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Teh Second Congress of the Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis

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(1)

第2回 血 栓 お よ び止 血 に 関 す る討 議 会

Teh Second Congress of the Japanese Society

on Thrombosis

and Hemostasis

日 時 昭 和48年11月30日 ・12月1日 場 所 経 団 連 会 証 ・館

弘七郎

(2)

(I)血 液 凝 固 第XIII因

子(FSF)測

定 法 の

比較的研究

Comparative Study on Estimation Methods of Blood Clotting Factor XIII (FSF)

英*

飛 田野

エ ミ子

Takeshi ABE*, Junichi YASUDA, Mutsuyoshi KAZAMA, Emiko HIDANO

*帝 京大学医学部第一内科

* Department of Medicine, Teikyo University

目 的 血 液 凝 固第XIII因 子(FSF)定 量 法 の うち臨 床 検 査 に用 い られ る も の を比較 検 討 す る. 方 法 FSFの 定 量 法 は現 在 大 別 して(1)FSFを 含 ま ない フ ィ ブ リノゲ ン基 質 に 被検 血 漿 の希 釈 系 列 を加 え, トロ ン ビ ン カル シ ウ ムで 凝 固 させ, 凝 塊 の5モ ル 尿 素 又 は 2%モ ノ ク ロル 酢酸 に よる溶 解 で測 定 す る方 法(Wager 等). (2)一 定 の被 検 血漿 に, FSFに 対 し拮 抗 作 用 を も つ モ ノ ヨー ド酢酸 の希 釈 系 列 とカル シ ウ ム を加 えて 時 間 を追 い凝 塊 溶 解 の程 度 をみ るモ ノ ヨ ー ド酢 酸 耐忍 試 験(Sigg). (3)抗FSF血 清 の希 釈 系 列 を被 検 血 漿 に加 え反 応 させ, トロン ビ ン カル シ ウ ム を混 和 して凝 固 さ せ た後, 1%モ ノ ク ロル 酢 酸 に よ る凝 塊 溶 解 で判 定 す る方 法(BohnとHaupt). (4)被 検 血 漿 の 希釈 系列 に トロ ン ビ ンカ ル シ ウ ム を加 え てFSFを 活性 化 した も の を, 予 め一 定 量 のモ ノダ ンシ ル カ タ ベ リ ンな どの螢 光 ア ミン基 質 に カゼ イ ンお よび カ ル シ ウム を まぜ た反 応 液 に加 え て一 定 時 間 反 応 させ 螢光 ア ミ ン とカ ゼイ ン を結 合 させ た後, エ タ ノー ル ま た は10%三 塩 素 酢 酸 お よび グル タチ オ ン を加 え て反 応 を止 め, 生 じた蛋 白沈 渣 を遠 心 で 集 め, これ を再 溶 解 して そ の 中 の螢 光 度 を 測 定 す る方 法(LorandとUrayama). あ るい は(5)C14 試 験(LoeweyとDvilanskey)や(6)Thrombelasto-graphy法 な どが あ るが, 臨 床 検 査 の 目的 に は, 通 常初

めの3法 が行なわれてい る. 著 者 らは これに更 に(7)抗

第XIII因子抗 体を付着 させた ラテ ツクス粒 子を適 当な

希釈 の被検血漿 に加 えてその凝集 の程度 か ら第XIII因

子の測定 を行 なお うとした.

上記 の諸検査法 の うち(4)(5)は

正確 であるが検査試薬

入手 の難易, 検査器具 の耐久性 と価格, 検査手技 の簡

便 さ, 検査成績 の再現性, 検査 に要す る時間 な どか ら

(1)(2)(3)

および(7)に

つ いて比較検討 した.

成績および結論

(1)の 方法 は手技が簡単で結果 の判定が容易, 測定時

間が短か くて感度が よ く, 被検血漿の希釈度 を高めれ

ば, 検体 に由来す るFbg量 を少 くす ることがで きるの

で結果 の両現性が高 く有利で ある. 被 検血漿の凝 固が

困難 で あって も測 定系が よ く凝 固す るので用途 が広 い

(2)の方 法は手 技がやや複雑 であ るうえ判 定に主観 が交

り, 時 に よってかな りの差 異があ り, 測定時 間 も長 く

て検体 中のFbg量 に よ り測定値 が影響 されるこ とがあ

るので, 実地検査 には不 向である. こ とに被検血漿 の

凝 固が困難 である時 は測 定 も困難 となる. しか し検体

は人 間の血漿 でな くて も測定可能 である. (3)の

方法 は

手技 が比較的簡単 で測定 も容易, こ とに感度 は高 くて

測定値 の再現 性もよいが測定 に長時間 を要す るので改

良の余地が ある. (7)の

方法 は手技が簡単で短時間に測

定で き, 感度 も多いが, 判定 もやや難 し く改良の余地

が ある.

(3)

-75-4: 1286 血液 と脈 管 第4巻 第11号

(2)Thrombin,

Trypsinお

よ びPlasmin

の 凝 固 ・

線 溶 因 子 との 相 関

Changes of Protease Activity from Interaction between Coagulation Fibrinolytic Factors and Purified Thrombin, Trypsin or Plasmin

男*

武 比 古**

Nobuo SAKURAGAWA*, Kaoru TAKAHASHI, Toru WATANABE, Kazuo KOIKE, Tadao NAKAMURA, Mitsutoshi KASHIWABA,

Matsuzo MATSUOKA, Takehiko KOIDE**

*新 潟大学 医学部 第一 内科

**新 潟大学医学部第二生化学教室

* 1st. Department of Internal Medicine, Niigata University, School of Medicine ** 2nd Department of Biochemistry 目 的 血 管 内凝 固 症 候 群 に関 連 の あ る酵 素 の うち, 比 較 的 純 粋 な材 料 と して得 られ たThrombin, Trypsinお よ びPlasminの 凝 固 ・線 溶 系 へ お よ ぼす 影 響 につ い て検 討 した. 方 法

Thrombin(著 者 ら の 方 法 に よ るpurified human

thrombin), Trypsin(Trypsin-Tpck, Worthinigton

Biochemical Co.)お よ びPlasmin(Cohn Fr. IIを

Urokinaseで 活 性 化 し, Lysin Sepharose Affinity

Chromatographyで 精 製 し た)とoxalated plasmaお

よ びhuman prothr0mbin complexと の 反 応 に よ る 凝

固 ・線 溶 系 の 変 動 を み た.

成 績

(A) Prothrombin-complexと の 反 応: (1) Thrombin

と の 反 応 後, 直 ち にthrombinは 減 少 し,

prothrom-binはthromboplastinを 用 い る2段 法 に はrefractory

に な り測 定 さ れ な い が, 蛇 毒Echis Carinatusを 加 え

た 測 定 法 で は100%recoveryを 認 め た. prothrombin

250Uとthrombin 100Uはcomplexを 作 り,

thrombo-plastinに よ る2段 法 に は 測 定 さ れ な い. (2)Trypsin

(20r)は 反 応 後15∼30分 でthrombin yieldを 認 め

た が, 期 待 値 の 約10%に と ど ま り, 60分 後 に は 失 活 し

た. (3)Plasmin(1. 4U)と の 反 応 で, 第K, X因 子 は

減 少 し た か, 第ll, W因 子 は 安 定 で あ っ た.

(B)Plasmaと の 反 応: (1)Thrombin(0. 3U)で 凝

固 さ せ, 120分 後 で のdefibrinated plasmaで は 第H,

W, K, X因 子, Plasminogen, fibrinogenは 変 動 せ

ず, 第V, VIII因 子 は 軽 度 減 少 し た が, thrombinを 加

え な い 対 照 と 大 差 を 示 さ な か っ た. (2)Trypin(15r)

で 同 様 に 行 っ たdefibrinated plasmaで は, 第V, VIII

因 子, plasminogen, fibrinogenは 減 少 し た が, 第 皿,

IX, X因 子 は 変 動 を 示 さ な か っ た. (3)plasmin(1. 4

U)で は 第V, VIII, X因 子, plasminogen, fibrinogen

が 減 少 し た が, 第II, VII, IX因 子 は 変 動 し な か っ た

な お, Trypsinと の 反 応 後 はSoy bean trypsin

inhi-bitorを 加 え, Plasminと の 反 応 後 はt・AMCHAを

加 え て 反 応 を 止 め た.

結 果

protease作 用 はPlasmin>Trypsin>Thrombinの

順 に 強 く, plasminogenとfibrinogenは1abileで あ

り, 凝 固 因 子 は 第V, VIII, IX(?), X因 子 はlabileで

あ る が, 第II, VII因 子 はstableで あ る. し か し,

fibrinogen→fibrin転 換 はthrombin>trypsinで あ り,

fibrinogen分 解 作 用 はplasmin>trypsinで あ っ た

thrombinはsubstrateのprothrombinとcomplex

を 作 り, thromboplastinを 用 い る2段 法 測 定 で は

refractoryで あ る が, Echis Carinatusを 用 い た 場 合

は100%測 定 さ れ た. 考 按 血 管 内 凝 固 症 候 群 で は 凝 固 因 子 が 消 費 され てthro-mbinが 生 ず る が, thrombinのprotease作 用 で は 凝 固 因 子 は 破 壊 さ れ ず, 二 次 線 溶 に よ るplasminに よ り 破 壊 さ れ る。 生 じ たthrombinはprothrombinと complexを 作 り, thrombinへ の 転 化 が 阻 げ ら れ る が, こ の 現 象 は 一 つ の 生 体 防 衛 反 応 と も 考 え ら れ る. Try-psinの 出 現 で は 凝 固ylL進 と と も に 線 溶 作 用 も 強 力 で あ り, か か る 場 合 に は 重 症 に お ち 入 る こ と が 推 測 さ れ る

文 献: 1. SAKURAGAWA, N., McCoy, L E. &

Seegers, W. H. Thiromb. Diathes. rrh. 30: 234, 1972

2. 桜 川 信 男, 臨 床 血 液, 13: 923, 1972

(4)

(3)Purified

Thrombinと

蛇 毒(Echis

Carinatus

及 びBotrope

Jaravaca)の

凝 固 線 溶 系 に お よ ぼ す 影 響

Studies on the Influence of Thrombin and Snake Venoms

(Echis Carinatus and Botrope Jararaca) on Coagulation and Fibrinolytic

Activity Using Plasma

薫*桜

中 村

武比古**

Kaoru TAKAHASHI*, Nobuo SAKURAGAWA, Toru WATANABE, Kazuo KOIKE, Tadao NAKAMURA, Mitsutoshi KASHIWABA

Matsuzo MATSUOKA, Takehiko KOIDE**

*新 潟大学医学部第一内科

**新 潟大学医学部第二生化学教室

* 1st. Department of Internal Medicine, Niigata University, School of Medicine ** 2nd. Departmentof Biochemistry

目 的

Purified Thrombinと 蛇 毒(Reptilase Echis

Cari-natus)の 凝 固 線 溶 系 に 及 ぼ す 影 響 に つ い てin vitro

で 比 較 検 討 を 行 い そ の 臨 床 応 用 に つ い て 考 察 を 加 え た

方 法

凝 固 系 に 関 し て はcitrated plasma(0. 5m1)にRe-ptilase(1 U/ml)Echis Carinatus(0.

03mg/ml)Th-rombin(1 U/m1)を そ れ ぞ れ0. 1m1加 え そ の 凝 固 時 間 を 測 定 し凝 固 完 了 後370CにIncubateし 継 時 的 に30 分60分90分 及 び120分 後 にdefibrinateし たPlasma中 の 凝 固 線 溶 系 を 検 索 し た. 成 績 (1)凝 固 時 間 に つ い て, Plasma 0. 2m1に 対 し

てRe-ptilase Echis Carinatus Thrombin 0. 2m1を 加 え そ

の 凝 固 時 間 を 測 定 し た, Reptilaseは1U, 2分2秒 0.5U 5分41秒, 0. 25U27分 で 両 対 数 グ ラ フ 上 に 直 線 を な し, Echis Carinatusも0. 1mg∼0. 01mg/m1の 範 囲 の 濃 度 で 同 様 に 直 線、を な す が0. 25mg/m1以 上 の 濃 度 で は 凝 固 後5分 で 凝 塊 の 溶 解 を み と め た. Thrombinで は10U 9. 0秒, 5U 12. 2秒, 2. 5U 22. 1 秒 で0.5U以 下 で は30分 以 内 凝 固 は 認 め られ な か っ た. (2)凝 固 因 子 へ の 影 響, Plasma 0. 5mlにThrombin(1 U/ml), Reptilase(1U/ml), Echis Carinatus(0. 03m

9/m1)0. 1mlを 加 え 継 時 的 に 凝 固 因 子 の 変 動 を み た

が 第V, 田 の ご と きlabile Factorは 時 間 と と も に 失

活 し た が, 上 記 酵 素 を 加 え な い 対 照 と 大 差 は み ら れ な

か っ た. 第VII, IX, X因 子, Fbgに も 変 化 は み ら れ な か

っ た. Echis Carinatusで はFactorIIが 殆 ん ど認 め

ら れ な い 程 消 粍 さ れ た が, Reptilase Thrombinで は

100%認 め ら れ た. (3)線 溶 系 で はPLgはThrombin, Reptilase Echis Carinatusで 変 動 を み な か っ た. 別 に Purified PLgにThrombin Reptilase Echis Carinatus

を加 え てCaseinolytic Assay及

びPLgfree-Fibrin-Plateで 測 定 し た が こ れ ら の 濃 度 の 酵 素 に よ るPLg

のPlasmin転 化 は 認 め られ な か っ た. (4)Purified

Protbrombin ComplexをPrQthrombin I stage に

て 測 定, 一 方Echis Carinatusを 用 い て 測 定 す る も 両

者 の 測 定 値 は 同 一 で あ りEchis

CarinatusはProth-rombinをThrombinに 完 全 転 化 す る 事 が 判 っ た. (5)

Echis Carinatusを 用 い てPlasma中 のProthrombin

量 を測 定 す る 方 法 を 考 案 し た. Citrated Plasma 0. 2

m1にEchis Carinatus(0. 03mg/ml)0. 1mlを 加 え

37Cに て 凝 固 時 間 を 測 定 し た. 正 常 人20例 で の 平 均 値

は96. 76±12. 00%(M±SD)で あ りQuick 1段 法 で

の 成 績(平 均 値81. 81±19. 19%)と の 相 関 はr=0. 122

で 少 な くProthrombin free rabit Plasmaを 用 い て 行

っ たProthrombin値(平 均97. 14±8. 45%)と の 相 関

はr=0. 73で 大 き くProthrombin 2段 法(平 均 値

98. 33±10. 85)と はr=0. 517と 大 き な 相 関 を 示 し た.

Echis Carinatusを 用 い る Prothrombin測 定 法 は 簡

便 で あ る.

結 論

(1)ReptilaseはFibrinogenをFibrinに 転 化 さ せ

る が 凝 固 線 溶 系 の 変 動 を 示 さ な い. 生 体 内 へ の 応 用 は defibrinating agentsと し て も 用 い ら れ よ う. (2)Echis

CarinatusはPi othrombinをThrombinに 転 化 さ せ

る.

(5)

-77-4: 1288 血 液 と脈 管 第4巻 第11号

(4) Macroglobulin

分 画 のactivated

factor

X

inhibitorに

つ い て

Inhibitory effect of Macroglobulin on activated Factor X

義*

加代子

Shingi IMAOKA, Kayoko ISONO, Katsuo INOSHITA, Goro KOSAKI

*大 阪 府 立 成 人 病 セ ンタ ー外 科

* Department of Surgery, The Center for Adult Diseases, OSAKA 研 究 目 的 血 液 凝 固過 程 に お い て, 内 因 系, 外 因系 が 最 初 に合 流 す る の は第X因 子 の と こ ろで あ る. そ こ で, こ の第 X因 子 の活 性 型 で あ るXaと 動 的 平 衡 に あ る と考 え ら れ る活 性 型 第X因 子 阻 害 物 質(XaI)の 動 態 を知 る こ とは, そ の個 体 の凝 固 に於 け るhomeostasisを 窺 知 す る た め の有 力 な手 段 で あ る と考 え られ る. α2-mac-roglobulinが, 抗 トロ ン ビ ン作 用 と共 に抗 プ ラ ス ミン 作 用 を もつ こ とは周 知 の事 で あ る が, 抗Xa作 用 を も 示 す ので は ない か とい う報 告 が あ る。そ こで 我 々は, こ のmacroglobulinの 抗Xa作 用 を中 心 と して検 討 した. 研 究 方 法, 研 究 成 績 (1)人クエ ン酸 血 漿 をG-200 Sephadexに てgel-filt-rationを 行 っ た と こ ろ, 2つ のXa Iの 分 画 を得 た. 一 つ はmacroglobulin分 画 に, 他 の 一 つ はalbumin 分 画 に流 出 した(右 図)。(albumin分 画 のXa Iはhe-parinの 添加 に よ り, そ の 作 用 は 増 強 され るが, ma-croglobulin分 画 のXa Iに は そ の作 用 の増 強 は み られ な か った. (2)Al(OH)3に て処 理 した血 漿 を用 い て, 同 様 のgel-filtrationを 行 った。 そ の結 果albumin分 画 のXa I活 性 は 著 明 な 減 少 が み られ た. しか しmac-roglobulin分 画 のXa I活 性 に は全 く変 化 はみ られ な か った. (3)macroglobulin分 画 のXa I活 性 が 凝 固 進 行 中 に どの よ うに な るか を知 る た め に, Xaの 生 成 は 充 分 得 られ るが, トロ ン ビ ン の生 成 は殆 ん ど得 られ な い とい う系 を 用 い て 実 験 し た. そ の 結 果Cad添 加 後 一 時 間 で はmacroglobulin分 画 のXa I活 性 は 約40% の消 費 をみ, 3時 間 で は全 く消 失 した. (4)XaIを 含 むmacroglobulin分 画 にpurified bovine Xaを 混 じ 一 定 時 間, 370Cに て加 温 し, それ をG-200 Sephadex に てgel-filtrationを 行 っ た. そ の結 果Xaの 活 性 は 全 く消 失 す る と共 にXaI活 性 も消 費 され て い る こ と

が 認 め ら れ た. (5)こ のXa Iにpurified bovine Xa

を混 じ一 定 時 間, 37Cに て 加 温 し, そ の 溶 液 に 新 し く

Xaを 加 え て そ れ に 対 す るinhibitionを 経 時 的 に み た.

そ の 結 果buffer controlに 比 して, そ のinhibition

は, か な りお さ え ら れ た. こ の こ と か ら, Xaと の 存 在

の も と にXaI活 性 が 消 費 さ れ た と思 わ れ る.

結 論

(1)人 血 漿 中 に は, G-200 Sephadexに よ

るgel-filt-rationに お い てanti-Xa activityを 有 す る 分 画 が2つ

あ り, 一 つ はmacroglobulin, 他 の 一 つ はalbumin分

画 に あ っ た. (2)in vitroに お け る凝 固 進 行 の モ デ ル 実

験 に よ る とmacroglobulin分 画 のinhibitorはalbumin

分 画 のinhibitorよ り鋭 敏 に 消 費 さ れ る.

(3)macrogl-obulin分 画 のinhibitorはpurified bovine Xaと の

37C, 加 温 に て 消 費 さ れ る. GEL-FILTRATION ON G-200 SEPHADEX COLUMN: 2.6X38cm 0.1 M NaCI IN TRIS pH 7. 4 N. H. P. -A 280 Mu c-c XaINHIBIT. b-d IIa INHIBIT.

(6)

-78-(5)Invitroに

お け るSKお

よ びUK

の 線 溶 活 性 機 序 の 差 異 に つ い て

On the differences of fibrinolytic activation system by SK and UK in vitro

子*椙

学**

Youko HISHIKAWA*, Isamu SUGIE, Hatsuo NITTA, Manabu YAMADA**

*愛 知 医科大学第一生理学教室**麻

布獣 医科大学家畜生理学 教室

* Dept. of Physiol. Aichi medical Univ. ** Dept. of Domestic Physiol. Azabu Vet. Univ.

線 溶 活 性 酵 素 製剤 と し てStreptokinase(SK)と Urokinase(UK)が 広 く臨床 上 用い られ てい る. この 両 者 の 臨 床 上 の 治療 に つい て使 用 方 法, 線 溶 活 性 発現 に差 異 が あ る こ とは知 られ てい る こ とで あ る が, この 点 これ まで 多 くの研 究者 に よ っ て な され た酵 素 学 的 な 成 績 に矛盾 を生 ず る点 が あ る. た とえ ばSKはStoi-chiometricな 活性 で あ る の に生 体 内 で なぜ 強 度 の線 溶 活 性 を生 じ るの か. ま たUKはPlasminogen Activator で あ る の に生 体 内 の 活 性 に なぜ 多 量 に必 要 と す る の か, 解 明 す べ き分 野 が 多 々認 め られ る. これ までSK, UKの 線 溶 活 性 機 序 に関 す る研 究 は 大 多 数 がCaseinolysisで 調 査 され てい る こ とが 多い, これ はFibrinolysisで は十 分 に精 製 した基 質 が 得 られ なか っ た ため で あ る. しか し近 年Affinity chromato に よ る基質 精製 法 が提 唱 され, 我 々は 人 お よび 牛 の fibrnogenをLysine-Sepharose処 理 しSK, UKに 全 く反 応 を示 さないplasminogen freeのfibrin plate の作 製 に成 功 した. 今 回 は こ の新 しい平 板 を用いSK, UKに よ るin vitroに お け る活性 化 機 序 を調 査 した. 試 料 と して は新 鮮 人 血 漿, Euglobulin(Eug.)お よ びLysine-Sepharose処 理 に よ って え られ たPlasmi-nogen(Plg.)を 用い, 種 々 の濃 度 のSK, UKに よ る 線 溶 活性 を従 来 の牛Fibrinogenに よ る0. 1%濃 度 の : 標 準 平板(S. P.), 0. 2%濃 度 の加 熱 平 板(H. P.)と 0. 1%濃 度 の牛plg. free fibrin平 板(B. f. P.), 0. 1 %濃 度 の人p19. free fibrin平 板(H. f. P.)で 測 定 し SK, UKの 濃 度 と溶解 窓 の 関係 をSemi-109 グラ フ に て 調査 した結 果 次 の成 績 を得 た. 1) Plasmin濃 度 と平 板 上 の溶 解 窓 の関 係 はSemi一 109グ ラ フ で4種 の平 板 と も高い 相 関 関係 が 認 め ら れ, い つれ も直 線 で あ っ た. 2)Eug. +SKのSK濃 度 と溶 解 窓 の関 係 はい つ れ の 平 板 に て も直 線 関 係 が 認 め られ た が, H. f. P., B.f.P. で はSK濃 度 と関係 な く一 定 のPlasmin活 性 が え られ た の に対 し, SPで はSK濃 度 と量 的 反 応 を示 すAc-tivator活 性 が認 め られ た. 3)Eug.+UKのUK濃 度 と溶 解 窓 の 関 係 は, SP, HP, で は直 線 関 係 が認 め られ な か っ た が, BfP, HfP で は直 線 関 係 を認 め たが, Plasminの 生 成 はUK濃 度 と量 的 反 応 で あ っ た. 4)Plasma.+SK, Plg.+SKの 溶 解 窓 とSK濃 度 との 関係 はEug.+SKと 反 応 様 式 は ほ とん ど 類 似 して お り, 最 少 有 効 濃 度 のSK単 位 が 異 な った の み で あ った 5)Plasma+UKの 反 応 はEug.+UKと 同 様 で あ っ たが, Plg.+UKは2者 と異 な ってい た. UK濃 度 と Plg.+UKの 溶 解 窓 はBfP, HfPで 直 線 関 係 が認 め ら れ た が 勾 配 は 大 き くUK濃 度 と無 関 係 で あ りUKが, Plg. Activatorで あ る こ と を示 してい た. 以 上 の結 果, SKはProactivatorとStoichiometric なComplex形 成 に よ るActivatorを 生成 す る, この Activatorは 血 中 のPlg. をす み や か にPlasminに 変 換 す る, このPlasmin生 成 に必 要 なSKは 血 漿1ml あ た り10-1unitと 微 量 で十 分 で あ った. UKはPlg. の活 性 化 に は10-5unitと ご く微 量 で十 分 で あ るが, Eug., Plasmaの 試 料 で はPlasminの 生 成 は量 的反 応 で あ り, そ の有 効 濃 度 は 非常 に高 く30∼40U/mlで あ

った.

(7)

-79-4: 1290 血 液 と脈 管 第4巻 第11号

(6)Plasmin

inhibitorとfibrinolysis

Influence of Plasmin inhibitor on fibrinolysis

明*竹

Tadaaki SHIBA*, Setsuo TAKEUCHI, Mitsuhito MATSUMOTO, Tatsuoki SANADA, Takeru TERASHIMA

*東 邦大学医学部第二外科

* 2nd Dept. of surgery, Sch. of Med. Toho Univ.

研 究 目 的 形 成 され た血 栓 が 再 び溶 解 す る際, 血 栓 内 に おい て 各 線 溶 因 子 が い か な る挙 動 を示 す か は興 味 深い 問 題 で あ る. 一 方 線 維 素 塊 溶 解 を指 標 と した検 査 法 と して, ユ ー グ ロ ブ リン溶 解 時 間, フ ィ ブ リン塊 溶 解 時 間 等 が 用い られ てい るが, そ れ 等 の 検 査 法 も諸 家 に よ りそ の 問 題 点 が 指 摘 され 再 検 討 を迫 ま られ てい る. 本 研 究 は そ れ 等 の疑 問 へ の 一 つ の ア プ ロー チ と して 企 図 され た. 研 究 方 法

Plasminogen free fibrinogen, Plasminogen, Uro-kinase, Plasmin inhibitor, Thrombin等 を種 々 の割 合 に混 合 した フ ィ ブ リン塊 を調 製 しフ ィ ブ リ ン塊 溶 解 時 間 を指 標 と してそ の溶 解 時 間 を測 定 した.

研 究 成 績

1. Plasminogen, Urokinase, Plasmin inhibitor, Thrombinを 一定 に しFibrinogen量 を変 数 と した実 験 系 で は フィ ブ リン塊 中 のFibrinogen量 が 増 加 す る に従 って そ の 溶解 時 間 は 延 長 した. 即 ちFibrinogen 量 が2倍 に な る と溶解 時 間 は 約1. 5倍 と な っ た. 2. Plasminogenを 変 数 と した 系 で は, そ の増 量 に 伴い 溶 解 時 間 は短 縮 した. そ の 関 係 は 反 比 例 的 で あ っ た. 3. Urokinaseを 変 数 と した 系 で は, そ の 増 量 に伴 い 溶 解 時 間 は短 縮 した. そ の 関係 は反 比 例 的 で あ り, Plasminogenを 変数 と した 系 と類 似 で あ っ た. 4. Thrombinを 変 数 と した 系 で は, そ の増 量 に伴 い溶 解 時 間 は 延 長 した. 5. Plasmin inhibitorを 変 数 と した系 で は, そ の 増 量 に伴い 溶 解 時 間 は延 長 した. そ の関 係 を グ ラ フ上 に示 す と, あ た か も拗物 線 類 似 の如 くで あ った. そ し て添 加Plasminogen量 の 約3倍 のPlasmin inhibitor を添加 した場 合 は, 72時 間後 の判 定 で も溶解 は み られ な か った. 結 論 本 実 験 にお い て, 溶 解 に あた って は 各線 溶 因子 は そ れ ぞれ 独 自 のpaternで 重 要 な役 割 を演 じてい る こ と が判 明 した. と りわ け フ ィ ブ リン塊 の溶 解 に あ た っ て Plasmin inhibitorの 影 響 が重 大 で あ ろ うと予 測 され た. この結 論 を直 ち に血 栓溶 解 に結 びつ け る事 は至 難 で あ るが, 一 つ の示 唆 とな る と考 え られ る. 一 方 これ 等 の成 績 は ユ ー グ ロブ リン溶 解 時 間 の 評 価 に関 して重 要 な事 実 を教 唆 してい る. 著 者 等 の研 究 に よれ ば ユー グ ロブ リ ン中 のPlasmin-ogenは か な りの高 収 量 でPlasma中 よ り回 収 され て 居 るが, inhibitorの 収 量 は若 干 低い. しか もユ ー グ ロブ リ ン中 のFibrinogen量, Plasminogen量, Plas-min inhihitor量 を常 に一 定 にす る事 は不 可 能 で あ る. ユ ー グ ロブ リン溶 解 時 間 がFibrinogen量Plasminogen 量 と りわ けinhibitor量 の影 響 を うけ る とす れ ば, 低 回収 率 のinhibitorを 測 定 してい る こ とに な り, Acti-vatorを 測 定 す る とい う意 義 は 失 わ れ る.

(8)

-80-(7)脳 血 管 障 害 に お け る血 清Proteinase

inhibitor

Serum Proteinase Inhibitors in Cerebrovascular Disease

滋*山

保**目

Shigeru TAKAMATSU, Yoshiteru YAMADA, Kazuho HENMI, Hiroyoshi TAKEKAWA, Seitoku MIZUNO, Hideho SUGAWARA**, Hirofumi METOKI, Sachio YAMADA

*弘 前 大 学 医学 部 脳 卒 中研 究 施 設 病 態 生 理 **黎 明郷 リハ ビ リテ ー シ ョン病 院

* Department of Pathologic Physiology, Institute of Cerebrovascular Disease, Hirosaki University School of Medicine ** The Reimeikyo Rehabilitation Hospital

目 的 動 脈 硬 化 性 疾 患 に お け る線 溶 系 に つい て の 研 究 に は 促 進 因 子 を 取説 げ た も の が 多 く, 抑 制 因 子 を 取 上 げ た 報 告 は 比 較 的 少 ない. 一 方proteinase inhibitorの 中 に は 線 溶 抑 制 作 用 を 示 す も の が み ら れ る. わ れ わ れ は 脳 血 管 障 害 患 者 の 血 清proteinase inhibitorの 測 定 を 行 ない2, 3の 検 討 を試 み た. 方 法 後 遺 症 患 者 お よ び 脳 硬 塞 発 作 後 の 生 存 患 者 を 取 上 げ, 一 元 平 板 免 疫 拡 故 法 に よ り血 清 α1-antitrypsin

(ai-AT), a1-antichymotrypsin(al-ACT),

a2-macroglobulin(a2-M), inter a-trypsin inhibitor

(1α-1), α-neuraminoglycoprotein(α2-NG)の 測 定

を 行 な っ た. ま た, 後 遺 症 患 者 の 一 部 に つい て 血 清

Eug.+S.K. を 用いFibrin平 板 法 に よ りtotal

pla-sminを, 血 漿Eug.+S.K. を 用 いcasein分 解 法 に

よ りtotal plasmin, immediate inhibitor, slow in-hibitorを そ れ ぞ れ 測 定 しproteinase inhibitorと の 関 連 に つい て 観 察 し た. 成 績 後 遺 症 患 者 で は 健 康 人 に 比 べ て α1-AT, α1-ACT は 有 意 に 増 加 してい た. α2-M, 1α-1, α2-NGに は 差 が な か っ た. α1-AT, α1-ACTい ず れ も病 型 に よ る 差 は な か っ た. α1-ATは60才 以 上 の 患 者 で は59才 以 下 に 比 べ て 増 加 し てい た. 60才 以 上 の リハ ビ リ テ ー シ ョ ン 病 院 の 患 者 と運 動 訓 練 を 受 け てい ない 養 老 院 の 患 者 と を 比 較 す る と養 老 院 で は α1-AT, α1-ACTい ず れ も有 意 に 高 値 を 示 し てい た. ま た, αl-ATは 病 院, 養 老 院い ず れ も 生 活 機 能 の 低 下 し た 患 者 で は 機 能 の 良 好 な患 者 に 比 べ て有 意 に 高 値 を示 してい た. α1-ACT と患 者 の生 活 機 能 との 問 に は-一定 の 関 係 が な か った脳 硬 塞 発 作 か ら第15病 日ま で の患 者 を健 康 人 と 比 べ る と, α1-AT, α1-ACTは 第5病 日ま で は差 が な く, 第6病 日以 降増 加 し, α2-Mは 第5病 日ま で増 加, 以 後 は差 が な く, Iα-1は 第10病 日ま で 増加 してい た. α2-NGは 第11∼15病 日に増 加 が み られ た. 後 遺 症 患 者 に つい てproteinase inhibitorと 線 溶 因子 との関 係 を み る とFibrin平 板 法 に よ るtotal plasminと α2-M お よび1α-1と の 間, casein分 解 法 に よ るtotal pla-sminお よびslow inhibitorと α1-ATと の 問 に は そ れ ぞ れ有 意 の正 の 関係 が存 在 してい た. 結 論 1. 脳 血 管 障 害 後 遺 症 患 者 の生 活 機 能 の 回復 良 好 な もの で は α1-ATが 低 値 を示 す. ま た, 加 令 に伴 な う 増 加 お よ び昨 年 報 告 した腎 機 能 との 関連 な どか ら考 え て α1-ATと 動 脈 硬 化 との 間 に は何 らか の 関係 が あ る こ とが推 察 され る. 2. 脳 硬 塞 発 作 に お け る観 察 か ら proteinase inhibitorの 増 加 は生 体 へ の侵 襲 に対 す る防 禦 作 用 の表 れ と考 え られ る. 3. 発 作 時 早 期 にα2-M, 1α-1が, これ に遅 れ てαl-ATが 増 加 し, 後 遺 症 で は α2-M, Iα-1が 健 康 人 と差 が な く, αl-ATが 増 加 し てい る こ とはimmediate inhibitorが α2一分 画 に, slow inhibitorが α1-分 画 に存 在 す る とい う従 来 か ら の報 告 と関 連 が あ る と考 え られ る. 4. しか し, slow inhibitorと 関連 す る α1-AT, immediate inhibitor

と関 連 す る α2-M, 1α-1が そ れ ぞ れcaseinolysis, fibrinolysisにお け る値 との 間 に異 な っ た成 績 を示 して

いる の で, 更 に詳 細 な検 討 が 必 要 で あ る と考 え られ る.

(9)

-81-4: 1292 血 液 と脈 管 第4巻 第11号

(8)ブ イ ブ リン体 の分 子 サ イ ズ

に 及 ぼ す 凝 固, 線 溶 系 の 影 響

美*田

千 枝 子

Mutsuyoshi KAZAMA*, Chieko TAHARA, Junicht YASUDA, Takeshi ABE

*帝 京大学医学部第一内科

* Depatment of Medicine, Toikyo University

研 究 目 的 血 中 フィ ブ リ ノゲ ン(Fbg)の 質 的, 量 的 変 動 は 生 体 内 の凝 固線 溶 系 の基 質 と して 重 合 あ るい は 分解 し, そ れ らの 動 態 を反 映 す る ば か りで な くま た そ れ らに対 す る影 響 も大 きい. われ われ は ヒ トFbgお よび そ の 重 合 あ るい は分 解 産 物 の分 子 サ イ ズ の変 動 をIn vitro で検 討 し, 併 せ て臨 床 例 につい て フ ィ ブ リン体 の分 析 を行 な っ た. 研 究 方 法 フィ ブ リ ン体 の 分 画 や分 子 サ イ ズ の 分 析 に は ゲ ル 炉 過 法 に よ り, ま た そ の 定量 に は蛋 白量測 定, トロ ン ビ ン凝 固法, お よ び感 作 赤 血 球 凝 集 阻 止 試 験(HIT), 免 疫 拡 散 法(SRID), ラテ ツ クス凝 集 反 応 な どの免 疫 学 的方 法 を用い た. 研 究 成 績 凝 固性95%の ヒ トFbgをBiogel A-5mカ ラム(26 ×450mm溶 媒 容積95ml)で ゲ ル 炉 過 す る とFbgの 溶 出 液 量(ve)は145mlで あ った. Fbgに プ ラ ス ミ ン を加 え て保 温 し, 経 時 的 に そ の 一部 を と って ゲ ル 炉 過 す る と, Fbgピ ー クの 低 下 消 失 と共 に まずVe=165 ml部 位 に新 しい ピー ク が形 成 され, 以 後 順 次Ve=200 ml次い で240ml部 位 に ピー ク が形 成 され て 分 子量 の 小 さいFDPが 順 次形 成 され る過 程 が 観 察 され た. 一 方 Jbgに トロ ン ビ ン を加 え, そ の際37。C 30分 後 に凝 塊 が完 全 に溶 解 す る よ うに プ ラ ス ミン を混 じ37。C20分 の時 点 で フ ィ ブ リン塊 を圧 縮 除 去 した残 液 をゲ ル 炉 過 す る と蛋 白成 分 はVe=145お よび200m1に2つ の ヒ。 ー ク を形 成 した が, SRID法 で は第1ピ ー ク の み にFb 体抗 原 性 が 認 め られ た. 混 液 保 温30分 後, フ ィ ブ リン 塊 が完 全 に溶解 した 直 後 の 時 点 で検 体 を ゲル 炉 過 す る と, こ の場 合 はVe=100ml部 位 に極 め て高い ヒー ク が形 成 され, そ れ よ り250mlに 到 る ま で分 子 サ イ ズ の 異 な る各種 のFDPが 相 続い て溶 出 され た. ヒ ト血 漿 を用い て 同様 の実 験 を行 っ た が全 く同 様 な成 績 を得 た が, これ らは フ ィ ブ リン分 解 の過 程 でFDPモ ノ マ ー の ほ か に フィ ブ リンポ リマ ー が 形成 され る こ と を 示 し, これ は フィ ブ リノゲ ン分解 過 程 で は認 め られ ない 所 見 で あ った. この フィ ブ リ ンポ リマ ー はHITお よ びSRIDで は強いFb体 抗 原 性 を示 し, ま た熱 凝 固 性 を有 した が, プ ロタ ミ ンに よるパ ラ凝 固 性 あ るい は 抗 トロ ン ビ ン作 用 な どは認 め られ なか っ た. ま た混液 60分 保 温後 の検 体 で は この フ ィ ブ リンポ リマ ー は殆 ん ど消失 し, Ve=165mlの 部 位 に 新 し く ヒ。一 ク が形 成 さ れ た が, これ はFbg分 解 後 に現 わ れ る最 初 のFDP と同 じ部 位 で あ っ た. ヒ ト血 漿 を15×300mmの カ ラ ムで ゲル 炉過 す る と 正 常FbgのVeは28.5-29.0mlで あ っ た. 一方 血 小 板 減 少, Fbg低 下, FDP増 加, PT延 長 な ど臨 床 的 に脱 線 維 素 症候 群 を示 す 症 例 の血 漿 につい て 検 討 す る と, 正 常Fbgの ほ か にVe=20m1部 位 に溶 出 され る 大 分 子 サ イ ズ フ ィ ブ リ ン体 の小 ピ-ク が免 疫 学的 方 法 で 証 明 され た. 結 論 フ ィ ブ リン溶 解 の 極 めて 初 期 に現 わ れ る極 大 分 子 サ イ ズFDPの 血 流 中 の 出 現 は 血 栓 の形 成 とそ の溶 解 を 示 す も の と考 え られ た.

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-82-(9)血 液 凝 固 の レオ ロ ジ ー 的 研 究(2)

-糖

尿 病 に お け る血 液凝 固 ゲル の粘 弾 性 につ い て

Hemorheological study on blood clotting(2)

-Viscoelastic

changes of blood clotting in

diabetics-磯

秀*

Yukihide ISOGAI*, Akira IIDA, Ikuo CHIKATSU, Koichi MOCHIZUKI, Masakazu ABE

*東 京慈恵会医科大 学阿部 内科

* Department of Internal medicine, Jikei University School of medicine

目 的 血 栓 症 の成 因 につい て, bloodrheologyの 観 点 よ り 研 究 を行 な ってい る. 今 回 は, 血 液 凝 固 過 程 に お け る clotの 粘 弾 性 の 変動 に つい て糖 尿 病 を対 象 に検 討 を行 な っ た. 方 法 血 液 凝 固 ゲ ル の粘 弾 性測 定 は, 強 制振 動 型 の高 感 度 粘 弾 性 記 録 計 を用い た. す な わ ち, 250Cの 恒 温 槽 内 に設 置 した二 重 円筒 の間 隙 に血 液 を注入 し, 外 筒 を振 巾60μ, 3Hzで 振 動 させ, 凝 固 ゲル を通 じて 内筒 に伝 達 され た力 をstraingaugeで 検 出 し, さ らに位 相 検 波 器 に よ り動 的 弾 性 率(G')お よび 損 失 弾 性 率(G") に分 け て測 定 した. 成 績 1)凝 固 ゲル の最 大 動 的 弾 性率(G, m)を 基 準 と し て糖 尿 病 群 を2大 別 し検 討 を行 な った. A群 …G'mが 正 常範 囲 内 のDMグ ル ー プ< (正 常 群 のG, m平 均 値+2d, sは 標 準 偏 差) B群 …G'mが 高 値 を と るDMグ ル ー フ> (正 常 群 のG'm平 均 値+2σ) B群 す なわ ちG/mが 明 らか に 高値 を と るグル ー プ で は, a)空 腹 時 血 糖 値120mg/dl以 上 の もの b)Scott分 類 に よ るStageの 進 行 した もの c)罹 病 期 間10年 以 上 の も の d)蛋 白尿(十)以 上 の もの が 多 く認 め られ た ま た血 液 成 分 の うえで e)Ht値 の減 少 傾 向 f)血 漿 フィ ブ リノー ゲ ン濃 度 の増 量 がみ られ た. Aお よびB群 の問 で, 血 小 板 数, 総 コ レス テ ロ ール, トリグ リセ リ ドお よ び血 漿 粘 度 は有 意 差 が認 め られ な か っ た. II)網 膜 症 とG'm Scott 0∼IIを 示 す 糖 尿 病 の大 半 はG'mは 正 常 範 囲 内 に あ っ た. (し か し, G'm平 均 値 は正 常 群 よ り高 く有 意 で あ る.)ScottII以 上 のDM群 で はG'mの 高 値 をみ る頻 度 が大 で あ っ た. III)空 腹 時 血 糖 値 とG'm 空腹 時 血 糖 値120mg/dlを も っ て コ ン トロ ール 良 否 に分 け て検 討 した が, コ ン トロ-ル 良 お よび 不 良 群 の 間 でG'mの 有 意 差 は な か っ た. 結 論 以上 糖 尿 病 に お け る血 液 凝 固 の レオ ロジ ー的 性 質 に 屡 々異 常 が認 め られ た. これ らの所 見 は糖 尿 病 にみ ら れ る血 栓 形 成 化 傾 向 と密 接 な関 連 が あ る と思 われ, 既 に 発表 して き た血 液 粘 度 の高 値 と共 に糖 尿 病 性 細 小 血 管 症 の成 因 を考 え る とき重 要 で あ る こ とを 強 調 した い.

(11)

-83-4: 1294 血液 と脈 管 第4巻 第11号

(IO)糖 尿 病 に お け る血 漿 フ イブ リノー ゲ ン と

血 清 脂 質 の 変 動 に つ い て

Clinical observations of plasma fibrinogen level and serum lipids in patients with diabetes mellitus

文*八

明:

Takef umi MATSUO*, Takaaki YAO, Yoshitami ISHIHAMA Yasuo OHOKI

*兵 庫県立淡路病院

* Hyogo Prefectural Awaji Hospital

目 的 糖 尿 病 に血 栓 性 疾 患 の合 併 頻 度 の高い こ とが知 られ て お り, そ の成 因 に凝 固異 常 や 脂 質 代 謝 障 害 が 関係 し てい る と考 え られ てい る. 私 た ち は糖 尿 病 の 血 管合 併 症 の 程度 や進 展 に血 漿 フ ィ ブ リノー ゲ ン(Fbg)が 関 係 してい る こ とを指 摘 して き た. 今 回 は糖 尿 病 で み ら れ る高 フィ ブ リノー ゲ ン血 が, 糖 代 謝 の改 善 に よっ て どの よ うに変 動 す る か に つい て, 血 清 脂 質 レベル の推 移 と関連 して考 察 した. 方 法 入 院 中 の未 治 療 糖 尿 病 者150例 を対 象 と し, 悪 性 腫 瘍 や 感 染 症 の合 併 例 は除 外 した. 方 法 は, 糖 尿 病 の治 療 開始 前 と開 始 後2週 間 毎 に採 血 を行 ない, 空 腹 時 血 糖 ・Fbg・ コ レ ス テ ロー ル ・中性 脂 肪 ・β-リ ポ蛋 白 を測 定 した. そ して対 象 者 を治 療 の方 法, 糖 代 謝 の改 善 の 状 態, 高 脂 血 症 の 有 無 や脱 コ レ ステ ロー ル 剤 の併 用 の 有 無 につい て 分 類 を行 ない, 各 群 のFbgと 血清 脂 質 の 変 動 を比 較 した. 結 果 糖 尿 病 の治 療 方 法 に よ ってFbgと 血 清脂 質 の 変化 を み る と, イ ンシ ュ リ ン投 与 群 で は前 値375±163mg% のFbgが イ ンシ ュ リ ンの投 与 に よ り急速 に低 下 し8週 後 に は262±90mg%ま で低 下 した. 経 口剤 投 与 群 や食 事療 法 群 で もFbgの 低 下 が み られ た が, イ ンシ ュ リ ン 投 与群 で の低 下 が もっ と も著 明 で あ っ た. そ して 中性 脂 肪 の低 下 もイ ンシ ュ リ ン投 与 群 で もっ と も大 き か っ た が, コ レス テ ロ ール の低 下 は各 群 で の差 はみ られ な か っ た. 治 療 に よ る糖 代 謝 の 改 善 の程 度 と, Fbgや 血 清 脂 質 の 低 下 とは か な らず し も平 行 せ ず, 明 らか な糖 代謝 の 改 善 例 で も血 清 脂 質 が 高値 に あ っ た例 もみ られ た. 次 に脱 コ レス テ ロール 剤 の併 用 がFbgと 血清 脂 質 に 対 して どの よ うな影 響 を持 っ てい るか につい て み た. そ こで合 併 症 の ない 糖 尿 病 で コ ン トロー ル状 態 が 良 好 な群 を対 照 群 と して脱 コ レス テ ロー ル群 の 変動 と比 較 した(図1). す る と脱 コ レステ ロー ル剤 を併 用 した 群 のFbgと 血 清 脂 質 の低 下 は 明 らか で あ り, 低 下 の期 間 も長 期 に お よ ん だ. 高脂 血 を示 す 糖 尿 病 例 で のFbgの 低 下 は血 清 脂 質 の 低 下 とよ く相 関 し, 両 者 の親 和 性 が示 唆 され た. 結 論 糖 尿 病 にお け る高 フ ィ ブ リノー ゲ ン血 の改 善 に は, 糖 尿 病 の適 切 な 治 療 が 有 効 で あ る こ とを示 した. 図1 脱 コ レス テ ロー ル 剤投 与 群 と対 照 群 の 血 漿 フ ィ ブ リノ ー ゲ ンと 血 清脂 質 の推 移 投与群 ---対 照 群 ● フィブリノーゲン x中 性脂 肪 ○ コレス テロール ▲ β-リ ボ蛋 白

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-84-(11)血 清 中 のFDP分

画 の 定 量 に つ い て

Study of Quantitation of FDP fragments in serum

正次郎*

Shojiro IKEMATSU*,

Iaumi TAKEUCHI,

Masatoshi KATO,

Michio FUJIMAKI,

Katsuhiro FUKUTAKE

*東 京医科大学臨床病理学教室

Department of Clinical Pathology, Tokyo Medical College

目 的 EDPに は 各 分画(X,Y,D,E)が 存 在 す る が, 生 体 内 に出 現 せ るFDP分 画 につい て は適 当 な検 出 法 が な い た めに 充 分 な検 索 が行 われ てい なか っ た. 今 回 我 々 は 既 に 発 表 した抗D分 画 血 清, 抗E分 画 血 清 を用い た HITに よ るFDP各 分 画 の 定 量 法 に よ って 正 常 人血 清 お よび異 常 高値 を示 した症 例 に つい て 検 討 を加 え た. 方 法 図1に 示 した よ うに, 検 体 を ま ず抗 フ ィ ブ リノゲ ン 血 清, 抗D分 画 血 清, 抗E分 画 血 清 を用い たHITで 測 定 す る. 更 に検 体 を600Cに て10分 間 加 熱 した後, 3, 000rpm, 15分 間遠 心 して そ の 上 清 を抗E分 画 血 清 を 用い たHITに よ って測 定 す る. 加 熱 前 の抗E分 画 血 清 に よ って測 定 してい る もの はX, Y, E分 画 で あ るが, 加 熱 に よ っ てX, Y分 画 は熱 変 性 し沈 澱 して しま うの で 加 熱 後 の抗E分 画 血 清 に よ る値 はE分 画 のみ で あ る. 加 熱 前 後 の抗E分 画 血清 に よ る値 の差 がX+Y分 画 で あ り, 加 熱 前 の抗D分 画 血 清 に よ る値 か らX+Y分 画 を 引い た も のがD分 画 で あ る. 結 果 正 常 人 血 清20例 に お け る各FDP分 画 は, 表1の 如 く, X+Y分 画0. 4μg/ml(標 準 偏 差S=0. 55), D分 画 3. 6μg/m1(S=1. 22), E分 画0. 9μg/ml(S=0. 59) で あ った. ま たDICに よ ってFDPの 異 常 高 値 を示 し た5症 例(心 疾 患 に よ る もの 症 例1, 2, 急 性 前 骨 髄 球性 白血 病 に よ る もの 症 例3, 4, 5)で は症 例1に おい てX+Y分 画 は存 立 せ ずD, E分 画 のみ で あ った が, そ の他 の例 で はX+Y分 画, E分 画 が 同程 度 出現 し, 更 に大 量 のD分 画 が検 出 され た.

正常人並び にFDP異

常高値 を示 した症 例において

も出現 せるFDP分 画の中心 はD分 画で あった. この こ

とはX+Y分

画が中間産物な るが故に循 環血 中に大量

には存在 せず, またE分 画 はD分 画 に比較 して遥 かに

分子量 が小 さいこ とな どか ら腎 および細網系 な どのク

リアラ ンスを受 け易いこ とが考 え られる. 更 に各疾患

と出現 せるFDP分 画 につい ての比較 を検討 中で ある.

図1 各 種 抗 血 清 を使 用 したHITに よ る: FDP分 画 の 定 量 法 Anti-F...(1) Anti-D...(2) Anti-E...(3) E fragment=(4) X+Y fragment=(3)-(4) 0 fragment=(2)-(3)-(4) 表1 DICに お け るFDP各 分 画 の値

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-85-4: 1296 血 液 と脈 管 第4巻 第11号

(12)産 科 領 域 にお け るFDPの

動 態 と

妊 産 婦 血 小 板 機能

Fibrin splits products and platelet function in obstetric gynecologic field

重 統

Shigenori SUZUKI

北海道 大学医学部産婦人科

Department of obstetric gynecology, Hokkaido University

研 究 目 的 妊 娠 末 期 にお け るFibrinogenを 中心 と した凝 固 因 子 の 増 量 に み られ る如 く, 妊娠 ∼ 分娩 ∼ 産 褥 を 通 じ て, 血液 凝 固 ・線 溶 系 の 変 動 は著 しい もの が あ り, 弛 緩性 出血 を は じめ とす る大 量 の 出血 は, 止 血 機 序 の 生 理 的 な歪 み と もみ な され てい る. この よ うな観 点 か ら, 分 娩 時 に お け る出 血 と線 維 素 溶解 現 象 との 関 連 を, フ ィ ブ リン体 分解 産 物(FDP)を 中心 に, そ の 出血 お よ び 止 血 時 に お け る動 態 を検 索 し, また, FDPが 産 婦 の血 小板 粘 着能, 凝 集能 に如 何 な る影 響 をお よぼ す か を知 る こ とに よ り, 産 科 の 異 常 出 血 の 予 知 に 対 す るア プ ロー チ を試 み た. 研 究 方 法 (1)正常 分娩70例(2)異 常 分 娩(早 剥 ・前 置 胎 盤 ・弛緩 性 出 血 な ど)30例 に つい て (1)FDP(感 作赤 血 球 凝 集 阻止 反 応 に よ る)(2)Fibri-nogen(Tyrosine法 に よ る)(3)Euglobulin溶 解 時 間

(カ-ナ マ ン社製Clotlysis recorderに よ る)(4)TEG (5)血 小板 粘 着 能(G・B管 に よ る)(6)血 小板 の凝 集 能 力 (E-169)を 妊 娠 ・分 娩 ・産 褥 を通 じて追 及 した. 研 究 成 績 (1)正 常 妊 娠 に おい て も妊 娠 末 期 には, FDPの 出現 とと も にFibrinogenの 増 加 をみ る が, 常 位 胎 盤 早 期 剥 離, 前 置 胎盤 な どの群 で は, 分 娩 開 始 時 にFDPは 80-1280μg/mlで, 正 常 の10∼20μg/mlに 比 して著 し く高 く, と くに早 剥 の症 例 で著 しか った. (2)血小 板 の 凝 集 能 は, 非 妊 娠 の36. 06±4. 56に 比 し, 妊 娠 末 期 で は60. 91±3. 00と1%の 危 険率 で妊 娠 末 期 の方 が 充 進 してい るが 分娩 の進 行 に した が っ て, FDPの 出現 と と もに低 下 し, 早 剥, 前 置 胎 盤, 弛 緩 性出 血 な どの 例 では 著 し く低 下(10%前 後)し てい る. (3)Euglobulin 溶 解 時 間 は, 陣 痛 の発 来 と と もに短 縮 し, 分 娩 第1期 におい て最 も短 か く, 分 娩 後2時 間 目 の値 と比 較 して 5%の 危 険率 で有 意 の差 が あ っ た. 総 括 従 来 の弛 緩 性 出血 の対 策 の多 くは, 出 血 して か らは じ めて た て られ てい る感 じが つ よい が, わ れ わ れ の得 た成績 に よれ ば, 正 常 分 娩 とい え ど もす で に 分娩 第1 期 に は, Euglobulin溶 解 時 間 の短 縮 や, TEGの 変化 は 出現 して お り, 同 時 にFDPの 存 在 も分娩 第1∼2 期 に おい て は, 30∼40%に み と め られ る. しか も80μg/ml以 上 のFDPを み とめ た症 例 で は, 殆 ん どが500ml以 上 の出 血 をみ てい る こ とか ら, 分 娩 時 の 出血, 止 血 の役 割 に関 与 す る凝 固 ∼線 溶 系 の検 索 は, 妊 娠 時, 入 院 時 の 検 索 よ りも, 分 娩 開 始 後 のfollow upが 重 要 で あ り, そ のKey Pointは, FDPの 検 出

と, Fibrinogenの 定 量 で あ る とい え よ う. ま た, 分 娩 経 過 中 に お け るFDPの 血 小 板 凝 集 能 へ の抑 制 を証 明 し え た こ と に よ り, 産科 出血(と くに弛 緩 性 出血, 早 剥 な ど)の か な りの頻 度 に, DICの お こ る可 能 性 を示 唆 す る も の とい え る.

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-86-(13)担 癌 体 のFibrinogen代

謝 に 関 す る 研 究

Fibrinogen metabolism in tumor bearer

洋*

田 忠

日 置 紘士郎

山 本

政 勝

*関 西 医科大学外科

癌 患 者 の血 中 にはFbgの 増 量 が み られ る こ とが多 く, ま た癌 組 織 へ のFbgの と り込 み も増 加 してい る とい われ る. しか しそ の詳 細 に関 して は ま だ未 解 決 の 問 題 点 も多 く, 特 に そ の代 謝 に関 して は今 日な お詳 ら か で は ない. そ こで, 担 癌 体 のFbg代 謝 異 常 に関 す る 機 作 の 一 部 を明 らか にす る た め以 下 の実 験 を お こな っ た. 各 種移 植 癌 を ラ ッ ト及 び 家 兎 に 移 植 の 上 血 中Fbgを 測 定 した とこ ろ, 健 常 動 物 に比 し担 癌 動 物 で はい ず れ も血 中Fbg値 の上 昇 が み られ た. つい で 腫 瘍 増殖 の 穆 度 と血 中Fbgと の間 に相 関 関 係 が 成 立 す るか 否 か を 検 討 す る 目的 で, 吉 田 肉 腫 やDMBA誘 発 乳 癌 で検 討 した とこ ろ, 明 らか に腫 瘍増 殖 と血 中Fbg値 との間 に正 の相 関 関 係 が み られ た. つい でWalker carcino-8arcoma 256移 植 ラ ツ ト及 びVx2 carcinoma移 植 家 兎 を用い て経 日的 に血 中Fbgを 測 定 した と ころ, 悪 液 質 の出 現 につ れ て, 一 旦 上 昇 してい たFbg値 は低 下 傾 向 を示 す こ とが 明 らか に な った. ま た家 兎 でVx2 carcinomaを 用い 肺 転 移 及 び肝 転 移 を作 製 し, 作 製 後 18日 目に 血 中Fbgを 測 定 した とこ ろ, 肝 転 移 例 に よ り 高い 血 中Fbg値 が得 られ た. そ こ で ラ ツ トに吉 田肉 腫 皮 下移 植 後7日 目に腫 瘍 を摘 除 し, 摘 除 後7日 目にFbg を測 定 した とこ ろ, 移 植 後 上 昇 してい たFbgも 摘 除 に よ り正 常 に復 帰 す る傾 向が み られ た. また1251-Fbg を用い て腫 瘍 及 び 肝 へ の取 り込 み を経 時 的 に検 討 した とこ ろ, 肝 よ りも腫 瘍 と くに 腫瘍 の 周 辺 部 に 多 く取 り 込 まれ る こ とが 判 明 した. 1251-Fbgを 用い てkinetic studyを 行 な っ た とこ ろ, 各 種 担 癌 動 物 でT%の 短 縮 が 認 め られ た. さ ら にVx2 carcinomaを 用い て家 兎 の肝 転 移 及 び 肺 転 移 を作 製 し検 討 した と こ ろ, 肝 転 移 例 に おい てT%の 短縮 が 著 る しか っ た. また 吉 田肉腫 移 植 ラ ッ トを用い14C-l-LeucilleのFbg分 画 へ の 取 り込 み 状 況 をみ た とこ ろ, 増 加 傾 向 が み られ た. そ こ でBunster and Meyerの 方 法 に よ りラ ツ トでParabiose を作 製 後9日 目に一 方 のpartnerに 吉 田 肉腫 を 移 植 し, 経 日的 に両partnerの 血 中Ebg値 を測 定 した と こ ろ, 4∼5日 目に両partnerと もにFbgの 上 昇 が 認 め られ た. 以 上 の結 果 よ り, 担 癌partnerよ り接 合 部 を通 じ て健 常partnerの 肝 へ 何 らか の働 き か け が あ る もの と推 定 され た の で, Toxohormoneに 注 目 し, 中原, 中 川 の 方 法 でToxohormoneを 抽 出 の上 健 常 ラ ツ トに 投 与 し, 経 時 的 にFbgを 測 定 した と こ ろ, 12 ∼24時 間 の 間 でFbgの 上 昇 傾 向 が み られ た. そ こで crude Toxohormone投 与 後12時 間 目で14C-4-Leucine を用い てFbg及 びAlbuminの 取 り込 み を み た とこ ろ, Fbgの 取 り込 み は増 加 してい た が, Albuminは 著 変 な か っ た. そ こでcrude ToxohormoneをDEAE-Cephadex A-50を 用い て6分 画 に精 製 し, 各 分 画 を健 常 ラ ッ トに投 与 した と こ ろ, 第5分 画 に おい て, 血 中 Fbgの 上 昇 が み られ た. 以 上, 癌 の発 育 進 展 とFbg代 謝 との 間 に は 密 接 な 関 連 性 の あ る こ とが 判 明 した. 担 癌 体 に お け るFbg代 謝 異 常 誘 発 因 子 の1つ と して, 少 な く と もToxohormoneが 重 大 な役 割 を演 じてい る も の と思 わ れ る. -

(15)

87-4: 1298 血 液 と脈 管 第4巻 第11号

(14)凝 固 ・

線 溶 系 因 子 の腫 瘍 転 移 抑 制 に

関 す る実 験 的 研 究

Experimental studies on the effect of coagulative and f ibrinolytic agents on pulmonary metastasis

次*

Yuhji HIGUCHI*,

Masaki KOBAYASHI,

Takashi YAMASHITA,

Eiro TSUBURA

*徳 島大学医学部第三内科

* The Third Departmentof Internal Medicine, School of Medicine, Tokushima University

研 究 目 的

癌組織において増殖, 浸潤 部では凝固系が充進 して

い るが,

線 溶活性 は低 下 してい る。

一方担癌宿主では一

般 に過凝固性 に傾 き, 線溶 系は概 して低線 溶能 を示す

傾向 にある. 癌 転移の形成 過程 は原発巣 か らの癌細胞

の遊離には じま り, 豚 管内移行, 標的臓 器への着床後

豚管外への遊 出, 増殖 の段 階があ る.

佐藤 らに よると,

血行性転移 の初 期増殖 は細 静豚 系においてみ られ, 壁

在血栓の形成 漏 出性 出血,

透過 性の充進等微小循 環系

の循環動 態異常 と血管 内皮障 害がみ られ る. 転移 形成

に際 して凝 固線溶現象 が関与す るのは原 発巣 か らの遊

離 および着床 の段階 にある と推察 され る. とくに着床

に関 して, 肺転移着床 の初期形成 の段階 で血 中の凝固

線溶系 因子が どの様 な影響 を与 えるかをみ る 目的 で,

原発巣 の影響 を除外 したラッ ト血行性肺転移 モデル を

用いて各種含硫酸性多糖類 による影響 を検討 した.

研 究 方 法

Donryu系

ラッ トのぞけい部切 開を行い, 股静豚 に

AH 109A107を 接種 した. ヘパ リン, デ キス トラン硫

酸(分 子量約7,

000, S含 量18%, DS), キシ ラン硫酸

(分子量約4,

000, S含 量18%, XS), コン ドロイチ ンポ

リ硫 酸(分 子量約6,

000, S含 量15%, CPS), コン ドロ

イチ ン硫酸(分 子量約40,

000, S含 量6%,

CSN), グ

ル コースポ リ硫酸(分 子量360, S含 量18%,

GPS)

を腫瘍細胞接種1時 間前 に1回 のみ腹腔 内投 与を行 な

った. 肺転移 は腫瘍細胞接種2週 目の肺 表面転移結節

数 を算定 し, 生食水投与 の対照群 と比較 した. 酸性多

糖類投与後 の血液凝固活性 は全血凝固時 間によ り, 線

溶 活性 は ユ ー グ ロ ブ リン溶 解 時 間 と フィ ブ リ ン平板 法 を用い て, 肺 組 織 の 凝 固 活 性はQuick一 段 変 法 に よ りThromboplastin活 性 を, 線 溶 活性 は フ ィ ブ リン平 板 法 を用い て 測 定 した. ま た51Crお よび1251で 標 識 した腫 瘍 細胞 で 肺 で の 経 時 的推 移 を観 察 した. 研 究 成 績 AH109A接 種 後 の 肺 で の 経 時 的推 移 で は10分 後 に55 %, 4時 間 で90%, 24時 間 後 で は98%以 上 が 消 失 して いた. ヘ パ リン群(5, 000u/kg)で は肺 転 移 抑 制 率 は 87. 5%(P<0. 001), 含 硫 酸 性 多糖 類100mg/kg投 与 で はDS群92. 5%(P<0. 01), XS群97. 6%, CPS群 95. 1%と 著 明 な転 移 抑 制 効果 をみ た が, CSN群 で軽 度抑 制 を, GPS群 で は全 く抑 制 効 果 を認 めな か った. しか し50mg/kgお よ び25mg/kg投 与 で はDS群, XS 群 の み抑 制 効 果 を認 め た. 酸 性 多 糖 類 に よ る凝 固線 溶 能 の変 化 と肺 転 移 抑 制 効 果 と の間 に関 係 が み ら れ, 100mg/kgのOne shot腹 腔 内 投 与 後 の凝 固線 溶 活 性 はXS, CPS, CSNの 順 に凝 固 活性 の低 下 お よび 線 溶 活 性 の充 進 が み られ た. ま た, 肺組 織 で の凝 固線 溶 活 性 に は著 明 な 変 化 は 認 め られ な か った. 結 論 肺 転 移 形成 の初 期段 階 に 及 ぼ す凝 固 線 溶 系 因 子 と し て含 硫酸 性 多糖 類 の影 響 を検 討 した と こ ろ, DS, XS, CPSの 各 群 で著 明 な抑 制 効 果 を認 め え た. この抑 制 効 果 は抗凝 固活 性, 線 溶 活 性 と関連 してい るが, 同 時 に 細胞 表面 の膜 電 位 の 関与 や, lipoprotein lipaseの 活 性 化 に よる生 体 膜 の変 化 等 も考 慮 に加 え るべ きで あ ろ う. -

(16)

88-(15)Estrogensの

凝 固 ・

線 溶 系 に 及 ぼ す 影 響

Effect of estrogens on coagulation-fibrinolysis system

真 木 正 博* 永 山 正 剛

小 田 得 三 品 川 信 良

Masahiro MAKI*, Masataka NAGAYAMA,

Tokuzo ODA, Shinryo SHINAGAWA

*弘 前 大 学 医 学 部 産 婦 人 科

*Department of Obstetrics and Gynecology, Hirosaki University, School of Medicine

研 究 目 的 第1回 の本 討 議 会 に おい て, 妊 婦 の血 液 に は各 種 血 液 凝 固 因 子 が増 加 して お り, かつTEGやLee-white 法 で調 べ てみ て も凝 固性 充 進 の 状 態 に あ る こ と を 述 べ, さ らに こ の凝 固 性 充 進 に黄 体 ホ ル モ ンや 卵胞 ホル モ ンが 関与 してい る こ とに もふ れ た. 黄 体 ホル モ ン と卵胞 ホ ル モ ン との混 合 剤 で あ る経 口 避 妊 薬 使 用 者 群 に非 使 用 者群 に比 して, 血 栓 症 の発 生 頻 度 が 高い とい う事 実 や, 妊 娠 状 態 は全 身 性 シ ュ ワル ツマ ン現 象(そ の本 態 は血 管 内 凝 固)の 準 備 状 態 で あ る とい わ れ る事 実 な どか ら考 え て, 性 ホル モ ン と凝 固 6線 溶 系 との 関係 の追 究 が望 まれ る. 今 回 は止 血 剤 と して広 く使 用 され てい るconjugated estrogensが ウ サ ギ に お け る エ ン ド トキ シ ンの注 入 に よ る血 管 内凝 固 のモ デ ル 実 験 に対 して どの よ うな影 響 を与 え る か につい て研 究 して み た. 研 究 方 法 ウサ ギ の耳 介 中 心静 脈 よ りポ リエ チ レ ン細 管 を 中心 静 脈 まで 挿 入 し, これ よ り持 続 的 に大 腸 菌 エ ン ド トキ シ ン(Difco)を90μg/kg/hrの 割 合 で約10時 間 に わた っ て注 入 した. 一 方, 被 検 群 に は エ ン ド トキ シ ン と同 時 にconjugated estrogens(10mg)を 混 注 した. この 実 験 中 に, 経 時 的 に採 血 し血 小 板 お よび 凝 固線 溶 系 の検 査 を 行 ない, 10時 間 の 注 入 終 了 後 に 屠 殺 し て, 腎 糸球 体 に お け る線 維 素析 出 の 度 合 を調 べ た 研 究 成 績 現 在 も実 験 進 行 中 で例 数 を重 ね つ つ あ るが, 今 ま で に得 られ た主 な成 績 は次 の とお りで あ る (1)10時間 の実 験 終 了 前 に ウ サ ギ が死 亡 した例 は, コ ン トロ-ル 群35例 中8例(22%), 被 検 群10例 中5例 (50%)で あ っ た. (2)実験 前 後 にお け る線 維 素 原 や 血 小 板 の差(実 験 中 に お け る産 生 の 問 題 を考 慮 に 入 れ なけ れ ば 消 費 量 と考 え よい)を み る と, 被 検 群 で は コ ン トロー ル 群 に 比 し て, や や 消 費量 の増 加 傾 向 が うか が わ れ た. (3)腎に お け る線 維素 析 出 の度 合 は, 実験 中死 亡 例 を 除い て計 算 してみ る と, コ ン トロー ル群 で は37%程 度 で あ っ た の に対 して, 被 検 群 で は81%に も及 ん でい た. 結 論 Conjugated estrogensは ウサ ギ にお け る エ ン ドトキ シ ン注 入 に よ る血 管 内凝 固 の発 現 をpotentiateす る よ うな結 果 が 得 られ た. お そ ら く, estrogensの 投 与 に よ っ て血 中 の凝 固 促 進 性 の蛋 白分解 酵 素 の 増 加 が み られ る こ と, 血 小板 の粘 着 能 が 充 進 す る こ とな ど の た め に, 以上 の よ うな結 果 が 得 られ た もの と考 え られ た.

(17)

-89-4: 1300 血 液 と脈 管 第4巻 第11号

(16)Allium

cepa(onion)の

線 溶 能, 脂 質

代 謝 に及 ぼ す影 響 に つい て

The influence of Allium cepa(onion)on the fibrinolytic activity and serum lipid

吉 村 良 之 介*内 田 博 重 山 本 祐 夫

Ryonosuke YOSHIMURA*, Hiroshige UCHIDA, Sukeo YAMAMOTO

*大 阪 市 立 大 学 医 学 部 第 三 内 科

*Department of Internal Medicine, Osaka City University Medical School.

研 究 目 的 高 脂 血 症, 血 液 凝 固 能 充 進, 線 溶 能 抑 制 が 動脈 硬 化 症 の発 生 と進 展 に関 与 してい る こ とがDuguidの 血 栓 説 以 来 明 らか に され つ つ あ る. Allium cepa(onion) の 経 口投 与 が, 血 中線 溶 活 性 を高 め, 抗 脂 血 作 用 を有 す る こ と を, 既 に前 回報 告 した. 今 回 はonion投 与 後 の脂 質 と線 溶 との 関連 性 に つ き さ らに検 討 を加 え る と共 に, 実 験 的 家 兎 粥 状 硬 化 症 に 及 ぼ す影 響 につい て も検 討 した. 研 究 方 法 健 康 男 女 に早 朝 空 腹 時 にonion 150∼200g経 口投 与 し, そ の前 後 の血 清 脂 質, 血 漿Lipoprotein-lipase活 性(化 学 的 定 量 法), F. D. P. (H. 1. T. 法)を 預II定し た. 又 家兎 に つい て も同様 の 実験 を行 った. 体 重 約2.5kgの 雄 性 家 兎 を3群 に分 け夫 々 つ ぎ の実 験 を行 っ た. 1群: 家 兎6羽 に1%コ レス テ ロ-ル 加 飼 料 を約3 ケ月 間 毎 日投 与. 1群: 家 兎6羽 に1%コ レ ステ ロ-ル 加 飼 料 とonion extractを 経 口投 与. II群: 6羽 を無 処 置 対 照 群 以 上 の3群 に つ き, 飼 育 期 間 中 一 般 状 態 の観 察 と 一 定 期 日に血 清 脂 質, 線 溶 能 を測 定 した. 屠殺 後, 心 大 動脈, 肝, 腎, 脾等 の 肉眼 的 観 察 と各蔵 器 の重 量 の測 定, 又組 織 学 的 検 索 は, H. E, SudanII, elastica Von Gieson染 色 に よ り行 っ た. 研 究 結 果 1)onionの 経 口投与 に ょ り, control群 に 比 し, 2∼4時 間 後 に 血 漿Lipoprotein-lipase活 性 化 傾 向, F. D. P. titerの 上 昇, 血 清 脂 質 値 低 下 作 用 を確 認 した 2)onion extractの 実 験 的 家 兎 粥状 硬 化 症 に及 ぼ す影 響.

total cholesterolは1群 で は著 明 に増 加 し, 約1o週 後 に は最 高 に達 したが, II群 で は1群 に比 して緩 や か で あ っ た. 大 動 脈 の肉 眼 的 所 見 で は, I群 で は全 例 に 大 動 脈 起 始 部 よ り弓 部, 胸 部 大 動脈 部 に か け て, 内膜 表 面 か ら隆 起 したAtheromの 形 成 を認 め た. II群 で も同 様 のAtherom形 成 を認 め た が何 れ も1群 に 比 して軽 度 で あ った. 又 組 織 学 的 所 見 で も略 々同 様 の傾 向 を確 認 した. 結 論 onionがin vivoでLipoprotein-lipase活 生を生 じ, chyromicronの 分解 促 進 に 関与 し, 抗 脂 血 作 用, 線 溶 活 性 化 作 用 を もた らす 可能 性 を認 め た. 又 家 兎 実 験 的 粥 状硬 化 症 で は 大動 脈 血 管 病 変 の進 展 が 軽度 に と どま り得 た. 動 脈 硬 化 に 多 くみ られ る血 管 内 膜 の線 維 性 増殖 を伴 った脂 肪 変 性, (ア テ ロー ム硬化)の 成 因 に脂 質 代 謝 と, 血 液 凝 固, 線 溶 能 が 関与 して い る こ と よ り, onionの 経 口投 与 が 予 防 的 意 味 か ら も意 義 あ る もの と思 わ れ る.

(18)

-90-(17)人 工 弁 置 換 術 後 に お け るDipyridamole

投 与 の臨 床 的 効 果

Clinical Effect of Dipyridamole ingestion after prostetic Heart Valve Replacement

笠 原 卓* 吉 田 晃 治 長 崎 義 彦

Takashi KASAHARA*, Koji YOSHIDA, Yoshihiko NAGASAKI

*久 留 米 大 学 医 学 部 第 二 外 科

*The Second Department of Surgery, Faculty of Medicine, Kurume University

研 究 目 的 人 工 弁 置 換 手 術 術 後 の合 併 症 と して最 も重 要 な もの の一 つ に血 栓 塞 栓 症 が あ る. こ の合 併 症 を予 防 す る た め に, 現 在Coumarin誘 導 体(Warfarin)を 使 用 し て い るが, トロ ンボ テ ス トや プ ロ トロ ン ビ ン 時 間, Thrombelastography(T. E. G)に よ り厳 重 に コ ン ト ロ-ル して い るに も拘 らず, 術 後 血 栓 塞 栓 症 を惹 起 す る こ とが あ るの は しば しば経 験 す る こ とで あ る. 1964 年Bunagら の報 告 以 来Pyrimido pyrimidine誘 導 体 の 血 栓 形 成 抑 制 作 用 に つ い て の報 告 が故 見 され る. 我 々 は, 体 外循 環 に よ る人工 弁 置 換 術 術 後 にDipyridamole (Persantin)の 投 与 を行 ない, 凝 血 学 的 検 査 を 中心 と し てそ の 臨 床 的 効果 を検 討 してみ た. 研 究 方 法 体外 循 環 に よる人 工 弁 置 換 術 例23例 にWarfarinに よ る抗 凝 固療 法 と併 用 して術 後3日 目 よ りPersantin 1日400mg 4× 内服 投 与 し, 対 照 群 は 同 じ く人 工弁 置 換 手 術 例20例 にWarfarinに よ る抗 凝 固療 法 の み を行 った. 検 査 方 法 は血 小 板 数(Rees-Eckerの 直 接 法), 血 小板 粘 着 率(ガ ラ ス フ ィル ター 法), Thrombelasto-graph(全 血 法), 血 漿 フ ィ ブ リノ-ゲ ン定 量(Tyrosin 法), プ ロ トロ ン ビ ン時 間(Quick 1段 法), カ オ リン加 部 分 トロン ボ プ ラス チ ン時 間 を手 術前 日, 術 後1日 目, 7日 目, 14日 目, 以 後1ケ 月毎 に採 血 し測 定 した. ま たPersantinに よ る副 作 用, 出 血 傾 向, 血 栓 塞 栓 等 の 臨 床 症 状 は常 時 観 察 した. 研 究 結 果 血 小 板 数 はPersantin投 与 群 ・非 投 与 群 とも に術 後 14日 目か ら1ケ 月 で術 前 よ り高 値 を示 し, 2ケ 月 以 後 次第 に術 前 値 に復 した が, 投 与 群 の方 が非 投 与 群 よ り 常 に高 値 を示 した. 血 小 板 粘 着 率 で は全 経 過 を通 じて 投 与 群 が非 投 与 群 よ り低 値 を示 した. す な わ ち非 投 与 群 が正 常 範 囲 内(20∼35%)に あ る の に対 し投 与 群 で は10∼20%の 低 値 を示 した. Thrombelastogramで は γ値 ・k値 ・ma値 とも に投 与 群 と非 投 与 群 に有 意 の差 を認 めず, い ず れ も正 常 範 囲 内 で あ っ た. 血 漿 フ ィ ブ リノー ゲ ン値 は両 群 と も術 後7日 目, 14日 目で 高 値 を示 し, 非 投 与 群 で は術 後1 ケ月 で ほ ぼ 術 前 値 に復 したが, 投 与 群 で は次 第 に低 下 し術 後2ケ 月 目以 降 術 前 値 よ り低 値 を示 した. プ ロ ト ロ ン ビ ン時 間 で は 投 与 群 が 術 後7日 目か ら1ケ 月 で 非 投 与 群 よ りも低 値 を示 したが 有 意 の差 は 認 めな か った カオ リン加 部 分 トロ ンボ プ ラス チ ン時 間 は 両 群 と も正 常範 囲 内 で 両 者 に 有 意 の 差 は な か った. Persantin投 与群 に 副 作 用 と して2名 が頭 痛, 1名 が胸 痛 を訴 え た. 他 は肝 障 害 等 の障 害 は な か った. ま た2例 に塞 栓症(1 例 は胸 塞 栓, 他 の1例 は 腎 塞 栓)の 発 生 をみ た が, 死 亡 例 は な か った. 非投 与 群 で は3例 が死 亡 し剖 検 に よ りい ずれ も人 工 弁 部 に血 栓形 成 を確 認 した. 結 論 凝 固学 的 検 査 で血 小 板 粘 着 率 の低 下, Fibrinogen量 の低 下 は血 栓 予 防 の 目的 に か な う もの で あ り, 実 際 に 術 後 の死 亡 例 も今 の所, 皆 無 で あ る さ らに重 篤 な副 作 用 もな く, Persantinが 臨 床 的 に あ る程 度 有 効 で あ る と考 え られ た の で報 告 す る.

参照

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