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パラ大腸菌に関すろ研究

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パラ大腸菌に関すろ研究

第ll報 パラ大腸菌の憂異並びにその病原性に就て

金沢医科大攣細菌学教室(主任 谷教授)

專再生 野  口  俊

    Slノ〃護5説8 地∬〃6〃多     (昭禾024年9月1⑪日受M寸)

第1章緒

 1893年Gilbert u.:Lion i)は赤痢患者の糞便中よ り全く乳糖を分解しなv・大腸菌の存在を発見 し,之等の大腸菌に対しパラ大腸菌と命名した が,1924年Dudgeon 2)はパラ大腸菌には全く 乳糖を分解しな)・Non−Iaktose fermenterの外 に甚しく逞延して乳糖を分解するSlow−1aktose fermenterの存在する〜二とを報告し,同様な菌 株の存在はSandiford 3), Kriebel 4),藤崎5),俣 野6)等に依り報告されて居る。而して之等のパ

ラ大腸菌群の乳糖分解性の安定度に就ては俣野 6)はパラ大腸菌の塞天,ブイヨン培地の累代培 養は乳糖分解に何等の変化を:與へざることを報 告して居るが,之れに反し,SeydeF), Hassmann 8)はパラ大腸菌は永続的培養法に依り普通大腸 菌に変異することを認め,Hassmann S)は変異

に至る期闇は患者の症歌と並行関係を示すと発 表して居る.叉普通大腸菌よりパラ大腸菌への 移行に就ては黒木9)は乳糖含有培地に轄培する ことに依りパラ大腸菌と普通大腸菌との聞に相 互に移行関係の生することを認め,Kwashima lo)は胆汁を通過することに依り普通大腸菌よリ パラ大腸菌を得,KriebeP, Mickel i1)は二天 斜面培地に保存することに依り,:L6mme112)は

マラヒット緑:,サフラニン,Pen石01d塒はChlo−

racetic, acid含有培地に培養することに依って パラ:大腸菌を得たと発表して居る.Schaub 1 ) は泌尿器系疾患の尿よbパラ大腸菌を分離し,

それは泌尿器系臓器の独特性に基づくものか,

或ぴは定型的大腸菌の異種i変性に依る1ものと発 表して居る.

 腸内細菌のムタビール型i変異に就ては1906年 Neisser 15)は胃腸炎患者の糞便より:B. coli muta・

bileを分離し,苛いでMasslni 16)に依り精細な る持歌が発表されて居るが,人選理博件に依る ムタビール型変異に就ては村瀬17)がブイヨン培 養中の大腸菌に発見して以來大野18),西原19)等 に依り種々発表され,更に小林2。)に依り総括的 に報告されて居るが,パラ大腸菌に就ても大野 18)ほムタピール型変異のあることを報告して居

る.

 大腸菌属は一般に他の病原菌に比しマウスに 対する毒力弱く稀れに張力な菌株もあるが,多 数はvウスに対する最:小致死:量は05mgより し⑪mgの問にあるとせられて居る.而してパ ラ大腸菌のマウスに対する病原性に就ては Gy6rgy 2i)は実験菌株の595%解病原性を有し て居るとし,松尾22)は最小致死量はO.3mgよ

り0.5mgの間にあljと報告して居る.

 叉溶血性菌株と非溶血性菌株の毒力に関する 比較に就てはMuch, Sch⑪tt]ntiller 23)は溶血性 大腸菌が非溶血性大腸菌に比し毒力大なること

を認め,落合24),鶴岡25鳩同様なことを認めて 居る.之れに反し,信太2C ),長汐27)は溶血性の 有無が病原性に関係なしと主張して居る.パラ

[ 43 ]

(2)

44 野 口

大腸菌に就ての溶血性,非溶血性−菌株の病原性 に就ては藤崎5)は溶血菌株が非溶血菌株よりも 多数病原性を認めたことを報告して居る.

 以上の文献より考按するにパラ大腸菌は或る 種の條件下に於ては普通大腸菌と祖互に移行関 係のあることが考へられるが,私は分離パラ大 腸菌に於ては如何なる條件下に於て之等の変異 が成立するかを明らかにせんとし,種々実験を 行った結果認むべき成績を得たので報告する次

第である.

 尚入毛的仁平に依るムタビeル型変異並びに Wウスに対する病原性に就ては Non舩ktese

ferm6nter, S】ow−laktose fermenter並びに:Slow−

laktose ferknenterより解離した乳糖分解菌,各 々代表菌株を選び,ムタビ・…ル型変異の発生,

マウスに対する病原性の有無を外し、併せてそ の成績をも報告する次第である.

第2牽 パラ大腸菌の貌糖分解蓮度の攣化      第1節 実 験 方法

 使用菌株は前回に報告したパラ大腸菌株50株であ る,實瞼菌株を寒天誤面,ブイヨン,ペプトン水,

1%乳糖加B・T・:Bペプトン水に3日毎に韓齢し,塞 天將面,ブイヨン,ペプトン水の各培地では轄培毎に それ等より1白金:耳蝉1%乳糖加正1・T・B ,ペプトン水 に移植37。Cにて培養それぞれの培地の轄培に依る 分解能力の攣i化を観察した.

     第2節 実 験 成 績

 塞天斜面,ブイヨン,ペプトン水の各髭面で は蒋培に依る乳糖分解遽度の変化は縛培回数30 回に及んだが何等認められなかった.1%乳糖 加B.T.Bペプトン水培地に於ては分離当初2

週間以上観察するも乳糖分解を示さなかった非 分解性群は韓培に依り分解速度の変化を認めな かったが,Slow−laktose fermenter.群では第1 表に示す如く何れも韓培回数を重ねるに從ひ分 解連度の変化を認め,途には何れも24時闇以内 に乳糖分解能力を獲得するに至った.而してそ の分解速度の経過は各菌株に依?}区々なる成績 を示したが,24時聞以内に分解するに至る韓培 回数は分離当初の乳糖分解に対する難易と大体 並行し,分離当初乳糖分解甚しく遅延せる菌株 恥曝培回数の増加を認め国尽回数の最短3回,

最:長13回,卒均回数は8回なる威績を示した.

第1表 1%乳糖加ペプLン水培地韓培に依る乳糖分解速度の変化

\一回敬  xXx 菌株 \

No.

lf Sl

tl

x/

fl

lr

tt

ll

ls

tl

f1

2 4 5 6 7 8 10 11 13 14 15 16 18

當分 初離 3 7 7 6 6 6 4 7

1ユ

4 10

7 8

II

3 5 4 4 5 6 4 7

ユ1

3

ユ0

5 8

t[1

IV

2 ,2 glE 4i2 1竃 ゴ1 ゴ1 引l a13

VIv正

1 3 2 1 3 3 2 3 7 2 8 4 7

3 2

2 2

1

3 5 2 5 3 5

VII

1

1 2

3 3 1

4 3 4

VMl !Xi X XI w1【剛XV{XV・

ii

劉1

 1

1遣 3i3

 ; 2 L2  5

311 21i 2i2

1

1

g 44 1

(3)

  2e

〃  2ユ

tl 22 t/ 23 tl 25 tf 26 1t 27 t! 28 n  29 tx 30 tf 31 tt 32 tl 33 x/ 35 st 36

,/ 37 1

tt 38 11 39 11 42 ri 43 tl 44 tl 45

ti 47 [

11 50

4141413

1陰門1

         

ll…劃1

61glg[4

      

8161614 4141 S13

       

3123「2

6 16  5 :4

4i4 3i3 1!lIll1

64i413

4囹・ 4 4…413

       

641酬3

4:413串 61514 4

4 13 [3 12

6i514「4

1111⑪!9 9

贈ll尾I

 I    I

3 2 2 2

4 3 2 1

4 2 1 3 3

2 3 3 4

1

2

1 2 1

3 2 2

2 2

2 2

2 2 3 3

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91s

2

1

2 2

2 2

2 2

1 2 1

3

2 6 3

21i(

1 1

1

2 2

1 1

    i1

2i

   f

2 12 i/ 1

2 i1 4 13 13 3 i2 12

2 11 2 11

備考 二字は乳糖分解日数を示す.

ag S奪 乳糖非分解菌集落より乳糖分解菌集落への解離      第1節 実 験 方 法

 前項の實験の結果餌旧聞にして乳糖分解を示した1

%乳糖加B・T・Bペブトソ水培地より】%乳糖加:B・

T・:B寒天重板に轄培し嚢生せる菌集落について観察

した.

     第2節 実 験 成 績

 24時闇にして乳糖を今解するに至つだ1%乳 糖加ペプトン水培地より1%乳糖加B.  r.B寒 天準板へ轄干せるに当初に於ては乳糖非分解性 菌集落と乳糖分解性菌集落との二様の菌集落の 発生を認めた.而して凡才の乳糖分解菌集落は 選択的に:乳糖加:B.T.B塞翁才智に蒋弔するこ とに依り再び乳糖非分解性菌集落と乳糖分解性

菌集落とに解離するも更に3乃至4回軸培を反 覆することに依り途には安定せる乳糖分解性菌 集落のみとなった.而して之等の解離せる乳糖 分解菌の生物学的性1伏を回せるに牛乳,ラクム

スモルケに干ては原株と全く異なり何れも24時 間以内に牛乳凝固,ラクムスモルケ一変を示す が,他の中性紅還元作用,イン1 ・一ル反慮,硫 化水素産生,M・B反鷹, V.p反磨,絢構酸ソ

ー…一

̲培地の増殖等の点に就ては菌株獲得時と全 く同様な成績を示した.即ち以上の生物学的性 歌よりしてパラ大腸菌より解離した乳糖分解菌 は普通大腸菌と同一性歌を有するに:至るもので

ある.

第4章乳糖分解性菌集落より乳糖非分解性菌集落の形成

第1節 実 験 方 法 パラ大腸菌株よわ得た安定した乳糖分解性菌37株に

[ 45 )

(4)

46

就て遠藤赤攣性大腸菌20株を封照として塞天斜面,ペ プトン水,ブイヨン,1%乳糖加ペプトン水,新鮮牛 謄汁,0.1%=rラヒット緑,0.1%サフラニン,更に大、

腸菌厨に射し護育阻止作用を示すO・1%クリスタル紫 0・1%ブリヤント緑等の各水溶液1%加ペプトン水,

カウフマソ培地以上10種の培地に就て放置培養轄培 養の2種の方法により乳糖非分解菌への復館現象を試 験した.師ち放置培養では同一培地に就て1週1回目 割にて10週間襯察,轄培養では5日毎に轄零し,30回 實施観察した.検査培地としては1%乳糖加B.T.B 塞天干板培地を用ひ,嚢生した集落に干て乳糖分解,

非分解の有無を検査した.

     第2節 実 験 成 績

 1.乳糖非分解菌集落の発生を認めなかった 培養方法及び培地

 実験菌37株,対照遠藤赤変性大腸菌20株は何 れも10種の培地の放置培養法並びに寒天斜面,

ペプトン水,ブイヨン,1%乳糖加ペプトン水,

各培地の5日間隔を以てせる轄培養法に依るも 乳糖非分解菌集落の発生を認めなかった.

 2.乳糖非分解菌集落の発生を認めた培養方 法及び培地

 新鮮牛胆汁,マラヒット線,サフラSン,ク iJスタル紫,ブリヤント線各水溶液1%加ペプ トン水及びカウフマン培:地に穿ては実験菌株37 株は何れも韓培することに依夢乳糖分解菌集落 と非分解菌集落との二様の菌集落の発生を認 め,更に非分解菌集落に就て3乃至4回選択的 に轄培を反覆することに依り全集半官分解性を

第2表 各種培地轄培に依る乳糖分解菌より乳糖非分解衣集落の形成

株 培

N

謄 サ

 1フ

  ラ

汁iン  r

守 ラ ヒ ツ

ヤ ソ

ス タ

ノレ

紫 No. 2/  7

t, 4t 16 ti 5, 18

,/ 6/ i7 tf 7 t ,9 tl 8 t 15

〃  10/  3 tl 11r i 4

〃 13州6

11 14t 13

〃  ユ5! :10 1! 16, 112

〃  18/ 19 t/ 20i 6

〃  21/  5

u 22r 110

,, l13t i 12

tl 25t i 3 ti 26 t 17

5 7 8 7 10

5 6 4

7 /

6 9 14

9

7 i

4 10 12

3 i

6

5 17 17 6  9  8 8 19  9 8 :8 18

1019 18

8  5  5

7}5 6

 ミ     

314;4 716…7

5  4 14

818…8

13,12 13 9  8  9  1  1

7 ・7 17

 「 4  4  5 9  9  8

12:12111

3  3  3 6 1

 1

ガ ウ フ マ ン

5 6 8 8 8 5 3 4 4 3 7 11

8 6 3 9 10

3

6isi5

畜培謄 株\.

サ フ ラ

No.

tl

tl

Xl

tl

IY

tl

t!

1/

tt

t!

27/

28t 29,

30/

31t

32/

33!

35/

36/

37i 38t

〃・39烈11

ff tl

l1

1/

tt

t1

42/

43/

44/

45i

47/

50i

菌20株 劉照大乱

「9 8

18 7

1 ・ 111 12

…5 5

    181g i716 199

1  E 7…8 I8,7 111 112

11915

1    1

   13

  } 18  9

9110

18 1g

I

 8  7  7 17

15 16   1

1−1一

マ ラ ヒ ツ

ヤ ン

s is 7 16

12 ! 12

5 [5 9ii,

617

9  8 8  8 7 i7 12 11  1 14 ] 15 13 i 12

919

10 , 9

glg

6 !5  1 7 i7 工5115

ス タ

ノレ

カ ウ フ

T

8  8 7  6 12 10

5 i3

9:7

6 !5

9」8 8,5 7i6

12 10 15 15 11 8

9 i7

8i9

9 17 7 6

7 15

14   Z3

s

備考 1.数字は乳糖B・T・:B・置潮平板に乳糖非分解菌集落を護生する迄の繋縛回激    2.N。・2!菌はバラ大腸菌N。・2菌株より得た解離乳糖分解菌,他も之に準ず.

   3.謝照大腸菌の結果は轄培回撒30回の結果を記入した.

g 46 ]

(5)

示すに至った.而して乳糖非分解菌集落発生に 至る出離回数は第2表に示す如く各培地に就て 同一菌株にあっては韓;培回数は大体同数か叉は       ヒ 2乃至3回の差であって,カウフvン培地に於 ては他の培地よりも矛傑早く平均蒋培回数は 6.1回,次v・でブリヤント線8.0回,クリスタル 紫8.2回, サフラ=ン, マラヒゾト緑85回,

牛胆汁9。6回で蒋培回数の各培地共最も早き例 は3回で,最も導き例は胆汁培地の19回であっ

た.

 然しながら対照遠藤赤変性大腸菌株20株は韓 培回数30回にも及んだが,乳糖非分解性菌集落 の発生を認めなかった.

 叉上記各培地韓培より生じた乳糖非分解性菌 株は乳糖に対する態度は甚しく不安定で,1%

乳糖加ペプトン水に蒋蔑すること2乃至3回で 24時間以内に乳糖を分解するに至った.

第5章 パラ大腸菌のムタビール耳蝉異      第1節 実 験 :方 法

 乙丸菌株として Non一一laktose fermenter, Slow−

lak藍ose fermenter, AEIび1こSlow−laktose fermenter より解離した乳糖分解菌各々1⑪菌株を選び二二を行っ た,之等の實験菌株を申性ブイヨンに培養し,37。C の野州器に1週間放置し, 日々遠藤培地に塗抹し,

37。C 24時間培養後2日乃至3日間室温に放置しムタ ピPル型菌出現の有無を検した.

     第2節 実 駒 成 績

 被槍菌株のブイヨン培養よリムタビール型菌 出現の有無を見るに:N⑪n−laktose L』Tmenter群 よb2株,. No 41, No 46, Slow−laktose. fer−

menter群より2株, No 35,:No 42,解離乳糖 分解菌株よb2株, No 35 ,邑No 42 合計6株 のムタビ ル型変異菌を得た.

 1.遠藤培地所見

 LNon一一}aktose fermenter, Slow−laktose fermenter

両菌株のムタビ・・ル型変異集落は扁弔にして周 辺多少堤歌に膨隆し,極めて僅かに淡桃色を帯 びた牟透明な集落を形成する.解離乳糖分解菌 株では桃色叉は淡紅色の扁平,堤歌に膨隆し表 面滑沢なる集落を形成する,而して之等の集落 は培養24時聞前後より集落の中心部に白色或ひ は淡紅色の不透明なる小集落を形成する.然し ながら之等の変異菌は寒天雫板培地に於ては普 通の菌集落を形成する.

 2.菌形態

 ムタビール型変異を示せる菌株の菌形態は遠 藤培地上より探取し,染色,槍鏡せる時は,そ

の菌形態は著しく変化し,普通菌形態の数倍或 ひは数十倍の長径に達し,菌体内も穎粒歌に染 色し,或るものに於ては町回両端が濃染を示す ものがある.又之等の菌の一部に於ては2乃至 3個の極めて細長き連鎖を示し全く特異的なる 骨形態を示す.然しながら普通寒天培養基上に 発育せるムタビーール型菌の形態は何等普通菌形 態と変る所がなかった.

 3.生物学的下下

 変異菌の生物学的性状はガラクトーゼに対す る態度を除き,すべて原菌株と同学で乳糖分解 に対してもNon−1甑亡ose蝕menter株よl!)のもの は全く乳糖を分解せす,Slow−1aktose fermenter 株よりのものは二二と同様な日数に於て乳糖分 解を示し,乳糖分解菌よりのものは24時間にし

て乳糖分解を示した.而してガラクトーゼに於 ては変異菌は何れも一旦酸性に傾くも3日乃至 4.日後に於てはアルカリ性に変化し,原株の分 解と異なれる成績を示した.

 4.旧型ムタビール菌の形成

 純粋に分離せられたるムタビール遍照を乳糖 加ペプトン水に培養し,再び遠藤培地に培養す るにムタビール型菌に混在し,原株の集落に類 似するも,梢ヒ僅かに原型菌集落に比しR型を 示す菌集落の発生を認めた.之等は小林,村瀬 等に依り娘型ムタビール菌と呼ばれて居るもの に一致するものの如く菌形態はムタビール型変 異菌の場合と異な夢原型菌の塞天培地に於ける

[ 47 ]

(6)

48

と同様の染色性,菌形態を示したが,ガラクト ーゼ加フクシン寒天卒板上に於ては原型株は紅

色集落を形成するに反し娘型菌に於ては無色の 集落を形成した.

第6章パラ大腸菌のマウスに封ずる病原性      第1節実 験 方法

 實験菌株よりNon一一1aktose fermenterに際するも のよむ5株,Slow・一laktose fermenter lこ薦するものよ

わ5株,更にS1。w−laktose fermenterより解離した 乳糖分解性群より5株と,溶血性菌株12株に就て,遠 藤赤攣性曽通大腸菌5株を劉照としでパラ大腸菌の病 原性並びに溶1血作用の有無の病原性との關係に就て實 験を行った.

 マウスは109内外のものを用ひ,新鮮雪天瓢面24時 聞培養のものを生理的食聴水1ccに異し,0・8mg,

0.4mgと階i段的稀糧を以て0』25mg迄一三,それ等

をそれぞれIcc宛マウスの腹腔内に注射し,2日間観 察し,2目以内に廃死したものに就て心血,腹腔内よ

㊨遠藤平板に培養,注射菌に依る発死を確認した.

     第2節 実 験 成 績

 第3,第4表に示す如く Non一]aktose fer−

menter群にあっては最小致死:量0.2mgを示す もの4株,⑪.4mgを示すもの1株で, Slow一・

1aktose fermenter群では1株が0.1mg,2;株が O.2mg,2株が0.4mgを示した.解離孚L糖分解 菌群では原株でO.4mgを示す例では同様なi暁

第3表パラ大腸菌のマウスに対する病原性

x

pa一

A

群 No.

lt

ll

tl

tl

O.8 1 O.4

皿g  mg

B

C

照 普 通 大 腸 菌

i2舞

1引死

雛舞

rrcTi o .

tl

tl

//

t1

13 21 26 28 33

No.

tt

tf

tl

l1

1.3x

21t 26t 28/

33ノ Coli

Sl

tt

it

11

1 2 3 4 5

死 死 脈 死 死 死 死 死 死 死 恥 死 軍 死 死  死  死  死

「死

1死

死 死 二 死 死 死 死 死 死 士 幌 死 二 死 死

O.2

mg

死 死 死 生

O.1

mg

〔生

生 生 生

死1生   ト

死 生 亜 死 生 死 生 死 生 生

死 生 生 生 生

生 生 生 生 生

生 生 生 生

生 生 生 生 生

O.05

mg

生 生 生 生 生 生 生 生 生 生

O.025

mg

生 生 生 生 生

封 照 生 生 生 生 生 生  生 生  生 生…生

生1生 生1生

生  生 生  生 生  生 生  生    

生1生

生 i生 生  生

生}生 生i生

  1 生1生

生 生 生 生 生 生 生 生 生 生 備考 A群は

   :B群は    C群は

Non−laktose fernienter Slow_1aktose fef皿enter

Slow−laktose fermenterより解離しソこ乳糖分解菌

[ 48 ]

(7)

eg 4表 溶血性パラ大腸菌のマウスに対する病原性

O.8 皿9

A

L一

B

N。.17  死

〃  工9  死

〃  24  死

〃  34  死

〃  4ユ  死

〃  45  死

〃  46  死

〃  49  死 No.

lt

1/

21 22 26 27

死 餓 死 死

e.4

mg

死 死 死 死 二 死 即 死 死 死 死 死

O.2

mg

生 死 死 生 死 生 死

O.1 rng 生 生 生 生 生 生 生

死睡

生 死 生 生

生 生 生 生

O.05 mgi

生 生 生

生 生 生 生 生 生 生 生

。.e2s

mg

生 生 生 生 生 生 生 生 生 生 生 生

封 照 生 生 生 生 生 生 生 生 生 生 生

L: th utWwruant LLik−L .LmLSS 一

備考 A群は Non−laktose fermenter・

   :B群は Slow一】aktose fermentcr.

死:量を示したが,原株でO.1m9の例では0.2 mgに,原株0・2mgの例では1株は0.4mgに,

1株は原株と同様な致死量を示した.対照群と して川ひた遠藤赤変性大腸菌では何れもO.4m9

を示した.

 叉溶血性菌株に就ては乳糖非分解群に属する 例に於ては02mgを示す・もの5例,0・4mgを

示すもの3例,S low一 laktose fermenter群では

02m9を示すもの1例, O.4mgを示すもの3例

の成績を示した.

第7章総括並びに考按

 以上の諸実験の成績を総括,考按するに:下記 の如し.

 1.パラ大腸菌の乳糖分解に関する安定性は 乳糖を含有せざる培地に縛幸する時は俣野が報 告せる如く何等の乳糖分解性の変化を認めな かったが,乳糖加ペプトン水に韓印する時は

Seydel, Hassmann, K:riebel,黒木が述べて居 る如き乳糖分解性の変化を認め,培養24時間以 内に乳糖を分解するに至った.然しながら私の 実験に於て乳糖分解性の変化を認めた 菌株は分        

離当初所謂Slow一一1aktose fermenter群に属する ものであり,:NOU−laktese  fermenter群…に:属す

るものでは何等の変化を認めなかった,叉24時 間以内に乳糖分解む示すに至った培:地では乳糖 加B. r.B.塞天雫板上に乳糖分解菌集落と非分 解菌集落の二=様の菌集落の発生を認め,更に乳

糖分解菌に就て選択的韓培を実施することに依 り全集落乳糖分解菌のみとなった、而して之等 の解離菌株の一一me生物学的i生歌よりしてパラ大 腸菌より解離した乳糖分解菌は普通大腸菌と同

一一

ォ状を有するに至るものである.

 2・乳糖分解菌より非分解菌への復帰を遠藤 赤変性普通大腸菌を上灘として実験を試みた

が,Kriebe1, Micke1,等が認めた如き寒天=培;地 保存に依る実験は両菌株群共に非分解菌集落の 発生を認めす,叉実験に使用した各培地の保存 培養法に於ても不成功に絡つたが,胆汁培地,

マラヒット線,サフラニン,クリスタル紫,ブ リヤント線,各水溶液1%加ペプトン水,並び にカウフマン培地輻培養法では実験菌株に於て のみ乳糖非分解菌集落の発生を認めた.之等の 培地中カウフマン培地の韓増が最も早く復帰を

[ 49 ]

(8)

50 野 口

促し,次いでブリヤント線,クリスタル紫,サ フラ=ン,マラヒット緑で,胆汁培地は最も逞 かつだ.而してカウフマン培地が最も良い成績 を示したのは該培地中には胆汁とプリヤント線 の両成分が存するためと思考せられる.対照菌 株たる普通大腸菌株には変異を認めなかった。

この点はKwashima,:L6mmel等の成績と 一ik しなかった.叉実験菌株より解離した乳糖非分 解菌は原株に:比し乳糖非分解性は甚だ不安定で 容易に乳糖分解菌へと解離する傾向を示した.

之等の点よりして恐らく普通大腸菌よリパラ大 腸菌へ容易に変異するとV・ふ成績を挙げた人達 はか製る不安定な菌株を出発点に於て使用した のではなからうか.

 Hassmannが腸内疾患の症状程度に並行して 乳糖分解困難なパラ大腸菌が出るといって居る が,私の試験管内実験の結果に依っても腸内異 常環境がパラ大腸菌を作るだらう }:云ふことが 書ぴ得るのであるが,異常環境に長く固定して おくほど非分解性の安定なパラ大腸菌を得ると いふ如き 成績を認めなかった.

 年増の実験成績よりして大腸菌には乳糖を 容易に分解する普通大腸菌と乳糖を全然分解 せざる大腸菌即ちNon−laktose fermenterと更

にその中間に位する乳糖非分解性の弱V・Slow一

Iakt(鵬餅menterの3群が考へられ,申間に位 するSlew−laktose fermenterカ§研究者に依り論 議せられたのでではなからうかと考へられる.

 3.パラ大腸菌のムタビ・一ル型変異に関して は小林,村瀬,大野等が発表せる如く,分離パ ラ大腸菌に就ても6株の変異菌の存在するこ とを認め,その変異型式も同様で,特にSlow−

lakt⑪se fermenter群より解離した乳糖分解菌の 変異は村瀬が普通大腸菌に就て認めた:事実と一 致した.

 4.パラ大腸菌のマウスに対する病原性に就 ては実験例数少数なる点よりして決定的に論じ 得ないが,対照普通大腸菌に比し病原性大なる もの多数を認めた.即ちパラ大腸菌中最も毒力 強きものはO.1mgで,大多数の菌株の最小致 死量は0・2mgで,対照菌株では0.4mgであっ

た.

 又:Non−laktose fermenterに属するものは SSow−laktos e fermenter tこ属するものに比し梢 it病原性大に,解離乳糖分解菌では原菌株に比

し,若干の病原性の滅少を認めた.

 溶血菌株と非溶血菌株との病原性に関して は,信太,長汐等が認めた如く何等の関係も認 め難く,かへって私の実験に於ては乳糖分解の 有無が病原性と関係する如く思考される.

第8章結

 1,パラ大腸菌中Sl⑪w−lakt⑪se fermenter株 に属するものは1%乳糖加ペプトン水に輔培す ることに依り24時間以内に乳糖を分解するに至

った.

 224時間以内に乳糖分解を示すに至った1

%乳糖加ペプトン水より乳糖加B・ T・:B寒天培 地に培養するに乳糖分解菌集落と非分解菌集落

との二様の菌集落の発育を認め,更に乳糖分解 菌に就て選択的に蒋培を行った結果,全集落乳 糖分解菌となった.

 3.解離乳糖分解菌に就て遠藤赤変性大腸菌

を対照として胆汁培地,マラヒット線,サフラ ニン,クリスタル紫,ブリヤント線,各水溶液 1%加ペプトン水,並びにカウフマン培地に韓 押した結,果,解離乳糖分解菌に於てのみ,乳糖 非分解菌集落の発生を認めた.

 4.パラ大腸菌のマウスに対する病原性は最 も毒力旧きもの0.1mgで大多数は0。2mgであ        gn つた.

 三筆するに當り御指導と御校闘の螢を賜りし恩師谷 教授に満腔の謝意を表す.

t 50 ]

(9)

      文

1) Gilbert u. LiDn: Zbl..C. Bakt. 84; 322

(1920)一 2) Dudgeon: J. Hyg. 22: 348

(1924)一 3) Sandiford: J. Path and Bact.

41:41 (1935). 4) Kriebel,: Amer. J. Pub.

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Sey雌e1: 日本?fi{七器病學會雑誌, 35: 549 (昭和 11年).   8)HassmanR :Zeitsch. f。1(ind.

heil.56:486(1934).   9)黒木:目本賢學 及健康保健3219= 357 (昭和16年).       10)

Kwashima:日本浦化器病學會雑誌,35・549

(昭禾Ull年).   11)厳ickel=Amer.」、 Pub.

Health. 26: 499 (1940). 12) L6rnrneL: J・

Laborat and clinic rned. 31: 958 (1946).

13) Penfold: T. Laborat and clinic rned. 31:

958 (1946). 14) Schaub: T. Laborat and

細菌學雑誌,440:975(昭和7年),

野:細菌學雑誌,440=1001(昭和7年),

19)酋原:細菌學雑誌,449=738(昭和8年),

2①小林:岩波講座,生物學〜VII(昭和5年)・

21) GyOgy: Zb}. f. Bakt. g4: 321 (1920).

22)松尾:児科雑誌,47・723(昭荊116年).

23) Much, SchottrnUl!err: MUch rned. woch−

ensch.9:433(1908).   24)藩合=衛生學傳 染病學雑誌,21:113(大正14〜ユ5年),  25)

鶴岡:千葉轡學會雑誌,10: 162(昭和7年).

26)信太:京都府立醤科大學雑誌,3:181(1929)・

27)長汐:衛生學簿染病學雑誌,32:209(昭和

11年).

clinic med. 31: 958 C 1946>. 15) Neisser:

Zbl. f. Balct. 38: 98 (19Q6)・ 16) Massini:

Arch. f. Hy昏61:250(19⑪7).   17)村獺:

      18)大

【51コ

参照

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