国 語 科 学 習 指 導 案
指導者 竹原市立竹原西小学校 教諭 浅野 一恵 1 日時 平成23年6月10日(金)第5校時 2 学年 特別支援学級(自閉症・情緒)第2学年男子2名 第3学年男子1名 合計3名 3 単元名 ばめんに気をつけて読もう ~いいやつ見つけた~ A児 B児 C児 聞く・ 話 す ○ 聞く姿勢が崩れることが 多いが,話は聞いており, 内容も理解している。 ○ 出来事を順番に話すこと ができる。しかし,声が小 さかったり切らずに話した りするので内容が聞き取り にくい。 ○ 相手の言葉を受けて答え ることができるが,話の途 中で答えてしまうことが多 い。 ○ みんなの前に立つと緊張 するが,帰りの会等では, 積極的に発表するようにな った。 ○ 相手に視線を向け,姿勢 を正しくして聞くことは難 しいが,内容を理解して, すぐに言葉で反応する。 ○ みんなの前で話すことが 苦手である。理由等は,個 別でゆっくり聞くと話す。 読む ○ 絵本等のお話では順序や 挿絵の内容が楽しく理解で きる。 ○ 役割読みを行ったがせり ふをすべて覚えて相手のせ りふまで言ってしまう。 ○ 読み語りも楽しんで聞く ことができる。 ○ 役割読みを助言してもら いながら楽しんで行うこと ができた。 ○ 絵本の読み語りが大好き で,内容を理解してよく聞 いている。詩の内容につい て絵で表現することができ た。 書く ○ 漢字は興味をもって学習 する。丁寧に書こうと何回 も消すので時間がかかる。 第1学年の漢字「読める」 73字,「書ける」35字。 ○ 文章を考えることが苦手 で教師と一緒に考えること が多い。決まれば,自分で 2・3語文の文章を書くこ とができる。 ○ 平仮名の清音に加え濁音 も読み書きができる字が増 えてきている。平仮名「読 める」44字,「書ける」29 字 。 ○ 見本の絵と文字から当て はまる文字を見つけて書く ことができるようになって きた。 ○ 第1・2学年の漢字「読 める」82字,「書ける」53 字。 ○ 文章を書くことは苦手で あるが,1・2語文なら自 分で書ける。 児童の姿 A児,B児,C児とも,いろいろなことに意欲的に取り組み,活発に学習活動に参加する。 A児は,完成させることや機械類等にこだわりがある。相手が言うことは分かっているが,自分の 思いを一方的に話したり,不意に興味のあるものに行ったりすることがある。B児は,やる気で活動 を開始するが,話を最後まで聞かないで衝動的に答えたり,「できない。」と判断した場合に,やる 気をなくしたりすることがある。文字の理解がまだ不十分である。C児は,指導者や友達の言葉など 情報に対して,すぐに反応してしまい,何かを言いながら活動していることが多い。「できない。」 「分からない。」という言葉での表現に抵抗がある。姿勢が崩れたり,手悪さをしたりしやすい。 国語科に関する実態は,次のとおりである。【特別支援学校学習指導要領 国語科】 (1)「聞く」2・3段階 (2)「話す」2・3段階 (3)「読む」2・3段階 (4)「書く」2・3段階 単元について 本単元は,「ばめんに気をつけて読もう」の内容であり,短い文章(詩)ではあるが,登場人物は誰 か,どんなことをしたのか,どんなことを言ったか,そして,どうなったのか等について内容を考え て楽しく読むことをねらいとする。対話することが苦手な3人にとって,様子を考えながら役割を決 めて読むことは,相手意識をもつために大切な学習であると思われる。第1学年に学習した「おむす びころりん」では劇化を楽しく行ったが,相手が言うのを待ってから自分のせりふを言うことは難し い課題であった。また,この詩からは,場所・せりふの内容・二人の気持ち等も考えさせることがで きる。このようにして場面の理解や役割を意識させることは児童が自立した生活に向けて自分と人と の関係を作るために大切であり,本単元は,日常生活や具体的な活動を通してやりとりの関係を豊か にさせるために適していると考える。 また,授業中のルールを守り,協力し合って活動できるようになることでコミュニケーション能力 を育成することもねらいとしている。これらを通して,達成感や自己肯定感をもたせていきたいと考 える。 単元・授業構成の工夫 ○ 初めに身体全体を動かしリラクゼーション を図り発声を促す。 ○ 大型絵本を作り絵カード,ペープサートなど を使って視覚的にイメージしやすいようにす る。 ○ 今は誰の番かを写真,絵等で分からせる。 ○ 個別スペースを作って個別の課題に集中し て取り組めるようにする。 言語環境と表現活動の充実 ○ 簡単な言葉遊びを取り入れ発声を促す。 ○ 吹き出しを使って誰の言葉かに注目させる。 ○ お助けカード(会話の定型文)を用意して,困 ったときに活用する。(困ったときに助けを求 めることが苦手) ○ 振り返りを絵カードで表現してから言葉で 伝えさせる。 指導にあたって この単元でつけたい活用力 ○ 言葉や絵を手がかりにして,場面の様 子が分かる力(AC:絵を合わせながら 一人で,B:絵と部分を問いながら) ○ 相手のせりふを待って,自分のせりふ を言う力(AC:一人で,B:部分を一 人で) ○ はっきりした声で,相手に伝えようと して言う力。(共通) 既習事項 ○ 「はじめに,次に,そして,さいごに」 順番を考えて話すことができる。(A:一 人で,BC:助言で) ○ 絵から簡単な吹き出しの言葉を考える ことができる。(AB) ○ 詩の言葉から様子を考えることができ る。(AB:写真と合わせて,C:絵で表 現) ○ 役のせりふを言う。(A:一人で,B: 助言で,C:一人で) この単元でつけたい自立活動のねらい 3 人間関係の形成 (2)他者の意図や感情の理解に関すること ・ 他者の意図や感情を理解し,場に応じた適 切な行動をとることができる。 6 コミュニケーション (2)言語の受容と表出に関すること ・ 相手の意図を受け止めたり,自分の考えを 伝えたりするなど,言語を受容し表出するこ とができる。
4 単元のねらい ア 関心・意欲・態度 イ 話す・聞く ウ 書く エ 読む オ 対人関係・学習規律 A児 ○ 詩 に 親し み を も ち 進 ん で 活 動 し よ う と している。 ○ 相 手 のせ り ふ を 最 後 ま で 聞いて,それに 答 え て 役 の せ り ふ を は っ き り と 言 う こ と ができる。 ○ 登 場 人 物 と せ り ふ を 絵 と プ リ ン ト を 見 て 片 仮 名 を 使 っ て 書 く こ と ができる。 ○ 自 分 で読 む ことができ,登 場 人 物 の 話 し た 内 容 や 関 係 が理解できる。 ○ 席 か ら 離 れ るときは,承諾 を 得 る こ と が できる。 ○ 自 分 の 思 い と 違 っ て い て も,相手が言う の を 待 っ て か ら 言 う こ と が できる。 B児 ○ 詩 に 親し み をもち,進んで 活 動 し よ う と している。 ○ 相 手 のせ り ふを理解して, そ れ に 短 い せ り ふ で 答 え る ことができる。 ○ 登 場 人 物 と せ り ふ を 絵 と 手 本 を 見 て 単 語 を 書 い て 示 す こ と が で き る。 ○ 読 ん でも ら っ た 内 容 か ら 登 場 人 物 の 話 し た 内 容 や 関 係 が 理 解 で き る。 ○ 席 か ら 離 れ るときは,承諾 を得る。 ○ 相 手 を 見 て せ り ふ を 最 後 ま で 言 う こ と ができる。 C児 ○ 詩 に 親し み をもち,進んで 活 動 し よ う と している。 ○ 相 手 のせ り ふ を 最 後 ま で 聞いて,それに 答 え て 役 の せ り ふ を 言 う こ とができる。 ○ 登 場 人 物 と せ り ふ を 絵 と プ リ ン ト を 見 て 片 仮 名 を 使 っ て 書 く こ と ができる。 ○ 自 分 で読 む ことができ,登 場 人 物 の 話 し た 内 容 や 関 係 が理解できる。 ○ 手 を 挙 げ て 自 分 の 思 い を 言う。 ○ 相 手 の 方 を 見 て 相 手 を 意 識 し て せ り ふ を 言 う こ と が できる。 5 指導と評価の計画(全14時間・・・・本時4/14時間) 学習内容 A児の評価 B児の評価 C児の評価 第一 次「よん でみ よう」2 ○ 読み語りを聞い て詩を楽しもう (1) ・ 好きなところを 見つける。 ○ 文の視写をしよ う(1) ・ プリントを見て ・ カードを見て ○ 好きなところを 見 つ け よ う と し た か。(ア) ○ プリントを見な が ら 一 人 で 視 写 で きたか。(ウ) ○ 好きなところを 見 つ け よ う と し た か。(ア) ○ カードを見て,部 分 的 に 視 写 で き た か。(ウ) ○ 好きなところを 見 つ け よ う と し た か。(ア) ○ プリントを見な が ら 一 人 で 視 写 で きたか。(ウ)
第二次「や く わ り をきめよう」3 ○ 役割を決めて読 もう(1) ・ 吹き出しをつけ る。 ・ 役割を決める。 ○ 自分の役を表現 しよう(本時) ・ 二人の気持ちや 行動を考え,表現 する。 ・ 役割を交代す る。(1) ○ 全文を一人で読 むことができたか。 (エ) ○ 相手のことも考 えて役を決めたか。 (オ) ○ 二人の関係を考 え て 役 を は っ き り 表現できたか。 (イ)(エ) ○ 相手のせりふを 聞いて,自分のせり ふ を 言 う こ と が で きたか。(オ) ○ 詩の中の単語を 読 む こ と が で き た か。(エ) ○ 相手のことも考 えて役を決めたか。 (オ) ○ 二人のせりふが 分 か っ て 表 現 で き たか。 (イ)(エ) ○ 相手を見て,せり ふ の 短 い 部 分 を 言 うことができたか。 (オ) ○ 詩の部分を一人 で 読 む こ と が で き たか。(エ) ○ 相手のことも考 えて役を決めたか。 (オ) ○ 二人の関係を考 え て 役 を 表 現 で き たか。 (イ)(エ) ○ 相手の方を見て 相 手 を 意 識 し て 自 分 の せ り ふ を 言 う ことができたか。 (オ) 第三次「お手紙をよもう」9 ○ 読み聞かせを聞 こう(1) ○ お話の順に絵カ ードを並べよう ・ 吹き出し言葉を 絵と合わせる。 (3) ・ 気持ちを考え る。 (2) ○ 吹き出し言葉を 読もう(3) ○ 興味をもって聞 こうとしているか。 (ア) ○ 話の順に絵カー ド を 選 ぶ こ と が で きたか。(エ) ○ 相手のせりふを 最後まで聞いて,自 分 の せ り ふ を 一 つ の 場 面 で 言 う こ と ができたか。 (イ)(オ) ○ 興味をもって聞 こうとしているか。 (ア) ○ 内容に合った絵 カ ー ド を 部 分 的 に 選 ぶ こ と が で き た か。(エ) ○ せりふを指導者 と 一 緒 に 言 う こ と ができたか。(イ) ○ 興味をもって聞 こうとしているか。 (ア) ○ 話の順に絵カー ド 並 べ る こ と が で きたか。(エ) ○ 相手のせりふを 最後まで聞いて,自 分 の せ り ふ を 一 つ の 場 面 で 言 う こ と ができたか。 (イ)(オ) 6 本時の展開 (1)本時の目標 A児 二人の関係が分かって,自分の役のせりふをはっきりと言うことができる。 B児 相手の役と自分の役が分かって,自分の役の短いせりふを言うことができる。 C児 二人の関係が分かって,自分の役のせりふを言うことができる。 (2)表現活動(自立活動から) A児 相手のせりふを聞いて,自分のせりふをはっきりと言うことができる。 B児 相手を見て,せりふの短い部分を言うことができる。 C児 相手の方を見て,相手を意識して自分のせりふを言うことができる。 (3)準備物 大型絵本,単語のカード,ペープサート,ワークシート,各自課題プリント 振り返りカード
(4)展開 学習活動(全体) 学習活動(○),支援(・),評価(※) A児・C児 B児 つ か む 1 本時の学習内容の 把握 ○ 学習スケジュール で本時の流れを確認 する。 広 げ 深 め る 2 おんがくこくご 3 フラッシュカード ○ 漢字・片仮名・平 仮名カードを読む。 ○ 漢字・片仮名交じり文を読む。 (本時に関係ある文を入れて) ・ (C児)傍で部分的に読み方 を教える。 ・ 読めたところにシールを貼 る。 ○ 平仮名言葉(本時に関係ある 単語)を読む。 ・ 読めたところにシールを貼 る。 4 課題の確認 5 えほんこくご ○ 「いいやつ みつ けた」の大型絵本を 見る。 ○ 詩を読む。 ○ それぞれのペースで読む。 ○ 部分的に読む。 ○ 誰のせりふか考え る。 ・ イタチが考えて いること ・ ニワトリが考え ていること ○ イタチ・ニワトリが言った言 葉から見つける。 ○ イタチ・ニワトリが言った言 葉の単語を見つける。 ①活動の見通しがもてる工夫 ○ カードを使ってスケジュールの確認をする。 ④視覚支援の工夫 ⑤意欲付け ②意欲付け ○ 国語科に関係ある音楽や言葉遊びを楽しむ。 ・ リラックスさせ,自由に表現させる。 ③個の課題に合った手立て とうじょうじんぶつになって たのしく よもう ○ 絵本を見ながら,登場人文や場面を思い出す。 ・ 各児童のそばで,指導者が聞く。 ○ 言葉カードを見ながら,リズムを付けて指導者と一緒に読む。 ⑥かかわりある展開(相手の意見を聞き,自分の意見を言う。) ⑦意見が出しやすくなるような工夫 ・ 動物の絵カードや吹き出しカードで分かりやすくする。 ・ 発表の手順に沿って言葉を使わせる。
○ 二人が出会った時 に思ったことや行動 したことを考える。 ○ 表情カードを見て,気持ちを 考える。 ・ (C児)分からないときは 「教えてください。」カード を使えば良いことを伝えてお く。 ○ 表情カードを見て,気持ちを 考える。 ○ 役を表現する。 ○ 自分のせりふを言う。 ・ 個別に表情カード等を見せ ながら練習させる。 ※ (A児)ニ人の関係を考え, はっきりとせりふを言うことが できたか。 相手のせりふを聞いて,自分 のせりふをはっきりと言うこと ができたか。 ※ (C児)二人の関係を考えて せりふを言うことができたか。 相手の方を見て,相手を意識 して,せりふを言うことができ たか。 ○ 自分のせりふを言う。 ・ 二人で担当させ,短い部分 を担当させる。 ※ (B児)相手の役と自分の役 が分かって,せりふを言うこと ができたか。 相手を見て,せりふの短い部 分を言うことができたか。 6 プリントこくご ○ 自分が演じた役の せりふの一部分を書 く。 ま と め る 7 学習のまとめと次 時の予告 ○ 個々で振り返りカ ードをつける。 次時の予告 やくわりを こうたいして たのしくよもう ・ 相手の意見を聞くことをにこにこカードで評価する。 ⑧感覚刺激に配慮した工夫 ○ お互いのがんばりを認め合う。 ○ カードに記入した後で,自分の感想を言葉で表現する。 ・ よかったことをしっかりほめて肯定的評価をする。 ・ お面をつけて自分の役と相手が演じる役を分からせる。 ○ 集中して自分の課題に取り組むために個別スペースで行う。