Title
Immune response to hepatitis C virus core protein in mice( 内容
の要旨(Summary) )
Author(s)
原瀬, 一郎
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1036号
Issue Date
1996-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15222
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授㌧日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 原 瀬 一 郎(岐阜県) 博 士 (医学) 乙第1036 号 平成 8 年 3 月 25 日 学位規則第4条第2項該当
Immune response to hepatitjs C virus core proteinin mice
(主査)教授 武 藤 泰 敏 (副査)教授 高 見 剛 教授 近 藤 直 実 論 文 内 容 の 要 旨 C型肝炎ウイルス(以F`HCV)はそれまで原因木明であった非A非B型肝炎の原医†ウイルスとして1989年に初 めて報告されたが,C型慢性肝炎の病態はいまだ解明されるに至っていない。C型慢七朗 F炎患者にみられるHCV 抗体の中ではコア蛋白に対する抗体が最も高頻度に認められている。一方,患者の末椚血を川いて測定されたH CVの各種蛋白に対するヘルパーT細胞反応の多くは慢性肝炎の進展扶態と関係はなかったが,コア蛋白に対す るヘルパーT細胞反応はC型慢脚干炎患者群よりも無症候惟キャリアー群において多く認められたと報告されて いる0以-J二より,Ⅰ一iCVのコア酎1に対する免疫反応がC彗慢性肝炎の病態において弔要な役割を果たしている【寸 能性か考えられる。HCVコア卦J_7に対するヘルパpT細胞反応は慢件肘炎の経過中に変化するおそれもあるため, 通常の慢十川l二炎辻ミ古ではなく感染山後の患者において解析する必要がある。しかしHC\′r抗体検査の導入によっ て新規感染例が激減し,またワクチンを川いて新規感架叫の免疫止こ答を佃現することもできないため,ヒトにお いて感染直後のコア蛋白に対するヘルパーT細胞反応を解析することは困難である。そこで申請者はMHCが異 なる3系統のマウスを用いることとし,コア酎iに対するヘルパーT細胞増殖反応およびB細川包抗体塵生反応の 測定とそれぞれのエピトープのトニ捉を行ない,コア領域特異的丁細胞のフユノタイプ,MHCf[,]束性 ヘルパーT 細胞サブセットについて検討した。 対象および方法 実験動物として雌性6週齢のBAI」B/c(Ii-2〈り,C3H/He(IIL2K),C57BL/6(H-2りの3系統のマウスを川いた。 遺kイ組み替え大腸菌により作製されたHCVコア領域のアミノ懐残基1から120までのコア蛮=は化学及1加清瞭 法研究所から供1一された○そのコア蛋白の全長に及ぶように,けし、に10アミノ懐ずつ重視した20アミノ酸の長さ の合成ペプチド12種類をペプチド合成機により作製した。 3系統のマウスをアジュバントと共にコア蛋=で足底皮卜に免疫し,鼠径リンパ節を取り出した。そのリンパ 節細胞にコア震=と放射線月欄ナした牌細胞を加えて培養する刺激期と,放射線照射した肺細胞のみを加えて培養 する休止二期を繰り返すことによりT細胞株の樹立を寺沌った。さらにT細泡沫から限舛希釈法によりクローンを 得た。増姉反応測定として,リンパ節細胞あるいは休止期上か産申のT細胞株にコア酎1と放射緑照射した肝細胞 を加えて培養し・:廿チミジンのDNAへの取り込みをシンチレーションカウンターにて計測した。T細胞のフユ ノタイプとMHCf[7]束性を角射斤するため,フユノタイプに対する抗CD4抗体あるいは抗CD8抗体,MHCclass□ に対する缶系統ごとの抗トA抗†本あるいは抗トE抗体を加えて増姉反応Ⅵ抑制を子fなった。T細胞のエピトープを 同定するため,12種類の合或ペ7Dチドを1種類ずつ加えて増殖反応測定を行なった。リンホカイン産′仁を測定す るために,T細胞株の則激期の土山軒卜清をIL2と1l.4の両J)-で活性化されるCTLL2細胞に加えて培養し増殖反止潮J 定を行七った。」L2とIL4のいずれか培養上削一に産生されているのかを解析するため,抗IL2抗体あるいは抗IIJ4 抗体を加えてCTLL2細胞の増植反応の抑制を行なった。一ji,3系統のマウスをコア蛋白で足底皮トに免疫し た後さらに腹腔内に免疫し,後眼帯叢から採血した。抗体測定のため,コア蛋白を園層化して酵素抗体法を行なっ た。B細胞のエピトープを=定するため,12挿類の作成ペプチドを1種類ずつ何層化して酵素抗体法を行なった。 結 果 HCVのコア蛋=で免疫したマウスから取り出したリンパ節細胞の同震自に対する増殖反応を測定したところ, 153
3系統すべてのマウスに反応を認めたが,BALB/c及びC3H/Heマウスのリンパ節細胞の反応に比べてC57BIJ /6マウスのリンパ節細胞の反応はわずかであった。次いでリンパ節細胞をコア蛋白で周期的に刺激すること-」 よりT細胞株を樹立した。リンパ節細胞の結果と同様に,BALB/cおよびC3H/HeマウスのT細胞株のコア蛋 〔=こ対する反応に比べてC57BL/6マウスのT細胞株の反応はわずかであった。抗CD4抗体は3系統すべてのマ ウスのT細胞株の増殖反応を抑制したが,抗CD8抗体は抑制しなかった。すなわち,3系統すべてのマウスのT 細胞株のフユノタイプはCD4であった。BALB/cマウスのT細胞株の増殖反応を抗トAd抗体は抑制したが,抗ト Ed抗体は抑制しなかった。C3H/HeマウスのT細胞株の増殖反応を抗トEK抗体は抑制したが,抗1-Ak抗体は抑制 しなかった。C57BL/6マウスはI-Eを発現していないため抗トAい抗体のみ川いたところT細胞抹の増殖反応を抑 制した。すなわち,BALB/cおよびC57BL/6マウスのT細胞株はMIriCclass□のI-Aにより,C3日/Heマウス のT細胞株はMHCclassIlのI-Eによりコア蛋白の抗頂提/Jミを受けていた。BALB/cマウスのT細胞株はペプチド 7及び8に対して増殖反応を示し,エピトープはアミノ酸残基61から90に存在していた。C3H/HeマウスのT細 胞株はペプチド2に対してのみ増殖反応を示し,エピトープはアミノ酸践基11から30に存在していた。C57BL/ 6マウスのT細胞抹はいずれのペプチドに対しても増殖反応を/Jtさなかった。そこでC57BL/6マウスのT細川包株 から限界希釈法を行なったところ4つのクローンが得られ,そのうち3つのクローンはペプチド1に対して,残 り1つのクローンはペプチド10に対して増殖反応を示し,エピトープはアミノ酸残基1から20とアミノ酸残基91 から110に存在していた。3系統すべてのマウスの培養L清に対しCTLL2細胞は増殖反応を示し,抗II.2抗体はC TIJL2細胞の増姉反応を抑制したが抗rL4抗体は抑制しなかった。すなわち,3系統すべてのマウスのT細胞はIL 2を産′とし,ヘルパーT細胞サブセットはThlであった。一方,免疫したマウスから得た血清を川いて酵素抗体法 によりコア蛋白抗†ネを検出したところ,3系統すべてのマウスの血清において同程度のコア蛋巨`l抗体を認め,ペ プチド3と結合する抗体を認めた。すなわち,3系統すべてのマウスのB細胞のエピトープはアミノ酸残基21か ら40に存在していた。 考 察 HCVのコア蛋〔Jに対するヘルパpT細胞反応はC型慢性肝炎患者群の12%にしか認められなかったのに対して, 無症候性キャリアー群の73%に認められたと報告されている。このことは,C里慢性肝炎の進展によりコア蛋白 に対するヘルパーT細胞反応が低下するのか,あるいは逆にコア姐`】に対するヘルパーT細胞反応の弱い榊=本がC 型慢性肝炎を発症するのか,のいずれかであることをホ唆している。NHICが異なる3系統のマウスを用いた今 回の実験では,コア蛋川こ対するB細胞の反応は3系統すべてにおいて=程度にトjじェピト岬プで認められたが, コア蛋「=こ対するヘルパーT細胞の反応は系統ごとに程度やエピトープが異なっていた。そこでマウスと同様に と卜においても,コア蛋白に対するB細胞反応は個体問で共通しているが,コア動′!に対するヘルパーT細胞反 応は個体ごとに多様であると推測された。以上より,コア蛋白に対するヘルパーT細胞反応の個体ごとの多様性 がC型慢†射j F炎を発症するか無毛症候性キャリアーとなるかに関与している可能性が示唆された。 3系統すべてのマウスにおいてコア蛋白に対するB細胞反応が認められた今[坤ケ実験結架は,C型慢性肝炎患 者においてHCVの各種蛋白の中でコア蛋白に対する抗体の頻度が最も高いという臨郎勺観察と 一致した。今【【】1 の実験で同定したマウスのコア領域におけるB細胞エピトープは,C型慢性肝炎患者やHCV感染チン′ヾンジNの コア領域における主要なB細胞エピトープとr・ 1じであった。すなわち,このB細胞エピトープは複数の椎に共通 して高い免疫原性を示すことが明らかとなった。 論文審査の結果の要旨 申請者原瀬一郎はC型肝炎ウイルスのコア蛋白に対する免疫反応をマウスを川いて解析し,コア蛋「=こ対する ヘルパーT細胞反応の系統問における多様性とB細胞反応の共通性を明らかにした。これらの新知見は肝臓病学 の進歩に少なからず寄㌧するものと認める。 [主論文公表誌]
Immune response to hepatitis C virus core proteinin mice
Immunology and CellBiology 73:346∼352,1995