未必の故意
磁秘るは過失の最も上位の表現と見なされている︒未必の故意は︑従って︑認識ある過失である﹂としてい㍍酬 未必の故意を過失に位置づける理由としては︑まず︑罪刑法定主義︵法定原則︶が挙げられる︒即ち︑重過失であっ
湖激刑てもこれを故意と同視することは︑道徳的にはともかく︑刑法上は不可能であり︑このことは法定原則の要請であると ︵46︶される︒例えば︑00Z↓国ロ冨≧ω↓幻国含○類︾竃bdOZは︑﹁裁判官は︑罪刑法定主義の要請から︑いかに重大なも
細4
以
のであっても過失を当該法文によって要求される故意と同視することはできない︒従って︑裁判官は︑原則として︑未
冊 万
必の故意ないしは認識ある過失を確定的故意と等価とみなすことを拒否する﹂と述べてい砺酬鵬
説
次に︑故意の内実に照らして︑未必の故意は故意たりえないとされる︒即ち︑故意とは結果を意欲することであると
剛
論
いう前提の下︑﹁危険を冒すことは︑この危険が被害者の損害に転化することを意欲することではない﹂との指摘騙W
調
﹁未必の故意は︑行為の結果を可能なものとして予見したにすぎない者に対して︑これを意欲した者と同様に責任を肯 ︵49︶定するものであり︑我々は未必の故意の理論を承認しない﹂とする主張がそれである︒さらには︑意欲された殺人と道σ
路交通規則を意識的に破る者によって単に予見されたにすぎない致死を同視することはできないともいわれ鞠㌍
もっとも︑未必の故意をめぐる議論状況は︑新刑法典の登場によって一変した︒それにより︑第一に︑総則で過失の
この刑法改正に伴って︑未必の故意論がどのように変容したかが問題となる︒まず︑これらの一連の改正を未必の故 ︵54︶意の立法化と見る立場がある︒その際︑U国OdZ国=国○は︑意図的に高速度で走行し赤信号を無視した自動車運転者
が交通事故を起こし被害者を死亡させた場合を例に挙げ︑旧刑法の下では︑この場合︑殺人の故意も傷害の故意もなく︑
過失致死罪にしかならなかったため︑新刑法の立法者は︑未必の故意の概念を承認し︑処罰が加重される﹁意図的に危
険にさらす過失︵貯昇①αΦ邑ωΦ8αきαq①目撃ひまひみ①︶﹂類型を創設する必要があったとす繍卵
これに対して︑これらの規定は︑特に重い過失の処罰を可能にするものではあるが︑未必の故意概念とは関係がない ︵56︶とする主張がある︒
また︑実際問題として︑未必の故意の理論は︑今日︑意図的に他者を危険にさらす罪の創設で終止符が打たれたとい ︵57︶う評価もなされている︒
結びに代えて
以上︑フランス刑法における未必の故意論の展開を見てきた︒
まず何よりもフランス刑法において特徴的なのは︑法文上犯罪の成立に結果の発生が要求される類型については︑基
本的に︑結果を意欲したことが故意の要素とされている点である︒この前提を堅持する限り︑未必の故意は結果の意欲
︵特別故意︶を欠くことになり︑せいぜい過失犯の成否が問題となるにすぎない︒解釈論として︑未必の故意概念を用
いて︑結果の意欲がない場合に故意犯を認めることはできず︑学説も未必の故意類型はあくまで過失であるという点で
ほぼ一致している点は注目してよいであろう︒従って︑わが国では︑故意と過失の区別に際して︑未必の故意と認識あ
る過失をいかに捉えるかが問題とされるのに対して︑フランスでは︑結果の発生を要する類型において︑故意犯の成立
には結果の意欲が要求されることから︑未必の故意も認識ある過失もこの要素を欠き︑むしろ両者を同一視する方向で
議論が展開されるのである︒
⊃井また︑フランスでは︑未必の故意概念が解釈論よりも立法論として展開されていることに注意すべきである︒結果的
創轍秘る加重犯規定の立法化も含めて︑単純過失と本来的意味における故意との問に位置する事例群に対する中間的処罰の要求が随所に見られ華それが・刑の個別化の要請として主張されている点も重要であ華 例えば︑じd国OdO国○日が︑解釈論で未必の故意を本来的意味における故意と同視するのではなく︑立法論として故
洲灘刑カブ
胡胆σ隔
説
このように︑フランスでは︑結果の発生を要件とする犯罪類型において︑処罰の必要性から安易に未必の故意概念を
鰯
論
用いて︑これを本来的意味における故意と同視するのではなく︑結果の意欲という要素を堅持することによって︑故意
稠
胆σ
もっとも︑この点については︑新刑法典における過失犯規定の改正が刑の個別化の要請に的確に応えているのかどう
か検証が必要である︒改正された過失犯規定も︑過失類型相互間の関係が不分明である等︑多くの問題点が指摘されて ︵61︶いる︒これらも含めて今後の動向を注視する必要があろう︒
︵1︶ 未必の故意を扱った近時の論稿として︑玄守道﹁故意に関する一考察︵一︶−︵六・完︶1未必の故意と認識ある過失の区別を めぐって一﹂立命館法学二九九号︵二〇〇五年︶一八一頁以下︑三〇二号︵同年︶九六頁以下︑三〇六号︵二〇〇六年︶九五頁以下︑三〇八号︵同年︶三二頁以下︑三〇九号︵同年︶六〇頁以下︑三一三号︵二〇〇七年︶五四頁以下がある︒
︵2︶≦∪﹀炉08﹁σqΦρと﹀OZOいこ︒ω①9h︒霞ω号脅︒津︒誌目冨冨江Φω︒尋8忌鼻①匿霞ρ刈.仙P壽︒︒もま︒︒.︵3︶自u㌍ωこ①鋤づい&︒頴く①§g窪×ぎ冨ωα巴︑巨Φ昌︒員PH§る①︒薮Φ﹃も届書︒︒・
︵4︶尾︾∪幻﹀メΩま曾一いΦ鎚︒辰く①暮琶扇日℃ロ㊤︒︒︒︒博b.卜︒NN・︵5︶冨紹身鵠ω扇歴曾︒い国8岳臣ρ寄①aρu邑εひ邑αqひ昌ひ邑忌︒3b︒§も﹄︒・る田鵠z滑る①ω8p田︿﹀ω−
ω国d知08・・qΦρbdOdい○ρb︒①§旦∪§ε⑩邑αqgo邑・︒︒.働αる§も.・︒置●また︑菊Ob︒男∂冒8器監①旦U溶け冨邑
αq¥卿鉾α①ひα●vb︒8一も・ω嵩参照︒
︵6︶U団鴇○閑↓霧11田ΩdZ国目同ρ8・9・︵8け9︶も宝NOよ・︒ど尾>U菊﹀図るb・簿︵89蒔︶も鳥b︒︒幽卜︒G︒刷ω日田︾ZH11目く︾ωo
ω両d知11bごOdい○ρε・息け・︵88㎝︶鴇b・卜︒濠︵7︶ζ男鼻幻・αq①が≦↓9︾民具↓邑け2&﹃︒岩戸凶邑当言§巴気Φ3H§も・碁●
︵8︶U国ω勺○菊日国ω硅い両OdZ同国国ρε.臼・︵88α︶も︒●おOよト︒一.
︵9︶∪国88︾&昼u邑叶︒曾巴伽qgo邑し§も︒.No︒︒︸署白︒︒層
︵10︶ O︾菊ZO日L≦OoヨヨΦ暮9貯Φの霞冨oo鳥ΦO伽コ動ピ日︒ヨ①N一〇︒卜︒♪Oひゆ︒なお︑℃幻O>ダい︒巳ρU①oユヨΦ簿昼bΦヨρ懸ひ鉱.︺
一㊤一一もp︒︒語−ω罐参照︒
︵n︶幻﹀¢↓重し≦.角・巴絃叶ほ︒9奉Φε垂雪①費費︒詳言邑コ㊦醇き琶ω︒:︒霞巴Φ一ひσq邑註︒:ユ巨⇒Φ=ρ↓︒ヨ巴し︒︒︒︒伊
P辰一.︵12︶ 9巨口︒︒ωΦbけ﹂︒︒N︒︒博ρ一︒︒卜︒︒︒ド︒︒刈①・その他︑9巨辰はζH︒︒一ト︒博ρ一︒︒H卜︒.ドωω押9蔑しb︒言臼Φけ一︒︒HPgH︒︒一㊤.一起参照︒
︵13︶ Ud<︾炉幻8鼻U=自︒一曾窪ε♀H㊤OρO・りΦ.
︵14︶刑法第三〇九条第四項﹁死をもたちす意図なく︑故意になされた殴打または暴行が︑死の結果を惹起した場合は︑有期懲役刑
に処する﹂︒
︵15︶ Ud︿﹀炉8.9叶・︵ぎ8一ω︶b.零・
︵16︶ Ud︿﹀炉8.9け.︵ぎ什Φ一ω︶導bb●㊤︒︒口O企一ト︒癖山b︒9
︵17︶ ﹈≦諺U幻︾メε●α什●︵8けΦ心ンb戸N一一幽旨.
︵18︶ Ω︾菊OO7団島50&①09巴①80け少↓○日Φ一し㊤OH−H㊤O①も.①謹・
︵19︶ 寓>U国︾メ8●鉱什・︵8けΦ軽︶博署●b︒H①幽嵩●
︵20︶Ω︾菊幻>dP㌍岸巴$臼Oo村δ器簿胃註εΦ雪占9什b9巴ヰきO巴ρ日︒ヨΦどω①①9弘曾ωも.α︒︒︒︒・
︵21︶嵐○目Z目串≦︒8お≦U>炉Ω8﹁αq①ρ日鑓砂鉢仙︒ユρ二Φ簿嘆pぼρ器α①費︒淳忌づ鉾日︒ヨΦb︒藁︒︒鐸巳Oω.<日︾ピー−
O
罎︾O乞O炉︒層︒︒さ︵8けΦ卜︒︶もμ﹃㎝も同旨︒ωO図国園こ$コ6訂&ρ∪﹃o謬b曾巴①什只oo①匹霞Φ冨⇒巴ρH㊤Φ0皇卜︒OO①もH宝参照︒な
併
お︑不確定的故意と未必の故意との差異について︑竃○いHZ田閑日≦U︾いは︑﹁前者には︑行為の結果に関して不明確さが存在す
意故のるが︑行為者が行為のあらゆる結果を予見しまたは予見することができたのであるから︑当該行為のあらゆる結果について行為者による引き受けがある︒これに対して︑後者には︑行為の予見されない結果に関して意思は存在せず︑結果に関する有責性は存在
必未しえない﹂とする︵H≦○い一Z一国勾11︿目∪﹀い堵Hび凶9︶︒
鵬お︵22︶ じU菊OdO出Oθ=魯昼U巴︑ぎ自愛88旨みω豊富二一膏ぽω二二鋤冨寮母少一㊤Oαも︒・①一よ県︵23︶ ﹈≦>U菊︾メ8・9け.︵ぎけ①蔭︶博bO﹄O刈幽O︒︒・
に眩薪ン万
︵24︶ 冨>U菊﹀メoPo搾曾09軽︶も.器O旨○けΦ卜︒N この点︑冨︾∪幻﹀団は︑﹁未必の故意と本来的意味の故意を同じ刑で罰しうるかを問う場合︑問題は置き換えられる︒実際︑未必の故意は︑行為者による違法結果の予見と事情を知った上での危険の引き受けを含む︒提起される問題は︑行為者が結果を追求しなかったという一事をもって︑常に故意犯に固有の刑罰の宣告が禁じられるのか ということである︒⁝⁝学説は︑精緻な分析により︑犯罪結果を追求しないがこれを予見しそれを承認した行為者の態度を故意と鋤㌍卜σ野
説論同視し︑ 行為者が犯罪結果を予見しているが軽率にもこれを回避しうると信じている場合にはこの同視を拒否するというところに至るであろう﹂と述べている︵霞≧︶園︾メop簿︵8け①ら︶もpN卜︒①山ミ︶︒鵬の
︵25︶
】)曹O00ρ8・9叶・︵づ9ΦΦ︶v娼・卜︒一ω●同旨覇>ZUHU田押朝一一︷誌9U﹃o詳娼9巴σq9轡鉾b︒Φ仙住・口㊤リド窓ω①b︒山①仰ぴ国菊○メ喝4
冒oρ=①ρU居︒詳冨づ巴αqひ昌①鑓一b.0Ω.b8メP旨㊤.他方で︑一︶国OOOOは︑行為者が生じた結果を可能なものとして表象し︑この危険を受け入れた場合を不確定的故意とし︑この場合に故意の成立を認めるθ両OOOO8o一け曾︒鼠り︶も.N昌︶︒研σ
︵26︶○︾幻OOZoや︒一け●︵⇔o什Φ一〇︒︶噂や①謡
︵27︶
bdnqN>θ国①霞ρぎ呼9口oP菊9Φ詳︒蹄①創Φ臼︒津09巴簿α①震Oo伽山屋①09巴ρ日︒ヨ①b︒口㊤①○︒PgU国ω勺○菊日国ω11い団
OdZ国=国ρε・9け・︵昌08㎝︶も・お㊤旧Ud<諺ダ8・o一け.︵8什ΦHω︶もb・藁葺ω旧い国OdZ団=団ρ牢き︒一ρ由仙ヨΦ暮ヨ︒錘一匹Φ一ぎ蹄8鉱op
甲Ω燭0コ巴堵︾雰おH−ρ℃b︒8NbO・巨山N⁝﹈≦国菊い国11<一日90b・o一け曾09刈︶堵戸々G︒.
︵28︶O日︶菊﹀ρob曾︒一什●︵⇒o叶①ω︶憎b.一〇︒・
︵29︶園Od〆匂㌔諺・博Oo霞ωα①時︒一叶︒鼠ヨぎΦ一町鋤=㊨巴ρ↓oヨΦ押N①ひ匹GH露8PH①9
︵30︶U国ω勺○勾↓国ω11い国OdZ国手同ρ8●αけ︵8叶Φ翌窓畳畠リム︒︒O脚出国旨い国11︿一↓9ε︒︒一叶・︵ぎ8刈︶℃づや誤ω為㎝倉幻﹀ωω︾β
竃一〇冨一Φ−目磐﹁ρU8津b仙舜一σq9脅①一bOO企O.ωω︒︒旧ω↓国男︾Z一11U国︿﹀ωω国d閑ほbdOdいOO℃oPo詳.︵⇒o什Φα︶b●b︒&・
︵31︶ぴ国OdZ国=国ρo娼・o一け●︵コ08ミ¥戸旨.
︵32︶ω日国国諺Z一闘い国︿﹀ωω国ご菊HしdOdいOρoPαけ・︵⇒oけ①α︶b●躍①.
︵33︶ω>d︿﹀幻P出Φp員いΦ山兜津匹︑一ヨO噌二α①昌oρHO︒りPOb・卜OP逡・
︵34︶Ud<︾劃︒や︒凶け.︵コ︒けΦ一Q︒︶℃づ・㊤●
︵35︶U団ω℃O菊↓国ω11い両OqZ国寓国ρ8お一け曾︒什Φα︶も・お︒︒こ国︾ZU一〇一国押︒や︒一け.曾9①b︒α︶も●ω①目旧い国Od2国=国ρ8お叩け.︵88
ミ︶も・目旧著国幻い鳶口<一日90bお一け︒︵昌09刈︶も明器脚ω日国閃>ZHHい国︿﹀ωω団d幻11udOqいOρo戸︒一け.︵コ︒叶①㎝︶もやト︒心α−卜︒&田く日諺いロ
寓>OZO劃︒戸︒拝︵昌9①卜○︶O・一謹.
︵36︶UOZZ厨∪日d号<︾じu勾国ρ寓こ日興一言号α﹁o一け︒ユ9ぎΦ一骨山Φ冨αq凶ω冨叶一〇昌09巴Φ8ヨbpみρ︒︒㊦巴.狐リミも︒︒卯O>菊菊>dP
ob・9什・︵⇒9ΦNO︶も・α︒︒N二≦︾U勾﹀メob.9什●︵コ︒け①ら︶も・b︒卜︒一.なお︑○菊日○い>Zし4け慰日Φ9ω鎚①曾○一け燭9鋤r日︒白Φどα①①αH︒︒︒︒伊一2山9参照︒
︵37︶○﹀肉菊︾dPob.o一け●︵昌9ΦN9や㎝Q︒紳﹈≦︾U菊﹀メ︒娼・9戸曾08膳︶博ObNH幽器︒
︵38︶U国ω勺○幻↓国ω11い国OdZ国国両ρ8・o一け.曾︒け①α︶も・お︒︒;団諺Z︼︶一UH国君8.o轟け.曾○叶①謡︶も●ω①却い国OdZ同=団ρ8お一什●︵昌︒けΦ
留︶O・一H⁝﹈≦団奪い国H<一↓90b.o一什●︵昌︒けΦ刈︶娼.誤N二≦OいHZ日日11<HU︾roPo凶け︒︵づ08曽︶戸HOω旧ω↓国閃諺Z一目い団︿﹀ωω国d幻陛
しdndいOρoPo一只コ09α︶も﹄蔭・フランス刑法では︑傷害結果の程度によって刑罰が異なっており︑不確定的故意の問題がここで
生じることになる︒刑法第二二二−九条﹁暴行によって︑身体の一部喪失または永続的な障害状態を惹起した者は︑一〇年の拘禁
刑及び一五〇〇〇〇ユーロの罰金に処する﹂︑第二二二⊥一条﹁暴行によって︑八日を越える完全労働不能の状態を惹起した者は︑
三年の拘禁刑及び四五〇〇〇ユーロの罰金に処する﹂︑第R六二五⊥条﹁第二二二−=二条及び第二二二−一四条に規定する場合を
除き︑八日以下の完全労働不能の状態を惹起する故意の暴行は︑第五級違題言罪について定める罰金で処罰される﹂︒
︵39︶∪OZZ団U宙dα①<︾切勾国ρ8.9け曾○けΦωO︶も・︒︒N旧O︾菊夘諺dP︒や簿.曾○けΦNO︶も.㎝︒︒︒︒忌国・OdZ国自国ρ8・9・︵88§
巳押ζ○口Z田幻口≦∪﹀炉8.簿︵昌︒け①NH︶噂℃.HOGQ脚ω↓国司﹀.2一Hい国く︾ωω同d菊11buOdいOρoO・o一け︵⇔08㎝︶も・H謹●
︵40︶
bdndN>θ8・鼻・︵づ○け①N刈︶℃P①脚U国ω勺○菊日団ω睡い国OdZ国口国ρo娼・o一什.︵コ︒什①α︶も﹄㊤P国Od2国=国ρ8●︒景8け①きも
H押ω日国司︾ZHい国︿﹀ωQD国d菊HbdOdいOρob・鼠け︵pOけΦα︶も.謹︒︒.冨国幽い国闘≦日dによれば︑故意を越えた犯罪︵鼠一評嘆99臼
言け①昌鉱︒目9とは︑﹁犯罪が︑行為者によって予見されまたは予見されえた結果より重大な結果をもたらした﹂場合であるとされ
る
(]?相ユい同11<一日CoO.9け︵昌︒け①刈︶℃b・胡ω︶︒
︵41︶U国ω℃O幻日国ω11い国OdZ両国国ρ8●o長89α︶も.お㊤旧い国OdZ国包国ρ8お具8け①さ︒刈︶も・H一●
︵42︶冨国菊い国闘≦↓98.簿含︒けΦ刈︶も.胡ω旧ω日団男面ZH1ーピ幽く︾ωω国C幻HしdOdピOρoP窪・曾︒什Φα︶も・漣︒︒■
︵43︶刑法第二二二−七条﹁暴行によって死が惹起されたが︑死をもたらす故意がなかった場合は︑一五年の懲役で処罰する﹂︑第二
二一−一条﹁故意に他人を殺害する行為は︑故殺とする︒故殺は︑三〇年の懲役で処罰する﹂︒葛諺ZUHU田菊によれば︑﹁法律は︑
コ
故意を越えた犯罪の行為者を︑意欲された結果に対応する刑罰と生じた結果に対応する刑罰との中問的な刑罰で処断するのが論理
併
﹂的に思われる﹂として︑傷害致死罪規定等が例に挙げられている︵一国>ZU一UH国三一︒や︒詳・︵コ︒什ΦNα︶も・︒︒①甲ω爵︶︒
意故の︵44︶ 刑法第二二二⊥四条第一項コ五歳未満の未成年者︑または︑年齢︑疾病︑身体障害︑身体的欠陥︑精神的欠陥もしくは妊娠状態によって著しく脆弱なことが明らかであるかもしくは行為者によってそのことが認識されている者に対する暴行は︑以下の
必未区分に従って処断する︒1 被害者を死亡させたときは︑三〇年の懲役︑2 身体の一部喪失または永続的な障害を惹起したとき
は︑︵45︶ 二〇年の懲役︑3 八日を越える完全労働不能の状態を惹起したときは︑一〇年の拘禁刑及び一五〇〇〇〇ユーロの罰金︑4八日を越える完全労働不能の状態に至らなかったときは︑五年の拘禁刑及び七五〇〇〇ユーロの罰金﹂︑第三二二⊥○条第一項﹁第三二二−六条に定める犯罪︹故意の爆発︑火災による破壊等︺によって︑他人を死亡させた場合は︑無期懲役及び一五〇〇〇〇ユーロの罰金で処罰する﹂︒ω↓国司︾ZH睡ピ国く諺ω6り国d幻目しuOdいOρoや︒山け.曾︒呂α︶導P卜︒ミ参照︒なお︑菊︾ωω﹀↓によれば︑刑法三二二−一〇条は不確定的故意の観念を適用したものと解されている︵幻﹀ωω﹀﹈りO冒・O一⇔︵コOけΦωO︶もb.ω︒︒ω−ω竃︶︒ ○国∪菊︾ρo戸oF︵89︒︒︶も.一︒︒●その他︑未必の故意を認識ある過失と解するものとして︑bUOCN>θ8●oF︵8け①N刈︶O.9
㎝¢卜σ珊
説論UOZZ国U臼dα①<>bU幻国ρ8・o詫︵づ︒叶Φω①︶も.︒︒ド等がある︒なお︑認識ある過失と未必の故意を区別すべきとする主張が一部でなされているが︑この論者も未必の故意は過失の一態様であるという原則を維持する︵℃幻﹀∪国炉旨Φ四七竃き⊆Φ一心Φ締︒渇けb曾巴
珊勿
mqOづ脅巴℃bQOO伊Oづ・ミ企膳Q︒O︶︒︵46︶ 菊﹀ωω︾θoP9け曾︒辞ΦωO︶Pωω︒︒旧ω↓国司>Z一口い国︿﹀ωQo国d幻11bσOdいOρoO.o拝︵昌︒けΦα︶一〇b.卜︒心?逡S なお︑い凹く︾ω−Qo団d搾Ω①霞ひqΦρO出︾<>ZZ炉≧び臼ゴ寓OZ詩話団d目炉旨Φ餌PU同︒淳b⑩づ巴ゆq重落巴2只ooOα霞Φb曾巴ρ目︒伽α.噂一㊤㊤♪やざ参照︒︵47︶OOZ日や℃←罎≧ω日知国含0=︾窓bdO7夕U﹁︒淳鳳爵一αq曾忌日一b.痒vH㊤㊤①も.卜︒O刈・伺卜σ
︵48︶.菊Od〆ob.qけ・︵8けΦ卜︒¢︶燭.一①O.
︵49︶ bU菊OdO閏○θob●oF︵昌09旨︶やや①ら・但し︑切刃OdO出○↓は︑上述のとおり︑未必の故意を適法行為から有害結果が生じた
場合に限定する︒
︵50︶ ℃菊﹀∪国劃︒戸︒一け.︵8けΦ畠︶鴇Ob眞起●
︵51︶ 幻OUU国幻日oo●o拝︵コ9①㎝︶娼●器P なお︑bd菊OdO=○日8ろ一け.︵89b︒・︒︶も︒.①ωよ心参照︒また︑判例も基本的に未必の故意を
過失として扱っているとされるが︵0ユヨ●b︒﹃ヨ輿ω一8b︒しd・コ︒Hb︒︒︒旧Oユ日●嵩功田2H㊤ω①ω一一㊤ω8HN刈即0ユ日b︒︒日蝉二留野じd●昌︒
屋α90.︶︑むしろ本来的意味における故意と同視しているように見えるものもある︵9巨﹄Oづ︒奔騰㊤①卜︒vbd﹄︒︒︒ωごOユ幹一︒︒冨昌タ
H㊤①①こO℃藁㊤①①.HH=①①ω旧Oユ筥﹂b︒鋤謹・一㊤刈9PHΦ謡﹄︒︒㊤旧Oユヨ﹈Hooけ目㊤︒︒Pしu6づ︒ω翻︶︒
︵52︶ 刑法第一二一−三条第二項﹁前項の規定にかかわらず︑法律が定める場合︑不注意︑解怠︑または︑他者の身体を意図的に危
険にさらすときは︑軽罪になる﹂︒
︵53︶ 刑法第二二一−六条第一項﹁不熟練︑軽率︑不注意もしくは烈風によって︑または︑法律もしくは規則によって課される安全
配慮義務または注意義務に違反し︑他者を死亡させる行為は︑故意によらない殺人とし︑三年の拘禁刑及び四五〇〇〇ユーロの罰
響
金で処罰する﹂︑第二項﹁法律または規則によって課される安全配慮義務または注意義務に意図的に違反する場合には︑五年の拘
禁刑及び七五〇〇〇ユーロの罰金で処罰する﹂︑第二二二⊥九条第一項﹁不熟練︑軽率︑不注意もしくは解怠によって︑または︑
法律もしくは規則によって課される安全配慮義務または注意義務に違反し︑三ヶ月を越える労働完全不能の状態を他者に惹起する
行為は︑二年の拘禁刑及び三〇〇〇〇ユーロの罰金で処罰する﹂︑第二項﹁法律または規則によって課される安全配慮義務または
注意義務に意図的に違反する場合︑三年の拘禁刑及び四五〇〇〇ユーロの罰金で処罰する﹂︑第二二三−一条﹁法律または規則に
よって課される特別の安全配慮義務または注意義務に明白に意質的に違反し︑死亡または身体の一部喪失もしくは永続的な障害を
惹起しうる傷害の急迫した危険に他者を直接的にさらす行為は︑一年の拘禁刑及び一五〇〇〇ユーロの罰金で処罰する﹂︒
︵54︶ 冨国幻い団<H日戸oPo一け・︵づ︒呂刈︶もO・翻甲謡ド なお︑ω日同国諺Z一11い巧く諺ωω国d菊口切Odド○ρoや︒一叶●︵コ08α︶も.b︒ミ参照︒
︵55︶い国Ω¢Z国自国ρob・o拝︵昌︒けΦ卜︒刈︶も.§●また︑O国ω勺○菊自国ωHU団ΩdZ国出国ρoやoF︵8けΦα︶もb・お㊤−おO参照︒
︵56︶幻﹀ωGo︾日oO・oF︵⇒oけ①ωO︶も.ωω︒︒・なお︑罎﹀網>dP照くΦρU村︒詳b曾鋤一σq9騨鼻卜︒8企やb︒宝参照︒
︵57︶O出︾bd国菊∂bdΦコ︒↓けωd戸空①臣①・○=≦Φ同一∪8津b曾巴ひq9轡掛口㊤㊤◎O.暫・
︵58︶Ud︿﹀いは︑未必の故意概念の導入可能性について︑理論的には︑刑の個別化に資する未必の故意概念は積極的に展開され
てしかるべきとするが︑実際上︑フランス刑法において未必の故意概念の展開を追求すべきかは複雑で微妙な問題があるとする︒
そして︑そもそも未必の故意が問題となるような事態が起こりうるのか︑もし起こりうるとして行為者が実行行為時に当該行為の
未必的結果を予見していたことを証明することができるのかという疑問が呈されている︵一︶d〜N>﹈﹁ OO・O一け︵昌OけΦ HしQ︶導bb・旨やお伊
H㎝H山紹︶︒
︵59︶竃>U菊﹀磯によれば︑未必の故意概念は︑﹁かつてはより重い処罰をもたらすために故意の領域を拡大する手段﹂であったが︑
今日ではより緩和され︑﹁刑の個別化の道具﹂になるとされる︵冨諺︼ワ菊﹀団Oづ●O一け︵昌OけΦ湛︶も●b︒8︶︒そして︑竃︾U幻﹀団は︑裁判
官が刑罰軽減事情︵酌量減軽︶を活用することで︑未必の故意の態様に従った刑の個別化を実現すべきと主張する︵竃︾∪幻︾メ
oPo拝︵コ09癖︶も・卜︒ω一︶︒また︑Ud<︾いによれば︑未必の故意概念は︑これを本来的意味の故意と同視するためのものではなく︑あくまで中間的処罰を可能にするものとして捉えられている︒さらに︑UC<︾いは︑未必の故意概念を前者の意味で用いると︑
必然的に推定及び仮定に頼ることになり︑裁判官の公正さに対する最も重大かつ正当な疑念が生じ︑ひいては︑司法判断全般につ
いて信用を失う事態が生じかねないと指摘する︵Ud︿﹀押8●葺含gΦ邑も・嵩ω︶︒
の
︵60︶
bdeOdO=○βoや9け・︵昌︒辞Φb︒悼︶︾Ob.①ωよ癖
併
︵61︶新刑法典施行後の過失犯規定の変遷については︑井上宜裕﹁緊急状況における刑法と民法の交錯ーフランスの近時の立法を素
意故の紐鵬騰材として一﹂法学雑誌五五巻一号︵二〇〇八年︶七三頁以下参照︒
紛
法
喝 刑
4
以ラ冊1
フ
56