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ゼミ論西澤

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Academic year: 2021

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平成

25 年度調査研究報告書

車いす利用者がウエディングドレスを

着た際のデザインや移動のしやすさに

関する調査

長野大学 社会福祉学部

伊藤専門ゼミナール

F10074 西澤 華穂

指導:伊藤 英一 教授

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目次 1.はじめに・・・・・・・・・・・・p1 2.目的・・・・・・・・・・・・・・p1 3.調査方法・・・・・・・・・・・p1 4.関連情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p2~3 ① 車いす利用者の主な病名・・・・p2 ②結婚式で着たい衣装統計・・・p2 ③車いすの方のためのドレスを扱っている会社(企業)・・・・p2 ④ドレスライン(デザイン)・・・・・・・・p2~3 5.調査協力をしていただいた衣裳店や企業・・・・・・・・・p3 6.調査結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p3~10 6-1玉姫殿・・・・・・・・・・・・P3~6 ① ドレスの特徴・・・・・・p3 ②ドレスの着脱・・・・・・・p3 ③椅子での姿勢・・・・・・p4 ④車いすへの移動・・・・・p4 ⑤車いすでの姿勢・・・・・p4~5 ⑥グローブ・・・・・・・・p6 6-2 BRIDALSYLISTSOGA・・・・・・・・・・・・・・p6 ①車いすの人のためのオリジナルドレス・・・p6 ②着脱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p7 ③車いすでの移動・・・・・・・・・・・・・p7 ④ドレスのデザイン・・・・・・・・・・・・p8 ⑤車いすへの装飾・・・・・・・・・・・・p8 ⑥トレーン・・・・・・・・・・・・・・p9 ⑦コントローラー部分・・・・・・・・・・p9 ⑧靴への配慮・・・・・・・・・・・・・p10 7.考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p10~11

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8.まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p11 9.参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p11~12

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1 1.はじめに 伊藤ゼミではこれまで、「バリアフリー」について考えてきた。その中でも私が特に興味 を持ったのは、車いす利用者のオシャレについてである。私自身が車いす利用者であるた め、私服は着やすさなどを優先し選ぶ傾向がある。そのため裾の長い服や車いすに絡まっ てしまいそうな服などは選べない。そのため人生において大きなイベントともいえる結婚 式には、好みのドレスを着たいと望むが、ウエディングドレスは引きずる部分も多い。そ のことにより、車いすへの絡まりや見た目が美しくならないことが想定される。しかし、 車いす利用者であろうとなかろうと、女性ならウエディングドレスへの憧れは大きいため、 車いすで着られるウエディングドレスの調査を行おうと思った。 2.目的 車いす生活では、着替えやトイレなどの心配があるため、オシャレを楽しむというより、 着脱のしやすいこと優先して服を選ぶことが多い。しかし車いす利用者としてではなく、 女性としてとらえるのならば、服には少なからず好みのデザインや着心地を求めたい。結 婚式というのはだれもが主役になれる大きなイベントである。女性ならウエディングドレ スへの憧れは大きい。そのため車いす利用者であってもウエディングドレスは、人生で最 大の喜びを感じるための大切な衣装のひとつであると考える。現実では裾が長く車いすに 絡まってしまうことも考えられ、移動が困難なのではないか、ドレス自体のシルエットが きれいに演出できないのではないかという懸念がある。そこで、その懸念をなくす方法は ないかを検討する必要を感じた。車いす利用者の意見を元に作成されたウエディングドレ スについて一般的なウエディングドレスの試着と比較し調査を行った。 3.調査方法 今回の調査では、車椅子利用者のためにデザインしたウエディングドレスを扱う何軒か の衣装店や、一般の貸衣装店にメールを送ったり実際に伺ったりした。このことにより車 椅子の花嫁が着やすく体に負担のかからないウエディングドレスの工夫、着脱への工夫や 着心地、感じたことを考察する。また、通常のウエディングドレスを着たまま車椅子に乗 るとどのようシルエットなのか、移動の際の絡まりなど注意しなければいけない点がどこ にあるのかなどを、車いす利用者のためのウエディングドレスと比較し考察する。このと き、脳性まひによる体幹の機能障害で、日常生活には電動車いすを使用している21 歳の女 性1人を被験者とする。

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2 4.関連情報 ①車いす利用者の主な病名 ・脳性まひ ・二分脊椎などの先天性の疾患 ・脊椎損傷 ・筋委縮性側索硬化症(ALS)などの神経難病 ・筋ジストロフィーなどの遺伝性 ・四肢欠損など ・体が弱いなどの身体的理由 ② 結婚式で着たい衣装統計 ③車いすの方のためのドレスを扱っている会社(企業) ・株式会社アトリエロングハウス ・株式会社曽我 ・dow-corporation ④ドレスライン(デザイン) A ライン シルエットがアルファベットの「A」に似ていることからこの名前が付けられた。ウエ ストからすっと伸びるラインがエレガントな印象を与える。 ベルライン ウエストを細く絞り、腰から裾にかけてベル型に広がるラインである。華やかで人目 を引くため、大きな会場でもよく映える。 スレンダーライン 体のラインにフィットするデザインで、かなり細身のシルエットである。シンプルな 印象のものが多く、大人っぽい雰囲気になる。

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3 マーメイドライン 体のラインに沿ったデザインである。裾にだけギャザーやフレアーを入れ、ボリュー ムを出したシルエットが人魚を思わせるデザインとなっている。 5.調査協力をしていただいた衣裳店や企業 試着や調査に協力していただいた衣装店 ・玉姫殿 ・株式会社曽我 試着や調査協力をして頂けなかった衣装店 ・高砂殿 6.調査結果 6-1 玉姫殿 ① ドレスの特徴 玉姫殿では、一般的なウエディングドレス(以下、ドレスとする。)を試着させていただ いた。デザインとしてはシンプルなもの、ドレスをふわっと見せるパニエや針金の入って いないものを事前に玉姫殿のほうで選んで用意していただいた。 ②ドレスの着脱 ドレスを着るときは玉姫殿のほうにある椅子に移って着替えを行った。ドレスをまたい で着るのが大変なので上からかぶる形で着せてもらった。腰より上をフォックやファスナ ーで止めていったが、その時は座ったままの状態で行うことができた。多少の締め付け感

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4 があり、短時間は我慢できるが長時間座っているとなると思うように体制が変えられない ため負担になると感じた。 ③椅子での姿勢 着替える時に使った椅子の場合なんとかドレス自体のシルエットが保てる。椅子にちょ っとした背もたれがあったため横から見ると少し盛り上がっているが、後ろから見るとあ まり気にならない。(椅子1、椅子2参照) ④車いすへ移動 ドレス姿のまま椅子から車いすに移動した。その際ドレスの裾を持ち上げていないと引 きずってしまう。 ⑤車いすでの姿勢 車いすに座っている状態でのシルエットは、トレーン(後ろの引きずる部分)を背もた れのところにかけるような形にしたのでシルエットが乱れてしまった。(車いす1、2参照) 椅子1 椅子2 椅子に座った時の正面から 車いすに座った時の正面から

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5 裾は長めにできているので足もとは隠れるので靴は見えない状態であった。 着せてもらったドレスにはベールがついており、ベールの長さがあると車いすのタイヤ に巻き込んでしまうことがあり移動は難しい。(車いすのタイヤの部分参照) 車いすのタイヤの部分 背もたれ部分 車いす2 車いす1

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6 ⑥グローブ グローブ(ウエディング用の手袋)をはめさせてもらったが、指をそれぞれ通すタイプは ピッタリとしているためか、はめにくかった。しかし、フィンガーレス・グローブという 指をそれぞれに通さなくてもよいグローブがあり、そちらのほうがはめたりするには簡単 であった。 6-2 BRIDALSYLISTSOGA ① 車いすの人のためのオリジナルドレス BRIDALSYLISTSOGA では、一般的なウエディングドレスやタキシード、着物などの貸 衣装を取り扱っており、その中の一つとして車いすの人のために開発されたウエディング ドレスがある。このドレスは実際に車いす利用者の人に挙式の際、気になった点やこのよ うなドレスなら着やすいなどといった意見をもとに開発された。お尻や背中にくる部分な どにはストレッチのあるジャージ素材を使っている。それは、体に感覚のない人が着た場 合体温調節がうまくできないこともあるので、冷えにくいように考えられている。また、 夏場の場合、汗をかくことも想定され吸水性のよいジャージ素材となっている。 重さもそれほどなく先方で用意していただいた一般的なものよりもだいぶ軽く作られて いる。 写真の左側 BRIDALSYLISTSOGA で扱 っている一般的なドレス 写真の右側 車いすの人のためのオリジナ ルドレス

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7 ② 着脱 着脱はトップスの部分とスカートの部分がわかれており、ともに両端がファスナーとな っているため麻痺や着やすいほうに合わせて着脱が可能になっている。 着方は一度介助してもらい立って、お尻にあたる部分を車いすの座面にひくようにし、 そのまま座った。足もとから腰のあたりまで一つのファスナーになっているため、その後 の着替えへの負担はなかった。また、後ろの部分が伸縮性のある素材になっているため、 苦しさなども全くなかった。背中の部分に装飾やファスナーがないことにより、座った時 に背中への負担を減らすことで褥瘡ができない工夫がされていた。 ③ 車いすでの移動 移動時にキャスターにドレスが巻き込まれないように車いすの高さに合わせてドレスの裾 の長さが変更できるようマジックテープがついていた。 調節前 調節後

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8 ④ ドレスのデザイン ドレスのデザインについては、トップスも 2 種類ありどちらかを選ぶことができる。ま た、ドレスのカバーも 3 種類あり、そのほか自分好みにアレンジできるようなパーツがた くさんあった。ドレスのカバーはスナップボタンで取り外しができるようになっており、 カバーを変えるだけで違うデザインのドレスにすることができる。 ⑤車いすへの装飾 車いす利用者の中ではオーダーメイドの車いすを使用している人もおり、自分の使いなれ た車いすがある人も多い。しかし、真っ白なウエディングドレスと合わせるのには、車い すの色が浮いてしまったりする。少しでもウエディングドレスと車いすが一体化できるよ うに、ひじ掛けのところやタイヤ、背もたれの後ろにつけるカバーなども試作品の段階で はあったが、開発されていた。せっかくのウエディングドレスなので車いすもできるだけ 違う印象になるように開発が進んでいた。 調節前 調節後

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9 ⑤ トレーン 車いす利用者でもトレーン(後ろの引きずる部分)への憧れは強いが、タイヤに絡まって しまうという心配からあきらめてしまう人もいるということが事前の調査で分かっていた。 しかし、そのような要望にも応えられるよう、背もたれに巻きつけて装着するタイプのト レーンが開発されていた。トレーンはつけたいが、バージンロ-ドをおしてもらいたいと の意見が出たため、トレーンのレースの部分を取り外し可能にしてあった。 ⑦コントローラー部分 電動車いすの場合コントローラがついており、ものによって違うが大体黒なのでドレス から色が浮いてしまい目立ってしまう。調査中に気付いたことだったが、りぼんを巻くな どの工夫により、見栄えを良くすることができた。 レースあり レースなし コントローラー部分装飾前 コントローラ部分装飾後

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10 ⑧靴への配慮 実際にはつけてみなかったが靴が見えても大丈夫なように、自分の靴の上からいぶせる 白い靴カバーもあった。下肢に感覚がない人など普通のパンプスを履いた時にぬげてしま ってもわからない。また、体の反射によって体が動いてしまい脱げてしまう人もいる。そ のような人のために、きんちゃく袋のように靴全体を覆いかぶせるようなカバーが開発さ れていた。 7.考察 玉姫殿で試着したドレスは一般的に立って結婚式をするように作られているため全体的 に裾が長く、着替えをしてから車いすに移動する際、移動を介助する人のほかにドレスの 裾をもつ人など多くの人の協力が必要だと感じた。また、ドレスの横の部分や後ろの部分 が特に長めに作られていて車いすの上にかぶせるような形になるため、シルエットも美し くなく、タイヤの部分にも大きくかかってしまうため絡まりやすくなってしまうと感じた。 この状態では電動車いすであっても、自力での移動は不可能であり押してもらうにしても、 足もとでのドレスの絡まりはないか、サイドの絡まりはないかなど気にする点がたくさん ありやはり移動をするという面でも不自由な部分が多いことを感じた。 株式会社曽我のオリジナルドレスは車いす利用者の意見を元に作成されたものなので、 車いす利用者にとっては、移動の際の絡まりを極力気にしなくて良いようにできていたり、 お尻の部分に装飾がないため座り心地も普段と変わりなく過ごせたりという工夫がかなり されてあった。また、背中の部分がストレッチ素材になっていて締め付け感がなく、フィ ット性はあるようになっているので着くずれる心配もないと感じた。ドレス自体のデザイ ドレスの全体

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11 ンも、カバーを取り外すことができ、ドレスを選ぶ際も着替え直すという手間がないため 体にも負担がかかりにくいと感じた。車いす自体もいろいろな装飾ができるので、普段と 違ったイメージを持て、ウエディングドレスの持つ純白といったイメージにも近づけられ るのではないかと感じた。 しかし一般的なドレスも車いすの人のためのオリジナルドレスも実際の結婚式で使用し た事例は調査した中では未だないと聞いた。絡まりや着にくさ、自分の好きなドレスを選 べないのではないかといった不安があるのだと思った。車いす利用者のために開発された というこのようなドレスがあることを知らない人もまだたくさんいるのではないか、車い すだからといって結婚式をあきらめてしまう場合もあると思う。 8.まとめ この調査を通じて、車いす利用者が一般的なドレスを着ることもできるが、その際はよ り多くの人の手助けが必要となることがわかった。また、気に入ったドレスのデザインが あったとしても、車いすの上にかぶせる形になってしまうため美しく見えないこと、ドレ ス自体の重量が重いと、その分体にも負担がかかってしまうことを実感した。また、パニ エ(ドレスを膨らませ、ふわっとした印象に見せるためスカート部分の下に着るもの)が 入らないドレスといった限定的なドレスの選び方になってしまって、少し妥協した形での ドレス選びになってしまう可能性もある。その点では車いすの人のためのオリジナルドレ スのほうが、いろいろなパーツを組み合わせることによって自分好みにアレンジできる可 能性は広がっている。また、カラードレスも扱っていることにより披露宴でのお色直しと いうことも可能である。絡まる心配が少ない分、自分で移動ができ、移動を手伝ってもら う場合は、介助者も式自体に集中できる。結婚式を楽しめるデザインになっているため、 このようなドレスがあることにより結婚式を挙げるきっかけにもなれば良いと感じた。し かし、装飾用のパーツの種類が一般的なドレスに比べて少ないことや、車いす利用者にこ のドレスの存在があまり知られていないことなど、まだまだ課題がある。今後は、さらに いろいろな装飾が増えることや、より多くの人にこのドレスを知ってもらうことが望まれ る。 9.参考資料 ①「入門リハビリテーション概論 第4 版」中村隆一 編者 2002 医歯薬出版株式会社 ②「ユニバーサルファッション概論」財団法人日本ファッション教育振興協会 編者2002 財団法人日本ファッション教育振興協会 ③調査のちから「結婚式で着たい衣装は?」 http://chosa.itmedia.co.jp/categories/investment/11177 ④株式会社アトリエ ロングハウス http://www.piroracing.com/jeans/wedding/#03

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12 ⑤BRIDALSYLISTSOGA http://www.soga.co.jp/wheelchair/ ⑥株式会社 dow-corporation http://dow-corporation.jp/ ⑦上田玉姫殿 http://www.tamahimeden.com/tamahime/ ⑧上田高砂殿 http://ueda-takasagoden.com/ ⑨ドレスライン http://www.worldforwater.org/dress.html 10.謝辞

この調査にあたり、ご協力いただきました上田玉姫殿様、BRIDAL STYLIST SOGA 様 に深くお礼申しあげます。本当にありがとうございました。

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平成26 年2月発行 本件に関する問い合わせ先 伊藤英一(教授) http://www2nagano.ac.jp/ito 長野大学 社会福祉学部 長野県上田市下之郷658-1 0268-39-0001(代)

参照

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