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濶ニ騰労儲騰聯問題とをまずも灘書謁㌶講㍊罐灘宅蕊

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C

小規模企業の経営問題と労働問題(序論)

川 喜 多   喬

本論は,中小企業の規模別の差異に着目して議  能,条件等にある。

●  ■  ●  ●  ■      ●   ●   ●  ●   ●

論を進めている。規模の差異が実は業種の差異を   労働者問題は,家族従業員の動態,労働条件を

●  ●  ●  ■  o  ●  ●  ●  ●  ●      ●   ●  ●   ●

意味し・規模が主要因ではないことがしばしばあ  含んで家族問題と密接な関連をもつ。労働市場に る。本論は業種別に,さらに地域別に研究を進め  おける小規模労働者の位置(社会的背景,労働条 るためのものにすぎない。しかし①規模ゆえに生  件格差,地域性),労働条件格差の「合理性」,

じた事実でないにせよ,小規模企業を関心の的に  労使関係における問題等である。

すべきであるということは・規模間比較でさしあ   歳治商恵は,小規模企業助成,保護,選別,淘

たり粉である・②この鰍で「騨蝉岬模 汰の政治的灘等を問題とする。

企業層に集中して存在するようにみかけられるな      この序論では,主要に労働者問題を扱いながら,

らば,その後の小規模企業研究が実際上「問題」       その経営問題に対して占める比重を測定する。経・をもつ業種地域に対する研究となることは大いに

ありうることである。       営間瞬労働者問題が関連があるとしても・では

いかなる経営問題がもっとも密接に労働者問題と

●  o  ●  ●

      関連しているのか,いかなる労働者問題が経営問第1節 問題の限定      題と密接に関連するのかは,詳細な研究をまたね

      ばならない。ただ業主・家族従業員と小規模企業 小規模企業の産業的問題地域的問題,経営問      〆      _

濶ニ騰労儲騰聯問題とをまずも灘書謁㌶講㍊罐灘宅蕊

って区別しておこう。産業的問題とは,小規模企      条件とは異るのである。小規模企業主も家族従業業の国民繍学的機能と逆灘,国民繍の厳 員も労鯖乱筋条件下にはな、㌔しかし従業

への支持と阻害・産業構造上の位置・産業組織上  員が賃労働者邑亡そ蒙っている諸条件の多くは共

の位置を問うものであ?・.「近代化●   ●   ●」論「適正規  有している。このことが最後まで忘れられてはな

模」論等が存在する・地域的問題とは・小規模企  らぬ重要なポイントである。

業と地域社会との関係,労働力市場,地方財政,

購売力,等をとりあつかう・「民力培養」論「地   第2節 小規模企業の国民経済・労働

域主義」等が論じられる・       経済的位置 ■  ■  ●   ●

経営問題とは,個々の小規模企業の利潤率,労

働生産性など,「経営」固有の問題である。(「経   1963年の中小企業基本法によって,小規模企業

営難」の実晴,その外部的諸条件(流通,下請),  の定義がおこなわれたが,このことは,国の中小企

o  ●  o  o  ■  ●  ●  ●  ●

内部的諸条件(経営の合理計算性の欠如等),国  業政策にとって,中小企業内部の違いを無視でき    民経済的に逆機能であっても経営として存立する  なくなってきたことを意味している。中小企業が

根拠,またその逆)。      論じられる際には,生業層から資本制的企業まで

o  ●  ●   ●

ニ族問題は,経営の実晴の及ぼす家計,さらに  一体として問題にされてきたことが多いが,昭和 家族員の就業動態への影響,逆に家族員の状態  30年以後の高度成長過程で,かつて「中小企業間

(家族周期他)の経営への規定,「世襲制」の機  題」とされてきたものが中小企業下層部に集中的

(2)

に顕われてきた,と考えられたからである。高度  てくることの多かった雇用者は,やがて雇用者世 成長は逆に「二重構造」を解明し,したがつて「中  帯から排出されてくる。農家世帯,雇用者世帯の 小企業問題」を解決するとも考えられてきたが,  学卒者が大規模企業に,農家世帯の他の世帯員,

(昭和32年度経済白書),高度成長直後でもなお  雇用者世帯の他の世帯員が小規模企業へと分化集 小規模企業は,50年の「事業所統計」で事業所数  中していたであろう。しかし,やがて学卒新規就 数においては民営非一次産業事業所中,81%を占  職の段階で小規模企業をも選ばざるをえないであ め,従業者数では32%を占めている。つまり,日  ろう。

本経済の成長に伴つて,小規模企業は消滅するこ   農林業世帯数は1965年の401.3万から,1977年 となく,残存し続けているばかりか,その事業所  の248.2万へと減少した(就業構造基本調査)。し 数は増加しているのである。しかし,このことは  かし農林業作業者は1167.2万から613.7万に減少 生成・消滅を繰り返していないとするものではな  しており,その減少比(47%減)は世帯の減少比 い。一方で淘汰・駆逐されていながら,他方でま  (38%)より大きい。農林業世帯における就業者 た新たに群生している。問題は,個々の経営では  のうち,農林業に従事している者は,1965年の なく,この「規模」が日本の経済的社会的諸条件  48.3%から1974年の37,8%に低下し,逆に非農林 の中にその根を強く張らせている条件をみること  業に従事している者が増加している。①農林業廃

である。      業者だけでなく,②農林業世帯からの流出者③農

さて,非農林業雇用者のうち,中小企業に働く  林業世帯員のままでの非農林就業者も非農林業雇

者の割合は高く,またその中でも小規模企業等に  用拡大の重要な減であった。①,②,③は,それ      ●  ●   ●      ●  ●

雇用されている者は多い。「就業構造基本調査」  それ違った非農林業雇用者階層へ編入される確率 によれば,299人以下の規模で働いている雇用者の  が高い(②中規模以上への学卒採用,③中小企本  ・

割合は,全雇用者の53.7(昭和40年)から,59.0  エ・パート)のである。

%(昭和52年)へと伸びており,高度成長期も雇   しかし農林業世帯員で非農林業に従事している 用者を中小企業から大企業へ集中せしめることは  者の実数は・1956年以後1966年までは増加してい なかった。さらに29人以下の規模で働いている者  たが・1974年における前回比では減少傾向にあ の割合は,高度成長前期に一旦減少の傾向をみせ  る・つまり農林業世帯員の非農林業就業は・限界 たものの,全雇用者の29.0%(昭和40年)から32.8  に達しつつあると思われる・非農林業の労働力

%へと伸びている。総じて規模の大きい企業では  は,①(1974年に4・7万人にすぎない)でも③でも 1971年以後,雇用者の増加率は顕著に減ってい  なく・②(新規学卒の単身就業)によってそして

る。低成長期の減量もここに集中している。これ  また非農林業世帯からの新規就業(学卒および配 に比べて,高度成長前期に小規模の企業の雇用者  偶者)(配偶者の有業率は1965年に29・6%,1974 増加率は低かったが.65年〜68年にかけて顕著な  年に37・5%)によって主に確保されてきたのであ 伸びを示し,71年以後,規模の小さい企業ほど雇  る。

用者の数の伸びが大きくなっている。       逆に非農林業雇用者の側から眺めよう。非農林 この小規模企業労働者はどこからどれだけ供給  業雇用者のうち・農林業世帯の親族世帯員の占め されてきたか。次の各層一①より大規模企業か  る割合は減少の一途をたどっている・農林業世帯 らの下方移動層,②①を経験したものも含む新規  の学卒の大半が非農林業に就業する傾向が今後も 学卒層,③農家世帯員(③a在宅/③b 出稼ぎ )  続くとしても,雇用者の大半は非農林業雇用者世

④小規模企業主の家族員(④a後継者/④b非後継  帯から供給されるようになるであろう。

者)一別の構成比の全国統計は存在しないが,   一方非農林業自営業主。家族従業員に占める農

その区別は必要である。農家世帯員から排出され  林業者世帯の親族世帯員も減少の一途をたどって

(3)

いる。これと対照的に非農林業自営業主,雇用者  への志向を強めるであろう。第二に,逆に独立・  ・ 世帯の親族世帯員が非農林業主・家族従業員に占  開業の可能性が相対的に大きいほど,中小企業労

める割合が増加の一一途をたどっている。このこと  働者は雇用先の低賃金水準に甘んじるであろう。

が,これから問題にすべきことなのである。つま  第三に,そのうえ,独立。開業の可能性が相対的 り,雇用者世帯の雇用者世帯としての再生産率,  に大きいほど,中小企業労働者は自らの労働を独 雇用者世帯の業主化率業主世帯の業主世帯として  立経営のための見習であると考えるであろうし,

の再生産率が問題なのである。         彼らの雇用主も雇用を技術伝達であると考えるで あろう。そのため,中小企業労働者の給与は,〈

第3節 小規模企業経営者と中小企業   技術伝達料〉分だけ,低くなるであろう。第四に 雇用者       小規模企業経営からえられる所得が低いほど,中

小企業労働者の独立は,雇用よりもしばしば安易 小規模企業労働者と小規模企業経営者の同質性  で安全な下請または関連先となるであろう。

は以下の諸点を論拠として,しばしば論じられて   しかし,中小企業労働者の多くが小規模企業主 いる。一(1)業主も生産労働に従事している。(2) になるわけではない。それゆえ,中小企業労働者

出身が中小企業労働者である。(3)生活水準が同程  のいかなる層が,どの程度の比率において,小規 度である。(4)利潤志向がない。㈲多額の資本を必  模企業主になっているか,をまず確かめておかね 要としない。(6)雇用者と縁故関係にある。(7)業主  ばならない。

家族の雇用者化。しかし,この論拠の適合する   小池和男の研究「未組織セクターにおける賃金 小規模企業もあれば,次のような論拠から,雇用  汲及の諸問題について」 (財統計研究会「中小企

o  ●  ■  ●      ■  ■  ■  ●

者としての条件と業主としての条件がはっきり区  業の賃金決定要因に関する研究)によれば,非農 別されてきつつあるものもあろう。ω業主が経営  林中小企業雇用者の非農林業主への移動率はきわ 機能を担うようになっている。{2沖小企業労働者  めて低いが,小規模で働く労働者ほど中小企業者 の中で業主化しうる層は特定の層である・業主の  への移動が多い。全ての規模で1962年から1968年 高学歴化が雇用者より先行する。(3)生活水準が高  にかけて,中小企業主への移動率が増えている 成長した業主もある。(4)経営の合理化,利潤計算  が,それでも最も率の高い1〜9人規模の小規模

への習熟が高学歴化と併行する。(5)「知識集約」  企業労働者から非農林業主への移動率のピークは

型の小規模企業は,しばしば多額の資本をもつ。  0。95%にすぎない(男子)。しかも業主への移動

(6)雇用者との縁故関係は喪失している。(7)業主家  率は1968年以降,低下している。但し,この低下

族の雇用者化は,業主化の一段階にすぎないかも  に貢献しているのはサービス業の小規模企業であ

しれない。       り,卸・小売業,製造業の小規模企業労働者の業

たしかに小規模企業主の一部は,中小企業労働  主化はこの問も増えている。小池は,中小企業労 者出身者である。それゆえ,中小企業労働者のお  働者がどの年令層でも中小企業者になり易いわけ かれている諸条件を分析することは,小規模企業  ではない,働き盛りの25〜49才層に集中するであ

主の〈供給〉側の諸条件を分析することでもあ  ろう,として推定移動率を計算した。卸小売業1

る。      〜29人規模では約55%の労働者が業主化する。製

それにまた中小企業労働者の賃金と小規模企業  造業1〜29人規模では,45%の労働者が業主化す 経営者化の可能性との間には,親密な関係がある  る。サービス業1〜29人規模では,業主化率は更

と考えられる。第一に,中小企業労働者の賃金が  に低下して33%となり,製造業30〜99人,100〜

大企業労働者の賃金よりも低く,かつ小規模企業  299人規模では20%となる。

経営者の所得が比較的高いとすれば,独立・開業   しかし総体としてみると雇用労働者の業主化希

(4)

. 望者のうち企業主に実際になりうるものは少くと   ⑥臨時・パート・アルバイター        一 どまっている・1977年の非農林業雇用者のうち,   しかし,それでも独立.開業をこの中高年層は 事業主化希望者は男子でa2%・女子で0・9%であ  志向するかもしれない。この場合,資金が少ない るが,1976〜77年間の実際の移動は平均0・3%に  がゆえに,また技能の陳腐化した年令になってよ とどまっているからである。      うやく独立するがゆえに,小規模企業経営が十分

中小企業雇用者の業主化を促進する雇用者側の  な所得の源泉とならなくとも,少くとも何がしか 動機の一つは年令別賃金カーブの平準性にある。  の所得をもたらすことが必要である層も存在しう

中小企業雇用者家族の「生活周期」において・子  るのである。 (注)

弟の教育費,住宅購入費等,もっとも出費のかさ       (注)中小企業金融公庫の調査〔74−3〕は,自立開む中年期以降に,規模間の賃金格差が拡大する結       業者の勤続年数を4年以下40.3%,5〜9年31.1%

果となるように,小規模ほど年令別賃金格差が小       10〜19年25.6%,20年上3.0%と報告している。

さいからである。男子雇用者の定期給与額のピー    定年制のある中小企業で,年金が終身年金でない クは,1000人以上の規模の企業では50〜54才・100    ことが多いことが,再就業あるいはここにのぺた

〜999人規模では45〜54才,10〜99人規模では40    ような業主化への動因となるかもしれない。

〜44才で,1〜4人規模では40〜44才層でピー一ク      第二の根拠は,雇用者所得と業主所得の相対的 に達するのである。(注)      格差にある(注1)。昭和40年代に入っての自営業主

(注)①中小企業金融公庫の調査〔74−3〕では,  の羊角所得の伸びは,昭和43年,昭和46年までの 自立開業者の退職時の年令は24才以下が9・7%,  各三年間の伸びが40%前後であるのに対して,昭

25〜29才が25,3%,30〜39才が43・7%,40〜54が      和46〜49年の間では87%伸びている(就業構造基 17.1%,55才以上が4.2%である。      本調査)。1962〜1974年の間で,5.1倍となって

②「賃金構造基本調査」「毎勤特別調査」昭和52年      いる。一方,非農林業雇用者(男)の平均所得の

このように中年層で開業・独立へのプッシュ要  伸びは,同期間に4.9倍であるが,24才以下の雇       ■  o

なかった雇用者はそのまま低所得層として滞留す  っているのに,例えば40〜54才の中年層では4.3倍 る可能性がある意味で形成されている・なぜな  しかない。つまり中高年化するほど自営業主との ら,第一に次の何らかの機会(「定年」等)に開  所得格差が顕著になるのである。(注2)

業・独立するための資金の蓄積が他の規模の労働      (注1)中小企業金融公庫月報の調査〔74−3〕は,

者よりも困難化するからであり,第二に定年制の       自立開業者の動機を12項目中3項目まで選ぱせた ないことの多いことが決意の機会を失わせて,低       がその結果①「もともと独立志向が強く,従業員

所得に安定した雇用を選ばせるであろうからであ    のままで満足する性格ではなかった」(42.6%)② り・第三に退職一時金制度が少なく,あってもそ    「従業員のままでは収入が増えても限りがある」

の額が著しく少ないからである。(注)        (41.7%)③「友人・先輩または他企業から共同

(注)業主化問題に関連して中小企業労働者の類型を    で事業をやろうと強く勧められた」(31.9%)④ 考えよう。       「成功事例から大きな刺激を受けた」(28.3%)

①将来その企業の経営者になる予定の後継者家族労     ⑤「老後の生活設計を考えて早めに独立した」

働従業員。       (23.3)の順位が得られている。

②将来自家の    〃     〃 雇用者。   (注2)われわれは小規模企業主の所得が大規模企業

③比較的若いうちに新たに独立・開業しうる雇用者。    主の所得より低いこと,また小規模企業の家族従

④高年令化して生活のために独立・開業する雇用者。    業員の労働条件の低さを否認するものではない。

●  ●

⑤独立・開業できない永年勤続型雇用者。        しかし厳密に議論するとすれば,次の諸点に注意

(5)

しなければならない。①「経費」の一部分は消費    以上。(2)5人以上で月の利益が25万円以上。(3)5 生活に必要な資材の費用と区別がつかない。②家     人以上で「利益を事業拡大資金にむける」,皿企

●  ●  ●  ●

族従業員の一人一人に支払われる給与が少なくて     業的家族経営(1)9人以下で利益が155万円以上。

も,家計単位に合計したとき,共通経費部分が多     (2)9人以下で「利益を事業拡大資金にむける」「万 くなるから,一人あたりの消費水準は高くなるか    一にそなえて貯蓄」(3}9人以下で「企業規模を拡 もしれない。③家族従業員の低い給与は・家計を     大していく」「下請依存拡大「「質的向上」「多 共にする業主の所得から補充されるであろう。④     角化」。皿生産的家族経営ω9人以下で何とか食 雇用労働者ほどには労働管理が厳しくないかもし    べていく」。(2}9人以下で「あまりむくわれない」

れず,実労働時間あたりの所得の大小比較が必要     むくわれていない」(3)9人以下で「あまり満足で

下。(5)9人以下で「そんな余裕はない」。(6)9人 既に小規模企業主の所得が中小企業労働者とし    以下で「他の職業より収入がいい∫家でやれる」

て得る所得より高いということが,業主化の動機     「土地から離れられない」

となりうる,とした。しかしその所得は,より大   試みに雇用労働力をもつ自営業主と雇用労働力 規模の企業主の所得よりは低いものである。第一  をもたぬ自営業主の所得を比較してみる。仕事を に,小規模企業は,ある場合には屋台,行商,露  主とする男子自営業主の所得を1977年についてみ 店商など,きわめて所得水準の低いものでありう  ると,149万円以下の所得階級に製造業雇無業主

る。第二に,開業は,より高い所得確保というよ  の26%,卸売・小売雇無業主の28%,サービス り,退職後や失業中の中高年労働者の生活確保の  業雇無業主の38%が属する。一方,雇有業主の場 ためでもありうる。このような業主化の事実は,  合,同階級にはそれぞれ9%,9%,7%が属する 華やかな独立・開業のイメージと照応していな  にすぎない。また中小企業主内部にも所得格差は い。(注)      大きく,小規模企業主の平均所得は低い。10〜29

(注)清成忠男の次の分類が参考になろう。(()  人規模と比べても「1人親方」の所得は製造業で

内は指標,1・亜・皿が類型)1,企業(1}従業者が  27%,卸売・小売業で25%の水準にとどまってい 家族より雇用者が多いか雇用者のみで,かつ5人  るのである。

10〜29人

万円/年 (456,0)

400

10〜29人 10−29人 (390.2)

5〜9人 (373.3) 5〜9人

(356.6)

5〜9人 (361.3)

(333.4)

300

200 2〜4人

i223.1)

2〜4人

i216.3)

2〜4人

i225.2)

30〜人(154.9)

30〜 (148.5)

30人〜(125.3) 10〜29人(131.1) 10〜29人(137.6)

T〜9人(127.5)

loo

n

1人

i92.1)

10〜29人(75.3)

T〜9人(72.3)

P〜4人(6a 2) 1人

i55.3)

5〜9人(103.1)

P〜4人⑱a6)

1人 i103ゐ)

1〜4人(104.5)

《鶏 ぐ榮) 灘非農林業計         製造業      卸売・小売

図  規模別所得格差(就業構造基本調査1974)

(6)

その結果,小規模自営業主の所得は,図に示し  高年層の「受け皿」化する傾向にあること,(2)企

たように雇用者より低い(1人)か,それに近い  業内の基幹職種の精鋭化に対応して,不熟練職種

(2〜4人)ものとなってV・る〔1974年〕。   の関連企業一「労務供糸諜剛請負化雛めてき      ●  ●  ●  ●

もちろん,所得水準すなわち生活水準ではな  ていること,により,高度成長期以前,若年流動 い。ふつうには,家族員の所得を合算した家計が  的労働者依存度の強かった中小企業労働力構成は 生活水準を規定する・それゆえ,家族従業員への  一層の中高年化を進めた。但,以上の事態は必ず 報酬(「小遣い」から「賃金」までの諸形態)を  しも小規模企業にまで波及するものとは言えな 考慮する必要がある。他面では同一家計下に入る  い。ある意味では人脈的に,食品関係的に系列化 世帯の大きさをも考慮する必要がある。このよう  する企業は邊庚き孔香歳き乳る企業であるからで

       o  ●  ■       ●  ●  ●

ネ処理は,既存の統計では得られないので,研究  ある。つまり系列化はしばしば優秀な関連企業を 課題として提起するにとどめておく,ただ独立・  大企業が必要とするところから生じるから,大企 開業がしばしば(リスク負担の元の業主からの独  業の技術指導・供与により,また大企業の熟練工 立・開業者への転化を考慮に入れるならば)元の  の出向・応援・転籍により,関連企業の生産性や 業主にとっても経営効率の改善につながる下請  労働力の質の向上であるからである。したがって 化,関連企業化(皆家内工業)であって,この場  大企業に良質の労働力が集中し,中小企業の労働 合雇用者としての条件よりも低下する可能性も大  力が低質化するという分極論は必ずしも成立しな

いにあることに注意しなければならない(注)    い。

(注)1−9人規模の企業の永年勤続者の独立に対す   「玉つき」的に中高年労働者がより大規模な企 る企業側の支援の理由は,①「下請または関連先  業からより小規模な牟茅?ζ,したがって最終的 として協力してもらえる」(70.6%)②「永年働  には小規模企業まで下方拡散しているかどうか いてくれたことに対する報償」(23.5)③「支援  は,今後の重要な研究課題である(注)。就業構造 すること,が他の従業員のはげみとなる」 (5.9 基本調査(1974)によれば1〜19人規模の企業は

%)である。また支援の内容は,仕事面では(複  いずれの規模からも雇用者の流入が超過してお 数回答)①「仕事の発注」(69.2%)②「得意先  り,有業者の流れが小規模企業へ向っていること の紹介」(23・1%)③「経営の技術の指導」(15 を示している。1〜29人規模に対して流出超過と

・4%)である。これに対して資金面の援助は少い  なっている30〜299人規模では,それ以上の企業規

(①「資金の貸付」(23・1%)②「借入の保証」  模からは有業者を受け入れている。それ以上の企

(23・1%)③「出資」(7・7%」④「担保提併」  業規模では総じて流出超過となっている。望まし

(τ7%) (前出,中小企業金融公庫調査)      いのはこの流入,流出の年令的特性をそれぞれ検

討することであるが,同調査に資料はない。

第4章 小規模企業労働者の質的変化

と経営問題       (注)中小企業金融公庫の調査〔月報76−12〕は,中

小企業においても,「能力開発・少数精鋭による

       生産性向上」に最も力を入れたとする企業が,46(11大企業においては膨張期に若年労働力を吸収       〜48年,49〜51年と増加し,また今後2年程度力したものの,①永年勤続制による忠誠の確保と中       を入れるとする企業が,さらに増加していること

高年令化による労務コスト・アップとの矛盾・②    を報告している。

技術革新に伴う製造現場の「少数精鋭化」,「③能

力主義」による労働力再評価,から不況期に中高   1968年から1974年にかけて,55才以上の高年令 年層を企業外に出向,応援,転籍,別会社化の形  雇用者の構成比は,1000人以上の製造業で0.9%

態で排出し,中小企業あるいは別会社がこれら中  しか高まらず,300〜999人の製造業では4.3%低

L

(7)

下している。しかし,30〜99人の製造業では3.1 下請・関連企業がある。しかし,この場合でも,

%増10〜29人の製造業では実に9.4%増,1〜9人  小規模企業とより大企業との「知性の蓄積の格 でも4・8%増である・卸売・小売業でも小規模企  差」が影を落とさざるをえないであろう。例えば 業の高年令雇用者の構成比の増加が著しく,30〜  中小企業金融公庫の調査〔月報1976.11〕は,小規 99人規模の28%,10〜29人規模の2.5%各増に対  模企業ほど,企画部門・技術開発部門等,スタッ して1〜9人規模では実に10・0%の構i成比増となっ  フの人材不足を訴えている。労働力不足は知性の ている。サービス業においても同様であり,30〜  上方集中の生みの親でもあった。低成長がその下 99人規模の2・3%,10〜29人の4・0%増に対して,  方分散を生みうるかどうかは,今後の研究の重要 1〜9人規模では6・8%増となっている。      な課題である。

40〜54才の中年層の構成比も,小規模企業ほど   示唆的なのは,社会的分業が深化する場合に,

増加している・製造業では1〜29人規模と,また  しばしば個別製品(部品)生産の技術,技能が小 100〜999人の中企業で7〜9%の増加である。卸売  規模下請企業側に蓄積されうるという事実であ

小売業では10〜99人規模の5%に対して,1〜9  る。この場合,きわめて優れた技術者的業主ない 人規模では12%,サービス業では10〜99人規模の  し雇用者を核にしていれば,他に不熟練工を多く 4%に対して・1〜9人規模では11%,それぞれ中  抱えたまま,高い生産性をあげ,親企業と単価交 年層の構成比が増加している・         渉力を強化し,又資本蓄積も可能となる。それゆ

      ●  ●

?tN労働者の雇用の「社会的責任」論が言わ  え,不熟練工比率が高いだけでは,当該小規模企         ■   ●  ■

れるが,小規模企業は結果的に中高年労働者の最  業の技術知識水準の低さを結論できないわけであ 大の雇用口を提供していることになっている。周  る。

知のように,企業規模が小さいほど,定年制はな

いか,あるいは定年令は高い。従ってより大きな   第5節 小規模企業労働者の量と経営 企業の定年退職者が流入しやすく,また元来の雇       問題

用者も滞留しやすいわけである。

小規模企業労働力の中高年化は,急速な高学歴   小規模企業では,労働力が一人確保されるか否 社会化のなかでは,相対的に低学歴の労働力をこ  かということが死活問題であることがある。たと の規模の企業に集めることを意味する。日経調の  え転職率や不足率が同じでも,より大規模な企業

調査「産業構造の変化と労働政策」(1974)は,新し  より不足の打撃が大きいのは,企業には経営にと

い知識や技術に対してなじみにくく,柔軟な適応  って必要不可欠の労働力量があり,そこでは労働 力を欠いた労働力を大量にかかえた地方の軽工業  生産性カーブに断絶があることが多いからであ の問題を指適している。「環境変化に積極的に適  る。絶対的な量が問題である小規模企業では,全 応し,成長していく企業が輩出する反面,経営資  企業平均して何%という不足率,転職率の背後に 源が陳腐化し脱落していく企業」に属するのは小  経営の縮少あるいは休止,廃止を伴っている確率 規模企業であろうか。この仮説は,いわゆる知識  が,同率の不足率,転職率をもつ,より大規模の 集約化が,すぺての規模の企業に対して妥当する  企業層より高いであろう。

ことを条件とする。しかし情報や高度の専門技術   就業構造基本調査にみるように,小規模企業の への依存度が低く,単純で加工度の低い作業を小  雇用者ほど転職希望率が高く,また追加就業希望 規模に組織する企業が多数,分散して存続するこ  率も高いが,上のことを考えるとこの差の影響は とが大企業・中堅企業の知識集約化の条件である  さらに重要なものとなろう。高度成長前期には,

かもしれない・一例えば少数精鋭化し,「無人  1000人以上の規模を除いて,いずれの規模とも,

化」する大企業への「労務供給小集団」としての  1959年から56年にかけて,転職希望率は低下傾向

(8)

を示した。が,後期には全体に上昇傾向を示し,  子2・8%,女子2・4%である・この率は非農林業自 とくに大企業ほど,転職希望率が高まった。従っ  営業主の転職希望率と同じか(男子,2.8%),そ て,企業規模による転職希望率の差は縮少した  れより低い(女子,5.4%)。また雇用者の転職希 が,依然小規模企業では転職希望率が高い。また, 望率よりはるかに低い(5.4%,7。1%)。さらに 短期的に1971年と1974年とを比べると,1〜9人規  他の就業状態にあるもののうち,自家営業を手伝

模で転職希望率は1%増加している。      いたいとする者に対する非農林業家族従業員の転

1965年から74年にかけて,追加就業希望者も全  職希望者比は減少する傾向をみせている。

ての規模で増加しているが,1〜9人の規模で,と   しかも男子の場合は家族従業員化を希望する雇 くに男子で,希望率が最も高くなっている。    用者が転職を希望する非農林業家族従業員の2・2

しかし,小規模企業ほど転職者が多いことは,  倍(1974年)存在する(女子の場合は逆に0・4倍)。

必ずしもその経営にとってマイナス面のみをもた   このことは,小規模企業論の次の重要な論点を

らすとは限らない。第一に,勤続年功的な賃金上  示唆する。すなわち,小規模企業にとって致命的       ●  ●      ■  o  ●  ●  ●  ●

昇の負担はより小さくなるであろう。第二に,賃  な労働力は・後継者家族員の労働力である・非後      ,  ●  ●  ●  ●

金をも含む労働諸条件の低位を前にして雇用者が  継者家族員の労働力は,労賃水準や景況に応じて       o  ■  ■  ●  ■

個人的な移動によって不満を解決するとすれば,  調整的に経営に出入しうるとしても,後継者家族      o

労務費負担が増えなくて済むであろう。第三に,  員は一たとえ一時的に他企業に雇用されること したがって同一企業に終身雇用を前提として一体  があっても・それを企業主化の訓練期間の一部と 化しながら,「二重忠誠」の他面として労働組合  して一経営に帰ってこなければなうない。なぜ を結成したり,忠誠を強化したりする志向は,よ  なら小規模企業主にとって経営は家業であること り低くなるであろう。したがって小規模企業にお  が多いからである・大阪府経営合理化協会の調査 いては,今回の不況期においても依然労働力不足  〔1965〕は・小規模企業ほど,後継者が親族であ であるが;それは賃金の安い若年労働力不足であ  ることを示している。親族以外の者を後継者とし

       ていない企業比は,1〜10人規模で14%,11〜30り(注),それゆえに将来への不安から現従業員の

雇用を極力維持する傾向にあるが,.再びそれゆえ  人規模で26%・さらに101〜201人規模以上では39

      %以上となる。また同調査は,後継者を決めていに一層不況の打撃が深刻化し,中高年の離職の利

      ない企業でも,小規模企業ほど,親族を希望して益を受けえなくなっているのである。そうだとす

れば,雇用とひきかえにこの雇用者の賃金抑制圧  いると報告している。

力もいっそう大きくなっているであろう。     それゆえ,先にみたように・中小企業雇用者な ら業主化者が多いとしても,このうちから一時的

第6節 雇用者と家族従業員      に家の経営から離れていた家族員を除外しなけれ

ば純粋に雇用者から業主化する可能性を測ること 労賃水準の上昇は,家族従業員の当該経営より  はできないのである(データの制約から,この研       書

フ流出(他企業,とくに規模の大きい企業に雇用  究も今後の課題としよう)。

される方が,家計収入に貢献するから)に寄与す

るかもしれないし・逆に流入(雇用者の賃金が支   第7節 規模別格差

払えないから)に寄与するかもしれない。       ・

1968年から72年にかけて非農林業家族従業員の   規模別労働条件格差は,第一には,賃金格差で

継続就業希望者は,男女とも減少している。しか  あるが,それに限ることはできない。第二には労

し転職希望者は減っており,追加就業希望者が増  働時間および休暇,第三には作業環境,第四には

えている。非農林業家族従業員の転職希望者は男  企業内福祉第五には教育訓練第六には労使関係上

(9)

の諸条件に格差をみることができる。(注)    再び出現しているように思われる。

●  ●

.   だが,あらためてここで以上の賃金格差のみか

(注)しばしばみうけられる俗挙3㌔小規模企業にあ  みの背後にある事実に注目しよう。

る状態例えば格差を小規模ゆえにあ管撃蓼として   もともと中小工業では,若年から中年になる過

艦搬鶯灘:1襟徽箋篇程での労瀦の移購しく・年令構成を灘の

      低い若年層に偏っていた。とくに1954年から59年機能委託によらざるをえないだろう。しかし大

      にかけて,若年層の比重が大きくなる傾向にあっ規模化がすべての解決策であるというのは,誤

りである。しかし逆に大規模企業あもたらしてい  た。一方大工業の方で・中高年令層の比重は増大 る社会的困難のすべてを大規模うえ}をの困難であ  した。ところが(1)大工業の規模拡大競争(2)技術革 ると安易に結論し,ゆえに小規模を礼讃する俗説  新Fで,修業的(外部)労働市場で調達できぬ技

も多いと       能労働力の「白紙からの養成(3湘対的低賃金労働 力の集中的確保は,いわゆる労働力不足,実は学 第一製造業の企業規模別の賃金格差は,高度成  卒若年労働力不足を生みだした。これによる労働

●  ■ 長前期に急速に縮少した。。しかし賃金格差の縮  力構成の変化が平均賃金格差の縮少の背後にはあ      ●  ■  ●  ●       ●  ■

少は高度成長後期には鈍化し,「低成長期」を迎  る・すなわち,平均賃金格差の縮少に部分的に貢 えると,若干ながら格差再拡大の傾向がみられて  献しているのは,大工業に主導された学卒・若年 いる。とくに小規模ほど,早く,縮少のピークを  労働力の上方集中化の結果として生じた若年者の 迎えている。このことは後で説明する。ただ賃金  労賃,とくに初任給賃金の上昇である。ところが 格差が縮少したといっても,現金給与総額の格差  同じ高度成長過程は,必ずしも中小企業自身の付 は定期給与の格差よりも大きい。つまり一時金の  加価値生産性の向上を伴うものではない。とくに 格差が,定期給与の格差の縮少以上縮少はしてい  小規模企業の場合は,より上層の「中堅企業」の ても,その量が大きいために格差が大きくなるこ  ように技術革新などの「自助努力」によって若年

とに注意しておく必要がある。         労働力賃金の平準化に応ずることはできなかった       ■  o  ■  ●  ●

(但,節売。小売業の企業規模別賃金格差は,   (平準化は採用された学卒賃金について言えるの

一貫して縮少している)      であって,その水準で求職企業が学卒を採用しえ

さて賃金の規模間格差は,しばしば指摘されて  たことを保証していないことに注意)。それゆえ

      ●  ■  ■  ●

ォたところで中小企業内部でも規模間格差は大き  規模の小さい中小企業ほど・若年,とくに新規学 い。毎勤統計によると,1〜4人規模の小規模企  卒者の採用は困難で,年令構成は中高年化する。

業とそれ以上の規模との格葦がとくに顕著であ   かつて昭和30年代初期には・中小企業部門にお る。1〜4人規模の定期給与は5〜蹄人の規模の  いても男子労働者の年令別格差は大きかった。し

定期給与の77.8%,(197の,から7乳1%(1975年)  かし,労働力構成の中高年化と同時に年令別格差

昏と相対的に減少している。1〜4人規模の年間  は縮少する・平均賃金格差の縮少の背後にこの事 特別給与は5〜29人規模の65.0から57.5%へとそ  実があるとすれば,それは労働力構成の中高年化 の相対的減少はさらに大きい。つまり年間特別給  による中小企業の平均賃金の上昇を意味するにす 与の規模間格差縮少は5〜99人の規模で顕著では  ぎず,この影響を除かなければ「賃金格差が縮少 あっても,その層と1〜4人の規模との格差がか  した」とは言えない。それどころか申高年令層の えって拡大しているのである。また,毎勤統計に  規模別賃金格差は依然縮少していない(毎勤統

o  ●  o  o  ●  o

よると,好況期に縮少した規模別賃金格差が,不  計)。したがって,企業規模間の賃金格差は,す

■  ●  o  ●  ●  ●  ●

況期に拡大するという事実一したがって不況の  なわち中高年層内部の賃金格差を意味することに

たびに小規模企業の賃金条件が悪化する一が,  なっているのである。

(10)

もしこの格差が縮少しないとすれば,「高令化  題は業主の姿勢や「知識」にあるのではなく,規 社会」化すればするほど,平均賃金格差は再び拡  模のメリット資金にある。小規模企業の環境安全 大することが予想されるのである。       のためのスタッフを公的に用意する必要がここに 第二には,労働時間ならびに休日である。この  はある。労働環境の危険な企業は存在すべきでな

格差は,とくに地域別に有無や程度が異ってい  いが,その淘汰を環境改善費の法的強制による

る。外部経済に依拠しえている都会の小規模企業  「経営難」に求めるか否かは,政策の課題である。

は,しばしば得意先や顧客の需要の時間帯にあ   第四には企業内福利費の格差である。労働省の わせて営業・操業することによって高利益を確保  労働費用調査は,ストック的な費用(住居,福利 しようとする。それゆえ,営業・操業時間は長く  施設)を支出できない小規模企業が,文化・体育 なり,また終業時間は遅くなる傾向にある。し  ・娯楽費,慶弔見舞金,私的保険制度への拠出に たがって労働はパートタイマーや学生アルバイト  カを注いでいることを示している。これらの項目 に依存する率が大きくなる。が,主婦パートタイ  では,規模の小さい企業ほど一人当りの支出が高 マーは,家庭側の制約条件から,操業時間が定っ  くなっている(29人以下の事情はわからない)。

ているより大規模の工場を選び,雇用主と対面関  ストック的な福利費用に格差があることは既に常 係にあって「仲々帰りにくい」小規模企業を避け  識化しているから,ここでは医療費の格差(5000 る傾向もある。主婦パートタイマーは営業時間の  人以上と30〜99人規模では,約5対1の格差があ 長さよりも,不規則性を嫌うこともあり,中に  る)を問題にしよう。東京都の調査も(1975),

は,不況期の残業規制にかえってパートタイマー  福祉の面では医療が最大の課題であるとしてい が退職してしまう例も多い。常雇は,労働時間  る(注)。

を短縮しなければ採用しにくくなる一方,「他に       (注) 「健康でありさえすれば食っていける」という

異動できない」中高年層は・長時間労働に従う    のが現代の日本経済の状況であろう。さらにいえ

し,また時給制が多かったり・残業代がなければ    ば,中小企業においては経営者であれ労働者であ 低賃金であるから,長時間労働に賑さざるをえな    れ,「丈夫でなければ勤まらないということにな い。労働力市場のこの需給関係が経営者家族に及    ろう。とくに経営者ほど所得水準の高くない中小 ぼす影響は,雇用労働者の労働時間によって充た    企業労働者にとっては,長期の病気は生活の破壊

せない部分を業主や家族従業員の労働強加又は他    を意味し,のみならず失業が現実のものとなろ 就業家族員の追加就業によって埋めることであ    う・」

る・その結果,さしあたりの経営は維持しても・   雇用者が中高年化している小規模の企業ほど,

業主家族の健康に問題が生じることになるであろ  健康管理は重要化しているはずである。雇用労働

う。       者の労働時間では終りきらない営業・操業時間を

第三は作業環境である・小規模企業では・多く  業主が自己摩滅に働く事態が小規模企業ほど多い の場合,業主も現場で働いていることが多いか  とすれば,健康管理は経営問題でもある。

ら,労災の危険は等しい。「労働災害動向調査」   第五には教育訓練の格差である。労働省「労働 は,1969年以後・一貫して小規模企業ほど・死傷  費用調査」(1974)にみるように教育訓練費の規

●  ●  ●

者数の減少が少ないことを示している。1973〜75 模別格差は大きい。大企業が企業内訓練一永年勤

o  ●   ●

の三ケ年間だけでも,300人以上で42%減った死  続制(「子飼い制」)を志向し,小企業が社会的

傷者が1〜4人規模では2%しか減っていない。  訓練一企業間の「渡り」一に志向している。

大企業ではスタッフ型の環境安全対策が制度化さ  すなわち,より小規模の企業では,訓練機会の選 れており,小企業ではラインの監督系列がその機  択が企業(あるいは公共機関)の選択であって,

■  ●  ●  ●

能を果すタテマエになっている。多くの場合,問  より自由ではあるが,費用の大部分とリスクは労

(11)

働者の自己負担となる。その結果,小規模企業は   小規模企業主および同雇用者の所得の低水準 訓練費用を用意することなく,(外部)労働市場  は,それ自体として社会問題化しうると同時に,

●   ●   ■

から熟練工を調達しうるという経営上のメリット 他方で地域の社会問題とも化すことになる。なぜ

●  ■ を与えられるが,反面労働者が技能を高める機会  ならその生産性あるいは所得の低水準が,ω地域       ●       φ  ●

を用意できないから,技能習得志向の雇用者の就  の購売力の相対的低下,②その地域を対象とする

業が不安定化するというデメリットも負うことに  地方自治体政府の税源の枯渇,(3}低所得雇用者の       ●  ●  ■

なる。労働省「労働者福祉総合調査」 (1974)は  地域的滞留に伴う私的「環境改善」能力の低下,

若年層ほど,「能力の維持・開発」について不安  (4謄在的・一時的,断続的失業層の輩出,を招き や悩みを多く訴えているのである。        うるからである。

●  ●  ■  o  ●  ■

第六には,労使関係上の格差である。全国中小   もちろん逆のことも言える。地域側の特性が小 企業団体中央会調査(前掲)にみるように小規模  規模企業の運命を決定する。あるいは,ある運命 企業では労働組合の組織率が低く,1〜9人規模  を蒙るような小規模企業を集中,存続せしめる。

では3%,10〜29人規模でも8%の企業にしか労  東京都の調査「小規模企業における労働時間及び 働組合がない。業主や家族従業員,あるいはその  健康管理に関する調査」(1975)は「東京都にお どちらかが他の雇用者としばしば同じ現場で働い  いては,中小企業の古典的貧困の問題は,もはや ていることは,労働組合の結成を妨げるであろう  ほぼ解決した」として,「大都市独得の小規模企 し,また雇用者としての要求も提示しにくいであ  業にとってのメリット」を列挙(R・バーノンの ろう。そして紛争化する以然に雇用者は移動する  見解)している・それは第一には社会的分業の深 であろう。それゆえ紛争処理形式の相互承認,労  化,製品,サービスの需要側の多様化という外部 使関係の「近代化」は遅れるであろう。表にみる  経済効果,第二には製品とサービスのたえざる変 ように,べ一スアップも「経営者独自の判断」に  化による「小まわりがきく」企業への需要,第三に

■  ●  ● 委ねられ,「労使交渉」 「春闘賃上げ相場」を基  は直接接触による情報交換や取引である。しかし      σ  o  ●

準とするより大規模企業とは異る。好況期には,  このことは,小規模企業内部の地域間格差を決し

●  ●  ●

鮪タ上世間相場に追随しても,不況期には,べ一  て解消するものではない。逆に上の三つのメリッ スアップ率の低下の基準の不鮮明さが小規模企業  トに地域間格差があればあるほど小規模企業の運

労働者に相対的な不利を招く可能性がある。    命の地域差もいっそう鮮明にするのである(注)。

小規模企業主の所得7),より大規模企業の自営   (注)最近,国民経的な観点からのみ考えられてきた 業主所得に対する相対的低水準は先にみたから・    物的・人的資源の利用政策に対して,地域経済的

ここでは雇用者の方をみよう。「家計調査」(1974)    な観点からの利用策が強調されてきている。一方 によると小規模企業雇用者には低所得層が多い。    で地方自治強化論,他方で地域主義論がその双雄

例えば1〜4人規模の雇用者では,42%が第1五    である。しかし①地域経済的な合理性と国民経済

分位階級に属している規模が大きくなるにしたが    的な合理性とが対立した場合に,前者を優先させ

って,第1五分位階級に属している者の比率は低    るぺき理由は・必ずしも明確には示されていな 下し,1000人以上の規模の雇用者では11%とな    い。②複数の地域経済的な合理性・あるいは「地

る。逆に,第5五分位階級に属する者は,1〜4人    方自治」ないしは「地域主義」間の対立について

規模で8%にすぎないが,1000人以上の規模では    レ}ぎしば楽観的な見解がと見聾て、よる・例えば       どの地域の小規模企業問題を優先的に解決すぺき

24%となっている。しかも,小規模ほど中高年雇       か,ということを地方自治方式は必ずしも明確に 用者の水撃奪孝えるならば・生活水準の格差はこ    しえない。言いかえれば,「いかなる地方政府もの数字のみかけ以上に大きいものと考えなければ    竜先あ利害を他の地域の利害に優先させる」こと

      ●  ●  ■  ●

ネらない。       が望ましいと言う根拠は,明確ではない。ある地

(12)

方政府は,たとえその統治下の小規模企業が他の   (注)所得・資産分配の実態と問題点」(経企庁1975)

地方政府の統治下の小規模企業より「幸運」であ     は「低所得層の住宅資産形成は一層困難な状況に

●  ●  ●

るとしても・地元の小規模企業対策にのみ専心す    ある」持てるものと持たざるものの格差が拡大す るであろう。ある地方政府の統治下の小規模企業    る「持家世帯のみが平均水準以上の貯蓄額を保有 が劣悪な条件を蒙っているとしても・他の地域の     しており,他の世帯は平均貯蓄保有額を下回り,

小規模企業より「幸運」であることはしばしば無     特に借間世帯はこの乖離が大きく低所得・低貯蓄        ●  ■  ●  ●視される。こうして地域格差は・「地方自治」に    がきわだっている」としている。

よって無視される。

たとえば,住宅関係の企業内福祉は,さしあた  第8節研究の課題

■  ●

り雇用者世帯の生活水準の問題であるが,集積の

デメリットにより,飽巌の環境水準の問題とな   一般に次のような観点から小規模企業が論じら

る。「労働省労働費用調査」(1974)によれば,住  れることず多∵古言で南う・

居に関する費用の規模別格差は大きい。法定外福   第一は小規模企業必要論である。①小規模企業 利費の各項目の中でも,医療保険に次いで格差の  は・国民経済の正常な機能に必要である。②自己 大きいものとなっている。高度成長後期に住宅関  責任の原理で動く小規模企業を温存すれば,国民 係費(土地代,地代,家賃,建設費)の高騰はは  経済の機能が異常化したときも調整性を保持しえ なはだしきものがあった。その圧力は全ての労働  るであろう。③小規模企業は,しばしば知識集約 者に平等に加わったのではなく,とくに小規模の  型であり,産業パイオニアの役割を果す。④小規 企業の労働者の負担を重くしたのである(注)。①  模企業は,私的消費から投資への企業的態度の形 大企業の社宅入居者は日常,平均的な家賃との差  成の母胎である。⑤小規模企業は・雇用の要求を 額を享受したうえ,その一部又は全部を将来の住  吸収する・.......。..

宅購入のために蓄財しうる。②公共的な住宅供給   第二は・少翠檬牟茅寧甲孝層論である。

       第三は,小規模企業ネック論である。国民経済(公団)は,しばしば現金給与総額による支

       の成長や,産業転換にとって阻害要因となり,そ払い能力を要求するうえに,最低限以上の応募者

       の救済はかえって非効率な産業の温存ともなり,を所得格差別に差別しないから,企業内住宅福祉

       また貧困者層として再生産させる,というのであを享受できぬ雇用者層を優遇しないし,しばしば

       る。著者はこの三つともがある正当な根拠をもっ応募機会すら奪う。③さらに加えて,通勤手当も

       ていると考えている。問題はつねに一面化にあ少ない。④また直接に住宅手当に列するものでは

ないが,退職一時金のないことが多く,あっても  る・

      小規模企業が国民経済的にみて必要であるとし少額であるから,これによって,又はそれを担保       ても,だからといって小規模企業が自己犠牲ビジにして,土地住居購入費にあてることができな

       ネスであって良いという論拠にはならない。既にい。一これらのことから,中小企業労働者はし

       みてきたように,小規模企業における労働力不ばしば家賃の安い,環境の悪い,通勤費の安い工

@      足(注)は①低賃金・長時間労働に頼ることができ業地帯に密集居住し,大企業労働者が郊外に居住

するという地域の階層特齢発生する.劫環境 なくなり・縮の合理化へと向う可能臨②業主

の良い,まら高い居住性水準をもつ住居の多い,  ・家族員の生活(水準)が弾力的であり・労働強 まら家屋所有者の多い地域では環境保全の住民運  化・追加就業でしのぐ可能性,③中高年・主婦パ

動が生じ,逆の地域では環境改善の住民運動が生  一ト・学生アルバイターなどより安価な労働力を      ●  ●   ●         ●  ●  o  ●じていない以上は,自然には所得階層間,地域間  求める可能悔を選択させた・たとえ生産性は向

の私的,社会的居住環境水準はさらに拡大するも  上し,利潤はあがっても,②,そして③が,低賃

のと考えなければならない。      金・長時間労働を伴う場合,それは「中小企業間

(13)

      ●  ●

閨vといわれるものを別の形態にしたにすぎな  の小規模企業の実態に向けられるべきである。

●  9  ●

い。小規模企業が他の経済主体との公平な競争に

参加する条件を整備するためには,一方でより上   (注)不況期でも規模の小さいところでは労働力不足

位の企業の小規模企業への「非経済的圧力」への    である。中小企業金融公庫〔76−4〕が現在の従

       業員の過不足を問うたところ,製造業50人未満で社会的規制を加えると同時に,個々の小規模経営

       は・過剰6・8%,適正55.2%,不足38.0%であり,が,その存続とひきかえに労働への犠牲をひきう       50〜299人規模では過剰10.9%,適正65.0%,不足

けることが最4 曝嬉なるようにする監視゜規制が    24.1%であった。

必要である。たしかに小規模企業の資金調達は困

       ●   ●  ●  o

?ナあるが,たとえ公的に資金援助がなされても   国民経済の救済は,しばしばある産業の救済と 問題はのこるれとえば中小企業の経営が安定して  ならず,産業の救済は,しばしばある階層の経営 いるといっても・業主が好況時に利潤を企業に再  の没落となり,ある経営の成長は必ずしも業主家 投資し,したがってそのことによって経営合理化  族の生活向上を意味せず,業主家族の生活保障は をはかって,その媒介策によって結果的に業主の  雇用者の運命の改善に直結するとは限らない一 みならず雇用者に対しても将来の生活を安定させ  これが問題の限定の合意であった。しかし雇用者 るのではなく,個人の可所分所得と変えてしま  の運命の改善が業主家族の生活保障の必要条件に い,これを私的に消費・蓄財する場合,不況期に  なるような論理,業主家族の生活保障が経営の成 たとえそれによって業主家族の生活水準をヵバー  長の前提になるような条件,小規模経営の成長が

しえても,その恩恵は雇用者にまでは及ばない。  産業の活力と国民経済の救済となる事態,これら ●  ●  ■  ●  ●  ●  ●  ●       ●  ●  ●小規模企業必要論がこの層を社会的関心の的に  の有無,あるいはこれらを制度化しうる政策の可

した功績は大きい。しかし研究はまず平均的多数  能性について,研究は進まなければならない。

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