• 検索結果がありません。

轍 国際理解教育カリキュラムの実践構想

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "轍 国際理解教育カリキュラムの実践構想"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)41−48 41

小学校生活科・社会科における 国際理解教育カリキュラムの実践構想

木画 山鋤

齢即雄心

津幡

1.本論の課題

 国際化時代の到来が叫ばれて久しい。ヒト,モノ,カネ,情報等の国境を越えた移動は,「ボーダー レスの時代」という言葉を生み出すまでになった。今や,私たち日本人の日常生活は外国との関係 をぬきにしては考えられなくなってきている。

 このような社会変化を反映して,近年の一連の教育改革においても,「国際化への対応」というこ とが繰り返し主張されてきている。1989年に発行された新しい社会科学習指導要領においても,そ の改訂の大きな柱の一つは,「国際化への対応」であった。 このような主張を受けて,小学校社会科 の目標は次のように設定された。

  「社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史についての理解と愛晴を育て,国際社会

  ゆ   ゆ   ゆ   ゆ

  に生きる民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。」(傍点引   用者)

 今回の改訂で,社会科の目標に,新しく「国際社会に生きる」という言葉が付け加えられた。この ことは社会科のめざす公民像(人間像)も,単に地域社会の一員としての「市民」や主権を担う「国 民」というだけではなく,国際社会に生きる「地球市民」(Grobal・Citizen)という性格を含むものにな

ったといえる。ここでいう「地球市民」とは,一言でいえば「入類益」(1)の追求に向けて行動できる 入間のことであると考えたい。これからの社会科は,この「地球市民」の育成を目標として構想さ れなければならない。

 しかし,これまでの日本の社会科カリキュラムは,「同心円拡大主義」という構成原理にあまりに も忠実に従ってきたために,小学校高学年,いや,本格的には中学校にならないと,世界や日本と 世界との関係について学ぶ機会がなかった。今日の指導要領の改訂で,部分的ではあるが小学校中 学年より日本と世界との関係についての学習が導入されたことは,それ以前のものと比べて評価で きるが,依然生活科においでは,直接「国際理解」の育成にかかわる内容はまったくといっていい ほど見いだせない。しかし,前述したように,子どもを取り巻く身近な日常生活まで外国との関係 を抜きにしては考えられなくなっている今日,低学年から,それぞれの学年にふさわしい「世界認 識」の育成は不可欠である。

 そこで本論では,小学校における生活科・社会科を通した国際理解教育のための内容構成の枠組み と教材化の視点を提出したい。より具体的には,現行の生活科・社会科の指導計画の枠内での国際理

*茨:城大学教育学部 **茨城県日立市立大沼小学校

(2)

42 茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)

解教育の展開可能性(カリキュラム1)を考えるとともに,今後の実践課題として,既成の指導計画 とは別に特定のテーマによる学年を通した課題学習としての国際理解教育の単元開発(カリキュラム III)の可能性についても探りたい。

2.生活科・社会科における国際理解教育のねらいと内容構成の視点

 以上のような課題意識に立って,小学校の生活科・社会科を通しての国際理解教育のねらいを,大 きく次の3点でおさえた。

 ①異文化理解の促進

  ア.自国文化の理解の上に立った異文化の理解と容認

    まず,自分自身の文化についての理解を深めるとともに,世界には,自分たちとは異なる    様々な民族が,それぞれ固有な文化をもって存在していることを知り,その違いを相互に認    め合うことのできる寛容な態度を育成する。

  イ.「内なる国際化」の推進

    日本が多民族社会であることを認め,在日韓国。朝鮮人,中国人等,国内の異質文化との    相互理解を図り,それと共存・共生できる人間の育成を図る。

  ウ.アジア学習の重視

    特に,日本といろいろな意味で関係の深いアジア諸国についての正確な理解を深めさせる    ことによって,子どもたちの内に存在するアジアに対する偏見や差別を無くす。

 ②ネットワーク社会への対応   ア.地球的相互依存関係の理解

    ヒト,モノ,カネ,情報などが国境を越えて交流し,世界の国々が相互に依存しあってい    る現実を理解させる。

  イ.情報化社会への対応

    世界からの情報に主体的に対応できる能力を育成する。

 ③地球的課題への取り組み   ア.地球的課題の認識

    平和,人権,環境資源,入口,貧困,飢餓問題など,一国では解決できない地球的諸問    題を理解させる。

  イ.地球的視野に立って行動できる子どもの育成

    世界は一つであり,一人一人はその一員であるという意識を持ち,地球的視野から物事を    判断し,「そこで,今,自分に何ができるか」を考え,行動できる子どもを育成する。

 それでは以上のねらいを達成するために,小学校の生活科・社会科の内容構成においてどのような 点に配慮したらよいのだろうか。低学年(生活科),中・高学年(社会科)に分け,その内容構成の視 点を提出したい。

(1)低学年:身近なものから出発する異文化理解

 低学年において,子どもたちの社会認識は,身近なものから出発する。しかし,内容としては,家 族や学校など身近なものを取り上げながらも,それを外国と比べてみたり,自分たちの生活と世界 の結びつきを考えることは,子どもの興味を喚起するうえで重要である。

(3)

森茂。鈴木:小学校生活科・社会科における国際理解教育カリキュラムの実践構想 43

 そこで,世界との結びつきを考える具体的な内容として,動・植物園の動物や植物の原産地調べや 手紙や電話などのコミュニケーション手段,及び飛行機や船などの乗り物による外国との結びつき を考える学習があげられる。これまで2年生の社会科で扱われていた郵便の仕事の学習の枠を広げ,

教師の援助によって外国の子どもたちと自分たちの生活を描いた絵や手紙などのやりとりを通して,

初歩的な異文熱間コミュニケーションの能力を育成する内容を取り入れたり,バスや電車など交通 で働く人々の学習から一歩すすめ,飛行機や船を取り扱ったりするのも地域性を生かした学習にな る。また,家庭生活や学校生活の学習においても,衣食住や遊びなどを通して,自分たちと外国を 比較してみる学習も可能である。また,子どもの発達段階を考えると,世界への関心を育てるため に世界の物語を利用したり(2),時には,ゲーム等を取り入れることも有効である。さらに,2年生育 から地球儀を導入し,外国の位置を確認したり,日本との位置関係を考えていくことは,外国を地 理的にとらえる力を自然に備えさせ,外国に関する興味・関心を高める上で重要である。(3)

 こ:の点,低学年からの世界認識のあり方を考える上でアメリカの社会科は示唆的である。例えば今 日アメリカ合衆国で広く使用されている,社会科教科書HOUGHTON・MIFFLIN・SOCIAL・STUDIESの 小学校1年生用の/KA「OJ・VA PtaCE〈4)では,単元4の 09r・world の項で,世界の子どもの写真からそ の異質性や多様性を知らせ, ALetter t◎Mexico では,アメリカ合衆国からメキシコへ手紙が届く様 子が書かれ From Harbor to Harbor では,いろいろなものが他国に依存していることを貿易による港 と港のつながりという事実を通して理解させるといった内容が,すでにこの時期から導入されてい る。2年生用のSOME PEOPLE / K/>0泌5)では, LookiRg at the world で地球儀の利用を,単元1 Depending on Others の Where food comes fro磁 の項では,アメリカのバナナがボンジュラスでっく られ,運ばれてくる様子やバナナの育ち方まで細かく取り上げている。このように,アメリカでは 低学年から身近かな教材を通して世界について知らせ,異文化への関心の芽を育てていく工夫がな されている。

 今後,日本においても,世界に関心を持ち,理解しようとする姿勢や,自分から世界に働きかけて いく態度をそだてる学習が低学年から必要ではないのだろうか。

② 中学年:世界の特色ある諸地域と諸地域間の相互依存についての理解

 高学年における日本と外国との関係を学ぶ際の前提として,中学年において特色ある世界の国々に ついての基本的イメージをつかませることは大切であると考える。その具体案としては「国内の特 色ある地域における人々の生活の様子」(4年)を学習した後,低地や高地,また暖かい地域と寒い地 域,都市と農山漁村など世界の特色ある諸地域や人々のくらしについても内容を広げていきたい。例 えば,低地に住む人々の米を中心とする農業の様子をタイの農業と比較して取り扱ったり,野辺山 高原など高地の学習では,チベットやアンデスの人々の生活や文化などを発展として学習させるこ とも可能である。また,寒い地方に住む人々の雪に対する備えやくらしも,ソ連や北欧と関連づけ たり,暖かい地方に住む入府をフィリピンやハワイなどのそれと比較することも可能である。

 新学習指導要領の3年生の「内容の取扱い」において,「地域の生活が国内の他地域だけではなく,

外国ともかかわりがあることに気付かせるよう配慮するものとする」ことが加えられたことは意義 がある。具体的には,原材料の入手先や生産品の販売先,内外の企業の進出先皇,地:域の生産・消費 活動と外国との結びつきや姉妹都市の淫虐や文化交流等の自治体の国際活動を取り上げて,外国と のかかわりに気づかせたい。(6)

 地域の工業においては,その原料を広く外国に求め,生産し,国内外へ販売している。また,エビ

(4)

ag 茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)

やマグロをはじめとする多くの魚介類バナナ,オレンジなどの果物,小麦,大豆など日本の食事 をまかなう多くの物が輸入されている。このような現実から,日本と世界の相互依存的な関係認識 を中学年から育てていく必要がある。

 一方,国内をみると,留学生や出稼ぎ労働者をはじめとして,在日外国入の入口が急増し,子ども たちの身近な地域にも多くの外国からの人々が暮らすようになってきている。異文化理解とは何も 外の世界の理解のことだけではない。このように身近に住む異文化(外国人)の理解は国際理解の前 提であると考える。そこで,「内なる国際化」をはかるうえでも,身近に住んでいる外国の人々につ いて正しい理解を深める学習内容が大切になってくる。このような視点に立った学習を「多文化教 育」(Multicultural・Education)と呼んでいるが,今後,「多文化教育」は,日本の社会科の新しい課題と

なろう。(7)

(3)高学年:アジア理解の深化と地球的課題への取り組み

 これまでも,高学年においては,貿易の学習を通して日本と世界との関係について学習を進めてき た。しかし,その多くは単に貿易の量的把握を中心とする学習であった。そこで,高学年では一歩 進めて,貿易摩擦や輸出入による相手国の生活の変化など現実の諸問題を取り上げ,日本が世界と

どのように付き合い,どのように共存していったらよいのかを子どもたち自身に考えさせたい。

 新学習指導要領の6年生の「内容(3)」において,国際交流国際理解,国際協調に関する内容が 大きく取り上げられた。そして,このような視点から「我が国と経済や文化などの面でつながりが 深い国」を数力国取り上げて指導することが新しく加えられた。そこで,「経済面でつながりの深い 国」の例としてアメリカ合衆国,カナダ,オーストラリア,EC諸国, MES諸国等が,「文化面でつ ながりが深い国」として中国,韓国,朝鮮,ポルトガル,オランダ,ドイツ等が考えられる。

 これまで6年生の世界の国々についての学習は,貿易の学習にみられるように主に経済面でつなが りの深い学習であったこともあり,工業国や日本への原料供給国の一部について触れられたのみで あった。経済面からだけ諸外国を指導してきたことによって,子どもたちは,この国は工業の発達 した国で進んでいる国,良い国という評価をすることが多い。また反対に,この国は農業生産だけ の国で,遅れている国,この国の国民でなくて良かった,という感想になってしまうことが多い。

 そこで,特に高学年で考慮したいことは,アジア諸国を積極的に取り上げ,小学生のアジア認識を 変革していかなければならないということである。私たちの多くの日本人の中には,明治以降の「脱 亜入欧」信仰と結びついたアジア蔑視が存在する。このような欧米志向・アジア蔑視の傾向は,今日 の日本の子どもや若者たちの中に強く存在し,その傾向が最近一層進んでいることが多くの調査に よって明らかにされている。(8)これは,戦後日本の教育がアジア認識を欠落させてきたことが大きな 原因の一つとなっていると思われる。今日,隣国アジア諸国との相互理解と協調なくして世界の平 和と安定は考えられない。この意味からも,小学校からのアジア学習の充実と深化は社会科の大き な課題となろう。

 国連の学習については,これまでその平和への貢献やユニセフ,ユネスコなどの専門機関について の学習が主であった。これからは,このような学習に加えて,海外協力活動,平和維持活動,環境 保護活動,人権擁護活動などにおける国連の役割や非国家的行為体であるNGO(民間公益団体)の国 際活動にいての学習も,市民レベルの国際協力を考えるうえで格好の内容であり,導入したい。

 さらに,歴史学習もまた,薗際理解を進めるよい機会として活用できる。例えば,「大陸文化の摂 取」の単元では,朝鮮半島や中国から織物,武器や道具を作る技術や漢字が伝えられたこと,唐や

(5)

森茂。鈴木・小学校生活科・社会科における国際理解教育カリキュラムの実践構想 45

階から政治の仕組みが伝えられてきたことなどが学習できる。これらの学習を窓口にして,逆に日 本から当時の相手の国の様子を眺めることも可能である。また,これらの国で活躍した日本人がい たことを取り上げることもできる。「黒船来航」では,このころの欧米の様子を,また「キリスト教 の伝来」では,ポルトガルの文化について学習ができるとともに,ペリーやザビエルなど人物に焦 点を当てて文化交流を考えることもできよう。

 また,歴史学習においては,アジアとの関係を重視した内容構成が図られる必要がある。特に,近

・現代史の学習を重視し,日本によるアジアへの侵略戦争の事実を教えることを通して,アジア諸国 との真の国際理解をめざされなければならない。

3.国際理解をめざす生活科・社会科カリキュラムの構成の枠組み

 各学校では学習指導要領・教科書をもとに各教科の年闇指導計画が作成されている。もちろん社会 科も例外ではない。このように,各学校では少しの弾力的な扱いを除いては,これらの年間計画に よって学習内容や授業時数が規定されている。そこで,わたしたちは現行の生活科・社会科における 国際理解的内容の希薄さを克服するために,次の二点をカリキュラム構成の視点として考えた。

 ①現行の学習指導要領の枠内で既存の指導計画をもとにして,国際理解の学習内容をどのように   発展できるか。

 ②特設単元として,新しく,学年を通した国際理解教育のカリキュラムをどう構成するのか。

 以上の視点をもとに,既存の指導計画を発展させた「発展内容」(カリキュラム1)と,既存の指 導計画とは別にいくつかのテーマごとに小学校6力年を通し,一貫して学習する「特設内容」(カリ キュラム9)の二つを構想した。

国際理解教育

O O

①発展内容:現行の指導計画の発展としての国際理解教育      (カリキュラム1)

②特設内容:いくつかのテーマで学年を通した単元をも      とにした国際理解教育(カリキュラムH)

学習内容構成のモデルは次の図の通りである。

内容轍の授点

w年

異 文 化 理 解

@ (受容)

ネットワーク社会

@ (関係)

地 球 的 課 題

@ (共存)

1  ←  6 ・自己理解と世界存在の理解

E身近な異文化の理解と共存 E異文化を受容できる態魔『

・地球的相互依存関係の理解 E地域から世舞を見る視謙 E燈報化童謡への矧芯

・地球的諸問題の理解 E問題解決に向けての緑麟 E地球魯極細への磯回

 低学年から,異文化理解に関する学習内容を積極的に取り入れ,地球や世界の存在を知らせること が世界認識育成の第一歩である。衣,食,住など身近な生活の事実を通して,世界の諸地域に住む 人々や身近に住む外国人の生活の多様性に気づかせるとともに,入間としての普遍性についてもと らえさせたい。次に,学年が進むにしたがって,世界の諸地域に関する認識を深めさせることで,世 界の人々に対する寛容な態度を育てたい。さらに,子どもの発達段階に応じて,異文化理解の学習

(6)

46 茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)

とともに,地球的な諸課題を多く含む学習内容を増やすことによって,世界的な視野から人類共通 の問題について考え,その解決に向けて自分なりに行動できる入間の育成をめざしたい。

4.生活科・社会科における国際理解教育のカリキュラム構想  (1)カリキュラム1:既存の指導計画をもとにした発展内容の構想

 まず,既存の指導計画をもとにして,そこから発展できる国際理解教育の内容を構想した。<表1>

 低・申・高学年の目標は次のとおりである。

  ①低学年の目標:世界や世界の人々の存在に気づく。

   ・世界の存在に気づき,世界に対する興味や関心を育てる。

   ・世界にはいろいろな人々が住んでおり,自分もその中の一人であるということに気づかせる。

  ②中学年の目標:世界の特色ある地域の生活を知り,世界と地域(日本)とのつながりに気づく    ・自分が住んでいる地域と特色ある世界の諸地域を比べることによって,その差異性と共通性    について理解させる。

   ・地域の生産活動や消費活動など身近な生活が,世界と深いつながりがあることに気づかせる。

  ③高学年の目標:地球的問題を認識し,世界から地域(日本)を見る目を養う。

   ・地球的視野から地球上の諸問題について考えて行こうとする態度を育て,自分でできること    は何かを考え,行動できる態度形成をめざす。

 (2)カリキュラムH:学年枠を越えた一貫性のある特設内容の構想

 次に,①異文化理解,②ネットワーク社会(相互依存,情報化),③地球的課題(環境人権平和)

の視点から,学年枠を超えて小学校6学問を通した一貫性のある特設単元のカリキュラムを構想した。

<表2>

5.今後の課題

 本論において,小学校生活科・社会科における国際理解教育の内容構成の枠組みと教材化の視点を 提出した。今後,このカリキュラムをもとに,単元ごとに具体的な教材を整えて授業実践を試み,修 正するとともに,中・高等学校を通したカリキュラムについても構想していきたい。

[注]

 (1)森茂岳雄「国際化社会における社会科の課pa 一『人類益』の追求にむけて一」(梶哲夫・横山   十四男先生退官記念出版会編『社会科教育40年一課題と展望一』明治図書,1989年)参照。

 (2)山下國幸・佐藤明彦編『小学校社会科のカギー1・2年一』岩崎書店,1979年,11頁。

 (3)安藤正紀『小学生にもっと「世界」を』(日本書籍,1990年)参照。

(4) B.J.Armento et al.,IKnow a Place.(Houghton Miffin,1991).

(5) B.J.ArmeRto et al., Some People I Know.(Houghton Miffin,1991).

 (6)森茂岳雄「国際化社会と地域学習」(市川博・影山清四郎編『実践教職課程講座・第22巻一社   会科』日本教育図書センター,1988年)参照。

 (7)森茂岳雄「多文化教育」(日本公民教育学会誌『公民教育の理論と実践』第一学習社,1992   年)参照。

 (8)村井吉敬他『アジアと私たち一若者のアジア認識一』(三一書房,1988年)等参照。

(7)

      森茂・鈴木:小学校生活科・社会科における国際理解教育カリキュラムの実践構想      47

<表1>小学校生活科・社会科における国際理解教育のカリキュラム1(教科書内容の発展単元)

内醐成の筏。、

学年 1 2 3 4    5

v

6 Oわたしの轍 0趣ものを筋う 0わたしたちの市のようす 0いろいろな土地のくらし ○わたしたちの生活と工業 0日本の澱 Oわたしの簸 0まつりだ,ワヲショイ △ わたしたちの市の様子 △ いろいろな土地の人々 生産 △ 日本の歴史の歩みと他

△ 世界(地慧)の存在を △ 世界の共通な文化に触 を知る。 のくらしについて日本と △ わたしたちのくらしと 国の交流。戦争の歴史に

知る。 れる。 ・購飾と破流 世界の国々を対比しなが 伝統工業について考える。 ついて考える。

・1鵬。て柳1 ・世翼の避び,おもちゃ ・市に住む留学生,外匿 ら翫る。 ・伝蕊工業にみられる自 ・正しい繭磐

・堺の子どもたち ・地球の祭り,礎界の祭 人記者 暖かい地域,寒い地域 二化の聾 ・他国との交流,戦争に

・世雰の学校,家慈iの様

○わたしたちのくらしと藤 ・高地,雛 ・外醗に原料を依葎する ついての正しい櫨

△ 選界各国の位置を知 店がい ・飾兜鵬村 伝紅業 ・アジア諸国との関係史

・堺の衣餓

る︒

△ 外国から入って来てい Oわたしたちの趾 Oわたしたちの生濤と運輸 O世界の物躰 ・世界の言葉(あいさつ) ・1ここはどこ?1 るものについて講べる。 △ 世罪の国籏と毬置を知 △ 日本にえびやバナナを △ 露本とつながりの漂い

・日本や臼分の知ってい ・「外簸品を探せ1

る︒

輸出する融々の様子を知 動こついて考える

る国々 ・食物,衣胆,コイン,切 ・融を筋う

る︒

・縫孫の深い墨々の檬子

△ 世界各国から動物や植 手,本,魑 ・聴の鰍 ・タイのマングローブの (生飯,文化,習慣,産

物がやってきていること ・昌本の伎置とまわりの 鱒とエビの魏 業,自然)

を知る。・動麹園(植物園)に行 国々 ・フィリピンのバナナ煙

こう。

Oお・さんの 0わたしたちのくらしとも ○わたしたちの  と工 O とびつく日 の

ア.二二 △ 外国から入ってきてい のをつくるしごと 生産 生活

る躯なものを秘。 △ 工業,農業,漁業に見 △ わたしたちの生活が毯 。食料や製品の原料の輪

・スーパーマーケットの られる外国とのつながり 界と漂くつながりをもつ 入先

物世界 を騙。 ていることを知る。 ・相異に広がるB本製品

・カタカナのついている ・:藍業生産に見られる原 ・農産物や水産物,工業 ・賜をめぐる調題

ものや融のメニズ 群の仕入先と襲品のゆ 原料など細入

くえ ・農産物の霞由化や工業

・農産物,水産麹のゆく 製品の朔望に伴う貿易

Pκ 麿擦などをめぐる諸隅

・伝蔑工業の療料輸入や

サ品の輸出

・灘での気圏産

.. o 手繊瞬う ,噸,ξ「巳,・昌.P9..・・■・,, 価たしたちの県 0わ たしたちの塗溶と情報…屐│1だし だぢφ生産ど政治:

備靴 △ 世界各覆からくるいろ △ 世界と県とのつながり △惰報化の進んだ現在の △ 薪麗やニュースなどか

いろな瓢を調べる。 を知る。 状濃知る。 ら,世界の致治の仕紐み

・艀,ポスト ・港 泄界からのニゴス や罷を知る。

・世界の人と文通しよう ・空港 (テレビ,綱) ・アメリカ嫌腿挙

○のりものにのろう ・鷺,騰の鍵 0世界の中の日本

・堺をつなぐ乗幡 △ 世界の様々なニュース

@から,日本との関係を考 える

0わたしたちの 浩と国 O のの日

ア.簸 △ 資灘としての毒秣や水 △.地球豹負心の環境問遽

について考える。 について講ずる。

・世界の翻 磯を翫た災害

・世界の水 ・購簸を守る

・醗にもできること

,亭噸噸阜Ψ, .8巳「巳.■■■■,■,,曾「「 ■■7,,,「,. ○わだしたちの生血と工業 圃1)崔細め軍め巨本…………

杁権 生産 △ 世界の人権問題につい

△急増する外国人労蝿者の て考える。

生活実態について考える。 ・アパルトヘイトと入種

・外臥労購糊塗

差斑・アメリカ勝人灘

・在日韓国・鱗人

.▼,一,−,−,り一 亭 卜        噸 ■     , ,  ?阜       .      .

ρ巳. ,,ρ噸,・.,,「, て)世界の中の日軍     

ウ.鞠 △ 戦争について考え,平

@和な世界にするにはどう オたらよいか考える。

@・戦争をなくす願いと方

課題  策・二十をなくす

「 世界平和における日本

@の果たす役翻を考える。・国連嘱きと活動

@・オリンピックなどス ポーッ,文化の交流

*中教出版発行の生活科・・社会科の教科書の単元を基準にした。

(8)

48 茨城大学教育学部教育研究所紀要第25号(1993)

<表2>小学校生活科・社会科における国際理解教育のカリキュラムII[(特設単元)

学年 低  学  年 中  学  年 高  学  年

内容徽の撚

○世界の遊び,衣:食住 ○いろいろな土地のくらし ○世界の人々のくらし

世界の遊びや衣食住の体験を通 β本のそれぞれの特色をもつ地 取回とつながりの深い国々につ して,世界の存在を知るとともに, 域(寒冷地と温暖な地域,高地と低 いて,自然や文化,産業などを学習

そこに住む入たちは,それぞれの環 地など)とそれに対応する外国の諸 するとともに,臼本と比較し,その 境に適応した生活をしていること 地域との比較を通して,その同質姓 共通性と差異性を理解する。

を知る。 や異質性を知る。

○世界の学校・世界の家族 世界には自分たちと岡じように

イヒ 学校があり,友達がいる。私たちは

家族の中でくらしていることがわ

かる。

○世界の動物・植物

盤界にはいろいろな動物や堅物 がいる。その申のいつくかは,私た ちのまわりで見ることができる。

○外国からきたもの ○地域と外国とのつながり ○世界と臼本とのつながり ア極簾 身のまわりにある物の中には,外 地域の生産活動・消費活動が国内 食料や工業原料の輸入をはじめ,

国からきたものがあることがわか の他地域や外国との結びついてい 諸産業に利用される様々な貿易品

る。 ることを知る。 を通して,外国との相互依存関係

なしには生きられない巳本の状況

を理解する。

○外国からの手紙 ○世界のニュース ○運輸,通信,情報網の発達

ワ!

備靴 世界各国から日本に手紙が送ら 世界の大きな事故や災害などの 放送,新聞,電信電話などの通信 れ,また,送っている事実を知る。 様々な出来事が,瞬時にして日本に 情報網や,交通の発達によって三 世界の切手や世界のポストを調べ 短らされていることに気づき,興味 界は今や一つのシステムであるこ

たり,知人に手紙を書いたりして, をもつ。 とに気づく。

日本と世界がつながっていること ○交通の世界的なつながり

に気づく。 身近な地域にある港や空港が世

界とつながっていることに気づく。

○野菜や水に住む生き物 ○上・下水道のゆくえ ○水の汚染

ア麟 生物にとって,水がとても重要で 私たちが住む地域の水が,どこか 公害やその他の原困による海,

あることに気づく。 ら得られ,どのようにつくられて運 川,湖の汚染について世界や日本

生き物を大切に育てる。 ばれてくるのかを調べる。 の現状を探る。

○大切な水 ○手に入れることが困難な水 ○地球生態系としての水 入間にとって水が大切なもので 開発途上国をはじめ,外国の中に 地球の中で,水はどのように循 あること,世界にはその大切な水が は日本に比べて水の得にくい地域 聾し,どのように生物たちに役立 なかなか得られない地域があるこ のあることや水を得るための人々 っているのかを知り,資源として

とを知る。 の苦労について考える。 大切な水を守るために自分ができ

ることを考え,実行する。

○花や木を育てる ○身近な環境としての森林 ○限りある資源としての森林 学校や身近な地域の花や木を大 日本や世界の自然環境としての 熱帯林の伐採による砂漠化や工

切に育てるとともに,それらがわた 森林を調べ,水資源を守る森林の働 場,車の排出ガスによる酸性雨,地 したちの生活に潤いを与えている きや森林を守る人々の努力や工夫 球温暖化などの自然破壊の現状を

ことに気づく。 を知る。 知るとともに,その解決に向けて

自分で協力できることを考え,行

動ずる。

○地域に住む外国の天)辱… ◎臼禾の中の異文化 ◎増えてきた外国人労働者

イ.権 地球に住む外国の入々との交流 ウタリ (アイヌ),ウィルタの たくさんの外国人労働者が日本 を図り,彼らの言葉や生活習慣(衣 沸々や在日韓国・朝鮮人の存在を知 に入ってきている状況を知り,労 食往や遊び,歌など)を体験する。 り,日本の中でともに生きることの 働内容や来Bの理由,日本での生

大切さに気づく。 伊上の苦労について理解するとと もに,彼らの人権について考える。

○世界の子どもたちの絵・作文 ○東南アジア・アフリカの子どもたち ○いのちを大切にする心 ウ鞠 世界の子どもたちの絵や作文か この地球には,小さいながらも働 幸揺な生活を送るためには,世 ら,彼らが自分たちと同じ願いや考 く子どもたちや餓えている子ども 界中の人々が平和でなければなら

え方をもっていることに気づく。 たちがたくさんいることを知ると ないことに気づき,そのために,自 ともに,その子たちと交流し,援助 分はどのように生きたらよいか探

する。 る。

参照

関連したドキュメント

バックスイングの小さい ことはミートの不安がある からで初心者の時には小さ い。その構えもスマッシュ

 体育授業では,その球技特性からも,実践者である学生の反応が①「興味をもち,積極

    pr¯ am¯ an.ya    pram¯ an.abh¯uta. 結果的にジネーンドラブッディの解釈は,

(注)

都市国家から世界国家へと拡大発展する国家の規 道徳や宗教も必要であるが, より以上に重要なもの