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臨地実習で看護教員が学生に対しておこなうケアリ ング

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Academic year: 2021

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著者 月田 佳寿美, 清水 誉子, 酒井 明子, 繁田 里美,  酒井 彰久

雑誌名 福井大学医学部研究雑誌

巻 16

号 21

ページ 23‑35

発行年 2016‑03

URL http://hdl.handle.net/10098/9887

(2)

臨 地 実 習 で看 護 教 員 が 学 生 に対 してお こなうケア リング

月 田 佳 寿 美,清 水 誉 子,酒 井 明 子,繁 田 里 美,酒 井 彰 久 ※ 看護 学科 臨床看護 学講座

Caring for Students Provided by Teachers of Nursing in Clinical Training

TSUKIDA, Kazumi, SHIMIZU, Takako, SAKAI, Akiko,

SHIGETA, Satomi and SAKAI, Akihisan

Department of Cl

inica l Nursing, School

of Nursing, Faculty of Medical Sciences, University of Fukui

Abstract:

From the interview with 18 teachers involved with a clinical training in a college of nurse, we clarified the caring that teachers were providing for students in the clinical training. The interview was a semi-structured one. Its contents were an attribution of the teachers, their charged subjects, what kind of caring they provided to students in the clinical training and their experiences they felt rewarding and their own growth through involving with the growth of their students. We made the contents of interview to be a verbatim report and analyzed it qualitatively and descriptively, arranged the codes that had similar semantic contents, and created a category.

The age group of subjects, in their 20s and 30s, the average of education history was 3.6± 1.8 years. Their duty position was all assistant professor. Their main charged subjects were Fundamental Nursing: Clinical Practice, Adult Health Nursing: Clinical Practice and Geriatric Nursing: Clinical Practice. They were people in charge of clinical practice who had charge of subjects such as people between adulthood and second childhood. The caring providing by them is organized into 10 categories: "allaying tensions and arranging an environment", "consideration for study",

"observation and greeting"

, "advice and suggestion", "making students conscious things they could do and the teachers want them to try", "understanding and respect for an individual", "trust and wait", "adjusting the relationship of group", "avoid becoming a threat" and "learning how to deal with themselves".

Key Words: nursing clinical training, nursing student, nursing teacher, caring

要 旨:

看 護 大 学 で 臨 地 実 習 に携 わ っ て い る教 員18人 の イ ン タ ビ ュー か ら,実 習 で 教 員 が 学 生 に 対 して お こ な って い る ケ ア リン グを 明 らか に した 。 イ ン タ ビ ュー の 内 容 は,実 習 で 学 生 に 対 し て どの よ うな ケ ア リ ン グ を お こ な っ て い る か な どで,語 りの 内容 を 逐 語 録 と し,質 的 記 述 的 に 分 析 した 。

対 象 者 の 年 齢 は,20〜30代 で,教 育 歴 の 平 均 は3.6±1.8年 だ っ た 。 職 位 は 全 員 が 助 教 だ った 。 主 要 な 担 当 科 目 は,基 礎 看 護 学 実 習,成 人 看 護 学 実 習,老 年 看 護 学 実 習 な どで あ り,成 人 期 か ら老 年 期 に あ る対 象 を 受 け 持 つ 実 習 の 担 当者 で あ っ た 。教 員 が お こな っ て い る ケ ア リ ン グ は,【 緊 張 を 緩 和 し,環 境 を 整 え る】 【学 習 に配 慮 す る】

【観 察 し声 を か け る 】 【助 言 と提 案 を す る】 【や れ て い る こ と と頑 張 っ て 欲 しい こ と を 意 識 さ せ る】 【個 を 理 解 し 尊 重 す る】 【信 頼 し,待 つ 】 【グ ル ー プ の 関 係 を 調 整 す る 】 【脅 威 に な ら な い 】 【自分 との 付 き合 い 方 を 学 ん で も ら う】 の10の カ テ ゴ リー に ま とめ ら れ た 。

キ ー ワ ー ド:臨 地 実 習,看 護 学 生,看 護 教 員,ケ ア リ ン グ

※ 福 井 大 学 医 学 部 附 属 病 院 看 護 師

(3)

1.は じめ に

看 護 教 育 に おい て は,専 門 的 な知 識 や 技 術 の修 得 だ け で な く,思 い や りや 倫 理 的感 性 を育 み,人 間性 豊 か な看 護 職 を育 成 す る こ とが求 め られ て い る。 カ リキ ュ ラ ム の 中 で も 臨地 実 習 は,青 年 期 に あ る学 生 が患 者 と 関 わ りな が ら様 々 な体 験 を通 して,看 護 に つ い て 学 び, 考 え を深 め てい く過 程 で あ る。実 習 で の 経 験 を 通 して, 学 生 は人 と して ま た看 護 者 と して大 き く成 長 して い く。

しか しそ の一 方,青 年 期 に あ る学 生 は 自 己意 識 や 対 人 関係 が未 熟 で あ り,揺 れ 動 く存 在 で あ る。 様 々 な興 味 や 関心,成 長 の 可 能 性 を 持 ち な が ら も,患 者 や 看 護 師, 教 員 な ど実 習 を取 り巻 く他 者 との 関 わ りを通 して 自 己

と対 峙 し,悩 み や 葛 藤 を抱 え る こ とも多 い。 ま た学 習 の場 は病 院 な ど慣 れ ない 環 境 で あ り,実 習 記 録 な どこ な さ な けれ ぼ な ら な い課 題 も多 く,時 間 に追 われ,常 に ス トレ ス が強 い状 態 で あ る。

そ の よ うな こ とか ら,臨 地 実 習 に お い て学 生 に最 も 関 わ り,教 育 に責 任 を負 う立 場 で あ る教 員 に は,学 生 に対 す る ケ ア リン グ が求 め られ る。 ケ ア リン グ が注 目 され る よ うに な っ た の は,哲 学 者 の メイ ヤ ロ フ に よ る

『ケ ア の本 質 』が1971年 に 出版 さ れ て か らで あ る1)。

メイ ヤ ロ フ2)は,す べ て の人 は他 者 を ケ アす る こ とで 人 と して生 き る の で あ り,こ の世 で場 の 中 に い る こ と を可 能 にす る と述 べ て い る。 看 護 学 で は,レ イ ニ ン ガ ー,ワ トソ ン,ベ ナー を は じめ,ロ ー チ,ボ イ キ ン な ど多 くの理 論 家 が ケ ア リ ング に つ い て 説 明 して い る1)。

ケ ア リン グ の定 義 は理 論 家 に よ っ て様 々 で あ る が,思 い や りを伴 う他 者 へ の 関 わ りで あ り,他 者 を癒 した り 力 づ け た りす る も の で あ る と考 え る。 教 育 学 で は,ノ デ ィ ン グ ス3)が 著 書 にお い て,す べ て の子 ども が ケ ア され,ま た他 者 を ケ アす る こ とを学 ば な けれ ば な ら な い と教 育 に お け る ケ ア リン グ の重 要 性 を述 べ て い る。

看 護 教 育 で は,ベ ヴ ィ ス とワ トソ ン は ケ ア リン グ カ リ キ ュ ラ ム4)の 中 で,看 護 教 育 は従 来 の行 動 主 義 を基 盤

と した カ リキ ュ ラ ム か ら,ケ ア リン グ を基 盤 と した カ リキ ュ ラ ムへ のパ ラ ダイ ム シ フ トが必 要 で あ る と述 べ てい る。 しか しな が ら我 が 国 に お い て,ケ ア リン グ を 基 盤 に カ リキ ュ ラ ム を系 統 立 て て展 開 して い る大 学 は 少 ない の が現 状 で あ る5)。

臨地 実 習 に お け る学 生 へ の ケ ア リン グ の重 要 性 につ い て,安 酸6)は ヒ ュー マ ン ケ ア リン グ の教 育 モ デル を

提 示 し,学 生 は教 員 か ら 「ケ ア され る人 」 と して の経 験 を しなが ら 「ケ アす る人 」 と して成 長 して い く と述 べ てい る。 学 生 に対 す る教 員 の ケ ア リン グ に 関す る研 究 は,学 生 を対 象 にイ ン タ ビ ュー7〜9)や ア ンケ ー ト10), 面 接 指 導 場 面 を テー プ に 録 画 し,再 構 成 した もの11) が あ り,【 承 認,傾 聴,内 省 の 促 し,学 生 の人 権 へ の配 慮 】7),【 学 生 と共 に 在 る,モ デ リ ン グ,教 員 の態 度 ・ 雰 囲気,成 長 の た め の 適切 な 助 言 】8)な ど学 生 が捉 え た教 員 か らの ケ ア リン グ は明 らか に な っ て い る が,教 員 を対 象 に した研 究 は お こな われ て お らず,教 員 が捉 え る学 生 へ の ケ ア リン グ は明 らか に され て い な い。 ま た ケ ア リン グ の定 義 も,看 護 に 関 わ る用 語 解 説 集7)や ケ ア リン グ カ リキ ュ ラ ム4)に お け る教 員 の役 割 を参 考 に した も の7)な ど様 々 で あ る た め,本 研 究 で は メ イ ヤ ロ フ の ケ ア リン グ の定 義 に基 づ き,教 員 を対 象 と した 調 査 を行 う こ と と した。 本 研 究 を通 して,臨 地 実 習 で 教 員 が 学 生 に対 して お こな っ て い る ケ ア リン グ を 明 ら か に したい 。

亘.用 語 の定 義

【ケ ア リン グ】

本 研 究 で は,メ イ ヤ ロ フ の ケ ア の 本 質8)を 参 考 に, ケ ア リン グ とは 「そ の人 が成 長 す る こ と,自 己実 現 す る こ とを たす け る こ とで あ り,相 手 に 対 し関 心 を 抱 き, 最 大 限 そ の要 求 に応 え られ る よ うにす る こ と」とす る。

皿.研 究 目的

本 研 究 の 目的 は,臨 地 実 習 で教 員 が学 生 に対 して お こ な っ てい る ケ ア リン グ を明 らか にす る こ とで あ る。

W.研 究 方 法 1.対 象

4年 制 の看 護 系 大 学 に勤 務 して お り,臨 地 実 習 で学 生 指 導 に携 わ っ てい る教 員18人

2.デ ー タ収 集 期 間 平 成23年2月 〜24年3月 3.調 査 方 法

イ ン タ ビ ュー ガイ ドに基 づ き,半 構 成 的面 接 を行 っ た。 時 間 は1時 間 程 度 で,対 象 者 の許 可 を得 て 内容 を 録 音 した。

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4.調 査 内容

対 象 者 の属 性(年 齢,職 位,教 育 歴),担 当科 目 と実 習 環 境(科 目名,実 習 時 間,実 習 場 所,教 員 の指 導 体 制,学 生 の 人 数),実 習 で学 生 に対 して どの よ うな ケ ア リン グ を お こ な っ て い る か,実 習 で学 生 の成 長 に 関 わ る こ とが で き,自 分 もや りが いや 成 長 を感 じた体 験 と した。 ケ ア リン グ の定 義 につ い て は,用 語 の定 義 で示 した よ うに 「そ の人 が成 長 す る こ と,自 己実 現 す る こ とを たす け る こ とで あ り,相 手 に対 し関心 を抱 き,最 大 限 そ の要 求 に応 え られ る よ うにす る こ と」 とイ ン タ ビ ュー 時 に説 明 し,臨 地 実 習 で どの よ うな こ とを行 っ てい る か とい うこ とを質 問 した。 イ ン タ ビ ュー ガイ ド は,作 成 に あ た り先 行 研 究 を参 考 に した が,ケ ア リン グ理 論 に基 づ くも のや 自分 の考 え に合 うも の が な か っ た た め,独 自 に作 成 した。

5.分 析 方 法

イ ン タ ビ ュー の 内容 は逐 語 録 と し,質 的記 述 的 に分 析 した。 実 習 で教 員 が学 生 に対 して お こ な っ て い る ケ ア リン グ に 関連 す る と思 われ る記 述 を文 脈 に留 意 しな が ら コー ド化 し,コ ー ドを 類 似 す る内 容 ご とに 整 理 し, サ ブ カ テ ゴ リー と した。 さ ら に意 味 内容 の類 似 したサ ブ カ テ ゴ リー を整 理 し,カ テ ゴ リー と した。 な お分 析 の信 頼 性 を確 保 す る た め,コ ー ドをサ ブ カ テ ゴ リー さ ら に カ テ ゴ リー と整 理 す る過 程 に お い て,研 究 者 間 で 分 析 内容 を確 認 した。

V.倫 理 的配 慮

対 象 者 に は説 明 書 を用 い て 口頭 で説 明 を行 い,研 究 の参 加 に 同意 が得 られ れ ば 同意 書 に署 名 を も らっ た。

研 究 へ の参 加 は 自由意 思 で あ り,い つ で も と りや め る こ とが で き る こ と,研 究 に参 加 しな い あ る い は途 中 で 取 りや め て も不 利 益 に な る こ とは な い こ と,イ ン タ ビ ュー の 内容 は許 可 を得 て録 音 す る が,録 音 内容 や 逐 語 録 な どデー タ は鍵 の か か る場 所 で厳 重 に保 管 し,研 究 が 終 了次 第 速 や か に破 棄 す る こ と,ま た個 人 情 報 の保 護 に は十 分 に留 意 し,個 人 が特 定 され る よ うな扱 い を しない こ とを約 束 した。 な お,本 研 究 は,福 井 大 学 医 学 部 倫 理 審 査 委 員 会 の承 認 を得 て行 っ た。

VI.結 果

1.対 象 者 の属 性 と実 習 環 境

対 象 者 の年 齢 は,30代 が17人,20代 が1人 だ っ た。全 員 が 国 ・公 ・私 立 大 学 の 教 員 で,教 育 歴 は1〜8 年,平 均 は3.6±1.8年 だ った 。 職 位 は 全 員 が 助 教 で, 1人 のみ 男 性 だ っ た。 多 くの対 象 者 は,成 人 看 護 学 実 習 と基 礎 看 護 学 実 習,統 合 実 習 を担 当す る な ど複 数 の 科 目を担 当 して い た。表1に 対 象 者 の概 要 を示 す と と も に,主 要 な担 当実 習 科 目を示 した。 な おイ ン タ ビュ ー 時 間 は一 人 あ た り39〜61分 で,平 均 は51.7±5.7 分 だ っ た。

表1対 象 者 と 実 習 環 境 の 概 要

対象 性 別 年齢 教育 歴 職位 主要 な実習 担 当科 目 学年 実 習期間 学生 の人数 と指導体 制

A 女性 30代 5年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ5〜6人 を担 当 す る B 女性 30代 5年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ5〜6人 を担 当 す る C 女性 30代 4年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る D 女性 20代 1年 助教 老 年看護学 実習 3年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る E 女性 30代 7年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る F 女性 30代 2年 助教 老 年看護学 実習 3年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る G 女性 30代 3年 助教 老 年看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ5〜7人 を担 当 す る H 女性 30代 8年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ8〜9人 を担 当 す る 1 女性 30代 3年 助教 基礎 看護学 実習 2年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る J 女性 30代 3年 助教 老 年看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ8〜9人 を担 当 す る K 女性 30代 3年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ5〜6人 を担 当 す る L 女性 30代 4年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る M 女性 30代 3年 助教 精神 看護学 実習 3年 生 3週 間 1グ ル ー プ5〜6人 を担 当 す る N 女性 30代 2年 助教 基礎 看護学 実習 2年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る 0 女性 30代 2年 助教 基礎 看護学 実習 2年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る P 女性 30代 3年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 2週 間 1グ ル ー プ6〜7人 を担 当 す る Q 男性 30代 4年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 4週 間 1グ ル ー プ6人 を 担 当 す る R 女性 30代 2年 助教 成 人看護学 実習 3年 生 4週 間 1グ ル ー プ6人 を 担 当 す る

(5)

2.教 員が 学 生 に対 して お こ な っ て い る ケ ア リン グ 表2に 結 果 を示 した。表 中 の アル フ ァベ ッ トは対 象 者 を,番 号 は対 象 者 ご との コー ド番 号 を示 す 。 総 コー ド数 は131で,29の サ ブ カ テ ゴ リー,10の カ テ ゴ リ ー に ま とめ られ た。10の カ テ ゴ リー は,【 緊 張 を緩 和 し,環 境 を整 え る】 【学 習 に 配 慮 す る】 【観 察 し声 を か け る】 【助 言 と提 案 を す る 】 【や れ て い る こ と と頑 張 っ て欲 しい こ とを 意 識 させ る 】 【個 を 理 解 し尊 重 す る 】

【信 頼 し,待 つ 】 【グル ー プ の 関 係 を 調 整 す る】 【脅 威 に な ら ない 】 【自分 との 付 き 合 い 方 を 学 ん で も ら う】で あ っ た。 以 下 表 記 は,【 カ テ ゴ リー 】,〈 サ ブ カ テ ゴ リ ー 〉,"対 象 者 の 語 り"と す る 。

1)【 緊 張 を緩 和 し,環 境 を整 え る】

コー ド数 は22で,〈 緊 張 を緩 和 す る 〉<力 が 出せ る よ う環 境 を整 え る 〉<患 者 や 看 護 師 との 関係 を調 整 す る 〉 〈気 持 ち を楽 に させ る 〉 の4つ のサ ブ カ テ ゴ リ ー か ら構 成 され た。

〈緊 張 を緩 和 す る 〉 は,実 習 科 目 の 開始 時 な ど学 生 の緊 張 が強 い 時 に緊 張 を緩 和 す る 関 わ りで あ る。"3年 生 の初 め の クー ル とか ほ ん とに実 習 そ の も の が分 か ら な い の で,ま あ とに か くあ の 〜 緊 張 しす ぎ な い よ う に …(中 略)注 意 しな が ら関 わ って い る ん で す(B氏)"

の よ うに,言 葉 を か け た り,気 持 ち を ほ ぐ して い た。

〈力 が 出せ る よ う環 境 を整 え る 〉 は,"自 分 でや っ て い くこ とが で き る よ うな そ の外 回 りを整 え て あ げ る こ と(H氏)"の よ うに,臨 地 で の実 習 環 境 を整 え る 関 わ りで あ っ た。

〈患 者 や 看 護 師 との 関係 を調 整 す る 〉 は,患 者 や 看 護 師 との 関 わ りが うま くい くよ うに調 整 し,サ ポー ト す る 関 わ りで あ る。"患者 さ ん との こ とで 困 っ て な い か

とか 看 護 師 さ ん との調 整 とか で 困 っ て な い か とか い う の は気 づ い て言 う時 も あれ ぼ,ほ ん とに 自分 の確 認 と して 聞 い て い る時 も あ ります(1氏)"の よ うに学 生 に 声 を か け た り,受 け持 ち患 者 か ら"も うち ょ っ と来 な い で欲 しい"と 言 われ た時 に,な ぜ そ の よ うに言 われ た の か考 え させ な が ら,受 け持 ち を継 続 で き る よ うに 調 整 してい た(L氏)。

〈気 持 ち を楽 に させ る 〉 は,実 習 開始 か ら1週 間 は 患 者 の全 体 像 や 看 護 問題 が"分 か らな い か ら(K氏)",

"1週 目 に何 して い い か分 か ら な い と言 う学 生 はや っ ぱ りい る ん です が,分 か らな くて 当然 で す(K氏)"と

気 持 ち を楽 にす る よ うな言 葉 を か け,看 護 過 程 に取 り 組 め る よ うに してい た。

2)【 学 習 に 配 慮 す る】

コー ド数 は9で,〈 記 録 の進 め方 を個 に合 わせ る 〉

〈学 習 よ りも体 験 を優 先 させ る 〉 〈学 習 に配 慮 す る 〉 の3つ のサ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 さ れ た。

〈記 録 の進 め方 を個 に合 わせ る 〉 は,記 録 の進 め方 を個 別 に話 し合 っ た り(C氏),個 別 性 に合 わせ て課 題 を提 示 す る 関 わ りで あ る。B氏 は"無 理 な課 題 は与 え な い よ う に最 初 の う ち は で す ね,や っ ぱ り学 生 み て, (中 略)そ の 子 に合 わ せ た指 導 を や っぱ り して る か な と思 い ます"と 語 っ た。

〈学 習 よ りも体 験 を優 先 させ る 〉 は,事 前 学 習 や 練 習 が 不 十 分 で あ っ て も,状 況 をみ て体 験 を優 先 させ る 関わ りで あ る。 学 生 が実 習 初 日に温 竃 法 を計 画 した時 の こ とを振 り返 り,G氏 は"初 日に温 竃 法 … と思 い, まず は情 報 とっ て …(中 略)が 大 事 だ と思 っ た ん です け ど,(学 生 の)気 持 ち が 大 事 か な と そ こで 思 っ た の で …"と 語 った 。

〈学 習 に配 慮 す る 〉 は,成 績 や 演 習 で の取 り組 み, プ ライ ベ ー トな 問題 な どか ら,ど ん な症 例 を受 け持 つ のが よい か 実 習 前 に少 し考 え て,学 生 と面 談 を もつ 関 わ りで あ る。N氏 は,"成 績 とか,演 習 の時 の取 り組 み の態 度 とか,あ の … 今 抱 え て い る プ ライ ベ ー トな 問題 だ とか っ てい う所 も若 干 こ う把 握 して お い て,(中 略) こ の学 生 に は例 え ば難 しい だ ろ うけ ど こ うい う疾 患 の 方 を持 っ て も らっ て とか思 い な が ら,(中 略)あ らか じ め少 しは考 え て おい て,で 学 生 とも個 別 の面 接 をす る の で …"と 語 った 。

3)【 観 察 し声 をか け る】

コー ド数 は11で,〈 あれ と思 っ た ら声 を か け る 〉

〈体 調 や 気 持 ち を観 察 す る 〉 の2つ のサ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 され た。

〈 あれ と思 っ た ら声 を か け る 〉 は,学 生 の様 子 を観 察 しなが ら,状 況 を 予 測 して 声 を か け る関 わ りで あ る。

J氏 は,眠 そ うな 学 生 に 声 を か け た とこ ろ家 庭 に 問題 が あ る こ とが 分 か っ た経 験 か ら,"核 心 に迫 る よ うな投 げか け で な くて も,ち ょ っ とそ うい う,こ うボー ル を 投 げ てみ る と実 は … み た い な こ とが 結 構 …"と 語 っ た。

〈体 調 や 気 持 ち を観 察 す る 〉 は,朝,実 習 に 向 き合

(6)

え てい る か ど うか を学 生 の様 子 か ら観 察 した り(A氏), 顔 色 を見 て体 調 を確 認 した り,睡 眠 が とれ て い る か ど

うか 聞い た り(R氏)し てい た。

4)【 助 言 と提 案 をす る】

コー ド数 は16で,〈 背 中 を押 す 〉<様 子 をみ な が ら助 言 す る 〉 〈 は っ き り言 う〉<一 緒 に考 え提 案 す る

〉 の4つ の サ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 され た。

〈背 中 を押 す 〉 は,や れ そ うな とこ ろ を伸 ばす よ う に声 を か け た り(L氏),自 主 的 な 学 生 が い る 一 方,指 示 を待 つ 学 生 も お り,"指 示 を して くれ な い と困 る とい

う場 合 は,(中 略)指 示 を して う ま くい っ た ら,じ ゃ あ これ は あ な た一 人 で で き る はず だ か ら,次 は考 え た ら ど うか っ て …(Q氏)"の よ うに,背 中 を押 す 関 わ り で あ っ た。

〈様 子 をみ な が ら助 言 す る 〉 は,ど う受 け とめ て い る の か,ど う思 っ て い る の か 考 え な が ら注 意 した り

(A氏),や る気 を み な が ら意 欲 を そ が な い よ うに ア ド バ イ スす る(K氏)関 わ りで あ っ た。K氏 は,学 生 が作 成 した食 事 指 導 のパ ン フ レ ッ トに対 す る助 言 の経 験 か ら,"学 生 を見 な が ら じゃ な い と,ど の くら い意 欲 が あ る か じゃ な い と,そ のや っ て き た こ とをや っ て き た か らい い じゃ な い か とい う学 生 と,本 当 に役 に立 つ も の が 出来 ま した とい う学 生 と,そ の辺 意 欲 をや っ ぱ りそ が ない とい う とこ ろ と…"と 語 った 。

〈 は っ き り言 う〉 は,"こ こ は言 わね ば な りませ ん と い う時 は,こ こ は こ う思 うけ ど ど うか な っ て(A氏)"

や,髪 の色 や 服 装 な ど学 生 が"自 分 の価 値 観 で動 くこ とが,高 齢 者 を尊 重 で き な い とい う こ とに(自 分 が) 気 づ い た時 に,(中 略)駄 目 と言 うよ りは そ こ を考 え て 欲 しい な と思 う時 は ち ょ っ と言 え る よ うに な っ た ん で す け ど…(G氏)"の よ うに患 者 に影 響 が あ る こ とは は っ き り助 言 す る 関 わ りで あ っ た。

〈一 緒 に考 え提 案 す る 〉 は,患 者 の ケ ア につ い て, ど うす れ ぼい い か を一 緒 に考 え た り(F氏),考 え て い る こ とや 感 じてい る こ とを 聞 き な が ら提 案 す る 関 わ り で あ っ た。

5)【 やれ て い る こ と と頑 張 っ て 欲 しい こ と を意 識 さ せ る】

コー ド数 は27で,〈 や れ て い る こ とを褒 め る 〉<

患 者 の反 応 を共 に喜 ぶ 〉<い い とこ ろ と頑 張 っ て欲 し い とこ ろ を言 う〉<で き な か っ た とこ ろ を意 識 させ る

〉 〈 自己 の振 り返 りを助 け,力 が 出せ る よ うにす る 〉 の5つ のサ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 さ れ た。

〈や れ てい る こ とを褒 め る 〉 は,頑 張 っ て い る こ と や 努 力 してい る こ と,や れ て い る こ とを認 め て褒 め た り,学 生 が 気 づ け る よ う にす る関 わ りで あ る。"休憩 時 間 とか に,な ん か 「行 き ます 」 み た い な(挨 拶 が)大 き な声 で言 え て た とか,聞 こえ た よ と言 った りとか …

(0氏)"の よ うに挨 拶 や,睡 眠 を削 っ て勉 強 して き た こ と(C氏)な ど さ ま ざ まな こ とを 褒 め てい た。

〈患 者 の反 応 を共 に喜 ぶ 〉 は,患 者 の言 葉 を伝 え た り,反 応 を一 緒 に喜 ぶ 関 わ り(D氏)で あ っ た 。

〈い い と ころ と頑 張 っ て欲 しい と ころ を言 う〉 は, 今 日の学 び の記 録 に は"一 つ い い こ とを書 い て,も う 二 つ く らい に な っ ち ゃ うん です け ど,も うち ょっ と こ うい う と ころ は頑 張 ろ うね とい う と ころ を書 くよ うに してい て …(L氏)"の よ うに記 録 の コ メ ン トや 対 話 を通 して(N氏)助 言 を 行 って い た 。

〈 で き な か っ た と ころ を意 識 させ る 〉 は,"も っ と こ う した らい い の に な と思 っ て る と ころ っ て,本 人 も直 した くな っ た り,気 づ け た と ころ で あ っ た りみ た い な 感 じな の で,あ ま り こ う気 に さ せ す ぎず …(1氏)"

学 生 が 気 づ い た課 題 を さ りげ な く意 識 させ る 関 わ りで あ っ た。

〈 自己 の振 り返 りを助 け,力 が 出せ る よ うにす る 〉 は,補 習 実 習 の学 生 に毎 日プ ロ セ ス レコー ドを書 い て も らい 思 考 を振 り返 っ て も らっ た り(K氏),患 者 の様 子 を振 り返 る時 に,教 員 が こ うだ っ た よね と言 うの で は な く学 生 に振 り返 っ て も らっ た方 が持 て る力 を活 か せ る(L氏)の よ うに,学 生 が主 体 的 に振 り返 りが で き る よ うに 関 わ っ て い た。

6)【 個 を理 解 し尊 重 す る】

コー ド数 は15で,〈 思 い や 考 え を 聞 く〉<個 を理 解 す る 〉 〈尊 重 す る 〉 〈生 活 面 をね ぎ ら う〉 の4つ の サ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 され た。

〈思 い や 考 え を 聞 く〉 は,"ま ず は 聞 く とか で す かね (A氏)"や"学 生 もす ご く考 え られ て るん だ な って, 聞い てい く とち ゃ ん と考 え られ てい る こ と とか も あ る の で(中 略)ち ゃ ん と気 持 ち を 聞 い て(G氏)"の よ う に,思 い や 考 え を き ち ん と聞 くとい う関 わ りで あ った 。

〈個 を理 解 す る 〉 は,患 者 との会 話 か ら"そ ん な話 して たん です ね とか,や っ ぱ りそ うい う こ とも あ る し

(7)

(D氏)"の よ うに学 生 へ の理 解 が深 ま っ た り,患 者 と の 関係 づ く りや 看 護 師 とのや り と りか ら個 性 をつ か む

(H氏)関 わ りで あ っ た。

〈尊 重 す る 〉 は,個 人 を尊 重 し,二 十 歳 前 後 の学 生 に とっ て実 習 は"本 当 に 日常 的 で は な い(H氏)"こ と を理 解 す る 関 わ りで あ っ た。H氏 は"学 生 個 人 と思 っ て 関 わ っ てい っ て あ げれ ぼ,そ の学 生 も病 気 とい うの で は な くて 患 者 さ ん … 患 者 さ ん とい うか病 気 を 持 っ て生 き て い る人 と思 っ て患 者 さ ん を見 て くれ る か な あ とい う とこ ろ が あ る の で,そ うい うふ うな感 じで私 も 意 図 的 に そ うい うふ うに して学 生 に 関 わ っ て あ げ た り

とか …"と 語 った 。

〈生 活 面 をね ぎ ら う〉 は,実 習施 設 に 時 間 をか け て通 って い る学 生 に,"頑 張 って い るね とい うよ うな 事 を 言 った り(E氏)"ね ぎ らいの 言 葉 を か け る関 わ りだ った 。

7)【 信 頼 し,待 つ 】

コー ド数 は9で,〈 しぼ ら く待 つ 〉<信 頼 し,あ き ら め な い 〉 の2つ のサ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 さ れ た 。

〈 しば ら く待 つ 〉 は,自 分 で考 え た り,気 づ け る よ うに す る た め,し ば ら く待 つ とい う関 わ り だ っ た 。 J氏 は"自 分 で 考 え させ る よ う に は し て い る の で"と い う一 方 で,"も う実 習 自体 が2週 間 … た っ た2週 間 な の で うま くい か な か っ た り とい う とこ ろ で,(中 略) 駆 け引 き とい うか,ど こ ま で待 て ば い い の か な とい う

とこ ろ は,な ん か最 近 ち ょ っ と難 し くな っ て き て る な と思 うの で"と 語 っ た。

〈信 頼 し,あ き ら め な い 〉 は,学 生 を信 頼 し,最 後 ま で諦 めず に気 がつ い て欲 しい点 につ い て根 気 強 く言 い 続 け る 関 わ りで あ っ た。M氏 は,患 者 の思 いや 考 え で は な く学 生 自身 の思 いや 考 え に よ っ て実 習 が進 め ら れ てい る あ る学 生 との 関 わ りに お い て,"「 これ が私 が 自分 の計 画 を患 者 さ ん に押 しつ け て る とい うこ とな ん です ね 」 とい うふ う に(学 生 が)言 う こ とが あ っ て, あ っ そ うなん だ よ っ て,そ こ分 か っ て気 づ け た ん だね

と言 っ て,そ こ を じゃ あ も う一 回患 者 さ ん にや っ ぱ り 聞い て おい で と言 っ て …(中 略)私 も言 い続 け て き た ん です け ど"と 根 気 強 い 関 わ りに よ っ て学 生 が変 化 し た経 験 を語 っ た。

8)【 グ ル ー プの 関 係 を調 整 す る】

コー ド数 は7で,〈 グル ー プ の 関係 を調 整 す る 〉 の 1つ のサ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 さ れ た。 い ず れ の対 象

者 も実 習 は5〜9人 の グル ー プ 単 位 で 担 当 して い た が, 主 にG氏 とJ氏 か ら語 りが得 られ た。G氏 は"ほ ん と に仲 が 悪 い 学 生 た ち は実 は こん な ん な ん だ と言 っ て き た りは します かね"と グル ー プ 内の 関 係 性 を 語 り,"前 の実 習 で うま くい っ て な くて,受 け入 れ られ な い とい

う状 況 も あ っ た の で,そ うい うの は最 初 にや っ ぱ り気 づ く と全 然 違 い ます"と い うよ うに,"最 初 の1週 間 く らい で あ る程 度(グ ル ー プ の 関 係 性 を)把 握 しな い と,実 習 が 終 わ る ま で に は 関 わ り き れ な い と い う か …"と,最 初 の1週 間 で 関係 性 を把 握 して い た。

J氏 は オ リエ ンテ ー シ ョンで お 互 い に 自 己紹 介 を行 い,

"お 互 い が 興 味 を も ち合 え る とい う雰 囲気"を 作 り , グル ー プ の リー ダー を決 め て い な い 中 で,"ま あ誰 か一 人 キ ー マ ン を見 つ け て,そ の子 に託 してみ る とか"の よ うに グル ー プ ダイ ナ ミク ス の形 成 に 関 わ っ て い た。

9)【 脅 威 に な らな い】

コー ド数 は13で,〈 脅 威 にな らな い 〉<1対1で 話 す 〉 〈 困 っ た時 は助 け る 〉 の3つ のサ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 され た。

〈脅 威 に な らない 〉 は,教 員 の存 在 が学 生 に とっ て 脅 威 とな らない よ う"な るべ く威 圧 感 とか そ うい うの を与 え な い よ うに(B氏)",ま た"潰 れ そ うに な っ て い る感 じに見 え る人 の場 合 は,脅 か さ な い よ うに あ ま り責 め ない とい うか,記 録 が書 け な くて も ゆ っ く りで い い よ とか(B氏)"の よ うに 関 わ って い た 。 ま た実 習 態 度 の悪 い 学 生 に対 して"私 との 関係 は ち ょっ と置 い てお い て,看 護 と して の注 意 だ け をす る よ うに しま し た。私 もそ ん な に 感 情 を 出 さ な い よ うに(K氏)"や"あ ま り理 不 尽 な 怒 り方 は しな い よ うに しよ う と思 っ て

(L氏)"の よ うに注 意 や 助 言 をす る 時 に脅 威 とな らな い よ うに 関わ っ てい た。

〈1対1で 話 す 〉 は,学 生 が 困 っ て い る こ とは学 生 が 話 しや す い よ うに1対1で 話 した り(1氏),"改 善 点 を求 め る時 は ま あみ ん な の前 で改 善 点 を求 め る の で は な くて,な るべ く1対1に して,ほ め る時 はみ ん な の前 で ほ め る とい うス タイ ル にす る(Q氏)"と い う関 わ りだ っ た。

〈 困 っ た時 は助 け る 〉 は,"患 者 さ ん と意 思 疎 通 が と れ てい ない(A氏)"学 生 や,患 者 との 関係 でつ まつ い てい る学 生 に"目 を か け た り とか,手 を か け た り とか 一 応 して い るつ も りな ん で す け ど(A氏)"の よ うに,

(8)

学 生 が 困 っ た時 に助 け る 関 わ りで あ っ た。

10)【 自分 との 付 き合 い方 を学 ん で も ら う】

コー ド数 は2で,<自 分 との付 き合 い方 を学 ん で も ら う〉 の1つ の サ ブ カ テ ゴ リー か ら構 成 さ れ た。B氏 は,"摂 食 障 害 が あ っ た り,う つ っぼ か った り とか"メ ン タル 面 で 問題 の あ る学 生 に対 して,"自 分 で そ の病 気

と うま く付 き合 っ て,で,仕 事 がや っ て い け る とい う のが 多 分 必 要 に な る と思 っ てい る の で,(中 略)患 者 さ ん と付 き合 え る 自分 の気 持 ち,精 神 状 態 が保 て る だ と か っ てい う こ とを今 の うち に学 習 して も らえ た らい い か な と思 うの で"と 語 り,病 気 と付 き合 い な が ら患 者

と向 き合 え る よ う学 習 をサ ポー トして い た。

表2教 員 が 学 生 に 対 して お こ な って い る ケ ア リ ング

カ テ ゴ リー サ ブ カ テ ゴ リー コ ー ド

緊 張 を緩 和 し,環 境 を 整 え る

緊 張を緩和 する B一① 初 め の ク ー ル は 緊 張 しす ぎ な い よ う に 落 ち 着 い て 患 者 と 関 わ れ る よ うに す る

D一④ 緊 張 し て し ゃべ れ な い学 生 に は ケ ア の 目 的 や 根 拠 を整 理 す る E一① 緊 張 が 強 い 時 は,そ の 時 々 で 言 葉 を か け る

H一② 顔 が こわ ば って い た り落 ち 着 か な い 学 生 に は 全 然 関 係 な い 話 を す る L一① 緊 張 が 楽 に な る よ う声 か け した り準 備 の確 認 を して 送 り出 す L一② 前 情報 や 表 情 を見 て,リ ラ ッ ク ス させ る よ う な 声 をか け る L一③ 緊 張 し て く る気 持 ち を ほ ぐす

N一⑧ 個 別 性 を 見 て 不 安 が 強 い学 生 は と に か く褒 め る P一② 緊 張 し て い る学 生 は 一 緒 に 患 者 の と こ ろ に 行 く 力 を 出 せ る よ う 環 境

を整 え る

H一⑥ 自分 で や っ て い け る よ う環 境 を整 え る

K一⑥ 学 生 との 関 わ りで 工 夫 して い る こ とは ス タ ッ フ に 説 明 して 協 力 を 得 る N一② 実 習 場 で 安 心 して 自分 が 出 せ る環 境 を つ く る

患者 や看護 師 との 関係 を調整 する

A一②(大 変 な 状 況 で は)落 ち着 い て患 者 の 話 を 聞 け て い る か ど うか 聞 く F一⑨ 看 護 師 の 指 導 が 脅 威 と感 じる 時 は 側 に い る

H一⑧ 患 者 や 看 護 師 と の 付 き合 い の 負 担 感 を取 り除 く

1一① 患 者 の こ と や 看 護 師 との 調 整 で 困 って い な いか 声 を か け る

L一⑥ 患 者 に 拒 否 され た 理 由 を 自分 で考 え させ な が ら,受 け持 ち を継 続 で き る よ う調 整 す る

N一① 看 護 師 と の 調 整 が 出 来 な い学 生 に は,「 一 緒 に行 こ うか 」 と 一 緒 に 行 き,

「明 日 は 一 人 で 行 け る よ う頑 張 ろ う」 と 声 をか け る

Q一⑤ 学 生 の 意 思 を尊 重 しな が ら患 者 と の 関 わ りが う ま く い くよ う調 整 す る 気 持 ち を楽 に させ る F一② 分 か る わ け な い や ろ う,完 壁 に で き るわ け な い や ろ う と 気 持 ち を 楽 にす る

J一① 失 敗 体 験 を 植 え付 け な い よ う フ ォ ロー す る

K一①1週 目患 者 に 何 して い い か 分 か らな い と 言 う学 生 に は 分 か ら な くて 当然 で す と言 う

学 習に配慮 す る 記 録 の 進 め 方 を個 に 合わ せ る

B一③ 記 録 の 課 題 は 個 に 合 わ せ る

C一① 緊 張 を 感 じ る時 は 記 録 の 進 め 方 を 特 に 話 し合 う H一⑤ 自分 で 考 え られ る よ う範 囲 を限 定 した り状 況 を 整 え る

(9)

カ テ ゴ リー サ ブ カ テ ゴ リー コ ー ド K一② 看 護 過 程 の 進 め 方 が 分 か る ま で確 認 す る

P一① き れ い に 書 こ う と 思 わ な く て い い か ら落 書 きみ た い で い いか ら書 い て ご らん と言 う

学 習 よ りも体 験 を 優 先 させ る

G一⑥ 学 習 よ りも 学 生 の 気 持 ち を 優 先 して 実 践 させ る

G一⑩ で き な い 技 術 は 学 生 に 任 せ る の で は な く 患 者 と の 間 に 入 り そ の 場 で 指 導 す る

L一⑧ 血 圧 が 測 れ な い こ と を駄 目 と は言 わ ず,ち ょ っ と 気 に な る け ど 患 者 の と こ ろ に 行 こ うか と促 す

学 習に配慮 する N一⑧ 成 績 や 演 習 の 取 り組 み,プ ラ イ ベ ー トな 問 題 か ら受 け持 ち 患 者 を 少 し考 え て お く

観 察 し声 を か け る あ れ と 思 っ た ら 声 を か け る

A一① 看 護 過 程 で つ ま つ い て い る と こ ろ や 疑 問 が あ りそ うな と こ ろ を 予 想 して 声 を か け る

E一⑥ 病 棟 で 様 子 をみ な が ら ち ょい ち ょい 声 を か け る J一③ あれ と思 っ た ら ボ ー ル を 投 げ てみ る

M一② 最 初 は 「何 か 困 って な い?」 と 聞 くが,様 子 が 分 か っ て くる と 「今 日 は ど う だ った?あ の 時 ど う だ った?」 と聞 く

N一⑨ 表 情 が 暗 い 学 生 に 「な に か あ っ た の?」 と聞 く 体 調 や 気 持 ち を観 察

す る

A一③ 朝 実 習 に 向 き合 え て い る か ど う か 確 認 す る D一① 初 日に 前 の 実 習 と 比 べ た 感 想 を 聞 く G一⑪ 実 習 に 対 す る思 い を 聞 い て 対 応 す る L一⑱ 記 録 の 表 情 か ら体 調 や 行 き 詰 りを 察 す る L一⑲ 表 情 を 見 て 関 わ り方 を変 え る

R一① 体 調 や 寝 て い る か ど うか を 聞 く 助言 と提 案 をす る 背 中を押す F一① 力 の あ る 学 生 は 力 が 出 せ る よ う に す る

L一⑩ こ こは や れ そ う と 思 っ て い る と こ ろ を伸 ば す よ うな 声 を か け る

Q一② ス トレス に な らな い よ う進 捗 状 況 をみ な が ら実 習 に 出 て き て か つ ケ ア を す る こ と が 大 切 な の だ と説 く

Q一③ 指 示 が 欲 し い 学 生 に は 少 し指 示 して うま く い っ た ら次 は 一 人 で 出 来 る は ず だ か ら考 え て み よ う,一 緒 に見 る か ら と言 う

様 子 をみ な が ら助 言 す る

A一⑧ ど う受 け と め て い る の か ど う思 っ て い る の か 考 え な が ら注 意 す る K一⑤ 学 生 は 経 験 が な い の で 経 験 に 基 づ くア ドバ イ ス を す る

K一⑦ どの く らい や る気 が あ るか 見 な が ら意 欲 をそ が な い よ うに ア ドバ イ スす る L一④ コ メ ン トは 柔 ら か い 色 で書 く

は っ き り言 う A一⑦ は っ き りと 言 わ な け れ ば な ら な い こ と は 「こ こ は こ う思 う け ど ど うか な 」 と 言 う

G一⑧ 自分 の 価 値 観 で 動 く こ と が 患 者 を 尊 重 で き な い こ と に つ な が る 時 は 考 え て欲 しい と 言 う

H一⑦ 覚 悟 を 決 め て 看 護 観 を覆 す

(10)

カ テ ゴ リー サ ブ カ テ ゴ リー コ ー ド

L一⑯ 患 者 に 苦 痛 を与 え る こ と は 気 づ くよ う ち ょ っ と 待 つ が,気 づ け な い 時 は 分 か る よ う に 厳 し く言 う

一 緒 に 考 え提 案 す る A一⑤ 課 題 は す ぐ に は 直 せ な い か も しれ な い が 次 に つ な が る よ う に 今 ど う した ら よ い か を 一 緒 に 考 え る

F一④ や っ た ケ ア が い い 悪 い は 言 わ ず,ど うす れ ば い い か を 一 緒 に考 え る M一③ 考 え て い る こ と や 感 じて い る こ と,状 況 が 分 か る よ う に 聞 い て 「こ う した

らい い か ね 」 と提 案 す る

Q一⑨ や り方 を こ う変 え て み た ら ど うか と提 案 す る や れ て い る こ と と

頑 張 っ て 欲 し い こ と を意 識 させ る

や れ て い る こ と を 褒 め る

C一② 睡 眠 を 削 っ て 勉 強 して き て 一 日 緊 張 の 中 で 過 ご した 日 は,で き た と こ ろ を 言 う

E一② 自分 で で き た と こ ろに 気 づ け る よ うに す る G一⑬ 成 長 した り出 来 た こ と は な る べ く褒 め る

G一⑭ 患 者 の 反 応 を喜 び,こ こ ま で や っ た か ら と介 入 を 確 認 で き る よ うに す る J一⑤ 患 者 の 変 化 を学 生 に か わ って 言 語 化 す る

L一⑪ 努 力 し て い る こ と は い い よ そ の 感 じで と 言 う L一⑫ 出 来 て い る と こ ろ に 目 を や り素 直 に 褒 め る

L一⑬ 出 来 て い な い と こ ろの 指 摘 は ぐっ と我 慢 して,ち ょ っ と した い い と こ ろ を さ が して 言 う

N一④ 褒 め て 長 所 を強 化 す る

N一⑥ 頑 張 った と こ ろ を 褒 め る と学 生 と 信 頼 関 係 が で き る N一⑩ や る 気 に つ な が る よ う意 図 して褒 め る

0一① 必 ず 褒 め る と い う こ と で は な いが,変 わ った と思 う こ と が あれ ば ロ に 出 す 0一② 挨 拶 の 声 が 大 き くな れ ば 大 き な声 で 聞 こ え た よ と言 う

0一③ ベ ッ ドサ イ ドで は い い顔 して た よ と言 う 患者 の反応 を共 に

喜ぶ

D一② や る 気 が な い と言 う学 生 に1よ 患 者 の い い 反 応 を 伝 え て 喜 び を 共 有 す る D一③ 患 者 の 言 葉 を伝 え る

D一⑤ 患 者 の 反 応 を一 緒 に 喜 び,関 わ りを 認 め る

Q一① 患 者 に ケ ア して 喜 ん で も ら う こ とが 自分 の 喜 び に も な る こ と を大 切 にす る い い と こ ろ と 頑 張 っ

て 欲 し い と こ ろ を 言 う

L一⑤ コ メ ン トは い い と こ ろ と頑 張 っ て 欲 しい こ と を書 く N一⑤ 出 来 て い な い こ と を 伝 え る た め に5か10褒 め る で き な か っ た と こ ろ

を意 識 させ る

E一③ で き な か っ た こ と は こ う考 え られ た ね と 言 う

F一③ で き な か っ た こ と が 何 で な ぜ で き な か っ た の か を 分 か っ て い れ ば い い と 言 う

1一③ 頑 張 っ て欲 し い と こ ろ は本 人 も気 が つ い て い る の で 気 に させ す ぎ な い 自 己 の 振 り返 り を

助 け,力 が 出 せ る よ う にす る

G一⑦ 自分 を 認 め る こ と が 成 長 に つ なが る の だ と い う こ と を伝 え た い J一⑧ い い と こ ろ を見 つ け そ こ を 強 化 して 幅 を 広 げ る

K一③ 補 習 実 習 で 毎 日 プ ロセ ス レ コー ドで 思 考 を 振 り返 る

(11)

カ テ ゴ リー サ ブ カ テ ゴ リー コ ー ド

L一⑨ 自 身 を 振 り返 り,持 て る 力 を活 か せ る よ うに す る 個 を理 解 し尊 重 す

思 い や 考 え を 聞 く A一⑥ あ な た は ど う思 うの か と振 る A一⑨ ま ず は 聞 く

F一⑦ 学 生 の 言 う こ と は 一 回 受 け とめ る F一⑧ 責 め な い ロ 調 で 話 を 聞 く

G一⑤ 学 生 の 考 え や 気 持 ち を ち ゃ ん と 聞 く G一⑫ ど の 学 生 に も今 の 気 持 ち を 聞 く M一① 話 を 聞 く こ と

個 を理解す る D一⑥ 患 者 と話 し学 生 へ の 理 解 を 深 め る

H一③ 患 者 との 関 係 づ く りや 看 護 師 と の や り と りか ら個 性 を つ か む 1一④ 窮 地 に 置 か れ た 状 況 か ら素 の 学 生 を 発 見 す る

尊重 す る H一⑨ 一 人 の 人 間 と して 尊 重 す る

H一⑩ 実 習 は 二 十 歳 の 子 に と っ て 日常 で は な い こ と を 分 か っ て 関 わ る J一⑨ 前 評 判 でみ て い な い よ と 示 す

L一⑰ 患 者 の こ と も 自分 の こ と も 大 事 に す る こ とは 厳 し くす る 生 活 面 をね ぎ ら う E一④ 通 学 に 時 間 の か か る 学 生 は 頑 張 っ て い る ね とね ぎ ら う 信 頼 し,待 しば ら く待 つ J一⑥ 自分 で 考 え させ る た め ど こま で待 つ か 駆 け 引 き す る

L一⑦ 自分 で 気 づ く よ うち ょ っ と待 つ

L一⑭ 厳 し く言 った ら様 子 を見 た り,関 わ りす ぎ た ら距 離 を置 い た り方 法 を変 え る Q一④ で き な い と 感 情 的 に な る学 生 は,そ っ と 時 間 を お い て 出 来 る よ うに な る ま

でみ て い く

信 頼 し,あ き ら め な い C一④ 学 生 を 第 一 に 信 頼 す る G一⑨ 学 生 の こ と を最 初 に 諦 め な い J一⑦ 学 生 を 最 後 ま で 諦 め な い R一② 根 気 強 く言 い 続 け る

R一③ 今 気 が つ か な い と ナ ー ス に な っ た 時 に 困 る と い う こ と は 言 い続 け た グ ル ー プ の 関 係 を

調 整 す る

グル ー プの 関 係 を 調 整 す る

F一⑥ 抱 え て い る こ と を 自分 の 中 だ け に 留 め な い よ うみ ん な に 聞 く よ う仕 向 け る G一① グ ル ー プ が 成 長 で き る よ う人 間 関 係 に 目 を 配 る

G一② グ ル ー プ で 何 か あ りそ う な 時 は 聞 く G一③ グ ル ー プ の 問 題 は最 初 の1週 間 で 把 握 す る

G一④ 前 の 実 習 で グ ル ー プの 人 間 関 係 が うま くい っ て な か った 状 況 に 早 く気 づ く J一② オ リエ ン テ ー シ ョ ンで お互 い に 自 己 紹 介 す る

J一④ グ ル ー プ ダ イ ナ ミク ス の 突 破 ロ を 開 い て くれ そ うな 学 生 に 託 す 脅 威 に な らな い 脅 威 に な ら な い B一② 威 圧 感 を 与 え な い

B一④ 潰 れ そ う な 学 生 は 記 録 が 書 け な くて も 脅 か した り責 め た り しな い

(12)

カ テ ゴ リー サ ブ カ テ ゴ リー コ ー ド C一③ 教 員 は 評 価 者 で あ る と い う意 識 を させ な い F一⑤ 脅 威 に な る よ う な 雰 囲 気 は 出 さ な い K一④ 自分 の 感 情 は 出 さ ず に 注 意 す る L一⑮ 理 不 尽 な 怒 り方 は しな い

N一③ 教 員 が 安 心 材 料 に な れ ば学 生 は 自 立 して ス テ ッ プ を踏 ん で い く 1対1で 話 す H一① 人 前 で 言 う と閉 じ こ も りそ う な学 生 に は そ っ と 声 を か け る

1一② 困 っ て い る こ と は1対1で 話 す

Q一⑧ 改 善 を 求 め る時 は1対1で,褒 め る と き は み ん な の 前 で す る 困 っ た 時 は助 け る A一④ つ ま つ い て い る学 生 に は 目 をか け 手 を か け る

Q一⑥ 明 る い 雰 囲 気 で 細 か い こ とは あ ま り言 わ ず,困 った 時 は 助 け る

Q一⑦ 困 った 時 に 教 員 に 頼 るか ど うか は 学 生 次 第 で,学 生 の 意 思 と必 要 に 応 じて 介 入 す る

自 分 と の 付 き 合 い 方 を 学 ん で も ら う

自 分 と の 付 き 合 い 方 を学 ん で も ら う

H一④ 自分 との 付 き合 い 方 を覚 え て 実 習 して い け る よ うに 関 わ る H一⑪ 病 気 と付 き 合 い な が ら患 者 と付 き 合 え る よ う学 習 をサ ポ ー トす る

皿.考 察

臨地 実 習 で教 員 が学 生 に対 して お こ な っ て い る ケ ア リン グ を明 ら か にす る 目 的 で調 査 を行 っ た とこ ろ,10 の カ テ ゴ リー に ま とめ られ た。 以 下,結 果 に基 づ き考 察 を述 べ てい く。

1.対 象 者 の属 性 と実 習 環 境 に つ い て

今 回,縁 故 法 に よ り対 象 者 を得 た とこ ろ18人 の参 加 協 力 を得 た。 教 育 歴 は1〜8年 で,や や ば らつ き が み られ た が,全 員 職 位 は助 教 で あ っ た。 対 象 を 臨地 実 習 で学 生 指 導 に携 わ っ て い る教 員 と した た め,教 員 の 中 で も若 手 で あ り,実 習 指 導 の機 会 の多 い助 教 が対 象 とな っ た。 そ の た め今 回 の研 究 結 果 につ い て は,看 護 教 員 の 中 で も教 育 歴10年 未 満 の若 手 の教 員 に 限定 さ れ た結 果 で あ る と言 え る。 主 要 な担 当科 目 は,基 礎 看 護 学 実 習,成 人 看 護 学 実 習,老 年 看 護 学 実 習 な どで あ り,成 人 期 か ら老 年 期 に あ る対 象 を受 け持 つ 実 習 の担 当者 で あ っ た。 実 習 期 間 は2〜4週 間,教 員 一 人 あ た りの受 け持 ち学 生 数 は5〜9人 と違 い が あ っ た。 以 上 の こ とか ら,成 人 期 か ら老 年 期 の対 象 を受 け持 つ 実 習 を担 当す る教 育 歴10年 未 満 の 助 教 で あ る とい う点 が, 今 回 の対 象 者 の特 徴 で あ る と言 え る。

2.教 員が 学 生 に対 して お こ な っ て い る ケ ア リン グ イ ン タ ビ ュー の 内容 は,【 緊 張 を 緩 和 し,環 境 を整 え

る】 【学 習 に 配 慮 す る 】 【観 察 し声 を か け る】 【助 言 と 提 案 を す る】 【や れ て い る こ と と頑 張 っ て欲 しい こ と を意 識 させ る】 【個 を 理 解 し尊 重 す る 】 【信 頼 し,待 つ 】

【グル ー プ の 関係 を調 整 す る】 【脅 威 に な らな い 】 【自 分 との付 き合 い方 を学 ん で も ら う】 の10の カ テ ゴ リ ー に ま とめ られ た。

先 行 研 究 で明 らか とな っ てい る学 生 が捉 え た教 員 の ケ ア リン グ は,【 承 認,傾 聴,内 省 の 促 し,学 生 の人 権 へ の配 慮 】7),【 学 生 と共 に在 る,モ デ リン グ,教 員 の 態 度 ・雰 囲 気,成 長 の た め の 適 切 な 助 言 】8),【 対 話, 学 生 の意 思 を尊 重 し環 境 を整 え る こ とで で き る 限 り学 生 の実 践 に繋 げ る こ と,モ デ リン グ,確 認 】9),【 待 つ こ と ・信 じる こ と,学 生 が体 験 して い る こ とに 関心 を もつ 】11)な どが あ る 。今 回 の 研 究 か ら得 られ た10の カ テ ゴ リー と重 な る 内容 が多 い 。

【緊 張 を緩 和 し,環 境 を整 え る】 は,緊 張 の強 い学 生 に対 して,気 持 ち を ほ ぐ した り楽 に な る よ うな言 葉 をか け,患 者 や 看 護 師 との 関 わ りが うま くい くよ うに 調 整 し,サ ポー トす る 関 わ りで あ る。B氏 は,3年 次 の領 域 別 実 習 開始 時 の学 生 は特 に緊 張 が強 い と感 じて い た。 谷 垣 らは,臨 地 実 習 とい う授 業 は学 外 で行 われ る も の で あ り,学 生 に と って 馴 染 み の な い 場 所 で あ る。

そ の よ うな場 所 で,さ らに新 しい 体 験 を前 に して不 安

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を感 じてい る学 生 に対 して,教 員 は単 に知 識 や 技 術 の 指 導 以 上 に学 生 に安 心 感 を も た らす 役 割 が あ る8)と 述 べ て い る 。 ま た ケ ア リ ン グ カ リキ ュ ラ ム の 理 論 モ デ ル4)の 中 で は,学 生 の学 習 を導 くよ うな肯 定 的 な環 境 を提 供 す る必 要 性 が述 べ られ て い る。 教 員 か ら の学 生 の緊 張 を ほ ぐす 言 葉 か けや,患 者 や 看 護 師 との 関 わ り で 困 っ てい る こ とが あれ ぼ 間 に入 っ て調 整 す る役 割 は, 学 習 が進 む た め の環 境 づ く りで あ り,学 生 に安 心 を も た らす 関 わ りで あ る。

【学 習 に配 慮 す る】 は,記 録 や 課 題 の進 め方 を個 別 性 に合 わせ た り,事 前 学 習 や 練 習 が 不 十 分 で あ って も, 時 に は そ の状 況 に お い て体 験 す る こ とを優 先 させ,患 者 に看 護 技 術 を実 施 す る 関 わ りで あ る。 澤 田 ら11)は, 実 際 の指 導 場 面 で 臨床 指 導 者 や 教 師 は,学 生 が体 験 し てい る こ とを全 面 的 に受 け止 め る前 に,学 習 方 法 や 記 録 の指 導 に力 を入 れ て しま う傾 向 に あ る と述 べ て い る。

ま た谷 垣 ら8)は,看 護 実 践 は行 うこ とが で き て も書 く こ とが苦 手 な学 生 に とっ て,書 かれ た も の だ け で評 価 され る こ とや,で き ない 点 だ け を指 摘 され る の はつ ら い と思 わ れ る と述 べ てい る。 記 録 や 学 習 よ りも体 験 を 重 視 す る とい うこ とで は な い が,メ イ ヤ ロ フ は ケ ア の 要 素2)の 中 で,リ ズ ム を変 え る とい う要 素 を挙 げ て い る。 これ は,習 慣 に従 っ てパ ター ン で ケ アす る の で は な く,過 去 の経 験 か ら学 び と り,よ りよ く他 者 を援 助 す る た め に,自 分 の行 動 を そ の ま ま続 け た り,正 して い く とい うこ とで あ る。 学 習 内容 と して何 を優 先 させ る の か を そ の患 者 や 学 生 の状 況 の 中 で見 極 め,そ の都 度 も っ とも 良い 判 断 を して い く関 わ りが求 め られ る。

【観 察 し声 を か け る】 は,状 況 を予 測 しな が ら学 生 を観 察 した り,声 を か け る 関 わ りで あ る。 対 象 者 は, 学 習 のつ まづ きや 体 調,睡 眠,実 習 に 向 か う気 持 ち な

どを察 して,声 を か け てい た。 ま た そ の声 か け が,対 話 の き っ か け とな っ て い た。 ノ デ ィ ン グ ス は,ケ ア リ ン グ の た め の道 徳 教 育 に は,モ デ リン グ,実 践,確 認

と とも に対 話 の重 要 性 を述 べ て い る3)。 対 話 の重 要 性 につ い て は,先 行 研 究 の 【傾 聴 】7),【 対 話 】9)か ら も 明 ら か で あ り,本 研 究 で明 ら か とな っ た 【観 察 し声 を か け る】 関 わ りは,J氏 の"核 心 に迫 る よ うな投 げ か け で な くて も,ち ょ っ とそ うい う,こ うボー ル を投 げ てみ る と…"の 語 りか ら も,学 生 の生 活 状 況 や 困 っ て い る こ とを知 る き っ か け とも な っ て い た。 メイ ヤ ロ フ

は,「 誰 か を ケ ア す る た め に は,私 は多 くの こ とを知 る 必 要 が あ る。 例 え ば,そ の人 が どん な人 な の か,そ の 人 の力 や 限界 は どの く らい な の か,そ の人 の求 め て い る こ とは何 か,そ の人 の成 長 の たす け に な る こ とは い っ たい 何 か 一 な どを私 は知 らね ば な らな い12)」と述 べ てい る。学 生 を よ く知 るた め に は 対 話 が 必 要 で あ るが, そ の き っか け と して,学 生 を よ く観 察 す る 関 わ りが求 め られ る。

【助 言 と提 案 をす る】 は,学 生 の思 いや 考 え,意 欲 をみ なが ら助 言 を行 っ た り,患 者 の ケ ア につ い て一 緒 に考 え,提 案 す る 関 わ りで あ る。 患 者 の ケ ア に 関す る 助 言 や 提 案 は,教 員 の重 要 な役 割 で あ る が,そ の熱 意 の あ ま り,指 導 とい う名 の説 教 に な っ た り,次 々 と追 い 討 ち をか け る よ うな質 問や 説 明 に な る11)ことが あ る。

学 生 は,患 者 を ケ アす る看 護 者 と して は初 学 者 で あ る が,も とも と人 と して様 々 な能 力 や 個 性 を も ち,成 長 の可 能 性 を もつ 存 在 で あ る。 教 員 に は,学 生 が体 験 し てい る こ とや 思 い を知 っ た上 で,成 長 につ な が る よ う な助 言 や 提 案 が求 め られ る。

【や れ てい る こ と と頑 張 っ て欲 しい こ とを意 識 させ る】 は,や れ てい る こ と と頑 張 っ て欲 しい こ との両 方 を教 員 は見 て,学 生 が意 識 で き る よ う褒 め た り,患 者 の反 応 を共 に喜 ん だ り,振 り返 りを支 援 す る 関 わ りで あ る。 これ は 先 行 研 究 の 【承 認,内 省 の 促 し】7),【成 長 の た め の適 切 な助 言 】8),【確 認 】9)と 同様 の 関 わ り で あ る。 本 研 究 の対 象 者 の語 りか らは,褒 め る こ とは 積 極 的 に,頑 張 っ て欲 しい 課 題 につ い て の助 言 は慎 重 に行 う姿 勢 が うか が え た。 や れ てい る こ とや 頑 張 っ て い る こ とを認 め て褒 め る教 員 の 関 わ りは,学 生 の実 習 や 学 習 に対 す る 自己効 力 感 を高 め る。 一 方,教 員 が課 題 につ い て の助 言 に慎 重 な の は,助 言 の 内容 や や り方 に よ っ て,学 生 を傷 つ け た り,自 己効 力 感 を低 下 させ る た め で あ る と考 え る。メ イ ヤ ロ フ は ケ ア の要 素2)の 中 で,信 頼 とい う要 素 を挙 げ てい る。 これ は,ケ アす る相 手 を信 頼 す る とい う意 味 も あ る が,ケ アす る人 は 自分 の考 え が真 をつ い て い そ うに思 え る とき の 自分 の 感 覚 を,ま たい つ そ の考 え を一 掃 す る か につ い て の決 断 を 下 す と き の 自分 の 感 覚 を 信 頼 しな け れ ば な ら な い13)と あ る こ とか ら,ケ アす る 自分 も信 頼 す る とい う 意 味 が あ る。 つ ま り,学 生 の成 長 に とっ て必 要 な こ と だが 言 い に くい こ とを助 言 す る時 に は,学 生 へ の信 頼

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とそ の決 断 を行 う教 員 の経 験 や 自分 自身 へ の信 頼 が根 底 に あ る こ とが求 め られ る。

【個 を理 解 し尊 重 す る】 は,学 生 の思 いや 考 え を 聞 き,個 人 と して尊 重 す る 関 わ りで あ る。 これ は先 行 研 究 の 【傾 聴 】7)と 同 様 の 関わ りで あ る 。 対 象 者 は,実 習 に 関す る学 生 の思 いや 考 え を き ち ん と聞 き,時 に は 患 者 との 会 話 か ら学 生 を理 解 して い た。 谷 垣 ら8)は, 学 生 に とっ て,実 習 に お け る看 護 実 践 の体 験 は初 め て の こ とが ほ とん どで あ り,自 分 が実 施 した ケ ア に対 し て,「 これ で よ か った の だ ろ うか … 」 とい う不 安 を も っ てい る こ とが多 い。 だ か ら こ そ,ま ず は学 生 の話 を よ く聴 く姿 勢 が求 め られ る と述 べ て い る。

【信 頼 し,待 つ 】 は,学 生 が 自分 で考 え た り,気 づ け る よ うにす る た め しば ら く待 っ た り,最 後 ま で学 生 を信 頼 して諦 めず,根 気 強 く言 い 続 け る関 わ りで あ る。

これ は先 行 研 究 の 【待 つ こ と,信 じる こ と】11)と 同様 の 関 わ りで あ る。 メイ ヤ ロ フ は ケ アの 要 素2)の 中 で, 忍 耐 とい う要 素 を挙 げ て い る。 これ は ケ アす る相 手 へ の 関与 の一 つ の あ り方 で あ り,忍 耐 に よ っ て,相 手 に とっ て よい とき に,相 手 に そ っ た方 法 で,相 手 を成 長 させ る こ とが で き る の で あ る14)。つ ま り,成 長 は これ を強 制 で き る も の で は な く,相 手 に時 間 を与 え る こ と で好 機 を見 つ け させ る こ とが で き る14)とい うの で あ る。

教 員 に は,学 生 の成 長 を信 じて,忍 耐 強 く介 入 の好 機 を うか が っ た り,最 後 ま で諦 めず に 関 わ り続 け る勇 気 が 求 め られ る。 そ して そ うい っ た 関 わ りを通 して,教 員 自身 も教 育 者 と して成 長 す る の だ と考 え る。

【グル ー プ の 関係 を調 整 す る】 は,グ ル ー プ の人 間 関係 を調 整 し,グ ル ー プ ダイ ナ ミ ク ス の形 成 に働 き か け る 関 わ りで あ る。 先 行 研 究 で 明 ら か とな っ て い る学 生 が 捉 え た教 員 の ケ ア リン グ の 中 に グル ー プ の人 間 関 係 を調 整 した り,グ ル ー プ ダイ ナ ミ ク ス に働 き か け る カ テ ゴ リー は な く,宮 脇 の研 究 結 果7)の 中 で,【 学 生 の人 権 へ の配 慮 】 の コー ドと して,学 生 は グル ー プ メ ンバ ー との 関 わ りの 中 で 困窮 して い る時,教 員 か ら の 支 援 を必 要 と して い る こ とが述 べ られ て い る。 今 回 の 研 究 は教 員 が対 象 で あ っ た こ とか ら,教 育 の 中 で グル ー プ ダイ ナ ミ ク ス を活 用 す る教 員 の意 図や 考 え が語 ら れ た結 果 で あ る と考 え る。 今 回 の対 象 者 の 中 で も特 に G氏 とJ氏 は,実 習 に お け る グル ー プ ダ イ ナ ミ ク ス の 重 要 性 を認 識 し,グ ル ー プ の人 間 関係 の調 整 に積 極 的

に働 きか け てい た。 学 生 は患 者,臨 床 指 導 者,教 員 だ け で な く,グ ル ー プ メ ンバ ー との 関 わ りに も悩 み,支 援 を必 要 と してい る こ とか ら,グ ル ー プ の人 間 関係 に つ い て 関心 を も ち,そ の特 徴 を よ く理 解 した うえ で, 必 要 な時 に は介 入 す る こ とが求 め られ る。

【脅 威 に な らない 】 は,教 員 の存 在 や 関 わ りが脅 威 に な らない よ うに して,学 生 が 困 っ て い る時 に は助 け る 関わ りで あ る。 これ は先 行 研 究 の 【学 生 の人 権 へ の 配 慮 】7),【教 員 の態 度 ・雰 囲気 】8)と 同様 の 関 わ りで あ る。 対 象 者 の語 りか らは,学 生 に脅 威 を与 え な い よ うな態 度 で 関 わ り,話 をす る 時 は1対1で 話 し,学 生 が 困 っ てい る時 に は助 け る 関 わ りが 明 らか とな っ た。

谷 垣 ら8)は,学 生 の 中 に は教 員 を評 価 す る人 と して捉 え る傾 向 が あ り,本 音 と建 前 を 使 い 分 け る こ とが あ る。

そ の た め,教 員 の 関 わ り方 次 第 で,学 生 の実 習 体 験 が 実 り多 い も の に も なれ ぼ,逆 に 自信 喪 失 や 自尊 感 情 の 低 下 につ な が る と述 べ て い る。 ま た メイ ヤ ロ フ は ケ ア の要 素2)の 中 で,正 直 と謙 遜 とい う要 素 を 挙 げ て い る。

正 直 とは,自 分 自身 に面 と向 かい,ケ アす る相 手 に対 して 心 を 開 き,あ るが ま ま の 相 手 を見 つ め る こ と15) で あ り,謙 遜 とは,相 手 につ い て継 続 的 に学 ぶ こ と, つ ま りケ ア され てい る人 か ら学 ぶ こ と16)であ る。教 育

とは,学 生 の 成 長 に 携 わ る営 み で あ る こ とを 肝 に 銘 じ, 教 員 は メイ ヤ ロ フ の言 う正 直 と謙 遜 の態 度 で 臨 む必 要 が あ る。 そ の よ うな態 度 で学 生 と共 に在 る こ と8)が, 学 生 の成 長 を助 け,ま た教 員 自身 も成 長 す る こ とに繋 が る と考 え る。

【自分 との付 き合 い 方 を学 ん で も ら う】 は,先 行 研 究 で明 らか とな っ て い る学 生 が捉 え た教 員 の ケ ア リン グ の 中 に はみ られ な い カ テ ゴ リー で あ る 。 【グル ー プ の 関係 を調 整 す る】 と同様 に,今 回 の研 究 は教 員 が対 象 で あ っ た こ とか ら,教 員 の教 育 的 な意 図や 考 え が語 られ た結 果 で あ る と考 え る。 これ は,メ ン タル 面 で 問 題 の あ る学 生 が,自 分 の病 気 と付 き合 い な が ら患 者 と 向 き合 え る よ う支 援 す る 関 わ りで あ る。 看 護 大 学 が増 え る 中 で,入 学 して くる学 生 の背 景 や 動 機 も多 様 化 し てい る。教 員 は そ の 対 応 に 困 難 を 感 じ る こ と も多 い が, 臨床 指 導 者,看 護 ス タ ッフ,臨 床 心 理 士 な どの専 門家, 時 に は学 生 の家 族 も巻 き込 み な が ら,関 わ っ て い く こ

とが 求 め られ る。

ケ ア に おい て は,成 果 よ りも過 程 が第 一 義 的 に重 要

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