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メタンハイドレート生産時の地盤変形に関する室内模型実験 

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Academic year: 2022

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(1)

メタンハイドレート生産時の地盤変形に関する室内模型実験 

エンジニアリング振興協会(清水建設) フェロー会員 ○荻迫栄治 同上 正会員 西尾伸也 正会員 傳田 篤 京都大学 フェロー会員 岡二三生 正会員 木元小百合 エンジニアリング振興協会(伊藤忠テクノソリューションズ) 正会員 岡部直司

1.はじめに    メタンハイドレートは次世代資源として注目されており、日本周辺海底にも日本が消費し ている天然ガスの約100年分の量が存在すると推定されている。経済産業省が策定した「我が国におけるメ タンハイドレート開発計画」に従い、「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」が組織され、(財)

エンジニアリング振興協会が環境影響評価に関する研究開発を行っており、筆者らは、この中で、メタンハ イドレートからのメタンガス生産に伴う海底地盤の変形の可能性について検討を進めている。今回、室内模 型実験によりメタンハイドレート生産時の地盤変形挙動について検討を行うとともに、実験を対象に弾粘塑 性構成式を用いた数値解析を行った。 

2.実験概要    実験は、できるだけ実際の海底地盤のスケールに近づけるために遠心載荷装置で行った。

遠心載荷装置に設置する土槽の寸法は、内寸で高さ750mm・幅800mm・奥行き300mmである。土槽前面は 変形が観察可能なようにアクリル版とした。土槽内にメタンハイドレートの生産を模擬するためのラバーバ ルーンを設置し、バルーンの圧力を下げることで生産を模擬する。土槽の前面および背面にはシリコンシー トを貼り、その上からシリコンオイルを塗布し、ラバーメンブレンを貼付して壁面摩擦の軽減を図った。地 表面の変位は変位計により、また、地盤内の変位は上記ラバーメンブレンに記した標点の変位を前方からデ ジタルカメラで撮影することにより、地盤の変形を観察した。図-1に実験土槽の概要を示す。実験は以下の ような手順で行った。(1)ラバーバルーン下面の高さまで土槽に試料土をセットする。(2)土槽にラバーバルー ンを設置し、バルーン内を脱気水で満たし、給水用バルブを閉じる。バルーンの初期体積は2300cm3である。

(3)所定の高さまで土槽に試料土をセットする。(4)飽和土の場合は、給水タンクを用い土槽底面の給水用穴か

ら通水し、飽和させる。(5)地表面に計測用の変位計をセットする。(6) 土槽を遠心載荷装置にセットし、遠心加速度を作用させる。(7)コント ロールシリンダーにてバルーンの体積を減少させることによってメタ ンハイドレート生産を模擬する。実験に用いた土は7号硅砂で、空中 落下法により乾燥密度約1.5g/cm3の模型地盤を作成した。遠心加速度 は30Gである。実験は、乾燥砂(地盤厚さ60cm)、乾燥砂(地盤厚さ

50cm)、飽和砂(地盤厚さ60cm)、飽和砂(地盤厚さ50cm)の4ケー

ス行った。

3.実験結果    図-2 は、乾燥砂(地盤厚さ 60cm)のケースについ て、バルーン体積減少開始時点を時刻0としたときのバルーン体積変 化量ならびに変位計で計測した地表面変位の経時変化を示したもので ある。バルーン体積変化量はコントロールシリンダーのストロークの 変位量より算出した。変位1は土槽中央部の変位、変位2〜5はそれぞ れ土槽中央から80, 160, 240, 320mm離れた位置における変位である。

地表面変位はバルーン体積の減少につれて増加するが、その増加傾向 は一定ではない。すなわち、当初は緩やかに増加するが、時刻 10min

キーワード:メタンハイドレート,海底地盤,変形

連絡先:〒135-8530 東京都江東区越中島 3-4-17 清水建設(株)技術研究所 Tel:03-3820-6476 Fax:03-3820-5955 図-1 実験土槽の概要

800

750

600ま500

ラバーバルーン 外径100mm 側面図

800

300

ラバーバルーン

平面図

変位計

100200

100

単位:mm

3-448 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-895-

(2)

0.

-0.1 -0.2 -0.3 -0.4 -0.5 -0.6 -0.7 -0.8 -0.9 -1.

-1.1 -1.2 -1.3 -1.4 -1.5 -1.6

(m)

図-4 鉛直変位コンター図(500min) 付近から増加の割合が大きくなっている。そして、

バルーン体積の減少が止まって以降はほぼ一定の値 に収束している。図-3は、バルーン体積変化量ごと

にプロットした水平方向の地表面変位分布である。地表面変位はバルーン直上の土槽中央部で最も大きく、

中央から離れるにつれて次第に小さくなっている。バルーンの体積減少量が大きくなるにつれて土槽中央部 の変位の進展が大きくなっていくことがわかる。写真-1は、バルーン体積変化-1800cm3、ほぼ 23分後の土槽 前面から撮影した変形状況の写真である。標点の動きからバルーン直上の

地盤が変形している様子がうかがえる。 

4.実験の数値解析    上記の室内模型実験を対象に有限要素法による数 値解析を実施した。解析手法としては2次元平面ひずみ弾粘塑性解析であ る。なお、乾燥砂のケースのため間隙水はないものとした。土の構成式と しては岡ら 1)の提案する凍結砂のひずみ軟化型弾粘塑性構成式を用いた。

なお、解析に際しては弾性係数の拘束圧依存性とひずみ依存性を考慮し、

次式を仮定した。      , 

ここで、  ,  :ヤング係数,  ,  :平均有効応力,  ,  :せん断 弾性係数,      :蓄積塑性せん断ひずみ,  ,  :定数で添え字 の0は初期値を示す。解析手順としては、まず、バルーン部の節点に実験 時の初期水圧値に相当する圧力を載荷した状態で土の自重解析を行い、次 に、実験時のバルーンの体積変化量から算出した変位量をバルーン部の節 点に簡単のため鉛直方向の強制変位として作用させた。解析に用いた物性 パラメータは、実験に用いた試料の三軸圧縮試験結果を基に表-1のように 設定した。図-4 に、時刻 500min における鉛直変位コンター図の解析結果 を示す。バルーン直上部の地盤の鉛直変位が増加している。しかし、鉛直 変位の発生する領域はあまり大きくなく、バルーン直上付近の地盤にある 程度限られており、これは写真-1に示した実験結果の傾向と一致している。

5.おわりに    室内模型実験によりメタンハイドレート生産時の地盤変 形挙動について検討を行った。その結果、生産を模擬したバルーンの直上付

近の地盤に主要な変形が発生していることが確認された。また、数値解析の結果も同様の傾向を示していた。

参考文献 1) 足立,岡:凍結砂のひずみ軟化型弾粘塑性構成式,土木学会論文集,No.454/III-20,p.75-81, 1992.

ヤング係数 E (kPa) 21200 体積弾性係数 K (kPa) 23600 ひずみ硬化-軟化パラメータ G' 8.50 ひずみ硬化-軟化パラメータ Mf

* 1.22

塑性ポテンシャルパラメータ σmb (kPa) 90 塑性ポテンシャルパラメータ b (kPa) 0 過圧密境界面パラメータ Mm

* 1.03

応力履歴パラメータ τ0 (sec) 3000

応力履歴パラメータ a 0.97

ひずみ依存パラメータ α 100

ひずみ依存パラメータ β 4.0

表-1 解析に用いた物性パラメータ 写真-1 地盤の変形状況(バルーン体積変化-1800cm3時)

E E0 σm σm0 G G0 α β

0

0 /

/E m m

E = σ σ G/G0=1/

{

1+

( )

αγp β

}

図-2 バルーン体積変化量および地表面変位の経時変化

‑2500

‑2000

‑1500

‑1000

‑500 0

0 5 10 15 20 25 30 35

バルーン体積(cm3)

時間(min)

‑30

‑20

‑10 0

0 5 10 15 20 25 30 35

変位1 変位2 変位3 変位4 (mm) 変位5

時間(min)

=∫ ijp p ij

p de de

γ

図-3 地表面変位分布

‑25

‑20

‑15

‑10

‑5 0

‑40 ‑30 ‑20 ‑10 0 10 20 30 40

‑400cm3

‑800cm3

‑1000cm3

‑1200cm3

‑1400cm3

‑1800cm3

面変位(mm)

土槽中心からの距離(cm)

バルーン体積変化量

3-448 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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