インドネシア:トヨタ、ダイハツ、日産、スズキ、日野が生産能力拡充
VWは2013年、吉利汽車は2012年に自社工場を稼働
2010.10.14 No.923
2010年1~7月の販売台数は前年同期比75.4%増、生産も66.9%増
2010年1~7月生産はトヨタが53.6%増の15.3万台、ダイハツが65.8%増の6.6万台 インドネシア政府は2011年内に低価格・グリーンカープログラムの実施を計画 トヨタ、ダイハツ、日産、スズキが生産能力拡充、VW、北汽福田、吉利は生産開始 ホンダはMPVのFreed, 現代はMPVのH-1の輸出を開始
日野は年産能力拡充、いすゞは新興国向け低価格トラックの生産開始
IHS グローバルインサイト提携レポート中期生産予測
要 約
インドネシアの新車販売は、2008年に過去最高の 60.4万台に拡大したが、経済危機の影響で2009年は 48.4万台に 縮小した。しかし、2010年 1~7月は景気回復により市場が急拡大し、販売台数は前年同期比 75.4%増の 44.2万台。
インドネシア自動車製造業者協会 (GAIKINDO) によると、2010年通年販売は、過去最高だった2008年の 60.4万台 を上回る見込み。
需要増に対応して生産能力増強の動きも多く、トヨタは年産能力を1.5倍の15万台に、ダイハツは1.5倍の35万台に、
日産は2倍の10万台に、スズキは1.6倍の20万台に、日野は3.5倍の3.5万台に拡充する計画。また、VWは2013年、吉 利汽車は2012年に自社工場を稼働する。
インドネシアをASEAN市場等への輸出拠点とするメーカーも増えており、トヨタ、ダイハツ、スズキに続き、ホンダ、VW、
現代自動車、吉利汽車もASEAN域内の輸出を開始・計画している。
2010年1~7月の販売台数は前年同期比75.4%増、生産も66.9%増
インドネシアの2009年の新車販売台数は、世界金融危機の影響で 08年比 19.9%減の 48.4万台、生産台数は 22.6%
減の 46.5万台。輸出台数は8.7%増の11.0万台となった。
2010年1~7月は景気回復と経済成長により市場が急拡大し、新車販売台数は前年同期比75.4%増の44.2万台。生産 台数も66.9%増の40.5万台、輸出台数も26.7%増の7.5万台と大幅増加した。
インドネシア自動車製造業者協会 (GAIKINDO) は2010年の販売見通しについて、09年比15~20%増の60万台達成 が可能と予測 (2010年1月発表)。トヨタは、1~7月の販売拡大のペースから、通年の販売台数は 70万台を超えると予 測している(同年 8月発表)。
2009年販売のうち多人数乗りのMPVが約4割を占め、上位3モデルもすべて MPVで、1位が Toyota Avanza, 2位が Daihatsu Xenia, 3位が Toyota Innova 。トップ 10モデルのうち、6モデルがMPVとなった。
インドネシアの自動車生産/新車販売/輸出台数 (台)
2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年 1-7月
2010年 1-7月 生産 422,099 500,710 296,008 411,638 600,628 464,816 242,762 405,133 新車販売 483,148 533,917 318,904 433,341 603,774 483,548 252,156 442,298 輸出 9,572 17,805 30,974 60,267 100,982 109,809 59,579 75,472 資料:インドネシア自動車製造業者協会 (GAIKINDO)
(注) 輸出は CBU+CKD。
インドネシアのブランド別新車販売 (台)
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年 1-7月
2010年 1-7月 Toyota 182,765 123,703 150,631 211,909 186,687 96,784 167,921 Daihatsu 48,762 33,021 51,957 78,041 77,513 40,304 66,097 Mitsubishi 89,158 47,023 61,547 87,524 61,735 31,804 61,734 Suzuki 87,274 44,760 58,095 73,067 44,689 24,706 40,039 Honda 53,750 30,000 40,000 52,500 39,570 18,801 34,929 Nissan 10,551 4,006 19,030 31,879 21,440 10,956 21,768 Isuzu 25,010 16,605 18,270 25,325 15,236 8,579 13,761 Hino 6,145 4,193 8,224 14,227 11,390 6,554 13,278 Ford 5,727 3,515 6,405 7,999 6,348 2,711 3,141 Mercedes-Benz 2,443 914 2,022 2,872 3,450 1,753 2,717 Kia 8,668 3,852 4,039 3,880 3,195 1,609 3,356 Hyundai (PC) 6,391 3,003 4,020 3,800 2,667 1,268 2,152 Chevrolet 2,085 825 1,396 2,657 2,612 1,404 2,659
Proton - 305 1,584 1,089 2,150 923 1,453
Mazda 652 203 1,336 2,241 1,542 629 3,282
UD Trucks 1,867 1,380 2,115 2,391 1,298 544 1,406 Others 2,669 1,596 2,670 2,373 2,026 2,827 2,605 Total 533,917 318,904 433,341 603,774 483,548 252,156 442,298 資料:インドネシア自動車製造業者協会 (GAIKINDO)
(注) 1.販売台数は乗用車と商用車の合計。
2.Mitsubishi は、三菱自動車と三菱ふそうの合計。Hyundai (PC) は Hyundai (Passenger Cars)。
UD Trucks は 旧日産ディーゼル。
インドネシア:2009年販売の Top 10 モデル
順位 モデル セグメント 販売台数 (台) 1 Toyota Avanza MPV 100,065 2 Daihatsu Xenia MPV 43,409 3 Toyota Innova MPV 35,989 4 Honda Jazz City Car 15,713 5 Daihatsu Terios SUV 13,149
順位 モデル セグメント 販売台数 (台)
6 Toyota Rush SUV 12,965 7 Suzuki APV MPV 12,555 8 Honda CRV SUV 10,110 9 Nissan Grand Livina MPV 10,028 10 Honda Freed MPV 8,900 資料:Indonesia-Cars.com
2010年1~7月生産はトヨタが53.6%増の15.3万台、ダイハツが65.8%増の6.6万台
2010年1~7月のブランド別自動車生産は、市場拡大に対応してトヨタが 53.6%増の15.3万台、ダイハツが 65.8%増の 6.6万台、スズキが 59.8%増の 4.6万台。三菱、ホンダ、日産、いすゞ、日野の生産も大幅に増加した。
インドネシアのブランド別生産台数 (台)
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-7月
2010年 1-7月 Toyota 169,178 122,229 172,436 226,001 198,048 99,498 152,860
Daihatsu 48,729 33,065 50,369 76,244 77,053 39,889 66,136 Mitsubishi 86,277 41,982 48,161 77,906 53,713 29,622 54,185 Suzuki 103,830 51,878 60,013 98,314 49,747 28,633 45,742 Honda 39,597 21,034 29,465 43,672 34,461 15,854 30,676 Nissan 10,759 3,376 18,518 30,310 20,019 9,881 21,892 Isuzu 24,558 15,214 17,534 24,450 14,838 9,264 13,962 Hino 7,229 3,231 8,192 14,350 11,635 7,067 13,523 Mercedes-Benz 2,229 454 1,305 2,802 2,410 1,442 2,442 UD Trucks 1,926 1,638 1,861 2,250 1,080 657 1,740 Hyundai (PC) 4,646 1,136 3,074 2,923 1,053 583 1,182
BMW 1,084 771 10 852 414 203 491
Chery - - 700 554 345 169 302
Mazda 121 - - - -
Peugeot 288 - - - -
Chevrolet 259 - - - -
Total 500,710 296,008 411,638 600,628 464,816 242,762 405,133 資料:インドネシア自動車製造業者協会 (GAIKINDO)
(注) Mitsubishi は、三菱自動車と三菱ふそうの合計。Hyundai (PC) は Hyundai (Passenger Cars)。
UD Trucks は旧日産ディーゼル。
インドネシア政府は2011年内に低価格・グリーンカープログラムの実施を計画
インドネシア政府は、タイのエコカープロジェクトに似た "低価格・グリーンカープログラム" を2011年内に実施する計 画。トヨタ、日産、ダイハツ、スズキの日系メーカー4社は、既に参加の意向を示しており、政府は、2010年内に参加企 業を正式決定するとされる。
インドネシア:低価格・グリーンカープログラムを2011年に開始する計画
インドネシア政府は、タイのエコカープロジェクトと同様の "低価格・グリーンカープログラム (Low-cost green car program)"の実施を計画している。環境に配慮した低価格車を製造するメーカーに対し、政府が減税など財政支援を 行うもので、車両価格は 7,000万~8,000万ルピア (約 66万~76万円)、部品の現地調達率は 60~80% を想定して いる。
このプログラムはすべての自動車メーカーに公開されるが、参加できる企業は、部品の現地調達率や政府基準に基 づいて選ばれる。政府は、2010年末までに関係省庁や地方政府と共にプログラムの規定を作成・公表し、2011年内 に実施する計画。低価格の車をインドネシアの低中流階級の消費者に提供するとともに、2015年のASEAN経済共同 体設立に対応し、インドネシアの自動車産業基盤の強化も目指す。
トヨタ、日産、ダイハツ、スズキの日系メーカー 4社は、いずれもこのプログラムに強い関心を持っており、政府に事業 計画を提出したとされる。さらにダイハツは、プロトタイプ車の提示も行った。
資料:日刊工業新聞 2010.9.23, The Jakarta Post 2010.3.26
トヨタ、ダイハツ、日産、スズキが生産能力拡充、VW、北汽福田、吉利は生産開始
インドネシアでは、2010年初からの急速な市場拡大に対応し、日系メーカー各社が生産能力拡充を計画している。トヨ タは年産能力を数年以内に1.5倍の15万台に、ダイハツは2010年秋に1.5倍の35万台に、日産は2013年に2倍の10万 台に引き上げる。スズキもグリーンカープログラムに伴い、1.6倍の20万台に増強する計画。
欧州メーカーでは、VWが2009年から委託生産を開始したが、2013年には年産能力5万台の自社工場を稼働し、
ASEAN市場への輸出基地とする。
中国メーカーでは、北汽福田汽車 (Beiqi Foton Motor) と吉利汽車 (Geely) も2009年からインドネシアで委託生産を
開始。吉利汽車は2012年に自社工場を稼働し、アジア・豪州市場への輸出拠点とする計画。
インドネシア:主要自動車メーカーの自動車生産拠点
出資比率 組立工場 年産能力
(1,000台) 生産 実績 (1,000
台)
生産車種
Toyota Motor Manufacturing
Indonesia
Toyota
95% Karawang 100→150 68 Toyota Kijang Innova, Fortuner, Corolla
Sugity Creatives
Toyota Auto Body 88.52%
Bekasi 0 -
09年12月に Toyota Dyna/Hino Dutro の生産を日野工場に移管、
今後は部品生産に集中
Astra Daihatsu
Motor
Daihatsu
61.75% Sunter 230→350 111
Daihatsu Terios/Toyota Rush (Bego ベース), Daihatsu Xenia/Toyota Avanza, Daihatsu Gran Max/Toyota Lite Ace/
Toyota Town Ace, Daihatsu Luxio Hino Motors
Manufacturing Indonesia
Hino 90% Purwakarta 10→35 12
Hino Dutro/Toyota Dyna Hino Super Ranger, Jumbo Ranger,
大型バスシャシー
Nissan Motor Indonesia
Nissan
83.3% Purwakarta 50→100 20
Nissan Grand Livina, Livina XR, Livina X-Gear, X-Trail, Serena, Latio
2010年に March, 2011年にJuke を追加 Astra Nissan
Diesel Indonesia
UD Trucks
12.5% Bekasi 2 1 大型トラック
Honda Prospect
Motor
Honda 51% Karawang 50 34 Honda Jazz (Fit), CR-V, Freed
Suzuki Indomobil
Motor
Suzuki 90% Bekasi 125→200 50
Suzuki Swift, SX4, Neo Baleno (SX4 Sedan), Grand Vitara (Escudo), Kariman (Wagon R),
Katana (Jimny), Carry, Suzuki APV/Mitsubishi Maven Isuzu Astra
Motor Indonesia
Isuzu
44.94% Jakarta 75 15
Isuzu Panther/Chevrolet Tavera, Isuzu N series (Elf),
F series (Forward) Mercedes-
Benz Indonesia
Daimler
89.21% Bogor 20 2 M-Benz C-Class, E-Class, S-Class, M-Benz 商用車
General Motors Indonesia
GM 100% Bekasi (15) -
2005年 3月に操業停止。6,000万ドルを投資し、09 年初までに再開する予定だったが、2011年まで延期
と発表。
Proton Cikarang Indonesia
Proton
100% Cikarang (40) - 車両生産を休止中
Krama Yudha Ratu Motor
Krama
Yudha 80% Jakarta 70 54
Mitsubishi Fuso Colt Diesel (Canter), Fuso,
Mitsubishi Colt 120SS, Colt L300 Hyundai
Indonesia Motor
Bimantara Group
100%
Bekasi 12 1 Hyundai Atoz (Atos), Accent, Excel, Avega, H-1
Kostramas Jaya
Korindo
Group Balaraja 7 n.a. HD Mighty Truck 125PS/136PS (Hyundai 大型トラック・バス) Gaya Motor Astra
100% Sunter 60 n.a. Peugeot 206, 307, 406;
Geely CK-1; Foton View National
Assemblers
Indomobile Group
100%
Bekasi 30 n.a. Chery QQ, Tiggo; VW Touran, Golf TSI; Foton BJ1028 (注)
1.出資比率は、自動車メーカーの出資比率。
2.下段の 5社は現地資本メーカーで、Gaya Motor と National Assemblers は受託組立会社。
Krama Yudha Ratu Motor は三菱ふそうと三菱自動車の生産拠点だが、両社とも直接出資していない (現地生産 車用部品の製造会社と車両販売会社には出資している)。
トヨタ:年産能力を10万台から15万台に引き上げ
トヨタは、既存工場に設備を追加し、年産能力を現行の10万台から、数年以内に15万台に拡充する計画。MPV を中 心に生産台数を拡大するとされる。
資料:日本経済新聞 2010.7.21
ダイハツ:Astra Daihatsu Motor の年産能力を 1.5倍の 35万台に増強
ダイハツは、インドネシアでの需要急増に対応し、現地組立工場の年産能力を、今秋から設備能力の増強により 35 万台に引き上げる (現行年産能力は 23万台)。同社のインドネシア生産拠点 Astra Daihatsu Motor は、自社ブラン ド車を生産するほか、トヨタにも OEM供給している。
資料:日刊自動車新聞 2010.8.31
日産:インドネシアにおける中期事業戦略を発表、2013年には 9万台を販売する計画
日産の子会社 Nissan Motor Indonesia は、2010年 6月、インドネシア市場における中期事業戦略を発表した。イン ドネシアを BRICs に次ぐ重要市場と位置付け、現地販売を2009年の 2.1万台 (市場シェア4.4%) から、2013年まで に 4倍の 9万台 (同 10%以上) に引き上げる計画。また、インドネシア工場に 20億円規模の設備投資を行い、年産 能力を現行の約 5万台から、2013年には 10万台体制にする。
2010年11月に世界戦略車 March をインドやタイに続いて投入し、年 9,000台を生産・販売する計画。2011年には 多目的スポーツ車 Juke の生産・販売も開始。販売拠点は 46店から 80店に増やす。高級車ブランド Infiniti も導入 し、2011年初から Infiniti FX, M, Gクーペを販売する。また、市場調査、設計、車両評価、品質管理を行う研究開発 (R&D) センターを2011年に設立し、インドネシアでの国産化を推進する。
資料:日産 Press Release 2010.6.29, 日経新聞 2010.6.30, 日経産業新聞 2010.6.30
スズキ:グリーンカープログラムに伴い、インドネシア工場の年産能力を 20万台に拡充する計画
スズキは、インドネシア政府の "低価格・グリーンカープログラム" への参加の意向を表明するとともに、工場増設も検 討している。現在、スズキの現地生産工場 (Suzuki Indomobil Motor) の年産能力は 12.5万台だが、約 400億円を 投じて 20万台に拡充するほか、部品工場も建設するという。
資料:日刊工業新聞 2010.9.23, 他
VW:2009年から委託生産を開始、2013年に年産能力 5万台の自社工場を稼働
VWは約 1億4,000万ドルを投じ、2012年にインドネシアで新工場の建設を開始、2013年に稼動する計画 (2010年 9
月報道)。年産能力は 5万台。40%をASEAN市場向けに輸出するとされる。建設地は西ジャワ州 Cikampek など数ヶ 所を検討中。
VW は2009年 5月から Indomobil Group の National Assemblers で MPV のTouran の組立生産を開始。2010年 9月からは hatchback の Golf TSI の組立生産を追加。2009年の VW のインドネシアでの販売台数は 122台だった が、Golf TSI の発売により、2010年は 400台を目指す。
資料:Antara News 2010.9.1
北汽福田汽車:MPV の Midi と MP-X の 組立生産を開始
北汽福田汽車 (Beiqi Foton Motor) は、2010年末~2011年に1,000億ルピアを投じて、インドネシアで低価格 MPV の Midi と高級 MPV の MP-X の組立生産を開始する計画。同社は 09年 7月から、組立メーカーの Gaya Motor (Astra International 傘下) で、11座席/14座席のマイクロバス Foton View XLC (インドネシアでは MPV に 分類される) の CKD 生産を開始している。現在 2ヶ所の販売店を、2010年内に 10ヶ所に増やす計画。
(注) 2010年10月中旬の為替レートは 1円 = 109ルピア。
北汽福田汽車:Pickup truck の BJ1028 の組立生産を開始
北汽福田汽車は、2010年10月から Pickup truck の BJ1028 (排気量 2,200cc) の組立生産を 組立メーカーの National Assemblers (Indomobile Group 傘下) で開始する (2010年8月発表)。2010年内は月産100台の計画。先 に開始した同モデルの完成車輸入販売実績は、1~7月で80台。
資料:日本経済新聞 2010.7.21, 他
吉利汽車:2012年までに自社工場を建設し、アジア・豪州市場への輸出基地へ
吉利汽車は2010年夏に Jakarta 郊外の Cikarang (西ジャワ州) で組立工場の建設を開始し、2012年に稼働する計 画 (2010年 4月発表)。アジア、豪州、ニュージーランド市場への輸出基地とする考え。
吉利汽車は、工場稼働までは組立メーカーの Gaya Motor (Astra International 傘下) に生産を委託する。2009年 秋からは、セダンとハッチバックの MK (いずれも 1.5L エンジン搭載) の生産を開始している。2010年の生産目標は 400台。現地調達率は 20% 以下。
資料:Reuters 2010.4.25, 他
ホンダはMPVのFreed, 現代はMPVのH-1の輸出を開始
インドネシアを ASEAN市場等への輸出拠点とする動きも拡大している。トヨタは、一時停止していたSUV Fortuner の インドネシアから中東・フィリピン向けへの輸出を再開。2010年にはホンダがMPV Freed、現代自動車がMPV H-1の ASEAN向け輸出を開始した。
ダイハツは、東南アジア向け低燃費・低価格車を開発し、2012年にインドネシアで生産を開始。2013年にインドネシア やマレーシアに投入するとされる。
トヨタ:インドネシア工場から中東・フィリピン向けの SUV 輸出を再開
トヨタは、世界市場の需要落ち込みで一時停止していた SUV の Fortuner のインドネシア工場からの輸出を、8月以 降に再開する。中東やフィリピン向けに年 1万台規模で輸出する計画とされる。09年は、タイ工場に輸出分を委託 し、インドネシアでは国内向けの約 1万台だけを生産してきた。
資料:日本経済新聞 2010.7.18
ホンダ:MPV Freed のタイ向け輸出を開始、2010年に ASEAN域内に 5,000~6,000台輸出
Honda Prospect Motor は2010年 1月、インドネシアの Karawang 工場で生産した MPV Freed のタイ向け輸出を 開始し、2月末までに計 2,000台を輸出。ホンダは09年 6月にFreed のインドネシアでの生産・販売を開始し、09年 末までに約 9,000台を販売。これまでシンガポールとブルネイに計 60台を輸出したが、2010年には、マレーシアを含 めた ASEAN 域内 4ヶ国に計 5,000~6,000台を輸出する見通し。
Freed の現地調達率は 45% で、主力車種のハッチバック車 Jazz の 41~42% を上回る。段階的に現地調達率を引 き上げながら、品質の高い製品を輸出し、インドネシア製の車の信用獲得を目指す。
資料:日刊工業新聞 09.12.29, NNA.ASIA 09.12.15
現代自動車:MPV の H-1 の現地生産・販売を開始、ASEAN市場への輸出拠点へ
Hyundai Mobil Indonesia は2010年 2月、現地で CKD 生産する MPV の H-1 を発売した。これに先立ち、同社の 工場に 400億ルピアを投じて設備を整え、従業員を 400人から 600人に増員した。2月時点の現地調達率は 20% だ ったが、7月までに 40% に引き上げて、タイへの輸出を開始。その後、マレーシア、シンガポール、フィリピンなどの ASEAN 市場へも輸出する計画。
インドネシアを、ASEAN 市場へ輸出する H-1 の生産拠点とするこの体制は、Hyundai 本社の "1国 1車種 (One model program through One Country)" 戦略に基づく。2010年の H-1 の販売目標は 2,000台だが、うち 1,000~
1,500台はタイに輸出する計画。
輸入関税率は CBU が 45%, CKD が 5% であるため、インドネシアにおける H-1 の価格は、CKD生産により値下げ が可能になった。Elegance type は CBU より 2,800万ルピア安い 3億 5,000万ルピア。
資料:GAIKINDO 09.3, Kompas.com 2009.9.7/2010.2.13 ダイハツ:東南アジア向け低燃費・低価格車を2012年から生産
ダイハツは、東南アジア市場専用の低燃費・低価格の小型車を開発し、2013年にもインドネシアやマレーシアに投入 する計画。2011年に日本で発売予定の軽自動車 e:S (イース)(燃費は 30km/L) の研究で得たエンジン技術、軽量 化技術をベースに、排気量 1,000cc クラスの車を開発する。トヨタの新興国向け戦略小型車 EFC (Entry Family Car) の想定価格である約 80万円より低価格を想定。ダイハツのインドネシア工場で2012年から生産するが、トヨタブ ランドでの販売も計画。
資料:日刊自動車新聞 2010.6.30/2010.9.27
日野は年産能力拡充、いすゞは新興国向け低価格トラックの生産開始
インドネシアでは、商用車メーカーの生産拡大の動きも多い。トヨタグループは、2009年末に日野のインドネシア工場 の年産能力を1万台から3.5万台に拡充し、小型トラック生産を日野工場に集約した。いすゞは、2011年度から新興国 向け低価格トラックの生産を開始する。三菱ふそうは2010年4月から小型トラック生産で、2年ぶりに2直操業を再開す る。
トヨタと日野:小型トラック生産を日野のインドネシア工場へ移管
トヨタと日野は2009年12月、両社の共同開発車であり、これまでトヨタ車体の子会社 Sugity Creatives に生産委託し ていた小型トラックの Toyota Dyna と Hino Dutro について、Hino Motors Manufacturing Indonesia (HMMI) に 生産を移管した。今後は小型トラックの生産を日野に集約し、Sugity は部品生産に集中する。これは、トヨタグループ のインドネシアにおける最適な生産体制を構築するため。
日野は、これまで大中型トラックとバスを生産していた HMMI の工場に約 30億円を投じて拡張し、小型トラックの生 産ラインを新設して、年産能力を 1万台から 3.5万台に拡大 (日野の海外生産拠点としては最大規模)。日野が、海 外でトヨタとの共同開発車の生産を受託するのは初めて。販売は従来通り、Dyna はトヨタ、Dutro は日野の販売店が 行う。
さらに日野は、2010年 6月から生産ラインの稼働を 1直から 2直に拡大し、月産台数を 1,500台から 2,000台に引き 上げた。好調な受注を背景に、再度の工場拡張についても検討している。
資料:トヨタ Press Release 2009.12.17, 日刊工業新聞 2010.4.23 いすゞ:2011年度から新興国向け低価格トラックの生産開始
いすゞは、2011年度からインドネシアで新興国向け低価格トラックの生産を開始する。現地合弁会社の Isuzu Astra Motor Indonesia に 30億~40億円を投じて、新たに組立工場や塗装工場を整備する。中国・重慶市に設置する部 品拠点からトランスミッションやアクスルなど主要部品を調達し、現行車より価格を 2割程度抑えた小・中型トラックを 生産する。当初は年産 100台規模だが、小型トラックは将来年産 4万~5万台規模とする計画。
いすゞ自動車は東南アジア事業を強化するため、現地合弁会社の出資比率を引き上げ、連結対象とする方針で、合 弁相手と交渉中 (2010年 9月報道)。現在、 Isuzu Astra Motor Indonesia への出資比率は、いすゞ 44.94%, Astra
Group 44.94%, PPI 10.12% だが、いすゞは PPI から株式を取得する見込み。
資料:日刊工業新聞 2010.6.14/2010.9.5
(注) インドネシアの2009年の小型トラック総需要は 5万台。いすゞのシェアは約 14%。
シェアトップの三菱ふそうトラック・バス (Daimler 傘下) は約 58%。
三菱ふそうトラック・バス:小型トラック生産を 2年ぶりに 1直から 2直操業へ
三菱ふそうトラック・バスは2010年 4月、インドネシアで小型トラック等を増産すると発表した。現地の生産拠点、
Krama Yudha Ratu Motors を 2年ぶりに 1直操業から 2直操業に切り替える。政情の安定とともに経済が回復し、
商用車需要も増加傾向にあるため。2010年 1~3月期の販売実績は、前年同期比 55.5%増の 10,620台。
資料:日刊自動車新聞 2010.4.29
IHSグローバルインサイト中期生産予測レポート
インドネシア:グループ別・ブランド別生産台数 ( IHSグローバルインサイト社予測) (台数)
グループ別 ブランド別 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 BEIJING
AUTOMOTIVE FOTON 0 0 2,684 3,455 4,218 4,885 5,558 6,390
BMW BMW 337 740 124 148 185 228 244 276
CHERY CHERY 857 454 1,127 1,474 1,680 1,856 1,980 2,216 DAIMLER AG MERCEDES-
BENZ 2,168 2,265 3,062 2,624 2,763 2,727 3,181 3,569 GEELY GEELY 0 0 2,170 3,494 4,226 4,845 5,331 6,110 GREAT WALL GREAT
WALL 75 415 1,359 1,643 2,012 2,328 2,590 2,997 HONDA HONDA 42,769 41,491 37,002 41,222 42,408 44,027 43,858 46,058 HYUNDAI
HYUNDAI 2,672 2,723 7,282 11,332 11,786 11,688 11,627 12,082 KIA 6 2,518 990 1,066 1,203 1,317 1,375 1,509 ISUZU ISUZU 15,544 13,012 14,885 19,191 21,786 23,554 24,261 26,304 MITSUBISHI MITSUBISHI 32,763 21,799 31,811 37,349 43,492 48,237 50,982 56,721 NISSAN NISSAN 30,636 20,751 31,647 37,570 42,584 45,125 47,199 51,381 PROTON PROTON 424 853 1,289 1,288 1,301 1,309 1,283 1,340
PSA PEUGEOT 37 30 219 228 236 233 0 0
SUZUKI SUZUKI 68,971 59,970 80,381 98,224 116,042 126,964 130,347 141,049
TOYOTA
DAIHATSU 79,569 77,043 101,057 107,926 137,683 164,913 172,223 198,163 HINO 4,868 2,910 4,987 5,584 6,382 6,964 7,461 8,032 TOYOTA 244,229 206,990 263,693 278,525 292,409 306,261 313,081 335,596
VW GROUP VW 0 56 286 509 569 612 670 766
Total 525,925 454,020 586,055 652,852 732,965 798,073 823,251 900,559 資料:世界小型車生産台数データ (2010年10月6日時点)
(注)
1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値のみ。
2. 2008年と2009年は実績
3. 本表の無断転載を禁じます。転載には IHSグローバルインサイト 社の許諾が必要となります。
IHS グローバルインサイト レポート 要約 (2010年7月12日付) 生産見通し
出典:マークラインズ Copyright(C)MarkLines Co., Ltd. All rights reserved.
国内販売の好調によりインドネシアの2010年第1四半期の生産台数は対前年で58%増加し152,613台となった。1 月の48,608台から3月には56,603台に増加した。ただ依然としてアセアン地域での最大の生産国タイにはかなり後 れを取っている。販売の成長傾向は今後も続くと思われ、年間の生産台数は対前年18%増の592,000台となると 予想される。
インドネシア生産車の輸出については、2010年最初の3か月にわずか17,232台に留まっており、依然完全な回復 には到っていない。前年同期の18,158台に対し5.1%の減少となっている。
CKD部品に関する輸入関税が2010年初めに15%から10%へ33%引き下げられたことにより、インドネシアで組立 て事業の開始あるいは拡張に興味を示していた自動車メーカーの投資が促進されることが期待されている。
GMは2011年に8千万~1億米ドルを投資して工場をグレードアップし、おそらく2012年には現地組立てを再開す るであろう。これにより生産台数増が期待される。工場がグレードアップされればGMはコンパクトMPVモデルの生 産を狙うであろうが、詳細は現在のところはっきりしていない。
中国の自動車メーカーである吉利汽車も販売強化のためインドネシア、多分西ジャワ州に組立工場を建設すること を考えている。同社は最近PT Gaya Motorとパートナーシップ契約を調印した。
インドネシア最大の自動車生産メーカーであるPT Astra Daihatsu Motorは生産能力を2010年初の211,000台か ら2011年初には286,000台に増強する。この拡張は輸出の増加を図るとともに拡大する国内市場にも対応する。合 計およそ8~9,000万米ドルを新たに塗装、組立て、溶接設備に投資し、生産能力を拡大する。この拡張は、現行 ダイハツ・セニア/トヨタ・アバンザの後継車の投入の時期と重なるが、このモデルはLCVをベースとした後輪駆動 システムの現行車に対し、燃費の改善を図った前輪駆動車となると考えられる。
インドネシア政府はアセアン地域全般において貿易障壁が低くなっていく中、自動車産業への更なる投資促進の ための長期計画を準備している。特に、国内税制上の優遇措置、5年を上限とする法人税のタックスホリデー(支払 い猶予)などのインセンティブ・パッケージの提供により、低コストの環境に優しい小型車(小型“グリーン・カー”)の 生産への投資を誘致しようとしている。対象の車のはっきりした定義はまだ行われていないが、最低60~80%の現 地調達率の目標は含むであろう。ダイハツ及び日産の両社はこのような車の生産に対する関心を既に表明してい るが、こういった車の生産コストは台当たり現地通貨で約7~8,000万ルピア(8~9,000米ドル)になるであろう。こう いう車が手に入ることは市場を活性化するとともに、またインドネシア市場の可能性を大いに広げることになる。この 生産に関心のある自動車メーカーはまた国内販売を奨励するため消費税と車の所有に関わる税金のレートを低く するよう求めている。
政府は、例えば部品生産工場への奨励金の提供などを通して同国の部品産業を形成することにも焦点を合わせ ている。
中期的には、国内需要の発展の見通しとハイレベルの輸出台数により生産は健全な伸びを示すと考えられる。
我々は2011年には生産台数はおよそ660,000台に達すると予想している。