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テクスチャ画像の統計的領域分割

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Academic year: 2021

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(1)

ガボール解析による

テクスチャ画像の統計的領域分割

 日大生産工(院) ○金井隆幸  日大生産工  目黒光彦 

はじめに

近年画像の解析手法の一つとして,ガボール解 析と呼ばれる手法が注目されている.これはガボー ル関数を用いてガボールウェーブレットを構成し,

対象となる画像にフィルタリングすることによって テクスチャ解析に有用であることが知られている.

だがこの手法でテクスチャの方向性やスケールも 含めて認識するためには,いくつかのパラメータ を組み合わせた多数の画像を出力させねばならな い.画像ごとに含まれるテクスチャの大きさ,形 などは様々なので,限定されたパラメータでは有 効な結果が得られない.しかしむやみにパラメー タの数を増やすことは認識精度の向上につながる 保証はない.よって,本研究では実験的にある程 度まで限定したパラメータを用いて画像を出力し,

その出力結果をさらに有用な物のみに絞る.そし て絞られた結果に対してクラスタリングを行いテ クスチャ領域を抽出する.

ガボール解析

本章では,ガボール関数及びガボールウェーブ レットについての説明と,ガボール関数を用いた フィルタリングについて解説する.

ガボールウェーブレット

この節では,窓フーリエ変換で利用されるガボー ル関数 から,連続ウェーブレットの一種である ガボールウェーブレットを構成する方法を説明す る.ガボール関数はガウス関数と正弦・余弦関数

から構成されている関数であり,以下の式で定義 される.

ここで窓関数 は,積分値がに規格化され たガウス関数であり,シフト及びダイレーション

(拡大縮小)を行っても,関数の形が相似であると いうウェーブレットの性質に沿うように以下のよ うにと窓関数を定義する

はガウス窓を示す指数であり,は時間軸のシ フト量を示すものである.また, は,振動の中 心周波数である.

において, とすれば,シフ トとダイレーションによって関数の形が相似とな るので,ウェーブレットを形成する.これを基底 としたウェーブレット変換をガボールウェーブレッ

ト変換( と呼ぶ

ここで,ウェーブレットの基底から原信号を再 構成するためには,この逆変換が存在しなければ ならないという条件がある.このため,関数の 直流成分が,すなわち,そのフーリエ変換にお いて, であることが必要である.そこで,

これを達成するために式を次のように再 定義する.

ここで、図

のときの ガボールウェーブレットの実部と虚部を示す.

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

― 95 ― 7-27

(2)

-1 -0.5 0 0.5 1

-1 -0.5 0 0.5 1

[sec]

-1 -0.5 0 0.5 1

-1 -0.5 0 0.5 1

[sec]

実部     虚部

ガボールウェーブレットの実部と 虚部

次元ガボールウェーブレット展開

波の検出に最適なフィルタは,その波自身であ ることが知られており,自己相関フィルタと呼ば れる.しかし,テクスチャの模様を表す関数が既 知ではないため,その形状を予測する事が出来な い.また,周期的な波の検出には通常フーリエ変 換が利用されるが,局所的な波の周波数成分はノ イズに埋もれてしまうことが多い.そこで本研究 では局所的な波を検出する相関フィルタとして,

次元ガボールウェーブレットを利用した.これは 基本的に前述のガボールウェーブレットを次元 へと拡張したものである.

前述の式次元に拡張する.次元の座標 軸を横方向,縦方向とする.考え方としては,

横方向に振動する複素振動 次元のガウス 窓をかけ,原点を中心にして回転させることに より,次元ガボールウェーブレットを生成する.

このことを順を追って説明する.まず,次元平面 で方向のみに振動する波 の実部 を 立体的に表示したのが図である. は波の(角)

周波数である.

5 10 15 20 25 30 35 40

5 x 15 10 20 3025 4035

y -1 -0.5 0 0.5 1

次元平面で方向に振動する波 次に,この波が原点の周りで局在するように 次元のガウス窓をかける.次元ガウス窓

は次式で表され,それを図に図示する.

5 10 15 20 25 30 35 40

5 x 10 20 15 30 25 35 40

y 0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01 0.012 0.014 0.016

次元のガウス窓

ここではガウス窓の幅を示す指数である.そ して波 次元ガウス窓をかけると 次式になる.

次元の場合と同様に式をウェーブレットの性 質に沿うようにを次のように再定義する.

これが次元ガボールウェーブレットであり,そ の一例を図に図示する.

5 10152025303540

5 x 1510 2520 30 4035

y -0.01 -0.005 0 0.005 0.01 0.015

5 10152025303540

5 x 1510 2520 30 4035

y -0.015

-0.01 -0.005 0 0.005 0.01 0.015

実部     虚部 図次元ガボールウェーブレットの例 しかしこのウェーブレットは,あくまでも方 向にのみ振動する波であり,例えば軸から度 回転した方向に進む波は,このウェーブレットで は検出できない可能性がある.そこで,次元ガ ボールウェーブレットではシフトとダイレーショ ンのみならず,ウェーブレットの原点の周りに回 転させる必要がある.関数を原点の周りに

回転させた

を次式で定義する.

ここで,

― 96 ―

(3)

とは,座標軸とをだけ回転したも のであり,添字(整数)は回転ステップを示す.

を変えた次元ガボールウェーブレット

の実部を図示する.

510152025303540

5 x 10 2015 25 3530 40

y -0.01 -0.005 0 0.005 0.01 0.015

5 10152025303540

5 x 10 2015 25 3530 40

y -0.01 -0.005 0 0.005 0.01 0.015

     

510152025303540

5 x 10 2015 25 3530 40

y -0.01 -0.005 0 0.005 0.01 0.015

5 10152025303540

5 x 10 2015 25 3530 40

y -0.01 -0.005 0 0.005 0.01 0.015

     

原点の周りで回転させた次元ガボール ウェーブレット

また式と式をまとめて次元ガボール ウェーブレットの母関数と呼ぶ.この関数の離散 化した族 は次式で与えられる.

はダイレーション(拡大縮小)であり, およ び は平行移動である.添字(整数)は,ダイ レーションステップを示す.

最後に入力画像の,ガボールウェーブレッ ト展開係数 は次式により求められる.

!!

領域分割

本章では画像に対する領域分割についての説明 と既存の手法を用いた画像への実例を紹介する.ま ず,領域分割とは画像の画素毎に対して、均一の性 質と思われる領域ごとに分別する処理のことを指 す.すでに様々な手法が提案されているが本研究で はクラスタリングを手法として知られる"#

を使用する.

画像を領域分割するための初期分割手法として 任意の色空間に対し,個の代表ベクトルで分割 し,その代表ベクトルと領域分割したい画像デー タとの誤差を求め,最小誤差のクラスタ番号をそ の画素のインデックスとする.このような処理を 画像全体について行うことにより画像の領域分割 ができる.以下に$ %色空間を例に用いたアル ゴリズムを示す.

$ %色空間上の任意の箇所を用い個の代 表ベクトルとする

画像全体の各画素値 と比較し,最も近くに存在する代表ベクトルのク ラスタ&に対応した部分集合に分類する.

'

'

'

'

'

'

'

'

'

'

'

&

各クラスタに属する画素数とし,この部 分集合における$ %空間上の重心を求め,これ を新しい代表ベクトルとする.

更新前の代表ベクトルと更新後の代表ベクト ルとの$ %空間上の距離を算出する.これをす べてのクラスタに対して行ない, すべての値を加 算したものを誤差' とする.その誤差をあらか じめ設定しておいた任意の収束値と比較する.

'

'

― 97 ―

(4)

'

'

'

'

'

' ' 収束

任意の収束値以下に収束していない場合 の処理を繰り返し,収束している場合は 終了する.

実行例

この章ではサンプル画像に対して次元ガボー ルウェーブレット展開及び"#法を適用した 出力画像を示す.また,次元ガボールウェーブ レット展開において,図では

として出力している.

原画像     

     を重ね合わせたもの 図次元ガボールウェーブレット展開(では,対象の画像に対して

の各角度の画像による出力とそれ らを重ね合わせた画像を示す.また,各パラメー タは として出 力している.

原画像     

     

     すべてのを重ね合わ せたもの

(次元ガボールウェーブレット展開

おわりに

本論文では,次元ガボールウェーブレット展開 を用いてテクスチャの方向性やスケールを考慮し た特徴量の算出について検証した.実行例を通し てテクスチャの方向性及びスケールが考慮された 特徴量が算出されることが確認された.今後はこ れらの結果を用いて有用な画像のみに絞り,各テ クスチャ領域ごとに分割する.

参考文献

参考文献

中野宏毅山本 鎭男吉田 靖夫ウェーブレッ トによる信号処理と画像処理共立出版株式会社,

堀田 裕弘 宮原 誠 小谷 一孔 均等色空 間に基づくカラー画像の領域分割,電子情報通 信学会,信学論 

― 98 ―

参照

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