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ウイクセル効果の諸側面について

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(1)

ウイクセJレ効!祉の諸側!百

l

ごついて

ウイクセル効果の諸側面について

冗;

ウイクセノレの資本理論は,級学的均衡分析をMi縫構造として展制されてい るが,その展開にはまた近代的動学分析発展への種が既にふくまれていた、

この種を,ケインズ的有効需要理論の勤学化,長期化というプロセスの中で 培養したのは,ロビンソンであった。ロビンソンは,ウイクセノレ

ω

分析を

i 古 J

く評価してつぎのどとく述べている。

r

オーカー7 ン博士の問題

l

こ関するウ イクセノレの論文は,決して読み易いものではないが.

r

価値・資本校ぴ地

λ

」の英訳版の出現は,よりやさしい説明に注目させるようになり,こ

ω

明は,ウイクセ

J

ω

,資本理論への貢献が,如何に透徹した性質

ω

ものであ り,また,そ

ω

限界がどこに存在するかを明確にするに役在っている1)c  ロビンソンの「資本蓄積論」における主要テーマは実質賃金率と機械化の程 度との関連であった。ここで,ウイクセ

J

レ的な生産期間

ω

概念がその静態的 性質にかかわらず,機械化の程度に対応する概念として導入されている。ウ イクセル白身の寄与は,所与の技術的条件と静態と

ω

仮定の下で,実質賃金 と生産期間の名称で特徴づけられた生産方法との問の関係を明確にした点に ある。

静態の下では,実質賃金率と資本産出比率との聞に確定的な関係が存在す る。資本産出比率は,生産技術の変化と資本財価格の変化を通じて,実質賃 金率の変化によって影響を受ける。資本財価格への影響はウイクセノレ効果と よばれる。正常的には,賃金率水準が高くなれば,生産方法はより機械化さ れ資本産出比率はより高くなる。これは,ロビンソンの「資本蓄積論」にお いて導出された命題である2)。この命題は,今日また技術転換に関連する問 題として激しく論議されている。この点で,ウイクセノレ効果はまた,ウイク

(2)

2  経 営 と 経 済

セノレとロビンソンとを連結せしめる一つの媒介項と考えることができる。

ロビンソンは, ウイクセノレ効果をつぎのごとく把握する。 I ウイクセノレに よって展開せられた説明によれば,商品で測った資本スト y クの価値は,単 に所与であるにすぎない。所与の資本の価値によって提供せられる雇用量 は,実質賃金率に依存する。賃金率がより低い場合には,所与の型の機械の 価値はより小である

O

ウイクセノレだけがこの点を明らかにしているのであっ て,このことは,新古典派的教義の中 l こ適切に取り入れられていなかったよ うに思われる則。」さらにこの点についてロビンソンは「私としては,私自 身がこの点l ζ 偶然に気がついた後で,ウイクセノレがこの点を明らかにしてい ることを知っただけである。それは. C.  G. ウールによってウイクセノレ効 果とよばれている。」と述べている

4) 

。ここで,われわれは,ロビンソンが ウイクセノレ効果の分析について二つの価値評価をあたえていることを指摘し よう。ウイクセノレ効果はロビンソンによれぽ資本理論の鍵である。 I ウイク セノレは,生産 W J 聞の長さは,それ自身では,資本の労働 l こ対する比率を決定 するものではないことを指摘する。なんとなれば,所与の生産方法に必要な 資本の価値は実質賃金率に依存するからである。このことは,生産期間の長 さは,実質資本比率をあらわす過度に単純化された方法であるという反論以 上に,ベエーム・パヴェノレクの理論にたいするはるかに根本的な批判であ る

C

ウイクセノレのこの点こそ資本の蓄積と賃金利潤決定の全理論 f [ 関する鍵 である引っ」このロビンソン的評価についてはスワンの批判がある引。ロヒ ンソンはウイクセ

J

レ効果をつぎのごとく説明する「ウイクセル効果というク;

で知られているパズルは,深化的投資を行い,労働にたいする資本の比率,

産出量にたいする資本の比率を上昇せしめ,生産関数を低め,技術の機械化

F t 度を高め. 1 : I ' . } i f  

JVJ

問を延長せしめつつある経済の発展 f [ 関連するものであ

る。このプロセスが進行するにつれて,労働の実質賃金は上昇し,資本利

潤率は低落する。このパズルは,以上 ω 変化.が資本設備の項目 ω 価値

l

こ及

ぼす影響 l こ関するも ω である。問題.の背景は最高度にアカデミック的であ

る 7 1 」ロビンソンではウイクセル効果のパズルは発展的経済において解明

せらるべきであった。ウイクセノレの資本分析は構造的

l

こは静学的であった

n

(3)

ウイクセノレ効主任の諸側

Ini

について したがって,ウイクセル効果 ω 分析的背景は完全雇用の定常的経済であった ウイクセノレ自身,オーカ

‑ 7

ン的同定資本財モデル ω 分析においてはじめて ウイクセル効果 ω もつパズノレ的性格を認識するにいたり,動学的分析の必虫j 性を指摘する。

r

私は, もはやこ ω きわめてパスソレ的な定式の説明

l

こ入るこ

とはできないコおそらく,それは,勤学理論の分野 I C ぞくする什そこでは,

二つの異なった均衡 ω 比較に分析を限定することはできないコ ー つ ω 均衡か ら他の均衡への移行過程を研究しなければならないのである uo 」ウイクセ ルの動学理論は資本理論では遂に展せられず,彼の貨幣理論 l こまで延期せら れたのであったっところで,こ ω パスソレがどうして資本蓄積と所得分配の令 理論の鍵となるのか,ロビンソンでは明確に説明せられていなし川スワン ω

指摘もこの点にあったと考えてよい。われわれはここで,ウイクセノレ効果 ω

問題を,現代資本論争の舞台から退場せしめて 9)  , ウイクセノレ自身による本 来の解釈を再吟味しよう。

ウイクセノレは,資本理論においては,ベエーム・パヴエ J レクの亜流にすぎ ないという評価があるが,乙の評価は完全に誤っている。ウイクセノレは,現 代貨幣理論への窓を開いたと同様に,彼の資本理論は,その展開の独自性 ω

放に現代資本理論展開の基礎石を築いたと考えられるべきである。ウイクセ

ノレ効果の認識においてもこのことは明らかである。本来的なウイクセノレ効果

はつぎのように説明せられる。資本は,実質貯蓄の投資によって創造され

る。資本の創造はその長短はあっても時間消費的なプロセスである。完全雇

用の水準では,実質賃金率と地代とがあたえられていると,土地臼資源の量

が所与であれば,実質貯蓄率が労働増加率をこえる場合にのみ,新しい資本

の創造は可能である。この状態では,必然的に従来消費財生産に使用されて

いた土地と労働の若干を資本財生産に転用することを必要ならしめるであろ

う。そこで,資本財生産と消費財生産との問に,労働と土地にたいする競争

が生じ,その結果,賃金率と地代とが上昇するであろう。この賃金率と地代

(4)

経 営 と 絡 済 の上昇は,これらの上昇がなかったならば,実質資本の形成

i

乙投入されたで あろう実質貯芸の一部分をくいつぶすことになる。そこで,実質資本の形成 量は意図されたものより小となる。このような現象,即ち,実質貯蓄の部分

̲ 10) 

的賃金地代吸収効果をウイクセノレ効果といっ 。ウイクセノレ効果は,賃金 率地代上昇の実質貯蓄吸収効果,生産期間延長の阻害効果,資本の社会的限 界生産物と利子率との聞の離反効果という諸側面を持っているが全て同じ源 泉から発生する。ウイクセノレ効果はミクロ的企業水準では発生せず,根本的 には, ミクロ経済分析と

7

クロ経済分析との聞に存在するギャップを指摘す ることから出発し,チューネンの限界生産力テーゼに対する批判を示すもの であった。その後,ロビンソンは,ウイクセル効果を生産費の側而から考察 し,資本財の再生産費とその歴史的費用との軍離として把握する11)。ま リヅトノレも, ロビンソンと同様に生産費的側面からウイクセノレ効果を吟 味する12)。スワンは, ウイクセノレ効果を諸側面からとり上げ, ウイクセノレ 自身の解釈を忠実に明示している。スワンの解釈は後で吟味しよう。

ウイクセノレは,ベエーム・パウーエノレク的資本理論をつぎの仮定の下で要約

I C

展開し,三つの均衡条件を示している。

①  耐久的な生産財は存在しない。

②  土地は自由財であり,労働が

n j ( ; ‑ ω

生産要素であり且つ同質的である。

③  労働者間と企業者間には競争が存在する。

④  生存基本の価値は所与である。

⑤ 

生産関数はすべての企業では同一である。

⑥  生産過程は均一的l乙経過する生産期間の場合と仮定する。したがって,

'lZ均生産期間は絶対生産期聞の%である。

7

クロ経済の均衡条件は.

①  完全雇用が成立し,総資本は前払いとして全労働者に支払われる3

②  生産迂同の限界生産物は利子にひとしい。

③  労働者一人叶りの生産物は賃金と生産期間中に生じた利子との和にひと しい、

ここで,問題となるのは第二の条件であるO ウイクセノレによれば,第

(5)

ウイクセノレ効果(T'l言者側面!とついて

件を.

f . J I

子率は資本の社会的限界生産物

i

とひとしいという表現におきかえで はならない。乙のことは"7クロ経済の水準では,社会的資本(生存基本) の増加は,部分的に賃金率の上昇によって吸収されるという事実を合意して いるのである。この事実がウイクセ

J

レ効果とよばれるものである。乙のウイ クセ

l

レ効果の指摘によって,ウイクセノレは,チューネンやベエーム・パヴェ

J

レクによって無視されたミクロ分析とマクロ分析との聞の理論的ギャップを 明確にしようとしたのである。

ベエーム・パヴェノレクによれば,利子率の水準は,生産の最終的拡張を才

i

す生存基本の額と最終的な余剰収穫との関係より導出されるべきである。こ れについて,ウイクセルは,不変の賃金率においてという限定的文句の付加 がなければ人々を誤らすものであると述べてつぎのようにいう。

I

文章の表 現から,人々は,もし,国民資本の増加が労働者の数を一定として生産期間 の延長を生ぜしめるならば,その拡大によって獲得された余剰収益を,問題 の資本増加によって割ったものは,近以的

ζ l

利子の水準をあたえると信ずる にいたる。このことは明らかに誤りである。この割った商の結果は,常に利 子より小であり,そしてさらにいえば,たとえそれが最小変化のP,¥J

i

遁である 場合でさえ有限量だけ小である。この

ζ

とは,国民資本のこの増分は,部分 的に,それを吸収する賃金の上昇をともない,その結果,現実に達成される 生産の延長は,賃金率が不変である場合lこ可能である生産の延長より,常に 小であるという事実と関連しているのである

13) 

。」これは,賃金率上昇の 生産期間延長の阻害効果としてのウイクセ

J

レ効果と,また,資本の社会的限 界生産物と平

J I

子率の不一致としてのウイクセル効果を同lI

! j

ζ l

示しているの である。そしてまた,限界生産力の命題について重要な‑ijJが付加される。

「もし,社会の総資本の増加(減少)を考えるならば,そ

ω

結果として生ず る社会の総生産物の増分(減少分)が利子率を規制するということは決して 真実ではない

H

ウイクセノレによるウイクセノレ効果の認識は, チューネンの命題と│対述す

I

周知のごとく,チューオンは,平均賃金は最後

ω ツ J

働者

ω

収穫に依存 すると述べると

ζ ろ ω

彼の有名な命題

! C

類以した利子水準の法日

J I

r u

示し

(6)

? : f

と 経 済 たっこの法則によれば,利子率の水準は,

i l k

後lこ投資された資本市分の生

I ; J C

性に依存する。こ

ω

定理とベエーム・パヴエノレクの定理との一致は切らかで ある。且つまたベエーム・パヴェノレク

ω

正しく強調するところである。た だ,ここで留

i

むすべきことは,それは,

'l;~

Iこ個別的.it:業の資本投資の問題で あるということであり,その場合,賃金は所与であり,またそう仮定しなけ ればならないη 乙の定理は,凶氏資本の上国加自体と,それによって生ずる余 剰収穫には決して迎用できない15) 。」チューネンの法則にたいする同じよ うな批判は「経済学講義」においても繰返しあたえられているつ 「もししば らし資本の生産力(価値創造力)の

i

原泉の問題を差しおき,それを経験的 事実とみなすならば,上l乙展開した理論,即ち,ある特定の生産斐ぷ

K帰属

する生産物の分け前は,その要素の限界生産力によって決定せられるという 理論は,資本にも容易に適用することができる。事実,これはチューネン

ω

試みたものであった。チューネンによれば,最後の労働者の付加的生産物が 賃金を規制すると同じように,すべての資本にたいする利子率は

1

lJ:*: 用されるところの資本部分の収穫によって規制される。……・しかし,さら によく調べると,一二IJにおける利子と,他方における賃金と地代との聞のこ の類以は不完全であるととが分る。労働と土地については,既に指摘したご とく若干の保留をもってではあるが,限界生産力の法則は,全体としての経 済にも,すべての個別的企業にも共に適用するととができる。 … … し か し,この理論は,通常考えられるごとし賃金と地代とが市場で決定せられ た与件であるととろの個別的企業の立場から見た場合にのみ資本に適用され

16

〉。」ウイクセノレでは,賃金率は労働の限界生産物によって規制せられ るという表現は,賃金率は労働の限界生産物によって決定せられると同意味 に使用せられている。ミクロ的水準でも利子率について同じ立味に使用して いる。限界分析ではまた,均衡においては賃金率は労働の限界生産物にひと しい,或いは,賃金率は労働の限界生産物を測定するという表現が使用され る。この表現は,既述の規制する,決定するという表現と意味を異にする。

これらの表現は限界分析にたいする批判と反論に関連して重要な理論的意味 をもっている。この小論では省略する

17) 

。ウイクセノレは,マクロ的経済の

(7)

ウイクセJレ効果の諸側面について

水準では限界生産物が利子率を規制するというチューネンの命泌を否定す る。資本増加

l

の結果,新しい資本は[1,い資本と競争し,賃金と地代とを上列 せしめる。国民資本の増加は一部分賃金と地代の上昇によって吸収される結 果 生 産 物 で

i J l l J

った資本の社会的限界生産物と利子手

c

とは一致しなくなる守 この不一致は,賃金の上昇ーによる資本価値の上昇ーによって生ずる、これが,

本米のウイクセノレ効果(正のウイクセノレ効果)である。現代の資本lI!-~命で flUî

格ウイクセノレ効果

( p r i c e ‑W i c k s e l l  e f f e c t )

と 名 付 け ら れ る も の に 相 当 す

18)

。賃金上昇による吸収効果と生産期間延長阻官効果は同一効果を異な った角度から

M !

察したものである。社会的資本の増加は一応分は賃金(地 代)の上昇によって吸収され,その結果生産の増加に│対しては .J1余の資 本のみが真l乙有効となる19)。ウイクセノレは

r

価値・資本及び地

f ¥ ; ; J

にお いては正のウイクセノレ効果のみを考えていたが,後年オーカ

‑ 7

ン的回定資 本財を取扱ったモデルにおいて,資本の社会的限界生産物が利子率より大と なるケース,即ち,逆のウイクセ

J

レ効果(i'tのウイクセノレ効果)が発生す る可能性を指摘するにいたっているが,ウイクセノレは,こ

ω 辺 ω

ウイクセ ノレ効果の発生については,はなはだ奇妙なことだという文句を付加してい

20)

。ウイクセルにあっては,正のウイクセノレ効果が一般に正常的な場合 と考えられているが,逆のウイクセ

J

レ効果発生の可能性によって.

i

皮は,

l i i F

学的資本分析のもつ限界を認識するlこいたったのである21)

ウイクセル効果はウイクセノレにあっては,完全雇用の競争的マクロ経済に おいて生起する現象であり,その効果は,他の生産要栄については発生せ ず,資本のみについて発生する

22) 

O その原

I

羽をウイクセノレは資本測定の

l j i .

I L

関係して説明する。以下長文となるがウイクセノレ自身の火口,を示そうO この文章はきわめて重要な志味をもっている。 rこの奇妙、な離反(資本の1'

: 1

会的限界生産物と利子率との間の)の説明は全く簡単である。労働と土地と は,それぞれ,それ自身の技術的単位(労働日,労働月,年当りエーカー〕

で測定されるが,資本は,共通の用語で,交換価値の合計(貨幣で,或は生 産物の平均値で)として計算されるO 換言すれば,各特定資本財は,それ白 身にとって外生的な単位で測定される。このことにたいする実際的理由がど

(8)

8  経 営 と 終 済

れほどもっともなものであっても,それは,すべての生産要素の聞にもしそう でなければ存在するであろう一致の関係を撹乱せしめるところの,理論的な 変則なのである。たとえば,蒸気機関の生産的寄与は,その費用によって決 定せられるのではなく,それが生ずる馬力と,類以的な機械の過剰又は稀少 性によって決定せられるのである。もし,資本もまた技術的単位で測定せら るべきであるならば,乙の欠陥は是正せられ,一致の関係(生産要素の限界 生産物と要素価格との一致)は完全となる。しかし,その場合,生産資本 は,道具,機械,原料等々と多数のカテゴリーに分類され,生産における資 本の役割について統一的な取扱いは不可能となる。その場合でさえ,われわ れは,特定時点における各種資本財の収益を知るだけであって,利子率(均 衡においてはすべての資本にとって同一)を計算するためには知る必要があ る,財自身の価値については全くなにもわからないのである。再び,ワノレラ スと彼の追随者がなしたように,資本財の価値を,その生産費又は再生産費 から導出しようとしても無益である。なんとなれば,事実,その生産費は,

資本と利子を含んでいるからである。… ーしたがってわれわれは循環論法 に陥ることになる

2UC

」ガレニヤーニがウイクセ

J

レの分配理論にあたえた 批判!c関連していうならば,ウイクセノレ自身既にこの循環論的落穴について は十分気づいていたと考えられる

24) 

。しかし,この落し穴から脱出しうる 有効な方法については明確な解容をあたえなかった。

ところで,上に示したウイクセノレの文革:をもう一度吟味してみよう。ウイ クセノレは,資本を交換価値で測定することは,理論的変則を導入することだ という。もし,そうであれば,資本以外の生産要素にもこの変員Ijは適用でき ないであろうか。例えば,労働単位を賃金で測定することはまた理論的変員Ij を導入することにならないか。もしこれが理論的変則であるならば,交換価 値で測られた労働の限界生産物も賃金率と一致しなくなる可能性が提示せら れるべきである。ウイクセノレは,資本にのみこ

ω

理論的変則を適用し,ウイ クセノレ効果の発斗を資本のみに浪定した

2 5 ) τ

(9)

ウイクセノレ効果の諸側面について

ウイクセ

J

レの資本理論は,概略的にいって三つの段階を経過して展開せら れている。第

1

段階は,流動資本の単利計算的モデルであり,第

2

段階は,

流動資本の複利計算的モテ勺レであり,第

3

段階は,オーカー7 ンの「実物資 本と資本利子」の論評として発表された論文

( 1 9 2 3 )において展開された固

定資本財モデルである

26)

。流動資本モデルでもってウイクセノレ効果を考察

しよう。

土地を自由財とする定常的経済を想定し,各生産企業における消費財の生 産関数は同ーと仮定する。期間当り労働の平均生産物を

p

,生産期間(絶対 生産期間)を

t

,期間当り実質賃金率を

w

,利子率をiで示そう。生産関数

p  =f(  t  ) 

この生産関数では,

f'( t 

)>0 , 

f*( 

t)<O 

( 1 )  

( 2 )  

と仮定する。このモデルでは資本は労働にたいする前払いとして必要に応じ て均一的

l

乙支払われると仮定する。そこで,平均生産期間はt/

2

となる。ま ず単利計算であれば,利子総額は

w i t ' / 2

で示される。そこで,労働者一人

、当りの生産物の価値は,

S  =wt+wit'/2 

j~J 間当りの平均生産物の価値は,

只 t

72  P=w+Wl‑r 

p=w (l 

+号)

この式より,

1

r f l t l ‑ w J  

wt 

( 3 )  

( 4 )  

( 5 1  

( 6 )  

資本家はまた企業者であると仮定すると,彼等は

l

升与のWの水準に対応して

1

' J I

子率

1

を紙大ならしめるような生産

J U l

闘を選択するであろう。悩大化の条

(10)

1 0  

経 科 と 経 済 件は,

t

)JF 

( 7 )  

この式の左辺は生産期間の変化にもとづく,期間当り平均生産物

ω

変化を示

す。これは期間当りの利子

l

とひとしい。上式より,

f' ( 

t  ) 

( 8 )  

w/2 

これは迂回生産の限界生産物を,付加的資本で除したもの,即ち,資本の限 界生産物が利子率にひとしいことを示している。ところで,この表現は,

クロ的企業の水準では妥当するが,これから直にマクロ的経済の水準

ζ l

移行 して,資本の社会的限界生産物は利子率にひとしいという表現におきかえで はならない。ミクロ的企業の水準では

w

は所与であるが,マクロ経済の水市 では

wはもはや所与ではなく,資本の増加とともに変動する変数と看倣さる

べきなのである。ウイクセノレが,ウイクセ

J

レ効果によって先ず指摘しようと 意図したのはこの事実であった。そこで,マクロ的経済の水準に移行しよ う。経済の利用可能な労働者数を

A .

生産物で測った資本存在主主を

K

で示 す。ウイクセ

J

レの分析では,

A .   K I

ま所与と仮定される。労働者一人の雇用 に必要な資本は

w t / 2

である。そこで.完全雇用に必要な資本は

Awt/2

ある。完全雇用の均衡条件は,

K=Awt/2 

期間当り国民生産物を,

Y= Af( t) 

とおく。 A について微分すると,

Y " . 

, 

...  . 

d t  

一 一 =

f  (  t  )+  A f '  (  t) ‑ : :  

8A 

( 9 )  

MM

HHW

( 9 )

より,

d t   t 

dA 

( J 2 )  

これは,労働の増加にもとづく一人当り労働で領

J I

られた資本の減少, したが って,生産期間の縮少にもとづく生産量の減少分を示している。そ乙で,

(11)

ウイクセノレ効‑*の諸側

l

苅について

1 1  

y

一 一 = f  (  t  ) ー t f '(  t  )  =  w 

dA  ( 1 3 1  

労働の社会的限界生産物は実質賃金

> t ;

にひとしいの生産関数で示された生産 期間は労働で測られた一人'!iりの資本に対応する。これに対し,ウイクセ

J

モデノレでは資本ストックは生産物で浪~られているの

( 9 1

K

について微分すると,

Y . d f  

dK  ‑dk 

A

をー定とすれば

.K

はwと

t ω

二つの側面で変化する。

dK.  dK 

dK=

dw+

d t

dw ‑ d t  

l  ( 

( 1 5 1  

dK=

( t +wd

t)

( J 1   6

については,

dp=f'( t  ) d t   ( 1 7 )  

そこで,

AJE=A[A/2JJJJ:tdo]  ( J

tdw+wdt  2 f ' (  t  ) d t   ( 1 9 )  

賃金の増分は,

dw= ーtf"( t  ) d t  

であるから,

Y 2f'(t) 

dK 

w‑t'f'Ct) 

ところで,利子率は,

= ‑ . 1 立i

c

) l

ω 

であるから.(21の仮定により,

dY /; 

dK

¥A 

(12)

1 2  

経 営 と 経 済 資本の社会的限界生産物は利子率より小である。これが,ウイクセルによる本 来のウイクセノレ効果である。もし

w

がコンスタントであれば,資本の限界 生産物は利子率と一致する。ウイクセノレ効果は発生しない。しかし,完全雇 用の

7

クロ経済の水準では,社会的資本の増加は,賃金率を上昇せしめ,賃 金率の上昇は資本価値を変化せしめる。ウイクセ

J

レ効果,資本の社会的限界 生産物と利子率との離反は,利子率を生産期間或いは投入労働量に関係せし め,資本の社会的限界生産物は,生産物で測られた資本価値に関係せしめた 結果生ずるのである。この意味で,ウイクセ

J

レ効果は資本価値測定の問題と 関連する。ウイクセノレ効果はつぎのグラフで明らかにされる。横軸l乙平均生

O  M  M'  T 

産期間を測る。賃金水準が

w

,であると TはO MであるO ところで,社会的資 本が増大したとしよう。生産期間の延長と賃金率の上昇が生じる。新しい均 衡点は

p'

点である。平均生産期間は A T MM'だけ延長する。これに吸 収される資本は,総資本

Ow

CM'のうち. MQCM'

である。

w

w

QNは賃

金上昇に吸収される。即ち,社会的資本の増加は,労働力を一定とするかぎ り,賃金率を上昇せしめ,この上昇した賃金率は延長した生産lV

J

悶だけで

(13)

ウイクセル効果の諸側面!てワいて

1 3  

なく,全生産期間にわたって支払わねばならない。利子率は

=  ̲ f

‑‑‑,

(~t--,,)---,dt-=-

2 f '  (  t  )  wdt  w 

この式で

wd t / 2

は グ ラ フ で は

MQCM'に 相 当 す る 。 そ こ で , 利 子 率 は P'C'

MQCM'

の比で示される。資本の限界生産物は,

Y f '  (  d t  

8K

t

面干元「

tdw/2はグラフでは wow

QN

に相当する。そこで,資本の限界生産物は,

P'C'と (wow

QN+MQCM')

の比で示される。資本の社会的限界生産物 は利子率より小となる。

ウイクセ

J

レは,社会的資本の存在量を生産物で測り,モデルでは所与と仮 定する。この仮定についてはハイエクやノレツツの批判がある

27 〉 o J

レツツに よれば,生存基本としての社会的資本の価値は「均衡においてはじめて決定 されるものであるから,最初

j

からこれを既知であるという仮定を保持しよう としてもそれは不可能である」として,ウイクセノレの場合lこは方程式が一つ 不足していると批判する。しかし,置塩信雄教授が指摘せられるごとく}レ ッツ自身はその解決方法を明示していない。置塩教授は,出発点における消 費財存在量支を所与と仮定し,ウイクセノレ的な定常的経済モデノレを恒常的成 長モテソレlこ転換拡大して;志味ある諸命題を提示されている

28)

分配の限界生産力理論にたいする批判からガレニヤーニは,ウイクセ

J

レ効 果の訟味を右翼をする。(もっとも彼自身はウイクセノレ効果という用語は使用 していないが。)ガレニヤーニによれば,ウイクセルは社会的資本の存在量を 生産物でs汗価した結果,

t

皮の分配理論をして循環論に落し入れたという。

「可処分資本がえられなければ,均衡状態を知ることはできない。また,均 衡状態が成仇しなければ,可処分資本量を知ることはできない"に」生産 物で測った資本を必初から所与とすること以できない。それは,賃金率と利 子率

ζ l

依存し,賃金率と利子率が変化すればまだ変化する。そこで, 乙の 価値は分配の結果きまり,分配

ω

決定要凶とはなりえないのである。ところ

(14)

1 4  

経 'ì;~' と終 ìh

で,ガレニヤーニによれば,資本の社会的限界

1 1

産物と利

J

t '

ω

不一致と してのウイクセノレ効果は,資本存在量を生産物で訓

J I

る結果発

I j

ーする

ω

であっ

て,資本を生産期間又は投下労働量で測定するならば,ウイクセノレ効果は角

J (

消する。この資本測定の

) j "

法は,ロビンソンにおける労働

H

寺間表示の資本乃 烹実質資本比率に対応する。ロビンソンによれば,労働時間表不の資本l立方 干の点では資本測定の最も市:要な方法である。なんとなれば,I!jjt過程の本 質は,労働時間の支出であり,ある期間に文出された労働

1 l ! j

問は,将来のあ る期間にまで繰り越されて,将米の労働をより生皮的ならしめる物理的諸対 象の生産lこ利用されうるからである。そして,今日存在する資本

j

はは,将;!ミ t己資消されつくす過去の労働時間の具体化物とみなすことができるからであ

30)

。資本財は貯蓄され労働と士地から成るということは既にウイクセル の指摘されたところであり,資本構造の時間的変化をこの観点、から分析して いる'。

311 

ガレニヤーニは,ウイクセノレの流動資本モデノレをつぎの式で要約する。

p  = 

(T)  ~4l

p  =  w( 1  + i T )  

ω 

~ dT  =wi

K=AwT 

ここで

T

は平均生産期間を示し,絶対的生産期

t

との関係は

T=t/2

ある。ウイクセノレでは,

AとKは所与であるが,ガレニヤーニではこの帥の

代りに,

K'

AT 白 骨

の式をあたえる。 Kは 生 産 物 で 測 ら れ て い る が K'は労働量で測られてい

K'

は分配の変化から独立している。利子率は,

dp 

dT 

9

dp/dT

は,平均生産期間の長さを一年だけ延長して,或いは平均して一人

(15)

ウイクセノレ効果の諸側面について

1 5  

の労働者を援助する資本に含まれた労働量を一年労働だけ増してえらる

P

増分を示す。ここで,

w

は資本限界単位の価値を示すから

dp/dT

w

との比 は労働量でJllJられた資本の限界生産物を示す。この場合,これは,利子率にひ としくなる。利子率と資本の限界生産物を投入労働量に関係づけられるとウ イクセ

J

レ効果は解消する。換言すれば,ガレニヤーニによれば,ウイクセ

J

効果は,手Ij

j

亡率を生産期間又は投入労働量に関係せしめ,資本の社会的限界 生産物を生産物でiJlJられた資本価値に関係せしめる結果生ずるのである。l

ガレニヤーニはさらにすすんで,労働の限界生産物についても同じような 論理を展開し闘の

K '

で資本を示すならば,労働の限界生産物は賃金率にひ としくなり,ウイクセノレのどとし資本を切の

K

を使用するならば,労働の 限界生産物が賃金率よりも大となるという。置塩教授は,ガレニヤーニより もさらに精密な数式的展開により,労働の限界生産物が賃金率より大となり,

また小となる可能性を証明し,ウイクセノレがウイクセル効果が資本について のみ成立し,労働について成立しないと考えたのは誤りであると指摘せられ ている却にプリスもまた同様に,労働単位を賃金で測定することは理論的 変則を生じ,交換価値で測った労働時間の限界生産物は,全くの偶然以外 は,賃金率にひとしくならないであろうという結論が導出されると述べてい

る 剖 )

ここで,ウイクセノレ効果についてつぎの点を明らかにしたい。ウイクセノレ はウイクセノレ効果を解消せしめる方法を,後年,オーカーマンの固定資本モ テツレを論評した際,明示している。即ち,オーカーマンによれば,その

I V J

につくられた実際の資本,一賃金上昇によって吸収された部分を差引いた資 本を使用すれば,チューネンの法則は社会的資本にも妥当する。ウイクセ

J

は流動資本についてつぎのように証明する。

L l K ' = ‑ ‑ " 全 一 (tdw+wdt J  ‑K 三空

2  w 

L l K'=

( t 伽 十 w d t )

dK'  =~-

(吋t

)

ω 

(16)

1 6  

dY  =Af' (  t  ) d t  

そこで,

dY  2 f '  (  t  ) 

dK' 

経 営 と 絡

f 寄

となり,資本の社会的限界生産物と利子率は一致する35)。ここで,ウイク セノレはいう。1"可変的資本について,私は,私自身の著書で,利子率は資本 の最終的部分による生産物の増分によって決定せられるというチューネンの 命題は,社会的資本の全体については妥当しないことを考察した。それは,

低い利子率に対して妥当するにすぎない。なんとなれば,資本増加の一部分 が,賃金(そして地代)の上昇によって吸収され,生産増加については資本 増加の残余のみが真に有効であるにすぎないからである。著者(オーカーマ ン)は今やつぎのごとくいう。即ち,実際の資本増加,即ち,以前の資本増 加の価値に対して最近投資された労働の量一ーを計算する場合にのみ,チュ ーネン命題は,社会的資本についても妥当するという。もし,常にこの実際 の資本をはあくすることができるならば,この場合,このことは恐らく正し いことが証明せられるであろう

3

針。」

つぎに,流動資本の複平

] 1

計算的モデルのウイクセノレ効果を吟味しよう。複 利計算の場合では,

t f i .

利計算の場合と異なり,利子率の効果が陽表的に示さ

れる。ウイクセルは,流動資本モテソレを,プト -iV~ のみを生産する経済で説

明する。所謂

p o i n t ‑ i n p u t

p o i n t ‑ o u t p u t

モデノレであるo ヒックスによれ ば,このモテツレは,資本主義的生産の性質を切

j

瞭にするために,オーストリ ア学派が展開した標準事例である

37) 

。しかし, ここではウイクセル的なブ

ド ‑i

凶生産という特殊的なケースに代えて,スワンが展開した流動資本モデ ノレを使用する。本質的には全く同一である38) 。経済の生産要来は労働のみ であり, (土地は

[ 1 1 1 3

財と仮定されている。)すべて生産期間の出発点で投 入される。

i

比終生産物の生産と販うには辿続的である。生産と版子よとの間で経

(17)

ウイクセJレ効果の諸側面について

1 7  

過する時間は絶対的生産期間である。生産物の生産費は生産期間の出発点で 投入された労働用役にたいする賃金のみであり,生産物の量は単純に生産期 間の増加関数と仮定する。つぎの式をあたえる。

Q=Nf(  t)  ( 1 )  

Q

は最終生産物の量

.N

は労働者数を示し

.N

は所与と仮定される。

t

は絶 対的生産期間を示す。生産費は投入労働にたいする賃金にひとしいから,労 働の平均生産物を

q=Q/N

とすれば,

q=weρs  ( 2 )  

P

は複手

J I

計算での瞬間的利子率を示す。そこで,

w=qe‑

P

( 3 )  

完全競争の下で利潤極大化の仮定から,実質賃金率は割引された平均生産物 にひとしい。利子率については,

p =  f'(t) 

= ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

f (  t  )  ( 4 )  

利子率は,待忍の限界生産物にひとしい。

( 4 )

をウイクセルはヂェボンズの利 子lこ対する公式とよび、生産物の増分を金生産物で河lったもの,、と述べて いる

39)  。

マクロ経済の均衡では,生産過

t J

を継続せしめるために必要な流動資本 は,生産物で測った社会的資本の存在量にひとしい。

kzNwJ;mzNw  r  ( 5 )  

Q‑Nw 

(1)

( 2 )

より

K =

一一予一一

( 6 )  

( 6 )

は手

J I

潤の資本化価値として示されたものである。即ち,投入された労働費用 としての資本と.利潤の資本化として計算された資本とはひとしいのウイク セノレは

( 6 )

の式を使用してつぎのごとくいう。「社会的資本が正確にこれにひと しければ,均衡が存在する。もし,それがより大または小であれば,均衡は撹 乱されるであろう40)0 

Nを一定として,社会的資本が地加すると wω

上昇 p ω1

F . t 

の延長を生じる。

t

の~長は,ロビンソン的 HJ 必では,

(18)

経 ' H と 経 済 1 8  

機械化

ω

E

ω J f 1 λ ;

に対比、するつそして,賃金率

ω

上昇はより

( ' ; J

1111度の機 より高いれ度

ω

機械化は ,

I

J:. 

より低い水準の賃令

産物で以.~ったより"い、水準の賃金と結びく ω であって,

と結びくも

ω

ではないと与えることができる剖)ο

「一般的なノレーノレとしては,

械化と結びつく i

ここで, tt;C!~

しかし,

すべきことは,機械化

ω

別進が,手

] 1

潤率

ω

低下と実質賃金ネ

ωl

外と結びつ

いているという命題は,機械化 ω WJ:i隼が,利潤を下治せしめ,賃令を上~せ

しめるという教義と混同され易いということであるつ賃金を

l

昇せしめる似 他方,平

] 1

. ( 0 )

低下を阻止するも

ω

益百i

;fLII 

1

本であり,

I句をもつも

ω

資本及びi

既にウイクセノレは「価値,

0)

ことは.,

は機械化な

ω

である3

i } . :

なる量

ω

資本と比較的小なる労働者は

1

なにより 代」で指摘しているコ

低い利子本と結びつく。換言すれば,資本家が合

"

目 : j o

、賃金,

長い生産期間,

業者である場合,生産

W ]

聞の延長化は,賃金の上昇と利子率の低下に対抗す この生産

J J J ]

聞の延長化の私

以前り低賃

しかし,

~,平IJf率は再びあるね度まで UI-ーすることができる。しかし,

金水準の場合の水準までに達することはできない叫に」

る資本家側の反動であると考えられる。

資本の社会的限界生産物を求めてみ ここで,労働者数Nを一定として,

(1)

( 5 )

, 

( 6 )

をそれぞれ

K

について微分して,

=ρ‑K[t:

τ (

1 )1~

( 7 )  

dQ    , ^ I~. dp  .~, dw ¥ 

dK  .. ¥ dK ,~ dK 

( 8 )  

;

= ( K N w t )

( 9 )  

~i-=p-(~す旦)-~~

1 1

この四つの式ではいづれも,

dQ / 

dK¥a 

MM

となる。即ち,資本の社会的限界生産物は利子率より小,

ル効果が示される。資本増加の一部分は不生産的に吸収されているからであ 正常的なウイクセ

(19)

ウイクセル~1J.~!のぷ íJllJuli!:: ついて

1 9  

しかし,スワンによると,不生底的吸収をもっぱら賃金

l

二列ーに州│刈せし めることは誤解をまねきやすいことはこれら

ω

式でぶされる

ο i 7 ) ω

式では,

ウイクセル効果を,資本ストック

ω

生)主的

ω

U l i

よりl眺めたもであり,賃金 七昇効果は,部分的には利子率

ω

低下効果によって相殺される われわれは さきに後利計算の場合,利子本効果が陽表的に不されると述べたことが,

二 こ

ω

乙とをな味する, (8)はスワンによればウイクセノレ3拘束を利潤

ω

資本化的側 面より眺めたも

ρであるコしかし,分配 u

lIから眺めても同じ結果が生じる 総賃金と総利潤

ω

和は1u終生産物

ω

凶にひとしし、から,

P

一 K o

d 一

d /

¥ + p

一k

p d

一d

+  N  ハ

U

/ /

伽 断 一 一 一 伽 十 一 品

Q 一 K ' Q い d 一 d

t つ 式

f

1

rレ

K こ

1 1 2 1  

1 1 3 1  

4  1  ( 

右項第

‑Jj¥

は賃金効果,第三項は平

J l

子本効果を不している。ウイクセル効果 はこの二つ

ω

効果のバランスできまる。ロビンソンはウイクセノレ効果を生政 資の側面

l

から吟味し,

I

資本財の再生産

1 2

はより高い賃金率の効宋が,より 低い利子率の効果を相殺する以ヒ

ω

ω

であるかどうかによって,より大と も な り , よ り 小 と も な る 3) 。」と述べた場合,乙の二つ

ω

効果を指摘し ているのである。

( 3 1

の式より,

dw~ ‑wtdp 

( 1 5 )  

この関係より, (91と(10)の式がえられる。ウイクセノレは, (9) (K‑Nwt) 

¥ 0   /V , 

一向‑(d K ¥

0

であるから,資本の社

A

的限界生産物は, 利子率より小と なると述べている。またここで, CK‑Nwt) と dp/dK とがど

ω

ような値 をもとりうるから,離反は実際的にはどのような大きさでもとりうることを 指摘しているが,この流動資本モテソレ

ω

段階では逆のウイクセノレ効果,周

l

dQ/dK> 

p

となる可能性は与えていなかった。ウイクセ

J

レ効果表現

ω

多様性もかかわらず,ここに一つの共通的特徴の存在が認められる。スワン

(20)

2 0   経 営 と 経 済

によれば, この共通商乙そウイクセノレ本来のウイクセノレ効果の完全な説明を あたえるものである。この点を明らかにしよう。資本の比例的変化につい て.

( 7 1

より(1日で示された見方に対応してつぎの四つの表現式があたえられ

~~~ [~ + 1

ゴ;平千]+[守

+ ( τ

; ; ; ‑ ‑ 1 )

与]

0 0  

dK  i Q  dQ  wN dN

iwN dw 

, 

dp

一一 ~I

一一一一一一一一‑Iー│ 一一+‑=‑ (1

K  L  pK  Q  pK  N

.J 

L  pK  w  ' p

1 

dK  r  Q  dQ  wN dN

r K‑wNt  dp

~I 一一一一一

一一│ー│

( 1 国

K  L  pK  Q  pK  N

.J 

L  K  p 

1 

dK  i Q  dQ  wN dN 寸 r K‑wNt  dw

一一 ~I

一一 1+1一一一一一一一 (191

pK  Q  pK  N

.J  'L 

pKt  w

1 

ここで,スワンは,資本変化を,二つの構成要素に分け.(1日~(1日の右辺第一

項のカッコは,生産的特徴を示す構成要素で,労働の増加,生産期間の延 長,生産量の増大を含み,第二項のカッコは,金融的構成要素(賃金率と利 子率の変化)を示すものである。

資本は数量kと価値の積として

K~pk

ここで

p

は生産物で

i J l U

った価値を示す。均衡ではつぎの関係が示されるつ

dk  dN  p t   d t  

一 一 一 一 ー

‑e‑

P

この式は

.K

の生産的側面のみの変化,即ち.

N

t

のみの変化を示し,右 辺は自由式の右辺第一項のカッコと同じである。つぎに

P

の変化については,

dp  dw

, 

I  p t   ,  ¥  dp 

p  w '   ¥  1  ‑e‑

P

ω 

この式は. Kの金融的側面

i

のみの変化,即ち

w

P

の変化を示し,右辺は (1日式の右辺第二項のカッコと同じである。 Kの憎分は

dK~ (十与)~Pdk+kdP

4

(21)

ウイクセル効果の諸側而について

2 1  

とおくことができるから,これを(

7 )

に代入して,

dQ ̲ 

,  pk  r  dp  dw 

p t   , ¥   dp 寸

= p +   ー │

一一一一

I

一 一 一 一 一

1 1 と ー │

pdk  dk  L p  w  ¥ 1  ‑e‑ P I  p 

.J 

n r  

‑EP  Q 也

一 一

J

そこで,資本増加を物量的変化の価値としてとらまえるならば,限界生産物 は利子率にひとしくなる。そこで,資本の増加を賃金と利子率の変化にもと づく価値的変化の側面

kdp

を除外するように測定するならば,ウイクセ

J

効果は消滅する。このスワンの測定方法は,既にウイクセ

J

レがオーカー

7

モデルの論評において,指示した解消方法と本質的に異ならない。ウイクセ ノレは,既述のどとし実際の資本増加(i

n c r e a s ei n  c o n c r e t e  c a p i t a

J)を 計算することができれば, チューネン命題は妥当するといっている。

kdp

は,賃金と利子率の変化を生ずる資本ストックの再評価を示すから,スワン にとって,ウイクセノレ効果の問題はインベントリ再評価の問題にすぎないの である。

労働の限界生産物について考察しよう。

( 3 )

式で,賃金率は手

J I

子本で割引さ れた平均生産物として示されたが,これは,労働の限界生産として示すこと ができる。(1)より,

dQ  dN 

= 一 一

+pdt

Q  N 

さらに,

ω

より

d t

を求めて,切に代入すると,

dQ

dN .  1

, ̲̲.¥ 

dk 

可ー e ‑

P百一

+

1  ‑e‑

p) k

~3) と (6) より,

e  ρ'=wNjQ  1  ‑e

=pkjQ

官 カ

ω  ω 

そこで,

dQ  wN dN  .  pK  dk 

Q  Q  N  . Q  k  Íl~

(22)

2 2  

dQ=wdN+ppdk 

そこで

k

をコンスタントとすると,

dQ̲ = w   dN 

経?:?と経済

( l J 

労働の限界生産物は実質賃金率一にひとしい、 pdk は , 資本明分を '1~行悩杭 (生産物でi J U J って)で評価したその価{員を示す司これは,、昨通に使用される ところの,投資,貯蓄, J 告 も t i ω 概 念 l こ対応したものであるう p =dQ/pdk を 役資の限界効率. dQ/dk=pp を資本の限界生産物とよんでもよいヴスワン はまた,オーカーマン

Z

ウイクセノレ ω 同定資本財モデ J レを取り l 二げ,そ ω J 1 i ; 合においても,資本の限界的変化を kdp を 除 去 す る よ う な 1

:t:

) j で測定する

ならば,ウイクセル効果は解消することを示している。

1 5 ω ごとく, ウイクセノレは皮の資本分析における最終的段階,即ち,

同定資本財モテ勺レ ω 分析において,逆のウイクセ J レ効果が!点、工する司能性を はっきりとぷ識する

l

こいたった司これは,賃金率上昇効果が手J j]'一本低落効果 によって序回jされるために生ずるのである

J

こ ω 現象がウイクセノレを困惑せ しめた。そして,また,その結論, ウイクセノレ効果を賃金上昇による資本吸 収という表現であたえた今迄の説明が一般的に適用できないも ω であること を認識することになった。この認識の最も A 要なな味は,ウイクセルにあっ ては,J1(のウイクセノレ効果は勤学理論 ω 中で吟味せらるべきであるというこ とであった。ここにロビンソンへの辺が樹かれたも ω と J l 5 え て よ い 。 こ の H 寺,ウイクセ J レは 7 2 才であった。

ロビンソンでは, ウイクセノレと同様にウイクセノレ効果 ω 問題はパズノレ的な

問題であった。しかし,スワンにとっては,ウイクセノレ効果の問題を,資本

ストック再評価の問題としてはあくするならば,そ ω 効果がいづれの方向に

あ ろ う と も , パ ズ ル と よ ば れ る べ き 性 絡 の 問 題 で は な い 。 ス ワ ン に と っ て

は,むしろ,パズルなのは,資本財と生産物との問の相対価値が予測しえない

方向にシフトする可能性を,何故に,ロビンソンが資本蓄積と分配理論の鍵

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