宮城県製材企業の現況と問題点(2)
著者 仁昌寺 正一
雑誌名 東北学院大学論集. 経済学
号 84
ページ 133‑152
発行年 1980‑12‑20
URL http://id.nii.ac.jp/1204/00024461/
宮城県製材企業の現況と問題点(2)
仁昌寺正一
目 次 はし承き
宮城県製材企業の動向分析 一統計資料を中心として−
(1) 製材業をめぐる播給動向
①製材品の需要動向
②製材用素材の供給状況 (2) 製材企業の企業規模動向 (31 木材流通機構の特質
①素材入荷経路について (i) 系列化の問題 (ii) 素材入荷経路の特徴
②製材品の販売経路について
(41 小 括 ………・ ・ ・ ・・・ ・以上本誌83号 宮城県製材企業の変容の諸類型
(11 諸類型の検出 (2) 諸類型の検討
旧l 小 括 ・… ・ . .以上本号
や 上 ワ
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』
3. 宮城県製材企業の変容の諸類型
(1)諸類型の検出
本章では,宮城県の製材企業が抱える諸問題をヨリ具体的に検討するた めの予備的作業として,過去十年程度の宮城県の製材企業の変容過程を市 町村単位にみてみる。そのためには毎年発表されている『宮城県の工業一 工業統計調査結果からJ (宮城県企画部)を利用するのが適切である。そ こには,製造業の一部門としての製材業に関するいくつかの経済指標が記 載されている。実物タームではなく価格タームの経済指標を利用できる 点, したがって他の業種と直接比較し製材業の動向を一層明確に把握しう
る点で, それはまたこれまで利用してきた資料と異なっている。
−133− 1
宮城県製材企業の現況と問題点(2) 図−1 宮城県の製材工塙数(昭和43年及び53年)
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9 丸森 10仙台
11 塩釜
12 名取 13 多賀城 l 1 泉 15岩沼 16亘理
大衡 古川 涌谷 田尻 南郷 小牛田 松山 鹿愚台 三本木 咽子 岩出山 中新田 宮崎 小野!Ⅱ 色麻 禰洞水
5l気仙沼 52唐桑 53本吉 54歌抑 55志津川 56郡山 57束和 58丑米 59米山 印豊里 61 迫 62石趣 63南方 64 中田 65石導 師河北 67矢本 飴雄隠 69河南 70桃生 71鳴瀬 72北上 73女川 74牡鹿 坊
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−134−
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※太線による区分は,各農村事務所管轄 地域を示す。
大河原地区・・・…l〜9番
│:搬鯛:
腫職:掴
石巻地区…・・・65〜74−135− 3
宮城県製材企業の現況と問題点(2)
図‑1は,昭和43年と53年についての宮城県内各市町村の製材工場分布 状況を示している。43年と比して53年には製材工場数の減少, とくに郡部 の減少が目立つ(1)。
また,宮城県全体の製造業と製材業の睦本的動向についてみると,後者 は前者に比してその相対的比重を低下させている。すなわち,昭和43年の 数値を100とすれば53年には,事業所数では製造業119.1,製材業78.6,
車案所 從粟者 出荷額 付加価伍H、
円 円
戸人万万
表−1 宮城県の製造業及び製材業の昭和43‑53年比 単位
’
︒|卿 ⑪㈹ ︒|⑧ ⑪|⑧
(A)
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(B)
従業者数
(C)
出荷額
(D)
付加価値額
雑男娼弱粥記偲弱卿
実 数 前 回 比 実 数 前 回 比
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資料:宮城県企画部「宮城県の工業一工業統計調査結果から」昭和43年版及び昭和53年版より作成
従業者数でば製造業132.1,製材業75.1, 出荷額では製造業573.1, 製材 業300.0,付加価値額では製造業560.0, 製材業274.0となっている。製 材業の事業所数及び従業員数の減少度が製造業に比して極めて大きいとは いえ, そのことは製材業が製造業に比して生産性が高くなったことを意味 しない。 1事業所当りの出荷額でみれば,昭和43年の数値を100として53 年には,製造業で481.1, 製材業で382.1となっていること, また1事業 所当りの付加価植額でみれば,同様の計算でば53年には, 前者470.6,後 者379.1となっていることからわかる。つまり製材業は基本的には依然と
して加工度の少ない零細業種として推移してきたといえるのである。
(11 この資料に記載されている製材事業所数,従業員数は, さきに使用した農 林水産省『木材需給報告書』のものと若干相違している。この理由は,両者 の調査方法の違いからくるズレとともに, ここで使用する資料が「木材・木 製品製造業」という木材加工業の広範な分野までを「製材業」としているこ
と等にあると思われる。
‑136‑
4
さて, こうした宮城県全体の基本的動向を念頭におきつつ,各市町村の 製材業の動向を分析する②。
まず,宮城県の製造業全体に占める製材業の比重と各市町村のそれを対 照する。
次に, 事業所と出荷額からみた各市町村の製材業それ自体の増減をみ
る。
さらに,製造業と製材業の市町村毎の伸長度を算出する。
そしてこれら三つの方法によって得られた数値を総合的に判断し,類型 化を試みる。
これら三つの方法の結果は, それぞれ, 図−2, 3, 4に示されてい る。その導出方法を次にのべよう。
図−2は,昭和43‑53年の期間における各市町村の特化の程度を宮城県 のそれと対比させてみたものである。それは次のような算出方法をとって いる。まず,
sI=f, sp=f, .「=f, 。p=#
mpS:宮城県の特化係数
Sf :工場数よりみた宮城県の特化係数 Sp:製品出荷額よりみた宮城県の特化係数 Tf :宮城県の製材工場数
Tp:宮城県の製材品出荷額 Mf :宮城県の製造工場数 Mp :宮城県の製造品出荷額
s:各市町村の特化係数
sf :工場数よりみた各市町村の特化係数 sp:製品出荷額よりみた各市町村の特化係数
(2) 本資料によれば, 2工場以下の市町村の価格タームの指標は規定により表 示されない。 したがって諸図に表われない市町村も存在する。
5
−137−
図−2宮城県内における製材業の特化度の変化(昭和43‑53年)
③ 〔'1
瀞
4.0−
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叫蔑誼耀茸吟群s罰罰侭醍齪諏芭
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I 0
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l−U 2.0 3‑0 1‑0
tf :各市町村の製材工場数 tp:各市町村の製材品出荷額 mf :各市町村の製材工場数 mp:各市町村の製造品出荷額
である。次に,宮城県の特化度と各市町村のそれを比較する。すなわち
qf=gf, qp=M
qf 苫工場数よりみた各市町村の特化度 qp:製品出荷額よりみた各市町村の特化度
図−2は以上のようにして算出された数値を,縦軸には工場数に関する 特化度,横軸には製品出荷額に関するそれをとり,表示したものである。
矢印の起点が昭和43年,矢先が53年の特化度を示し,矢印の方向は特化度 の動向を示し, その長さはその大きさを示す。右上がりの矢印は製材業の 特化が相対的に進んでいることを示し,左下がりの矢印はそれが相対的に 減少していることを示す。また左上がりは,工場数に関する特化は相対的 に進んでいるものの製品出荷額の特化度は相対的に減少しており,右下が
りはその逆を示す。
図−3は,製材工場及び製材品出荷額に関して,昭和43‑53年の間の製 材業それ自体の変化をみたものである。その数値は次式による。
tf3諦一LLL, dp=
tf53 tp53‑tp43df=
1p53
df §製材工場数の昭和43‑53年の変化率 dp:製材品出荷額の昭和43‑53年の変化率 43, 53 :年度
以上のようにして計算された数値を,縦軸に製材工場数に関して,横軸 に製材品出荷額に関して図示した。☆印ばそれらについての宮城県全体の 変化率である。宮城県☆の右上に位置する市町村は,製材工場数,製材品 出荷額とともに相対的に変化が大きく,左下に位置するものはそれとは逆
弓
−139− イ
宮城県製材企業の現況と問題点(2)
図−3製材工場数及び製材品出荷額の変化率(昭和43‑53年)
df
伽
岩 出 山 町
. 市
川
.
古
涌 谷 町
宮 崎 町 宮 城 町
大
河
原
町
鳴
子
町
2
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1
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市
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志
津
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0.5
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0
-0.1
−0 2
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−0.7−
−0.8
−0.9
11
河 北 町
(注)多賀城市は(‑2.2,‑0.6)
− 1
8 ‑140‑
にそれらの変化が相対的に,」、さいことを示す。左上にあるものは,製材品 出荷額の変化が相対的に,j、さいものの製材工場数のそれは相対的に大きい こと,右下にあるものはそれとは逆に前者が'」、さいものの後者那大きいこ とを示す。
図−4は,製品出荷額について各市町村の製造業と製材業の昭和43‑53 年の増加率を対照したものである。その数値の算出方法は図−3の場合と 同様である。そのようにして求められた数値を,縦軸に製材業,横軸に製 造業をとり表示した。☆印は宮城県を示す。図の45度線上に他魁するもの は,製材業の伸びが製造業のそれを震駕している市町村である。☆印と原 点を結ぶ線より上に位瞳するものは,宮城県の製造業の伸びに対する製材 業の伸び以上に製材業の変化の方が相対的に大きい市町村を示し, さらに
図−4製造業及び製材業出荷額変化率
1
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・大同母町 nコ
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劃過世出昇国衰化翠 0
−141− 9
宮城県製材企業の現況と問題点(2)
その線より下に位置するものは逆に製造業の伸び力製材業の伸びより著し
い。
さらに,以上を補足するために,各市町村毎の製材業の生産性(1製材 工場当りの製材品出荷額及び付加価値額)の変化率を示した図−5をあげ
ておく。その数値の出し方と表示法は前掲諸図の場合と同様である。
次に諸タイプの検出に移る。
図−2からば次の4タイプが摘出される。④〆の矢印を示す岩出山,鳴 瀬,女川,石巻,鳴子,牡鹿,築館,松島の市町。@、4の矢印を示す岩沼,
矢本,米山,気仙沼,一迫の市町。⑧、の矢印を示す丸森,古川,白石,
涌谷,河南,川崎,宮崎,中新田,中田,若柳の市町。eどの矢印を示す 蔵王,角田,泉,仙台,名取,柴田,山元,宮城,田尻,村田,河北,大
図−5製材工場の生産性の変化率(昭和43‑53年)
1.0
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画.陣山 . ・襲虹
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1王堀当り出自餌脚化申 同牝。
一軍両茄事岬高填呼山元−−−−
製本i". ¥
,七ヶih 川崎・・角田 .女川
・中田 且王三本木 ・苫柳
・米山 .且皿
・虫Fロ ゙
埋正
。、出山 窩域可
咽■111.白石
,閂嗣
・宮田 大刺
大円園
田子
涌苔
0.1
一○.1 0 0』 0.Z n3 q4 0.5 0.6 ユ7 0.8 a9 1.0
(注)聾同堕は(−0.割.‑1‑唾)
l工瑚出り付卸砥趣畑宜化串
10 −142−
和,志津川,三本木,豊里,栗駒,迫,七ヶ宿,津山,亘理,大河原,塩 釜,多賀城の市町。
これらのうち@は工場数に関する特化度が減少しつつ,他方では出荷額 に関する特化度が増大していることから,製材業の発展がみられるものと みなされ, したがって④と合せて製材業の特化傾向が著い、市町村として 一括できよう。
したがって図−2からは, (i)製材業の特化傾向の大きいもの"@) , (ii)脱製材業化的傾向がみられるもの(e), mその他のもの(⑤) の三つ
に区分できる。
次に, これに図−3, 4を加味して考察してみる。
(i)のうち岩出山,鳴子,矢本,米山,東和は,図‑3で示される製材業 内部の動向では工場数及び出荷額ともに著しく変化度が小さいこと, そし て図−4からわかるように製造業の伸びが製材業の伸びを越えていること により,製材業の特化傾向の大きいグループに含めることはできない。後 述する理由で気仙沼もこれから除く。また名取,栗駒,津山は図−2の(ii) のグループに含まれてはいるものの,図−3で示されるように,工場数カt 減少していながらも, 出荷額が増大し, さらに図−4からわかるように,
製材業と製造業の伸び率の比は,宮城県のそれより大きいから,製材業の 特化傾向の著しいグループに入れるべきである。
以上より, 製材業への特化傾向が著い、グループは, 鳴瀬, 女川, 石 巻,築館,松島,岩沼,一迫,名取,栗駒,迫,津山,牡鹿の12市町であ
り, これをタイプIとする。
(ii)のうち, タイプIに入れたものと宮城県とほぱ同様の動きを示してい る山元,田尻両町(図−3, 4)を除き, さらに岩出山,鳴子,東和,米 山の各町は, タイプIのところで述べた理由から,製材業の比重が相対的 に低下しているグループに入れ, それをタイプⅡとする。白石,涌谷,河 南,川崎,宮崎,中新田,若柳は図−2では伽であるが,工場数の増加率 が宮城県のそれよりも大きいにもかかわらず製材品の出荷額が宮城県のそ
−143− 11
宮城県製材企業の現況と問題点(2)
れよりも'」、さく (図−3) ,図−4でわかるように製造業の伸び率が製材 業のそれに比して大きく,宮城県のそれに比べて著しく大きい。それ故タ
イプⅡに加える。
かくして脱製材業化的傾向を示すタイプⅡは,岩出山,鳴子,東和,米 山,蔵王,角田,泉,仙台,柴田,宮城,村田,河北,大和,志津川,三 本木,豊里,七ヶ宿,亘理,大河原,塩釜,多賀城,古川,中田, 白石,
涌谷,河南 川崎,宮崎,中新田の29市町である。
最後にその他,丸森,田尻,山元,矢本,気仙沼は,図−2では様ざま に区分されているが,図−3, 4と照合させてみると,宮城県の動きとほ ぼ同様である。 したがってI, Ⅱのタイプと区別し, タイプⅢとする。
(2) 諸類型の検討
まず諸類型の全体的特徴をみておこう。
図−6からわかるように, タイプIは,海に臨む市町村と背後に山地を 控える市町村にわかれ, タイプⅡは,県内全域に散在し, タイプⅢは数少
く,地域的集中はみられない。
次に図−5が示すように,生産性の関点からみれば, Iは付加価値額か らみても,出荷額からみても, 1工場当りの生産性の伸びは大きい。それ とは逆に, Ⅱは全体として生産性の伸びば'j、さい。Ⅲはその顕著な変化が みられない。
さらに図−7の①が示すように,各タイプの出荷額についての占有率の 変化をみても, Iは伸長が著しく,逆にⅡの落ち込みは大きい。Ⅲは全く 変化を示していない。
各タイプに立入って若干の検討を行う。
④タイプI
ここでは石巻の圧倒的優位が注目される。工場数でも従業員数でも他を 大きく引き離している。生産性の増大に関しても岩沼に次ぐ地位にあり,
タイプI全体の出荷額の4分の1を占めている。
12 −144−
図−6諸類型の分布状況
、
タ イ プ 地 域
咀瀬, 女jl],石巻,築館,松島.岩沼,一迫, 名取i栗駒,
迫,浄山,牡鹿 I
岩出山,明子,東和.米山.蔵王,角田,泉,仙台.柴田,
宮城,村田,河北.大和,志津川,三本木,豊里,七ヶ宿,
亘理,大河原,塩釜, 多賀城,古川, 中田, 白石.涌谷,
河南,川崎,宮崎.中折田
Ⅱ
Ⅲ 丸森, 田尻, l{」元,矢本,気仙沼
−145− 13
宮城県製材企業の現況と問題点(2) 図−7諸タイプの出荷額占有率の変化内容
①タイプI. Ⅱ. pの出荷餌占イI卓の買化
濁 騨 石 l⑪
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タイプI 5里7掴万円巳1弾)
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①タイプエのif河村出萄口占打卓内正化 石
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①タイプロの市町村出荷胡占寸I叩切宜化 Jllll−1l11−l︲ll
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①タイプ田仰「l ip「l拙茸罰占打串の直化
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凱仙制 矢
㈹ 本
い)
石巻の本県全体における圧倒的地位の原因は何であろうか。石巻が本県 唯一の木工団地を有すること,及び大型貿易港が存在することがその原因 の一つと考えられる。
外材輸入蛍の増大に示される本県製材業の外材依存度増大の当然の結果 と思われる(,)。しかし,同じく外材輸入量の多い塩釜は,工場数が減少し,
出荷額の伸びは製造業全体のそれよりも低い。これは石巻と全く対照的で ある。 ところが塩釜の隣に位瞳する松島は, タイプIに占める出荷額の占 有率が岩沼に次ぐ・増加を示しており,製材業の出荷額の増大が製造業全体
131 宮城県の港別の外材輸入実績は表‑2の通りである。
14 ‑146‑
表−2港別外材輪入実纈
単位:m3
、 〜 港私
,↑一一一
石巻港 塩釜港 凱仙沼港 仙台港︒﹃1王
法L
■4 44 士
L
rJ︲14
pjl
339, 167 14,990 803, 108 148,951
295,926
46 731,867 422,177 13,764
−
︹〆︐
1 4
岳 847,978 468,469 379,509 ー
422,989 (42,376)
捕手
戸みこ 1,154,550
(84,333)
729,8(l5 (41,957)
48 1,756 ー
406,275 (50, 112) 1,108,902
(1(〕8,202) 697,145(58,090)
49 5,482 一
318,802 (23,561)
j頂86
F
P
1211
l,055,078
(85,828)
718,145 (49,653)
ローハ
t〕U 6,265
326,961 (25,732)
38,435 (34,089)
j
八hJn台
﹃︲J計Jf
八 叩
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山
7 8 7 9 1 1
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51 3,225
数
1,304,013 (125,367)
926,688 (58Ⅲ453)
262,548 (40,854)
101,571 (26,060)
52 13,206
1,237,628 (135,412)
181,625 (50,548)
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100.0 9L1.0 104.3 162.6 155,3 160.0 180.1 206.1 203.8
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11.7 36.6 41.8 21.5 88.1
10(〕、0 323.9 856.0 975.5 対
45 年 比
資料語宮城県水産業部林政課「宮城県の木材需給とその動向」より作成
(注) 1. ( )内は外数で,製品である。
2.構成比,対45年比は素材のみを扱ってい る。
のそれを上回っている数少ない市町村の一つである。また生産性に関して も高い伸びを示している (図−5)。このことは, 松島の製材業の動向が
−147− 15
宮城県製材企業の現況と問題点(2)
塩釜などの外材輸入港との関連から検討されなければならないことを示し
ている。
女川,牡鹿,鳴瀬の製材業は,石巻に隣接するところから,石巻のその 動向と一体のものとして分析・検討されねばならないだろう。
岩沼はこのタイプIの中で特記すべき動向を示している。昭和43年出荷 額の占有率でみれば第6位であったものが53年には第2位に進出している
(図−7の②) 。また,製造業と製材業の伸びの比をみても後者が前者を 最も大きく凌駕している市町村の一つであり,生産性も高い。
岩沼は当該期間に製材工場数が7から3へと減少しており,他方では生 産性が県内最高の伸びを示している。このことはこの地域に付加価値生産 性の高い大規模製材企業が立地されたことをものがたっている(4) (松島に もこうした傾向がみられる) 。これは如何なる要因によるのであろうか。
岩沼に存在する大手製紙工場との関連が想起される。
また,岩沼に隣接する名取も,岩沼ほどではないが同じような傾向を示 している。岩沼の動向と合せて検討せねばならない。
津山,栗駒,築館,一迫,迫は,合せて両年度とも13%前後の出荷額占 有率を示している(図−7の②) 。これらの市町村は,前述の市町村とは 違って外材を取り扱う港湾からはかなり地理的に離れて位置している。 し たがってこれらの市町村の製材業の発展は,一義的に外材と結びつけるこ とはできないであろう(5)。
津山と栗駒は, それぞれ背後に山地を真近に控えている。津山はこれら の市町村の中では図抜けて大きな出荷額占有率を維持している。その理由 は何であろうか。
(4) 生産性と規模の大きさを示す一指標として製材業における電力使用量の推 移が考えられよう。表−3は各市町村毎の動向が示されておらず限界はある
もののおおよその動きは推測できる。
(5)表−4は宮城県の農林事務所管轄単位に集計してあるので市町村毎に外材 利用の状況を表示できない。 しかしながらこの表からもわかるように,外材 輸入港を所轄管内にもつ地区(気仙沼地区を除く)の外材への依存度の高い
ことが窺える。
−148−
16
表−3製材工鳩の地域別使用電力量の推移
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1(〕0.0 117.2 110.1 120.5 120−7 1>つ毎 l3U.() 蛍1f+ (注)束北1.11力繩'勘研究所 1.抵圧1噛力..….契約111力が0.5KW〜19KWのもの。11上納屯力200氷ルト。′」、工場。 rl・品I王迩力・…・・契約屯力が5()KW〜499KWのもの。供給屯力6『000ボル1,.Lli小甥。 2.一般徴業所蕃轄区域は行政区域と(よ−政しない。それは卦〔北も.睡力株式会社の活・莱上の区域櫛l」を示すG 3,仙台営業所の契約屯力旦は,昭和51年8月に設立された泉営業所のものも合む。
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宮城県製材企業の現況と問題点(2) 表−4地域別製材用素材入荷量(昭和53年)
単位;m3
〜〜〜地嬢
材種別 〜 、〜
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61,311 67,246 10,2帥 118,180 l帥,駒7 49,498 8,760
6
65,5 2 2
由■6 6 1 3 叶
ラワン材
米 材
北洋材 ニュージー ランド材 その他
26,755 122j帥5 10,49.1 300 53
1ォ056 451865 21505 57 15
398 6,248 1,922 81 111
4 1 3 8 8 7 5
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2 8 0 6 1 a L 乳
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1601596 40,721 1“352 11,088 89 4,別6 443j922 l帥.028,585
2,8 20,252
51327
140 外
材
資料:東北農政局統計侭軽部
(注)各農林恥務所の笛輔区分は図−1を謬照。
、タイプⅡ
仙台,塩釜古川,白石,角田,多賀城,泉の都市部全体で, タイプⅡ の総出荷額の60%前後を占めつつも,その比重を次第に低下させてきてい る。それは他の地域と比較して,製造業の他の業種の発展が著しく (図一 3),製材業からの業種転換の可能性も大きいと思われ, したがってこの 点からの検討が必要とされよう。
仙台はとくに仙台港の開設に伴い外材の輸入がなされたにもかかわら ず,製材業の進展は著しくない。同様にそのことは塩釜についてもいえ る(6)D
泉と多賀城の製材業の衰退を図−3, 5の数値が極端に'」、さいことがも のがたっている。両市の仙台のベッドタウンとしての近年の発展との関連 が指摘されよう。
上述の市部以外の町村は全体として, このタイプに占める出荷額占有率 は3分の,程度であり, ,町村を単位にすればごくわずかな割合にすぎで い・ しかしそのような状況下でも, ヨリ詳細にみれば,大部分の町村にお L、て占有率は増大している。他方, これらは,図−4の如く生産性に関し
(6) (注) (3)参照。
18 −150−
てはさほど進展はみられない。工場数は減少し出荷額もそれほど増大して いない(図−3)。製造業全体の増加率も大きくない(図−4)。 したがっ て郡部の多くの町村は零細化が予想される。
郡部のうち上述の町村とは異なって, このタイプ内で出荷額占有率が減 少しているのは大河原,鳴子,志津川であり,各図での特異なその位置が
こオlらの町村の脱製材業化的傾向の著しいことをものがたっている。
⑤タイプⅨ
ここでは気仙沼が出荷額の約半分を占めていることが大きな特徴であ る。貿易港を持つ都市であるにもかかわらず,外材輸入量は少ない(7), こ のことが製材業の大きな進展も落ち込みも示さない一因であろう。この点 は石巻と対照的であり,仙台・塩釜とも異なっている。
矢本は石巻に隣接するその位置に鑑みれば, 当然製材業の発展が予期さ れるにもかかわらず,県全体とほぼ同じ動きを示すにとどまっている。こ の点は,石巻の木工団地の開設とその後の展開と関連させて把える必要が あろう。
(3) 小 括
以上の分析・検討の結果,宮城県の製材業に関して次のことが明らかに された。
(i)三つの類型にわけられる。すなわち, ここ10年間では,④製材業の伸 びが著しく, 今後も発展が予想される市町村, ⑨当該業種の衰退が目立 ち, ますますその比重を低めている市町村,⑤県全体とほぼ同梯の動きを 示し,伸びがみられない市町村。
こうした三つの類型は必ずしも地域的な特化を示していない。
(ii)外材との関連でいえば,石巻,仙台・塩釜,気仙沼はともに輪入港を 有しながらも, それぞれ三様のダイブに分類された。
港の存在それ自体が製材業の発展動向と直接的に結びつくものではな (7) (注) (3)参照。
−151 19
宮城県製材企業の現況と問題点(2) く,むしろ他の要因によるところが大きいと思われる。
石巻は木工団地を擁し,製材業の著い、発展がみられ,逆に仙台・塩釜 は,仙塩工業地帯の中心として製造業全体の振興が図られ,製材業の地位 が相対的に低下している。他方,気仙沼は著い、変化を示していない。
⑪ここ10年間の製材業の勤向に関して般も注目すべき市町村は,岩沼,
名取,松島である。生産性の向上と規模の拡大が図られたと思われる。
(iv)外材輪入港との距離がほぼ同じ市町村においても,製材業の発展力t 顕著なところと,逆にその比重が低下しつつあるところと, さらに目立っ た動きを示していないところ,の差異が存在することから明らかなように 外材の影響は一様ではない。
宮城県の製材業の動向は一様ではない。 したがって宮城県の製材企業の 抱える諸問題は,本節で摘出した各タイプの各々の特質を典型的に示す実 例をとりだし, それらを比較分析しながら,実態的・具体的に検討するな かで解明され,その打開策が導出されねばならない。
−152−
20