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論文審査の結果の要旨 氏名:友

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:友

博士の専攻分野の名称:博士(歯学)

論文題名:ヒト歯嚢由来細胞のmicroRNA発現解析および骨形成能

-石灰化におけるmiR-29の影響とラット生体での骨形成の評価-

審査委員: (主査)教授 小方 賴昌 (副査)教授 近藤 壽郎 教授 吉垣 純子

歯嚢組織には未分化間葉系幹細胞が存在し, ヒト歯嚢から分離したヒト歯嚢由来細胞 (human dental follicle cells: hDFC) , 骨芽細胞誘導培地 (osteogenic induction medium: OIM) で培養すると石灰化することが報告され ている. 歯嚢は歯科治療の過程で破棄される組織であるため, 新たに生体侵襲を加えることなく採取可能で

ある. そのため, hDFC, 骨再生医療応用や, 石灰化機序研究用の体性幹細胞としての有用性が示唆されてい

.

内在性small non-cording RNAであるMicroRNA , 翻訳やmRNAの分解に関与し, 発生や形態形成,細胞増殖 や分化などの生物学的機能を制御するといわれている. そこで, まず, hDFCの石灰化に関与するmicroRNA 検索を目的に, hDFC microRNAの網羅的遺伝子発現解析を行い, hDFC の石灰化過程で発現変動した microRNAhDFCの石灰化への影響を検討した.

次に, hDFCDexamethasone (DEX) を添加しないOIM [OIM DEX (-)] で培養し, ラット頭頂骨上へ移植した 時の新生骨形成能を検討した. 通常, 未分化間葉系幹細胞のOIMにはDEXを添加するが, DEXは多様な副作 用を有するステロイドであり, 再生医療材料への使用は避けることが望ましい.

著者は, hDFCの石灰化に関与するmicroRNAを検索するとともに, hDFCをラット生体内へ移植した時の新

生骨形成能を検討し, 以下の結果を得た.

1) hDFCの石灰化過程で1/2以下に発現が減少するmicroRNA中にmiR-29a, miR-29b, miR-29cを認めた. 2) OIM DEX (+) で培養したhDFCGMでの培養と比較してmiR-29a, miR-29b, miR-29cの遺伝子発現が減

少した.

3) miR-29 familyの標的遺伝子にcollagen type I α1およびα2を認めた. 4) hDFCmiR-29familyを遺伝子導入すると, I型コラーゲン量が減少した.

5) hDFCmiR-29 familyを遺伝子導入すると, 石灰化が抑制し, 特にmiR-29bは最も高い石灰化抑制効果を 示した.

6) hDFCOIM DEX (-) で培養すると, Alizarin red S染色陽性所見を認めた.

7) hDFCをラット頭頂骨上へ移植後 4週目, 組織学的所見において, 両群ともに新生骨を認めるが, OIM

DEX (-) 群はGM群と比較してより多くの新生骨を認めた.

8) hDFCをラット頭頂骨上へ移植後4週目, Micro-CT画像分析にて, OIM DEX (-) 群はGM群と比較してより 多くの新生骨を認め, BMD, BMC, BVなど全てにおいて高値を示した.

9) hDFC をラット頭頂骨上へ移植後 4 週目, 免疫組織化学的所見において, 両群ともに BMP2, RUNX2, OsterixおよびVEGFの陽性所見を認めた.

本論文は, hDFCの石灰化過程でのmiR-29 familyの発現減少が, I型コラーゲンの産生上昇を誘導する可能

性を示した. また, Dexamethasoneを含まない骨芽細胞誘導培地での培養でも, hDFCはラット生体内において 骨形成を促進することを示した. これらの結果は, hDFCの石灰化機序の一端を明らかにすると同時に, 歯嚢 が骨再生医療のための細胞供給源候補となる可能性を示唆するものである.

よって本論文は, 博士 (歯学) の学位を授与されるに値するものと認められる.

以 上 平成27年1月22日

参照

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