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鶏の肝臓および小腸粘膜上皮におけるコレステロール合成能と飼料中脂質との関連に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

鶏の肝臓および小腸粘膜上皮におけるコレステロール合成

能と飼料中脂質との関連に関する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

尹, 秉善

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第017号

Issue Date

1994-09-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2358

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(国籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 ヂ 乗 (大韓民国) 博士(農学) 農博甲第17号 平成6年9月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 鶏の肝臓および小腸粘膜上皮におけるコレス テロール合成能と飼料中脂質との関連に関す る研究 主査 岐 阜 大 学 副査 岐 阜 大 学 副査 岐 阜 大 学 副査 静 岡 大 学 副査 信 州 大 学 授 授 授 授 授 教 教 教 教 教 一滋 雄 雄 元 桂 正 公 中 谷 村 場 谷 田 大 木 番 大 論 文 の 内 容 の 生体内でのコレステロール合成の主要臓器は肝臓であるが小腸粘膜上皮も肝臓に次いで コレステロールを合成している重要な臓器として知られている。しかし、小腸粘膜上皮で のコレステロール合成能が飼料中成分により調節されていることに関する研究はラットに おいて僅かに報告されているが、鶏での研究はほとんど報告されていない。それで本論文 は、鶏の飼料中に配合する脂肪の性質あるいは量による、また生体内でのコレステロール 合成に大きな違いのある産卵中と休産中鶏の小腸粘膜上皮でのコレステロール合成を、肝 臓と共に、コレステロール合成の律速酵素であるHKG-CoAreductase活性を測定し、検討し た。 第2章では、不飽和度の異なった4種類の脂肪を配合した精製飼料を成長中ヒナに給与 し、肝臓及び小腸粘膜上皮のHKG-CoA reductase活性への影響を検討した。この酵素活性は 脂肪酸の不飽和度の違いによって影響を受け、オレイン酸を多く含む油脂の給与によって 高く、オレイン酸がこの酵素活性を促進すことを示唆した。またこの章では、小腸粘膜上 皮を二重緩衝液を用いる方法で採取しており、その方法を詳しく述べた。 第3章では、炭素数の異なった4種類の飽和脂肪酸のトリグリセリドを配合した精製飼 料を成長中ヒナに給与することによる影響を検討した。肝臓及び小腸粘膜上皮でのこの酵

(3)

素活性はトリラウリン配合区が最も高い値を示し、炭素数が大きくなるに伴って低下した0 このことは脂肪酸の小腸からの吸収率は炭素数が大きくなるに伴って低下するため、脂肪 酸の吸収率がコレステロール合成と関係があることを示唆した0最も炭素数の小さいトリ ヵプリン配合区のこの酵素の活性が低かったのは、カプリン酸のような短鎖脂肪酸はリボ 蛋白質には取り込まれず、遊離の脂肪酸として肝臓に運ばれるためにコレステロール合成 を活発にしないのであろ。また小腸粘膜上皮でのこの酵素活性は空腸より回腸の方が高い 値を示しており、このことは空腹粘膜上皮ではコレステロールを能率良く吸収するが、回 腸ではコレステロール吸収が低いため、粘膜上皮細胞内のコレステロール含量があるレベ ルに達するまでコレステロール合成が活発なのであろう0 第4章では、飼料中の脂肪レベルが成長中ヒナへの影響を観察した0肝臓でのこの酵素 活性は飼料中の脂肪含量が低いほど高い活性を示したが、空腹及び回腸の粘膜上皮では反 対の結果が得られ、このことは小腸で吸収される脂質が多くなると、粘膜上皮細胞内での リボ蛋白質合成が活発になるため、その原料としてコレステロールが必要となるためであ る。 第5章では、飼料中に脂肪及びコレステロールを添加して、成長中ヒナへの影響を検討 した。小腸粘膜上皮も、肝臓と同様、外因性コレステロールによってコレステロール合成 が抑制された。空腸及び回腸粘膜上皮でのこの酵素活性は大豆油添加区の方がトリパルミ チン添加区より高い値を示したのは両脂肪の吸収率の違いのためである。 最後の章では、生理条件の著しく異なる産卵中と休産中鶏のHKG-CoA reductase活性を検 討した。肝臓でのこの酵素活性は産卵中鶏の方が休産中鶏より著しく高い値を示したが、 小腸粘膜上皮では休産中鶏の方が高い値を示し、小腸粘膜上皮は卵黄中コレステロールの 合成には関与していないことを示唆した。さらにこの葦では小腸粘膜上皮の絨毛細胞と陰 寓細胞のこの酵素の活性、小腸枯膜上皮細胞内でのこの酵素の分布を検討した0この酵素 は、肝臓ではミクロソーム画分に局在しているのに対して、小腸粘膜上皮細胞ではミトコ

ンドリア画分が最も高い活性を示し、次いでミクロソームと細胞質画分が同程度の活性を

示した。本研究では肝臓と小腸粘膜上皮細胞とでこの酵素の細胞内分布が異なっている理 由を充分に説明できないが、今後の小腸粘膜上皮でのコレステロール代謝の研究に新しい 問題を提起した。 審 査 結 果 の 要 旨

生体内でのコレステロール合成の主要臓器は肝臓であり、栄養あ

るいは生理的要因によって影響を受けることは知られているが、小

腸粘膜上皮でのコレステロール合成に関する研究はほとんど報告さ

れていない。それで本論文は、鶏の飼料中に配合する脂肪の性質や

量によって、あるいは生体内でのコレステロール合成に大きな違い

のある産卵中と休産中鶏とでは、小腸粘膜でのコレステロール合成

能がどのような影響を受かるかをコレステロール合成の律速酵素で

(4)

ある

IMG-CoA

reductase活性により測定′し、種々の要因について検

■討したものである。本論文は五つの実験を中心にまとめられている。

第一、二の実験では、性質の異なった脂肪を配合した精製飼料を

成長中ヒナに給与し、肝臓及び小腸粘膜上皮の・H撼G-CoA

reductase活

性への影響を検討した。小腸粘膜上皮のこの酵素活性は脂肪酸の不

飽和度あるいは炭素数によって影響を受け、オレイン酸が活性を促

進すること、また飽和脂肪酸のうちではトリラウリン給与ヒナがこ

の酵素活性が最も高く、炭素数が大きくなるのに伴って活性が低下

することを明らかにした。脂肪酸の吸収率は炭素数が大きくなるの

に伴って低下するが、本実験の結果から脂肪酸の吸収速度が小腸粘

膜上皮でのコレステロール合成と関係があることが示唆された。

第三の実験では、飼料中の脂肪レベルの影響を検討し、肝臓では

飼料中脂肪含量が低いほどこの酵素は高い活性を示したが、小腸で

は逆に月旨肪含量が高いほど酵素活性は高くなった。その理由として

は小腸粘膜上皮で吸収される脂質が多くなると、粘膜上皮細胞内で

のリボ蛋白質合成が活発になり、その原料としてのコレステロール

合成が必要となるためと考察している。

第四の実験は、飼料中にコレステロールを添加し、外因性のコレ

ステロールの影響を検討しており、小腸粘膜上皮も、肝臓と同様、

外因性コレステロールによってコレステロール合成が抑制されるこ

とを示した。

第五の実験は、生理条件の著しく異なる産卵中と休産中鶏のH撼G-CoA

reductase活性を検討している。肝臓でのこの酵素活性は産卵中

鶏の方が休産中鶏より著しく高い値を示したが、小腸粘膜上皮では

休産中鶏の方が高い値を示し、小腸粘膜上皮は卵黄に移行、蓄積さ

れるコレステロールの合成には関与していないことを明らかにした。

さらにこの実験では小腸粘膜上皮の絨毛細胞と陰高知胞でのこの酵

素活性と細胞内でのこの酵素の分布を検討しており、肝臓ではミク

ロソーム画分に局在しているのに対して、小腸枯膜上壁細胞ではミ

トコンドリア画分が最も高い活性を示し、次いでミクロソームと細

胞質画分が同程度の活性を示した。本研究では小腸粘膜上皮細胞で

この酵素がいくつもの細胞画分に分布している理由を充分に解明す

(5)

るまでには至らなかったが、今後の小腸でのコレステロール代謝の

研究を行うに当たり考慮すべき新しい知見を与えた。

以上のように本論文は鶏の小腸枯膜上皮でのコレステロール合成

に関する研究をまとめたものである。この種の研究報告は数少なく、

今後の鶏のコレステロール代謝の研究に新しい指針を与えると考え、

その成果は十分評価される。本論文は博士論文として価値あるもの

と審査委員会で認めた。但し、審査委負から論文の問題点として指

摘された部分を修正し、最終提出論文とすることにした。

参照

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