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「授業支援に関する教員へのアンケート」調査結果報告書 2-

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「授業支援に関する教員へのアンケート」調査結果報告書

2-2.教員アンケートの実施 1.はじめに

これを受けて、7月15日から21日の間に開催される 各学部の教授会において、各学部の図書館委員より、

教員アンケートについての説明と回答協力を依頼しま した。同時に教員全員のメーリングリストでWebフォ ーム等での回答協力の依頼も行いました。各学部の教 授会ではアンケート用紙を資料として配布しましたの で、出席者は直接この用紙に記入して回答することが できました。

附属図書館では、学生の自主的な学習活動に対する 支援に加えて、本学における教育活動への支援として、

学生用図書の充実、新入生を対象にした授業「教養セ ミナー」での資料収集ガイダンスなどを実施してきて います。

今後、特に第2期中期目標期においては、これまで 以上に、教員の協力を得ながら、教育支援や授業との 連携を進めたいと考えています。「教育環境を拡充し、

教育効果を向上させる」という長崎大学の目標の下に、

「図書館は学生の自学自習を支援するとともに、資 料・情報の活用、情報リテラシーを通じた教育支援機 能を充実させる」という計画を立て、具体的な取り組 みを進めることを考えています。

教授会の構成員が教授等のみの部局(医学、歯学、

薬学、工学)で教授会に参加しない教員やセンター等

(学部以外)に所属する教員には、Webフォーム等で の回答を案内しましたが、当初予定していた回答期限 の7月末の時点で、これら4つの学部の回答率が低く、

全体としての回答率が40%に満たない状態でした。そ のため、急遽、用紙で案内しなかった上記の学部やセ ンター等について、8月初旬に各講座・センター毎にア ンケート用紙の配布を行い、回答期限を8月11日まで 延長しました。

そこで、今回附属図書館が実施する事業の参考とす るため、本学の教育活動に従事する教員を対象に、「授 業支援に関する教員へのアンケート」(以下、「教員ア ンケート」という。)を実施しました。その結果、多く の教員の協力により、非常に貴重な調査結果を得るこ とができました。この調査結果を今後の附属図書館の 運営に活かし、教員との連携を深めることによって、

さらに充実した図書館運営を推進していきたいと思い ます。

2-3.教員アンケートの回答状況

調査対象としたのは、病院所属教員を除いた全教員 837名でした。結果として、「教員アンケート」は最終 的に、452件、全教員の54.0%の回答が得られました。

アンケート用紙とWebフォームのいずれでも回答可 能としましたが、教授会で用紙を配布しましたので、

アンケート用紙での回答が375件、全体の82.9%とな りました。全教員が教授会の構成員である部局のうち、

三部局(教育、経済、水産)については、回答率が80%

を越えました。一方、教授会の構成員が教授等だけと いう学部については、前述のように後日、回答用紙を 配布し、期限を延長したことで、回答率を上げること ができました。

2.教員アンケートの実施と回答状況

2-1.教員アンケートの計画

教員アンケートの実施は、平成21年3月18日の附 属図書館委員会(平成20年度第4回)で提案されまし た。この委員会での意見を踏まえ、実施方法および内 容・質問事項を再度検討し、平成21年6月5日の附属 図書館委員会(平成21年度第1回)において、実施要 項および「教員アンケート(案)」が提案され、実施が 決定されました。アンケートの調査期間は平成21年7 月としました。

Webフォームでの回答は77件(17.1%)でしたが、

記述欄への記述が多いという特徴がありました。

平成21年7月の連絡調整会議(第56回)において、

柴多一雄附属図書館長より、アンケートの目的、実施 方法、内容について説明し、回答協力を依頼しました。

一方、同月の事務連絡協議会(第59回)においても各 部局の事務方に対し協力依頼を行いました。

3.図書館が展開する教育支援機能について

平成14年から行っている「資料収集ガイダンス」が 教員にどれくらい認知されているか、またその有用性 について問いました。今後、こうしたガイダンスを発 展させ、さらに学生の学習支援をはかるためには、ど 1

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質問6「担当授業の内容に必要な情報収集等をわかり やすく説明したガイド(情報探索・収集の道しるべ)

があると、ご自身の授業において有用だと思います か。」では、いわゆる「パスファインダー」と呼ばれる、

授業理解のための「情報探索の道しるべ」(ガイド)の 有用性について聞きました。「有用である」「授業の内 容によって異なる」が各々約40%という回答でした。

うすれば良いか尋ねました。また、授業支援に結びつ く「情報探索の道しるべ(ガイド)」の有用性と作成に ついて尋ねました。

3-1.「資料収集ガイダンス」

「資料収集ガイダンス」は、教養セミナーの1コマ として平成14年度から図書館職員が説明を担当してい ます。質問3「「資料収集ガイダンス」を授業の中で、

図書館職員が担当していることや、その内容について ご存じでしょうか?」の回答を見ると約78%の教員が このことを認識していました。ガイダンスの内容につ いては、「知っている」と「だいたい知っている」が約 52%あり、半数以上の教員に認知されていました。特 に、経済学部の教員は認識率が高く、約77%でした。

一方で、「知らない」とした教員が5人に1人(約21%)

いることもわかりました。

関連して、質問7「上記のガイドを作成する場合、

誰が作成するのが良いと考えますか。(複数回答可)」 については、「図書館職員が担当する」という回答が約 53%あり、「教員自身」約37%、「院生」約19%という 数字になりました。教員から図書館職員への期待があ ると見て取れますが、「その他の意見」の中には、「web 上にあるものを利用」とか「全国で一種あれば良い」

という意見もありました。

4.授業支援のための図書館資料の整備 ちなみに、平成21年度は、148クラス、1,530人が受

講。実施以来毎年増え続けている受講率は、約 87.6%

に達しています。教養セミナーを担当しない教員も部 局によっては多く存在するため、質問に対して「知ら ない」という回答があったと考えられます。

図書館では予算項目「学生用図書費」によって図書・

雑誌・電子資料等の充実に努めていますが、授業に密 接に関連する資料として、シラバス掲載図書はじめ、

教員推薦図書、学生希望図書などを整備しています。

このことについて尋ねました。

3-2.ガイダンスの充実

「資料収集ガイダンス」で説明の中心的部分として 取り上げているのは、「図書館利用案内」「OPAC の検 索」「論文索引DBの検索」です。これらは、図書館の 資料やサービスを活用した必要な文献の入手方法であ り、質問4「現在の「資料収集ガイダンス」の内容で、

重要だと思われるのは、いずれの内容でしょうか。(複 数回答可)」の回答を見ると、約60%の教員がこれらの 説明が重要だとしていました。ただ、約40%の教員が 重要と回答している「論文を引用する場合の著作権」

の説明については、このガイダンスが新入学生を対象 にしているということもあり、短時間で簡単に触れて いる程度です。

4-1.シラバス掲載図書

「全学教育科目」のシラバス掲載図書は原則購入し、

各学部の「専門教育科目」のシラバス掲載図書も積極 的に整備を進めています。その認知度や活用について 尋ねました。

質問8「担当授業のシラバスに掲載された図書は、原 則全て各2冊(貸出用と館内閲覧用)、購入していること をご存知ですか。」に対して、約2/3の教員がこの方針 を知らないと回答しています。この傾向は、経済学部 (逆に2/3が知っている)を除いて全ての学部に共通して いました。

質問5「今後、図書館職員による有益なガイダンスを 行うためには、どうすれば良いとお考えでしょうか?」

は、教員が有益と考えるガイダンスについて聞いたも のです。約68%の教員が「データベースの利用方法」

についてのガイダンスが有益だと回答しました。特に 医歯薬等の生命科学系の教員は75%以上が有益だとし ており、生命科学系における教育支援のあり方を示唆 しているように思われます。

4-2.授業を支援する蔵書構成

質問9「担当授業において指示・紹介する参考資料は 図書館で整備(所蔵・入手支援)されていると思いま すか。(複数回答可)」に対して、授業で使う参考資料 が「揃っている」「割と揃っている」とした教員が約25% ありました。一方で、「揃っていない」「あまり揃って いない」という教員も約25%あり、ほぼ同数でした。

気になるのは、「確認したことがない」という回答が 約25%ある点です。自由意見では、シラバスよりも授 3-3.「情報探索の道しるべ(ガイド)」の作成

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業内で紹介する図書の方が多いので、別途「参考図書 調査」のようなもので照会してはどうかとの提案があ りました。

ここまで調査結果の回答を見てきましたが、そこか ら授業支援のために図書館として何をなすべきかとい う方向性がいくつか導き出されるように考えます。

さらに、質問10「シラバスに掲載した図書や授業で 紹介する図書を、より多くの学生が利用できるために、

図書館での利用に関するご意見(複数回答可)」では、

参考資料の図書館での利用について尋ねました。「複数 部数購入」が約46%、「貸出期間を短くして運用」と「館 内閲覧のみに」とする利用方法への意見が合わせて約 32%、「著作権処理をして電子化を」が約24%、一方「必 要であれば学生が購入すべき」が約36%という結果で した。その他として、「シラバスの形式の制約で、多く の図書を記載できない」という意見がありました。

「資料収集ガイダンス」については、特に学生のレ ポート作成における問題点を指摘するご意見が多く見 られました。引用した論文の出典を明示する等の基本 的な論文作法については、現在のガイダンスでも詳し く説明し、機会があれば個別にカウンターでも指導で きる体制が必要と考えられます。さらに、「論文・レポ ートの作成方法」等、ライティングを中心としたガイ ダンスも今後の検討課題として取り組む必要がありま す。

「データベースの利用方法」については、生命科学 系でその必要性が強く指摘されています。医学分館を 中心に、具体的な取組みを積極的に検討する必要があ るようです。

4-3.卒業論文・修士論文の作成のために必要な資料 質問11「卒論や修論の作成に必要な図書について、

図書館での支援に関するご意見(複数回答可)」に対し ては、卒論・修論作成への支援策として、「購入予算を 確保」が約36%、「期間や冊数について特別のルールで 運用」が約40%、「他大学からの貸借にかかる費用を補 助する」が約35%ありました。30~40%の教員が、卒 論や修論の作成に必要な資料は、予算を確保して、図 書館に備えるべきであり、卒論や修論の作成には特別 のルールで運用することや、学内にないものは大学の 費用で取り寄せることを考えるべきだとしています。

「情報探索の道しるべ(ガイド)の作成」では、分 野や学年により、必要性の違いが示されました。今後、

全国の大学で協力したひな形の作成や、分野毎に有用 性の検証を行う等、継続的な検討が必要です。

「シラバス掲載図書の図書館での購入方針」に関し ては、教員の認知度が低いとわかりましたので、幅広 い広報の必要性が認識できました。平成22年度から教 務情報システムによるオンラインシラバスが運用され ますので、それを機にこの方針の浸透をはかりたいと 考えています。さらに、次期の中期目標期では、「専門 教育科目」のシラバス掲載図書の整備も一層促進する 必要があります。

4-4.授業を支援する電子ジャーナルやデータベース 一般には研究用とされる電子ジャーナルや文献デー タベースが、教育活動や授業のなかでどれだけの位置

づけになっているのか尋ねました。 「授業を支援する蔵書構成」については、教員が授 業で紹介する図書は必ず図書館に所蔵し、そのことを 前提に授業が行える状況を作り出すことが必要です。

そのためには、教員と図書館との綿密な連携、および 有用なシステムの構築が必要です。

質問12「学部専門や大学院における教育で、電子ジ ャーナルや電子ブック、データベースの整備について」

に対しては、約75%の教員が、研究用としてはもちろ ん、教育用としても「電子ジャーナル、データベース の整備」が必要であると回答しています。特に、医、

歯、薬および水産学部では、ほぼ80%以上の教員が必 要であるとしました。質問の最後の自由意見でも、記 入した教員の約36%が、電子ジャーナルやデータベー スの整備をすべきだという意見を書いていました。な かには経費や財源について考慮した慎重な意見もあり ましたが、具体的なタイトル等をあげて電子ジャーナ ルやデータベースの充実を要望しているというのが大 勢でした。

また、現行シラバスの形式の制約から、多数ある授 業の参考図書が記載できないという指摘については、

来年度からのオンラインシラバスで何らかの対応策を 検討したいと思います。

「附属図書館の資料整備方針」としては、原則、教 科書的なものは学生自身が購入、授業の参考図書は図 書館に網羅し、複数部数備え、特別の利用ルールで運 用するということが考えられます。

「卒論・修論作成のための必要な図書」については、

学生用図書購入費の増額、必要な文献が学内で入手で きないときの他大学への文献複写や相互貸借サービス 5.調査結果から導き出される今後の方向性について

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4 等、卒論・修論生に何らかの優遇措置が取れるかどう か検討が必要だと考えます。さらに、今後はこれまで の「全学教育科目」への支援に加えて、「専門教育科目」

「大学院科目」の授業との連携についても重点的に取 り組んでいきたいと考えています。

「電子ジャーナル・データベース」については、従 来、主に研究用資料としての利用と考えられてきまし たが、今回の回答をみると教育用資料としても不可欠 なものとなっていることがわかりました。本学の教育 活動に必須の資料として、より一層の充実・安定化を 図る必要があります。これらについては全学的なコン センサスの形成が必要ですので、更なるご支援をお願 いしたいと思います。

6.調査を終えて

先ず、教育・研究活動でご多忙の中にもかかわらず、

教員アンケートに回答を頂いた教員の方々に深くお礼 を申し上げます。全学の教員837名を対象として、452

件約 54.0%の回答率を得、過半数の教員の意見が収集

できたことには大きな意義が見出せると思います。

今回の「授業への支援に関する教員へのアンケート」

という試みは、長崎大学附属図書館としては初めての ものですが、全国的にみても大学図書館において同様 のアンケート実施例は全く見受けられず、パイロット 的な意味においても非常に意義のあるものです。

調査結果のまとめと分析についてはこれまで記述し てきたとおりですが、具体的な集計結果については資 料としてこの後に添付しております。今回アンケート を行って、図書館職員が想定していた結果と大きく異 なっていた部分がありました。特に、「シラバスに掲載 された参考資料は図書館に備え付ける」ことの認識率 が低かったことや、「生命科学系でデータベースの利用 方法についてのガイダンス」の実施要求が多いことな ど、今後の図書館活動の展開をはかる上で貴重なデー タとなっています。

また、自由記述部分でも多くの意見や有用な提案を いただきました。中には、電子ジャーナルやデータベ ースについての契約や内容部分について、誤解が生じ ているようなものもありました。

これらは、各々現状の説明が不足しているためと考 えられ、今後も学内広報や図書館委員(会)等を通じ た説明を丁寧に行っていくことの必要性を感じました。

学生については近年、学部毎の「学生懇談会」等で 直接希望や意見を直接聞き、図書館運営の改善に資す

ることをしていますが、教員・研究者についても同様 に、直接に意見を聞く場を設けるとか、メール等での 意見や提案を受け付け、それに関して図書館からも説 明ができるようなコミュニケーション体制を整えるこ とが重要であると思います。教員と図書館職員が、お 互いに協力し、理解と連携を深めることで、より充実 した図書館サービスの展開と学生教育の効果的な支援 が可能となることを、改めて認識することができまし た。それに基づいて、「学生の夢と人間力を育み、学生 の能力の最大限の伸張を図るとともに、若手研究者の 自立支援のための環境整備を行い、志と覇気にあふれ た若者が集うキャンパスを実現する」努力をしたいと 思います。

平成21年10月29日 附属図書館

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