熊本大学エ学部附属ものづくり創造融合エ学教育センター平成20年度年次報告書
摩擦撹枠処理を利用した金属材料の材質改善と成形カロエ
マテリアルエ学科大津雅亮
1.プロジェクト概要
マグネシウム合金は室温では成形性が悪く,通常は 200℃程度に加熱して成形している.そこでマグネシ
ウム合金板の新しい加工法の開発という実践的な課題 について,成形加工条件の探査と加工した材料の機械 的特性や金属組織について調査し,さらに加工,機械 的特性,金属組織の発現メカニズムを解明すること試 みた.研究開発を行う際に,チームで役割分担し,情 報共有しながらそれぞれが担当した役割を果たすこと を経験することを目的とした先進ものづくり研究教育 実践プロジェクトである.
プロジェクトでは5名の学部3年生を対象とし,指 導教員は3名,指導補助教員は3名である.組織図は 図1の通りで,成形加工グループ,物性評価グループ,
構造評価グループの3つのグループ間で情報共有をし ながら研究を進めた.
速度を変えた時の成形可能な四角錐の半頂角を調査し た結果,図5のような成形可能な形状と工具移動速度
成形カロエグループ 大津准教授
(高島教授)
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物性評価グループ 北原助教
(安藤教授)
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図1プロジェクトの組織図
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2実験方法
図2に示すような実験装置を用いて板厚05mmの AZ31マグネシウム合金板の成形を行った.材質が SKH51の半球頭棒を工具として,NC加工機で成形し たい四角錐形状の表面形状の等高線状に工具を移動さ せて成形する工具は高速で回転させて,回転数m (rpm),移動速度v(mm/min),四角錐の半頂角0(。)
を変えて成形を行い,成形可能条件の探査とその加工 組織を観察した.
また,純粋に加工組織の変化を調査するため,先端 が平らな工具を用いて,工具を回転させながら板を変 形させることなく表面を走査させる摩擦撹拝処理を行 って,板材の硬さと金属組織の変化について調査した.
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図2実験装置
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a実験結果
図3に示すように工具回転数が7000mmまでは成 形限界深さに変化はないが,8000rpm以上では急激に 成形性が改善された.工具を回転させなかったとき,
回転数7000rpm,8000rpmのときの成形品の外観写 真を図4に示す.工具を回転させなかった時は板全体 がゆがんでおり,曲げ戻しによるゆがみであるスプリ ングバックが大きくなった.しかし成形性がよくなっ た8000rpmでは成形深さも大きく,スプリングバッ クも小さくなり,成形精度も良くなった.
また,工具回転数を10000rpmに固定し,工具移動
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、 2000400060008000
工具回転速度,の/rpm
図3限界成形深さ
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組織観察摩擦撹枠加I組織形成メカニズム熊本大学エ学部附属ものづくり創造融合エ学教育センター平成2o年度年次報告書
出来たが,それらを次の実験にフィードバックするこ とが出来なかった.また成形,機械特性,金属組織の 発現メカニズムの解明を行うことが出来なかった.
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図4成形形状
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25゜であり,材料は137%の伸びを示した.この材料 は通常の引張試験では,室温において1o%程度しか伸 びないため,驚異的な変形を示した.
また,摩擦撹伴処理した試料の表面の硬さ分布を求 めると,図6のようになった.摩擦撹拝処理を行った 部分は母材の約2倍の硬さとなった.さらに摩擦撹拝 処理を施した部分の金属組織を透過電子顕微鏡で観察 を行った結果を図7に示す.母材部分の結晶粒径は2
~10似、程度であったが,摩擦撹枠処理を施した部分 の金属組織は50~1500nm程度と母材のl/40に微細 化してナノ結晶が形成されていた.また送り速度が速 いほど結晶粒が微細化していた.
×
O:成形可能
×成形失敗
△:成形状態悪 20
10
ロ 200040006000 工具移動速度,Wmm・mln-1
図5成形マップ
8000
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4.プロジェクトの成果と反省 20
3つのグループに分かれて行った研究結果を-つの ポスターに集約し,学部3年後期の授業「マテリアル エ学実験槍U造編)」においてポスター発表を行った.
チームで研究開発を行う上で,情報共有と責任を持っ て担当した役割を果たすことの大切さを学ぶことが出 来た.
しかし時間の制約上,それぞれのグループの情報交 換が+分でなく,最後の結果の持ち寄りだけとなった.
そのためそれぞれの結果から横断的に考察することは
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図6硬さ分布
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結晶粒径:150~50,,mI結晶粒径:5()~100nm 図7カロエ部の金属組織のTEM写真
結晶粒径:300~150011m
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