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論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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論文内容の要旨

Overcoming Drug-Tolerant Cancer Cell Subpopulations Showing AXL Activation and Epithelial-Mesenchymal Transition

is Critical in Conquering ALK-positive Lung Cancer

ALK

陽性肺癌根絶に向けた

AXL

活性化および

EMT

を示す 薬物耐性癌細胞亜集団の制御

日本医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学分野

大学院生 中道 真仁

Oncotarget 2018

年 掲載予定

(2)

【背景】

ALK (Anaplastic lymphoma kinase) 遺伝子転座は、非小細胞肺癌の3-5%に認められる。

ALKチロシンキナーゼ阻害剤 (ALK-TKI) は、ALK遺伝子転座陽性肺癌に対して良好な 治療効果を示すが、耐性克服が大きな課題である。ALK-TKI耐性メカニズムとして二次変 異やバイパス経路活性化が報告されているが、治癒に向けた新規治療戦略が求められてい る。

【目的】

ALK-TKI 新規耐性メカニズムを明らかにし、ALK遺伝子転座陽性肺癌治癒に向けた 新規治療戦略を構築することを目的とした。

【方法】

ALK遺伝子転座陽性肺癌細胞株H2228を用いて、3種類のALK-TKI (クリゾチニブ、

アレクチニブ、セリチニブ) を高濃度暴露法とステップワイズ法を組み合わせて、ALK-TKI 耐性細胞 (H2228-CRR、H2228-ALR、H2228-CER) を樹立した。H2228ALK-TKI 性細胞を用いて、cDNAアレイによる網羅的遺伝子発現解析、リン酸化抗体アレイ解析、

マイクロRNAアレイ解析およびタンパク発現解析等にて、ALK-TKI耐性に関わる因子の 同定を行った。耐性因子に対して、in vitro、in vivoにおける機能解析を行い、耐性克服を 試みた。ALK遺伝子転座陽性肺癌組織を用いて、免疫染色にて耐性因子の発現を検証した。

【結果】

H2228-CRR、H2228-ALR、H2228-CERは、FISH (fluorescence in situ hybridization) にて ALK融合遺伝子の減少およびウェスタンブロット解析にてALK、p-ALKタンパク質発現の 低下を認め、ALK 非依存的な耐性細胞であった。網羅的遺伝子発現解析では、上皮間葉移 (epithelial-mesenchymal transition:EMT) 関連因子であるE-cadherinをコードするCDH1 低下、AXL、vimentinをコードするVIM、ZEB1の上昇を認めた。マイクロRNA解析では、

EMT抑制因子であるmiR-200 familyの発現低下を認めた。リン酸化抗体アレイ解析では、

p-AXL 活性化を認めた。ウェスタンブロット解析においても p-AXL/vimentin/ZEB1 発現上 昇、E-cadherin発現低下を認め、形態学的にもEMT変化を有することを確認した。スフィ アフォーメーションアッセイでは、ALK-TKI 耐性細胞でスフィア数増加を認め、癌幹細胞 (cancer-stem cell : CSC) の特徴を有することが示唆された。TGF-β1 刺激による H2228 ALK-TKI耐性細胞においても、AXL過剰発現がEMTおよびALK-TKI耐性に関わることを 認めた。以上より、AXL過剰発現が、EMT変化およびALK-TKI耐性に関与していること を明らかにした。H2228-CRR、H2228-ALR、H2228-CER に対し、AXL 発現をsiRNA、

AXL阻害剤 (R428) およびHSP90阻害剤 (ガネテスピブ) にて抑制したところ、EMTの解 除および増殖抑制効果を認めた。H2228-CER を用いたゼノグラフトマウスにおいてもセリ

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チニブとガネテスピブの併用群で高い抗腫瘍効果を認めた。臨床検体を用いた検討では、

クリゾチニブで1次治療が施行されたALK陽性肺癌患者7名の治療前の組織検体を用いて、

免疫染色法にてAXL発現を評価し、クリゾチニブが無効または効果が乏しい患者において AXL高発現を認め、AXLALK-TKI初期耐性にも関与している可能性が示唆された。

【考察】

ALK陽性肺癌に対するALK-TKI耐性克服に向けて、様々な耐性メカニズムの解明および 耐性克服法が検討されているが、未だ治癒には至っていないのが現状である。本研究にて、

ALK 非依存的で EMT および AXL 活性化を有する drug-tolerant cancer cell subpopulations (DTC) 3種類のALK-TKIに対する薬剤耐性に共通するメカニズムであり、AXL阻害剤 HSP90阻害剤がDTCに有効であることを見出した。AXLTAMサブファミリーに属し、

EMTに関連する受容体チロシンキナーゼであり、HSP90のクライアントタンパクの1つで ある。ALK陽性肺癌患者に対するALK-TKI治療後残存するDTCを標的としたAXL阻害剤

HSP90阻害剤は、ALK肺癌根絶に向けた新規治療法となり得る可能性が示唆された。

【結論】

ALK非依存性でEMT およびAXL活性化を有するDTCALK-TKI耐性の根幹であり、

ALK-TKIAXL阻害剤またはHSP90阻害剤の併用は、ALK陽性肺癌治癒に向けての新規 治療戦略になり得る。

参照

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