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NIRA ケーススタディ・シリーズ

個人宛通知による年金情報提供の強化

−スウェーデン「オレンジ封筒」の事例から− 中嶋邦夫

NIRA Case Study Series No.2007-10-AB-9

2007 年 10 月

総合研究開発機構

National Institute for Research Advancement

Yebisu Garden Place Tower,4-20-3, Ebisu.Shibuya-ku,Tokyo

150-6034,Japan http://www.nira.go.jp/

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NIRA ケーススタディ・シリーズは、政策等に関する個別事例について蓄積・収集し、そ れらを政策形成のための知的インフラとすることを目的としています。

論文の内容や意見は、執筆者個人に属し、NIRA の公式見解を示すものではありません。 なお、NIRA のホームページより本論及びケーススタディを閲覧することができます(ホ ームページ・アドレス http://www.nira.go.jp/)。

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個人宛通知による年金情報提供の強化 −スウェーデン「オレンジ封筒」の事例から−1 中嶋邦夫* 【要約】 年金制度への信頼を向上させる方策として、国民に対する年金情報の提供が近年注目さ れている。諸外国では、米国、スウェーデン、ドイツなどで年金情報の通知がすでに導入 されているが、本稿ではスウェーデンの「オレンジ封筒」を紹介する。 スウェーデンでは 1999 年から、給付建てから拠出建てへの変更などを伴う大幅な年金 改革が実施された。オレンジ封筒は、改革の結果必要となった個人ごとの残高情報や年金 見込額を通知し、年金制度に関する知識や信頼を高めることを目的としている。 オレンジ封筒の導入は、上記の目的を果たし、現在も効果を維持している。その背景に は、読みやすさや読まれやすさを中心に据えたデザイン、事前事後の意識調査を踏まえた 不断の見直し、並行したキャンペーンの実施などがある。 一方、日本では、「ねんきん定期便」が2009 年度より本格実施される見込みである。そ の内容は従来の情報提供から大幅に進展しており、信頼向上のきっかけとして、効果が期 待される。 ただ、スウェーデンと日本に共通した問題として、年金制度の意義や年金財政に関する 情報が不足している。米国の社会保障通知を参考にしながら、給付削減による財政安定機 能の啓蒙とセットで、さらなる改善を期待したい。 * ニッセイ基礎研究所 副主任研究員 1 本稿は、筆者が参加した 2004 年度および 2005 年度の厚生労働科学研究費補助金政策科学 推進事業「個人レベルの公的年金の給付と負担等に関する情報を各人に提供する仕組みに関す る研究」(主任研究者 臼杵政治)の一環として 2004 年 12 月に実施したスウェーデンでのヒ アリング、および母子愛育会の外国人研究者招へい事業として2005 年 10 月に招へいしたス ウェーデン社会保険庁アメリー・フォン・ツヴァイベルク氏の講演等に依拠している。厚生労 働省、母子愛育会、臼杵氏をはじめとする研究会メンバー、そしてツヴァイベルク氏に、心よ り感謝申し上げます。

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目 次 第 1 章 本 稿 の 問 題 意 識 ...3 第 2 章 オ レ ン ジ 封 筒 の 背 景 ...3 第 1 節 ス ウ ェ ー デ ン の 年 金 制 度 と そ の 改 革 の 概 要 ...3 第 2 節 年 金 情 報 キ ャ ン ペ ー ン の 必 要 性 ...5 第 3 章 オ レ ン ジ 封 筒 の 実 施 ...6 第 1 節 オ レ ン ジ 封 筒 の 導 入 ...6 第 2 節 オ レ ン ジ 封 筒 と キ ャ ン ペ ー ン の 改 良 ...6 第 3 節 通 知 の 内 容 ...8 第 4 節 そ の 他 の 特 徴 ... 10 第 5 節 オ レ ン ジ 封 筒 以 外 の 取 り 組 み ... 10 第 4 章 情 報 提 供 の 効 果 と 課 題 ... 11 第 1 節 オ レ ン ジ 封 筒 と キ ャ ン ペ ー ン の 効 果 ... 11 第 2 節 オ レ ン ジ 封 筒 の 課 題 と 展 望 ... 12 第 5 章 日 本 へ の 示 唆 ... 13 第 1 節 年 金 情 報 に 関 す る 日 本 の 問 題 ... 13 第 2 節 政 府 の 対 応 ... 15 第 3 節 具 体 的 な 内 容 ... 17 第 4 節 評 価 と 展 望 ... 19 参 考 資 料 ... 23 参 考 資 料 1:オ レ ン ジ 封 筒 の 通 知 ( 2005 年 版 ) ... 23 参 考 資 料 2:「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」「 年 金 見 込 額 の お 知 ら せ 」(58 歳 到 達 者 向 け ) ... 29 参 考 資 料 3:「 ね ん き ん 定 期 便 」( 35 歳 向 け 先 行 実 施 版 ) ... 30 参 考 資 料 4:「 ね ん き ん 定 期 便 」( 2007 年 2 月 時 点 の 案 ) .... 31 参 考 文 献 ... 33

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近 年 、 公 的 年 金 制 度 に 対 す る 不 信 や 不 安 が 大 き な 社 会 問 題 と な っ て い る 。特 に 本 年(2007 年 )は 、い わ ゆ る 年 金 記 録 問 題 が 取 り 上 げ ら れ 、 不 信 や 不 安 が 高 ま っ て い る 。 年 金 制 度 に 対 す る 信 頼 は 、 制 度 の 持 続 可 能 性 を 支 え る 大 き な 要 素 で あ る 。 一 般 に 、 公 的 年 金 の 持 続 可 能 性 を 支 え る 要 素 と し て は 年 金 財 政 が 問 題 に さ れ る こ と が 多 い が 、 国 民 の 信 頼 が な け れ ば 、 保 険 料 の 不 払 い な ど に よ っ て 年 金 財 政 は 不 安 定 化 し て し ま う 。 年 金 財 政 と 国 民 の 信 頼 は 、 制 度 を 維 持 し て い く た め の 車 の 両 輪 で あ る 。 年 金 制 度 へ の 信 頼 を 向 上 さ せ る 方 策 と し て 近 年 注 目 さ れ て い る の が 、国 民 に 対 す る 年 金 情 報 の 提 供 で あ る 。日 本 で は 、2004 年 の 年 金 制 度 改 正 で 、「 年 金 制 度 の 理 解 を 深 め る た め の 取 組 み 」と し て「 保 険 料 納 付 実 績 や 年 金 額 の 見 込 み 等 の 年 金 個 人 情 報 を 被 保 険 者 に わ か り や す い 形 で 定 期 的 に 通 知 す る も の と す る 。( ポ イ ン ト 制 )」( 厚 生 労 働 省(2004)) と い う 形 で 、 年 金 情 報 の 定 期 的 な 通 知 が 施 策 と し て 打 ち 出 さ れ た 。 諸 外 国 で は 、 米 国 、 ス ウ ェ ー デ ン 、 ド イ ツ な ど で 年 金 情 報 の 通 知 が す で に 導 入 さ れ て い る 。 本 稿 で は 、「 オ レ ン ジ ・ レ タ ー 」2と し て 日 本 で も 紹 介 が 進 ん で い る ス ウ ェ ー デ ン の 事 例 を と り あ げ 、 当 該 政 策 の 背 景 や 実 施 内 容 、 課 題 な ど を 分 析 し 、 日 本 へ の 示 唆 を と り ま と め る 。 第 1節 ス ウ ェ ー デ ン の 年 金 制 度 と そ の 改 革 の 概 要 ス ウ ェ ー デ ン で は 、1980 年 代 か ら 年 金 改 革 が 繰 り 返 し 議 論 さ れ て き た が 、1998 年 に 年 金 改 革 法 が 成 立 し 、 よ う や く 決 着 を み た 。 従 来 の ス ウ ェ ー デ ン の 公 的 年 金 は 1960 年 に 改 正 さ れ た も の で 、 老 後 の 最 低 生 活 水 準 の 保 障 を 目 的 と す る 定 額 の 国 民 基 礎 年 金 と 、 主 2 日 本 で は「 オ レ ン ジ・レ タ ー 」と し て 紹 介 さ れ る こ と が 多 い が 、現 地 で は「 オ

レ ン ジ 色 の 封 筒 」 を 意 味 す る 「orange kuvert」( 英 訳 : orange envelope) と 呼 ば れ て い る 。 本 稿 で は 「 オ レ ン ジ 封 筒 」 と 記 述 す る 。

第1章

本 稿 の 問 題 意 識

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に 被 用 者 を 対 象 と し た 所 得 比 例 の 国 民 付 加 年 金 の 2 本 建 て で あ り 、 老 齢 年 金 の ほ か 、 遺 族 年 金 や 障 害 年 金 が 支 給 さ れ て い た 。 さ ら に 、 付 加 年 金 の 受 給 資 格 が な か っ た り 低 額 な 人 に 対 し て は 、 補 足 年 金 が 支 給 さ れ て い た 。 制 度 設 計 は 、 給 付 内 容 を ま ず 決 定 し た 上 で 必 要 な 保 険 料 率 や 国 庫 負 担 額 を 決 定 す る 、 給 付 建 て 制 度 で あ っ た 。 国 民 付 加 年 金 の 給 付 水 準 は 、 生 涯 の う ち 高 か っ た 15 年 分 の 賃 金 の 平 均 を ベ ー ス に 決 定 さ れ(15 年 ル ー ル )、30 年 の 加 入 で 満 額 が 受 け 取 れ る 仕 組 み (30 年 ル ー ル ) で あ っ た3。 ま た 財 政 方 式 は 、 主 に 雇 用 主 が 負 担 す る 保 険 料 を 財 源 と す る ( 修 正 ) 賦 課 方 式4で あ っ た 。 し か し 、 少 子 高 齢 化 な ど 人 口 構 成 の 変 化 や 経 済 成 長 の 鈍 化 な ど で 年 金 財 政 の 健 全 性 が 問 題 と な り 、 ま た 給 付 決 定 に お け る 15 年 や 30 年 と い う ル ー ル が 不 公 平 で あ る な ど の 批 判5を 受 け て 、1999 年 か ら 改 革 が 実 施 さ れ た 。 新 制 度 で は 、 定 額 と 所 得 比 例 の 2 階 建 て で あ っ た 旧 制 度 を 、 所 得 比 例 に 一 本 化 し た 。 旧 制 度 で 国 民 基 礎 年 金 と 補 足 年 金 が 担 っ て い た 最 低 生 活 水 準 の 保 障 に つ い て は 、 全 額 国 庫 負 担 に よ る 保 証 年 金 で ま か な わ れ る こ と と な っ た 。 ま た 、 制 度 設 計 は 、 従 来 の 給 付 建 て か ら 、保 険 料 率 を 18.5% に 固 定 す る 拠 出 建 て に 変 更 さ れ た 。 給 付 の う ち 老 齢 年 金 は 、 毎 年 の 拠 出 と 利 息 の 累 積 ( 残 高 ) と 本 人 が 選 択 す る 支 給 開 始 年 齢6、お よ び そ の 人 が 属 す る 世 代( コ ー ホ ー ト ) の 予 想 余 命 に 応 じ て 決 ま る こ と に な り 、 遺 族 年 金 や 障 害 年 金 は 別 途 国 庫 負 担 で ま か な わ れ る こ と と な っ た 。 財 政 方 式 は 、 保 険 料 率 18.5% の う ち 16% が 概 念 上 の 拠 出 建 て 制 度 ( 所 得 年 金 ) と し て 賦 課 方 式 で 運 営 さ れ 、 残 る 2.5% が プ レ ミ ア ム 年 金 と し て 積 立 方 式 で 運 営 さ れ る こ と と な っ た 。 こ れ ら は 拠 出 建 て で あ る た め 、 残 高 や 将 来 の 年 金 額 が 、 拠 出 額 に 加 え て 運 用 利 回 り の 影 響 を 受 け る こ と に な る が 、所 得 年 金 は 仮 想 的( 概 念 的 )7に 現 役 世 代 の 1 人 あ た り 所 得 上 昇 率 分 の 利 息 が 付 き8、プ レ ミ ア ム 年 金 は 政 府 機 関 が 用 意 し た 中 か ら 加 入 者 自 ら が 選 択 し た フ ァ ン ド の 運 用 成 績 に よ っ て 変 動 す る こ と と な っ た 。 3 30 年 未 満 の 場 合 は 、 加 入 年 数 に 応 じ て 減 額 さ れ る 。 4 国 民 付 加 年 金 に は 積 立 金 が あ り 、 修 正 賦 課 方 式 で あ っ た 。 5 15 年 ル ー ル に 対 し て は 、 生 涯 賃 金 が 同 一 で も 稼 得 パ タ ー ン に よ っ て 年 金 額 が 異 な る の は 不 公 平 で あ る と い う 批 判 が あ っ た 。30 年 ル ー ル に 対 し て は 、 高 齢 期 の 就 業 に 対 し て 抑 制 的 で あ る と い う 批 判 が あ っ た 。 6 61 歳 以 降 で あ れ ば 、 本 人 が 選 択 で き る 。 7 「 仮 想 的 ( 概 念 的 )」 と は 、 プ レ ミ ア ム 年 金 と 異 な り 、 実 際 の 資 産 の 裏 付 け が な い 帳 簿 上 の も の と い う 意 味 で あ る 。 8 年 金 財 政 が 悪 化 し た 場 合 に は 、自 動 均 衡 措 置 と 呼 ば れ る ル ー ル に 従 っ て 、一 定 の 控 除 が 行 わ れ る 。

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図 表 1 新 旧 制 度 の 比 較

【旧制度】

【新制度】

保証年金 プレミアム年金 所得年金 保証年金 プレミアム年金 所得年金 (補足年金) 国民基礎年金 国民付加年金 (補足年金) 国民基礎年金 国民付加年金 こ の 改 革 は 、 大 き く 3 つ の 変 化 を 国 民 に も た ら し た 。 ま ず 第 1 が 給 付 建 て か ら 拠 出 建 て へ の 変 更 で あ る 。 こ れ に よ り 、 国 民 が 自 己 の 残 高 や 年 金 見 込 額 を 知 る こ と が 重 要 に な っ た 。 第 2 に 、 プ レ ミ ア ム 年 金 で は 、 自 ら が 資 産 運 用 方 法 を 選 択 す る 点 で あ る 。 個 人 の 運 用 成 果 に よ っ て 年 金 額 が 左 右 さ れ る た め 、 自 ら の 運 用 成 果 や 残 高 、 そ れ に よ る 年 金 見 込 額 の 状 況 を 知 る 必 要 が 出 て き た 。 第 3 は 、 年 金 額 が 全 勤 労 期 間 の 拠 出 に 左 右 さ れ る よ う に な っ た 点 で あ る 。 こ れ に よ っ て 、 勤 労 期 間 の 一 部 の み が 年 金 額 に 影 響 し て い た 旧 制 度 と 比 べ て 、 拠 出 額 や 年 金 額 に 関 心 を 持 つ べ き 期 間 が 長 く な っ た 。 こ れ ら の 新 制 度 へ の 移 行 は 国 民 の 約 半 数 に あ た る 現 役 世 代 に 影 響 を 与 え 、 ま た 段 階 的 に 実 施 さ れ る た め に 、 年 金 に 対 し て 比 較 的 関 心 が 薄 い 若 年 者 ほ ど 大 き な 影 響 を 受 け る こ と に な っ た9 第 2節 年 金 情 報 キ ャ ン ペ ー ン の 必 要 性 こ の よ う な 大 改 革 の 実 施 に あ た っ て 、 政 府 は 改 革 の 内 容 を 国 民 に 知 ら せ る 必 要 が あ っ た 。 特 に こ の 改 革 に お い て は 、 利 害 関 係 者 間 の 調 整 が 難 航 す る こ と を 避 け る た め に 、 各 政 党 か ら の 代 表 者 で 組 織 さ れ た 委 員 会 が 非 公 式 で 改 革 内 容 を 詰 め て い っ た た め 、 改 革 の 内 容 が あ ま り 国 民 に 知 ら さ れ て い な か っ た 。 ま た 、 す で に 述 べ た 拠 出 建 て へ の 移 行 や プ レ ミ ア ム 年 金 の 導 入 に よ り 、 将 来 受 け 取 る 年 金 額 が 経 済 や 人 口 、 自 ら の 運 用 成 果 に よ っ て 変 動 す る こ と に な っ た た め 、 各 個 人 に 年 金 見 込 額 を 情 報 提 供 す る 必 要 が あ っ た 。 特 に 、 公 的 年 金 で 足 り な い 部 分 に つ い て は 、 勤 労 の 継 続 や 私 的 年 金 で 準 備 す る よ う 早 め に 促 す 必 要 が あ る た め 、1998 年 に 9 1937 年 以 前 生 ま れ の 人 に は 旧 制 度 の み が 適 用 さ れ 、 1938 年 ∼ 1953 年 生 ま れ の 人 に は 段 階 的 に 新 制 度 が 適 用 さ れ 、1954 年 生 ま れ 以 降 の 人 に は 新 制 度 の み が 適 用 さ れ る 。

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成 立 し た 改 革 法 の 趣 意 書 に は 、 通 知 な ど を 通 じ て 1 人 1 人 に 情 報 を 開 示 す る こ と が 書 か れ て い た 。 社 会 保 険 庁 は 、 情 報 提 供 に 先 立 っ て 、1998 年 に 約 1000 人 を 対 象 に し た 加 入 者 の 意 識 調 査 ( 定 量 調 査 ) を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、 人 び と は 年 金 制 度 が 改 革 さ れ る こ と は 知 っ て い る も の の 、 年 金 に つ い て の 関 心 は 低 く 、 あ ま り 知 識 が な い こ と が 明 ら か に な っ た 。 例 え ば 、 旧 制 度 で 、ど の く ら い 年 金 を も ら え る か を 知 っ て い た 人 は 18% し か い な か っ た 。 ま た 、 旧 制 度 で 重 要 な 、 自 ら の 高 か っ た 15 年 分 の 報 酬 額 を 知 っ て い る 人 も 少 な く 、 特 に 女 性 や 若 年 層 で 知 識 が 少 な い 傾 向 が み ら れ た 。 第 1節 オ レ ン ジ 封 筒 の 導 入 意 識 調 査 の 結 果 を 受 け 、社 会 保 険 庁 は 、1998 年 か ら 女 性 や 若 年 層 を 重 点 に お い た 情 報 周 知 の キ ャ ン ペ ー ン を 実 施 し た 。 具 体 的 に は 、 制 度 改 革 に つ い て の パ ン フ レ ッ ト を 配 る ほ か 、 ラ ジ オ や テ レ ビ 、 新 聞 で の 広 告 や セ ミ ナ ー の 開 催 、ウ ェ ブ サ イ ト の 設 置 な ど を 実 施 し た 。 同 時 に 、 個 人 宛 通 知 の 準 備 と し て 、 通 知 の ひ な 形 を 使 っ た 聞 き 取 り 調 査 ( 定 性 調 査 ) を 実 施 し た 。 調 査 は 約 20 人 を 対 象 に 、 各 人 の 履 歴 に 基 づ い た ひ な 形 を 使 い 、 1 人 あ た り 90 分 か け て 意 識 を 聞 き 出 す デ プ ス イ ン タ ビ ュ ー の 方 法 で 行 わ れ た 。 こ の 際 、 参 加 者 へ の 口 頭 質 問 に 加 え て 、 参 加 者 が ど の よ う に し て 封 筒 を 開 い て 読 む か 、 ど こ に 注 目 し て 読 む か な ど も 注 意 深 く 観 察 し た 。 ま た 、 情 報 提 供 に 必 要 な 個 人 勘 定 シ ス テ ム も 開 発 し た 。 そ し て 、1999 年 か ら 、各 加 入 者 に オ レ ン ジ 封 筒 を 送 り 始 め た 。こ の 最 初 の オ レ ン ジ 封 筒 で は 、 加 入 者 の 報 酬 の 履 歴 と 給 付 の 予 測 額 を 通 知 し た 。 同 時 に 、 Sweden has got a new Pension System 1 0 題 し た キ ャ ン ペ ー ン を 実 施 し 、新 聞 、テ レ ビ 、ラ ジ オ で の 広 告1 1や 、 シ ン ポ ジ ウ ム な ど を 実 施 し た 。 第 2節 オ レ ン ジ 封 筒 と キ ャ ン ペ ー ン の 改 良 1 0 ツ ヴ ァ イ ベ ル ク 氏 の 英 文 に よ る 講 演 資 料( von Zweigbergk(2005))よ り 。キ ャ ン ペ ー ン 名 に つ い て 、 以 下 同 様 。 1 1 同 国 の 童 話「 ニ ル ス の ふ し ぎ な 旅 」に な ぞ ら え て 、鳥 に 乗 っ た 配 達 人 が 全 国 各 地 に オ レ ン ジ 封 筒 を 届 け る と い う 内 容 だ っ た 。

第3章

オ レ ン ジ 封 筒 の 実 施

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2000 年 に は 、所 得 年 金 で の 年 初 お よ び 年 末 の 個 人 別 勘 定 残 高 と 1 年 間 の 利 息 、 プ レ ミ ア ム 年 金 で の 年 間 収 益 と 残 高 、 さ ら に 両 者 を 元 に し た 年 金 見 込 額 の 合 計 額 を 通 知 し た 。な お 、2000 年 の 通 知 作 成 に 先 立 っ て も 、前 述 の ひ な 形 を 使 っ た 聞 き 取 り 調 査 が 実 施 さ れ て い る 。 ま た 、 オ レ ン ジ 封 筒 の 発 送 に 合 わ せ て 、 Your whole life counts と 銘 打 っ た キ ャ ン ペ ー ン を 実 施 し た 。 こ う し た キ ャ ン ペ ー ン の 結 果 、2000 年 分 の 送 付 後 の 定 量 調 査 で は 、 自 分 で 年 金 制 度 を よ く 知 っ て い る と 思 っ て い る 人 の 割 合 や 新 制 度 を 信 頼 し て い る と い う 人 の 割 合 が 上 昇 し た が 、 そ の 一 方 で 、 ① 若 年 層 の 関 心 が 低 い 、 ② 新 制 度 の 下 で 、 ど う す れ ば 年 金 が 増 え る の か が 理 解 さ れ て い な い 、 ③ 新 制 度 の 内 容 が 理 解 し づ ら い 、 と い う 問 題 が 残 っ た 。 そ こ で 2001 年 に は 、 ① 通 知 を も っ と 読 ん で 貰 う 、 ② 年 金 制 度 へ の 知 識 レ ベ ル を 上 げ る 、③ 年 金 制 度 へ の 信 頼 を 高 め る 、 ④ ウ ェ ブ や 電 話 に よ る ア ク セ ス を 増 や す 、 こ と が キ ャ ン ペ ー ン の 目 標 と な っ た 。 具 体 的 に は 、 ① 挿 絵 を 使 っ て よ り 興 味 を 引 く 内 容 に す る 、 ② 色 も オ レ ン ジ 色 に 統 一 す る 、 ③ 加 入 者 自 身 で 、 企 業 年 金 や 個 人 年 金 額 を 書 き 加 え て 合 計 額 を 計 算 で き る 書 式 に す る 、 ④ イ ン タ ー ネ ッ ト や 電 話 で の ア ク セ ス を 推 奨 す る 、 な ど の 対 策 を 行 っ た 。 キ ャ ン ペ ー ン の タ イ ト ル も You can get your pension in three ways と し 、老 後 の 収 入 が 、公 的 年 金 、企 業 年 金 、 個 人 年 金 の 3 つ か ら 得 ら れ る こ と を 強 調 し た 。 翌 2002 年 に は 、 オ レ ン ジ 封 筒 は 発 送 さ れ た も の の 、 予 算 の 都 合 で キ ャ ン ペ ー ン は 行 わ れ な か っ た 。 そ の 影 響 で 、 送 付 後 の 定 量 調 査 で は 、 年 金 制 度 の 知 識 や 制 度 へ の 信 頼 が 低 下 し た 。 そ こ で 2003 年 か ら キ ャ ン ペ ー ン を 復 活 し た 。 オ レ ン ジ 封 筒 へ の 関 心 や 老 後 準 備 へ の 意 識 、 年 金 制 度 へ の 信 頼 を 高 め る た め 、 毎 年 の 意 識 調 査 の 結 果 を 参 考 に 、 内 容 を 変 え な が ら キ ャ ン ペ ー ン を 実 施 し て い る 。 図 表 2 2 0 0 1 年 の キ ャ ン ペ ー ン で 使 わ れ た イ ラ ス ト ( 注 )木 は オ レ ン ジ 封 筒 を 意 味 す る 。 す で に と ま っ て い る 中 央 の 公 的 年 金 に 、企 業 年 金 と 個 人 年 金 を 加 え る イ メ ー ジ を 表 現 し て い る 。 ( 資 料 ) v o n Z w e i g b e r g k ( 2 0 0 5 ) .

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図 表 3 2 0 0 3 年 か ら 2 0 0 5 年 の キ ャ ン ペ ー ン の 概 要

実 施 年 2003 年 2004 年 2005 年

タ イ ト ル This year your Orange Envelope contains something

extra valuable

The Average Swede has got 663 391 SEK on his pension

account

The carrot pedagogy

広 告 例 (注 )写 真 中 の 人 物 は 、 郵 便 配 達 員 。 実 施 内 容 ・ 新 聞 、 テ レ ビ で の 広 告 ・ 社 会 保 険 庁 職 員 向 け の 情 報 提 供 ・ 新 聞 、 テ レ ビ で の 広 告 ・ 新 聞 で の 広 告 ・ バ ス や 街 頭 で の ポ ス タ ー 掲 示 ・ 地 域 活 動 ( 資 料 )v o n Z w e i g b e r g k ( 2 0 0 5 ) . 第 3節 通 知 の 内 容 オ レ ン ジ 封 筒 に 入 っ て い る 通 知 ( オ レ ン ジ レ タ ー ) は 、 A 4 サ イ ズ を 3 枚 並 べ た 大 き さ の 用 紙 に 6 ペ ー ジ が 両 面 印 刷 さ れ て お り 、 こ れ を 3 つ 折 り し た 状 態 で 封 筒 に 入 っ て い る ( 1 ペ ー ジ の 大 き さ が お よ そ A 4 サ イ ズ で あ る )。 通 知 の 内 容 は ほ ぼ 毎 年 改 定 さ れ て い る が 、 以 下 で は 筆 者 ら が 和 訳 を 試 み た 2005 年 版 サ ン プ ル ( 参 考 資 料 1 ) を 中 心 に 紹 介 し 、 そ の 前 後 の 版 と の 異 同 に つ い て 適 宜 補 足 す る1 2 1 ペ ー ジ 目 に は 、 概 念 上 の 拠 出 建 て で あ る 所 得 年 金 と 積 立 方 式 の プ レ ミ ア ム 年 金 を 合 計 し た 、 公 的 年 金 の 給 付 見 込 額 が 記 載 さ れ て い る 。 見 込 額 は 、 前 年 末 ま で の 残 高 に 加 え て 前 年 の 収 入 が 引 退 ま で 同 額 で 継 続 す る と い う 前 提 に 基 づ い て 計 算 さ れ た も の で あ り 、 引 退 年 齢 3 パ タ ー ン (61 歳 、 65 歳 、 70 歳 ) と 平 均 所 得 上 昇 率 2 パ タ ー ン 1 2 2002 年 版 の 和 訳 は 臼 杵 (2003)に 所 収 。 図 表 4 オ レ ン ジ 封 筒

(11)

( 0 % 、2 % )を 掛 け 合 わ せ た 、計 6 と お り の 値 が 表 示 さ れ て い る 。 1 ペ ー ジ 目 に は 他 に 、 公 的 年 金 以 外 に 企 業 年 金 や 個 人 年 金 も 受 け 取 る 可 能 性 が あ る こ と や 、 イ ン タ ー ネ ッ ト や 電 話 で の 問 い 合 わ せ 先 が 示 さ れ て い る 。な お 、2002 年 版 で は 制 度 ご と の 残 高 が 記 載 さ れ て い た が 、2004 年 版 以 降 は 削 除 さ れ て い る 。 ま た 、 2006 年 版 以 降 で は 問 い 合 わ せ 先 の 記 載 は 最 終 ペ ー ジ に 移 動 し 、 脚 注 に 平 均 所 得 上 昇 率 の 前 提 と プ レ ミ ア ム 年 金 の 収 益 率 の 前 提 と の 関 係 が 記 載 さ れ て い る 。 2 ペ ー ジ 目 に は 、 所 得 年 金 と プ レ ミ ア ム 年 金 の そ れ ぞ れ の 残 高 に つ い て 、前 年 1 年 間 の 変 動 が 要 素 ご と に ま と め ら れ て い る 。変 動 は 、 前 々 年 末 を 起 点 に 、 拠 出 に 基 づ く 年 金 権 利 額 、 配 当 金1 3、 事 務 費 用 の 控 除 、平 均 賃 金 上 昇 率( 所 得 年 金 )や 運 用 成 果( プ レ ミ ア ム 年 金 ) に よ る 変 化 額 な ど が 記 さ れ て お り 、 最 後 に 前 年 末 の 残 高 が 記 さ れ て い る 。な お 、2003 年 版 ま で は 、こ の 内 容 が 所 得 年 金 と プ レ ミ ア ム 年 金 と で 別 の ペ ー ジ に 記 載 さ れ て い た が1 4、 利 便 性 の 観 点 か ら 1 つ の ペ ー ジ に 統 合 さ れ た 。 ま た 2006 年 版 以 降 に は 、 制 度 当 初 ( 加 入 当 初 ) の 残 高 と そ こ か ら の 変 化 額 が 記 さ れ て い る 。 3 ペ ー ジ 目 は 、 プ レ ミ ア ム 年 金 に お け る フ ァ ン ド 別 の 配 分 率 や 保 有 数 、 残 高 、 購 入 時 か ら の 価 値 変 化 、 解 説 な ど が 記 さ れ て い る 。 下 段 に は 、問 い 合 わ せ 先 で あ る PPM( プ レ ミ ア ム 年 金 の 管 理 を す る 機 関 ) の ホ ー ム ペ ー ジ ・ ア ド レ ス や 電 話 番 号 が 示 さ れ て い る 。2002 年 版 ま で は 購 入 時 か ら の 価 値 変 化 に つ い て 記 載 が な く 、2003 年 版 か ら 記 載 さ れ て い た が 、2006 年 版 か ら 当 該 記 載 が 削 除 さ れ て い る 。ま た 、2006 年 版 以 降 で は 問 い 合 わ せ 先 の 記 載 が 最 終 ペ ー ジ に 移 動 し て い る 。 5 ペ ー ジ 目 が 前 年 に 残 高 へ 拠 出 さ れ た 年 金 権 利 額 の 内 訳 で 、 4 ペ ー ジ 目 に そ の 解 説 お よ び 修 正 申 請 の 方 法 が 記 載 さ れ て い る 。 年 金 権 利 額 は 、賃 金 の ほ か 、育 児 や 修 学 、兵 役 な ど に よ っ て 発 生 す る た め 、 要 素 ご と に 内 訳 が 示 さ れ て い る 。な お 、2006 年 版 以 降 は 4 ペ ー ジ に 該 当 す る ペ ー ジ は 削 除 さ れ 、 5 ペ ー ジ 目 の 脚 注 に 修 正 申 請 の 方 法 が 記 載 さ れ て い る 。 6 ペ ー ジ 目 が 、新 制 度 に お け る 、保 険 料 と 残 高 、年 金 額 の 関 係( 計 算 方 法 ) に つ い て の 解 説 で あ る 。 各 情 報 の 記 載 箇 所 を 図 で 示 し 、 ど の 金 額 が 年 金 見 込 額 に 結 び つ い て い る か を 示 し て い る 。 ま た 、 通 知 と 一 緒 に 、 年 金 制 度 の 仕 組 み や 用 語 に つ い て の パ ン フ 1 3 英 語 版 で は inheritance gains と な っ て お り 、 ス ウ ェ ー デ ン の 制 度 に 設 け ら れ て い る 、 死 亡 し た 同 じ 生 ま れ 年 世 代 の 年 金 残 高 の 分 配 相 当 と 思 わ れ る 。 1 4 2003 年 版 ま で は 、 プ レ ミ ア ム 年 金 の 変 化 が 5 ペ ー ジ 目 、 後 述 の プ レ ミ ア ム 年 金 の 残 高 内 訳 が 6 ペ ー ジ 目 に 記 載 さ れ て い た 。こ れ は 、所 得 年 金 を 管 理 す る 社 会 保 険 庁 と 、プ レ ミ ア ム 年 金 を 管 理 す る 別 の 機 関(PPM)と で 、通 知 の ペ ー ジ を い わ ば 縦 割 り で 使 用 し て い た た め だ と 思 わ れ る 。

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レ ッ ト( 説 明 書 )が 送 ら れ て い る 。こ の パ ン フ レ ッ ト に は 、22 歳 ま で の 人 に は 制 度 の 簡 単 な 説 明 、23 歳 ∼ 46 歳 の 人 に は 新 制 度 の 下 で 年 金 額 が 増 え る 仕 組 み 、47 歳 以 上 の 人 に は 選 択 可 能 な 受 給 形 態 、が 記 載 さ れ て い る 。 第 4節 そ の 他 の 特 徴 オ レ ン ジ 封 筒 は 、 そ の 内 容 だ け で な く 意 匠 に も 特 徴 が あ る 。 ま ず 封 筒 全 体 が オ レ ン ジ 色 で あ る こ と に 加 え 、 通 知 の 重 要 な ペ ー ジ の 右 上 に は 、 西 暦 の 下 2 桁 の 数 字 が オ レ ン ジ 色 か 青 色1 5の 塗 り つ ぶ し や 白 抜 き で 大 き く 載 っ て い る 。 こ れ は 、 色 や 書 体 を 変 え る こ と で 、 電 話 に よ る 問 い 合 わ せ の 際 に も 、 ど の 部 分 に つ い て の 質 問 か が す ぐ わ か り 、 応 答 し や す く す る た め の 工 夫 だ と い う 。 ま た 、 実 際 の 通 知 は 、 加 入 者 個 人 の 子 の 有 無 や 兵 役 経 験 の 有 無 な ど に よ っ て 不 必 要 な 部 分 は 削 除 さ れ て い る 。 こ の た め 、 最 終 的 な 通 知 の パ タ ー ン は 1000 と お り 以 上 に も な る が 、 個 人 に と っ て 該 当 し な い 内 容 が 記 載 さ れ て い な い た め 、 読 み 手 が 通 知 に 関 心 を 持 ち や す い と い う 。ま た 、ス ウ ェ ー デ ン 語 以 外 の 言 語 に も 対 応 す る と と も に 、 平 易 な 言 葉 遣 い を 心 が け て い る と い う 。 第 5節 オ レ ン ジ 封 筒 以 外 の 取 り 組 み オ レ ン ジ 封 筒 や 関 連 す る キ ャ ン ペ ー ン 以 外 で も 、 情 報 提 供 の 充 実 や 年 金 や 老 後 に 対 す る 意 識 付 け を は か る 取 り 組 み が 行 わ れ て い る 。 そ の 1 つ が 、Min Pension ( 英 訳 で は My Pension)と 呼 ば れ る 、 公 的 年 金 と 企 業 年 金 に 関 す る 年 金 見 込 額 な ど の 情 報 を 統 合 し て 情 報 提 供 す る サ ー ビ ス で あ る 。2004 年 12 月 か ら 、ス ウ ェ ー デ ン 政 府( 家 族 省 ) の 提 案 で 保 険 会 社 各 社 が 連 係 し て 開 始 し た 。 開 始 時 点 で 、 ス ウ ェ ー デ ン 保 険 連 盟 の 傘 下 30 社 の う ち 10 社 が 参 加 し 、 21 歳 ∼ 65 歳 で オ レ ン ジ 封 筒 を 受 け 取 っ て い る 550 万 人 の う ち 400 万 人 を カ バ ー し て い る 。 提 供 さ れ る 情 報 は 、 公 的 年 金 に つ い て は オ レ ン ジ 封 筒 の 通 知 と 同 様 で 、 企 業 年 金 に つ い て も 複 数 の 前 提 条 件 で の 年 金 見 込 額 を 知 ら せ て く れ る と い う 。 従 来 も 保 険 会 社 か ら の 通 知 は 存 在 し た が 、 こ の サ ー ビ ス に よ り 、 公 的 年 金 と 企 業 年 金 を 合 わ せ た 総 合 的 な 老 後 設 計 を 容 易 に 行 う こ と が で き る 。 ま た 、 こ の サ ー ビ ス は オ レ ン ジ 封 筒 で も 紹 介 さ れ て い る 。 1 5 青 色 は プ レ ミ ア ム 年 金 の シ ン ボ ル カ ラ ー で あ る 。

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第 1節 オ レ ン ジ 封 筒 と キ ャ ン ペ ー ン の 効 果 以 下 で は 、 オ レ ン ジ 封 筒 と キ ャ ン ペ ー ン の 効 果 を 、 前 述 し た 定 量 調 査 の 結 果 (2005 年 ま で ) を 使 っ て 確 認 す る 。 公 的 年 金 に 関 す る 知 識 に 対 す る 自 己 認 識 は 、「 非 常 に よ く 知 っ て い る 」お よ び「 よ く 知 っ て い る 」の 割 合 が 、情 報 提 供 開 始 前 は 20% 弱 だ っ た も の が 、 通 知 開 始 直 後 の 1999 年 か ら 30% 台 半 ば で 推 移 し て い る 。 ま た 、「 ま っ た く 知 ら な い 」 の 割 合 は 、 開 始 前 は 約 30% だ っ た が 、 通 知 開 始 直 後 に 20% 弱 に 低 下 し 、 最 近 で は 10% 強 ま で 低 下 し て い る 。 こ の 結 果 か ら 、 オ レ ン ジ 封 筒 は 国 民 の 年 金 に 関 す る 知 識 や 関 心 を 高 め る の に 効 果 が あ り 、 継 続 的 な 実 施 や 改 良 に よ っ て 効 果 を 維 持 、 向 上 し て い る と い え よ う 。 図 表 5 公 的 年 金 に 関 す る 知 識 に 対 す る 自 己 認 識 非常によく知 っている よく知ってい る 知識が乏し い まったく知ら ない ( 資 料 )v o n Z w e i g b e r g k ( 2 0 0 5 ) . 受 け 取 っ た 通 知 に 対 す る 注 目 度 を み る と 、 全 体 の 9 割 前 後 の 人 が 「 オ レ ン ジ 封 筒 を 受 け 取 っ た 」こ と を 認 識 し 、全 体 の 7 割 程 度 が「 封 筒 を 開 い て み た 」と し て い る 。通 知 に つ い て は 、「 す べ て 読 ん だ 」と 「 ほ と ん ど 読 ん だ 」が 全 体 の 約 1 割 ず つ で 、「 数 カ 所 読 ん だ 」が 約 3 割 、「 ち ら っ と み た 」 が 約 2 割 と な っ て い る 。 時 系 列 で み る と 、「 受 け 取 っ た 」 や 「 開 け て み た 」 の 割 合 は 2003 年 に か け て 落 ち 込 ん だ 後 、 再 び 上 昇 に 転 じ て お り 、 近 年 の キ ャ ン ペ ー ン が 功 を 奏 し た と み

第4章

情 報 提 供 の 効 果 と 課 題

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ら れ る 。通 知 に つ い て は 、「 す べ て 読 ん だ 」や「 ほ と ん ど 読 ん だ 」は 横 ば い か 減 少 傾 向 に あ る が 、「 数 カ 所 読 ん だ 」が 増 加 傾 向 に あ る 。こ れ は 、 オ レ ン ジ 封 筒 が 定 着 し 、 読 む べ き ポ イ ン ト を 人 び と が 理 解 し 始 め て い る こ と に よ る と 推 察 さ れ る 。 図 表 6 受 け 取 っ た 通 知 に 対 す る 注 目 度 受け取った 開けて見た すべて読んだ ほとんど読んだ 数カ所読んだ ちらっと見ただけ ( 資 料 )v o n Z w e i g b e r g k ( 2 0 0 5 ) . 第 2節 オ レ ン ジ 封 筒 の 課 題 と 展 望 一 方 で 、 オ レ ン ジ 封 筒 の 課 題 も 指 摘 さ れ て い る 。 第 1 に 、 通 知 の 各 項 目 の 相 対 的 な 重 要 さ に つ い て の 誤 解 が 生 じ て い る と の 指 摘 が あ る 。 例 え ば 本 来 は 老 後 に と っ て よ り 重 要 な 所 得 年 金 を 、 プ レ ミ ア ム 年 金 よ り も 重 要 度 が 低 い と 誤 解 し て い る 人 が 多 数 あ っ た 。Sundén(2003, pp.15-16)に よ れ ば 、2003 年 に は 、プ レ ミ ア ム 年 金 の 残 高 を み た 人 が 74% で あ っ た の に 対 し て 、所 得 年 金 の 残 高 を み た 人 が 56% で あ っ た と い う 。ま た 、人 び と に 年 金 額 を 計 算 す る 際 に 使 う 、 難 し い 用 語 の 知 識 を 問 う と 、 プ レ ミ ア ム 年 金 に つ い て 、 所 得 年 金 よ り も よ く 知 っ て い た と い う 。 第 2 に 、 シ ャ ー マ ン(2006、 39 頁 )は 、 (1)公 的 年 金 の 意 義 に 関 す る 情 報 提 供 が 不 十 分 な た め 、 若 者 に 公 的 年 金 の 価 値 が 伝 わ ら ず に 信 頼 感 が 低 下 し て い る こ と 、(2)初 歩 的 な 技 術 的 情 報 の 提 供 が 不 十 分 な た め 、 通 知 の 内 容 を 無 批 判 に 信 じ る 傾 向 が あ る こ と 、 を 指 摘 し て い る 。 第 3 に 、 筆 者 独 自 の も の と し て 、 年 金 財 政 に 関 す る 情 報 提 供 が 通 知 に 含 ま れ て い な い 点 を 指 摘 し た い 。 冒 頭 で 述 べ た よ う に 、 年 金 制

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度 に 対 す る 信 頼 は 、 年 金 財 政 の 持 続 可 能 性 と 結 び つ き が 深 い 。 加 え て ス ウ ェ ー デ ン の 新 制 度 で は 、 年 金 の 財 政 バ ラ ン ス が 悪 化 し た 場 合 に 年 金 額 の ス ラ イ ド が 自 動 的 に 抑 制 さ れ る 仕 組 み に な っ て い る 。 そ の た め 、 年 金 財 政 に 関 す る 情 報 は 個 人 に と っ て も 重 要 で あ る 。 こ れ ら の 課 題 へ の 対 応 策 を 検 討 す る の に 参 考 に な る の が 、 米 国 の 社 会 保 障 通 知 ( Social Security Statement)で あ る 。25 歳 以 上 の 被 保 険 者 に 送 付 さ れ て お り 、 1 ペ ー ジ 目 に は 社 会 保 障 制 度 の 意 義 と 年 金 財 政 の 状 況1 6が 、 2 ペ ー ジ 目 に は 予 想 受 給 額 と そ の 算 出 方 法 が 、 3 ペ ー ジ 目 に は 保 険 料 の 算 定 基 礎 と な る 所 得 の 履 歴 約 20 年 分 が 、 4 ペ ー ジ 目 に は 社 会 保 障 制 度 の 各 給 付 内 容 な ど が 記 載 さ れ て い る1 7。 文 章 に よ る 説 明 と 図 表 に よ る 説 明 の ど ち ら を 好 む か は 国 民 性 に よ る と こ ろ も あ る だ ろ う が1 8、 通 知 の 冒 頭 に 制 度 の 意 義 や 財 政 状 況 を 記 載 し て い る 点 が ス ウ ェ ー デ ン と の 大 き な 違 い で あ る 。 第 1節 年 金 情 報 に 関 す る 日 本 の 問 題 ス ウ ェ ー デ ン 同 様 、 日 本 で も 年 金 制 度 へ の 信 頼 や 知 識 の 低 さ が 問 題 と さ れ て い る 。 内 閣 府 『 公 的 年 金 制 度 に 関 す る 世 論 調 査 』 に よ れ ば 、 公 的 年 金 制 度 に 対 す る 関 心 は 高 く 、 国 民 の 約 4 分 の 3 が 関 心 を 持 っ て い る が 、 1 6 年 金 財 政 に 関 し て は 、2040 年 頃 ま で に 積 立 金 が 枯 渇 す る 見 込 み で あ る た め 、 制 度 の 維 持 に 向 け た 問 題 解 決 が 必 要 だ と 書 い て い る 。 1 7 55 歳 以 上 の 人 に は 2 ペ ー ジ 追 加 さ れ 、 生 年 別 の 標 準 支 給 開 始 年 齢 、 繰 り 上 げ/繰 り 下 げ 受 給 し た 場 合 の 影 響 、 繰 り 上 げ 受 給 し な が ら 標 準 支 給 開 始 年 齢 以 前 に 働 い て い た 場 合 に 減 額 さ れ る 仕 組 み な ど の 説 明 が 載 っ て い る 。 1 8 米 国 の 通 知 で は 、文 章 で 説 明 が 記 載 さ れ て い る が 、文 面 は 毎 年 ほ ぼ 同 一 で あ り 、 実 質 的 に は 数 字 の み が 入 れ 替 わ っ て い る の に 近 い 。 図 表 7 米 国 の 社 会 保 障 通 知 ( 注 )2 0 0 5 年 版 の 1 ペ ー ジ 目 。 ( 資 料 ) 臼 杵 ( 2 0 0 4 ) .

第5章

日 本 へ の 示 唆

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そ の 一 方 で 公 的 年 金 に 関 す る 国 民 の 知 識 は 不 足 し て い る 。 図 表 8 に よ れ ば 、 加 入 義 務 や 納 付 義 務 と い う 負 担 関 連 の 周 知 度 が 非 常 に 高 く な っ て い る 一 方 、 給 付 の 実 質 価 値 が 維 持 さ れ る こ と や 障 害 年 金 ・ 遺 族 年 金 の 存 在 、 死 亡 す る ま で 給 付 を 受 け ら れ る ( 終 身 年 金 ) な ど 給 付 関 連 、 す な わ ち 国 民 に と っ て の メ リ ッ ト の 周 知 度 は 低 く な っ て い る 。 こ の よ う な 関 心 と 知 識 の ギ ャ ッ プ や 知 識 の 偏 り が 、 公 的 年 金 に 対 す る 不 信 や 不 満 の 原 因 と な っ て い る 可 能 性 が あ る 。 図 表 8 公 的 年 金 制 度 に 関 す る 周 知 度 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 1993年 1998年 2003年 20歳になれば、学生を含めた国民の誰もが、加入す る義務がある 保険料を支払った期間に応じて年金が受けられる 現役で働いている世代が、年金を受け取っている高 齢者を扶養するという制度である 死ぬまで、生涯にわたり年金が受けられる 障害者になったり世帯の生計を支えている者が死 亡した場合にも保障が受けられる 物価や賃金の上昇に応じた年金額が保障される ( 資 料 ) 内 閣 府 『 公 的 年 金 制 度 に 関 す る 世 論 調 査 』 こ の よ う な 国 民 の 知 識 不 足 や 偏 り は 、 政 府 か ら 国 民 に 向 け た 情 報 提 供 の 不 足 や 偏 り に 一 因 が あ る 可 能 性 が あ る 。 例 え ば 、 内 閣 府 の 調 査 に よ れ ば 、 年 金 制 度 の 情 報 源 と し て 、 テ レ ビ な ど の マ ス メ デ ィ ア の 利 用 が 多 く な っ て い る( 図 表 9 )。ま た 、年 金 週 間1 9を 中 心 と し た 政 府 に よ る 年 金 に 関 す る 広 告 は 、 保 険 料 の 納 付 勧 奨 が 中 心 と な っ て い た ( 図 表 10)。 1 9 1991 年 度 か ら 、11 月 6 日 ∼ 12 日 を「 年 金 週 間 」と し て 社 会 保 険 庁 が 広 報 活 動 を 展 開 し て き た 。2006 年 度 か ら は 11 月 を「 ね ん き ん 月 間 」と し て キ ャ ン ペ ー ン を 実 施 し て い る 。

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図 表 9 公 的 年 金 制 度 の 情 報 源 1993年 2003年 テレビ・ラジオ 30.4% 53.7% 新聞・雑誌 30.3% 42.4% 都道府県・市町村の広報 29.5% 社会保険事務所の広報 国の広報 8.6% 職場の福利厚生情報 32.2% 18.5% 友人・知人 16.7% 12.3% 専門書 1.2% 1.2% その他 3.3% 1.5% わからない 6.5% 4.7% 41.2% 22.8% ( 注 ) 複 数 回 答 。 ( 資 料 ) 内 閣 府 『 公 的 年 金 制 度 に 関 す る 世 論 調 査 』 制 度 に 対 す る 信 頼 を 回 復 す る た め に は 、 国 民 の 情 報 ニ ー ズ に 応 え る 必 要 が あ る 。 図 表 11 に よ る と 、 国 民 は 公 的 年 金 に 関 し て 受 給 見 込 み 年 金 額 や 財 政 見 通 し に つ い て 強 い 関 心 を 持 っ て お り 、 こ れ ら に 関 す る 情 報 提 供 が こ れ ま で 不 十 分 だ っ た と い よ う 。 図 表 1 1 公 的 年 金 制 度 に 関 し て 知 り た い こ と 第1号 被保険者 第2号 被保険者 第3号 被保険者 第1号 未加入者 自分がもらえる年金額の見込み 68.8% 81.1% 83.6% 83.6% 公的年金財政の見通しと将来の見通し 45.1% 46.1% 45.1% 45.1% 年金の手続き 13.2% 16.4% 18.1% 18.1% 年金をもらう権利を得るための条件 13.5% 11.9% 12.8% 12.8% 公的年金の制度の仕組み 10.8% 10.2% 9.3% 9.3% 年金の保険料について 9.4% 8.5% 8.1% 8.1% 自分の被保険者記録 6.8% 6.4% 10.1% 10.1% 公的年金と民間の個人年金の違い 6.0% 5.0% 5.0% 5.0% その他 8.5% 4.7% 3.1% 3.1% 年金相談の場所 3.5% 3.1% 3.4% 3.4% ( 注 ) 3 つ ま で の 複 数 回 答 。 ( 資 料 ) 社 会 保 険 庁 『 平 成 1 6 年 公 的 年 金 加 入 状 況 等 調 査 結 果 の 概 要 』 第 2節 政 府 の 対 応 こ の よ う な 状 況 を 受 け 、厚 生 労 働 省 は 2002 年 12 月 に 発 表 し た「 年 金 改 革 の 骨 格 に 関 す る 方 向 性 と 論 点 」で 、2004 年 改 革 の 基 本 的 視 点 と し て「 若 い 世 代 を 中 心 と し た 現 役 世 代 の 年 金 制 度 に 関 す る 不 安 感 、 不 信 感 を 解 消 す る こ と 」 や 「 現 役 世 代 が 将 来 の 自 ら の 給 付 を 実 感 で き る わ か り や す い 制 度 と す る こ と 」 を あ げ 、 ポ イ ン ト 制 に よ る 年 金 個 人 情 報 の 通 知 を 打 ち 出 し た 。 そ の 後 、 社 会 保 険 庁 問 題 へ の 対 策 と も あ わ せ て 、国 民 に 向 け た 情 報 提 供 が 進 め ら れ て い っ た( 図 表 12)。 2003 年 度 に は 、 58 歳 到 達 者 に 送 付 さ れ る 「 年 金 加 入 記 録 の お 知 図 表 1 0 2 0 0 2 年 年 金 週 間 の ポ ス タ ー 案 ( 資 料 ) 社 会 保 障 審 議 会 年 金 部 会 資 料 ( 2 0 0 4 年 1 0 月 2 9 日 ) .

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ら せ 」が 開 始 さ れ た 。2005 年 度 か ら は 、「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」 で 加 入 記 録 が 整 備 さ れ た こ と を 受 け て 、 印 字 済 み の 「 裁 定 請 求 書 」 も し く は 「 裁 定 請 求 の 案 内 」 の 事 前 送 付 が 開 始 さ れ た 。 ま た 、 全 年 齢 を 対 象 に イ ン タ ー ネ ッ ト 経 由 で の 「 年 金 個 人 情 報 提 供 サ ー ビ ス 」 も 開 始 さ れ 、 I D と パ ス ワ ー ド を 使 っ て ロ グ イ ン す る こ と で 、 即 時 に 個 人 の 加 入 履 歴 を 確 認 で き る よ う に な っ た 。 図 表 1 2 日 本 に お け る 年 金 情 報 提 供 施 策 通 知 ( 政 府 → 加 入 者 ) 照 会 ( 加 入 者 → 政 府 ) 2 0 0 2 年 度 以 前 ・ 加 入 記 録 ( 全 年 齢 ) ・ 年 金 見 込 額 ( 5 8 歳 以 上 ) 2 0 0 2 年 度 ・ ホ ー ム ペ ー ジ で 年 金 額 の 簡 易 試 算 ( 全 年 齢 ) 2 0 0 3 年 度 ・ 「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」 送 付 開 始 ( 希 望 者 に は 「 年 金 見 込 額 の お 知 ら せ 」 を 送 付 ・ 5 8 歳 到 達 者 ) ・ 年 金 見 込 額 の 照 会 対 象 を 5 5 歳 以 上 に 拡 大 し 、 電 話 や イ ン タ ー ネ ッ ト に よ る 受 付 も 開 始 ・ 年 金 電 話 相 談 セ ン タ ー を 設 置 2 0 0 4 年 度 ・ 「 国 民 年 金 保 険 料 の 納 付 額 の お 知 ら せ 」 送 付 開 始 ( 前 年 の 納 付 者 ) ・ 年 金 見 込 額 試 算 と 年 金 加 入 記 録 を 電 子 公 文 書 で 受 取 可 能 に 2 0 0 5 年 度 ・ 印 字 済 み 「 裁 定 請 求 書 」 や 「 裁 定 請 求 の 案 内 」 の 事 前 送 付 ( 6 0 歳 到 達 3 カ 月 前 ) ・ 「 社 会 保 険 料( 国 民 年 金 保 険 料 ) 控 除 証 明 書 ・ 年 金 加 入 状 況 の お 知 ら せ 」 の 送 付 開 始 ・ 携 帯 電 話 版 の「 年 金 額 簡 易 試 算 」 ( 全 年 齢 ) ・ 年 金 見 込 額 の 照 会 対 象 を 5 0 歳 以 上 に 拡 大 ・ イ ン タ ー ネ ッ ト に よ る 「 年 金 個 人 情 報 提 供 サ ー ビ ス 」 を 開 始 2 0 0 6 年 度 ・ 「 ね ん き ん 定 期 便 」 の 先 行 実 施 ( 3 5 歳 到 達 者 ) ( 資 料 ) 社 会 保 険 庁 ホ ー ム ペ ー ジ . オ レ ン ジ 封 筒 に 相 当 す る 全 加 入 者 に 向 け た 通 知 は 、「 ね ん き ん 定 期 便 」 と し て 開 始 さ れ た 。 ま ず 、35 歳 到 達 者 向 け の 通 知 が 2007 年 3 月 か ら 先 行 実 施 さ れ2 0、 同 年 12 月 か ら 45 歳 到 達 者 と 55∼ 59 歳 到 達 者 向 け が 開 始 さ れ 、2008 年 4 月 か ら 全 加 入 者 に 本 格 実 施 さ れ る 予 定 で あ っ た 。し か し 、年 金 記 録 問 題 へ の 対 応 の た め 2008 年 10 月 ま で を 目 処 に 全 加 入 者 と 全 受 給 者 に 加 入 履 歴 を 通 知 す る 「 ね ん き ん 特 別 便 」が 優 先 し て 実 施 さ れ る こ と と な っ た 。「 ね ん き ん 定 期 便 」の 本 格 実 施 は 2009 年 4 月 に 延 期 さ れ る こ と に な っ た が 、 従 来 予 定 さ れ て い た 内 容 ( 加 入 期 間 な ど ) に 加 え て 、 標 準 報 酬 や 国 民 年 金 の 保 険 料 納 付 情 報 も 提 供 さ れ る こ と と な っ た 。 2 0 35 歳 到 達 者 向 け が 優 先 さ れ た の は 、 仮 に 35 歳 ま で 公 的 年 金 に 未 加 入 で も 、 35 歳 か ら 加 入 し て 継 続 し て 保 険 料 を 納 付 す れ ば 、 25 年 間 と い う 公 的 年 金 の 受 給 要 件 を 満 た す こ と が で き る た め で あ る 。

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第 3節 具 体 的 な 内 容 1 「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」 お よ び 「 年 金 見 込 額 の お 知 ら せ 」 2004 年 3 月 に 開 始 さ れ た 「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」( 参 考 資 料 2 ) に は 、 こ れ ま で の 加 入 記 録 が 勤 務 先 ご と の 加 入 月 数 の 形 で 示 さ れ て い る 。 こ の 通 知 は 加 入 記 録 ( 月 数 ) に 漏 れ が な い か を チ ェ ッ ク す る た め の も の で あ り 、 下 段 に は こ れ ま で の 加 入 月 数 の 合 計 が 制 度 ご と に 印 字 さ れ て い る 。 加 入 者 は 、 同 封 さ れ た ハ ガ キ で 確 認 し た 結 果 を 返 信 し 、 仮 に 漏 れ が あ る 場 合 は 、 社 会 保 険 庁 で の 確 認 を 経 て 、 再 度 「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」 が 送 付 さ れ る 。 こ の や り と り で 確 認 さ れ た 内 容 が 、 次 に 述 べ る 「 年 金 見 込 額 の お 知 ら せ 」 や 、 裁 定 手 続 き の 際 に 送 付 さ れ る 印 字 済 み「 裁 定 請 求 書 」の 内 容 に 反 映 さ れ る 。 「 年 金 見 込 額 の お 知 ら せ 」 に は 解 説 資 料 が 同 封 さ れ て お り 、 お 知 ら せ の 各 欄 の 見 方 や お 知 ら せ に 関 す る Q & A が 載 っ て い る が 、 年 金 制 度 自 体 の 解 説 な ど は 載 っ て い な い 。 「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」 の 内 容 に 問 題 が な か っ た 、 あ る い は や り と り の 結 果 、問 題 が な く な っ た 加 入 者 は 、「 年 金 見 込 額 の お 知 ら せ 」の 送 付 を 希 望 す る こ と が で き る 。「 年 金 見 込 額 の お 知 ら せ 」に は 、 本 人 の 老 齢 年 金 見 込 額2 1が 、 基 礎 年 金 や 厚 生 年 金 の 内 訳 ( 部 分 年 金 ( 特 別 支 給 の 老 齢 厚 生 年 金 ) や 報 酬 比 例 部 分 ) ご と に 記 載 さ れ る 。 現 在 の 受 給 者 は 65 歳 以 前 に 部 分 年 金 が 開 始 さ れ 、 65 歳 ま で の 間 に 1 ∼ 2 回 受 け 取 る 年 金 額 の 内 訳 が 変 わ る た め 、 そ の 変 わ る 年 齢 も あ わ せ て 記 さ れ て い る 。 2 「 ね ん き ん 定 期 便 」 ( 35歳 向 け 先 行 実 施 版 ) 2007 年 3 月 に 開 始 さ れ た 「 ね ん き ん 定 期 便 」(35 歳 向 け 先 行 実 施 版 、 参 考 資 料 3 ) は 、 基 本 的 に 58 歳 向 け 「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」 を 踏 襲 し た 内 容 に な っ て お り 、 加 入 期 間 の 確 認 が で き る 。 た だ し 、「 年 金 加 入 記 録 の お 知 ら せ 」 と 違 っ て 、 備 考 欄 に 加 入 2 1 こ の 年 金 額 は 、 (1)本 人 分 の み で 、 配 偶 者 に 関 す る 加 入 年 金 等 は 含 ま れ な い 点 、(2)物 価 ス ラ イ ド や マ ク ロ 経 済 ス ラ イ ド が 反 映 さ れ て い な い 点 、 に は 注 意 が 必 要 で あ る 。 図 表 1 3 ね ん き ん 定 期 便 ( 3 5 歳 向 け 先 行 版 ) の 封 筒

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履 歴 に 応 じ た 6 種 類 の メ ッ セ ー ジ が 印 字 さ れ る2 2。 ま た 、 こ の 通 知 に は 58 歳 到 達 者 向 け と 同 様 に 解 説 資 料 が 同 封 さ れ て い る が 、 通 知 の 見 方 の 裏 面 に は 年 金 制 度 に つ い て の 解 説 が 記 載 さ れ て い る 。 制 度 の 解 説 で は 、(1)受 給 要 件 、 (2)障 害 年 金 や 遺 族 年 金 の 紹 介 、 (3)終 身 保 障 で あ る 点 、(4)35 歳 到 達 者 に 送 付 す る 意 味 、 な ど が 記 載 さ れ て い る 点 が 目 新 し い 。 3 「 ね ん き ん 定 期 便 」 ( 2007年 2月 時 点 の 案 ) 前 述 の と お り 、 年 金 記 録 問 題 を 受 け て 「 ね ん き ん 定 期 便 」 の 項 目 が 追 加 さ れ る こ と に な っ た た め 、 最 終 的 な 様 式 は ま だ 明 ら か に な っ て い な い 。こ こ で は 、2007 年 2 月 の 社 会 保 険 事 業 運 営 評 議 会 で 配 布 さ れ た 案 ( 参 考 資 料 4 ) を 確 認 す る 。 1 ペ ー ジ 目 に は 、 こ れ ま で の 加 入 実 績 に 応 じ た 年 金 見 込 額 と 保 険 料 納 付 額 の 目 安 が 記 載 さ れ る 。 本 来 、 社 会 保 険 庁 は 、 記 録 管 理 の 効 率 化 の た め 個 人 ご と の 保 険 料 納 付 額 を 記 録 し て い な い 。 し か し 、 納 付 当 時 の 保 険 料 額 ( 国 民 年 金 ) や 標 準 報 酬 お よ び 保 険 料 率 ( 厚 生 年 金 )を 使 っ て 、目 安 と な る 金 額 を 計 算 す る 予 定 に な っ て い る 。ま た 、 年 金 見 込 額 は 、58 歳 到 達 者 向 け の お 知 ら せ と 異 な り 、将 来 の 加 入 期 間 に つ い て 仮 定 を お か ず 、こ れ ま で の 加 入 実 績 か ら 計 算 さ れ て い る 。 2 ペ ー ジ 目 に は 、 各 制 度 の 適 用 状 況 ご と の 加 入 月 数 の 合 計 と 保 険 料 納 付 額 が 記 載 さ れ て い る 。 3 ペ ー ジ 目 に は 、 1 ペ ー ジ 目 の 年 金 見 込 額 の 制 度 別 の 内 訳 と 計 算 根 拠 が 、 給 付 算 定 式 に 沿 っ て 示 さ れ て い る 。 4 ペ ー ジ 目 は 年 齢 に よ っ て 内 容 が 異 な る 。50 歳 未 満 に は 、今 後 の 加 入 状 況 の 見 込 み を 加 入 者 自 ら が 記 入 し て 計 算 す る た め の 試 算 シ ー ト と な っ て い る 。 厚 生 年 金 に つ い て は 、 試 算 を し な く て も 概 算 が 理 解 で き る よ う 早 見 表 も つ い て い る 。50 歳 以 上 に は 、通 知 作 成 時 点 の 加 入 状 況 を 60 歳 ま で 延 長 し た 場 合 の 年 金 見 込 額 が 印 字 さ れ て い る 。 こ の 見 込 額 は 、58 歳 到 達 者 向 け の お 知 ら せ と 同 様 に 、部 分 年 金 に よ る 変 化 に つ い て も 記 載 さ れ る 。 ま た 、35 歳 、45 歳 お よ び 58 歳 の 特 定 年 齢 に は 、こ れ ら に 加 え て 加 入 履 歴 も 送 付 さ れ る 。こ の 案 の 段 階 で は 、58 歳 到 達 者 向 け の お 知 ら せ と 同 様 の 書 式 で あ る が 、 年 金 記 録 問 題 を 受 け た 案 で は 、 前 述 の よ う に 国 民 年 金 保 険 料 の 納 付 状 況 や 標 準 報 酬 の 履 歴 も 記 載 さ れ る 見 2 2 メ ッ セ ー ジ は 、「 年 金 加 入 記 録 に 重 複 し た 期 間 が あ り ま す 。」「 年 金 加 入 記 録 に 空 き 期 間 が あ り ま す 。」「 今 後 と も 、継 続 し た 保 険 料 の 納 付 を よ ろ し く お 願 い し ま す 。」 な ど で あ る 。 同 封 の 解 説 資 料 で は 、 メ ッ セ ー ジ ご と に 、 加 入 者 が と る べ き 行 動 (「 社 会 保 険 事 務 所 へ ご 連 絡 下 さ い 」 な ど ) が 記 載 さ れ て い る 。

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込 み で あ る 。 ま た 、 特 定 年 齢 以 外 の 場 合 、 直 近 1 年 間 の 国 民 年 金 保 険 料 の 納 付 状 況 や 標 準 報 酬 の 履 歴 が 記 載 さ れ る 見 込 み で あ る 。 4 政 府 広 報 上 記 の 各 種 通 知 と 並 行 し て 、政 府 に よ る 広 報 も 変 化 し て き て い る 。 例 え ば 2006 年 年 金 月 間 の ポ ス タ ー( 図 表 14 左 )で は 、保 険 料 の 納 付 勧 奨 に 関 す る 記 載 を 抑 え 、 国 庫 負 担 や 遺 族 年 金 、 障 害 年 金 の 存 在 を 紹 介 す る 内 容 を 盛 り 込 ん で い る 。 ま た 、2005 年 度 の 新 聞 広 告 ( 図 表 14 右 ) で は 、 受 給 要 件 や 国 庫 負 担 な ど の 制 度 全 体 の 仕 組 み 、 国 民 年 金 保 険 料 の 納 付 証 明 書 類 の 送 付 、 夜 間 の 年 金 相 談 な ど の 案 内 を 掲 載 し て い る 。 さ ら に 、 社 会 保 険 事 業 運 営 評 議 会 の 資 料 に よ れ ば 、広 告 に 対 す る 反 応 も 調 査 し て お り 、 効 果 的 な 媒 体 の 選 定 や 、 調 査 結 果 で 理 解 不 足 だ っ た 点 を 次 の 広 告 内 容 に 盛 り 込 む な ど の 工 夫 が 行 わ れ て い る 。 図 表 1 4 近 年 の 年 金 に 関 す る ポ ス タ ー や 広 告 ( 資 料 ) 社 会 保 険 事 業 運 営 評 議 会 資 料 ( 左 : 2 0 0 6 年 11 月 9 日 、 右 : 2 0 0 6 年 3 月 8 日 ) 第 4節 評 価 と 展 望 以 下 で は 、案 の 段 階 で は あ る が 、本 格 的 な 個 人 向 け 通 知 で あ る「 ね ん き ん 定 期 便 」(2007 年 2 月 時 点 の 案 ) を 中 心 に 、 日 本 で の 取 り 組 み を ス ウ ェ ー デ ン と の 比 較 を 交 え て 評 価 す る 。 1 過 去 の 取 り 組 み か ら み た 評 価

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「 ね ん き ん 定 期 便 」(2007 年 2 月 時 点 の 案 ) は 、 こ れ ま で 実 施 さ れ て き た 情 報 提 供 ( 図 表 12) や 、 2004 年 改 革 の 際 に 提 案 さ れ た ポ イ ン ト 制 の 案 と 比 較 し て 、 大 幅 な 情 報 の 充 実 が は か ら れ た 画 期 的 な も の と な っ て い る 。 そ の 1 つ が 、 年 金 見 込 額 と 保 険 料 納 付 額 の 併 記 で あ る 。 前 述 の と お り 、 社 会 保 険 庁 が 管 理 し て い る 記 録 に は 保 険 料 納 付 額 が な い た め 、 保 険 料 納 付 額 の 通 知 は 技 術 的 に 不 可 能 と さ れ て き た 。 ま た 、「 公 的 年 金 は 拠 出 と 給 付 の 損 得 で 評 価 す べ き で は な い 」 と い う 信 義 的 な 側 面 か ら の 意 見 も あ っ た 。今 回 の「 ね ん き ん 定 期 便 」 の 案 で は 、 こ れ ら 2 つ の 障 害 を 越 え て 保 険 料 納 付 額 を 示 し 、 年 金 見 込 額 と 併 記 し た の は 大 き な 転 換 と 評 価 で き る 。 た だ 、 併 記 し た も の の 、両 者 の 比 較 に つ い て 解 説 が な い 点 は 改 善 の 必 要 が あ ろ う 。実 際 、 公 的 年 金 の 給 付 に は 老 齢 年 金 以 外 に 遺 族 年 金 や 障 害 年 金 が あ る た め 、 拠 出 と 給 付 の バ ラ ン ス を 老 齢 年 金 だ け で み る の は ア ン バ ラ ン ス で あ る 。 添 付 文 書 に 解 説 を 載 せ る に し て も 、 通 知 本 体 に も 簡 単 な 言 及 が あ っ て も よ い の で は な か ろ う か 。 変 化 の 2 点 目 は 、 加 入 に つ れ て 年 金 の 受 け 取 り 可 能 額 が 増 え る 仕 組 み を 、 抽 象 的 な ポ イ ン ト で は な く 、 具 体 的 な 年 金 額 で 示 し た 点 で あ る 。2004 年 改 革 の 時 点 で は 、加 入 に つ れ て 年 金 の 受 け 取 り 可 能 額 が 増 え る 仕 組 み を 、 ポ イ ン ト を 使 っ て 示 す 計 画 に な っ て い た 。 こ れ は 、 年 金 額 に は マ イ ナ ス の ス ラ イ ド も 存 在 す る た め 、 金 額 の 減 少 が 発 生 し た 場 合 に 国 民 の 不 安 を 招 き か ね な い 、 と い う 懸 念 を 配 慮 し た も の だ っ た と 推 察 さ れ る 。 し か し 、 ポ イ ン ト で 示 す と 年 金 額 と の 関 係 が よ り 複 雑 に な り 、か え っ て 制 度 へ の 不 信 や 不 満 を 招 き か ね な い 。 ポ イ ン ト で の 表 示 を や め 、 金 額 に よ る 表 示 を 採 用 し た こ と は 、 制 度 の 信 頼 向 上 な ど に 貢 献 す る と 思 わ れ る 。 3 点 目 は 、 わ か り に く い と い わ れ る 年 金 額 の 計 算 式 に つ い て 、 本 人 の 加 入 履 歴 に あ わ せ て 計 算 式 を 載 せ て い る 点 で あ る 。 確 か に 、 計 算 式 が 示 さ れ て も そ れ を 難 解 だ と と ら え る 人 も い る だ ろ う し 、 逆 に 計 算 に 用 い る 平 均 標 準 報 酬 額 の 計 算 根 拠 が 明 ら か で な い と い う 批 判 も あ る だ ろ う 。 し か し 、 計 算 式 を 明 ら か に し て 、 さ ら に 50 歳 未 満 向 け に 計 算 シ ー ト を 用 意 し た こ と で 、 年 金 制 度 へ の 理 解 が 実 感 を 込 め て 深 ま る こ と が 期 待 さ れ る 。 2 ス ウ ェ ー デ ン と の 比 較 ス ウ ェ ー デ ン と の 比 較 で み れ ば 、 次 の 点 が 指 摘 で き る 。 ス ウ ェ ー デ ン を 越 え た 特 長 と し て は 、年 金 額 の 計 算 方 法 に つ い て 、 個 人 の 実 績 を 埋 め 込 ん だ 計 算 式 を 示 す と と も に 計 算 シ ー ト を 用 意 し て い る 点 で あ る 。 複 雑 、 繁 雑 と い う 面 も あ ろ う が 、 活 用 さ れ れ ば 年 金 制 度 へ の 理 解 が 深 ま る と 思 わ れ る 。 ま た 、 一 定 期 間 も し く は 特 定

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年 齢 に 限 ら れ る が 加 入 履 歴 が 示 さ れ る 点 も 、 ス ウ ェ ー デ ン に は な い 特 長 と い よ う 。 ま た 、 ス ウ ェ ー デ ン と の 相 違 と し て 、 年 金 見 込 額 の 計 算 方 法 が あ げ ら れ る 。 ス ウ ェ ー デ ン で は 、 加 入 実 績 に 基 づ い た 残 高 に 加 え 、 引 退 年 齢 ま で 前 年 と 同 額 の 収 入 が あ る と の 仮 定 を お い て 計 算 し て い る 。 ま た 、 複 数 の 引 退 年 齢 や 賃 金 上 昇 率 の 仮 定 を お い て 、 6 と お り の 年 金 見 込 額 を 示 し て い る 。 こ れ に 対 し て 日 本 で は 、 そ れ ま で の 加 入 実 績 に の み 基 づ い た 年 金 見 込 額 を 1 ペ ー ジ 目 で 示 し て い る 。 4 ペ ー ジ 目 で は 今 後 の 加 入 も 見 込 ん だ 年 金 額 を 提 示 し て い る が 、 自 動 的 に 計 算 さ れ る 50 歳 に つ い て は 1 と お り だ け 示 さ れ 、 50 歳 未 満 に は 計 算 シ ー ト や 早 見 表 で 複 数 の 見 込 額 を 計 算 可 能 な よ う に 示 し て い る 。 こ の 点 に つ い て は 、 制 度 の 違 い が あ る た め 単 純 に は 比 較 で き な い が 、 加 入 実 績 に の み 基 づ い た 金 額 と 将 来 の 加 入 を 見 込 ん だ 金 額 を 併 記 す る 日 本 の 方 式 は 、(1)加 入 実 績 が 積 み 重 な る こ と を 実 感 し や す い 点 、(2)今 後 も 加 入 を 継 続 す る こ と に よ る 金 額 の 増 加 を 実 感 で き る 点 、 (3)受 給 要 件 を 満 た し て い る 人 に と っ て は 、加 入 実 績 に 基 づ い た 金 額 が あ る 程 度 保 証 さ れ た 年 金 額 で あ る と い う 安 心 を 得 ら れ る 点 、 な ど の メ リ ッ ト が あ る と い よ う 。 ま た 、 拠 出 建 て 制 度 を 採 る ス ウ ェ ー デ ン の 残 高 に 相 当 す る 概 念 と し て 、 給 付 建 て 方 式 の 日 本 に お い て 実 績 の み に 基 づ い た 年 金 見 込 額 を 示 し て い る 点 は 、妥 当 だ と 考 え ら れ る 。 ス ウ ェ ー デ ン と の 比 較 で は 見 込 額 の パ タ ー ン が 少 な い と の 批 判 も あ ろ う が 、 筆 者 ら が 50 歳 代 を 対 象 に 実 施 し た 実 験 や 調 査 ( 中 嶋 ほ か (2006a))で は 、多 く の パ タ ー ン よ り も 実 績 の み に 基 づ い た 年 金 額 を 求 め る 意 見 が 強 か っ た こ と か ら 、 現 在 の 案 は 妥 当 だ と 考 え ら れ る 。 た だ 、 実 績 の み に 基 づ い た 額 と 将 来 の 加 入 を 見 込 ん だ 額 と の 比 較 を 容 易 に す る よ う な 工 夫 が あ れ ば 、さ ら に 理 解 が 得 ら れ や す い だ ろ う 。 一 方 、ス ウ ェ ー デ ン と 同 様 の 問 題 と し て 、(1)年 金 制 度 の 意 義 や 財 政 状 況 の 解 説 が な い 点 、(2)財 政 安 定 化 機 能 に よ る 給 付 削 減 に つ い て 解 説 が な い 点 、(3)終 身 保 障 や 実 質 価 値 維 持 な ど の メ リ ッ ト の 解 説 が な い 点 、 を あ げ る こ と が で き る 。(1)に つ い て は 、米 国 の よ う に 、社 会 保 険 庁 長 官 や 閣 僚 の 署 名 と と も に 通 知 本 体 で 示 し た 方 が 、 読 ま れ や す く 、信 頼 向 上 に 貢 献 す る と 思 わ れ る 。(2)に つ い て は 、金 額 で 示 す に は 技 術 的 に も 国 民 の 理 解 度 か ら も ま だ 難 し い と 思 わ れ る が 、 そ の よ う な 給 付 に 影 響 す る 仕 組 み が 制 度 に 盛 り 込 ま れ て い る こ と は 、 少 な く と も 通 知 や 添 付 文 書 を 通 じ て 周 知 す る 必 要 が あ る だ ろ う 。(3) に つ い て は 、 筆 者 ら が 実 施 し た 30∼ 40 歳 代 対 象 の 実 験 ( 中 嶋 ほ か (2006b)) で も 効 果 が あ る こ と が わ か っ て い る 。 少 な く と も 、 35 歳 到 達 者 向 け の 「 ね ん き ん 定 期 便 」 の よ う な 添 付 文 書 の 形 で で も 、 実 施 す べ き で あ ろ う 。 ま た 、 ス ウ ェ ー デ ン と 比 べ て 劣 っ て い る 点 と し て 、 私 的 年 金 と の

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関 係 が ま っ た く 考 慮 さ れ て い な い 点 が あ げ ら れ る 。 日 本 で は 、 マ ク ロ 経 済 ス ラ イ ド に よ っ て 、 給 付 水 準 が 次 第 に 低 下 す る 見 込 み に な っ て い る 。 そ れ だ け に 、 こ の 低 下 を 埋 め る た め に 必 要 な 自 助 努 力 を 認 識 さ せ る よ う な メ ッ セ ー ジ や 仕 組 み が 、 必 要 で は な い だ ろ う か 。 3 展 望 2004 年 改 革 ま で の 年 金 制 度 に 対 す る 不 信 や 不 満 に 加 え 、近 年 明 ら か に な っ た 給 付 ミ ス や 年 金 記 録 問 題 で 、 年 金 制 度 に 対 す る 信 頼 は 大 き く 揺 ら い で い る 。 そ れ は 同 時 に 年 金 制 度 へ の 関 心 が 高 ま っ て い る 状 況 で も あ り 、 こ の 機 に 国 民 の 信 頼 を 回 復 す る 取 り 組 み を 進 め る 必 要 が あ る 。 ス ウ ェ ー デ ン で の 調 査 結 果 や 筆 者 ら の 調 査 結 果 ( 中 嶋 ほ か (2006a,2006b)) が 示 す よ う に 、 国 民 に 通 知 を 送 る こ と は 信 頼 の 向 上 に 寄 与 す る 。 し か し 、 通 知 に よ る 信 頼 向 上 は 、 信 頼 向 上 策 の 一 部 分 に 過 ぎ な い 。 通 知 に は 、 国 民 に 直 接 届 く と い う メ リ ッ ト が あ る 反 面 、 あ ま り 多 く の 情 報 を 盛 り 込 ん で は 、 か え っ て 国 民 に 読 ん で も ら え な か っ た り 、 情 報 の ポ イ ン ト が う ま く 伝 わ ら な い と い う 問 題 が あ る 。 本 稿 で は あ ま り 触 れ ら れ な か っ た が2 3、 通 知 以 外 の 広 報 や 相 談 を 通 じ た 総 合 的 な 信 頼 向 上 の き っ か け の 1 つ と し て 、 通 知 が 有 効 に 機 能 す る こ と を 期 待 し た い 。 2 3 通 知 と 他 の 手 段 の 関 係 に つ い て は 、 中 嶋 (2005)で 述 べ て い る 。

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参 考 資 料

参 考 資 料 1 :オ レ ン ジ 封 筒 の 通 知 ( 2005 年 版 ) 社会保険庁とプレミアム年金庁からの報告 宛先 アンナ・アンダーション様 ヴェーゲン 12 123 45 スタッツオッテン あなたの公的年金の見込額 この公的年金の見込額は、あなたの定年後毎月どのくらいの公的年金が支給されるかを見込んで計算したも のです。これは現在までにどのくらいの額があなたの公的年金口座に積み立てされているかが基本となってい ます。現在までの積み立て金額は2ページ目に提示してあります。 私どもでは、あなたの収入が引き続き同額であると仮定しました。従って 2003 年から同額の年金権利額が定 年するまでの間、積み立てられるものと想定しています。 あなたの 2003 年の年金権利額は5ページに提示してあります。 あなたが下記の年齢で公的年金を受理する場合の年金見込額 満 61 歳 平均所得上昇率 0%で、月額 8900 kr 平均所得上昇率 2%で、月額 12700 kr 満 65 歳 平均所得上昇率 0%で、月額 11100 kr 平均所得上昇率 2%で、月額 17700 kr 満 70 歳 平均所得上昇率 0%で、月額 16000 kr 平均所得上昇率 2%で、月額 28200 kr あなたの満 65 歳時での公的年金の税差引前金額は、平均所得上昇率 0%の場合(月額 11100kr)、所得比例年金 9300kr, プレミアム年金 1800kr で構成される見込みになります。 あなたが受け取る年金は、様々な年金から成り立ちます この通知は、あなた個人の公的年金のみの見込額を提示したものです。多くの人々は、例えば個人で加入す る個人年金保険や、雇用主が加入している企業年金保険などからも年金を受理します。 企業年金保険については www.minpension.se にて、さらに詳しい情報が掲載されています。 またこのホームページでは、企業年金保険を扱っているほとんどの保険会社の情報も掲載されています。 さらに詳しい年金見込額と年金に関するその他の情報 www.forsakringskassan.se では、さらにあなたの将来の計画に対応した公的年金見込額に関する情報を得ら れます。www.forsakringskassan.se と www.ppm.nu のホームページでは、公的年金に関する情報が 掲載されています。また社会保険庁の自動応対電話 020−524524 もご利用ください。 ※2004 年に入手したスウェーデン語版のデモサンプルをもとに しているため、正式版とは一部内容が異なる部分がある。

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2 宛先 アンナ・アンダーション様 ヴェーゲン 12 123 45 スタッツオッテン あなたの公的年金、現在の口座残高 2004 年度のあなたの年金口座の変化 所得比例年金口座(kr) プレミアム年金口座(kr) 2003 年 12 月 31 日までの口座残高 725429kr 22915kr* 2003 年の年金権利額 +44864kr +7010kr 配当金 +445kr +17kr ファンド手数料の返還 − +47kr 事務処理手数料 −386kr −70kr 口座残高変化 +26532kr +4914kr 2004 年 12 月 31 日現在の口座残高 796884kr 34833kr * 2002 年度のプレミアム年金の年金権利額はこの額に含まれています。 2004 年 12 月 31 日現在のあなたの年金口座残高 あなたの公的年金口座残高合計 所得比例年金口座残高 796884kr + プレミアム年金口座残高 34833kr = 831717kr

図 表 1   新 旧 制 度 の 比 較   【旧制度】 【新制度】 保証年金 プレミアム年金 所得年金保証年金プレミアム年金所得年金(補足年金) 国民基礎年金 国民付加年金(補足年金)国民基礎年金国民付加年金   こ の 改 革 は 、 大 き く 3 つ の 変 化 を 国 民 に も た ら し た 。 ま ず 第 1 が 給 付 建 て か ら 拠 出 建 て へ の 変 更 で あ る 。 こ れ に よ り 、 国 民 が 自 己 の 残 高 や 年 金 見 込 額 を 知 る こ と が 重
図 表 3   2 0 0 3 年 か ら 2 0 0 5 年 の キ ャ ン ペ ー ン の 概 要
図 表 9   公 的 年 金 制 度 の 情 報 源   1993年 2003年 テレビ・ラジオ 30.4%  53.7%  新聞・雑誌 30.3%  42.4%  都道府県・市町村の広報 29.5%  社会保険事務所の広報 国の広報 8.6%  職場の福利厚生情報 32.2%  18.5%  友人・知人 16.7%  12.3%  専門書 1.2%  1.2%  その他 3.3%  1.5%  わからない 6.5%  4.7% 41.2%  22.8%  ( 注 ) 複 数 回 答 。 ( 資 料 )

参照

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