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子宮頸がんワクチン 現場からの啓発 村中 璃子

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Academic year: 2021

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特 別 講 演

56 The 67th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health

座長:山下裕史朗(久留米大学医学部小児科学講座)

子宮頸がんワクチン 現場からの啓発

村中 璃子

京都大学医学研究科 非常勤講師

子宮頸がんワクチンは、HPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸がんを引き起こすというノーベル 賞を受賞した画期的発見をもとに、2006 年に開発された人類史上初のがん予防ワクチンです。WHO も接種を強く推奨し、世界約 140 か国で使用、約 80 か国で定期接種となっています。日本でも 2013 年 4 月に定期接種となりましたが、歩けない、痙攣する、生理不順、体が痛い、まぶしい、勉強がで きなくなったといった症状は、子宮頸がんワクチンのせいであると訴える人たちがメディアに現れま した。特にテレビで繰り返し放送された、激しいけいれんする女の子の映像は衝撃的で、日本社会に は「子宮頸がんワクチンは危険である」という誤解が広がりました。一般にはあまり知られていなかっ たことかもしれませんが、脳波に異常のないけいれんである偽発作や器質的異常のない痛みなどのは、

子宮頸がんワクチンが使われるようになる前から、思春期の子どもたちでよく見られていた症状です。

ところが、訴えを考慮した日本政府は、定期接種化から 2 か月後の 2013 年 6 月、HPV ワクチンを定 期接種に定めたまま「一時的に積極的接種勧奨を停止する」という決定を行いました。その結果、社 会には政府が HPV ワクチンの危険性を認めたかのような誤解が広がり、HPV ワクチンは事実上の接種 停止に陥りました。2016 年 7 月 27 日には、国とワクチン製造企業 2 社を相手取った世界初の集団提 訴まで起きています。日本では毎年、子宮頸がんによって約 3000 人の命と約 1 万個の子宮が失われ ています。この失われていく命と子宮は、ワクチンと検診を普及させることで「ゼロ」にすることが 可能です。本講演では、子宮頸がんと子宮頸がんワクチンに関する基本的な知識の整理に加え、社会 問題化している背景について解説し、失われなくてもよい命や子宮が失われていく現状について考え ます。また海外にも広がりつつある日本発の反子宮頸がんワクチン運動の現状と各国の対応について も解説します。WHO は 2019 年1月「国際保健上の 10 の脅威」のひとつに反ワクチン運動を挙げ、

特に反子宮頸がんワクチン運動を重点項目とするとしています。

  特別講演

Presented by Medical*Online

参照

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