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SANブート環境におけるブレードサーバのディスクI/O性能評価

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Academic year: 2021

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(1)2005−EVA−14(2)   2005/8/5. 社団法人 情報処理学会 研究報告 IPSJ SIG Technical Report. SAN ブート環境におけるブレードサーバのディスク I/O 性能評価 上野 仁†、 中代 浩樹† SAN(Storage Area Network)接続のストレージ装置1台の中に多数のシステムディスク用 LU(Logical Unit)を設ける SAN ブート環境を構築することにより、多数のサーバをいつでも任意の用途に変更して起 動することができる。これはユーティリティコンピューティング環境実現に向け必要とされる機能の一つで ある。しかしながら、SAN ブート環境ではストレージへのアクセスパス中に共用部分が多く、構成によって は十分な性能がないためにシステム障害を起こす恐れがある。本報告では8台のサーバが1台の SAN 接 続ストレージを共用する構成での性能実測方法を提案するとともに、ストレージ装置設定指針の考え方を 示す。 Performance Measurement of Disk I/O for Blade Servers under SAN Boot Environment Hitoshi Ueno, Hiroki Nakashiro An environment of boot from SAN enables easy change of server roles. The SAN boot function is made by preparing many LUs for system disks in a SAN storage unit, and it is one of necessary function for implementing utility computing environment. However, there are many shared parts on SAN boot environment, it may cause performance problems.. In this report, we propose a method of I/O. performance measurement and analysis for the SAN boot environment, by using an example system which has eight servers and one shared SAN storage unit. 1.はじめに サーバベンダ各社より設置面積削減や運用の. LAN. 容易化を特長とするブレードサーバが製品化され サーバの実装密度が年々高まるとともに、ユーザ サイトで利用可能なサーバ台数が増加してきてい. (a). る。一方ユーティリティコンピューティングの考え. サーバ 1. サーバ 2. サーバ 3. サーバ 4. 業務 A. 業務 A. 業務 B. 業務 B. 従来サーバ構成:サーバを異なる業務に転用する ためには業務アプリの再インストールが必要. 方が進展しつつあり、必要なときに必要な台数の. LAN. サーバ 1. サーバを必要とされる業務に割り当てる運用方法. サーバ 2. サーバ 3. サーバ 4. が求められている。 SAN. SAN ブート構成は従来サーバ構成(図1(a))と比 較して、任意のサーバを容易に任意のアプリケー. 業務 A. ションシステム用に変更、再起動できる点が特長 (b). である。(図1(b)) †. 株式会社日立製作所システム開発研究所 Systems Development Laboratory, Hitachi, Ltd.. -1−7−. 業務 A. 業務 A. 業務 B. 業務 B. SAN ブート構成:サーバを異なる業務に 容易に転用可能. 図1. SAN ブート構成の一効果.

(2) 本報告では SAN 接続のストレージシステムを利 用し、システムディスクとしてインストールした LU. このような性能問題の発生を回避するための構. を各々のサーバに接続することにより、必要な時. 成上の配慮として swap ファイルが存在するシステ. 点で必要なサーバを立ち上げることができるシス. ムディスクと長大なデータ転送の可能性があるデ. テムについて、課題を検討する。. ータディスクを分離するシステム構成方法を採用 することが望ましい。. 2.SAN ブート構成の必要性と課題. 図2に2台の FC-SW(fiber channel switch)と1台. ユーティリティコンピューティング環境では、時間. の SAN 接続ストレージ装置装置を用いて8台のサ. 帯によって1台のサーバを異なる用途で使用する、. ーバの SAN ブートを可能とする構成例を示す。. 構成変更の容易性が望まれる。このためには時. LU00 はサーバ0のシステムディスク、LU10 はサ. 間帯によって異なるシステムディスクからサーバを. ーバ0のデータディスクとして使用する。サーバ0. ブートする機能が必要となる。現状、サーバとして. からは2台の FC-SW を経由して LU00 と LU10 両. の性能を確保し、かつ、自由にブートディスクを変. 方の LU にアクセスが可能である。システムディス. 更できるストレージシステムとしては、SAN 接続の. クとデータディスクのトラフィックを分離するために、. ストレージシステムを挙げることができる。. CTRL0(controller 0)に接続されるパスでは LU00. 一方システムディスクを SAN 接続のストレージに. への read/write を優先し、CTRL1 に接続されるパ. 置く場合、複数のサーバ間で SAN 上の資源を共. スでは LU10 への read/write を優先する設定とす. 有するために性能問題が発生する危険性がある. る。サーバ1から7に対しても同様な LU 構成として. と言われている。特にシステムディスク上に配置さ. システムを構築する。. れる swap ファイルへのアクセスが、十分なレスポ. このような場合、1台のストレージシステムに対し. ンスを維持できない場合、オペレーティングシステ. て何台までのサーバを接続可能かが、システム構. ムの挙動が不安定になったり、システムダウンが. 築コストを決めるひとつの要因となる。以下に、1. 発生する恐れがあると言われている[1]。. 台の SAN ストレージ装置に対して接続可能なサ ーバ台数の基準をもとめるシステム評価方法の例. LAN. を報告する。. ブレードサーバ サーバ7. サーバ6. サーバ5. サーバ4. サーバ3. サーバ2. サーバ1. サーバ0. 3.性能測定構成および測定方法 性能測定は図3に示す構成で行った。図2に示 す推奨構成例のシステムディスクアクセスに関す. FC-SW. FC-SW. A BCD CTRL0. A BCD CTRL1. る部分だけを実装した構成である。. SAN ストレージ装置. LU システム 00 ディスク. 8台のブレードサーバから1台の SAN 接続スト レージを接続し、それぞれのサーバに LU0 から LU8 までの LU を1台ずつ接続する。LU の接続設. LU データ 10 ディスク. 定は SAN ストレージ装置には標準的に装備され. ・システムディスク用の RAID グループと他データ用の RAID グループを分離。 ・システムディスクアクセスパス( )データディス クアクセスパス( )は各々二重化するが、負荷の分 離のため、CTRL0 はシステム優先、CTRL1 はデータ優 先。. 図2. 推奨 SAN ブート構成例. -2−8−. ている LUN セキュリティ機能を用いる。また、ディ スクコントローラ CTRL0 には4GB のディスクキャッ シュを搭載している。.

(3) LAN. LU LU 1 0. ブレードサーバ サーバ7. サーバ6. サーバ5. サーバ4. サーバ3. サーバ2. サーバ1. サーバ0. 測定 用 PC. LU 2. HD HD HD 0 1 2. LU 4. LU 3. HD HD HD 3 4 5. LU 5. LU 6. HD HD HD 6 7 8. LU 7. HD HD HD 9 10 11. RAID グループ:RAID5(2D+1P). (a) RAID5(2D+1P)x4 構成. FC-SW(2Gbps/ポート) SAN ストレージ装置. LU 0. LU 1. A BCD CTRL0. A BCD CTRL1. LU 2. LU 4. LU 3. LU 5. LU 6. LU 7. LU 0. LU 1. LU 2. ・・・. LU 6. LU 7. HD HD 0 1. HD HD 2 3. HD HD 4 5. ・・・. HD HD 12 13. HD HD 14 15. RAID グループ:RAID1. (b) RAID1x8 構成. ・RAID グループの条件を変更して性能を評価する. 図3. 性能実測構成. 図4. 性能評価時の RAID 構成. この構成において、各 LU はそれぞれ対応する. 測定結果を図5に示す。横軸は SAN ストレージ. サーバのシステムディスクとして動作し、さらに測. 装置に負荷をかけたサーバの台数を示し、縦軸. 定対象としてのファイル配置場所としても用いる。. は1サーバあたりの平均秒間 I/O 回数を示す。. 各サーバ上では、I/O 負荷を発生するツールプロ. 各々の図中には SAN ブート構成でない、内蔵デ. グラム [2] を稼動し、LAN 経由で接続した測定用. ィスクを用いるサーバにおいて同様な測定を実施. PC から負荷パタンを制御することにより、負荷発. した結果を「比較対象ディスク」として示した。内蔵. 生源であるサーバの台数を1台から8台まで順次. ディスクにシステムディスクを置く場合の I/O 性能. 増加した場合の I/O 処理性能変化を測定する。. との比較をするためである。 ランダムアクセス、read 100%における測定結果. 4.性能測定結果. (図5(a))では、RAID5 構成においてサーバ台数. 測定用の I/O 負荷は以下の条件とした。. が6台以上の場合に平均 I/O 回数が比較対象デ. ・. read/write 時のブロックサイズ:4KB. ィスク以下となり内蔵ディスクを備えたサーバよりも. ・. read/write 対象ファイルのサイズ:3GB. 性能が悪くなることが分かる。これはサーバ台数5. ・. アクセスパタン:ランダムアクセス(アクセス. 台~8台の場合にはひとつの RAID グループに2. 位置を、毎回ランダムに選択)、シーケンシ. 台分のサーバから I/O 負荷がかかるためである。. ャルアクセス(アクセス位置として前回のブ. これに対して、RAID1構成では、サーバが8台の. ロック位置の次のブロックを選択). 場合でもそれほど性能の低下が起きていない。こ. read/write 比率:read 100%、write 100%、. れは、ひとつの RAID グループに1台のサーバか. read 75%-write 25%. らのみ I/O 負荷がかかるためである。. ・. また、LU 構成による性能傾向の相違を見るため. ランダムアクセス、write 100%における測定結果. に、RAID5(2D+1P)構成(図4(a))および RAID1 構. (図5(b))では、同様に RAID5 構成のサーバ5台. 成(図4(b))各々について上記 I/O 負荷を測定し. ~8台のケースでサーバあたりの I/O 性能低下が. た。. 見られるが、比較対象ディスクにおける性能を下 回るケースはない。. -3−9−.

(4) 5000 400 RAID5(2D+1P)x4 RAID1x8 比較対象ディスク. IO/sec. IO/sec. 300. 4000. 200. 3000 2000 1000. 100. 0 1. 0 1. 2. 3 4 5 6 サーバモジュール台数. 7. 2 3 4 5 6 サーバモジュール台数. 7. 8. (e) シーケンシャルアクセス、write100%. 8. (a) ランダムアクセス、read100%. 3500 3000. 600. 2500 IO/sec. 500 IO/sec. 400 300 200. 2000 1500 1000 500. 100. 0. 0 1. 2. 3 4 5 6 7 サーバモジュール台数. 1. 8. (b) ランダムアクセス、write100%. 2 3 4 5 6 サーバモジュール台数. 7. 8. (f) シーケンシャルアクセス、read75%-write25%. 図5. 300. I/O 性能測定結果. IO/sec. 250 200. シーケンシャルアクセス、read 100%および write. 150. 100%における測定結果(図5(d)、(e))では RAID5、. 100. RAID1 構成ともに比較対象ディスクの性能を大幅. 50. に上回っていることが分かる。これはシーケンシャ. 0. ルアクセスであるため、ディスクキャッシュへのプリ 1. 2. 3 4 5 6 サーバモジュール台数. 7. 8. フェッチ効果が大きいものと考えられる。 以上の測定結果から、サーバ8台までの SAN ス. (c) ランダムアクセス、read75%-write25%. トレージ装置の共有ではシーケンシャルアクセス 性能に問題はないが、ランダムアクセス性能では. 5000. RAID グループ構成方法に注意する必要があるこ. 4000. とが分かる。すなわち、いかなる負荷環境におい. IO/sec. 6000. 3000. ても内蔵ディスクによるシステムと同等以上の性能. RAID5(2D+1P)x4 RAID1x8 比較対象ディスク. 2000. を確保することを目的とするなら、「システムディス クとして使用する LU は、できるだけ他の LU とは. 1000. 別の RAID グループに配置することが望ましい」こ 0 1. 2. 3 4 5 6 サーバモジュール台数. 7. 8. とが分かる。 しかし、例えば「ランダムアクセス read 100%にお. (d) シーケンシャルアクセス、read100%. -4−10−.

(5) けるサーバ8台のときの I/O 性能が比較対象ディ. この負荷における I/O 処理性能(図5(f))の傾. スクに対して 20%程度低い」という特性が実運用シ. 向からは、RAID1 構成の I/O 処理性能はサーバ. ステムに対してどの程度インパクトを与えるかは、. 台数が9台以上になっても比較対象ディスクに対. ソフトウェアとハードウェアの構成に依存する。シ. して問題になるほどの性能低下は起こさないよう. ステムを不安定にする要因とされる swap ファイル. に見える。しかし図6によれば同構成のコントロー. への I/O は、一般にはサーバシステムではほとん. ラ使用率はサーバ台数8台のときには丁度限界. ど発生しないようにメモリ設計をすることが多く、瞬. に達しており、9台以上では急激に性能低下を起. 間的な性能ボトルネックが生じたとしてもシステム. こす可能性を示唆している。. 障害にまで発展する危険性はないためである。. また、図7はシーケンシャルアクセス read 100%負 荷におけるディスクコントローラから FC-SW に接. 5.サーバ台数増加時の影響予測方法. 続するポートのデータ転送レート(全サーバに対. 前節に述べた性能測定ではサーバを8台用意. する転送レート合計)を示す。. し、実測することにより I/O 性能を評価した。しかし、. 160 データ転送レート(MB/s). 既存の資源による測定により、さらに大きな構成を 採用する場合の性能を予測しなければならない 場合がある。例えばサーバ台数を9台以上に増加 する場合の性能を、実測済みの I/O 処理性能の 傾向から単純に推定したいという場合である。この ような場合には、性能の傾向の真のボトルネックが 何であるかを知るために、ストレージ内部の性能. RAID5(2D+1P)x4 RAID1x8. 120. 80. 40. 0 1. をモニタする必要がある。. 2. 3 4 5 6 7 サーバモジュール台数. 8. シーケンシャルアクセス、read100%. 図6はストレージ装置内部の性能モニタ機能に. 図7. より、シーケンシャルアクセス read 75%-write 25%. データ転送レート. 負荷におけるディスクコントローラ内のプロセッサ 同構成における I/O 処理性能(図5(d))の傾向. 使用率を測定した結果である。. からは、RAID1 構成の I/O 処理性能はサーバ台 数が9台以上になっても比較対象ディスクに対し. コントローラ使用率(%). 100. て問題になるほどの性能低下は起こさないように 80. 見える。しかし図7によれば同構成のデータ転送. 60. レートはサーバ8台において 120MB/S に達してお. 40. り、2Gbps の FC ケーブルを用いたシステムにお RAID5(2D+1P)x4 RAID1x8. 20. いては、エンコーディングオーバヘッドとプロトコ ルオーバヘッドを考慮すると、限界に近づいてお. 0 1. 2. 3 4 5 6 7 サーバモジュール台数. 8. シーケンシャルアクセス、read75%-write25% 図6. り、サーバ台数が9台以上に増加すると早期に急 激な性能低下が発生すると推定できる。. コントローラ使用率. -5−11−.

(6) 6.まとめ. 式の提案” 計算機アーキテクチャ研究会. サーバのシステムディスクを SAN 接続のストレー ジ装置に置く SAN ブート環境において、システム を安定的に動作させる十分な性能を確保するた めには、RAID グループ構成に注意する必要があ ることを示した。具体的にはひとつのシステムディ スクは1個の独立した RAID グループに配置する ことが望ましいことを示した。 また、既設機器による実測結果からサーバ台数 増加時の影響を推定する場合には、ストレージ内 部の性能要素に注意が必要であることを示した。 本報告の測定で示した上記の基準値は、現実 的なシステム構築においてコスト的に厳しい条件 である。したがって、システム障害を起こさない範 囲で1個の RAID グループ内に最大何台のシステ ムディスクを配置可能か、評価する方法を検討し ていく必要がある。 また、今後はユーティリティコンピューティング環 境における各種資源割り当ての際の性能評価方 法に関する研究を進めていく。. 文 [1]. 献. “Boot from SAN in Windows Server 2003 and. Windows. 2000. Server”. Microsoft. Corporation, December 2003. [2] Iometer Project、http://www.iometer.org/ [3] Joe Carlisle, “Exchange 2000 RAID 1+0 versus RAID 5 Performance on a Hitachi Thunder Series 9570V System”, CMG Symposium 2003, May 2003. [4] 茂木、喜連川、”ストライプの動的再編成を 伴う RAID5 型ディスクアレイに於けるアクセ スローカリティが存在する場合の更新処理 の性能評価” 計算機アーキテクチャ研究会 107-25、情報処理学会、July 1994. [5] 松本、”NIC を活用したネットワーク RAID 方. -6−12−. 139-14、情報処理学会、August 2000..

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参照

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