腰痛について
発行:株式会社 望星薬局 (https://www.bohseipharmacy.co.jp)
今年も望星薬局を
よろしくお願いします
腰の痛みは誰もが経験したことがあると思いま す。よく「持病の腰痛が…」と言う人も居ますが、実 は腰痛は病名ではなく、いろいろな原因で起こる腰 の痛みの総称です。人の背骨は頸椎、胸椎、腰椎、仙 骨、尾骨からなり、それぞれの部位は椎骨という小さ な骨が重なって背骨を形成しています。姿勢が悪か ったり、頻繁に重い荷物を持ったりすると腰椎に負 荷がかかり腰痛の原因になります。厚生労働省の調 査では病気やけがで自覚症状のある人のうち、腰痛 を訴える人は男性で1位、女性では肩こりに次いで 2 位となっています。 腰痛診療ガイドラインによると腰痛は「体幹後面に存在し、第12肋骨と 殿溝下端の間にある、少なくとも 1 日以上継続する痛み。片側また は両側の下肢に拡散する痛みを伴 う場合も、伴わない場合もある」 と定義されています。また、発症 からの期間によって、発症から 4 週間未満の急性腰痛、4 週間以上 3ヶ月未満の亜急性腰痛、3ヶ月 以上の慢性腰痛に分類されます。 原因別では、脊椎、神経、内臓、血 管などからだに問題があるもの、 うつ病やストレスなど精神的な要望星薬局
No.256 2021 年 新春号
腰痛の治療法
因があるもの、その他の6つに分類されます。がんや感染症、骨折などが 原因で腰痛が出る場合もありますので安静にしていても痛みがある場合、 手足のしびれを伴う場合、高齢、持病をお持ちの人はまずは医師の診察を 受けてください。 腰痛の治療には薬物療法、物理・装具療法、運動療法、認知行動療法、 インターベーション療法(神経ブロック、注射療法)、手術療法がありま す。 薬物療法にはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、弱オピ オイド、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液、非ステロイド性抗 炎症薬(NSAIDs)などの治療薬があり、痛みの改善に効果があると言わ れています。そして、特に慢性腰痛においては、腰痛がある時でも痛みを 我慢できる範囲で動かした方が治りが早いというデータがあり、運動療法 が推奨されています。 運動療法にはウォーキングなどの全身運動や体操、体幹トレーニングな ど様々ありますが、今回その一部を紹介します。 ドローイン 膝を立てて仰向けに寝て、腰骨のや や内側に指をあてておヘソを床に近 づけるようにお腹を引き込みます。1 回 10 秒程度で3~6セット行いま す。 下向きブリッジ(上肢挙上) 手と膝をついて四つばいになりま す。背中が反らないように、おヘソを 軽く引き込んで下さい。次に片方の 手を挙上します。片側 10 秒程度で 3~6セット行います。慣れてきた ら次の上向きブリッジに進みましょう。 上向きブリッジ(上下肢挙上) 挙上した手と反対側の足を挙上しま す。1 回片側 10 秒を3~6セット 行います。慣れてきたら 1 回片側 30 秒を 2 セット行いましょう。運動療法の紹介
背骨の周りの深部筋を鍛えることで体幹が安定し、姿勢が整い腰痛の 改善と予防にも効果的です。ウォーキングなど全身運動と組み合わせて 行うとより効果的です。いずれも継続して行うことが大事です。毎日は ちょっと…という人はもっと手軽にできる腰痛体操がありますのでまず はこちらからどうぞ 腰痛体操 足を肩幅よりやや広めに開いて立ち、両手をお 尻に当てます。指先は真下に向けます。あごを 軽く引いて手首に近い部分で骨盤を前へ押し 込むようにし、両肘を内側に寄せながら、息を 吐きながらゆっくり上体を反らし3秒間保ち ます。1日2~10回行いましょう。 腰痛とストレスは密接な関係があります。人の脳 には痛みを和らげる機能があるのですが、腰痛や腰 を動かすことに対する不安や恐怖、職場や家庭内で のトラブルなどでストレスがあると、この機能が弱 くなってしまい、結果として痛みが強く感じられる ようになります。そして、痛みから活動が制限され ることで更にストレスを抱えてしまい悪循環に陥っ てしまいます。このようなストレスに対しては認知行動療法が有効です。 自身の状況を客観的に捉えることで、痛みのせいで何もできないという間 違った判断(認知)を正し、痛みがあってもできることはあるという前向 きな気持ちになることで、ストレスを感じない心のゆとりが生まれます。 生活習慣の見直しも大事です。飲酒、喫煙、肥満は腰痛 に悪い影響を与えると言われています。 日常生活では腰に負担のかかる動作(中腰になって物 を拾う、重いものを持ち上げる、長時間同じ姿勢でいる、 うつぶせで寝るなど)はなるべく避けましょう。 適度な運動を取り入れた健康的な生活習慣と穏やかで ストレスのない生活で腰痛の予防や改善を行いましょう。
ストレスは大敵 日常生活を見直しましょう
私たち薬剤師が非常に多く患者さんから受ける質問のひとつに「この薬の副 作用はありませんか?」があります。患者さんにとっては効果があり、副作用 がない薬が理想的で、薬剤師も同じように考えます。しかし、残念ながらほぼ 全ての薬には副作用があります。今回は、薬の副作用についてお話しします。 薬の副作用は大きく3つに分類することができます。 まず、薬の薬理作用、もしくはそれに付随する効果によ って起こる副作用です。例えば、花粉症で薬を飲んだら、 鼻水は止まったけど眠くて仕方ない、このような話を聞い たことはあると思います。これは、皮膚の痒み、鼻炎など のアレルギー症状の原因となるヒスタミンが、脳内で集中 力・判断力にも関わっているため、薬の薬理作用としてヒ スタミンの作用を抑えることで、アレルギー症状は治まったが、集中力や判断 力も下がってしまい、眠気という症状を感じたということになります。この副 作用は、一般的にはある程度予想可能であり、その薬の量を増やすと副作用も 出やすくなります。抗がん剤による貧血、脱毛や糖尿病薬の低血糖などもこの 分類になります。 次に、薬を続けることで徐々に体への影響がでる副作用で、例えるならば、 薬物中毒になります。ただ、実際には薬を服用していなくても症状がでること があるので、因果関係を特定できないことも多く、また、症状が徐々にでるた め、自覚症状として体の症状に現れたことに気が付けないことも多いのが特徴 です。体調に変わりがなくても、定期的な血液検査や受診を必要とする理由の ひとつでもあります。この分類の副作用には、ステロイドを長期服用する事で 起こることがある白内障、低用量ピルにおける乳癌などが該当します。 最後に、頻度は非常に稀ですが、生命に関わる副作用になります。薬物過敏 症のような症状で、多くは服用開始後、3 か月後くらいまで注意が必要です。 熱、痛みを伴うような皮膚障害、急激に悪化する肝障害などが当てはまります。 薬の副作用は、その全てが詳らかではなく、特に多くの 方が薬を使用していく中で徐々に因果が解明されてくる ものもあります。「くすり」を逆から読むと「りすく」に なるように薬の効果と副作用は裏表の関係になります。 しかし、「薬」の効果を最大限にし、かつ、「リスク」を最 小限にしていくことはできます。私たち薬剤師が症状を お伺いするのもそのためです。お薬を使用していて何か 気になる症状があれば、ぜひ薬剤師までご相談ください。 【医薬品情報課 滝澤健司、山川宏之】