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ニューエコノミー時代の会計の変革

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ニューエコノミー時代の会計の変革

石 川 雅 之

       1 はじめに

 90年代後半から始まる会計革命は時価主義を基調としながら進み、大方の方向性は見えて きた。当初は金融商品の評価に限定されていた時価評価の考え方が、すべての資産・負債項 目に拡大されつつある。それゆえ、今後、貸借対照表項目をいかにして時価評価ないし公正 価値評価するかということが重要な課題となることは間違いない。とはいえ完全時価主義に 対しては必ずしも全面的な賛成が得られているわけではないω。たとえば、JWGの提案す

る金融負債を含む全面時価会計(2)に対しては反対意見も少なくないようである(3)。それゆえ、

金融商品以外の項目の評価についてもなお抵抗があることは創造に難くない。それでも、大 勢としては時価会計ないし公正価値会計への移行を支持するものが支配的であり、どのよう な時価会計が有用であるかという議論が今後さらに活発になることが予想される。とりわけ、

細部を詰める議論が活発になるであろう。

 だが、今後の会計議論の中心課題はそれだけにとどまるわけではない。新たな検討課題と して、減損や合併の会計、ストックオプションの費用計上などの個別テーマがあがっている がω、一方では、新しい会計の枠組みの模索も始まっている。こうした取り組みはある意味 では会計が今日世界的にある方向性をもちながら変化しつつも、ある種の混乱状況にあると いう促え方もできるのかもしれない。そのキーポイントの一つは「ニューエコノミー」であ

り、この点をめぐる検討もなされている。

 近年しばしば耳にすることは「ニューエコノミー」企業と「オールドエコノミー」の財務 諸表とのギャップの存在とそれに起因する財務報告の有用性の低下である{5)。経済は絶えず 変化しているのであるから、会計にも何らかの変化が求められるであろう。ただ、近年言わ れているような「財務報告の有用性の低下」が「ニューエコノミー」と言うべき経済の変質 もしくは異質な経済の登場を背景としているのか、そしてまた、これまでの会計が「オール ドエコノミー」の財務諸表をもたらすものでしかないのかということを検討してみる必要が あると思われる。

 そうした状況のもとFASBは『ビジネス・レポーティングおよびファイナンシャル・レポー ティング:ニューエコノミーからの挑戦』と題する報告書を公表した(6)。この報告書はこれ から会計が進むべき道を示すものというよりは、今後の議題として取り上げられるべき議題 のバックグラウンドを示そうとしたものであるといえる。とはいえ、FASBという権威もあ

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り、影響力もある団体が公表した報告書であるという点で、今後の会計のあり様を考える上 で無視しえない報告書であるといえよう。

 そこで、本稿ではニューエコノミーを念頭に置きながら、会計の新たな課題として何が考 えられているのか、つまり将来の会計が取り組むべき課題もしくは方向性としてどのような ものがあるのかを明らかにし、会計革命のさらなる方向性を探ることとしたい。そのさい、

まずFASBが先に公表した報告書を手掛かりに考察を進めながら、ニューエコノミーを意識 した他のモノグラフを参考にすることとする。

      ll FASB報告書の概要

 まず、この報告書は「ニューエコノミー」企業と「オールドエコノミー」の財務諸表との ギャップが唱えられる背景として、財務諸表ユーザーは非財務情報のさらなる開示、より多 くの将来情報、無形資産についてのより多くの情報を欲していると考え、この3つの領域の それぞれについて検討しようとするスタンスを明らかにしている。「報告書」はニューエコ ノミーと財務報告の接点に関する二つの支配的見解を検討する。一つは2000年代の経済は 1950年以前の経済とは本質的に異なるものであるとする見解である。もう一つは、伝統的な 財務諸表はニューエコノミーを支配するバリュードライバーを促えていないし、促いえない

とするものである。

 報告書の結論は「ニューエコノミー」企業対「オールドエコノミー」財務諸表という議論 は基本的に有用ではなく、重要なのはビジネスレポートおよび財務報告は変わるべきか、ま たそうならどのように変わるべきなのかということである、とする。

 「報告書」によれば、ニューエコノミーとか知識資本、知的資産、無形資産といった用語 は多岐に用いられている。そこで、報告書はこれらを次の三つに分類する。

 ・将来のキャッシュフロー情報の測定や報告に対する提案

 ・非財務のバリュードライバーについての情報の測定・報告に関する新しいメトリクスの   提案

 ・B/Sにおける無形資産の認識と測定

 このようなスタンスのもと第1章では、ニューエコノミーと既存のビジネスレポートおよ びファイナンシャルレポートとの乖離現象を検討して次のように主張する。(pp.1−2)「知的 資本」や「ニューエコノミー」の議論には様々なスローガンがあふれているが、それらはビ

ジネスレポートおよび財務報告の改善に寄与するものではなく、妨害にすらなるかもしれな い。企業、ビジネス・レポートの情報利用者、基準設定機関、規制当局などさまざまな人々 や組織が直面する問題は市場が付けた企業の価値と財務諸表に表示される会計上の価値との 乖離をどのようにしたら最も良く埋めることができるのかということである。あるものは無 形資産の定義のあいまいさにその原因を求めようとするが、それでは何の改善にもつながら ない。重要なことは、ビジネスにかかわる情報や財務情報が投資家や与信者にとって有用で

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あるためには財務報告が拡張ないし改善されるべきなのかどうかということである。同様に 認知されている財務報告の欠点に対応する現行財務報告の能力についての予断も有用ではな い。会計基準の設定者は無形の財産に係るある項目を、そうした項目は資産としての性格に 欠けるもしくは認識基準を満たさないという理由で、資産として一般目的の財務諸表に組み こむべきでないとするかもしれない。

 では、変わり行く経済に歩調を合わせる上で会計が持っている欠点とされるものはどのよ うなもなのであろうか。「報告書は」3つの論点をあげている。(p.3)

①伝統的な財務諸表は既存の資産と負債から価値を生み出す企業の能力に焦点を当てており、

 そうした伝統的な財務諸表を支持するものは財務諸表というのは概して後向きなものであ  るとする立場をとっているが、新しい財務報告の枠組みが必要である。ただし、この枠組  みは既存の財務諸表を補完するものであるかもしれないが、場合によっては既存の財務諸  表に取って代わるものとなる。

②ニューエコノミーにおける重要なバリュードライバーは多くが非財務情報として捉えられ  るものであり、財務報告にはなじまないものであるかもしれない。しかし、それらを測定  する方法を見出すことは可能であり、そうした方法により投資家や債権者は企業の実態を  もっとよく知ることもできるし、他社との比較もできるようになる。

③無形資産の重要性はニューエコノミーの顕著な特徴である。概して、既存の財務諸表は外  部から取得した場合にのみ無形資産を認識する。会計基準設定者は内部創設無形資産の認  識・測定のための基礎を策定すべきである。

 このような論点ないし課題を提示しつつも、「報告書」は、既存の財務諸表はこれまでの 会計目的に対しては未だ有用であり、むりやり財務報告を変えさせるならば、かえって財務 報告の信頼性や有用性が損なわれることになる、として財務報告の変革という点については 一歩後退している。

 そして次章では「新たなる報告パラダイム」というタイトルのもとに伝統的な財務諸表と は別の方法による報告システムをとりあげている。いまどきパラダイムという語が使われる ことに奇異な感覚を覚えるが、ここでは別の方法による財務報告と考えてよい。この章では TVCシステムと付加価値会計とを例に貨幣額によりつつも伝統的な財務諸表とは別の方法 で、企業体の残高とフローの報告についての予測情報システムを概観し、同時にこの方法の 難しさ、とりわけコストと複雑さをあげ、一般目的のビジネスレポートおよびファイナンシャ ルレポートには有用そうではないと結論づける。

 第3章では、ニューエコノミーにおける重要なバリュードライバーは非財務的なもので、

財務報告での開示になじむものではないとして、非財務メトリクスによる開示をとりあげ、

バランススコアカードやスウェーデンの保険会社であるスカンディアAFSが提供している 情報などいくつかの例をとりあげている。そして、非財務情報は特定の産業もしくは企業ご

とに異なるものとならざるをえないとする。しかし、新しいメトリクスを非財務メトリクス に結び付けており、従来の財務諸表では捉えられていない情報の開示方法がいくつかありう

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るだろうという程度の考察に終わっている。

 報告書の大半にあたる第4章では、自己創設無形資産の認識と測定に伴う概念上の問題お よび実務上の問題を検討課題とし、次のように言う。市場における企業の評価とその企業の 帳簿上の会計価値との差は無形資産として認識されるべきだとする人々がいるが、この方法 は直接的でなくビジネスレポートおよびファイナンシャルレポートを利用する人々に新たな 情報をほとんど与えることはない。そして、無形資産の目的は何か、資産とは何かという基 本的な点からスタートし、財務諸表において無形の財産項目の認識に関する概念上と実務上 の問題を検討する。また、FASBやIASの概念フレームワークに照らすと、いくつかの文献 にみられる無形資産項目認識の論理的根拠について、それらは大いに疑問であるとする。

 しかし、無形資産の認識に消極的な立場をとるわけではない。無形の財産といえるものを 注意深く観察すれば、企業内部で創設された財産間には違った種類のものがあるとして次の ように言う。R&Dやソフトウェアのようなある種の無形資産は有形資産とほとんど同様な 方法で創り出されており、簿記上の観点からはそれらの無形項目のコストの測定には特に問 題があるわけではない。ところが、得意先リスト、ブランドネーム、データベースなど多く の場合日々の営業活動の結果として生じるものであり、認識・測定の面である種の困難さを

伴う。

 また、のれんについては、合併時または有償取得の場合にのみ資産とし、内部創設のもの については資産としないことには合理的な根拠は見出せない。というのも、どのようにして 生まれたのかは資産の本質的な性格ではないからであるとする。他者との取引は資産が存在 することの証明とはなりえても企業が資産を取得ないし保有する唯一の手段ではない。もし、

他者との取引が企業が資産を取得ないし保有する唯一の手段であるとするならば、自己創設 の有形資産も資産としての資格を失うことになるのであり、それゆえ、自己創設の無形資産 の認識を否定するのであれば他の理由が必要であるとする。(pp.68−70)

 第5章では、ある一つの会計基準設定者が単独で基準を設定したならば不適切なものとな らざるをえないから、広範な機関の協力が必要であるとして締めくくっている。そして、報 告書は「ニューエコノミー」企業対「オールドエコノミー」財務諸表という議論は基本的に 有用ではなく、重要なのはビジネスレポートおよびファイナンシャルレポートは変わるべき か、またそうならどのように変わるべきなのかということである、として結局のところニュー エコノミーと呼ばれるものが会計もしくは会計の進むべき道にどのような影響を及ぼしてい るのかについての答えを自ら放棄してしまっている。

 このような総括は本報告書が、無形資産をめぐる議論にはかなりを費やしているものの、

全体として見れば漠然としたものでしかなかったことの表われということができるかもしれ ない。報告書はそのタイトルのわりには、特に目新しいものがあるわけではなく、ニューエ コノミー時代の問題と思われるものへのさまざまな取り組みを概観するにとどまっている。

ただ、ビジネスレポートおよびファイナンシャルレポートの改善にあたって注目すべき点と して、内部創設無形資産の財務諸表上の認識およびそれらの測定の改善、非財務メトリクス

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の拡大・組織的利用、予測情報の利用拡大という3点をあげている。見方を変えれば、これ からの会計問題は以上の3点に集約されるということになる。ここでは、もはや時価会計・

公正価値会計と歴史的原価主義会計あるいは損益アプローチとストックアプローチなどとい うことは問題とされていないという点も指摘できる。

       皿 会計から見たニューエコノミー

 FASBの報告書では、「ニューエコノミー」企業対「オールドエコノミー」財務諸表とい う議論は基本的に有用ではなく、重要なのはビジネスレポートおよびファイナンシャルレポー トは変わるべきか、またそうならどのように変わるべきなのかが重要であるとして、結局の ところニューエコノミーというものがどのようなものであるのかという問いに対する解答は 保留してしまっていた。しかし、ビジネスレポートないしファイナンシャルレポートが変わ るべきであるとすれば、その原因あるいは背景があるはずである。FASBの報告書はこの点 を明らかにせず、考察の大部分を無形資産の認識・測定問題に焦点を当てている。

 だが、無形資産の認識・測定問題が会計にとって重要な課題であるとしても、そうしたも のが課題となった背景にこれまでの会計に対するニューエコノミーの根本的なチャレンジが あるのか、それとも単に新しい経済的事象によって無形資産の認識・測定が重要性を帯びて きたのかということは大きな意味をもつはずである。すなわち、「ニューエコノミー」企業 対「オールドエコノミー」財務諸表という対立構造が本当に存在するのか、そしてそうした 対立があるならば財務報告はドラスティックに変化せざるをえないのかどうかが問われるこ

とになる。

 しかも、ビジネスレポートおよびファイナンシャルレポートは変わるべきかどうかが重要 な問題であることは間違いないとしても、なぜ「ニューエコノミー」企業対「オールドエコ ノミー」財務諸表という議論は基本的に有用ではないのかということについてFASBの報告 書は明確な理由を示していないのである。だが、会計に対するニューエコノミーの根本的な チャレンジがありうるとすれば、会計とニューエコノミーとの関係もしくは影響を明らかに することが必要なのではないだろうか。

 もっとも、ここで指摘するまでもないことではあるが、ニューエコノミーの定義自体が明 確ではなく、人によってさまざまなものを差すものとして用いられている。ある場合はIT 産業そのものであったり、90年代半ば以降の経済を差すものだったりするm。そこで、ニュー エコノミーを論点とした他の会計文献を参考にして会計にとってニューエコノミーとは何か

という点についてもう少し考えてみることにしよう。

 会計の立場からニューエコノミーを取り上げたものの一つにICAEWのディスカッション ペーパー(S)がある。このディスカッションペーパーの基本的な認識は以下のようなものであ

る。

 インフォメーションテクノロジーは科学技術的な面で生産過程も生産物も今まで以上に複

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雑にしており、製造業やサービス産業においては、ブランド、知的財産、ノウハウ、著作権 といった無形資産が以前にもまして重要になっている。そして、経済活動が情報の生産や分 析を必要とするようになるにつれ、物的なモノを取り扱う機会が激減している。生産される モノや消費されるモノの多くが形のないモノとなっている。そうした財を生み出すために使 われる資産もまた形をもたないものとなっており、インフォメーションテクノロジー、ソフ トウェア、デザイン、個人のスキルといったものに多くを依存している。と同時に徐々に競 争もそうした無形資産をベースとするものになっている。そのため、伝統的な資産をベース にするだけでは競争を維持できなくなっている。その結果、信頼しうる正確な企業評価が難 しくなってきている。とくに、ハイテク企業の株式市場での評価はしばしば簿価よりもはる かに高いものとなっている。こうしたギャップは知的資本が会社財産にとってますます重要 になっていることの証左である。とともに、このことが伝統的な財務会計に対する批判の要 因となっており、伝統的な財務会計はこうした決定的に重要な無形資産の信頼しうる正確な 評価の困難さに直面している。

 このような認識に立ちディスカッションペーパーは、経済活動そのものが物的な形を伴わ ないものとなっている以上ニューエコノミーの測定問題を無形資産の評価問題にありとする 明確な立場をとる。そして、無形資産の評価方法が十分に確立していないこと、すなわち無 形資産に対する市場評価と会計上の評価との問にギャップが存することは社会的な損失に繋 がるかもしれないとして、ますます重要性を高める無形資産の評価にかかわる不確実な状況 に政策決定者、会計人、経営者、投資家などが応えられるような方法を検討しようとしてい

る。

 では、伝統的な財務会計が無形資産を適切に評価していないとして、どのような問題があ るのだろうか。ディスカッションペーパーは5つの弊害をあげている(pp.13−14)。ひとつ はインサイダートレーディングである。というのも、適切な無形資産の会計的評価がないこ とによって、企業内部の者しかほんとうの企業の実力ないし企業価値を知りえないからであ るとされる。2つめは資本コストの問題である。無形資産が会計上適切に評価されないこと によって新興のハイテク企業は資本コストが高くなる。かといって無形資産を過大評価した ならば最適ではない資本配分が行われるおそれがある。これは3つめの問題である。4つめ の問題は適切な評価が行われないことによって、知的労働に従事する人々のインセンティブ が失われるというものである。5つめは無形資産の質に関する不適切なディスクロージャー は資本市場のボラティリティないし不確実性としてフィードバックされることになる、とい うものである。

 このようにディスカッションペーパーでej[.、会計上無形資産の評価の必要性を一応は呈示 しているものの、説得力は乏しいというべきであろう。それは、ここにあげられた5つの弊 害が本当に生じるのか否か疑わしいとともに、仮にそのような弊害が認められるとしても、

これまで財務諸表上では認識されてこなかった種類の無形項目の財務諸表上での認識が必要 だという論拠になりうるのかどうかという点についてもなお検討の余地があるからである。

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 たとえば、適切な無形資産の会計的評価がないことによって、企業内部の者しかほんとう の企業の実力ないし企業価値を知りえないとしても、だからインサイダートレーディングが 起こるという論理は強引であると言わなければならない。いくら会計を改善しても企業には 内部者しか知りえない重要な情報が存在するのであり、そのような情報が存在することは悪 いことではない。問題はそうした情報を利用してインサイダーが第三者の利益を犠牲にして 利益を得ることにあるのだから、適切な無形資産の会計的評価がないことをインサイダート レーディングに結びつけるのは間違いである。また、新興のハイテク企業の資本コストが高 いとしても、その理由を適切な無形資産の会計的評価がないことに帰すことが適切かどうか も疑わしいというべきであろう。なぜなら、既存の企業も多くの無形資産を有しているはず だからである。さらに、知的労働に従事する人々のインセンティブも無形資産の会計的評価 とは直結しない。知的労働に従事する人々のインセンティブを刺激するような評価は会計上 の資産評価である必要はないからである。資本市場のボラティリティないし不確実性も資産 評価を改善すればそれらがなくなるのかと言えばNOということになるのではないだろうか。

こうしたことから、ディスカッションペーパーは、新たな会計上の無形資産評価を確立すべ きとする一応の理由を示してはいるものの、説得力には乏しいと言わざるをえないのである。

 無形資産の測定という点についてディスカッションペーパーは伝統的財務会計の枠内では 正確な測定は難しいという認識に立ちつつも、新しい、非財務的測定は問題があるし、広く 理解されているわけでもなく、テストされてもいないという点を認め、課題となるのは、す べての無形項目を測定することではなく、将来のキャッシュフローに重大な影響を及ぼすも のを評価することであり伝統的な方法ではうまくいかないとしている。

 とすれば、他の方法が必要となるが、その方法には二つの方向性がある。ひとつはバラン ススコアカードにみられるように、経営者がより効率的な経営を行いうるように、今までと はちがったもので成果を測定しようというものである。もうひとつは、投資家に対して無形 資産についてのより正確な情報を伝えることを目的とするものである。(p.16)

 ディスカッションペーパーが言うように、多くの企業の株式市場における価値と会計上の 価値ないし簿価とのギャップはますます大きくなっており、とくにハイテク産業や知識集約 産業において著しい。従来の会計システムは無形資産に重点的に投資するような企業向けに 設計されたものではなく、そのため会計システムはハイテク産業やブランドが重要な消費産 業においては測定能力に乏しいのである。(p.30)だが、株式市場が企業に対して与える評 価と会計上の価値とのミスマッチは無形項目に対する投資額が大きくなっていることだけに 帰せられるものではない。ただ1ディスカッションペーパーでは会計は無形項目を扱う能力

に乏しいだけでなく、急速かつ劇的変化にも対処できないのであるとして、「無形項目の評 価に対する純粋に会計上の解決方法はない」(p.31)と言いきる。そして、バランススコア

カードやEVAのように新たな測定方法が必要であるとするが、ここでは会計と他の測定方 法の二本立てが必要とするのである。

 しかし、多くの企業の株式市場における価値と会計上の価値ないし簿価とのギャップが大

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きいとしても、それは会計もしくは財務報告の欠陥として捉えるべきなのだろうか。もしそ うであるとするならば、その論拠はどのようなものであるのかということも改めて問われる べきであろう。というのも「会計情報は投資家による企業評価を代行するものではない」(9)

はずだからである。また、とくにハイテク産業や知識集約産業において、従来の財務報告が 無形項目の認識あるいは評価という点で不十分であるとしても、無形項目に対する新たな測 定方法の必要性を会計測定の問題とすべきなのだろうか。

 AEIとBrookingsとの協働による研究所が行っている一連の経済規制に関する研究の一つ に「インターネット時代の企業開示」を扱ったモノグラフ⑩がある。「インターネット時代 の企業開示」はニューエコノミーが新しいシステムの企業開示を必要としていると主張する ものであり、ナレッジ・ベースの経済への動向が既存システムの企業開示に根本的な変革を 迫っているとする。「インターネット時代の企業開示」はニューエコノミーの特徴として情 報と無形資産に大きく依存している点およびインターネットの急激な拡大をあげている。と ともに、コストベース会計の廃止を支持しないとしながらも、企業の市場での価値とGAAP にしたがって簿価を基礎に作成される株主持分の価値とを問題にしている。そして、財務報 告は、歴史的原価で測定された資産や負債を記述するだけでなく、企業の現在の営業状況や 今後の動向をできるだけ正確に写し出す未来志向のものでなくてはならないとする(p.9)。

 「インターネット時代の企業開示」によれば、会計基準の設定にかかわる団体は、あるルー ルの改正やGAAPとして設定することについて議論を重ねてきたが、そうした議論は専門 的な投資家やアナリストが関心を寄せているものとはあまり関係のないものであって、専門 的な投資家やアナリストは財務諸表を作り上げる生の素材を欲しているとともに、財務諸表 には含まれていないようなさまざまな数値も欲している。しかも、そうした数値は財務数値 であるか否かには関係なく、新規顧客獲得のための費用とか従業員の満足度あるいは経営的 手腕といったような、企業の今後を占う上でより役立つようなものである。しかし、会計基 準をベースとした現行会計システムはそうした要求に応えられるように設計されたものでは

ない。(p.24)

 貸借対照表上の価値と市場での企業の評価額とが大きく異なる要因は現在の財務諸表が適 切ではないということに帰せられる。一説によれば、今日のS&P500社の価値の約80パーセ

ントが無形資産であるとされているが、現在の財務諸表は、有形資産が価値を生み出す主た る源泉であった時代の産物であり、無形資産が価値を生み出す主たる源泉となった今日では 適合しなくなった(p.28)、というのが「インターネット時代の企業開示」の基本的認識であ

る。

 「インターネット時代の企業開示」は、情報化時代あるいはポストインダストリアル経済 という表現では今日の経済の劇的変化は捉えられないとし、今日の経済をナレッジエコノミー と特徴づけ、ナレッジ・ベースの経済への移行が財務会計にとって重要なのは知識の価値は コストとの関連が乏しいからであるとする。(pp.27−8)

 この点で「インターネット時代の企業開示」の論理は明快である。すなわち、ナレッジ・

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べ一スの経済への移行により、知識に関する情報あるいは知識の評価が重要となるが、知識 を初めとする無形の財産はコストで測ることが適切ではないため、ここに新しい時代の会計 問題として無形資産の会計的評価が登場するというものである。

       IV ニューエコノミー会計論の論点

 会計からみたニューエコノミー論の特徴をあげれば、無形資産問題に傾倒しているという 点を指摘することができる。そして、近年、会計の大きな課題とされてきている時価会計や 公正価値会計には一切ふれていない。では、時価会計や公正価値会計はニューエコノミーと は関係のないものなのだろうか。少なくとも近年の経済もしくはビジネスの変化と何らかの 関係はあるはずである。それともニューエコノミーというのは急速に発展したインフォメー ションテクノロジーに支えられたナレッジベースの経済との直接的な関連でのみ考えるべき ものなのだろうか。

 上にみた議論からはインフォメーションテクノロジーに支えられたナレッジベースの経済 こそが会計が直面しているニューエコノミーであり、必ずしもグローバル化や金融工学に基 づく新しい金融取引ないし金融技術を中心とする経済を指しているようには思われない。だ が、仮にそうであるとしても、時価会計や公正価値会計の導入問題もビジネスの変化とそれ に遅れをとった財務諸表という認識の上に成り立っているとすれば、会計が今後どのような 変化を遂げていくのかあるいは遂げるべきなのかを占ううえで、その延長線上で「ニューエ コノミー」企業と「オールドエコノミー」の財務諸表とのギャップの存在とそれに起因する 財務報告の有用性の低下という問題を考えてみることもあながちムダではないかもしれない。

というのも、上にみたようなニューエコノミー時代の財務報告とされるものも、貸借対照表 上で市場での企業価値を表示することを重点としているという点で、近年変化しつつある財 務報告制度を念頭に置いたものといえるからである。

 近年の会計変革の動きを辿るならば、損益計算書アプローチから貸借対照表アプローチへ の転換と言われるものがきわだった特徴としてあげられる。損益計算書アプローチから貸借 対照表アプローチへの転換は、「マネー経済」の規模と重要性が大きくなったことが主要な 要因であると思われる。1990年代前半の会計課題はしだいに大きくなる金融商品のリスクに どう対処するかということであったといえよう。それは、85年のプラザ合意以降為替の実需 原則が崩れ、商取引とは別に金融取引が拡大したことと、アメリカにおけるS&Lの教訓か ら、会計が考慮すべきリスクが大きく変わったことによる。つまり、かつては会計が考慮す る主要なリスクは、仕入れた商品あるいは製造した製品が売れるかどうか、そして代金が回 収できるかどうかということであった。そのようなリスクを抱える事業の財務報告として歴 史的原価・原価配分と実現主義を基調とする従来の会計モデルがうまく適合したのではない だろうか。もちろん今日でも、主要な企業の多くが商・製造業に従事している。

 しかし、「マネー」の経済が大きくなりすぎたとことにより、会計が考慮すべきリスクは

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変化したと考えるべきであろう。従来は「もの」の経済があり、それに付随する形でマネー の流れがあった。その場合、為替リスクのヘッジ手段としての金融技術の利用があったわけ である。だが、「もの」の流れとは別に「マネー」の経済が存在し、しかもさまざまな業種 の企業が「もの」の流れとはべつに金融市場に参入し、しかも非常に大きなポジションをと るようになると、従来の会計モデルではそのことにより生ずるリスクに対応できなくなって しまったのではないだろうか。

 そこで、そうしたリスクに対処するために「金融商品」への時価評価の導入が必要となっ たと考えられる。だが、リスクの変化に対応するためには企業自体の価値評価が重要であり、

そうしたことから時価評価の導入は「金融商品」だけにとどまらず、「全面時価評価」導入 への動きとなったのではないだろうか。もちろん、このようなあまりにも単純な捉え方です べてが説明しうるわけではないが、大筋としてこのような流れになっているといえるであろ

うω。

 一方、IT化の進展、経済のグローバル化とともにビジネス自体も変化し、いわゆるナレッ ジベースのビジネスモデルが注目を集めるようになり、非有形の財産の評価問題が生じるよ うになったと考えられる。ただし、非有形の財産ないし無形項目の評価問題は、90年代の前 半から中ごろにかけてすでに表われ始めている。たとえば、1994年に公表されたジェンキン ズ委員会の報告書では特に自己創設暖簾の価値を財務諸表上認識すべきであるという声があ ることを認めている。ただしジェンキンズ委員会の報告書では、自己創設暖簾などの無形資 産の価値の評価は本質的に信頼性を欠くものであるとして、財務諸表上で認識するよりも、

財務情報の利用者は無形資産の存在、源泉および耐用年数に関する情報の開示を改善するこ とを望んでいるとした(12)。同時期に公表されたAIMRの報告書(13)でもこの問題にふれられて いる。

 ただ、その段階では無形資産、とりわけ自己創設の無形資産を貸借対照表上で認識すべき かということについては、積極的な意見よりも補助的な情報として開示すべきとする意見の ほうが支配的だったように思われる。それが、IT環境が一層充実し、経済がグローバル化 するとともにビジネス・スピードが急速になった今日では、価値創造の多くを無形の財産に 負っている企業が多数出現しているにもかかわらず、無形項目に対する評価方法が確立して いないことにより、マネジメントの面でより大きな不都合が生じていると考えられる。つま り、無形資産問題の一つはとくに企業内部で創設された無形の財産価値をいかにして貸借対 照表に示すかという企業評価にかかわるものであると同時に、より適切なマネジメントのた めのシステムが十分に確立されていないことに対する危機感ないし苛立ちの表われでもある と思われる。

 だが、このような流れの中で時価会計ないし公正価値会計や無形資産領域の拡大などが重 要な会計課題として浮上してくるのは理解できるとしても、ことさらに企業の市場価値と会 計上の価値とのギャップが問題視されるのかということについては十分な答えとはなってい ないかもしれない。ただ、企業リスクの変化とともに、企業の財政状態もしくはポジション

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についての関心が高まり、企業資産の現在価値を基礎とした支払能力の表示が注目を集める 中で、企業の市場価値が関心を集めるとともに、ベンチャービジネスの興隆を背景として

「時価総額」という概念が広まったことにより、企業の市場価値と会計上の価値とのギャッ プが人々の関心を集めるようになったということは言えるのかもしれない。

 この点については次のような興味深い指摘がある(14)。簿価と時価はまったく異なる方法で 決定されるにもかかわらず、長いこと米国ではこのふたつの値にあまり差がなかったため、

貸借対照表のもつ意味が多くの人々に誤解されていた。そして1980年代になって簿価と時価 の隔たりが明らかになりはじめたというものである。だとすると、日本では簿価と時価が違 うのはあたりまえで、長いこと土地や有価証券には多額の含みがあるというのが常識だった わけであり、それゆえことさらに簿価と時価の違いが問題とされてこなかったこともうなず けるであろう。とはいえ、貸借対照表は企業価値を表わすものなのか、あるいは表わすべき ものなのかという点については慎重な議論が必要とされるはずである。

       V おわりに

 今後の企業ディスクロージャーが大きく変化するであろうということは間違いない。その 要因の一つは開示手段の変化である。ウェブ上での情報開示ないし情報提供の環境整備が整っ たことにより、定期的な報告から継続的な報告へ、数字を主体とした報告からビジュアルな ものを含むさまざまな形のものへ、さらに追加的情報による主たる情報の補完が容易になる などといった点があげられる。

 この点については、次ページの表のように現在の評価と報告の方法と未来の評価と報告の 方法を対比して将来の変化を予言し、「ニューエコノミーでは、企業は全利用者に適正な価 値判断に基づき継続的に全資産を評価し、報告しなければならないだろう」とする指摘がな されている(15)。このような変化が起こることは十分ありうるであろう。また、今後の企業ディ スクロージャーもしくは財務報告が大きく変化するなかで将来予測的要素が求められること

も確実と思われる。ただ、そうした中で従来の会計方法あるいは会計報告が有用性を失って しまったのかという点については性急に判断すべきではない。

 近年の潮流から判断すれば全面時価主義へと向かう力がさらに強まるとともに、貸借対照 表による企業価値の表示が進むと思われる。近年の会計変革についての議論の多くは、会計 の役割を将来のキャッシュフローを適正な割引率で現在価値に割り引いて表示することとし ているように見うけられる。それは単にリスクの態様が変わったということのみでは十分に 説明することはできない。もしかすると、M&Aビジネスという言葉があるように、企業自 体が商品化した、すなわち取引の対象となったことにより、さらに、企業価値の評価、企業 の現在価値が重要になってきているのかもしれない。

 だが、会計が企業価値の評価と深い関連をもつものであるとしても、急速に価値評価へ向 かうことが改善であるのかどうか、再考することが必要なようにも思える。たとえば、5年

(12)

表評価と報告の方法:現在対未来 (『バリューダイナミクス』p.233より。一部変更)

評価/報告の枠組み 報告の枠組み

佳   占

評価対象 情報源

評価/報告方法 提出方法 提出時期 作成形式 報告対照 追加情報

現   在 財務報告書 実現価値

物的及び金融資産 内部データ 主に過去の費用 ハードコピーによる配 布と一部電子的配布 定期的

数字と言葉 報告が必要な一 部の利害関係者 少ない

未   来

企業のデータベース、電子書庫 形成価値(及び実現価値)

全資産一有形・無形 内外の総合データ 公正価値

デスクトップコンピュータ その他の端末

継続的

数字/言葉/グラフによる視覚 化及び双方向インターフェース すべての利害関係者

リスク管理、戦略等

後に期限を迎える1億円の貸し付けがあったとする。ひとつは利率が年5%でもうひとつは 年2%であったとする。どちらも1億円の貸付金であることに変わりはない。ではどちらの 貸付金も同じ価値なのかというとそうは断言できないであろう。リスクを考慮しないとすれ ば前者の方が価値が高いということになる。では仮にリスクが同程度であるとして、この貸 付金をどのように表示すべきなのだろうか。

 従来の会計方法ではどちらも1億円の貸付金であり、合わせて2億円の貸付金として表示 した。これを違う価値のものとして認識すべきであるとするのが最近の論調であるように思 われる。だが、仮に現在価値に割り引いてみても財務諸表上、貸付金の合計はいくらという ように表示せざるをえない。情報としてはひとつは利率が年5%でもうひとつは年2%であ るということが重要であるとしても、貸付金の現在価値を求めることによってそれをうまく 表示できるのだろうか。

 伝統的な会計方法では合わせて2億円の貸付金と表示すると同時に収益力としての期間損 益計算が重要視されたのではないか。現在価値に割り引いて表示しても、個々の貸付金がど のようなものであるのかを表示できるわけではない。明示するためには注記や明細などの補 完情報に頼るしかない。したがって、会計情報をより豊富なものにするためにさまざまな補 完情報を求めることも一つの選択肢である。

 だが、会計の役割は将来のキャッシュフローを適正な割引率で現在価値に割り引いて表示 することであるとするならば、話は別である。合わせて2億円という表示はまったく意味を

もたないどころか誤った表示ということになるだろう。会計に何を求めるのか、会計はどの ような情報を提供すべきなのかということが問い直されなければならないのではないだろう

か。

 ビジネスレポートないしファイナンシャルレポートに変化を求められていることは確かで あるが、そのことと測定問題とは必ずしもリンクするものではない。ニューエコノミーとい

(13)

う言葉で表わされる今日のビジネス環境において、バリュードライバーとしての無形資産の 重要性が高まるとともに、企業自体が商品化し、取引の対象となったことにより、さらに、

企業価値の評価、企業の現在価値が重要になってきていることは間違いないが、それに会計 がどのような形で応えるべきなのかということについてはさらなる議論が必要であろう。

      注

(1)たとえば英国銀行協会(British Bankers Association)は銀行業は公正価値で資産・負債を評価す  べきとしたASBの提案に反対しているし、またJWGの公正価値会計にも疑問を呈している。 Paul  Chisnall, Fair value accounting?an industry view, Finαnciαl Stability Review, Dec.2000,

 The British Bankers Association, press release,12 December 2000, Banks Oppose Accounting  Proposals, http://www.bba.org.uk/html/1924.html, Fair Value Accounting, http://www.

 bba.org.uk/html/1922.html

(2)Joint Working Group of Standard Setters, Financiα1 lnstrumentsαnd Similαr ltems, Interna−

 tional Accounting Standards Committee,2000.

(3}英国銀行協会以外にも、たとえば、日本公認会計士協会はJWGのドラフトに対し次のように解答し  ている。

 「コメントに当たっての基本的な立場(全体的結論)

 主に下記の理由により、現時点においてJWGドラフト基準を採用することには、当協会は反対する。

 (1)すべての金融商品を公正価値で評価する技法が十分に確立されていないし、世界各国の資本市場がそ   れに確実に対応できるほど成熟していない。

 (2)当協会は、JWGドラフト基準に対して、以下に述べるようなたくさんの個別反対意見や異なった見   解をもっている。

 (3)当協会の意見としては、包括的な公正価値会計モデルの導入に対しては、社会一般からの幅広いコン   センサスをまだ得られていない。」

  日本公認会計士協会「JWGドラフト基準「金融商品及び類似項目」に対するコメント」rJICPAジャー   ナル』平成13年11月号。

〔4)IASBの検討議題としては現行基準の見直しや現在進行中の基準設定が最優先とされており、第2順位  として①減損②無形資産③リース会計④研究・開発費があげられている。山田辰己「IASB会議報告  (第3回会議)」『JICPAジャーナル』第13巻第9号(2001)。

{5)Pricewaterhouse Coopersが1997年・98年に14力国の機関投資家とアナリストを対象に実施した調  査によれば、企業価値を知る上でファイナンシャルレポートが非常に有用であると答えたのは、投資家  は19%、アナリストは27%であったという。また、米国企業の取締役の38%が自社のファイナンシャル  レポートが非常に有用であるとしているのに対し、米国とカナダのハイテク企業を対象にした同様の調  査では投資家の7%、アナリストの16%、取締役の13%が有用であるとしたにすぎない。Eccles,

 Robert G, Robert H. Herz, E. Mary Keegan and David M. H. Phillips, The Vαlue Reρorting  Revotution:Moving、Beyond the Earnings Gαme, Wiley,2000, p.4.

(6)Wayne S. Upton Jr., Businessαnd Finαncial Reporting, Chαllenges from the IVeωEconornbl,

 FASB Special Report 2001.以下「報告書」という。

(14)

(7)たとえば次を参照。Jentzsch, Nicola, The〜VeωEconomy Debate in the U. S. .・A Revieωof  Literαture, Working Paper No.125/2001, Free University Berlin, April 2001.

{8}Charles Leadbeater, NeωMeαsures for the∧leωEconomy, A discussion paper for the lnstitute  of Chartered Accountants in England and Wales,200L以下ディスカッションペーパーという。

(9}斎藤静樹「企業結合会計の論点」『企業会計』第53巻第1号(2001年1月号)、23ページ。

OO}Robert E.Litan and Peter J.Wallison, The Gん4P:Corρorαte Disclosure in the Internet Age,

 2000,AEI−Brookings Joint Center for Regulatory Studies、以下「インターネット時代の企業開示」

  という。

aD最近では「プロダクト型会計」と「ファイナンス型会計」という用語が用いられるようになっている。

(12) American Institute of Certified Public Accountants, Improving Business Reρorting 一 A  Customer Focus:Meeting the Informαtion Needs of investorsαnd Creditors,1994, AICPA, pp.

 114−116.

03)Association for Investiment Management and Research(AIMR), Finαnciαl Reρorting in the  1990 sαnd Bayond, AIMR,1993, pp45−52.96年にOECDが公表した報告書でも人的資源の評価問題  がとりあげられている。Organisation for Economic Co−operation and Development(OECD),

 ルfeαsuring What People Knoω:Humαn Caρitαl Accounting/br the Knoωldge Econombl, 1996,

 OECD.いわゆるナレッジベースのビジネスモデルが急成長するのはむしろこの後であるが、その萌芽  はすでに90年代初頭に見られるということであろう。

04)Boulton, Richard, Barry Libret and Steve Samec, Crαching the Value Code,2000, Harper,

 p.13.アーサーアンダーセン訳『バリューダイナミクス』2000年、東洋経済新報社、28−29ページ。

Os)Ibid, p.216.『同上訳書」232ページ。

       参考文献

American Institute of Certified Public Accountants(AICPA),19941mproving Business Reρorting  −ACustomer Focus:Meetingεんe砺ormα亡↓oπNeeds.of investorsαnd Creditors.

Association for Investiment Management and Research(AIMR), Finαncial Reρortin8 in the 1990 s   and Bayond, AIMR,1993.

Finacial Accounting Standards Board (FASB), Electronic Distribution (ゾBusiness Reporting  Information, 2000.

Boulton, Richard, Barry Libret and Steve Samec, Craching the Value Code,2000, Harper.アー  サーアンダーセン訳『バリューダイナミクス』2000年、東洋経済新報社。

The British Bankers Association, Banks Oppose Accounting Proposals, http://www.bba.org.

 uk/html/1924.html,2001.

The British Bankers Association, Fair Value Accounting,  http://www.bba.org.uk/html/

 1922.html,2001.

Eccles, Robert G, Robert H. Herz, E. Mary Keegan and David M. H. Phillips, The Value Reρorting  Revolution:Moving、Baγond the Earnin8s Game, Wiley,2000.

International Accounting Standards Committee, Joint Working Group of Standard Setters,

 Finαnciαl Instruments and Similαr Items, International Accounting Standards Committee,2000.

(15)

Leadbeater, Charles, NeωMeasures/br the NeωEconomソ, A discussion paper for the Institute of  Chartered Accountants in England and Wales,2001.

Litan, Robert.E. and Peter J. Wallison, The GんAP:Corρorate DiSclosure in the Internet Age,

 AEI−Brookings Joint Center for Regulatory Studies,2000.

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Paul Chisnall, Fair value accounting?an industry view, Financial Stability Review, Dec.2000.

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 ressαnd Concerns,1996.藤田幸男・八田進二監訳『アメリカ会計プロフェッション』白桃書房、2000  年。

Wallman, Steven H. M., The Future of Accounting and Disclosure in an Evolving World:The  Need for Dramatic Change, Accounting Horizons. Sep.,1995.

Wallman, Steven H. M., The Future of Accounting and Finacial Reporting Part n:The  Colorized Approach, Accounting Horizons. Jun.,1996.

Wayne S. Upton Jr., Business and Finαnciαl Reρorting, Challenges from the∧lew Econorny,

 FASB Special Report 2001.

日本公認会計士協会「JWGドラフト基準『金融商品及び類似項目」に対するコメント」『JICPAジャーナ  ル』平成13年11月号。

Jentzsch, Nicola, The∧leωEconorny Debαte in the U. S. :A Review of Literαture, Working Paper  No.125/2001, Free University Berlin, April 2001.

斎藤静樹「企業結合会計の論点」『企業会計』第53巻第1号(2001年1月号)。

山田辰己「IASB会議報告(第3回会議)」fJICPAジャーナル』第13巻第9号(2001)。

参照

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