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(1)

新しい吸光度検出方式高速液体クロマトグラフィー の応用研究: 環境汚染分析法の開発

著者 早川 和一

著者別表示 Hayakawa Kazuichi

雑誌名 平成3(1991)年度 科学研究費補助金 一般研究(C)  研究成果報告書

巻 1990‑1991

ページ 10p.

発行年 1992‑03‑01

URL http://doi.org/10.24517/00034907

(2)

新しい吸光度検出方式高速液体 クロマトグラフィーの応用研究

(環境汚染分析法の開発)

(課題番号02670975)

平成3年度科学研究費補助金(一般C)研究成果報告書

平成4年3月

研 究 代 表 者 早 川 和 一

(金沢大学薬学部助教授)

IⅡ十←ll1lII■1111■I■︐■1J■IⅡ11t■lIlll01J

#4

(3)

はしがき

著者らはこれまで、クロマトグラフィーの検出に移謝目成分と試料成分の光浄 ロ持性、即ち吸光度、の差を利用する「示差吸光度検出法」の開発を進めてきた。

この方法は、対象イヒ洽物の紫外吸収の有無に拘らず紫外吸光度検出淵寸きの汎用 H円心で分析できるので、多岐にわたる物質の基本分析法として幅広い活用力棚待 できる。その一部は、既にイオン性物質を女橡に吸光渡検出イオンクロマトグラ フィーの名称で各種公定法に収載されている。この優れた特性に基づく高性能な 方法の開発研究の一環として、刺Ⅱ究は特に現在及び将来に予想される環境問題 の機序解明に一層寄与できる分析法の開発を主要目的とした。

以下に、研究成果の概要を報告する。

本研究は、平成23年度にわたって文音階科学研究費補助金(一般研究(C))の交 付を受け、金沢大学薬学部において行った。研究の実施にあたり御援助いただい

た関係各位に深く感謝の意を表する。

研究組織と研究経費は次の通りである。

研究組織

研究代表者:早jll和‑(金沢職学部・助教授)

研究分担者:宮崎元一(金沢大学薬学部・教授)

研究分担者:山本敦(富山県億注研究所・主任研究員)

研究経費

平 年 度 平灯鰯年度

1,800千円 400千円 2,200千円

rmコ豆房詞

金沢大学附属図書館

(4)

[研究綴]

1 . 学 燃

1)AtsIBhiYanamto,AkimUMatsuna",EiidliMizliBmi,KmuiChi Hay永釧amdMmidliMiyazaki:Simlt劃】emls"tenninationof org2mic"idsinvin"ar町画pmIIBtricidlhmIIBm厚瓠1y;Ei"i Kaam,36(4),332337(1990).

2)早川和三宮崎元一:吸光洲器を用いるイオンクロマトグラフィー(解 説;ぶんせき,1991(1),11‑17.

3)AtsIEhiYaIlamto,KazuichiH珂訓《awa,AkinoUlMtsunaga,Eiidli Miz血animldMtoiChiMiy錘水i:LLtaminatimlofmalicacid 印劃ItioI画、sWliZIか函1劃1配成pmnetricimlhIDImm厚訓ly;Anal。

艶i・'7(1),149‑150(1991).

4)早川和弓山本敦宮崎元一:イオンクロマトグラフィー−基縄】究の進 歩一(進歩続兇);ぶんせき,1鮒1(5),353363.

5)tsIBhiYmlamto,AkinmuMatsuna",Ka囚lidliHayal""wa,Eiidli Mi"血劃ni劃】dMtoiChiMiyazd(i:"larimddpmIIBtric"tectorfa、

hidr露㎡bnnal"liWliddlrdnato甑蛾Ⅳ;Analo艶i.,7(5),719721

( 1 9 9 1 ) .

6)AtslShiYanmpto,Akin"uMatsunam,EiidliMizukami,Kmuidli Hay劃く aaInMOtoiChiMiazdd:Li"I"dlalgeimldlIunat噂、叩hic

"mTninationofImlic"id即釦tiq肥盃inamlejuimwidl dlomctric"t"timl;J.drdnato欧.,$5(2),315‑317(1991)。

7)Kam1idliHay劃く鋼a,KydmNdnuraald肋miChiMiy錘曲i:伽‑liIE IもIIDMvalofiterfa、ingalkalineearthlmmtalsfbrsimltaIEIB 曲ta、minationoflWdm""ncarmnte,Chlori",nitrateandsulfte Wilnirwtdptm鱈tric"t"tidlionhlunat噸、鍼W;Anal・艶i・

7(6),96壬969(1991).

8)Tbtsujiq域1ji,EijiHirai,MtoichiMiy錘劃くi,KmuidliHWalzwa, 町dのNamraaIndlieNal喧卿a:"haviorofinor"licmetalsionsin

"ilaldcml位、iultim㎡soilewysta鱈切錘id‑IButralizatidl;J.

W1am唾のiケ町n,14,3136(1991).

− 2 −

(5)

9)KazuidliHayakma,AtsudliYanaIntoaIn伽toidliMiyazaki:

mltonetricionchrdIBtog、誠lyofbiol"icalの皿lm"IBingIIEtal‑

"npl"fbrmatiml;J.Rlarl唾のiケ町、.,14,3138(1991).

10)KazuidliHayakwa,AkioKato,AtslBhiYanammaln"toidli Miy錘水i:"lectivepe乱《alhaI唾ⅡEntaldslWもssionof mI血』cta肥tricimlchrdnam厚、鍼】yaInitsWlicationto廿膨 由tα、minationoftr"elevelsofordl叩1℃翠1teinaⅣiram画ltal sanpl=;Anal・艶i.,8(1),"‑29(1992).

11)KazuiChiH可永釧a,I@dpNaⅢⅡ、a釦d"toiChiMiy麺水i:Ef"tof lもⅨⅣingtm…BriccarmndioxidefrunellEntin""teminatimlof tr"levelcarmnatecalbmlWionexclusimlhIunt"rmlW;Anal.

匙i・ 8(1),111‑113(1992).

12)NOrilmlmaizumi,K"uidliHay水鋤a,Y"lpSlmlki劃】dMtoidli Miy錘水i:L"minationofnitrat田脚1画1=anddnirdα、ivativ匿町 hijlprfa、IIBn"liquidhmn園t昭r"lWwithIEnilumi"""

"Etim誠tα、dllineelmtmcIEmicalmuction;BidIIm.

qlIunat噂、.,4(3),108‑112,1990.

13)KazuidliH即水鋤a,IVuidliKitamlra,MizlkaButdl,NOriMIImizmi andMotoichiMiymaki:LLteminatimlofdiaminケmdaninWI画】露w hidlpa、fα、nnnmliUjidhrmBto忽麺1ywithignillmil""nm

"t"tion;Anal.&i。,7(4),573577(1991).

2.口頭発表

1)力嚥明夫,早川和一,宮崎ラ底;山本敦:システムピーク生成を利用したIC によるリン酸イオンの高感度分析;日榊会北陸支音朧80例会,富山,平

年6月9日.

2)山本軌松永明信水上英一,早川和一,宮崎元一:配位子交換吸光度検出 イオンクロマトグラフィーにおけるリンゴ酸光学異性体の分離と検出に関す る基礎的考察;第7回イオンクロマトグラフィー討論会,京都,平成2年6月 1 4 , 1 5 日 .

3)Ka皿lidliHayakawa,NmmOlnim,Na"hiMiyaShita,"toidli

Miy錘水i,EiidliHirai,TtsUjiCldljialddlieNa(aZwa:

(6)

HlotoIIEtricicmllIDIIBtogradlyfOrwaterInlluti伽訓alysis‑

Inm意訓icions;Watα、恥llutioneMI℃handmntml,Kyto,JUly29‑

AuglBt3,1990,IBtractp33‑36.

4)山本敦松永明信水上英一,早川和一,宮崎元一:配位子交換吸光漠検 出イオンクロマトグラフィーによる清涼鯛斗水中の'ノンゴ酸光学異性体の分 析;日貝楪学会第110年会,杣児平成2年8月21‑23日.

5)早川和一,能村京子,宮崎元一:陰イオンの分析を妨害するβ紛陰を除去する ための陽イオン交換カラムを導入した吸光渡シ検出イオンクロマトグラフの効 果と零繊謝斗、の適用;噺回イオンクロマトグラフィーフォーラム,恵那,

平垣勉年11月8,9日.

6)力臓明夫,早川和一,宮崎元司山本敦:システムピークの近傍に溶出する 試料ピークの増大効果を利用したICによるリン酸イオンの高感度分析;日本 分析化学会第39年会,名古屋平伽年10月16‑18日.

7)宮崎元‑:Mk分析のためのイオンクロマトグラフィーの高臘信化;卿回 国僻ウ柵究公開シンポジウム,金沢平向勉年9月30日‑10月2日.

8)山本敦松永明信水上英一,早川和一,宮崎元一:偏光子を用いた吸光度 検出HHJCによる糖類の分析;日本薬学会第111年会東京,平脚年3月28‑30

日.

9)山本敦松永明信水上英一,早川和一,宮崎元一:多塩基性酸溶離剤にお ける保持・溶出機溝の解析;獺回イオンクロマトグラフィー討論会,新潟,

平回姻年6月6,7日.

10)早川和‑3山本敦宮崎元‑:金属の錯{姓成反応を禾岬した生体関連物質 のイオンクロマトグラフィー;第5回金属の関与する生体関連団芯シンポジ ウム,金沢平師年6月6,7日,

11)I(ydoNdIRlra,KazuidliHay劃く棚a,MtoichiMiyaz乱《i:画ⅣirmlIIHltal wat創、s劃叩lealalysisusingIJ1otqIEtricicmdlmIIBtmraKIWwith 的lumswitdlingtmlmiqIB;韓日国際TIBAirPollutionntI℃l Tbdmol"i閉mStackHIlissionGN,"1,│,韓国,平阿妃年10月11日.

12)早川和可能村京子,宮崎元一:炭酸のイオン排除クロマトグラフィー一 窒素パージによる溶離液処理の効果;郷回イオンクロマトグラフィーフォ ーラム,栃木平師年11月5,6日.

13)鰄寸京子,早JII和弓宮崎元‑:イオン招除ICによる雨水中の脂I族カルボ

− 4 −

(7)

ン酸と炭酸の高感度同時分析;第19回北陸公衆衛生学会,金沢平向鯛年11

月7日.

14)早jil和‑9能村京子,宮崎元‑:炭酸のイオン排除クロマトグラフィー−

窒素パージによる溶離液処理の効果;日本分析化学会第40年会,横浜平成 3年11月21‑23日.

15)丁子哲治,平井英二,宮崎元一,早川和弓鰄寸京子,中川千枝李敏畷,

金浩土壌による酸性降水の中和反応機構の解析一降雨雪を媒体とした大気 汚染物質の環境循環と影響(第13鋼;環境科学会1991年会,東京,平脚年

11月27‑29日.

16)山本敦松永明信,水上英一,早川和−,宮崎元一:偏光吸光度検出法の開 発一旗光度測定への応用;日本薬学会第112年会福岡,平成4年3月2931

日.

3.

1

出版吻

早川和一(分担執筆):イオンクロマトグラフィー,宮崎元一編 わかりやす い高速液体クロマトグラフィー'',広川書店,平恒通年6月.

[研究成果]

l.本研究の背景と目的

水質や大気の汚染力推み、人間生活に影響を及ぼす環境問題がますます深刻に なってきた。その原因物質の環境動態を把握することは、汚染の発生メカニズム と生態系に及ぼす影響を明らかにして、有効な防止対策を講ずるために不可欠で ある。そのための計覗呼段として、多くのイオン成分が一斉に感度良<分析でき るイオンクロマトグラフィー(IC)が大きな役割を担っている。

1983年に著者らは、液体クロマトグラフィーの移動ホ賊分に光吸収性化合物を 用いて、溶出される識sI成分と移動相成分の光吸収の差に基づいて試料成分を検

出する「示差吸溌梛法」を発表した。種々のイヒ合物を光吸収の有無にかかわ

らず検出できるこの原理は、光吸収を有するイヒ合物し力検出できないと考えられ

ていた従来の吸光度検出法の概念を大きく変革した。特に無機及び有機イオン性

イヒ洽物を対象とするイオンクロマトグラフィー領域で大きな発展を遂けく吸光度

(8)

検出ICとして既に日本薬学会編臓生試験法・注解19帥」の一般試験法に収載さ れるなど種々の公定試験法に収載される趨勢にある。

吸光度検出ICによって、従来の電気伝導度検出ICでは困難であった幾つかの化 合物の分析も可能になった。しかし未だに検出力灘しい対象もあり、胃蝉|によっ

ては感度不足や妨害成分などの問題を荊艮しなくてはならない。

以上の背景と現状を踏まえて、本研究は新しい理論に基づいた高性能吸光度検 出ICの開発を目的として行い、とりわけ環境汚染物質分析法への展開をはかった。

2.mの保持・溶出機構の理論

吸光度検出及び電気伝導度検出ICの一般理論の構築を目的にして、未だ検討さ れていない低減I溶離液条件における挙動を解析した。試料ピーク位置における溶 離剤成分の濃度到上量に対する謝斗成分濃度の比(P)と言緋トピーク、システムピ

ークのイ剰寺比(k'。、k's)との間に、(1)式が成立することを明らかにした。

P = C ・ k ' s / ( k ' 。 − k ' s ) ( 但 し C = 定 数 ) ( 1 ) (1)式は、試料ピークの溶出がシステムピークより前ならその位置の溶離剤成分 の濃度がt動Hし、後なら減少すること、その程度はシステムピークに近いほど大 きいことを示している。したがってノンサプレッサー型Cで吸光度検出を用いる と、システムピークより前の試料ピークでは溶離剤成分による増感効果(試料成 分の光吸収の有無に拘らず正ピーク)力窺れる。−万電気伝導度検出を用いると

システムピークより前では壇惑効果力観れ、後では抑制効果力窺れることを明ら かにした。以上の原理を応用して、食酢中の多種有機酸の一斉分析(1‑1)と生活 網ヲ泳中の微量リン酸イオンの周搬分析(1‑10,2‑1,2‑6)を可能にした。

次に、H"va、モデルに基づく関係式に新しい「溶離剤間分離係数」を導入する ことにより、これまで困難であった多塩基酸熔離液系における試料成分と溶離剤 成分の保持・溶出挙動の解析を可能にした(2‑9)。

3 . 自 動 前 卿

IC分析を妨げる共存物質の除去と目的成分の濃縮の自動化を目的にして、カラ ムスイッチング法を応用した自動前処理ICの試作とその応用を行った。

(1)妨害成分のオンライン除去:フタル酸塩のようないくつかの有棚竣塩系溶離 液を使用する吸光度検出ICで見られるマグネシウムイオンやカルシウムイオンの 妨害を除くために、流路切り替えバルブをはさんで除去カラム(イオン交換容量

− 6 −

(9)

が大きな陽イオン交換カラム)を分析カラム(陰イオン交換カラム)と画リに配 置するシステムを試作した。更に分離の劣化を防ぐためのハートカッテング法を 考案した。システムの操作を自動で行うことにより、炭酸水素捌伽、硝酸 硫酸等の陰イオンの*誰の高い連続同時分析力河能になった(1‑7,2‑5,2‑11)。

同様のカラムスイッチングシステムを、上述の生活蝋非水中のリン酸の増卿C 分析に応用して、1xlO''モル(注入量)のリン酸分折を可能にした(1‑10)。

(2)微量成分のオンライン濃縮:既に報告されている電気f鱒度検出方式だけで なく、吸光度検出方式ユCでも数十 数百倍のオンライン濃縮分析力呵能な濃荊証C システムを試作した。このシステムを用いることにより、南極氷床コア中の数〜

数十P由レベルの陽陰イオンが分析ができた(2‑7)。

4.吸光度倹出ICの櫛園生柵I

イオン性で紫外吸収が大きく配膨持異性の高い金属錯体のなかから、以下の特 性を有する新しい吸光境検出IC用溶離剤を§鑑した(1‑9,2‑3,2‑10)。

(1)高感度検出:吸光度検出ICでは、溶離剤の紫外吸光度が大きいほどまたイ オン交換溶出力が強いほど検出感度を向上させることができる。QF、のトリエ チレンテトラミン錯体(Ql:trien=1:1)、及びエチレンジアミン錯体(Cu:en=1:

2)はいずれも二価陽イオンであり、紫外吸光度及びイオン交換溶出力のいずれに おいてもCIf.より優れている。これらを溶離剤に用いると、Clf、溶離液系より検 出感度力羽〜3桁向上し、その結果数〜数百m〕のアルカリ土類イオンの分析力河 能になった。

(2)陽陰イオンー斉分析:エチレンジアミン四酢酸と金属イオンの陰イオン錯体 のうち、銅(11)錯体は大きな紫外呪倶がある。そこでエチレンジアミン四酢酸銅 二ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの混合瀞俊剤を用いること により、マグネシウムやカルシウム等の陽イオンと炭酸水素、塩化伽硝酸、硫 酸等の陰イオンの一斉分析法を§課した。この方法により、河''水、地下水、生 体液中の主要陽陰イオンが一回の注入で分析できるようになった。

(3)光岸異性有機酸分析:紫外吸収を有するQf.−有柵多鮴のf鮴うち、構造

力近似し安定度定数も近いClF参一牙リンゴ聡鮴とCIf+‑L−酒石醗昔体は配位子

置換力起こりやすい。陰イオン交換カラムでClf・‑1F酒石酸(1:2)を溶総夜とする

と、この反応に基づいてリンゴ酸力誰、'の順番に分離溶出され、前者は正また

は負ピーク(溶辮師Iにより異なる)、後者は負ピーク(舗獅Hによらない)

(10)

として検出できた。本法を脇位子凋奨吸光度検出IC」と名付けた(1‑3,2‑2)。

本法により、清涼飲料水中の漁ロリンゴ酸の分析力河能になった(1‑6,2‑4)。

配位子凋奨吸光度検出ICは、ま丈記lf.−リンゴ酸一酒石酸系のみで検討された に過ぎないカミ光学異性体の分析が一般的なカラムで実行できるだけでなく、高 い特異性に基づく妨害ピークの生成力瓶めて少ない点でも有用な原理である。

5.炭酸のIC

炭酸(及びそのイオン)は水の性質を示す主要な陰イオン成分の一つである。

また、地球温暖化の原因ガスである二醐上炭素とも関連して、陸・海水や降水の 炭酸分析は重要な項目である。電気伝鞭検出ICでは、炭酸は解離力剰瑞Iされる ために分析力咽難な立像と考えられてきた。これに対して、任意の閲の溶離液を 使用できる吸光度検卸Cは、炭酸水素イオンとして分離・検出することができる。

しかし、従来の吸光度検出ICシステムでは、大気中の二醐上炭素が溶離液に溶 解するために、微量分析が妨害される。そこで、ヘンリーの湖Iに基づいて大気 を窒素に置換することによって、溶離液中に溶解する二醐上炭素を除去するシス テムを考案した結果、106M以下の炭酸水素イオンが塩イ伽イオン、硝峻イオン、

硫酸イオン等と同時に分析できるようになった。更に、前述の妨害成分のオンラ イン除去ICシステムを組み合わせることにより、地下水や河II水、雨水などの環 境試料への適用も可能になった。

一方、電気伝導度検出イオン抄畭クロマトグラフィーにおいて、条件によって は炭酸のピークも出現すること力諏られていたカミ再現性と感度力悪<定量分析 に利用されることはなかった。著者らは、この原因が大気中の二酬上炭素にある と考え、上述の窒素通気法をイオン排除クロマトグラフィーにも応用した。その 結果炭酸力斗聯の有織と同時に吸光度検出ICを用いた場合と同レベルまで分 析でき、雨水などの環嬬蝉トにも適用できた(1‑11,2‑12,2‑13,を14)。

6.偏光吸光度検出法

吸光度検出器のセルの前後に二枚の偏光子を設置すると、吸光度Am)と旋光 度(α)との間には(2)式が成立する。二枚の偏光子間の回転角(Xrm)を予め十分 M s = C ・ α 2 ( c , 定 数 ) ( 2 ) 大きくとったとき、セルを光学活性物質が通過する際の吸光度変イ壜(AAbs)と 旋光度(qc)の間には(3)式が成立する。αcは試料濃度に比例するので{△肋sは

− 8 −

(11)

A A b s = 2 C ・ X o a c ( 3 ) セル内に存在する光学活性物質の濃度に比例する。以上の原理に基づく傭怡吸光 度検出法を開発した。本法は光学活性ではある力潔外・可視吸収がない糖などに 応用することができ、その検出感度も液体クロマトグラフィー用検出器として現 在用いられている旋光度計に劣らない(1‑5,2‑8,2‑16)。また、この原理に基づ

いた新しい機能と特性を有する検日瑞の開発力糊待できる。

7.ニトロピレン類の還元一イ隙発光族醐圃β法

複雑なマトリックスの環境試料の中から目的の微量成分を精製したり検出した りする場合には、多くのイヒ合物を検出できる吸光度検出法と特異性や感度力瓶め て高い検出法を組み合わせた方法力泌要になる。強い変異原性を有する多環芳香 族炭化水素であるニトロピレン類は大きな紫外吸収を有するカミその還元体であ るアミノピレン類はイヒ学発光に対して感度と特異性力瓶めて高いという特徴があ る。そこびオンライン電気化学還元一イヒ学発光検出IPID(1‑12)及びオフライン 化学還元一イ跨発搬出HHEによる二・トロピレン類の超高│錘分析法を開発した。

これらの方法を用いると、ディーゼル車及びガソリン車排ガス中のジニトロピレ ンが分析できた(1‑13)。

変異原性ニトロアレーンの中にはジニトロピレンの様に、従来の方法では検出 感度力不足し、人への暴露量や健康影響の推定に不可欠な環境動態がほとんどわ かっていないもの力沙なくない。本法はこれらのイヒ洽物の環境動態研究上極めて 有用な分析法として期待できる。

8.結語

本研究の基礎をなす吸光度検出法の理論は、旧来の吸光度検出法の概念を大き

く変革し、その検出文橡を飛躍的に拡大したと言えるであろう。しかし、示差吸

光度検出法の応用研究の多くはこれからであり、偏光吸光度検出法はまさに基礎

研究力端まったばかりである。著者らは、本報告書力沙しでも新しい吸光度検出

理論の発展に寄与するとともに、それ力環境汚染物質はもとより、他の多くの対

象の分析法の開発にも有効に活かされることを願う次第である。

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