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ソーシャルタギングを活用したキュレーション型 EC に関する研究

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Academic year: 2021

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ソーシャルタギングを活用したキュレーション型 EC に関する研究

A study on curation E-Commerce utilizing social tagging

1W100134-5

金山  哲    指導教員  長  幾朗  教授

Kanayama Satoshi Prof. CHOH Ikuro

概要:  本研究は、増加するインターネット通販利用者、堅調な成長を見せる電子商取引の市場規模に着目し、今後求め られる新しいインターネット通販の形を模索し提案するものである。近年ではスマートフォンの普及に伴い、インターネ ット通販がより一般消費者の身近なものとなっただけでなく、以前より手軽に個人が物品を販売できるようになっている。

背景にはウェブページ構築ツールの充実や、個人間取引を行うためのプラットフォームの増加などが挙げられる。こうし た参入障壁の低下は個人に対してだけではなく企業についても言えることであり、今後ウェブ上の製品に関する情報は増 えていくと予想した。こうした予想に基づいて近い将来に何が問題として浮上するかを想定し、それらを解決するにはキ ュレーション型 EC を活用することが最適であるという結論を得た。また既存のキュレーション EC にもいくつか問題点 があるが、ソーシャルタギングを導入するとよりそれらの問題を解決できることも分かった。 

キーワード:キュレーション、タイムライン、ソーシャルタギング  Keywords: curation, time line, social tagging

1.はじめに 

今日ではインターネット通販会社が多く存 在しており、扱っている商品も様々だ。近年で はスマートフォン向けのフリーマーケットア プリなど個人間取引サービスの台頭や大企業 の新規参入も目立ち、業界が大きく揺れ動いて いる。その流れの中でキュレーション型ECや ソーシャル・コマースが注目されてきており、

インターネット通販のビジネスモデルの多様 化も著しい。果てして今後、EC業界はどうな っていくのだろうか。本論文では業界全体の流 れを俯瞰し、どのようなサービスやビジネスモ デルに可能性があるのか考察した。 

2.EC 業界の展望 

EC業界の未来を予測するにあたっては、歴史 や業界全体の流れ俯瞰することが欠かせない。日 本における業界の歴史を簡単に振り返った。 

  初期では主に企業と企業との間で受注情報の 交換などが行われていた。当時はインターネット の利用は学術か軍事目的だけに限定されており、

企業は一般消費者にアプローチすることができ なかった。それが1993年に郵政省がインターネ ットを一般開放すると、パソコンの普及もあり、

ぽつぽつとインターネット通販を始める業者が 現れるようになった。また1997年には楽天市場 がスタートした。さらに2000年代前半になると ブロードバンドが普及し始め、インターネット通

販の本格的な普及が始まった。

  2009 年頃になるとスマートフォンが台頭し始 めた。スマートフォンはインターネットにアクセ スする機能に優れており、ウェブがより一般消費 者の身近なものとなったと言える。実際に近年で はスマートフォンを経由してインターネット通 販を利用したことのある人数が増加傾向にあり、

その流れは今後も加速していくと予想できる。ま たスマートフォンの普及は個人間取引市場の成 長にも寄与しており、最近ではフリーマーケット などのサービスの増加が目立つ。

  このような流れの中で BtoC-EC 業界の市場規 模は確実に拡大してきており、今後もその流れは スマートフォンの普及に伴い加速されていくだ ろう。すると一般消費者からすれば欲しい物品を 見つけるための探索コストの増加が一番の問題 となることも想定できる。この問題を解決するた めには新しいサービスや仕組みを考える必要が あるだろう。

3.現状のサービスでは不足する理由

  当然今あるインターネット通販サイトの中に もユーザー・エクスペリエンスを考慮してうまく 設計されたものもあり、既存サービスでも十分に 探索コストは小さいとの見方もできる。しかしこ うしたサービスが優位性を持つのは、購入したい 商品がある程度決定しているユーザーに対して である。そうしたユーザーに対してはキーワード

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2 検索や条件による絞り込み、レコメンド機能は有 効であるが、「何か良い物はないか」程度の気持 ちでウェブサイトに訪れるユーザーには有効と は言えない。なぜなら購入する対象が決定してい ないので探索しようがないからだ。

  このように、多くのインターネット通販サイト はウィンドウショッピング感覚で利用するユー ザーのニーズには応えておらず、そうしたユーザ ーにとって、今後はますます探索コストが増大し ていくと言える。

4.キュレーション型 EC の台頭

  増大する探索コストをいかに小さくするかが 課題となるが、この課題を解決しようと試みがな いわけではない。近年キュレーション型EC(特定 のユーザー層に向けのインターネット通販)と 呼ばれるインターネット通販が注目されており、

こうしたサービスを利用して質の高い製品を購 入するのがトレンドとなっている。キュレーショ ン型ECの一番の特徴はユーザーが能動的に商品 を検索する必要がないということだ。これまでの インターネット通販ではユーザーがキーワード による検索を行ったり、カテゴリーで絞り込みを する必要がある。一方キュレーション型ECでは 目利きの専門家や趣味嗜好の近いユーザーが商 品を自分に紹介してくれるので、ユーザー自身が 能動的に行動する必要がない。そもそも探索をす る必要がなくなるので、探索コストは非常に小さ くなるというわけだ。しかしながら現状のキュレ ーション型ECにも問題点はある。

  EC業界の歴史や現状から、今後はスマートフ ォン経由での購入が間違いなく増加すると予想 した。これを裏返せばスマートフォン向けに最適 化されたBtoC-ECCtoC-ECのニーズが高まっ ていくということである。スマートフォン向けに 最適化させるためには、ページのデザインを小さ い画面でも見やすくしたり、ページの読み込み時 間を少なくする工夫が必要だ。しかし何よりも、

モバイル端末ならではの「いつでもどこでも好き なときに利用できる」というメリットを活用でき る仕組みを提供するのが肝要である。

  現状のキュレーション型ECの中でもサブスク リプション型や提案型のものは、その性質上こう したスマートフォン対応が行いにくい。ところが SNS 型はホーム画面にタイムラインを利用して

いるため、スマートフォンとの親和性が良い。し たがって今後は SNS 型のキュレーション型 EC の人気が高まると予想した。

5.ソーシャルタギング型 EC の提案 

  しかしながら現状の SNSEC にも欠点があ る。キュレーションの精度とタイムラインの流動 性や製品の多様性が両立できていないのだ。

  あらゆるジャンルの製品を扱う SNSEC は 明らかにユーザーに不適切な商品がタイムライ ンに流れてくることがあり、特にマイノリティに 属するアイテムを好むユーザーには適さない。一 方特定のジャンルの製品を扱う SNSEC では そのジャンル以外の製品に出会うことができず、

また商品数も少なくなるのでタイムラインが更 新されにくい。そのためオンライン上でウィンド ウショッピングを行うという SNSEC の利用 目的の1つを阻害する。

  こうした問題を解決するためには、SNS型EC にソーシャルタギングを導入すればよいと提案 した。提案したサービスの概念をソーシャルタギ ング型ECと称すが、このサービスではあらゆる ジャンルの商品情報を並列的に整理するため、タ イムラインの流動性や製品の多様性を確保でき る。サービス利用時にフィルターを細かく設定す るのでキュレーションの精度が比較的高くなる。

このようにソーシャルタギング型 EC は既存の SNSECの抱える欠点を克服している。

まとめ

  EC業界の歴史、近年における動向から EC市 場は今後も拡大するが特にスマートフォン経由 の市場が著しく成長すると予測した。またその際 には探索コストが増大するが、キュレーション型 ECによってその現状が改善されていることを指 摘した。最後に、ソーシャルタギングを従来のキ ュレーション型ECに導入すれば、よりスマート フォンに最適なサービスを作ることができると 提案した。

参考文献 

[1]幡鎌博「eビジネスの教科書」(創成社, 2013) [2]鈴木雅幸他「ネット通販大解明!」(週刊東洋経済, 2013)

参照

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