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下水汚泥の新しい焼却炉, 過給式流動焼却システムの紹介

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Academic year: 2021

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下水汚泥の新しい焼却炉,

過給式流動焼却システムの紹介

1. はじめに

 国内の下水汚泥はその多くが脱水後 焼却処理されている.焼却炉は流動床 式焼却炉が主流であり,全国で稼働し ている焼却炉の 80%を占めている.

 従来の流動床式焼却炉(以下,過給 式流動炉と区別するため気泡流動炉と する)は,高温砂が炉内に多量に存在 しているため,脱水汚泥等の高含水廃 棄物を焼却処分する焼却炉として非常 に優れている.しかし,多量の砂を流 動させるために多くの電力を必要とす るなどデメリットもあった.

 そこで,月島機械(株)(以下,当社)

は流動床炉に過給機を組み合わせた過 給式流動炉システム(図 1)を開発し,

実証運転を経て実用化した.

 その過給式流動炉について特徴やメ リットについて記載する.

2. 開発システムの特徴とメリット

2.1 特徴

 過給式流動炉システムは気泡流動炉 と比べて二つの大きな特徴がある(図2).

(1)過給機を設置することにより過給 式 流 動 炉 内 を 0.1~0.15MPaG 程 度 に保ちながら燃焼を行う.(気泡流 動炉では大気圧以下の負圧で燃焼を 行う.)

(2)燃焼排ガスの圧力で過給機を駆動 し,燃焼空気を圧縮して炉に供給する.

 過給機の構造概要を図 3に示す.

左側のタービンが燃焼排ガスで駆動 し,右側の空気用タービンを回して空 気を圧縮し,焼却炉に必要な燃焼空気 を供給する.

2.2 メリット

 一般的な気泡流動炉に比べて次のよ うなメリットがある.

(1)排ガスの圧力があるため誘引ファ ンがなくても排気できる.

(2)燃焼空気は排ガスで駆動する過給 機で供給するため高圧の流動ブロ ワが不要である.

 これら(1),(2)のために消費電力 が半減できる.

(3)加圧下での燃焼のため燃焼速度が 速く,温度域が高温になり温暖化 ガスである一酸化二窒素や亜酸化 窒素の発生も大幅に削減される.

(図 4)

(4)排ガスは圧力が高いため,ガス容 積が小さくなり,炉,集塵機やダ クトの内容積が 1/3~1/2 になる.

 これらのメリットから,下水汚泥の ような高含水廃棄物の焼却に最適であ るという気泡流動炉の良さは残したま ま,省エネルギー・創エネルギーシス テムが実現でき,地球温暖化防止に貢 献できる新技術として注目されている.

3. 設備建設状況

 本技術は当社,三機工業(株),(独)

土木研究所および(独)産業技術総合 研究所が共同で開発を行ったものであ る.実証プラントを北海道,長万部終 末処理場内に設置し,長期間にわたり 連続した安定運転性能の実証を行うと ともに,各種設計データの採取を行った.

 それらの運転データと経験をもとに スケールアップを行い,現在では東京 都,神奈川県,大阪府や甲府市などに 採用され,今後も各地での採用が期待

されている.

(原稿受付 2013 年 8 月 22 日)

〔遠藤 久 月島機械(株)〕

排ガス

排ガス 空気

吸気 脱水汚泥

過給式流動炉

過給機 水分

図 2 過給式流動炉と過給機の関係

図 3 過給機概要

700

気泡流動炉

過給式流動炉 高温 燃焼領域

750 800

炉内温度 (℃)

Sand bed Free board

850 900 炉  高  さ

図 4 炉内温度分布概要 過給式流動焼却炉

汚泥供給機

空気予熱器 バグフィルタ

過給機白煙防止予熱器

白煙防止空気ファン

煙突

排煙処理塔

図 1 過給式流動炉焼却設備フロー

─ 53 ─

日本機械学会誌 2013. 10 Vol. 116 No.1139 737

参照

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