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論文の内容の要旨 氏名:河

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:河 野 愛

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:妊娠高血圧症候群と

Myosin Phosphatase Target Subunit 1

遺伝子

( PPP1R12A )

との関連解

【背景】

血管平滑筋の収縮の調節に関わり血圧の維持に寄与しているミオシン軽鎖のリン酸化には、ミオシン軽鎖 キナーゼ(

MLCK

)とミオシン軽鎖ホスファターゼ(

MLCP

)のバランスが関係する。

MLCP

の脱リン酸 化活性は、調節サブユニットである

Myosin Phosphatase Target Subunit 1

MYPT1

)のリン酸化によっ て制御される。

MYPT1

の遺伝子である

PPP1R12A

遺伝子をノックアウトマウスでは恒久的に血圧が高値 になったとの報告があるほか、

MYPT1

の産生は正常妊娠マウスの子宮動脈で増加するとの報告もある。

れより、

PPP1R12A

遺伝子が妊娠高血圧症候群に関連する可能性を検討した。

妊娠高血圧症候群は多因子遺伝性疾患とも考えられている。多因子遺伝は疾患感受性遺伝子の個人差(バ リアント)が関係していると考えられており、妊娠高血圧症候群の疾患感受性遺伝子を検索することで、

発症機序の解明や発症の予知、予防につながることが期待される。本研究の目的は

PPP1R12A

遺伝子内の

single nucleotide variant

(一塩基バリアント

: SNV

)を遺伝子マーカーとして、個々の

SNV

を用いた関 連解析を実施し、妊娠高血圧症候群の疾患感受性遺伝子とバリアントを見出すことである。

【対象と方法】

2006

年から

2016

年までに日本大学医学部附属板橋病院産科婦人科に受診され、研究に対し同意を得られ た、妊娠高血圧症候群

194

人、妊娠高血圧症候群の既往がないコントロール群

262

人を対象とした。ヒト

PPP1R12A

遺伝子領域のうち

4

つの

SNV

rs7296839

rs11114256

rs2596793

rs2694657

)を選択し た。対象者の末梢血よりゲノム

DNA

を抽出し、

TaqMan

®

PCR

法で遺伝型を同定し、妊娠高血圧症候群

HDP

群)、妊娠高血圧群(

GH

群)、妊娠高血圧腎症群(

PE

群)および加重型妊娠高血圧腎症群(

SPE

群)とコントロール群での関連解析を実施した。

【結果】

rs11114256

において

SPE

群の遺伝型(

p =0.0286

)、

T/T

の頻度(

p =0.0138

)、同群間の

rs2694657

におい ても、

G/G

の頻度(

p =0.0182

)でコントロールに比して有意差を認めた。

ハプロタイプを用いた関連解析では

G-A-A-G

rs7296839 — rs11114256 — rs2596793 — rs2694657

)が、コン トロール群に比較して

HDP

群で有意に多かった(

p =0.038

)。病型分類におけるハプロタイプを用いた関 連解析の結果では、

G-T-A-G

rs7296839 — rs11114256 — rs2596793 — rs2694657

)がコントロール群に比較

SPE

群で有意に多かった(

p =0.011

)。

【結論】

PPP1R12A

遺伝子内の

SNV

SPE

群との間の関連解析で有意差を認め、ハプロタイプを用いた関連解析 でも

SPE

群との間で有意差を認めた。よって、本遺伝子のバリアントが加重型妊娠高血圧腎症の疾患感受 性遺伝子である可能性を示唆した。

参照

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