第 3 章
3 - 1
第 3 章
プロジェクトの内容
3-1 プロジェクトの概要
イラク国 の電 気 通 信 サービスは、戦 争 による機 材 等 の損 傷 によって、既 存 のアナログマイクロ伝 送 路 は機
能 を停 止 している。また、それに接 続 す る交 換 機 も損 傷 によって、サービス可 能 な回 線 数 が大 幅 に限 定 され
ている。かかる状 況 を改 善 するため、同 国 政 府 は緊 急 に現 在 の基 幹 通 信 網 を復 興 させることを計 画 し、その
ために必 要 な機 材 を設置して公 共 における通 信 の手 段 を確保 することを目 標 とするものである。
本 プロジェクトは、上 記 目 標 を達 成 す るために戦 争 にて被 害 を受 けた既 存 機 材 の更 新 を行 うとともに、イラ
ク国 側 技 術 者 に当 該 機 材 の維 持 管 理 に必 要 な訓 練 を実 施 す ることとしており、これにより、公 共 における通
信 手 段 を確 保 す ることが期 待 される。尚 、この中 において、協 力 対 象 事 業 は、イラク国 南 北 基 幹 通 信 網 の建
設に必 要 な伝 送 ならびに交 換 機 材 を調達し、それらを設 置するものである。
3-2 協力対象事業の概略設計
本 概 略 設 計 調 査 におけるイラク国 関 係 者 との協 議 において要 請 のあった内容および優先順位については
以 下 の通 りである。なお、国 際 中 継 交 換 機 は、イラク側 で既 に調 達 及 び 据 付 け工 事 を実 施 していることから、
イラク側が要 請を取り下 げた。
第 1 位:南北基幹通信網(バックボーン)の復興整備
バ グ ダ ッ ド か ら 南 539km までのメインルートと北 377km までのメインルート、基 幹
通 信 伝 送 路 か ら 分 岐 中 継 さ れ る 分 岐 ル ー ト( リ ハ ビ リ 対 象 無 線 局 :計 36 局)の更新
並 び に テ レ ビ 伝 送 機 材 の 更 新
第 2 位:国内電話交換網の復興整備
中継・市外交換機(10 台 )と市内交換機(7 台)の復興整備、100 小容量デジタルマ
イ ク ロ 波 伝 送 リ ン ク 設 備 (100 台) の供与
第 3 位:国際通信網の復興整備
イ ン テ ル サ ッ ト 地 球 局 の 更新 (2 基 )
本 調 査 団 はイラク国 側 からの要 請 内 容 を検 討 し、緊 急 無 償 資 金 協 力 としての妥 当 性 について裨 益 効 果 の
面 を中 心 に検 証 し、本 案 件 における相 応 しい供 与 内 容 を『南 北 基 幹 通 信 網 整 備 計 画 』、及び『市 外 電 話 交
換 網 整 備 計 画 』として結 論 付 けた。なお 検 討 に当 たっては、上 記 要 請 項 目 のうち、基 幹 通 信 網 中 の分 岐 部
分 のテレビ伝 送 機 材 、市 内 交 換 機 、小 容 量 デ ジ タ ル マ イ ク ロ 波 伝 送 リ ン ク 設 備 及 び インテルサット地 球
局の機 材 は、次 の理 由 で協 力 対 象 から除 外 した。
- テレビ伝 送 機 材 (一 部 のラジオ局 も含む): 幹 線 から分岐す る局 の放 送 機 材 及 びそこに接 続 するマイクロ
波 無 線 伝 送 機 材 については、緊 急 性 が低 いと判 断 される。ただし、幹 線 経 路 中 にあるテレビ局 機 材 は、ニ
ュースの配 信 等 に活 用 できることから、イラク国 民 に裨 益 する点 で協 力 対 象 に含 める。
- 市 内 交 換 機 : 電 話 加 入 者 系 の整 備 は当 初 からイラク側 の要 請 には含 まれていないため、加 入 者 系 を上
位の交 換 網 に接 続 する役 割 の市 内 交 換 機 の整 備 についても、イラク側 で実 施 することが適 当 である。
- 小 容量デジ タルマイクロ波伝 送リン ク設備 : 主に 市内 交換 局と 中継 ・市外交換局とを無線で結
ぶ た め に 使 用 さ れ る 機 材 で あ る こ と か ら 、市 内 交 換 機 と 合 わ せ て イ ラ ク 側 で 整 備 を 行 う こ と が 適
当 で あ る 。
- インテルサット地 球 局 : 国 際 通 信 には必 要 な機 材 であるが、現 在 でも何 とか超 小 型 衛 星 地 球 局 で国 際 通
信を行っている状 況 から、緊 急 性 は高 くないものと判 断 される。
3-2-1 設計方針
南北基幹通信網整備計画
(1) 設計方針
既 存 の南 北 基 幹 通 信 伝 送 路 が機 能 を停 止 していることから、協 力 対 象 事 業 案 の南 北 基 幹 通 信 伝 送 路 は、
バグダッドから南 539km(12 区間)まで中継されるメインルートと北 377.4km(10 区間)まで中継されるメインル
ート及び基幹通信伝送路から分 岐 中 継 されるスパー(分岐)ルート(8 端末局)からなり、計 32 マイクロ波無線
局がルート上 に組 み込 まれる設 計 とした(図 3.2.1 参 照 )。
協 力 対 象 事 業 では、固 定 電 話 サービスの疎 通 率 改 善 を主 目 的 として、交 換 機 と交 換 機 を接 続 する中 継
回 線 の整 備 を優 先 する必 要 があると考えた。南 北 ルート基 幹 中 継 伝 送 路 においてメインルートを構成する 22
のマイクロ波 無 線 局 と中 継 交 換 機 (TS)で終端される7 のスパー区間について、デジタルマイクロ波伝送方式
で既 存 ルートを再 構 築 する(図 3.2.2 参照)設 計 とすれば、既存の局 舎 を最大限利用することが可 能 となるた
め事 業 費 を抑えられる。
また、既 存 のアナログ方 式 をデジタル方 式 基 幹 通 信 伝 送 路 として復 興 させるため、同 じ中 継 伝 送 ルート上
に新 しくSDHマイクロ波 伝 送 設 備 を設 置 し、デジタル方 式 によりマイクロ波 伝 送 路 の復 興 を図 る。さらに、既
存 ルートと同 じ周 波 数 帯 を使 用 してアナログからデジタル方 式 へ置 換 する計 画 にすることによって、電 波 のク
リアランス及び干渉に関する伝 搬 調 査 を必 要 としないという利 点 がある。
南 ルートの主 な経 由 都 市 :Baghdad∼Samawa∼Nassyriah∼Basra
北 ルートの主 な経 由 都 市 :Baghdad∼Samara∼Tikrit∼Mosul
3 - 3
11GHz 帯 を使用する。これにより、1無 線 システム当 たり155Mbps の伝 送 容 量 を有することができる。
表 3.2.1 に方式の主要諸元を示す。
表 3.2.1 マイクロ波 無 線 方 式 主 要 諸 元
諸元
主ルート
SPUR (分岐 )ルート1
SPUR(
分岐)ルート2
周波数帯
U6GHz 帯
(6430-7110MHz)
L6GHz 帯
(5925-6425MHz)
11GHz 帯
(10700-11700MHz)
伝送容量
155 Mbps
/SYS(STM-1)
155 Mbps
/SYS(STM-1)
155 Mbps
/SYS(STM-1)
変調方式
64 QAM
128 QAM
64 QAM
周波数配置
ITU-R F384-6
(40 MHz 間隔 )
ITU-R F383-5
(29.65MHz 間隔 )
ITU-R F387-7
(40 MHz 間隔 )
標準中継距離
50 km
20-30 km
20-30 km
送信出力
33 dBm/キャリア
32 dBm/キャリア
30 dBm/キャリア
フェージング対策
FD+SD 方式
FD 方式
FD 方式
システム数 (現 用 + 予
備)
4+1(
最大 11+1)
2+1(
最大 11+1)
1+1,2+1,4+1(最
大 11+1)
(3) 機材調達
新 しく機 材 調 達 を予 定 す るのは、パラボラアンテナ(直 径 3.6m)、SDH 無 線 設 備 、SDH 伝 送 端 局 設 備
(SDH MUX)、PCM 伝 送 端 局 設 備 (PCM MUX)、ネットワーク管 理 システム、DC 電 源 設 備 で、鉄 塔 、自 家 発
電 設 備 、AC 受 配 電 設 備 、空 調 設 備 及 び 建 屋 は既 存 設 備 を利 用 する。バックボーンルートを構成する一 部
(7 カ所)の中継局は鉄 塔 の倒壊、建物の損傷があるので修復する必要がある。なお、建物の修復はイラク側
の負 担 事 項 である。
建 物 の修 復 を必 要 とするマイクロ波 無 線 局 :Mashraq、Baiji、Mamoun、Baghdad TV、Sink、Ghabaychia、
Nikaiyia。
(4) 運用保守体制
基 幹 通 信 網 のマイクロ波 無 線 局 の運 用 保 守 は、バグダッド、モスル、バスラの保 守 センターにおいて集 中
監 視 制 御 を実 施 す る。保 守 センターにネットワーク管 理 システム(NMS)を、また、各 マイクロ無 線 局 にローカ
ル管 理 端 末 を設 置 する。
伝 送 装 置 予 備 品 は北 部 と南 部 のメインテナンスセンターに集 中 配 置 し、中 継 無 線 局 には配 備 しない。マイ
クロ波 伝 送 無 線 設 備 の故 障 発 生 時 には、メインテナンスセンターから保 守 技 術 者 が駆 けつけ故障修理するも
のとする。
無 線 局 は原 則 、無 人 化 運 用 が可 能 な設 計 とする。
(5) イラク側負担事項
イラク側 との協 議 により、以 下 の項 目 についてはイラク側の負 担 事 項 であることを確認した。
(a) 損壊 した建物及び鉄塔 の修復(7 ヵ所)
(b) イラク側 で調達する機 材 の設 置 工 事 、現 地 調 整 試 験 、設 備 受 け入 れ試 験 の実 施
(c) AC 受 配 電 設 備
(d) ディーゼルエンジンジェネレータ(DEG)
(e) パラボラアンテナ取 り付 け金 具 、接地及び避雷設備 、空 調 設 備 等 付 帯 設 備
市外電話交換網整備計画
(1) 設計方針
南 北 約 1,000km のマイクロ波基幹通信伝送路に沿 って、首都バグダッド及び地方都市 8 県において、特
に人 口 が密 集 する 9 主要都市(Baghdad、Mosul、Kerbalah、Hilla、Nadjaf、Diwariya、Samawa、Nassyriah
及び Basra)の10 ヵ所に交換機と交換機を接続する中継・市外交換局設備(デジタル電話交換機)を、既 存
局 舎 内 に設 置 する計 画 とする。これにより、9 都市間の市外通話呼は南 北 ルート基幹通信伝送路を経由して
電 話 交 換 されることが可 能 となり、電 話 回 線 に換算して 145,000 回線のトラヒックを復旧させることができる(図
3.2.4 参照 )。
(2) 交換設備システム構成
3 - 5
表 3.2.2 交 換 方 式 概 要
項目
仕様
交換機容量
- 中継・市外交換機: 10,000 - 20,000 チャンネル
トラフィック(呼量) -
0.8 アーラン /チャンネル
トラヒック分布
- 自局内呼 : 30%
- 市内呼 : 40%
- 市外・国際呼 : 30%
信号方式
- 90% : No.7 信号方式
- 10% : R2 信号方式
蓄電池
- 密閉型(保持時間: 8 時間)
整流器
- 単相 220V( 3 相 380V)
- 冗長構成: N + 1
(3) 機材調達
新 しく機 材 調 達 をするのは、交 換 機 本 体 、ソフトウエア、DDF(デジタル主 配 線 架)、端 子 盤 ・保 安 器 、直 流
設備(整 流 器 、蓄 電 池 、DC 分配器)、工事用材料、保守用部品等である。
建 屋 は既 存 のものを利 活 用 する。AC 電源(ディーゼル発電機を含む)及び空調設備はイラク側が負担し、
電 話 局 の損 傷 箇 所 はイラク側で修 復 する。
(4) 運用保守体制
今 回 設 置 予 定 の交 換 設 備 の集 中 監 視 制 御 が行えるように、バグダッドに O&M センター(運用保守センタ
ー)を設 置 する。交 換 機 予 備 部 品 はバグダッドの O&M センターに集中配置し、必要に応じてセンターから配
送し故 障 修 理 する。
(5) イラク側負担事項
イラク側 との協 議 により、以 下 の項 目 についてはイラク側の負 担 事 項 であることを確認した。
(a) 損傷 した建 物 の修 復 (バグダッドI (Mamoun),バグダッドII (Sink))
(b) イラク側 で調達する機 材 の設 置 工 事 、現 地 調 整 試 験 、設 備 受 け入 れ試 験 の実 施
(c) AC 受 配 電 設 備 の準 備
(d) ディーゼルエンジンジェネレータ(DEG)の設 置
(e) 接地設備や空調設備等付帯設備 の設 置
3-2-2 基本計画
本 協 力 対 象 事 業 はマイクロ波 によって南 北 基 幹 回 線 網 を復 旧 し、合 わせて市 外 電 話 交 換 網 を整 備 するこ
とによって、イラク国の電 気 通 信 サービスを向 上 させる計 画 である。このうち、我 が国の無 償 資 金 協 力 によって、
基 幹 回 線 網 を構築するマイクロ波 無 線 伝 送 装 置 や 、交 換 網 を構築する中 継 ・市 外 交 換 機 等 を供 与 ならびに
設 置 す る。また、イラク側 は機 材 設 置 に必 要 な局 舎 及 びアンテナ鉄 塔 を整 備 し、機 材 運 転 ができるように商
用 電 源 と非 常 用 発 電 機 等 を確保する。
(1) 全体計画
新 機 材 の据 付 けは基 本 的 に既 存 機 器 が配 置 されている同 じ場 所 に設 置 する。新 機 材 設 置 のための局 舎
は戦 争 によって損 傷 を受 けているサイトもあり、そのようなサイトは局 舎 を修 復 あるいは新 設 す る。大 きな被 害
を受 けているサイトは全 体 数 からみて少 数 であるため、新 機 材 設 置 のために既 存 局 舎 を使 用 することは適 切
であると考える。また、既 存 局 舎 には既 に電 源 設 備 があり、それらを最 大 限 活 用 することが可 能 である。ただし、
電 源 設 備 は劣 化 状 況 に応 じて更 新 する必 要 がある。
(2) 機材計画
本 計 画 に係る主 要 機 材 は添 付 の資 料 7 に機材リストとしてまとめた。
3 - 7
3-2-3 概略設計図
図 3.2.1 イラク国 南 北 基 幹 通 信 網 構 成 図
Sink ExIran
Syria
Jordan
Saudi Arabia
Kuwait
Turkey
Persian
Gulf
Hilla Ex Diwariya Ex Kufa Samawa TV Nasiriyah TV Mosul TV Shirqat Tarmiya Mamoun Ex Bayia Mussaiev Abu Tabikh Ghabaychia Darradjhi Mashraq Baiji Fatha Qayara Tikrit Samara Nassyriah Ex Basra Ex Nikaiyla Nadjaf Ex Balad バックボーンルート Bagdad TV Kerbarah Ex バックボーンルート 分岐ルート 分岐ルート Shiyoukn Samawa Ex Mosul Ex Ex:交換局 TV:テレビジョン放送局 Shiyoukn Balado Backbone Route Ex:Exchange Station TV:Television StationSaudi Arabia
Backbone Route Spur RouteSaudi Arabia
Backbone Route Spur Route Baghdad TV Nassyriah TV Sink ExIran
Syria
Jordan
Saudi Arabia
Kuwait
Turkey
Persian
Gulf
Hilla Ex Diwariya Ex Kufa Samawa TV Nasiriyah TV Mosul TV Shirqat Tarmiya Mamoun Ex Bayia Mussaiev Abu Tabikh Ghabaychia Darradjhi Mashraq Baiji Fatha Qayara Tikrit Samara Nassyriah Ex Basra Ex Nikaiyla Nadjaf Ex Balad バックボーンルート Bagdad TV Kerbarah Ex バックボーンルート 分岐ルート 分岐ルート Shiyoukn Samawa Ex Mosul Ex Ex:交換局 TV:テレビジョン放送局 Shiyoukn Balado Backbone Route Ex:Exchange Station TV:Television StationSaudi Arabia
Backbone Route Spur RouteSaudi Arabia
Backbone Route Spur Route Baghdad TV Nassyriah TV バックボーンルート Ex:交換局 TV:テレビジョン放送局Saudi Arabia
バックボーンルート 分岐ルート 分岐ルートSaudi Arabia
4 システム(現用)+ 1(予備) 2 システム+ 1 1システム+ 1 デジタルマイクロ 波システム構成図 3.2.2 協 力 対 象 事 業 デジタルマイクロ波伝送ルート概 略 図
Mamoun (Baghdad I) Baghdad TV Bayia Sink (Baghdad II) Mussaiev Hilla Kufa Kerbarah Nadjaf Diwariya Abu Tabikh Samawa TV Darradjhi Samawa Nassyriah TV Nassyriah Souq al Shiyoukn Ghabaychia Nikaiyia Basra北ルート基幹デジタルマイクロ波伝送路
南ルート基幹デジタルマイクロ波伝送路
Tarmiya Balado Samara Tikrit Baiji Fatha Shirqat Qayara Mashraq Mosul TV Mosul 協力対象中継 交換機(TS) Souq al Shiyoukn3 - 9
図 3.2.3 デジタルマイクロ波 伝 送 ルートシステム構成図
Mamoun (Baghdad I) Baghdad TV Bayia Sink (Baghdad II) Mussaiev Hilla Kufa Kerbarah Nadjaf Diwariya Abu Tabikh Samawa TV Darradjhi Samawa Nassyriah TV Nassyriah Souq al Shiyoukn H=110m Souq al Shiyoukn EX Ghabaychia Nikaiyia Basra北ルート基幹マイクロ波伝送路
南ルート基幹マイクロ波伝送路
Tarmiya Balado Samara Tikrit Baiji Fatha Shirqat Qayara Mashraq Mosul TV Mosul 協力対象中継 交換機(TS) TV TV TV TV H=45m H=102.5m 11 GHz 7.23 km L6GHz 38.98km H=35m H=47m U6GHz 25km U6GHz 36.12km H=77m U6GHz 49.55km H=51m H=91m U6GHz 21.32km H=92m U6GHz 41.07km U6GHz 46.87km H=77m H=52m U6GHz 33.75km H=106m U6GHz 44.71km L6GHz 40.24km H=70 m H=25m U6GHz 52km U6GHz 29km H=160 m U6GHz 50km 11GHz 15km 11GHz 8km H= 100m U6GHz 35.7km H=98m U6GHz 50km H=100m H=90m U6GHz 49km H=100m 11GHz 9km H=40m H=55 m L6GHz 34km H=20m H=70m H=300m H=70m H=90m H=85m H=50m 11GHz 2km H=90m 11GHz 10km U6GHz 45km U6GHz 41.5km U6GHz 46km U6GHz 48.6km U6GHz 40.7km U6GHz 44km H=90m H=110m 11GHz 2km 11GHz 3km図 3.2.4 協 力 対 象 事 業 市 外 電 話 交 換 網 概 略 図
デジタルマイクロ波伝送バックボーン
TS(
市外交換局)
LS(
市内交換局)
固定電話話加入者
LS1
LS2
LS3
LS4
LS5
LS 6
LS7
Baghd ad−1 Baghd ad−II Mosul Kerbarah Hilla Nadjaf Diwariya Samawa Nassyirya Basra14−Jul Ghadir Dawasa Abi-Tamam
Muthana
Dept. Qibleh Jami’at
TS1
TS2
TS3
TS4
TS5
TS6
TS7
TS8
TS9
TS10
< Baghdad >
<Ninawa>
(Mosul)< Basra >
中継交換網 加 入 者 回 線 網 無償資金協力範囲< Muthanna >
デジタルマイクロ波伝送バックボーン
TS(
市外交換局)
LS(
市内交換局)
固定電話話加入者
LS1
LS2
LS3
LS4
LS5
LS 6
LS7
Baghd ad−1 Baghd ad−II Mosul Kerbarah Hilla Nadjaf Diwariya Samawa Nassyirya Basra14−Jul Ghadir Dawasa Abi-Tamam
Muthana
Dept. Qibleh Jami’at
TS1
TS2
TS3
TS4
TS5
TS6
TS7
TS8
TS9
TS10
< Baghdad >
<Ninawa>
(Mosul)< Basra >
中継交換網 加 入 者 回 線 網 無償資金協力範囲< Muthanna >
3 –11
3-2-4 施工計画/調達計画
本協 力 事 業 は、南 北 約 1,000km にわたる無線 伝送路上 の無線中継 局および電話交換局 で、戦争で
損 傷 を受 けた既 存 の無 線 設 備 や 中 継 ・市 外 交 換 設 備 を新 設 備 と取 り替 え、南 北 基 幹 通 信 網 の整 備 を総
合 的 に行 うことを目 的 とする。本 協 力 事 業の実施 機 関 であるITPC は、本計画を円滑かつ遅滞なく実行す
るため、実 行 スケジュール及 び担 当 業 務 の実 施 で齟 齬 を発 生 させないよう調 整 する必 要 があり、ITPC 内
に、プロジェクトを円 滑 に進 めるため、例えば、プロジェクト管理 実 施本 部(Project Management Unit)を構
築することが求 められる。
ITPC は、プロジェクトの全 体 の作 業 を援助するコンサルタントと共に、コンサルタントが詳 細 設 計 を開始
する前に、ITPC のプロジェクト・マネージャーやカウンターパートとコンサルタントからなるプロジェクト・チー
ムを編 成 することが望 まれる。同 チームは、計 画 されている設 備 の詳 細 設 計 、技 術 仕 様 書 等 の入 札 書 類
の作 成 、工 事 請 負 契 約 者 の選 定 、工 事 監 理 等 を行 うと共 に両 国 関 係 機 関 や工 事 請 負 契 約 者 と密 接 な
連 絡 ・調 整 を行 う。また、全 体 事 業 の工 程 管 理 と総 合 調 整 を行 い、工 事 が遅 滞 なく円 滑 に進 められるよう
体 制 を整える。
3-2-4-1 施工方針/調達方針
(1) ローカル・コンサルタントの雇用
邦 人 コンサルタントは、治 安 上 の理 由 でイラク国 内 に入 り直 接 的 にプロジェクトの監 理 をしないことを前
提 としている。その為 、邦 人 コンサルタントはヨルダン国 アンマン市 を拠 点 として、本 事 業 実 施 のための詳
細 設 計 、現 地 調 査 及 び工 事 監 理 等 の活 動 を行 う。また、イラク人 ローカル・コンサルタントを雇 用 して、イラ
ク国 内 で必 要 となる現 地 調 査 や工 事 監 理 等 の業 務 を一 部 委 託 して、本 計 画 の詳 細 設 計 ・工 事 監 理 を行
う方 針 とする。
(2) 現地施工業者の経験と能力
ITPC は、過去 2 度 の戦 争 により破壊 された通 信 設 備 の復 興 に関し、経 済 制 裁 による少 ない資 金 を有
効 に活 用 す るため、外 国 の機 器 製 造 会 社 より資 機 材 を購 入 し、それらの資 機 材 の設 置 工 事 は製 造 業 者
の技 術指 導を受けて ITPC が直営で実施している。土木工事については、民間の建設会社に工事を委 託
している。そのため、通 信 設 備 の設 置 工 事 については、ITPC 以外の民 間 施 工 業 者 の経 験 と能 力 が不 足
している。
(3) ITPC 側負担業務と技術調整
本事 業 では、局舎・塀 及び鉄 塔 の修 復・新 設 、商 用 AC 電源設備、自家発電設備や空調設 備 等の整
備・新 設、不 要 設 備 の撤 去 等の ITPC 側が負 担する多数の業務がある。特 に ITPC の負担する新設備の
設 置 に関 しては、日 本 側 が供給する新 設 備 と密 接 に関 連 する技 術 事 項 があり、ITPC とコンサルタントで
詳 細 設 計 時 に技 術 調 整 を行 い、更 に請 負 契 約 者 の選 定 時 にも請 負 契 約 者 を含 めて技 術 調 整 が必 要 と
なる。
(4) 現地施工業者の活用
イラクでは、ITPC が電話設備工事を殆ど直 営で実施している。そのため、ITPC 以外の民 間施工業者
は通 信 設 備 の設 置 工 事 に関する実 務 経 験 が不 足 している。このため、日 本 の工 事 請 負 契 約 者 が、イラク
の現 地 施 工 業 者 を活用するには、イラク側 工 事 担 当 者 に工 法 に関 する技 術 訓 練 を実 施 することが必 要で
ある。
(5) 第三国人施工業者の活用(ハードウエア)
無 線 や交 換 設 備 の設 置 (ハードウエア)は通 常 の機 材 の設 置 とは異 なり、その専 門 家 が細 心 の注 意 を
払 って据 付 け、その後 機 器 全 体 の試験や調整を行 う。このため現 地 での調 整 試 験 は、本 来 ならば製 造 業
者 の専 門 家 が現 地 で実施すべきであるが、今 回 のように実 施が不 可 能 な場 合にはその専 門 家 を第 3 国
から雇用して実 施することが必 要 となる。
(6) 第三国人施工技術者の活用(ソフトウエア)
交 換 設 備 はソフトウエアで稼動する一 種 のリアル・タイム・コンピュータであり、その交 換 設 備 の設 置 には
それに精 通 したソウトウエアの専 門 家 が必 須 である。イラクの場 合 、電 気 通 信 プロジェクト建 設 に参 加 した
民 間 建 設 会 社 の技 術 者 にはこの業 務 経 験 はないと思 われる。そのため、工 事 請 負 契 約 者 はソフトウエア
の専 門 家 を第 三 国 から雇 用 して現 地 へ要 員 配 置 する必 要 がある。
3 –13
3-2-4-2 施工上/調達上の留意事項
(1) 工事完成期日の厳守
本 協 力 事 業 では、新 設 備 の現 地 搬 入 前 に、損 傷 している建物の修 復 等 ITPC 側の負担事項が完了し
ている必 要 があり、それが出 来 ない場 合 には請 負 契 約 者 は設 置 工 事 を開 始 できない。請 負 契 約 者 と
ITPC 側 がそれぞれ担 当 する工 事 の進 捗 について、双 方 の密 接 な調 整 が必 要 であると共 に、個 々の担 当
工 事 の完 了 予 定 を厳 格 に遵 守 することが必 須 である。
(2) 重機等の必要性
無 線 のアンテナ及 び 付 属 設 備 の設 置 や既 存 の設 備 を撤去する工 事 は高 所 で行 われるためクレーン車
あるいはウインチが必 要 である。アンテナ及 び 付 属 設 備 以 外の通 信 設 備 の設 置 工 事 は、全て屋 内 で実 施
される。通常 、局 舎 の 2 階或いはそれ以上の階への新資機材の搬入には、搬入口と簡易クレーン設備が
設 置 されている。現 地 調 査 の写 真 等 から判 断 するとその設 備 がない場 合 もあるので、簡 易 クレーンの設置
状 況 を詳 細 設 計 時 に調 査 する必 要 がある。現 地 で調 達 が不 可 能 な場 合 、請 負 契 約 者 がクレーン車 ある
いはウインチをイラクに持ち込む必要がある。
(3) 主要資機材と工事材料
木 材 や ロープ等 の仮 設 材 はイラクで入 手 できるが、それ以 外 の主 要 資 機 材 や 工 事 材 料 は、イラクでは
入 手 出 来 ないので輸入する必 要 がある。
3-2-4-3 施工区分/調達・
据付区分
本 無 償 資 金 協 力 が実施された場 合 、日 本 側 負 担 分 とイラク側 負 担 分 を次のように区 分 する。
(1) 日本側負担分
(a) 新 設 備 設 置 の詳 細 工 事 設 計
(b) 新 設 備 の主 要 資 機 材 の供 給
(c) 新 設 備 の工 事 用 資 材 の供 給
(d) 新 設 備 の設 置 工 事
(e) 新 設 備 設 置 のための日 本 国 内 での技 能 訓 練 (ハードウエア設 置 、試 験 、コミッショニング)
(f) 新 設 備 設 置 のための日 本 国 内 での技 能 訓 練 (ソフトウエア)
(g) 新 設 備 設 置 工 事 中 に生ずるあらゆる技 術 的 問 題 の解 決 の援助 (ヨルダン)
(h) 新 設 備 設 置 工 事 中 に生ずるあらゆる技 術 的 問 題 の解 決 の援助 (日 本 国 内 )
(2) イラク側負担分(共通関係)
(a) 局舎 およびその他 設 備 の修復 ・建 設 に必 要 な用 地 の確 保
(b) 新 設 備 建 設 に伴 う電 気 、水 、排 水 設 備 、外 線 電 話 線 、仮 設 資 材 置 き場 等 の準 備
(c) 全 プロジェクト業 務 を統 括 するプロジェクト管 理 実 施 本 部 (Project Management Unit)の設置
(d) プロジェクトの統括 責 任 者 及び各 担 当 者 の任命 や組 織 等 の編 成
(e) 新 機 材 の通 関 ならびに免 税 措 置
(f) 輸 入 資 機 材 を保 管 する倉 庫 の準備
(g) 新設備の維 持 管 理 組 織 の編 成 と要 員 の配 置
(h) 工 事 中 の局 舎 及 び納 入 機 材 の警 備 の実 施
(i) 上 記 業 務 の実 施 のための必 要 な予 算 措 置
(3) イラク側負担分(技術関係)
(a) 新 設 備 の詳 細 設 計 に必 要 な資料および情報の提供 (コンサルタントへ)
(b) 破 壊 または損 傷 を受 けている建 物 の修 理 または建 設
3 –15
(i) 既 存 の自 家 発 電 装 置 (DEG)及 び 関 連 設 備 が破 壊 あるいは損 傷 を受 けている場 合 、それらの修
理あるいは新 自 家 発 電 装 置(DEG)及び関連設備の購入と設置
(j) 既 存 の空 調 設 備 が破 壊 あるいは損 傷 されている場 合 、修 理 あるいは新 設 備 の購 入 と設 置
(k) 既 存 の伝 送 設 備 (光 ファイバー端 末 )が破 壊 あるいは損 傷 を受 けている場 合 、修 理 あるいは新 設
備の購 入 と設置
3-2-4-4 施工監理計画/調達監理計画
(1) コンサルタントの雇用
本 計 画 を適 切 に施 工 管 理 するため、ITPC のプロジェクト管 理 実施本部(PMU)の下に ITPC の職員とコ
ンサルタント(イラク国 内 ではローカル・コンサルタントが代 行)からなるプロジェクト・チームを組織し、関係各
部 の意 見 調 整 を計 りつつ計画の達 成 を目 指 す 。本 計 画 の進 捗 等 監 理 業 務 を以 下 のとおり実 施 す る。プ
ロジェクトの実 施 過 程 は、(i)詳細 設 備設 計 と請負契約者の選定、(ii)施工と工事監理の 2 つに区分される。
詳 細 設 計 の過 程 では、現 地 調 査 、詳 細 設 備 設 計 、入 札 仕 様 書 の作 成 、入 札 書 の審 査 、請 負 契 約 書 の
作 成 等 がある。また、施 工 の過 程 では、詳 細 設 備 設 置 設 計 図 の審 査 、製 造 された機 材 の工 場 検 査 立 会
い、機 材 設 置 の管 理 、試 験 やコミッショニング、ITPC への完 成 設 備 の引 渡 しへの立 会 い等 がある。長 期
間 にわたり多 々の複 雑 な業 務 の援 助 を行 うため、コンサルタントの雇 用 が必 須 である。現 時 点 では、邦 人
のコンサルタントのイラクへの入 国 が不 可 能 であるため、ローカル・コンサルタントを雇用してイラク国 内にお
ける現 地 調 査 、工 事 進 捗 の監 理 等 補 助 業 務 を委 託 する。
(2) コンサルタントの果たす業務
(a) 契約 事 請 負 者 の選 定
詳 細 設 計 及 び 契 約 請 負 者 の選 定 の過 程 では、コンサルタントは、現 地 調 査 の実 施 、詳 細 設
計 図の作 成 、入 札 図 書 ・書 類(技術仕様書及び契約書案)の作成、入札公示、入札書の評価、
工 事 請 負 契 約 者 の選定 、工 事 請 負 契 約 書案 の作 成 等を行い、ITPC を支援する。
(b) 工 事 監 理
請 負 契 約 者 の選 定 後 の工 事 監 理 の過 程 では、コンサルタントは、詳 細 工 事 設 計 図 の審 査 、
製造された主 要 機 材 の工 場での検 査 の立 会 い、施 工 全 体 の監 理 、工 事 進 捗 の監 理 、完 成され
た設 備 の試 験 の立 会 い、コミッショニングの立 会 い、完 成 設 備 の ITPC への引渡しの立会い等を
行 う。コンサルタントは、工 事 実 施 中 に監 督 者 (ローカル・コンサルタント)を各 サイトに臨 機 応 変
に派 遣 し、請 負 契 約 者 の工 事 が技 術 仕 様 書 どおりに行 われているか、また工 事 の進 捗 状 況 が
適 正 であるか等 監 視 して ITPC を支援 する。
(c) 請 負 契 約 者 の提 出 書 類 の審査
機 器 製 造 と工 事 の全 期 間 を通 じて、コンサルタントは、契 約 請 負 契 約 者 から提 出 される工 事
施 工 図 面 、機 器 製 作 図 、見 本 、工 事 方 法 及 び 工 程 等 を審 査 し、必 要 な指 示 を与えるとともにそ
れらの承 認 を行う等 ITPC を支援する。
(d) 工 場 立 会 い検 査
コンサルタントは、装 置 ・資 機 材 の工 場 出 荷 に先 立 ち、それらが性 能 仕 様 書 に合 致 しているこ
とを製 造 業 者 の工 場 で立 会 い検 査 ・確認する等 ITPC を支援する。工事請負契約者は承認を
得た後 、装 置 ・資 機 材 の出 荷 を行う。
(e) 支 払 い承 認 手 続 きに関する協 力
コンサルタントは、工 事 中 及 び 工 事 完 成 後 に支 払 われる契 約 料 について、請 負 契 約 者 から
請 求 書 等 の内 容 審 査 を行 い、更に支 払 手 続 き等に関 する協 力 を行 う等 ITPC を支援する。
(f) 引渡 し方 法
請 負 契 約 者 の工 事 が完 成 した後 、コンサルタントは、受 け入 れ検 査 に立 ち会 うと共 に完 成 し
た設 備の図 面 の審 査 を行 う等 ITPC を支援する。
(g) 報 告 及 び勧 告
コンサルタントの全 業 務 期 間 を通 じて、コンサルタントは技 術 及 び 全 体 の進 捗 等 を含 む問 題
点が発 生した場 合 、工 事 が工 期 内 に完 了 するための解 決 策 等 を報 告 ・勧 告 する等 ITPC を支
援する。
(3) コンサルタントの要員計画
(a) 工 事 進 捗 の総 合 調 整
コンサルタントは、ITPC の負担する業 務 及 び請負契約者の施工 工事の双 方の進 捗を監理・
指導して、プロジェクト全 体 を予 定 工 期 内 に完 了 することが求 められている。コンサルタントによる
施 工 監 理 は、全 体 の工 事 状 況 を把 握 し、設 置 ・建 設 される各 設 備 の品 質 を確 保 しつ つ 工 期 を
遵守 できるように、負 契 約 者 及 び ITPC 側担当者への指導と助 言及び総合調整を行う事に重き
が置 かれる。
3 –17
ルタントを常 駐 させることは不 可 能 である。ローカル・コンサルタントの人 数 も限 られており、過 密
なスケジュールに対 応 するため、臨機 応 変(スポット)な管理要員の派 遣を行う等 の要 員計 画 とす
る。
3-2-4-5 品質管理計画
(1) ITPC 技術者への訓練
新 設 備 の設 置 及 び運 用 保 守 に関し、ITPC の技術者に対して、製造会社で技能習得のための訓練(ハ
ードウエア及 びソフトウエア)を予 定 しており、新 設 備 設 置 及 び 運 営 ・保 守 上 の品 質 管 理 を重 要 な訓 練 課
題として取 り上げる。
(2) 請負契約者の技術者への訓練
請 負 契 約 者 の工 事 着 工 に先 立 ち、実 際 の施 工 を担 当 するイラク人 及 び 第 三 国 人 技 術 者 に対 して、請
負 契 約 者 の工 事 監 督 者 による新 設 備 設 置 工 事 の品 質 管 理 の訓 練 を行 い、各 サイトでの設 置 工 事 の品質
維 持 を図 る。
3-2-4-6 資機材等調達計画
(1) 主要資機材と工事用資材の調達
本協 力 事 業を実 施 する上 で必 要 となる主 要 資 機 材(無線設備、交換設備、伝送設備、電力設備、その
他の工 事 用 資 材)はイラク国内で殆ど製造されていないので、日本国 乃 至 は第三国より調達する。主要工
事 用 資 材 は日 本 或 いは第 三 国 から主 要 資 機 材 と一 緒 に調 達 す るが、工 事 用 資 材 であるセメント、鉄 筋 、
砂 、砂 利 、砕 石 、型 枠 材 、仮 設 用 の木 材 、ロープ等については通 常 の一 般 材 料 と同 等 規 格 の材 質 のもの
が現 地 で入 手 できるので、現 地 調 達 とする。
(2) 保守用予備品や消耗品
本 協 力 事 業 では、装 置 の信 頼 性 の確 保 のため、2 年 分 の保 守 用 予 備 品 (スペアパーツ)や消耗品を調
達 する。イラクには保 守 用 予 備 品を供 給 する製 造 会 社 のエージェント(代理店 )は第三国の 1 社を除 いて
現 在 はない。隣 接 国 に商 社 の支 店 が製 造 会 社 の代 理 店 を代 行 しており、2 年以降のスペアパーツや消耗
品の供 給 は商 社 を経由して行 う。
(3) 工場立会い検査
対 象 資 機 材 の製 造 後 、ITPC はコンサルタントの支 援 のもとで、製 造 工 場 で品 質 及 び数量の立 会 い検
査を実 施 する。検 査 合 格 後に、請 負 契 約 者 は出 荷 する。
(4) 不安定な商用電力への対応
各 プロジェクト・サイトの局舎や既存の設 備 の状 況 を調 査 した結 果 、商 用 電 力 の供 給 は平 均 的 に 1 日
の内の 50%程度であることが判明した。電気通信設備を持続的に稼動するため停電時の非常用自家発
電 装 置(DEG)が必 要 である。一 般 的 に商 用 電 力 、DEG 及び蓄電池のハイブリッドの組み合わせにより電
源の安 定 化 を図る。
(5) 各サイトへの機材の輸送ルート
日 本 からイラク国 内 の各 サイトまでの輸 送 ルートについてはさまざまであり、隣 接 するほぼすべての国 か
らの輸 送 ルートが確 立 されている。輸 送 方 法 については主 として海 上 輸 送 と航 空 輸 送 が考えられる。本 案
件 について輸 送 期 間 の短 縮 および 陸 上 輸 送 のリスク回 避 の観 点 からバクダッド空 港 等 を利 用 した貨 物 輸
送 ルートについても一 考 したが、雇 用 したローカル・コンサルタントからの調 査 結 果 では、他 の貨 物 輸 送 を
扱 っている空 港 を含 め現 時 点 では航 空 輸 送 は不 可 能 であるという見 解 であったため、海 上 輸 送 ルートで
の輸 送 計 画 を策 定 する。
3 –19
5. ヨルダン経 由(Aqaba)
6. クウェート経 由(Shuwaikh, Shuaiba)
7. ドバイ積 み替えウムカスル等イラク国 内 港 湾 経 由(Umm Qasr, Jebel Ali Rashid)
本案 件 で供与する通 信 機 材 が精 密 機 械 であり重 量 貨 物 であることを考 慮 すると、上記 1 から 7 の輸送
ルートのうち、積 み 替 えの必 要 が無 い港 湾 設 備 の面 から重 量 物 貨 物 を処 理 可 能 な港 であることが前 提 と
なる。本 案 件 で供 与 する通 信 機 材 の特 徴 から判 断 した場 合 、イラク国 内 の各 サイトへの輸 送 ルートについ
ては、ヨルダン経 由(5)、クエート経 由(6)、ウムカスル経由(7)に絞られる。
本 案 件 の実 施 においては、内 陸 輸 送 中 にトレーラー数 台 で構 成 される各 コンボイに対 して武 装 警 備 団
を配 備 す る計 画 である。現 地 での警 備 会 社 等 からのヒアリングでは、ウムカスルまたはクエートを経 由 する
南 部 からの輸 送 ルートについては、ナジャフで勃 発 している紛 争 に代 表 されるような治 安 上 の理 由 等 から
輸 送 の確 実 性 について不 確 定 要 素 が多 数 現 存 しているため、警 備 会 社 によっては十 分 に武 装 警 備 員 を
集められないという恐れがあり、最悪の場 合 引 き受 けない可 能 性 がある。
また、クエートではイラク人 に対する入 国 制 限 によって、イラクのトラックはクエートへの入 国 がほとんど許
可されていない。その場 合 、クエート国 内 かサウジアラビアからトレーラーを調 達 しなければならず、トレーラ
ーのみならずイラクに入 国 してもよいという運 転 手 が十 分 に集められない恐れがある。
以 上 のことから、現 時 点 ではイラク国 内 に西 部 から入 国 するヨルダンのアカバ港 からの輸 送 ルートが現
実 的 である。
輸 送 計 画 としては、ヨルダンのアカバ港 で荷 揚 げした資 機 材 をヨルダン国 内 を経 由 してイラクの西 部 国
境 から入 国 す る。その際 イラク国 境 付 近 で交 通 渋 滞 等 の混 雑 が見 込 まれる場 合 には、一 旦 北 上 してシリ
アに入 国 し、イラクの北 部 から入 国 する輸 送 ルートも考 えられる。イラク国 内 での各 サイトへの輸 送 は治 安
上 の理 由 から日 中 のみ行 うことを原 則 とし、適 当 な野 営 地 が見つからない場 合 にはバクダッドにある武 装
警 備 兵 で守 られているセキュリティーゾーンを経 由 するように輸 送 計 画 を立 てる。各 サイトまでは日 本 から
最 長 で 2 ヶ月程の輸送期間を見込む。
(6) 輸送・据え付け期間中の警備
本 案 件 では、イラク国 内 での治 安 上 の理 由 から、通 信 機 材 輸 送 のトレーラーには武 装 警 備 団 を配 備 し
護衛させる。現 時 点ではトレーラーは 4 台 1 グループを 1 コンボイとし、1 コンボイ当り武装警備員 3 人 が
同乗した 4WDの車 輌 3 台 で護衛する計 画 とする。一般的には多国籍軍に認 定 された武装警備団を配 備
させることが、保 険 料 率 引 き下 げの条 件 となっていることから、警 備 会 社 選 定 にあたり最 大 限 考 慮 する。
機 材 据 付 期 間 中 についても武 装 警 備 団 を各 現 場 に配 備 し、建 物 ・人 の両 面 に対し警 備 を行 わせる。こ
の場 合 、英 国 人 や豪 国 人 等 の第 三 国 人 とイラク人 との混 合 での警 備 構 成 とする。
3-2-4-7 実施工程
本 案 件 の実 施 には交 換 公 文 書 締 結 から現 地 調 査 の開 始 までを0.5 ヶ月 と仮定すると、工事の完 了 まで
は、南 北 基 幹 通 信 網 計 画 で 22.5 ヶ月間、市外電話交換網整備計画で 24.5 ヶ月間要する計 画 である(表
3.2.3 業 務 実 施 工 程 表 参 照 )。
(1) 実施準備
本 案 件 実 施 の第 一 段 階 として、日 本 政 府 とイラク政 府 が交 換 公 文 を締 結した後 、イラク政 府 と日 本 側 コ
ンサルタントは本 案 件 について、コンサルティングサービスについての同 意 事 項 について確認する。
(2) コントラクターの選定
第 二 段 階 として、コントラクター選定に必 要 な入 札 書 類 を準 備 するために ITPC プロジェクトマネージャ
ーやカウンターパートスタッフとともにローカルコンサルタントを雇 用 し、コンサルタントは詳 細 設 計 をヨルダ
ンにて開 始 する。競 争 入 札 が公 開 されたあと、ITPC とコンサルタントは応札者のプロポーザルを評価の後、
適 切 な入 札 者 を選定 する。供 給 および設置契約はイラク政 府 とコントラクター間 で行われる。
(3) 機材と材料の生産
第 三 段 階 として、詳 細 な現 地 調 査 と設 置 設 計 の準 備 の後 、コントラクターは工 場 での機 材 と材 料 の生
3-21
表3.2.3
業務実施工程表
項目 項 目 現地調査 詳細設計 入札図書作成 入札図書承認 入札公示 入札 入札評価 業者契約 外務省認証 機器製作図承認 機器製作 検査 ( 工場 、 出荷前等) 機器輸送 機器据付 検収 、 竣工引渡し 現地調査 詳細設計 入札図書作成 入札図書承認 入札公示 入札 入札評価 業者契約 外務省認証 機器製作図承認 機器製作 検査 ( 工場 、 出荷前等) 機器輸送 機器据付 検収 、 竣工引渡し イラク 側負担分工事 1 24 25 20 21 23 12 18 6 10 13 14 15 16 17 19 22 11 2 3 4 5 7 8 9 マ イ ク ロ 波 基 幹 通 信 網 中 継 ・ 市 外 交 換 網 実 施 設 計 機 材 据 付 調 達 工 程 機 材 据 付 調 達 実 施 設 計3-3 相手側分担事業の概要
イラク側の分 担 業 務 の詳 細 は前 3-2-4-3 の施工区分 /調達・据付区分に記述したが、以下に要点をまとめ
た。
(1)
局舎 及 びその他 の施 設の修復・建 設 に必 要 な用 地 の確 保
(2)
破壊 あるいは損傷された局 舎、建 物 、塀、鉄 塔 等 の修 理 ・建 設
(3)
不 要 となる既 存 設 備 の撤 去 、機 械 室 の間 仕 切 り、ドア、窓 等 の修理および内装の実 施
(4)
破 壊 あるいは損傷された商 用 電 力 引 き込み設備や DEG およびその関連設備、空調設備、伝
送 設 備 等 の修理 あるいは新 設 備 の購 入 と設 置
(5)
新 設 備 設置 に伴 う電 気 、水 、排 水 設備 、外 線 電 話 線 、仮 設 資 材 置 き場 等 の準 備
(6) 全 プロジェクトを統 括 するプロジェクト管 理 実 施 本 部 (Project Management Unit)の設 置
(7)
プロジェクトの統括責任者及び担当者の任 命 と組 織 等の編成
(8)
新 機 材 の通 関 ならびに免 税 措 置
(9)
輸 入 資 機 材 を保 管 する倉 庫 の準備
(10) 新 設 備 の維 持 管 理 組 織 の編 成 と要 員 の配 置
(11) 工 事 中 の局 舎 及 び納 入 機 材 の警 備 の実 施
(12) 上 記 業 務 の実 施 のための必 要 な予 算 措 置
(13) 新 設 備 の詳 細 設 計 に必 要 な資料および情報の提供 (コンサルタントへ)
上記イラク側 分 担 事 項 の実 施 可 能 性 という観 点 では、どれも実 施 可 能 であり、妥 当 であると判 断 する。
3-4 プロジェクトの運営・
維持管理計画
(1) 無線設備
今 回 新 たに調 達 される設 備 は、バグダッドの保 守 センターで、集 中 遠 隔 監 視 制 御 を実 施 する。設 備 は通
常 無 人 化 運 用 が可 能 な設 備 設 計 とする。現 在 、無 線 局 の運 用 保 守 のため、5 名 の技術者が要員配置されて
いるが、運 用 保 守 の効 率 化 により要 員 削 減 が可 能 である。通 信 設 備 はメインテナンスフリーであるが、自 家 発
電 設 備 、空 調 設 備 等 付 属 設 備 については、定 期 的 な保 守 作 業 を必 要 とする。無 線 および伝 送 設 備 の保 守
3 - 23
(2) 交換設備
計 画 対 象 である10 の中継・市外交換局の現在の運用・保守要員数は、規模により異なるが平 均 18 人(エ
ンジニアが 4 名、テクニシャン 14 名)である。イラク国内 の既存の交換機は、ほぼ 100%デジタル交換機である。
従 って、これらの保 守 ・運 用 要 員 を対 象 として、新 交 換 機 の運 営 ・保 守 の短 期 間 の訓 練 を行 えば、能 力 ・技
術 的 及 び 人 数 的 にも維 持 管 理 には特 に技 術 的 な問 題 がないと考 えられる。それらの運 営 ・保 守 要 員 に対し
て、請 負 契 約 者 が日 本 国 内 でハードウエア及 びソフトウエア別に、各 局それぞれの担 当 毎 に 1 名、全体で 20
名 程 度 の訓 練 を行 えば維 持 管 理 に支 障 は生 じないと考 えられる。訓 練 を受 けた技 術 者 の指 導 で運 用 ・保 守
を行 うので、現 在 の維 持 管 理 体 制 の変 更 も必 要 ないと考える。
3-5 プロジェクトの概算事業費
3-5-1 協力対象事業の概算事業費
積 算 時 点:
平成 16 年 9 月
為 替 変 換 レート: 1US$=109.425 円(平 成 16 年 3 月 から8 月 までの平均レート)
施 工 期 間:
表 3.2.3「業務 実施工程表」に示したとおりである。
その他:
本 計 画 は、日 本 政 府 の無 償 資 金 協 力 制 度 に従い実 施 されるものとする。
尚、本 概 算 事 業 費 が、即 交 換 公 文 上 の供 与 限 度 額 を示 すものではない。
(1) イラク国 南北基幹通信網整備計画
無 償 資 金 協 力 が実 施 された場 合 、日 本 国 側 の負 担 経 費 は表 3.2.4 のとおりである。なお、イラク側の負担
経 費 が不 明 なので、今 回 は日本側の無 償 額 のみを記 載 した。
表 3.2.4. 南 北 基 幹 通 信 網 整 備 計 画 概 算 事 業 費
区分
概略事業費 (単位:千円)
機材調達費
6,662,320
1,機材費
3,335,192
南 バックボーンデジタルマイクロ波無線局
1,524,168
北 バックボーンデジタルマイクロ波無線局
1,171,884
南 SPUR デジタルマイクロ波無線局
524,897
北 SPUR デジタルマイクロ波無線局
84,979
その他
29,264
2,輸送 梱包費
1,119,140
3,据付工事費
870,385
4,調達管理費
1,337,603
一般管理費
199,870
設計監理費
228,609
調達監理費
63,411
事業費合計
7,154,209
3 - 25
(2) イラク国 市外電話交換網整備計画
無 償 資 金 協 力 が実 施 された場 合 、日 本 国 側 の負 担 経 費 は表 3.2.5 のとおりである。なお、イラク側の負担
経 費 が不 明 なので、今 回 は日 本 側 の無 償 額 のみを記 載 した。
表 3.2.5 市 外 電 話 交 換 網 整 備 計 画 概 算 事 業 費
区分
概略事業費 (単位:千円)
機材調達費
3,169,113
1,機材費
1,417,000
Baghdad I 局
167,000
Baghdad II 局
167,000
Mosul 局
167,000
Kerbarah 局
121,000
Hilla 局
144,000
Nadjaf 局
121,000
Diwariya 局
121,000
Samawa 局
121,000
Nassyriah 局
121,000
中継市外交換設備機材
Basra 局
167,000
2,輸送梱包費
433,452
3,据付工事費
735,335
4,調達管理費
583,326
一般管理費
95,073
設計監理費
265,036
調達監理費
69,246
事業費合計
3,598,467
3-5-2 運営・維持管理費
電 気 通 信 プロジェクトの場 合 には、プロジェクトの運 営 ・維 持 管 理 費 は、人 件 費 、保 守 用 部 品 、消 耗 品 費 、
光 熱 費 、電 力 使 用 料 、その他を含めて、1 年 あたり通常設備投資額の 10%と推測される。本協力対象事業
の実 施 によって 2 年分の保守用部品及び消耗品が供給されることと、電気通信設備の改善が図られることに
よる増 収 が見 込 まれることで、本 事 業 の持 続 的 運 営 ・維 持 のための管 理 費 についての問 題 はないと思 われ
る。
3-6 協力対象事業実施に当たっての留意事項
本 協 力 事 業 においてイラク側の分 担 する業 務 の概 要 は 3-3 で述べたとおりである。新通信設備を現地に搬
入して据 付 工 事 に着手するに当 り、損 傷 された建物及び鉄塔の修 復 等 ITPC 側の負担事項が完了している
ことが、請 負 業 者 が設 置 工 事 を開始する上で必 要 となる。かかる留 意 点 に対応するため、本 協 力 事 業 では邦
人 コンサルタントがローカル・コンサルタントを雇 用 し、実 施 設 計 の開 始 時 点 から ITPC側 が担 当 する工 事 が
完了するまでの進 捗 状 況 について監 理 させる必 要 がある。邦 人 コンサルタントはローカル・コンサルタントから
の報 告 結 果 に基づき対 策 を立 て、ヨルダンに常 駐 している邦 人 コンサルタントが現 地 ローカル・コンサルタント
を通じ必 要 な措 置 をとることを考える。
第 4 章
第 4 章
プロジェクトの妥当性の検証
4-1 プロジェクトの効果
無 償 資 金 協 力対 象 である南北基幹デジタルマイクロ波伝送路及びそれに接 続 される 10 台の中継・市 外
交 換 局 を整 備 することにより、デジタルマイクロ波 伝 送 路 は国 内 電 話 交 換 網 のバックボーンとして機 能 し、市
外 電 話 サービスのトラヒック及びテレビの番 組 中 継 伝 送 も可 能 となる。このイラク国 内 電 気 通 信 サービスの改
善 によって、復 興 事 業 の促 進 ならびに医 療 、教 育 等 社 会 サービスの向 上 へ の貢 献 に寄 与 す る。なお、本 無
償 資 金 協 力 事 業 の実 施 により、固 定 電 話 交 換 サービスの改 善 のみならず、携 帯 電 話 サービス網 の拡 張 のた
めにもバックボーンが利 用 される。
問 題 点 と対 応 策 、計 画 の効 果 について下 表 にまとめた。
表 4.1.1 計 画 実 施 による効 果 と現状改善の程度
現 状 と問 題 点
本 計 画 での対策(協 力 対 象 事 業 )
計 画 の効 果 ・改 善 程 度
南 北 に通 じる基 幹 伝 送 路 が障
害 を受 けているため、エリアを越 え
ての音 声 や デ ー タの伝 送 ができ
ず、イラク国 民 に限 定 的 な電 気 通
信 サービスしか提 供 できない。この
ため、通 信 を利 用 した社 会 サービ
スの提 供 にも支 障 をきたし、イラク
国 全 体 の復 興 に対 す る支 障 にも
なっている。
・南 北 基 幹 伝 送 路 の復 旧 。
・中継・市外 交 換 設 備 の更 新 。
・基 幹 伝 送 路 と中 継 ・市 外 交 換 網
が整 備 されれば、電 話 サービスや
テレビの番 組 中 継 伝 送 などが可
能 となり、基 幹 回 線 が通 過 する地
域の住 民 1,200 万人が裨益する。
・間 接 的 な効 果 として、復 興 事 業
の促 進 や 医 療 、教 育 などの社 会
サービスの提 供 に寄与する。
4-2 課題・
提言
4 - 2
に携 わる工 事 関 係 者 の安 全 を確 保 することは必 須 条 件 である。このため、イラク国 内 での内 陸 輸 送
中ならびに設 置 工 事 中 は厳 重 な警 護 を実施することが必 要 である。
(b) 施 工 工 事 に対する留 意 点
治 安 上 の理 由 によって日 本 人 コントラクターが現 地 で直 接 工 事 ができない状 況 下 では、イラク国
内 で行 う工 事 及 び 施 工 監 理 を国 外 から指 導 監 督 して進 める必 要 がある。現 地 における機 材 の据
付 けや調 整 試 験 を支 障 なく完 了 させるために、ITPC を含むイラク人 もしくは第 三 国 人 に対 して、コ
ントラクターがイラク国 外 において事 前 の訓 練 を実 施 し、また、実 際 の施 工 現 場 で起こる多 くの問題
に対 応 す るため、施 工 技 術 支 援 室 を日 本 及 び ヨルダン等 の第 三 国 の双 方 に設 置 して、工 事 完 了
までの期 間 あらゆる技 術 支 援 を行うなどの対 応 が必 要 である。
(c) イラク側 負 担 事 項 に対 する留 意 点
本 計 画 による機 材 設 置 工 事 の開 始 以 前 に、戦 争 によって被 害 を受 けた局 舎 の修 復 あるいは建
替 え、鉄 塔 の建 設 、施 設 設 置 サイトの環 境 整 備 、取 り付 け道 路 、保 安 施 設 等 の整 備 が完 了 してい
る事 が必 須 である。このため、イラク側 の負 担 事 項 が確 実 に実 行 できるようなプロジェクト実 施 体 制
を確立する必 要 がある。
(d) イラク側 の協 力 体 制
本 計 画 の実 施 に対 してはイラク側 の全 面 的 な協 力 が不 可 欠 である。特 に、ローカルコンサルタン
トのサイトへの立 ち入 りや、詳 細 設 計 に必 要 なデータの提 供 はプロジェクトを遂 行 す るための絶 対
条 件 である。イラク側 の内 部 承 認 手 続 き等 に時 間 がかかるなどして工 程 に遅 れが生 じたり、適 切 な
データの提 供 が国 家 機 密 という理 由 で開 示 されないため、詳 細 設 計 に支 障 を及 ぼすことが無いよう
に、イラク側には十 分 な理 解 を求める必 要 がある。
4-3 プロジェクトの妥当性
本 プロジェクトの妥 当 性 を判 断 するに当 たり、本 プロジェクトは以 下 の観 点 から妥 当 であると考えられる。
(a) プロジェクトの裨 益 効 果 が、イラク国 の人 口 の約 半 数 である 1,200 万 人 に達 すること。
(b) プロジェクトの目 標 が民 生 の安定や住民 の生 活 改 善 のために緊 急 に求 められているプロジェクトであ
ること。
(c) イラク国 の実 施 機 関 である ITPC が独自 で運 営 ・維 持 管 理 を実 施 でき、既 存 の設 備 と技 術 を最 大 限
利用した設 計 であること。
(d) 戦 後 の復 興 はもとより、基 幹 通 信 網 の構 築 によって、イラク国 の中 ・長 期 的 開 発 計 画 の目 標 に資 す
るプロジェクトであること。
(e) 通 信 料 金 の回 収 による収 益 性 があること。
(f) 既 存 施 設 を活用す ることから、新 たな場 所 に機 材 を設 置 するものではないため、環 境 面 で負 の影 響
は少ないこと。
4-4 結論
本 プロジェクトは、前述のように多 大 な効 果 が期待されると同 時 に、本 プロジェクトが広 く住 民 の BNH の向
上 に寄 与 するものであることから、協 力 対 象 事 業 の一 部 に対 して、我 が国 の無 償 資 金 協 力 を実 施 す ることの
妥 当 性 が確 認 される。しかし、本 プロジェクトの実 施 には上 述 したように治 安 、イラク国 外 からの施 工 監 理 、イ
ラク側 負 担 事 項 の確 実 な実 施 、イラク側 の協 力 体 制 などの課 題 があり、それらを解 決 す ることによって、本 プ
ロジェクトを確 実 に実 施 することができると考えられる。
資料 1 調査団員名簿
1.総括:新井 和久
Reader : Mr. Kazuhisa ARAI
JICA 無償資金協力調査部業務第二グループ生活環境改善チーム主査
Chief, Living Conditions Improvement Team, Project management Group II,
Grant Aid Management Department,
Japan International Cooperation Agency (JICA)
2.技術参与:秋林 正幸
Technical Advisor : Mr. Masayuki AKIBAYASHI
総務省東北総合通信局 無線通信部長
Managing Director, Department of Wireless Communications, Tohoku Regional Bureau of
Telecommunications, Ministry of Public Management,
Home Affairs, Posts and Telecommunications
3.業務主任/通信システム/運営維持管理計画:谷口 友孝
Chief Consultant / Telecommunications Planner
/ Operation and Maintenance Planner : Dr. Tomotaka TANIGUCHI
日本工営㈱ NIPPON KOEI CO., LTD.
4.通信施設計画:石垣 英明
Transmission Facilities Planner : Mr. Hideaki ISHIGAKI
日本工営㈱ NIPPON KOEI CO., LTD.
5.機材計画:三橋 英夫
Equipment Planning : Mr. Hideo MITSUHASHI
日本工営㈱ NIPPON KOEI CO., LTD.
6.調達計画/積算:江川 等
Procurement Planner / Cost Estimate : Mr. Hitoshi EGAWA
日本工営㈱ NIPPON KOEI CO., LTD.
日付 曜日 宿泊地 官ベース調査団 総括(新井)、技術参与(秋林) 業務主任(谷口) 通信施設計画(石垣) 機材計画(三橋) 調達計画/積算(江川) 1 7/30 金 2 7/31 土 9:50 成田発(21:50 アンマン着(LH711)→フランクフルト経由RJ126) アンマン 3 8/1 日 アンマン 4 8/2 月 アンマン 5 8/3 火 アンマン 6 8/4 水 アンマン 7 8/5 木 UNDP訪問、ミニッツ署名、大使館、JICA ヨルダン事務所へ報告、17:15 アンマン発 (EK904) UNDP訪問、ミニッツ協議、大使 館、 JICAヨルダン事務所へ報告、 アンマン 8 8/6 金 19:45 羽田着(JL1316) アンマン 9 8/7 土 援助動向に関する情報整理 サイト状況の確認(伝送設備) サイト状況の確認(交換設備) 積算資料収集 アンマン 10 8/8 日 基本コンポーネントの確認 サイト状況の確認(伝送設備) サイト状況の確認(交換設備) 積算資料収集 アンマン 11 8/9 月 代替案の検討 サイト状況の確認(伝送設備) サイト状況の確認(交換設備) 積算資料収集 アンマン 12 8/10 火 代替案の検討 サイト状況の確認(伝送設備) サイト状況の確認(交換設備) 積算資料収集 アンマン 13 8/11 水 要請機材の必要性及び緊急性の再確認 デジタルマイクロ概略設計 市内交換局の概略設計 積算資料収集 アンマン 14 8/12 木 TV会議、大使館・ヨルダン事務所へ報告JICA TV会議 TV会議 TV会議 アンマン 15 8/13 金 資料整理 資料整理 資料整理 資料整理 アンマン 16 8/14 土 最適案の検討 デジタルマイクロ概略設計 市外交換局の概略設計 積算・調達計画策定 アンマン 17 8/15 日 最適案の抽出 デジタルマイクロ概略設計 市外交換局の概略設計 積算・調達計画策定 アンマン 18 8/16 月 プロジェクト実施体制の検討 プロジェクト実施体制の検討 プロジェクト実施体制の検討 積算・調達計画策定 アンマン 19 8/17 火 維持管理計画 地球局の概略設計 国際交換局の概略設計 積算・調達計画策定 アンマン 20 8/18 水 維持管理計画 地球局の概略設計 国際交換局の概略設計 積算・調達計画策定 アンマン 21 8/19 木 TV会議、大使館・ヨルダン事務所へ報告JICA TV会議 TV会議 TV会議 アンマン 22 8/20 金 資料整理 資料整理 資料整理 資料整理 アンマン 23 8/21 土 プロジェクト実施方針案の検討 地球局の概略設計 国際交換局の概略設計 概略事業費の算出 アンマン 24 8/22 日 プロジェクト実施方針案の検討 基幹通信網の概略設計 基幹通信網の概略設計 概略事業費の算出 アンマン 25 8/23 月 プロジェクト実施方針案の検討 基幹通信網の概略設計 基幹通信網の概略設計 概略事業費の算出 アンマン 26 8/24 火 プロジェクト実施方針案の検討 基幹通信網の概略設計 基幹通信網の概略設計 概略事業費の算出 アンマン 27 8/25 水 プロジェクト実施方針案の決定 基幹通信網の概略設計 基幹通信網の概略設計 概略事業費の算出 アンマン 28 8/26 木 アンマン 29 8/27 金 30 8/28 土 (注)イラク代表団は7月31日(土)にアンマン入りし、8月6日(金)にアンマンを出発。 TV会議、大使館、JICAヨルダン事務所へ報告 (am)資料整理、事務所片付け。 17:15 アンマン発(EK904)→ドバイ、関空経由(JL5090) 22:15 羽田着(JL1316) 資料整理 行 程 20:40 成田発(JL1319)→関空、ドバイ経由 15:55 アンマン着(EK903) イラク側との協議 イラク側との協議 イラク側とのミニッツ協議 イラク側との技術協議