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(1)

◉ ものづくりの原点

鉄づ

の副産物を炭素材と化学品原料に

変え

石炭化学

蒸留

品化技術

︵上

202

OCTOBER

東京国際空港

新滑走路が

誕生

新日鉄グループの総合力で大プロジェクトに挑む

◉ ト ー ク ス ク エ ア

感情を

動させ

人はも

と魅力的になれる

声 優

高島

雅羅

(2)

06

挑戦しています。

のものづくり

名古屋製鉄所 錫メッキ工場 冷延調質課

四釜 忠明

(2003 年入社、物質工学専攻)

技術者としての

確かな足跡を残したい

自 動 車 や 家 電 製 品 、 ス チ ー ル 缶 な ど の 材 料 と な る 冷延薄 板 製品 は 、 用 途 に 応 じ て 連 続 焼 鈍 後 に 錫 ・ 亜 鉛 な ど の め っ き が 施 さ れ る 。 そ の 間 の 温 度 履 歴 ・ 圧 延 条 件 は 最 終 製 品 の 品 質 に 少 な か ら ず 影 響 を 及 ぼ す 。 「 2 0 0 9 年 4 月 か ら 、 錫 め っ き の 品 質 を 高 め る 焼 鈍 調 質 技 術 の 改 善 ・ 向 上 に 取 り 組 ん で い ま す 。 連 続 焼 鈍 設 備( C .A. P. L ) 電 解 清 浄 、 焼 鈍 、 調 質 圧 延 、 精 整 な ど 多 彩 な 設 備 群 で 構 成 さ れ て お り 、 そ こ で 起 こ る さ ま ざ ま な 物 理 現 象 の す べ て が 研 究 対 象 で す 」 実 家 が 鉄 工 所 を 営 み 、 幼 少 か ら 〝 熱 い 鉄 の 存 在 〟を 肌 で 感 じ て 育 っ た 。 学 生 時 代 は 、 鉄 系 耐 熱 合 金 の 温 度 変 化 に 伴 う 結 晶 組 織 の 挙 動 を 示す 、 新 た な 状 態 図 の 作 成 に 取 り 組 む 。 「 大 学 院時 代 、 新 日 鉄 に 入 社 し た 先 輩 か ら 聞 い た ダ イ ナ ミ ッ ク な 鉄 づ く り の 世 界 に 魅 か れ 、 生 産 現 場 に 近 い と こ ろ で 仕 事 を し た い と 思 い ま し た 」 厚 さ コ ン マ 数 ミ リ の 薄 板 は 、 そ の 薄 さ か ら 製 造 時 に 破 断 な ど の ト ラ ブ ル が 起 こ り や す く 、 高 速 で の 安 定 通 板 が 最 大 の 課 題 で あ る 。 ト ラ ブ ル の 原 因 は さ ま ざ ま で 、 か つ 、 い く つ か の 要 因 が 複 合 的 に 影 響 を 及 ぼ し て い る こ と が 多 く 、 設 備 ・ 操 業 技 術 の 難 易 度 も 高 い 。 デ ー タ ベ ー ス や 過 去 の 知 見 と 照 ら し 合 わ せ 、 設 備 に 配 置 さ れ た 各 種 セ ン サ ー で さ ま ざ ま な 実 績 値 を 確 認 し 、 製 造 条 件 の 最 適 化 を 模 索 す る 。 「 社 会 や 人 に 役 立 つ 仕 事 を し た い と 考 え る 中 で 、 自 分 が 決 め た 製 造 条 件 や 改 良 し た 設 備 で 製 品 の 品 質 や オ ペ レ ー タ の 作 業 効 率 が 改 善 さ れ 、 一 番 身 近 な〝 現 場 〟か ら 感 謝 さ れ た と き に 喜 び を 感 じ ま す 。 そ し て 自 分 た ち が つ く っ た 製 品 が 社 会 を 支 え て い る と の 思 い が 誇 り に な り ま す 。 今 後 も す べ て の 仕 事 に 独 自 の ア イ デ ア を 織 り 込 み 、 自 分 の 取 り 組 ん だ 仕 事 と し て 確 か な 足 跡 を 残 し た い で す ね 」 溶接機の電極輪をチェック

(3)

東京国際空港に新滑走路が誕生

新日鉄グループの総合力で

大プロジェクトに挑む

東京国際空港(羽田空港)の再拡張事業が 2007 年 3 月の着工以来 3 年半かけて進められ、 2010年10月21日に4本目の滑走路であるD滑走路がオープンし運用が始まる。本事業 に新日鉄グループはさまざまな製品を納入するとともに、新日鉄エンジニアリング(株)が 15 社から構成される建設工事共同企業体(JV)の一員として工事に参画した。新日鉄 グループの総合力を結集し挑んだ羽田プロジェクトを紹介する。

(4)

東京国際空港 ︵ 羽 田空港 ︶再 拡張事業 は 4本目 と な る D 滑 走 路 、国 際 線 地 区 の 旅 客 タ ー ミ ナ ル、 貨物 タ ー ミ ナ ル 、 エ プ ロ ン︵駐機場︶ の 各 整備事業 で構 成され て い る 。 D 滑 走 路 の 建 設 に よ り 、 年 間の発 着 能 力 は現 在の 2 9 ・ 6 万 回 か ら 4 0 ・ 7 万 回に拡 大 され 、 ア ジ ア 近 距 離 ビ ジネ ス路 線や世 界主要都市を結ぶ 新たな路線が就航され る 予 定 で 、 利用者 の 利便性向上 が 図 ら れ る 。 長 さ 2 5 0 0 m の D滑走路 は 、 関西国際空港 、 中部国際空港など 海上空港 で数多く実績 の あ る 埋 立 構造 に 、 環境保全 に 配慮 し て 東京湾 に 流 れ 込む多摩川 の 流れを妨げな い 桟橋構造を組み合 わ せ た 、 世界で類を見な い ハ イブ リ ッ ド構造だ ︵ 下 写真 ・ 図 ︶。 環境保全 と 1 0 0 年と い う 超長期 の 供用を目指した D 滑走路建設 の 各 所 に 、 新日鉄 グ ル ープ の先 進技術が活かされ て い る。 新日鉄は高品質 の鋼材を安 定 供給し 、 新日鉄 エ ン ジ ニ ア リ ング が ジ ャケット 製 作 と 桟 橋 部 の工 事を担当し た 。 D 滑走路 は 軟弱地盤層 が 海底面 から 20m 近くも堆積する 地 盤 の 上 に 建設さ れ る た め 、 地 下深く鋼管杭を打ち込む こ と で 滑 走路 の 沈下を防ぎ 、 世 界最大規模 の 巨大基盤 で あ る ジ ャ ケット で 50 haとい う 広 大 な 桟 橋 をつ く り 上 げ た 。 鋼材は桟 橋 部 の ジ ャ ケ ッ ト に構 造用 鋼 管 、 ジ ャ ケ ッ ト の 土台を 支 え る 鋼管杭 、 埋 立 ・ 桟橋接続 部 に 鋼管矢板など が使わ れ 、 鋼材製造方法も サ イ ズ も多岐 に わ た る 。 桟橋部 で は 鋼 材使用量 が 東京 タ ワ ー 約 83塔分 の 35万ト ン に も及んだ 。 ま た ジ ャケットの 海 面 付 近 に 使 用 さ れ る 構 造 部 材 の 腐 食を防ぎ超長期 の 供用を実現する た め 、 新 日 鉄 の チ タンや 新 日 鉄 住 金 ステンレス ︵ 株 ︶のステ ン レ ス 鋼 が 採 用 さ れ 、 3800 万 ㎥︵ 東 京 ド ー ム 31杯 分 ︶に 及ぶ埋立部には 、 新 日鉄 の鉄 鋼 ス ラグ 製品約 75万 ㎥ が使 用された。 鋼桁 鋼管杭 水中部 土中部 電気防食 干満・飛沫帯 耐海水性ステンレス 鋼ライニング 海上大気部 チタンカバープレート 水中部 土中部 電気防食 干満・飛沫帯 耐海水性ステンレス 鋼ライニング 海上大気部 チタンカバープレート 乗り継ぎ部伸縮装置 埋立部 桟橋部 桟橋杭 外壁部鋼管矢板 外壁部鋼管矢板 桟橋杭 隔壁部鋼管矢板 24セルの井筒構造 約430m 埋立部側 桟橋部側

環境に配慮した先進構造に息づく高度な技術

◉ 桟橋部と連絡誘導路部のジャケット構造 埋立部 桟橋部 接続部 連絡誘導部 

D

滑走路

多摩川河口  ◉ 接続部の鋼管矢板井筒構造 多摩川の流れを妨げない ハイブリッド構造のD滑走路(写真右上) 耐荷力性能が高い 新日鉄の鋼管矢板 を打ち込んで護岸 の変形や沈下を防 ぎ、航空機が安全 に離着陸するため の滑走路の構造と 性能を確保 ステンレスライニン グとチタンカバ ー プレートを組み合わ せる、新日鉄エンジ ニアリング独自の防 食技術で長期耐久 性を確保

(5)

D 滑 走路工事 の 最 大 の 課題は 、 東京湾を 行き交う 多 数 の 船舶 の 安 全を確 保 し 、 空港 の運 用 中 の滑 走 路 の離 発 着 を 妨 げ な い と い う制約 下 で 41カ月 と い う 短 工期で昼夜 連 続 の急 速 施 工を 行 う ことにあ っ た 。 20 0 4 年 7 月 、 新 日 鉄 グ ル ー プ で は 、 プ ロ ジ ェ ク ト 開発部主管 の 鋼材 タ ス ク フ ォ ー ス会議が始まり 、 鉄 事 業 部門 ︵ 建 材 、 厚 板 、 鋼 管 の各 営 業 部 ︶と新日鉄 エ ン ジ ニ アリ ン グ ︵株︶ ︵当 時 は 新 日 鉄 鉄 構 海 洋 事 業 部︶ に よ る 本プ ロ ジ ェ ク ト へ の 対 応 が 本格的 に 始動し た 。 建 材 営 業 部 の 原 田稔は次 の よ うに振り 返る。 ﹁ 東京湾 ア ク ア ラ イ ン や関西国際空港など 、 数々 の大 型 国 家 プ ロ ジ ェ ク トに 携 わ り ま し た が 、 羽 田 プ ロ ジ ェ ク ト は 社内外 の 関 係部 門が 20カ所 を超 え 、 3年 間 にわたる生産 ・ 納入が続くなど 、 か つ て な い 規 模 で 行わ れ ました 。 設 計 ・ 施 工条 件に合 っ た高 品 質 の 土木建材を製造する技術や 、 現 場 施 工 の 進 捗に合わ せ た きめ細かな生産 管 理など 、 新 日鉄グ ル ー プ の 総 力を挙げて 取 り組み 、 完 遂する こ と が で き まし た ﹂ D 滑走路の工事には 、 新日鉄の高品質な 建材製品と新開発の技術が盛り込まれてい る 。 D 滑 走路は埋立と桟橋部という異種構 造を接続するため 、 接 続部には両構造の複 雑な荷重 ・ 変形挙動に対して安全 ・ 安定し た構造が要求された 。 埋 立側は水深約 18m の軟弱な粘性土地盤上に 、 海面からの高さ が約 13m という非常に高い盛土を行うため、 桟橋方向に大きな土圧がかかる 。 こ れを接 続部で安定的に受け止めるとともに 、 こ の 力に伴う接続部の変形を抑え 、 す ぐ近くに 打設される桟橋杭や接続部上部に設置され る変位吸収用の伸縮装置に悪影響を与えな いようにする必要があった 。 そこで 、 橋 梁 の基礎などで実績のある鋼管矢板の井筒構 造が採用された。 井筒構造 は 、 最大 長 さ 約 75m、 直 径 1.6mの 鋼管矢板を 用 い 、 横断方 向 の 全 長 約 4 3 0 m にわた っ て 打 設 した 外 壁 部 と 、 そ れ ら と 直 角 方向 に 打 設 さ れ た 隔 壁 部 で 構成 さ れ 、 継 手 同 士 が 接続 さ れ た 連続壁構造 ︵ 6ペ ジ 図 1参照 ︶ 。 井筒構造での対応について 、 建 材開発技術

高度な品質要求に応える新日鉄の土木建材

総合力を発揮し

素材を安定供給

高耐力継手を

共同開発し

安全・安定した

接続部護岸構造を

実現

羽田プロジェクトの建材関連メンバー   前列左から建材営業部土木建材・軌条グループ 小倉周子、同土木プロジェクトグループ 平石知子 後列左から建材開発技術部土木基礎建材技術グループ 山下久男、同建材技術企画グループ 井口公一、 建材営業部形鋼・スパイラル鋼管技術グループ 平野文博、同土木プロジェクトグループ 髙橋勉、 同土木建材・軌条グループ 原田稔、君津製鉄所鋼管工場 坂井孝行

(6)

部の山下久男は次のように語る。 ﹁ 構 造設計 の 検討過程 で 、 井筒 の 側 方 へ の 変 形 を 抑 えるためには 、 隔 壁 部 の継 手 同 士 の結 合 力 を格 段に 向 上 させ る必要があると 判 明 し ま し た。そ こ で、鹿 島 建 設︵ 株 ︶殿 と 共同 で 、 高 い 剛性と耐力を持 つ 継手 の 開 発 に取 り 組 み 、 鋼 管 側 面に山 形 鋼 と鉄 筋 を 配 した仕 様 を確 立しました 。 隣 接 する鋼 管 矢 板を継手 で接続し 、 継 手間 の 大 きな空間部 に高強度 モ ル タ ル を充填する こ と で 、 従 来 の継 手と比較し て 、 剛性と耐 力を約 6倍向 上させることができ ま し た ﹂︵ 図 1、 写 真 1︶ 埋立 ・ 桟橋接続部は 、 その施工場所が現 在の航空機進入路の真下にあるため 、 航 空 機が離着陸しない夜間のみで施工を終える という課題もあった 。 日 中 、 施工を中断し 鋼管矢板を海上に残しておいても航空機の 運行に支障をきたさないよう 、 長さ約 75m の鋼管矢板を 2分割し 、 現場で接合する計 画が立てられた 。 しかし 、 各井筒部の四隅 ︵ 格点部 ︶に位置出しするための基準杭とし て先行して打設する鋼管矢板は 、 高精度で 時間のかかる施工が必要とされ 、 溶接によ る接合では施工時間が足りなかった 。 建 材 開発技術部の井口公一は次のように説明す る。 ﹁ 基準杭に使用される直径 1.6m 、 接合部 板厚 24ミリの大径 ・ 厚 肉鋼管の溶接には数 時間かかります 。 そこで 、 当社らが開発し た﹃ ラクニカンジョイント ® ﹄という 15分程 度で機械的に接合可能な 、 画期的な接合技 術が採用されることになりました 。 た だ 、 本工事で適用される大径 ・ 厚肉鋼管の実プ ロジェクトでの製造 ・ 施 工実績はありませ んでした 。 そこで 、 出荷まで時間がない中 で、 製鉄所で出荷間近まで製造試験を重ね、 確実に現場接合できる品質の確保 ・ 向 上を 図りました 。 ま た 、 本施工と同じ最大級の 打撃能力を持つ杭打機を使用し 、 実 物大の 打撃施工試験などを行い 、 施工後もラクニ カンジョイントが全く損傷を受けることな く性能を発揮することを確認した上で 、 本 工事へ適用しました﹂ ︵ 図 2、写真 2︶ この高耐力継手仕様の鋼管矢板とラクニ カンジョイント付鋼管矢板の製造に取り組 んだ君津製鉄所鋼管工場の坂井孝行は次の ように語る。 ﹁﹃ 高耐力継手 ﹄というこれまでにない形 状に加えて 、 鋼管矢板では初めて ﹃ ラクニ カンジョイント ﹄が採用されることで複雑 な溶接加工品となり 、 工場実験では溶接ひ ずみなどを抑え必要な寸法形状を出すこと に苦労しました 。 ま た 、 大量の鋼管矢板を 安定供給するためには ﹃ つくり溜め ﹄が必要 で 、 出荷開始の 10カ月前には製造条件を決 定し製造し始めなければならないという過 去にない厳しい制約もある中で 、 建材事業

高性能な

鋼管接合技術

「ラクニカンジョイント

®

で施工時間を短縮

図 1 高耐力継手の構造 写真1 打設が完了した接続部の鋼管矢板群 (左側:埋立部、右側:桟橋部) 図 2 ラクニカンジョイントの構造 写真2 ラクニカン ジョイントの接合作業 隔壁部鋼管矢板の 高耐力継手 鋼管矢板 工場溶接部 工場溶接部 ① ピン継手とボックス継手を嵌合 ② セットボルトで荷重伝達キーを   押込み接合完了 鋼管 鋼管 ボックス継手 ピン継手

(7)

部 、 技術開発本部 、 関係会社とともに実験 や解析 、 打ち合せを何度も重ね 、 最適な製 造条件を見出し 、 遅れることなく出荷でき ました﹂ ︵ 写真 3︶ 羽田プロジェクトでもう一つ大きなポイ ントになったのが 、 現 地工事の進捗に合わ せた綿密で臨機応変な生産管理であった 。 国土交通省は当初 、 閣議決定されていた 2 0 0 9 年末の供用開始に向け 、 2 0 0 6 年春頃の着工を目指していた 。 しかし着工 は 1年遅れ 、 当 初の供用開始予定日に可能 な限り近づけるため工期短縮の方法などが 模索される中で 、 幾度となく設計変更が行 われた 。 その中で新日鉄と新日鉄エンジニ アリングの担当者は週 1回ミーティングを 開き 、 その都度製造出荷スケジュールを見 直し最適な製品供給体制を確立していった 。 さらに 管 理対 象 となる製 品 には 、 ス パ イ ラル鋼 管 だけでな く U O 鋼 管や E R W 鋼 管 、 委 託 加工会社 で製造した板 巻鋼 管など が あり 、 サ イ ズ も 外 径 4 5 7 ・ 2 ∼ 2 388 ミ リ 、板 厚 9∼ 70ミリ 、 長 さ 6∼ 71m、 重 さ 1∼ 61 トンと 多 岐 に わ た っ た 。 契 約 窓 口やデ リ バ リ ー 管理など業 務 管理を担当した建 材営業部 の 小 倉周子と平石 知 子は次 の よ うに話す。 ﹁ 施工条件に合わせて異なる製法の鋼管 を継いで 、 1本の最終製品として完成させ るため 、 多くの関係先との調整が必要となり 、 素材調達から加工スケジュール 、 在 庫管理 に至るまでの生産管理は複雑で大変苦労し ました﹂ ︵小倉︶ 。 ﹁ 本プロジェクトに合わせた注文体系の 整備や価格管理方法の考案などにより 、 膨 大な事務作業を効率よく行えるようにしま した﹂ ︵平石︶ 。 3年以上にわたる羽田プロジェクトを無 事完遂した今 、 同部平野文博と髙橋勉は今 後の抱負を次のように語る。 ﹁ 従来にない設計 ・ 施工を実現するため 、 鋼管杭の製造許容差や付属品の取り付け精 度などの要求レベルが高く 、 また複雑な製 作図面を短工期で作成し承認を得るなど 、 ゼネコンさんとは厳しいやりとりを繰り返 しました 。 しかし私たちエンジニアが施工 現場の立会を行い 、 施工品質の問題やラク ニカンジョイント ・ 高耐力継手の施工技術 協力などで確実に対応してきたことで 、 高 い信頼を得られました 。 今 後も現場対応力 の向上を図り 、 今回の成果を商品開発に活 かしていきます﹂ ︵平野︶ 。 ﹁ 一 般物件の受注 ・ 製造と並行して 、 こ れだけ大規模な国家プロジェクトをトラブ ルなく完遂できたことは 、 大きな自信にな りました 。 こ の経験を活かし 、 今後海外で も積極的に提案営業を行い 、 新 日鉄グルー プの総合力を発揮して需要創出を図りたい と思います﹂ ︵髙橋︶ 。

埋立の地盤強化に鉄鋼スラグが活躍

埋立工事において、鉄鋼スラグ水和固化 体人工石材をはじめ、鉄鋼スラグ製品が中仕 切り堤、液状化対策材、仮設道路材用途に 全体で約 180 万トン使用され、新日鉄は約 120 万トン納品している。(他にも、埋立資 材の管中混合固化処理土用に、新日鉄グルー プのエスメント関東(株)が高炉セメント約 36万トンを出荷) 鉄鋼スラグ水和固化体は、コンクリートと 同様の設備で製造され、人工石材やブロック などに加工され、天然石代替と無筋コンクリー ト代替として用いられた。本プロジェクトに 採用された人工石材(フロンティアストーン®、 フロンティアロック®)・ブロックで、新日鉄、 JFE スチール(株)、東亜建設工業(株)は第 11回国土技術開発賞・優秀賞を受賞した。

綿密で臨機応変な

生産管理と現場対応

で信頼を得る

写真 3 工場のヤードで出荷を 待つラクニカンジョイント付 高耐力継手鋼管矢板 人工石材とその投入状況

(8)

羽田プロジェクトでは新日鉄エンジニアリングが 重要な役割を果たした 。 同社はゼネコン 、 マリコン 、 ファブとともに 15社で ﹁羽田再拡張 D 滑走路 J V ﹂を 組織し 、 そ の 中 で 、 50 haに及 ぶ 広 大な 桟 橋 部 と 連 絡 誘 導 路 の ジ ャ ケ ッ ト 製 作 と 桟 橋 施 工 の 一 部 を 担 当 し た 。 滑走路は埋立と桟橋の組み合わせによる世界初の ハイブリッド構造で、海上に設置する鋼構造の防食 技術やプレファブ化したジャケット構造の製作技術 など、海洋構造物の設計・施工での同社の豊富な経 験が大いに活かされた。 また空港施設の長期安全性の確保と安定運用を実 現する耐久性が求められ、同社では桟橋構造のコン セプトから構造、防食、製作、施工、維持管理まで 国内外でのエンジニアリング事業で蓄積した技術力 と総合力で応えた。 このプロジェクトでは、合計 2 38 基、鋼材重量 約 28万トンに及ぶ過去に例のない大量のジャケット を 、 短工期で連続生産 ・ 納 入する製作フォーメーショ ンの構築と、それを運用するプロジェクトマネジメ ント能力がキーとなった。 まず、ジャケット材料の鋼材は、応札前から新日 鉄と ﹁鋼材タスクフォースチーム﹂ を組み、円滑な供 給体制を確立した。 桟橋上部ジャケットと連絡誘導路ジャケットは 、 優れた橋梁製作技術と生産設備を持つ若松工場で製 作。一方、桟橋下部ジャケットは羽田空港に近い富 津工場の仮設ヤードで製作し、そこで若松工場から 海上輸送された桟橋上部を搭載 ・ 一 体化した ︵ 写真 4︶ 完成したジャケットは羽田に輸送後 ︵ 写真 5︶ 海上クレーンで基礎杭に据え付けられた ︵ 写真 6︶ こ う し た 円滑 な ジ ャ ケ ッ ト 製作・施 工 を 支え た の が 、 1万 5 000 ト ン 級の大 型 台 船 による 部 材の 海 上 輸 送 だ 。 若 松 工場 から 富 津 工場 ま で の航 海 数 は 、 桟 橋 上 部ジ ャ ケ ッ ト 25回、 連絡 誘 導 路ジ ャ ケ ッ ト 13回、 合 計 で実に地 球 2周に相 当 する 7万7 40 0 ㎞ に 及 ん だ 。 2 3 8 基︵ 桟橋部 1 9 8 基 ︶も のジャケットを製 作・納入し続けることは、電車を走らせながら継続

海洋構造物の

豊富な設計・施工

経験を活かし

世界初のハイブリッド

構造に挑む

日本のエンジニアリング史上空前のスケールへの挑戦

── 新日鉄エンジニアリングを中心にグループの総合力を結集

高いプロジェクト

マネジメント力で

ジャケットを

短工期・連続納入

写真 4 富津工場での搭載架構(吊上能力 1,680 トン)による ジャケット上下部一体化 写真 6 ジャケットの据え付け工事 写真 5 富津工場から羽田現場へ運ばれる 完成ジャケット

(9)

的に車両を長く連結していくようなものだ。一つの 工程が滞れば全体計画に支障をきたす。繁忙期には 全国で約 2 5 00 人の工事関係者が情報共有を図り ながら、プロジェクトを進めていった。 ジャケットの技術面で特筆すべき点は、長期耐久 性を実現する ﹁耐疲労技術﹂ と﹁ 防食技術﹂ にある。年 間 10万回の離発着、最大 4 00 トンの航空機荷重に 耐える仕様を検討し、部材の溶接方向や補強部材を 含めた最適な溶接仕様を決定 。 高品質な溶接により 、 疲労強度の信頼性を飛躍的に高めた。 一方、防食技術は同社が従来から積極的に実用化 してきた ﹁ ス テンレスライニング技術 ﹂と ﹁ チタンカ バープレート ﹂を組み合わせ 、 下部ジャケット海面 部から海上部までの柱に新日鉄住金ステンレスのス テンレス鋼板を巻き、鋼桁下面に新日鉄のチタン薄 板を使用したパネルを敷きつめて内部空間を除湿す ることで長期耐久性を確保した ︵ 写真 7︶ その他にも 、 日射などによる大平面構造物の温 度変化と影響 、 耐震性の検討などを繰り返し 、 多 岐にわたる厳格な性能基準をクリアした 。 そして 2 009 年 9月 、 桟橋上部ジャケットの最終出荷 が無事完了し 、 現場着工指示 ︵ 20 07 年 3月 30日︶ から 41カ月の長期にわたるビッグ ・ プロジェクト が終わった。

チタンカバープレート

海洋環境でのチタンに対する信頼が高まる 滑走路桟橋部の下面・側面に設置されたチタンカバープレートに、 新日鉄のチタン薄板が約 1,000トン採用された。建築・土木分野 でこれほど大量にチタンが使われたのは初めて。 チタンカバープレートは、外面側のチタン薄板と内面側の塗装 鋼板の間に不燃性発泡材をサンドイッチした幅 1m、長さ 12m、 厚さ35ミリのパネル構造になっている。このカバープレートを採 用した工法は、軽量でありながら台風に強く、独自構造で高い耐 震性を発揮する。また、高耐食性のチタンカバープレートに覆わ れた内部空間に除湿システムを導入して結露を防止することにより、 海上という厳しい腐食環境での、ジャケット鋼構造の長期防食を 実現。メンテナンス費用の大幅削減を可能にした。 今回の大量採用によって、海洋鋼構造物の防食におけるチタン 適用への信頼性が高まった。今後は一般的な道路橋の予防保全や ライフサイクルコスト最小化策としての活用も期待される。

ステンレスライニング

ステンレス協会賞最優秀賞を受賞 ジャケット海面から海上部までの柱の防食に、新日鉄住金ス テンレスの「NSSC270」が約 500 トン使用されている。 新日鉄エンジニアリングの防食技術「耐海水性ステンレス鋼薄 膜ライニング工法」は、耐海水性ステンレス鋼を構造用鋼管に巻 いて溶接する防食方法で、空港施設に大量に適用されたのは今 回が初めて。 桟橋部の鋼構造部材の防食については、有機系の防食塗装で は耐用年数が短く塗り替えコストが増大する。一方ステンレスラ イニング工法は、有機系防食塗装に比べて耐用年数が長く、耐 食性やライフサイクルコスト面で大変優れている。 施工に当たっては材料・工法面で他素材とコスト比較を行い、 ステンレスの特徴を活かした耐食性の確保・薄手化と、これに適 した溶接工法による効率化などを総合的に検討し開発した。同 工法は今後のステンレスの普及拡大に大きな可能性を拓いたこ とが評価され、第 13 回ステンレス協会賞最優秀賞を受賞した。

長期耐久性の実現に

新日鉄グループの

ステンレスとチタン

を活かす

チタンカバープレート 写真 7 桟橋側面からのジャケット俯瞰 構造用鋼管に耐海水性ステンレス鋼(新日鉄住金ステンレス 「NSSC270」)を巻いて溶接する

(10)

ものづくりの原点

科学の世界

VOL.52

コークス炉で

生まれる資源を、

目的に応じて活用

製鉄工程において鉄鉱石とと も に 高 炉 に 装 入 さ れ る 石 炭 は 、 事前にコークス炉の炭化室で約 1 000 ℃ で 24時間蒸し焼きに される 。 その際に製鉄原料のコー ク ス︵ 70% ︶だ け で は な く 、 燃 料 用ガス ︵ 20% ︶、 工業用原料コー ルタール ︵ 10% ︶が産出される ︵ 図 1︶ コークス炉頂上部分で得ら れたコールタール ︵ タールソース ︶ は原料タンクに貯蔵され ︵ 図 2、 写真 1︶ 貴重な石炭化学原料と なる。 貯蔵したコールタールは 、 ま ず 約 3 0 0 ℃ に 加 熱 後 、 タ ー ル 蒸留塔に装入される 。 蒸留塔の 内部には何段もの分離トレイが あり 、 有効成分が気体に変化す る際の温度差を利用して 5種類 の原料に分類 。 それらがタール 軽油 、 ナフタリン油など化学品 の原料 ︵ 軽質分 、 約 30% ︶と軟ピッ チ︵ SOP ︶などの炭素材製品の 原 料︵ 重 質 分 、 約 70%︶ の 2つ に 分けられる ︵ 図 3︶ 化学品はナフタリンや 、 汎 用 樹脂の可塑剤となる無水フタル 酸などさまざまな産業の資材と して利用される 。 また炭素材製 品は鉄スクラップを溶かす電炉 の人造黒鉛電極 ︵ 写真 2︶や半導 体 、 太陽電池などの製造に欠か せない素材となるピッチコーク ス と ピ ッ チ 類︵ 電 極 の 粘 結 剤 な ど ︶、 カーボンブラック ︵ タイヤ 補強剤︶ に活用される。

製鉄の知見を強みに

日本の石炭化学産業を

リード

20 0 4 年 10月 に 新 日 鉄 化 学 と エ ア ・ ウ ォ ー タ ー︵ 株 ︶が 設 立 した ︵ 株 ︶シーケムは 、 日本のコー ルタール蒸留量 1 5 0 万トン/ 年のうち 、 70万トン/年の蒸留 ・ 精製量を誇るコールケミカルカ ンパニーだ ︵ 国内トップ 、 世 界第 3位︶ 。 日 本 の コ ー ル タ ー ル 活 用 は 、 20世紀初頭の官営八幡製鉄所の 稼 働 に 遡 る 。 1 9 0 7 年 に は 蒸 留事業がスタート 。 これが日本 石炭化学産業の夜明けとなった。 1 9 3 9 年 に 日 本 ピ ッ チ コ ー ク ス 工 業︵ 株 ︶が 誕 生 、 ア ル ミ を 精 錬︵ 電 気 分 解 、 図 4︶ る 電 極 用材料 ︵ アルミ精錬用コークス ︶ を製造した 。 これは戦時中に増 加したアルミの需要に合わせた 国策でもあり 、 国内のアルミ精 錬体制強化の一翼を担った。 1 9 7 0 年 代 初 頭 に は 、 こ の 電極用材料製造設備に 、 従来の バッチ型の室炉式から 、 連続装 入が可能な新たな設備技術をア

くり

産物を

素材と化

品原

料に

変え

炭化学

鉄鉱石から鉄分を取り出す還元剤として鉄づくりに不可欠な 石炭は コークス炉で事前に焼結 蒸し焼き ︶されるが 際に副産物として得られるコールタールは石炭化学の貴重な 原料と 新日鉄化学グ の︵ ︶シ 日鉄 や住友 金属工業 ︵株︶ ーク ス炉から産出される ルタール を原料に炭素材や化学品を製造し、 まざまな分野の基礎資材 て提供し 今号か ら2 回に 製鉄 の副産物 あるコールタールの新たな価値を生み出す石炭化学における 技術開発を紹介 回目は 原料と 蒸留プ と炭素材・化学品の製造プロセスの概要を解説する。

コールタール

蒸留

製品化技術

(上)

※本企画では 2010 年4月号から数回にわた り、長年、製鉄事業が培ってきた経験と技術 を基盤に成長・発展を遂げるグループ各社 の保有技術にスポットを当てて、その原点と 技術開発の最先端を紹介しています。

(11)

製鉄業における石炭成分の

活用目的

コークス炉からのコールタール収集過程

コールタール製品の製造工程

3

2

1

タールソース

写真

1

人造黒鉛電極

写真

2

コールタール 燃料用ガス コークス

70

%

10

%

20

% 鉄スクラップを溶解し鋼を生産する電気製鋼炉の電極と して使用される部材。蒸留したコールタールを原料とし たニードルコークスを成型・焼成・黒鉛化したもの コークス炉 石炭を乾留して コールタール成分を 分離収集 コールタール (タールソース) コークス 炉頂内拡大 コールタールを 含む高温ガス 石炭 タール タンク 脱水塔 安水 加熱炉 常圧蒸留塔 タール軽油 ナフタリン油 アントラセン油 軟ピッチ(SOP) カーボンブラック原料油 バインダーピッチ メルト タンク 減圧蒸留塔 冷  却 成形機 冷却水 重  合  槽 各種ピッチ製品 加熱炉 副生油 各種化学精製品 など軽質分 重質分 製鉄工程へ

(12)

ものづくりの原点

科学の世界

メリカから導入するなど生産性 を飛躍的に高め 、 高度経済成長 期の家電 ・ 自動車産業の隆盛を 支えた 。 この設備はもともと石 油 系 材 料 の 製 造 設 備 だ っ た が 、 世界で初めてコールタールに応 用するなど画期的な技術革新だっ た。 そ の 後 、 1 9 7 9 年 の オ イ ル ショックの影響で電気代が高騰 すると 、 電気を大量に使用する アルミ精錬コストも上昇し 、 国 際競争力が低下して国内のアル ミ精錬量は急減した 。 シーケム ︵ 当 時 、 日鉄化学工業 ︵ 株 ︶︶ では新た な用途として電炉用電極骨材の 技術開発に着手 ・ 実用化 。 その後 、 今日までさまざまな炭素材製品 や化学品を市場に提供し 、 日 本 の石炭化学産業をリードしてきた 。

優れた蒸留技術で

高純度の有効化学

成分を抽出

では炭素材製品向けと化学品 向けに分けられた原料は 、 ど の ようにして最終製品になるのだ ろうか。 まず炭素材製品の原料となる 軟ピッチは加熱後 、 巨大なコー クドラム ︵ コ ーカー ︶に装入され る 。 そこで高温 ・ 高 圧で 、 コーク スになる直前の揮発分を多く含 む生コークスに加工し 、 高 圧の ジェット水でコークドラムから 切り出す 。 次 に円筒状のカルサ イ ナ ー 高 温 焼 成 機 で 1 0 0 0 ℃ 以上の高温で焼き 、 生コークス の揮発分を除去してピッチコー ク ス を 製 造 す る︵ 図 5︶ ま た 、 軟ピッチとともに得られるカー ボンブラック原料油はグループ 企業でタイヤ補強材に加工される 。 一 方 、 化 学 品 原 料 の ナ フ タ リン油は 、 ナフタリン蒸留塔で 95% ナフタリンや 9 9 ・ 9 % ナ フ タリンに精製 。 95% ナフタリン は無水フタル酸に加工され 、 塩 化ビニール樹脂の可塑剤や塗料 などに活用される 。 国 内最大の 生 産 量 を 誇 る ナ フ タ リ ン 類 は 、 コンクリート減水剤や染料中間材 、 防腐剤など 、 タールファインは 香料 ・ 医 薬 ・ 農薬 、 電子材料など 、 産業分野での活躍の場を広げて いる。 炭素材製品、 化学品ともに、 技 術的ポイントはコールタールに 含まれる千数百種類の化合物か ら純粋な化学成分を抽出する蒸 留工程にある 。 原理的には物質 が持つ沸点ごとに成分が抽出さ れるが 、 必 ずしもその成分だけ が出てくるわけではない 。 蒸 留 塔内部のトレイで成分を分離させ 、 材料を再び中に戻して再蒸留 ︵ 乾 留 ︶して純度の高い有効成分を抽 出 し て い る︵ 図 6︶ さ ら に、化 学品については純度の高いナフ タリンを抽出するだけではなく 、 再度化学反応させて無水フタル 酸を製造するなど 、 多彩な加工 を行う技術力がシーケムの強みだ 。

電極材料技術の

ブレークスルーで

市場での地位を確立

石炭化学業界でシーケムが一 躍脚光を浴びたのは 、 新たな電 炉電極用ピッチコークス ︵ ニード ルコークス ︶の開発だ 。 従 来 、 電 極骨材は石油系材料がメジャー を占め 、 石炭系材料は要求性能 を阻害する成分の除去など困難 な技術的課題があったため 、 石 油系の材料品質に及ばなかった。 石油系材料の品質を凌駕する ためのポイントはニードル ︵ 針 ︶ 状 結 晶 を つ く る こ と に あ っ た 。 鉄スクラップを溶解する電炉で は 、 電極に大電流を流してその アーク放電 ︵ スパーク ︶に より約 2 0 0 0 ℃ で鉄を溶かす ︵図 7︶ 電極の導電性を高めるためには 、 結晶の方向を縦に針状に揃えて 電気抵抗を減らすことが望ましい 。 また 、 電極が熱膨張すると内部 に隙間ができて強度が弱まるが 、 縦方向に揃った結晶組織は熱膨 張を抑え 、 電炉内でスクラップ が電極に触れたときの耐熱衝撃 性を高める効果がある。 同社では 、 石 炭系材料の研究 に 地 道 に 取 り 組 み 、 1 9 7 9 年 に 製 造 設 備 を 独 自 開 発︵ 図 8︶ そこで確立した石炭系ニードル コークスの製造技術を継承 ・ 深 化 さ せ て 、 2 0 0 3 年 に 結 晶 組 織制御を最適化し 、 石 油系に匹 敵する導電性と耐熱衝撃性を持 つ石炭系ニードルコークス ︵ L P C │ U S ︶を 開 発 ・ 実 用 化 し た 。 次号ではこのニードルコークス の技術開発を中心に 、 コールター ル製品化技術への挑戦を紹介する 。

(13)

電気分解によるアルミ精錬

4

5

軟ピッチの製品化工程

蒸留塔の仕組み

6

ニードルコークスの成形方法

8

電炉の構造

7

ノズル 成形体 フィラー粒子 コークスの結晶を一軸方向に配向させる 圧力 アルミニウム電解炉 断熱材 アルミナ 陽極 陽極 集電棒 電解液 サイドウォール ブロック ラミングベースト (目地材) アルミニウム カソードブロック 反応式 2Al2O3 + 3C → 4Al + 3CO2(バス温度:約1,000℃)

鉄製の枠 直流アーク炉 直流炉は電極が1本のため、大口径・高品質が求められる ホルダー 電 極 耐火れんが アーク 溶 鋼 炉床電極 コーカー (コークドラム) ジェット水流で 粉砕 軟ピッチ 生コークス ピッチコークス カルサイナー 高温焼成で揮発分を除去 加熱炉 蒸留塔 沸点の高い留分 沸点の低い留分 残油 フィードトレイの断面構造 加熱炉 アルミ精錬用 コークス使用 コールタールに含まれ る化合物から純粋な化 学成分を抽出するため、 蒸留塔内部の何段もの ト レ イ で 成 分 を 分 離。 材料を再び中に戻して 再蒸留を繰り返し、純 度を高める 陽極 陽極 常務取締役  山川 理(やまかわ・おさむ) (1977 年入社、社会学専攻) 取締役 営業部長 竹原 正治(たけはら・まさはる) (1982 年入社、触媒化学専攻) 製品技術部長 福田 哲生(ふくだ・てつお) (1990 年入社、化学専攻)

(14)

飾り

りた

くな

︱ ︱ ﹃ ゴースト ニューヨークの幻 ﹄ のデミ ・ムーア 、﹃ プ リティウーマン ﹄ のジュリア ・ロバーツ⋮ ⋮たくさんの海 外ヒロインの吹き替えをしてい ますが 、 役作りはどのように されるのですか 。 吹き替えは 、 最初に D V D を渡され 、 それを観て場面 ごとの役の感情や変化を自 分なりに理解することから 始めます 。 ただ 、 今はそうやって 〝 予 習 〟 ができますが 、 私がこの 仕事を始めたのは D V Dどころかビデオも普及していない 時代 。 収録現場で初めて映像を観てリハーサルを 1 回 。 そ れでさあ本番 、 なんてことがザラ 。 しかも声優がそろって 吹き替えを行う同時録音が普通だったので 、 1 人がとちれ ば全部録り直し ! 今とは緊張感が全然違いましたね 。 ︱︱ もともと声優としてキャリアをスタートされたので しょうか 。 高校を卒業して 、 最初はビジネスイベントのナレーター をしていました 。 全 国 各地の展示場で 、 来 場 者 に 某 大 手 電 機 メ ー カ ー の 最 新 コ ンピュータの説明 をする仕事です 。 私自身は製品の 隣にニッコリ笑 顔 で 立 っ て、 ある時間にな る と 丸 暗 記

感情を運動させれ

と魅力的

なれる

ゲ ス ト ◉ 声 優

高島

雅羅

全 国 来 機 コ 外 ま さ

感情を運動させれ

と魅力的

なれる

プロフィール たかしま がら。1954年、東京都出身。海外映画でジュリア・ロバーツ、シャロン・ストーン、デミ・ムーア、ジョ ディ・フォスターなど多数の海外ヒロインの吹き替えを行う。韓国ドラマ「イ・サン」チョンス王妃役、アニ メ「名探偵コナン」妃英理役などドラマやアニメ、TVナレーションでも活躍中。声優歴は30年以上。劇団 薔薇座などを経て、現在は俳協に所属。夫は声優の銀河万丈。

(15)

観ている人に伝わらないんですよ 。 それに声と内面はイン タラクティブな関係性にあると思います 。 内面が声に表れ ると 、 その声が内面の感情をますます増幅させてくれる 。 だからこそ 、 内面からしっかり演じるようにしています 。 ビジネスマンも感情のコントロールは必要ではないで しょうか 。 朝から晩までずっと不機嫌な人って 、 いるで しょう ? ︵ 笑 ︶。 そういう人は魅力がないし 、 だからチャ ンスも少ない 。 生きていれば 、 時にはマイナスの感情を持つのは仕方 ない 。 で も 、 それを自覚しながらも 、 プラスの感情にコ ントロールするとうまくいくことってかなり多いと思う んですよ 。 そのためには 、映画や本に触れるのもそうだし 、 嬉しいことがあったらちゃんと嬉しがって 、 日ごろから 意識的に感情を運動させておくことが大事ですね 。

会話

距離感

︱ ︱ 声優のほかに 、 ナレーションの仕事も数多くされて いますが 、 話のプロとして 、 相手に伝わる話し方のポイ ントは何だとお考えですか 。 距離 の 取 り 方 は す ご く大事 だ と 思 い ま す 。 近 ご ろ こ れ が で き な い 人 が 増 えて ま す ね 。 フ ァ ー ス ト フ ー ド の お 店で 、 店 員 さ ん か ら ﹁ ポ テトは い かが で す か ﹂ と 尋 ね ら れ て も 、 な ぜ か 自 分に言 わ れ て い る よ う な 気 がし な い 。 そ ん な こ と っ て あ り ませ ん ?  会議 な ど で 大 勢 を 前 に 話 を し て い る の に 、 な ぜ か 独り 言を言 っ て い る よ う な 人 も い ま す よ ね ︵ 笑 ︶。 目 の 前 に 1対 1 で 相 手 が い る場 合 、 離 れ て複 数 い る場 合 。 話し方 に は 、 声 の 大 き さ 、 ト ー ン 、 速さ 、間 、音 色な ど い ろ い ろ な 要 素があ り ま すが 、それぞれ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 距 離 に よ っ て 使 い 方を変 え る べ き な ん で す 。 ︱︱ 室蘭製鉄所の事業所紹介ビデオのナレーションをご 担当いただきました 。 当社の印象は? リクルート編で登場した若手社員さんたちが、 こだわり を持ってものづくりをしている姿が印象的でした。 先輩か ら継承してきたこだわりの姿勢は、 実は私にも共通点があ るなと思いながらナレーションをしていました 。 生まれ変わったら 、 声優になるかどうかはわかりませ んが 、 なにか一つのことにこだわり続ける仕事に必ず就 くでしょうね 。 こだわり続けることが 、 私には一番素敵 なことに思える 。 いまも言葉の一つ一つ 、 これでいいか と自問自答しながらやっています 。 ︱︱ これからの抱負をお聞かせください 。 私たちの仕事は 、 選ばれないと始まりま せん 。 だから選ばれ続けるための努力を続 けていくことですね 。 俳優は生きているこ とすべてから学べる仕事 。 ちゃんと生きて いないと良い仕事はできないと思うし 、 い ろんな感情を知って 、 蓄 積して 、 仕事で出 せるようになりたい 。 だから普段から 、﹁ あ 、 私 、 こんな気持ちになった ﹂ という瞬間を しっかり覚えておくようにしています 。 面 倒ですが ︵ 笑 ︶、 これも職業病みたいなもの ですね 。 、 コンピュータの知識なん 。 それで絶句。 張り付いた笑顔のまま、 ﹁ それで ﹂ とまた最初からやった ︵ 笑 ︶。 。 確 かにしゃべることは 、 このまま中身のない飾り物になるのは嫌だ 。 そんな時に知人からあるプロダクショ 、 そこで吹き替えの仕事をいただくようにな これが声優のキャリアの始まりです 。

力的

、 俳優として 、 一番大切にしていること 。 ﹂ を普段からしっかりすることですね 。 役 仕事以外でも芸術、 映画や本にた 泣けるストーリー、 笑えるコメディ、 なん そ うやって感情の運動を 、 いろんな感情を豊かに出せるようになるし 、 。 、 仕事では大喜びの場 。 、 感情をうまくコントロールし 普 段から感情を運動させていれ 、 短 。 例 えば幼いころの、 絶 対に忘れ 。 そ れ 、 ナレーションの録音風景

(16)

新 日 鉄 の ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト は 、 年次 報告書 と 会社 概 要 を 兼 ね て おり 、 社 長 メ ッ セ ージ 、 連 結 業 績 、 各事業 セ グ メ ン ト の 概 況 な ど を 幅広く記載 し て い る 。 20 10 年 度 版 の タ イ ト ル は "Steeling fo r Global C ompetition" 。 "Steeling" には ﹁ 鉄 づ く り ﹂の ほ か に ﹁ 鍛 え る ﹂ の 意 味 が あ り 、 グ ロ ー バル な 大 競 争 時 代 の 中 で﹁ 海 外 展 開 を 含 め た 鉄 づ く り ﹂﹁ 競争力 基盤 の 強 化 ﹂を行 っ て い く 意志を 込め た 。 特 集 で は 、 自 動 車 用 鋼 材を 中心 と し た 合 弁展開 ・ 増強 に 加 え 、 買 収 ・ 出 資 に よ る 現 地 需要 の 捕 捉 や 、 イ ン フ ラ 需 要 な ど 新 た な 需要分 野を タ ー ゲ ッ ト と し た施 策 の 展 開 など 、﹁ 深 化 ﹂ を見せ て い る ア ジ ア成長戦 略を 、 象徴 的 な プ ロ ジ ェ ク ト を 中 心 に 紹介 し て い る 。 ◉ 当社ホームページでもPDFで公開しています。 ◉ 当社ホームページでもPDFで公開しています。 本年度 の環境 ・ 社会報告書 で は 、巻 頭 で 、新 日 鉄 グ ル ー プが鉄づ くりとリサイク ル と いう二 つ の側面から地球温暖 化対策を推進し 、 循環型社会 を実現すると いう新し い社会 シ ス テ ム の 結節点 の役割を果 たして い ることを説明 。 ま た 、 鉄 の 特 性 や 生 命 と 鉄・社 会 と 鉄 、 文明社会と鉄の発展の歴史を たどることで鉄 鋼 業 の重要 性 を再確認した。 さらに 、﹁ い のちとくらしを 支え 、 持 続可能な社会 の 発展 に貢献する新日鉄グル ープ ﹂と いう イラストを 交 えた物 語 風 の特 集を組み、 ﹁ 3 つ の エ コ﹂ の 視点から当社グ ル ー プ の 総合 力をわ かりやすく紹介し て い る 。 新 日 鉄 は 本 年 9 月 、﹃ ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト 2010﹄ ﹃ 環 境 ・ 社 会 報 告 書 2010﹄ を 発 行 し た 。 両報告書はあわせて ﹁経済・環境・社会﹂ をカバーし、いわゆる 〝 CSR 報告書〟 として 、 当社の活動への理解を深めていただくレポートとなる。

社会とともに 地域とともに

VOL.34

アニュアルレポート

2010

ルレポート、

環境

会報告書を発行

環境・社会報告書

2010

(17)

は 伊藤忠商事 ︵ 株 ︶か 同社が豪州子会社経由 で 有 する豪 州 フ ォ ッ ク ス リー 鉱 ジ ョ イントベ ンチャーの 10%を 全 量 購 入 し た 。 ォ ッ ク ス リ ー 炭 鉱 は 年 に 操 業 を 開 始 し 、 高 の 高 炉 へ の 微 粉炭吹 き 込 原 料 炭 を 年 間 約 2 5 0 万 生 産 。 今 回 、 新 日 鉄 と し て、 高 品 質 の 高 炉 へ の 微 き 込 み 用 原 料炭 の 権 益 確 保 し 、 将 来にわたり 原 料 調 達 に 寄 与 す るとともに、 を 共 同 保 有 す る アングロ ・ 社 、 韓国ポスコ 社 さ ら な る 関 係 強 化 を 通 じ 、 盤 を 強 化 す る 。 タイ の冷 延 鋼 板メ ーカ ー 、 サイ ア ム ・ ユ ナイ テ ィ ッ ド ・ ス テ ィ ー ル︵ S U S ︶は 、 タ イ 王国 の 2 0 1 0 年 総理大 臣 賞 ︵ 安 全管理 ︶を受賞し た 。 S U S は T P M ︵ Total Pro ductive Ma int ena nce ︶ 活 動 を ベ ー ス と し て 全 社 で 災害撲滅 運 動 を 展 開 し 、 9年連続休業災害 ゼ ロ を 更新中 。 この 実 績 が 高 く 評 価 さ れ た 。 総理大臣 賞は 、 タ イ 政 府が国 内 産 業 の 振 興 ・ 育 成 を 目 的 と し て 1 9 9 3 年 に 制 定 し た も の 。 同 社 の 受 賞 は 今 回 で 6年連 続 7度目 。 新日鉄とブルースコープ社 ︵ 本 社 ・ 豪 州 メ ル ボ ル ン ︶は 、 全世界の建材薄板市場を対象 とする 、 次世代表面処理鋼板 の共同開発に関する包括的 ・ 長期的な技術提携契約に合意 した 。 今 後 、 新商品開発力 ・ 需要家対応力を強化し 、 企 業 価値の一層の向上を図ってい く。 ブルースコープ社は 、 豪 州 ・ アジア ・ 北米に建材用溶融亜 鉛めっき製造設備や建材加工 拠点を保有し 、 建材薄板市場 で確固たるブランドを確立 。 新日鉄とは 40年間にわたる協 力関係を持ち 、﹁ スーパーダ イマ Ⓡ ﹂の豪州 ・ アジアでの販 売代理店契約も締結している 。

SU

総理大臣

年連続で受賞

豪州ブ

長期提携契約

03 686 21

www.nsc.co.jp

新日本製鉄発信のプレスリリース は、ホームページに全文が掲載さ れていますのでご参照ください。

G

GROUP CLIP

経 営 経 営 総務部広報センター 03 686 21 総務部広報センター 03 686 21 8月 27日、 岡 田 克 也 外 務 大 臣︵ 当時 ︶が 中国 ・ 宝 鋼新 日鉄 自動車 鋼 板有限公 司︵ B N A ︶ を視 察し た 。 岡田外 務 大臣は ﹁ 第 三 回 日 中 ハ イ レ ベ ル 経済対 話 ﹂に出 席 す る た め訪 中した際 に、 B N A を 訪 問 。 工 場 を 視 察 す るとともに 、 宝 山 賓 館に て 、

外務大臣が

BNA

を視察

経 営 宝鋼副総経理 の 周 建峰氏 や B N A 幹 部 と 会 談 した。 BN A は 新 日 鉄 ・ 宝 鋼 ・ ア ルセ ロー ルミ タル の 合 弁 会 社 で 、 自動車用高級鋼板を 製 造 ・ 販 売し て い る 。 調印式でのブルースコープ社 オマリー社長(左)と宗岡社長 BNA を視察する岡田外務大臣(当時) アピシット首相(右)から表彰を受ける SUS小原社長

(18)

10 月20日(水)/19:00 紀尾井の室内楽vol.27 R.オレグ×E.パユ ×河原泰則×野平一郎 トップアーティストたちで楽しむ 名曲の数々 ヴァイオリン:ラファエル・オレグ フルート:エマニュエル・パユ コントラバス:河原泰則 ピアノ:野平一郎 10 月26日(火)/18:30    27日(水)/14:00 邦楽ドラマ 生誕百年記念公演 高橋竹山 津軽三味線ひとり旅 栗塚旭 高林由紀子 二代目高橋竹山 11月11日(木)/19:00 紀尾井の室内楽 vol.28 藤村実穂子 リーダーアーベントⅡ ピアノ:ウォルフラム・リーガー シューマン リーダークライス Op. 39 マーラー 「子供の不思議な角笛」より ブラームス ジプシーの歌 ほか

公演ご案内

http://www.kioi-hall.or.jp 新日鉄文化財団 お問い合わせ・チケットのお申し込み先 紀尾井ホールチケットセンター(日・祝休) TEL 03-3237-0061 今年はピアノの詩人ショパンの 生誕 200 年、これを記念して紀 尾井ホールが贈る三夜のショパ ン特集演奏会。その第二夜には マズルカ、ポロネーズを取り上 げます。演奏はショパンが作品 に込めたこの民族のリズムを真 に再現できるポーランドの新鋭、 15 歳のヤン・リシエツキ。聴き 逃せない飛びきりの演奏会です。

ショパン三夜

〈第二夜〉 スケジュール ◉ 専用WEB http://www.ns-sc.co.jp/fw

G

GROUP CLIP 新日鉄住金ステンレス ︵株︶ 商品開発部 03 32 890 ヤン・リシエツキ 新日鉄 の 橋梁用高降伏点鋼 板 ﹁ S B H S ﹂ が 、 多 摩 川 に 架 か る 東京都福生 市 と あ き る 野 市を結ぶ 永田橋 ︵ 東 京 都建設 局 発 注 ︶に 約 600 ト ン 採 用 さ れ た。永 田橋は同製品 がJ I S 規 格 材と し て 制定 後初 の 採 用物 件。 同 製 品 は 従来 の 溶接構 造用圧延鋼材 と比べ 、 高 強 度 ・ 高靭性 で 、 溶接性 、 冷間 加工性にも優 れた橋 梁 用 の 高性能鋼材。

橋梁用高降伏点鋼板

﹁S

﹂が

後初採用

鉄鋼 ス ラ グを活用した新日 鉄 の 藻場造成製品 ﹁ ビ バ リー ユ ニ ッ ト ﹂と ﹁ ビバ リーブ ロ ッ ク ・ ビ バ リー ロ ッ ク ﹂の 両製品が 、 一 般 社団法人全国水産技術者 協会が制定した漁場造成 ・ 再 生用資器材 の利用技術認定制 度に認定 ・ 登録されるととも に 、 全国漁業協同組合連合会 が新たに制定した鉄鋼スラグ 製品安全確認認証制度で安全 性に関する認証を受けた 。﹁ ビ バリ ー Ⓡ ﹂シ リ ー ズ の一層 の 普 及を図るとともに 、 藻 場 の 再 生を通じ て豊かな 生 態 系 ︵生 物 多 様 性︶ の 回復 に 貢 献し て い く。 新 日 鉄の ﹁ ハ イ パ ー ビ ーム Ⓡ ﹂ ︵ 外 法 一 定 H 形 鋼 ︶が 、 構 造 計 算 プ ロ グ ラ ム メ ー カ ー の ユニオンシステム ︵ 株 ︶が開発 し た 一 貫 構 造 計 算 プ ロ グ ラ ム﹁ Super Build/SS3 ﹂ 、 お よ び ︵ 株 ︶構造システムが開発 した一貫構造計算プログラム ﹁ BUS-5 ﹂と任意立体形状の弾 塑性解析プログラム ﹁ SNAP ﹂ に組み込まれた。 ハイパービームを利用して 構造設計する際に 、 プログラ ムに付属する ﹁ 鋼材データベー ス ﹂上から 、 ハイパービーム のサイズを選択するだけで 、 諸元がすべて建物入力データ へ反映され 、 構造設計の効率 を高めることができる。

﹁ビ

﹂シ

ーズが

全漁

新認証を

製 品 製 品 製 品 総務部広報センター 03 686 21 総務部広報センター 03 686 21 総務部広報センター 03 686 21 新 日 鉄 住 金ステンレス ︵ 株 ︶ は、 微 量 の 錫 を 添 加 す る こ と で 、 フェ ラ イ ト 系︵ ク ロ ム 系 ︶ス テ ン レス 鋼 の 耐 食 性 を 飛 躍 的 に 向 上さ せる 世 界 初の画 期 的 技 術 を 確 立 し た。 こ れ に 基 づ い て、 耐 食 性 を 改 善 しつ つ 、 ステ ン レス 鋼 の 基 本 元 素である ク ロ ム を低減し て加工 性の 向 上 を 同 時 に実現した、 世 堺ブ レ イ ザ ー ズ の 発足 10周年 を 記 念 し て 、 9月 11、 12日 、 新 日 鉄 堺 製鉄所 の 新体育館 で招 待 試 合が 行わ れた 。 11日は 植 田 辰 哉 監 督率 い る 全 日 本代表 チ ー ム の 紅 白試合 、 12 日 は 体 育 館 の 落 成 セ レ モ ニ ー と 、 堺 ブ レ イ ザ ー ズ、 パ ナ ソ ニ ッ ク パ ン サ ー ズ、 サ ン ト リ ー サ ン バ ーズ の 3 チー ム に よ る 交 流 戦が 行 わ れた 。

新日

ス︵

世界初のステンレス鋼

シリーズ﹂

を開発

堺ブ

10

周年

記念

グループ スポーツ ビバリーⓇ ボックス 錫の添加効果(浸漬試験) 14Cr 14Cr-0.1Sn (NSSC® FW1)

﹁ハイパービーム

﹂ の

市販プログラムへの

組み込みを実現

界初 の 錫 添加高純度 フ ェ ラ イ ト 系 ス テ ンレス 鋼﹁ FW ︵ フ ォ ワ ー ド︶ シ リ ー ズ ﹂を 開 発 。今 回 そ の 最初 の 商 品 と し て 、 高 耐食 ・ 低 ク ロ ム 高純度 フ ェ ラ イ ト 系 ス テ ンレス 鋼﹁ NSSC ® FW 1 ︵フ ォ ワ ー ド・ ワン︶ ﹂の販 売 を 開 始 し た 。 10 月26日(火)/19:00 SBHS が採用された永田橋

(19)

1959年、堺臨海工業地帯造成計画の企業第1号として八幡製鉄(現・新日鉄)が進出を決定。 堺製鉄所を中心とした一大重化学コンビナートが形成された。 そして現在、充実した港湾施設などの既存インフラ、京阪都心部に近いアクセス性が魅力となり、 大規模な工場や商業施設の進出が相次ぎ、堺浜は新たな活気を見せている。

原油タンカーの塗装不要 高耐食性厚鋼板

NSGP

®

−1

  新 日 鉄 の 高耐食性 厚鋼板 ﹁ N S G P ® ‒ 1﹂ ︵ N ip p on S tee l G reen P rotect-1 ︶ は 、 油漏れなどの重大事故に つ ながるおそれ のある原油タンカーの貨物タンク底面の 腐食を防ぐために 、 新日鉄が日本郵船と 共に世界に先駆けて開発した鋼材です 。 従来の鋼板に比べ 約 5 倍の耐食性を持ち 、 腐食防止のための塗装を省略することが できる こ とから 、 ラ ン ニ ング コ ス トを大幅 に低 減し 、 船 舶の安 全 性 を 高めるととも に地球環境に優し い 鋼材です。   2 0 0 4 年から 2 年半にわたり新日鉄 と日本郵船が協力して行った 、 大型タン カー ︵ VLCC ︶への実船適用試験を経て 、 2 0 0 7 年から本格受注を開始 。 原油タ ンカー用の累計出荷量は既に 1万トンを 超えました。

新日鉄の

NSGP® -1 が採用された大型タンカー TAKAMINE シャープグリーンフロント堺 1969 年当時の堺浜。 右上の工場群が堺製鉄所、 左下は埋立中 現在の堺浜。 シャープをはじめとする 工場群、商業施設、公園 などがある 対岸から望む工場群 堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター 堺製鉄所が寄贈した転炉鍋が置かれている公園

(20)

O C TO B ER Vo l.202 20 10 9 30 日発        〒 100-8071 東京都千代田区丸の内 2-6-1 TEL03 -6867 -4111 http://www.nsc.co.jp/ 編集発行人 総務部広報センター所長  丸川 裕之 / 企画 ・ 編集 ・ デザイン・ 印刷 株 式 会 社 日 活 ア ド ・ エ イ ジ ェ ン シ ー ●皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。FAX :03-6867-3597 ●本誌掲載の写真および図版・記事の無断転載を禁じます。 文藝春秋 2009 年 9月号掲載 祐成 政徳 (すけなり・まさのり) 作者プロフィール/ 1960 年福岡県生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。93 年 から一年余ドイツ、ミュンヘン州立芸大に留学(シュタイナー奨学金)。その後も ドイツに滞在制作で招かれ 97 年個展「OPERA」を開催。2003 年チェコ “House of Art” にて個展を開催。2006 年第六回上海ビエンナーレ参加、2007 年エルマンノ・ カソリ・プライズ コミュニケーション特別賞受賞。2002 年より東京造形大学非常 勤教員、現在に至る。 研究開発の現場から Series6 挑戦しています。夢のものづくり ………2 特集 東京国際空港に新滑走路が誕生 新日鉄グループの総合力で大プロジェクトに挑む ………3 ものづくりの原点 科学の世界 VOL.52 鉄づくりの副産物を炭素材と化学品原料に変える石炭化学 コールタール蒸留・製品化技術(上) ……… 10 トークスクエア 感情を運動させれば、人はもっと魅力的になれる 声 優 高島 雅羅氏 ……… 14 社会とともに 地域とともに VOL.34  アニュアルレポート、環境・社会報告書を発行 ……… 16 GROUP CLIP ………17 CONTENTS 表紙のことば  Silent innocence 秋深く、虫の声。 歩き続けることの喜び。

参照

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