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宗教儀礼の機能的体系 : タイ国東北部の一部落ドーン・デーング

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(1)

タ イ 国 東 北 部 の 一 部 落 ドー ソ ・デ ー ソ グ

Functiomal System ofReligiollSActivitiesiTLa Rice-GrowITLg Village iTLNorthern Thailand

by KoichiMI7uUNO

1

は じ め に タ イ国 は仏教 国 といわれ る。 じ じつ 国 内にお け る仏教寺院 の数 は多 く,約

1

8

,

0

0

0

寺 にのぼ り, 1) ほ とん どすべての村 は 自己の寺 院を維 持 して い る。 また僧侶 は156,952人, 見習僧83,529人, 21 寺子

1

1

9

,

0

4

4

人を数 え る。 しか し他方 , 村民 の間で は呪文 ・護符 の効 力, 霊 魂や精霊 にか んす る信仰 と迷信が根 強 く存在 しつづ けて い る。 3) 本稿 において は,昨年 度調査 した東 北 部村落 の資料 のなかか ら宗教 生活 にか んす る部分をで き うるか ぎ り整理 し,ここに記述報 告 した い。村落 の宗教 にか ん して は,すで に指摘 されて い る 4) ごと く,仏教 的要 素,バ ラモ ン的要素,アニ ミズ ム的要 素がそれぞれ独 立 的 に,また ときには混 合 した形で, たがい に相反 す ることな く存在 して い る。 これ らの要素 が どのよ うに し て 共 存 し, また融合 して い るかを分析 す ることは興 味 あ る問題 で あ る。 しか し今 ここで,宗 教儀礼 の 細部 が どの要素 に由来 す るかを逐 次 ときほ ぐす ほどの資料 はない し, また この よ うなや り方 が 各要素 の融合接点を 明 らか にす るか ど うか も疑 わ しい。他方,村 民 の宗 教 的知識 は この接合 点 を浮 かび あが らせ るほど体 系化 されて いない。かれ らの宗教 的行 為 は 日常 的習慣 として無意識

1) JohnE.deYoung:VillageLifeinModernThailand.BerkeleyandLosAngeles,1958・ p.111.

2) WendellBlanchardetal.:Thailand-ItsPeople,ItsSocietyandItsCulture・1958・

3) 京都大学東南アジア研究センターのビルマ ・タイ地域調査の一環として1964年から1965年 にかけて 1 年間タイ国に滞在し, 東北部の-部落 ドーン ・デーングのコミュニテ ィー ・スタデ ィー を お こな っ た。報告の一部は 「農地所有と家族の諸形態」と題して本誌第3巻第2号に記した。

4) HowardK.Kaufman:Bangkhuad-A Community Study inThailand.New York,1960l pp.183-209.

(2)

宗 教 儀 礼 の機能 的体 ,{T;I の うちに運 ばれ ることが多 く,各要素 は相互 に反 発す ることな く漠然 とした一 つ の信仰 休系 と して村 人の 目に映 じて い る。本稿 にお いて は,各種 儀礼 の機能 と村 人の態度 に注 目しなが ら, 僧侶 と祈祷 師の役割を記述 す るに とどめたい。それ は覚書 と して の性格を免 れ ないけれ ど も, 僧侶 と祈祷 師の社 会的地 位を 明 らか にす る うえで役 立つ ばか りで な く,各 要素 か らな る宗 教上 の諸慣行を潜在 的な一つ の信仰 休系 と して把握 す るための手掛 りと して役立つで あろ う。 以下,僧侶 と祈膏 師の社 会的地 位,仏教 にたいす る信仰 と態 度,村や家 の守護霊 としての精 霊 信仰, クンプ ラクム と呼 びな らわ されて い る呪 文 ・護符 の効力,除顧儀礼 ,招 魂儀礼 の順 に 記述 し,最後 に これ らの宗 教活動 と信仰 が どの よ うなかた ちで一 体を構成 して い るかを指摘 し て お きた い。 2 僧侶 と祈繭師 の社会的地 位 部落内

u

j社会的地 位の序 列表 を示せ ば次頁 の ご と くで あ る。 この表 は被 調査者 が版 位づ けを お こな う

合 ,その人のおかれ た社会 的状況 (例え ば親 族,友人,近 隣,疎遠 ,反 目)がか な り作用 して い るらし く,序 列が集 中せ ず,分散 して い るが,部落 内の一般 的傾 向を知 るのには 十 分で あ る。 この表 か ら明 らかな ど と く,社会 的地位 の平均 的序 列の第1位 は校長,第2位 は 村 長 で あ る。僧侶 の地 位 は一般 に高 く,住職 は村長 につ いで 第3位を しめ る。かれ らは寺 院を 中心 とす 5) る仏教行事 を は じめ,葬 儀,法要, ときには結婚式, また部落 の除顧 ・増福儀礼 において重要 な役割を果 す。 しか し, この部落 の僧侶 の年 令は若 く, また一般 の社会生活か ら遠 ざか って い るため に,仏教行事 の文 脈を こえて影響 力が部落民 におよぶ ことはない。 また特殊 な知識や技 能 を もちあわせず,部落 民 の相談相手 とな ることもない。 部落 内には僧侶 の他 に祈蕃 師が数 名 い る。かれ らは除顧 にかんす る呪文 ・護符 に精通 して い るばか りで な く, 占星術 ,民 間医薬療 法,な らび に除級 儀礼や招 魂儀礼 に もす ぐれて い るため に村人 か ら非 常 に尊敬 されて い る。祈篇 師数 名 の うち2名 はその術 にた けてい るのみな らず, イ言頗 され る人柄 で もあ り,部落で も年 長者 にあた る。 このため に部落民 にたいす る影 響力 も強 く,指導 的 な古老 の地位を しめ る。地 位 の序 列表 にみ られ るご と く, これ ら2名 の祈蕃師は住 職 につ いで それ ぞれ 第

4

位 と第

6

位を しめて い る。表 によ ると,かれ らは校長や村長 よ りも低 いけれ ど も,前者 の暗黙 の承 認がな けれ ば部落の重要 事項 は円滑 に進行 しない。

3

寺 院 と 村 民 部落内 には ワ ッ ト ・ポ ーバ ンラングと名 づ け られた寺院 が あ り, 隣 り部 落 ドーン ・ノー イ 5) このあたりの村村では結婚式に僧侶を招 くのはまれである。 3

(3)

-表 1 社 会 的 地 位 の 序 列

世帯

番号

l

平均職

【眠位 の範

】年

NO NO 住 NO NO NO NO NO 僧 NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO N0 NO NJ NO NO NO 25 15 職 05 94 13 84 07 侶 14 34 乃 76 33 74 56 50 99 60 27 01 1 1 1 1 1 1 1 1 67 23 20

0

4.0 4.8 5.3 6.2 7.2 8.2 10.1 10.2 10.5 13.0 13.5 14.0 14.2 14.8 15.2 15.7 16.0 16.2 17.5 17.7 18.2 18.1 18.4 20.0 22.4 22.6 54 F 23.2 No. 77 No. 95 No. 78 No. 41 23.4 23.5 24.7 24.9 25.0 所 有農地 (ライ)

l

注 釈 45 : 20.00 0 5 3 2 3 2 5 2 9 5 0 6 3 8 6 6 8 5 2 6 8 6 6 5 2 5 3 8 5 4 3 5 2 3 31.25 0.00 70.00 76.00 56.00 29.00 35.00 0.00 25.00 25.00 43.00 56.00 19.25

0

.

00 16.00 0.00 49.00 _:- :-/ I 1 55 F 114100 47 ! 4O.00 29 0.00 33 1114.00

小学 校校長,C.D. 村長,C.D.,小 売店 見 習 僧3年,僧侶2年 祈橋師,C.D. 最 年長者 祈祷師,C.D.,寄進総代 元小学 校教員 元 村長,小精米所 見 習僧3年,僧侶 1年 祈構師 医療 役員,C.D. 年長者 寄逸総代 村 の委員 助役 祈祷師 小学 校教 員 教 育 委員,C.D.,僧侶13年 祈祷師 C.D. 村 の委員 元村 長 勤勉

C.

D.,寄逸総代 C.Dり寄進 総代 小売 店,金 惜 し 小 精 米所 ,金 倍 L C.D.,モー ・ラム ・ダ ンサー C.D. 仕 立屋 ,金惜 し よき父, 自作農 としての成功者 野菜作 りの普及者 表 は部落 の中で リーダーとお もわれ る者32名を選 び,互に収位をつけさせて作成 した。 ※ コ ミュニテ ィー ・デ ィヴ ェロ ップ メン トの部 落委員

(4)

宗 教 儀 礼の 機 能 的 体 系 3) (DollNoi)とと もに共 同で維拍 ・管理 されて い る。 本堂 はな く, 講堂, 僧房 と庫裡 が あ る のみで,す べて木造 建 で あ る。 町方 の寺院 に比較す るとか な り貧 粗 で あ る。 この寺 は部 落がで 7\ きた ときに建 立 され た もので あ るが,近 年 講堂 が改築 されて い る。改築 に さい して は,政府 か らじゃ っか ん の補助金 が あ った ほか,労 九 費用 ともに両 部 落の 協力 と寄進 によ って い る。昨 年 の安居期に串 け る僧侶 の人 数 は,住職 を は じめ とす る僧侶 が9名, 見習僧 8名 ,寺子 3名で あ り,安

属制

が終 り,年 末 にお こなわれ る僧位 の試験 がすむ 頃 には5名 の僧侶 と 2名 の見習僧 が還 俗 した 。住 職 は現在25才

,

隣 り部 落 ドーン ・- ン (Don Han)に生れ,16才 か ら18才 まで 見習僧 をつ とめ,23才 ∽ ときに僧侶 と して の得 度式を受 けて い る。 その動機 は両 親 の恩 に酬 い る ことにあ り,か れ 白身 も勉 学 にはげみ,高僧 にな ることを望 んで い る。他 の僧 につ いて も同 占丁 年 輩 の者 が多 く,動機 も同様 で あ るが,宏 の仕 事が忙 しい とい う理 由で, また身を定 め ね ばな らぬ とい う理 由で還 俗 を決心 して い る者 が あ る。 しか し普通 は還 俗 の時期 につ いて 語 り た が らない。見 習僧 にか ん して は, だ いた い両 親 の言葉 に したが って入 門 し, また還 俗 して い る。 こ

U

)部落 の住 艮 が いか に寺院を 中心 とす る諸 活動 に熱心 で あ るか はつ ぎの事実 か ら明 白で あ る。 以下 , 講堂 の改築 工事 ,食物 の献 立,年 中行事 ,得 度式 の習慣,また これ ら諸 活動 の 目的 に つ いて調査 した結 果を記 そ う。調査 総数 は世 帯 主98名 で あ るが,そ の うち調査 不能 が 1名 あ る。 改築 にか ん して は98世帯 中91世帯 が な ん らか の形 式 で この事業 に労 力を提 供 し,寄付 金を 出 写真1 菩薩の徳を称える行事において,その生涯と修行を 説 く僧侶と聴きいる村人達 して い る。調 査 不能 を 除 く妓 りの

6

世 帯 は改築

時一 世帯 を構 成 して いな か った Oそ の金客臥ま30バ - ツか ら500バ ー ツにわ た り, 人 によ りさまざ ま で あ る

。労力捉

供者 は91 世

甘 い

8

4世帯

二で あ り, 他 の7Lt

L

-

J

甘 甘

族L

i

が少 な いか,/老人

C

/)み

C

/

)

三二で あ る。労力

供 cJ)日数 , 金客削ま各世 帯 によ りこと な るけれ ど も, あ くまで 6) 部落の人人が仏教行車が催されるときに使用するのであって,もちろん僧侶が使うのではないC 7) 約75年ほど前。 8) 得度式を同じ年にクー-/ラでおこなった皿柄。 5

(5)

-自発 的 な行 為で あ り,強制 的な ところはま った くみ られ ない。不足 の場合 は必要 に応 じて幾 皮 で も部落 の集会を開 き,その旨を村 人 に知 らせ る。 僧侶 の 日常の食 事 は,い うまで もな く村 人 の献進 によ る。イ削呂が托鉢 に村 を廻 るの は安居期 9) 中であ るが,4斎 日と雨 の ときには村 人が1日2回の食事を寺 まで運 ぶ。各 家で は1日の食物 を

3

等 分 し,% は寺 に,% は田畑 に出 る家族員 に,残 りの3iは家 にとどま った者 に配分す ると い う。家 の仕事が忙 しい場合 は献上食 物を他 の人 にいいつ けて徳を分か ちあ う。安居期 間中は 98世帯 中43世帯 が 「ほとん ど毎 日」,53世帯 は 「時時 」寺 に詣で僧侶 に食物を供す る。 ま った く行 かぬ と答 えた者 は1名 のみで あ るO安居期 が過 ぎて も 「毎 日」と答えた ものは26世帯 ,「時 時」 と答 えた もの70世帯 , ま った く行 かぬ と答 えた もの1世帯 が あ る。 また安居期 中の 4斎 EJ には老人 達が講堂で お龍 りをす るが,98世帯 中29世帯 が 1夜を あかす と答 えてい る。 僧 院 生活の経験 にか ん しては,98世帯主 中69名 が僧侶 と しての生活を送 ってい る。経験 のな い もの23名,非該 当 (女性 )が5名 とな って い る。得度式を受 けなか った23名 につ いてその理 由をみ ると,大部分が早 く結婚 した ことを あげ,その他 と して は,家 の仕事が忙 し か っ た こ と,家族 員を扶養 す るのに暇が なか った こと,また式を お こな う金が準備で きなか った ことが原 因 とな って い る。 さ らにこれ ら23名 につ いて,今後僧 院生活を送 る意志が あ るか ど うかを たず ねた ところ

,

「そ うしたい ものだが,実 際問題 として不 可能 で あ るか ら,わか らぬ」答 えて い る。 子 供 の僧院経験 につ いてみ ると,20才 以上 の息子を もつ34世帯 中,27世帯 はすべて僧侶 の得 度式をす ませ,6世 帯 につ いて はす ませ た息子 とそ うで ない息子を含 んで い る。他 方,20才以 下 の男子 を もつ71世 帯 中70名 は僧侶 の得度式を挙 げ ると答 え,不確か は1名 あ るにす ぎない。 寺院を 中心 とす る部落 の宗教行事 は多 い。その うち トー ド ・テ ィアンと呼 ばれ る蝉燭奉納 祭 に かん して,98世 帯 中79世帯 が毎年,残 りの18世帯 は ときどき参加 して い る。

院を 中心 とす るこれ らの宗 教活動 の 目的は功 徳を積む ことにあ る。元小学校教 員の説 明に よ ると,村人 が仏教行 事 に専念 し,徳を積む行 為を なす動機 は

3

種 にわけ られ る。第

1

は富 と 権 威を誇 示す るため に寄進を お こな う場合で,授 か る徳 は最小で あ る。第2は功徳を積 めば来 世 よ き存在 と して生れかわ るとい う僧侶 の言葉 に したが って寄進をお こな う場合 で,第 1の場 合 よ りも授 か る徳 は大 きい。第3の動機 は淫楽 に到達 す ることを 目的 と して寄進を お こな う場 合 で あ り, 真 に仏教を信仰す る人人 の立場で あ る。徳を積 み, 生れかわ るごとに慈悲深 い存在 となれ ば,最後 には埋葬 に到達す るといわれて い る。村人一般 の動機 は第 1と第2で あ り,節 3に属 す る者 は元教員を除いて他 にない と彼 自身 い う。 この部 落で は第1の範噂 はそれ ほど顕 著 で はな く,寄進行 為 は全体 と して華美 な と ころが な く,質素 で あ り,結局,第2の範噂 が主 な 動機を構成 して い る。98世帯主 中96名 はつ ぎの陳述 に同意 し,反対 1名,調査不能 1名 とな っ 9) 上弦とT弦の8日と15日の4Ld。

(6)

宗 教 f義礼 U)機 能 的体 系 て い る。 「功 徳を積 む のは,苦難 か らよ り自由 な高 い地 位を獲得 す るべ きす ぐれた能 力 と資財 を も って 生れ か わ るためで あ り, また 同 じ苦 難 を再 び くりかえ さぬためで あ る。」そ して よ り高 い社 会 ・経済 的地 位 に生れ かわ ることは天国 と考 え られ, よ り低 い社会 ・経 済 的地 位や動物 に 生れか わ ることは地 獄 と考え られ て い る。 4 守護 霊 と しての精 嚢 前 項 にお いて述 べ た意 味 にお いて部 落民 の 仏教 にた いす る信仰 は厚 い。他 方,守護霊 と して の精霊 信仰 は近 年 ます ます不 信 ・弱 化 の傾向を みせ て い る。 この ことは村 の 神や 凹の神 にた い す る村 人 の態 度か らうかがえ る。 (1) 村 の守 護霊 この地方にお いて ほ, トン ・タキ ア ン (姐大 樹),トン ・ドゥー (印 度紫檀 ),トン ・ポ ー (菩 提 樹 ),トン ・トラ イ (櫓

),トン ・パ ユン y (樹蘭 ) な どの ご と き大木 には精霊が 宿 り, 附近 の土 地 を支 配 して い ると考 え られ て い る。 調査 部 落 にお いて も, 今か ら20年 位前 まで は村 の東 10) にあ る 自然 の塚 な い し大木 に部落 の土 地 を 守 る精霊 が住 む とか んがえ, それを畏れ, これを祭 って いた 。部 落 の歴史 は75年 前 に さか のぼ るが,開拓後 数年 もす る うちに村 の戸数 は40余 りに 達 したので村 内 に寺 を建 立した 。それ と同 じ頃,村人達 は 自然 の塚 の上 に も小 さな詞 を設 け, これを トウ- カ タブ ー もし くは トウ-プ - タ- と称 して鶏 や亀を 供物 と して毎 年 捧 げ たOそ して 部 落 にほお守役 と して祈

篇師

モ - ・ピ ィ- 1人を お いた。 しか し数 年 して近 くにあ る大木 トン ・カ- ング に詞 を移 した。 それ とと もに村 内の申ほ どにブ 一 ・バ ー ン (村 の中心 の意 ) と い って木柱を建 て た。かれ らは村 の繁栄 を願 い

,

悪霊 か らの保護 を噸 って新 し く設 けたので あ る。 これ は精霊 とは異 な り, 仏教 的 ・呪 術 1廿性格を もつ 聖地 と して崇 め られて い る。そ して ブ - ・バ ーンに祈 るに先 だ って , トウ- カ タープ -に供物 を捧 げ るのが常 で あ ったo しか し20年 ほ ど前, この部 落 に疫 病が続 出 した

U

jで, トウ- カタ-プ -の効 力が鹿 われ,同か ら精霊 を追 ililE 放 して しま った 。 したが って今 Hで はブ 一 ・バ ー ン しか残 って いない。 ブ一 ・バ ー ンの本質 は 後 述 す る クン ・プ ラ ・タムを 指 すが,人 によ って は部落 の守護 霊 と考 え られて い る。 (2) 国の神 と稲 魂 調査 部 落 ドー ン ・デ - ンy(DollDaeng)にお け る稲米 儀礼 は ほ とん ど消滅 して しま って い 胆E るので,近 くの村 の様 子につ いて記 す 。儀礼 は1年 を通 じて6回お こなわれ る。す なわ ち,耕 作を は じめ る前 にお こな うレ- グ ・ナ- クワン,L桐直前 にお こな うバ ッグ ・へ - グ, 旧 9月15 10) 蟻 の巣。 ll) これにはクン ・プラ ・タムを信 じる部落の析碍師2名が主役とな った0 12) コ-ンケ-ン町の北にある村サムラ-ン0 7

(7)

-E]か ら旧10月15Ejの問 にお こな う リア ンプ ・- - グ, 刈入 れ の ときにお こな うブ - グ ・ナ∼, 稲 を穀 倉 に入 れ るとき, お よび旧3月にお こな うス -グ ・クワン ・カー ウの5種 類で あ る。 レー ダ ・ナ一 ・クワンは春 耕 祭 と もい うべ きもので あ り, 旧6月 に稲魂を 田に迎 え る儀礼 で あ る。 目につ いて は祈祷 師 に相談 し,曜 日を 決 め るが,両 親 の死 亡 した 日は避 け るとい う。場 所 は畦 の交差点 な どに設 け られた直径 約70セ ンチ ほ どの 窪地 で あ って , クー ・へ - グとよばれ 13) 田の神が住 ま うところ と され て い る。 当 日は花 1対 , ロー ソク2本,精 米 を蒸 した もの4握 , 煙 草4本,横 榔 樹4包 ,甘 い物4皿 を家 で準 備 し, EBの神 に捧 げ る.そ の前 で 「稲 が健 か に成 長 す るよ うに,10月 には収 穫 がで きるよ うに,牛 や水牛 が病 気 にな らないよ うに, そ して死 な な い よ うに見 守 って くだ さい」 と祈 り, 凹を耕 しは じめ る。そ の後 は水 しだいで苗 床を 作 り, 籾 を ま く。 バ ッグ ・レ∼ グ とはLf]植 祭 を意 味す る。 当 日は朝 9時 頃 LEIに出て,一 番 よ く成 長 した苗を と り,それを タ一 ・へ - グの中心 に1カ所, そ の周 囲 の6ヶ所 に植 え かえ る。特 に供 物 はない。 リヤ ング・へ -グ とは穂 が実 ることを 願 って 田の神 に馨 ることを 意 味す る。 これ は旧9月15 日か ら10月15日の問の吉 日を選 んで お こな う。 レ- グ ・ナ 一 ・クワンの場合 と同 じものを準 備 し, さ らに鶏 と塩 漬 けの魚 を 供 え る。そ して 「今 日は吉 日, 田には稲 が健 か に成 長 して い る。 牛 や水牛 を疫 病 と死 か ら守 って くれ るよ うに,御 馳 走を食 べて くだ さい,田の神 よ,土 地 の神」 と祈 る。 ブ ー グ ・ナー とは田開 きの ことで あ り,取 り入 れが終 った と きにお こな う。 凹全 部 の刈 り入 れが す み稲束 を 出小屋近 くに設 けた脱 穀場に運 ぶ と, タ一 ・- -グの稲 を刈 り取 る。そ の籾 を バ ナナの葉で包 み, 田の神 に収 穫 が終 った ことを 告 げ る。そ の包 と甘 い物を竹 で編 んだ飯寵 に 入 れ ,外 側を穂 で包 み,長 い竹竿 の先 に結 びつ けて脱 穀場 のそ ば に立 てて刈 り入 れ終 了の しる Lとす る。 ilE!E ス- グ ・クワン ・カー ウほ稲 魂 の招 魂儀礼 で あ り,竹竿 に吊 した飯能 を米倉 に運 ぶ ときに倉

1

5

) の 中で お こな う。吉 日を選 び,祈 宿 白市を招 いて祈 って も らう,バ イ ・シ ィ

を準 備 し, チ- ワ i13jE ダ ーを呼 び招 魂祭 を お こな う。祈祷 の内容 はだ いた いっ ぎの ど と くで あ る。招 魂祭 は旧

3

月に もお こなわれ ,そ の ときまで は倉 の米 は使 うべ きで ない とい う。 「旧の5月が過 ぎ るとす ぐ6日が お とずれ る。両 が 降 り,雷 が 鳴 り,稲 妻が走 る。農夫 は山 刀を磨 ぎ,斧を研 ぐ。 パ ニ ア ングガ イの木 を探 しに森 に 出か け る。森 は家 か ら遠 い。パ ニ ア ン グガ イの葉 を落 し, 枝 を払 う。 それ を家 に持 ち帰 り, 床下 において お く。 大工 が来 て木 を 削 13) サムラーンの全農家の田にあるわけではなく,田を分割する場合,娘夫婦のだれか一組が親のタ一 ・ --グを受け継 ぐことになる。その娘夫婦は親と最後まで同属した者である。 14) 人間にもクワンがあるとされ,後述するごとく招魂儀礼がおこなわれる。 15) パー ・クワンともよばれるが,その内容については招魂儀礼を参照。 16) 須弥山,鋭回山の上空に住むと考えられている天人。

(8)

宗 教 儀 礼 の機 能 的 体 系 り,梨 を型 どる。 田畑 にそれ を も って行 く。それ か ら朝 を 作 って 水牛 の首 に網 で く く り つ け る。水牛 が梨 を 引 く。土 は固 くて木 の幹 の よ うだ 。鋤 きな らして幾 日か お いて お く。 苗床 を 作 り,土 の上 に粗種 を蒔 く。神 様 は椀 種 が 発 芽 して 苗 が成 長 す る。暦 に よれ ば, 旧10 月が過 ぎて,待 遠 しい 月が訪 れ る。 田の稲 は美 しい。若干 の穂 は乾 いて 落 ち る。風 が稲 の葉 を なで る。 鳥 に気 を つ け よ う。 ノ ッカチ ップや ノ ッカチ ァ-ブ よ,穂 をつつ きに来 るな。それ か ら幾 日もす ると稲 は十 分 に成 長 して実 る。皆 が 助 け合 って 刈 り取 る。3日ほ どそ の ま ま に し て ,束 ねて 乾 いた と ころに積 み重 ね る。 あ る人 は脱 穀場 を きれ い に し,叩 き棒 を も って来 て 穂 を打 ち落 す 。 あ る人 は革 帯 を も って きて籾 粒 を掻 き集 め る。 シ ィ- ・シ ィー今 日は吉 I_二】, 幸運 の H。 な にご と もが よい 臼だ。バ イ ・シ ィも飾 り つ け ら れ,御 神酒 も準備 で きて い る。 お菓 子 もた くさん あ る。バ ナ ナ と 葉 も あ る。著 の若葉 , ゆで 卵, バ ナナ入 りの餅 菓 子,砂糖 黍 , トゥ リカー,鶏 も弁 当箱 に入 れて あ る.敷物 も しいて あ る し,祝 福 の糸,瓢 箪4つ も一 緒 にお いて あ る。晩 は4本 田の4隅 にたて て あ る。み なそ ろ って 祈祷 師を 招 き, バ イ ・シ ィーのそ ば に坐 って も らう。 今 日は吉 日, す ぼ らしいLl。 われ われ は皆 で 儀礼 の準備 を して ,稲 を倉 に運 ぶ 。穂 は十 分 に ilfJE 実 って い る。晩稲 は 田植 が おそ い。 カ- ウ ・マ ッグ コー ダの穂 は上 を む く。 カ- ウ ・マ ッグ ク ウ ァ-ほ盆 地 の端 の高い ところに柿 え る。 カ- ウ ・プ ラ- ド0)穂 は籾 粒 が くっつ き あ っ て い るO カ- ウ ・マ ッグポ ーの米粒 は きれ いだ 。 カ- ウ ・チ チ ヤー ン,/も大 き くきれ いだ。 カ- ウ ・マ ッグデ ン,/の米粒 は長 くて きれ いだ 。 カー ウ ・パ -チア - ウは米粒 が長 く, うす い。 まず 早稲 を

り取 る。 カ- ウ ・イダ ム ノー イほ香 が よい。 カー ウ ・ガ -ブ ヤー ン ,/もす こ し香 が す るC カ- ウ ・チダ ムは籾 の色 が黒 いO カ- ウ ・マ ッグ ヒン ,'は ガサ ガサ音 が す る。 カ- ウ ・ロ - ドブ イア ンの米 粒 はかた いo み な よい稲 ばか りだか ら親 柱 と してえ らんで お く。 シ ィ- テ ィサ モ -。稲魂 よ来 いo ラ- ン千 ヤ- ン yの

にお ち るか も しれ ぬ カ- ウ ・ピア ン I/の稲 魂 よ,今 「1は こち らに来 いO ホ ン ・/サ ー ウ ァデ ィ-に落 ち るか も しれ ぬ カ- ウ ・- - ン グ

U

j稲 魂 よ,今 日は こち らに来 いo ホ - ラー トの町 に 落 ち るか も しれ ぬ カー ウ ・ナ

ーC

,

)稲 魂 よ,

日は こち らに来 い。 人秤 棒で 運 ぶ うち に こぼれ た稲 も今 日は こち らに来 い。鳥 に持 ち去 られた稲 も今 日は こち らに来 いO ノ ッブ ・ゲ - クの鳴声 は大 き く,声 もよいo穂 をつつ いて日 に くわえ ,遠 くの木 の頂 に持 ち 去 るO ノッブ ・カ ウ ト- ン A/は くわえて 空遠 く飛 び去 る。 ノ ッ グ ・カチ ャ ーブC/)頭 は黄 色 いO ノ ッグ ・チ ップ ピア ン ,/は身 体が 白 く, Llに くわえ た まま垣 根 や 田畑 の隅 に運 び去 る。今 日は どの稲 魂 もこち らに来 い。 み ん な,稲 魂 よ, こち らに来 い。草 む らの稲 魂 よ こち らに来 い。竹薮 の稲 魂 よ こち らに来 い。 あ らゆ る ところか ら来 て集 まれ 。 お たがい に誘 い あ って米 倉 に来 い。 の こ らず にみな集 まれ 。稲 魂 よ全部 あっ ま って こい。雨 が地 17) 以下,ここにあらわれる稲の缶はすべて橘稲であり,梗稲はみあたらないC 9

(9)

-を潤 す ご と く

,1

0

年食 べて も余 るほど

,1

0

年 出 して も- らぬ ほ ど十分 に。米を挽 いて も くだ け るな。唐 臼で踏 んで も散 らば るな。竹 の盆 で米粒を よ りわけるとき, あや ま って粗を龍 の中-入 れ ないよ うに。た とえ娘が杵 を と りかえて も驚 くな。大蛇が と ぐろを巻 くよ うに,散 らば ら ず にかた まれ

情婦 がか らむ ごと く一所 に くっっ いておれO遠 くへ行 くな。プ ラチ ャウテ- ミ 18) -,慈悲を与えた まえ

D

(3) 守護霊 にた いす る態度 以上, 田の神 にか んす る記述 は近 村 サ ム ラ- ンにつ いて調 べた もので あ る。調査部落 ドー ン ・デー ングにおいて は田の袖 にか んす る儀礼 はみ られず, また信ず る者 もきわめて ま れ で あ る。世帯主98名 中,93名 はま った く関心を持 たなか った り, また信 じることはよ くない と考え た り,無意 味だ と思 って い る。2名 は 「わか らぬ」 と答 え,信 じると答 えた ものは2名 にす ぎ ない。信 じると答 えた者 の うち1名 は長 く病床 にあ る者 ,他 の1名 は身近 な親族 のなか に甘 田 の神 の禍 を受 けた経験 を もつ者 で あ る。信 じない と答 えた者 が あげた理 由は断片 的で あるが, つ ぎの どと くで あ る。 「水が なけれ ば頼 む けれ ど, ここは水が多す ぎて」 洪水 ばか りで あ って 田の神 の効果 はない。「祭 って みて も効果 はな く, 水牛 は稲を食 う」 し 「豊 作を もた らすな に ものを ももた らして くれ ない。」 したが って祭 って みて も, 鶏 が い るだ けで あ り, 不必要 な こ とを す るのは煩 しい。祭 らな けれ ば水牛 が死 んだ り,子供が病 気 にな るとい うが,それ な らば なん ら益を もた らさず

,

「害 ばか りを与え る田の神 な どは信 じない方が よい」 し, む しろ信 じ ることは 「危険で あ る。」 しか も 「田の神 な どは見 た経験 もな く

,

存在 す るもので は な い か ら,祭 ることはま った く 「無意 味で あ る。」 田の神 の ど ときものは 「一世代前 の もので あ り

,

今 日で は もはや 「時代 お くれ」 とな って い る。 さ らに 「仏教 は田の神 の ご ときものが真でない ことを教えて い る」 し, また 「クン ・プ ラ ・タムの効力 は田の神 にまさる。」田の神 にたいす る この よ うな態度 は,すで に述 べた村 の神 にた いす る態度 と同様で あ り,一般 に精霊を守護 霊 と して崇 め る風習 は儀礼 の点 か らい って も信仰 の点か らい って も消滅 して い るといえ よ う。 5 呪文 ・護符 の効 力 (1) クン ・プ ラ ・タム 村 の守護霊を述 べた ところで, ブ∼ ・バ ー ン (村 の中心 の意 )にふれた。 これ は精霊 で もな く,神 で もな く, クン .プ ラ ・タムを祭 る聖地 とされて い る。そ こに木柱が建 て られ,下 に魔 除 けの呪文 ・護符が埋 め られて い る。 これ は前述 のモー ・タム祈祷 師2名 (村 の古老格 )が書 きつ くった もので あ り,年4回祭 るとい う。す なわち旧6月田植 の前, 旧9月, 旧12月の収穫 18) 仏陀の前 身。

- 1

0

(10)

宗 教儀 礼 の機能 的 体 系 19) 期, と旧3月で あ る。 しか し実際 には年 1回, 旧12月か3月にお こな うのみで あ る。 クン ・プ ラ ・タムは村 の 中心 ばか りで な く,各家 に も祭 られて い る。棚 には普 通 カン ・バ ッグベ ンと呼 ばれ る,紙 製 の飾 物が置 かれ ,その他 に ロ- ソクと花 な どを のせ た盆 が あ る。そ して悪霊が来 ると飾 物がゆれ ると考 え られ てい る。村 の クン ・プ ラ ・タムはい うまで もな く,家 の クン ・プ =1ト ラ ・タム も大部 分は部落 のモ ー ・タム祈

輔が主役 とな って祭 る。モ ー ・タム祈祷 師は4斎 R ごとに「1分 の宏 の飾 物を作 りかえ,棚 に供 えて,祈蕃 す るO他 方 ,各 家で は 自己の祈竃 師の と ころへ , ロー ソ クと花 を持 って行 くこともあ るO クン ・プ ラ ・タムの タムは法,プ ラは尊称 , クンは効 力を意 味す る。元小学校教 員の話 によ るとタムとは仏 陀の言葉で あ るが,それが誤 って使用 されて い るのが この部落 の クン ・プ ラ ・ タムで あ り,その意 味 において クン ・プ ラ ・タム信仰 は まが いの法で あ って ,仏教 か らいえば 邪 教で あ るといわれ る。仏 陀 の言葉 で あ ることには間違 いないが,モ - ・タム祈祷 師や部落民 一般 が用 いて い るもの は,全休 の文 脈か らご く一 部を切 りはな し,人間 に危 害を与 え るもの, ときには慈 悲を あたえ るものの分類 に したが って仏 陀の言葉を分解-,整 理 しなお した呪 文ない し護符 にす ぎない。そ して この呪文 ・護 符 は長寿,健 康,安寧 ,威力 の増加 に役 立つ と信 じら れて い る。 この よ うに解釈 されて い るクン ・プ ラ ・タムの一例を あげ るな らば,いかな る場合 で も危 険か ら自己を守 るため には 「ナ ・モ ・プ ・タ ・ヤ」を くりかえ し唱え る。 また鉄砲,刃 物,舵 ,動 物 か らの危害を さけ るため には 「プ ラプ ッ トト- カングナ ング, プ ラア ラハ ン コン グヌア,プ ラサ ン コー コング トゥドゥー グ,ユ ー ト ゥアヤマア ウ, ナ ・モ ・プ ・タ ・ヤ」 を7 回 くりかえす。 さ らに他 の人 か ら親 切 と慈 悲 の心 を ひ きだすため には 「アマ ヌ ッ トサ ン, チ ッ タングパ ンタング, アマパ ソー ピテ ィー」を くりかえす。 これ らの呪文 はパ - リ語 で あ り,個 個 の意 味 は唱え る者 白身わか らない。呪文 の うちあ るもの は広 く村人 に知 られ て い るが,元来 は人 に教えて はな らぬ もので あ って秘密で あ る。祈祷 師は このよ うな類 の呪文 ・護 符 をそれぞ れ先 生 につ いて勉 強 し無数 に知 って い る。 前述 の ど と く各 宏 の棚 には クン ・プ ラ ・タムが祭 られて い る。世 帯 調査 によ ると98世帯 中83 は棚 を もち,棚 のない世 帯 は14軒で あ る。棚を もつ83軒 中同時 に仏像 を も安置 して い るの は23 軒 にす ぎず,残 りの60軒 は棚が設 け られ てい るのみで あ る。 クン ・プ ラ ・タムは呪文 ・護符で あ るとして も,それが仏 陀の言葉 と して解 釈 されて い るか ぎ り,仏像 を安置 し,寺 院 中心 の仏 教 と相反す るもので はない。 また僧侶が, クン ・プ ラ ・タムを邪 教 と して退 け ることもないか ら,両者 は一 つ の もの として村人 の 目に うつ って い る。部落 の人 人 は クン ・プ ラ ・タム信仰 を も含 めて よ き仏教徒 だ と思 い こんで い るO仏像 を売 りに きた商人 が,棚 に仏像 が安 吊 されてな 19) l11の神祭の時期とだいたい同じであって注意をひくが,以前の状態は今わからない。 2∩) 妻と子供のクン ・プラ ・タムは同じであるが,夫は別であり,生家のクン ・プラ ・タムを崇めるとい うことがしばしばきかれる。 - l

(11)

l-いのを みて,非 仏教徒 だ と非 難 した とき,村 人の怒をか った とい うことは この ことを物語 るエ ピソー ドといえ よ う。 また クン ・プ ラ ・タム信仰 は邪 教だ と決めつ け る元 小学校教 員が祈蕃 師 か ら反 目視 されて い る理 由 もここにあ る。 (2) 家 と村 の除顧 ・増福儀礼 部落 においてお こなわれ る儀礼 の うち最 も軍要 な ものの一 つ は タムブ ン ・バ - ン (村 の除顧 ・増福儀礼 ) とタムブ ン ・ヒアン,/ (家 の除顧 ・増福儀礼 )で あ る. タムブ ン ・バ ー ンはブ一 ・バ - ン (部落 の中心 ) の側 に建 て られて い る部 落の集合所 で毎年 お こなわれ る。 タムブ ン ・ ヒアングは必 ず しもすべ ての家 がす るわけで な く,そ の年 の うちに不幸 が あ った よ うな場 合に お こなわれ る。世 帯 調査 によ ると98世 帯 中17軒が今年 この儀礼を営 んで い る。時期 は収穫 が終 った旧1月頃か ら2月頃 にか けてで あ るo タムブ ン ・バ - ンは旧3月にお こなわれた. この除顧 ・増福儀礼 は タムブ ンといわれ るご と く,僧侶 を招 いて読経 を して も らい,食 事を 献進す ることによ って功 徳を積 む ことを第1義 と して い る。 そのか ぎ りにおいて 仏教 的儀 礼 で あ る。 内容 的 には悪霊を軟 い福 を もた らす とい う呪術 的要素 が み られ る。 また儀礼 において主 役を演 じるの は僧 侶で あ るけれ ど も,古老 格 の祈祷 師 2名 もタムブ ン ・バ ー ンの準備を監 督す るとともに, クン ・プ ラ ・タムの飾 物を取 りかえて祈 る。 また タムブ ン ・ヒア ングの場 合 にお いて ほ, これを お こな う家の クン ・プ ラ ・タムに花 と ロー ソクが 供え られ るO さ らにタムブ ン ・バ ー ンの場合 には悪霊を鎮 め る供物が,集会所 の周 囲 4カ所 に打 ちこまれ た杭 に くくりつ け られ る し, タムブ ン ・ヒアングの場合 には,つ ぎにのべ るど とき特別 の除赦儀礼 を祈祷 師 に頼 む。 この よ うに家 と村 の除顧 ・増福儀礼 には種種 の要素 が混在 して い るが,その 目的 とす ると ころは村 な り家 の悪運を 除 き安寧 と幸福を もた らす ことにあ る。 なおいずれ の儀礼 に お い て 211 も,か かす ことので きぬ準備 品 と して クルパ ン と称 す るものが あ り,かつて は除顧 ・増福儀礼 が農耕 儀礼 とも関連 して いた だ ろ うことを思 わせ る。 タムブ ン ・ヒア ングの次第を示す と, 当家 は まず祈葡 師を訪れて よ き 日を 占 っ て も ら い, その 日に僧侶を招 くべ く頼 み にい く。当 日は親戚,近 隣 の ものが集 ま り,僧侶 に捧 げ る食物を 準備 す る。その 日は夕 方 7時 頃か ら約1時 間読経 を して祝福 し て も ら う。近 い親 戚,親 しい 友,村 長や長老 は式を お こな う部屋 に坐 し,他 の もの は広間 に坐 す。先 導者 に したが ってすべ ての人 が礼拝 準備を し,五戒懇請,念 仏懇請 を唱え,天人を招 請 す る。つ いで僧が薯 の言葉を 断E のべ,三 宝帰依 を 唱えた後 ,祝福 の念 仏 にはい る。それ と同時 に ロ ッ ドナムモ ンとい って聖水 を作 り翌 日までお いてお く。念仏を唱え なが ら,先導僧が托 鉢 に用意 された水 の上 に ロー ソク を たれて聖水をつ くるO部屋 に準備 された もの と して は クン ・プ ラ ・タムに捧 げ る花 と ロー ソ 21) 飯籍の中に,精米を蒸して握 ったもの1,00 胤 その他 タバ コや横梯子などをそれぞれ1,000個づつつ くり入れたもの。むかし部落の祈構師がつくり,今は寺に保存してある。 - 1

(12)

2-宗教儀礼 の機能 的体 重 写 真2 部落の集会所においてお こなわれる村の除椛

増福俵 H ;御斎

佃偶の祝福をうける付人迂 ク, 仏 陀 の像 と クル パ ン が あ る。像 か らは じめ て そ れ ぞ れ を 木 綿 糸 で 結 び つ け, 部 屋 を ひ と まわ り して , そ の終 りの 部 分を 招 か れ た憎 が 手 に もつ 。 念 仏が 終 る と僧 侶 は寺 に 帰 り, 他 の 参 列 者 は 食草 の 接 待 を受 け る。 翌 朝 は朝 7時 前 に僧 侶 を 招 き,

車 を 献 上 す るO いっ の場 合 にお いて も この行 為 は功 徳 を つ む 一 つ の

法 で あ り, 宏 の 除蔽

増 福 儀 礼 にお いて も, この行 制

環 要 な部 分 を 構 成 して い るO 終 る と僧 侶 は祝 福 の 言 葉 を 述 べ るo 「一 杯 にな った 水 淵 が 器を 完 全 にみ た す ご と く, この世 で な され た布 施 の行 紬 まこの相 を 去 った 人 人を 潤 す 。 あ な た が た が心 に想 い, 心 に決 め た結 果 が 22) 礼拝準備:「さあ心の準備をしよう。此づいて身をととのえよう,さあみんな,手を合わせて仏を念 じ ながら平伏そう.仏法に心をむけて礼拝 しようo僧侶を尊敬して,もう一度平伏そう。決意をかた く しようo」行成懇請 :「仏儀を営まれるお方よOわた くしたちはすべて三宝 とともに五戒を懇請 してお り ます。(以下 同様なことを2回繰返す)」念仏懇請 :「不率 ・禍から身を護るために,富み栄えんがたぎ) に,そしてあらゆる苦 しみを除いてもらうために,吉祥をもたらす念仏をして下 さるようあなたがた にお願いしてお りますo(以下同 じことを2回練返す)」天人招請 :「仏儀を営まれ る多 くの方方よ。慈 悲深さお方よo教典の威力を乞い願いますゆえ,慈悲をお授け下 さい,そして心を乱さず念仏を唱 え

てT さいo鉄 llll山の周囲の大人達よOこの場所に集まって下 さいoそして浬軍をのぞみ天国を接ける

1

去を聴いて下 さい。天[副こ住まう大人たちよ,どうか来て下 さいO欲界 にいようと色界にいようと。 大人の住むところは山頂 に:LET_つ七層の楼閣Oたとえ山や島に,また空中に,国境や村にいても,また ll吊 二や密林,屋敷内や畑 こいても来てfさいOそして薬叉や乾閥婆,水中に住む龍神よ,みな共にこ U)易にお供 り下 さいCどの言 葉もすべて卓越 した人の 言葉ですDあなたがた賢者よ,どうか私達の言 葉を聞いて下 さい。」肇の言葉 ・. 「仏陀(,一 切の煩悩をたち,悟をひらいた方を崇拝 しよう。(以下 2Lt・l 繰返す)」 三宝帰依 : 「仏陀は智慧を持 ち,槌を浄める)Jをもっておられ る。すなわ ち無JAlか ら 脱 し

,

上智を得られた方である。 桁 貴を歩み,煩悩から解脱 し,悪魔の民を解 くことができ る方 で あ るoそ して衆生を安寧の道に導 くOわた くした ちは仏陀に帰放 します。世界の庇護者であ り,批罪を 導 く方である。その仏陀の威光をもって,あなたがたが勝利を獲得 し,一切の危険か ら免れるように 析 ります。仏法は釈尊の勝利の旗であ って,世界に無垢の道を示 し,真二命あるものを苦難か ら救い, .:(E.:・人を庇護す る。行いがよけれぼ悦びが与えられ,平安がもたらされる。わた くした ち は, こ の 仏 法,すなわ ち無凹を破 り,平安をもたらすこの仏法に帰依 します。仏法の威光をもって,あなたがた が勝利を獲得し,一切の危険から免れるように祈 ります。僧侶は仏法をひろめ,修多羅を実践する方 であ り,世界の数数の苦難,下軌 こ打 ち勝 ち,自ら平安た りうるとともに,他の人 人をも平 安に導 き うる人であるo釈尊の説 く仏法を遵奉す るならば,その人は遺に従 うといいうるOわた くLは仏陀の 数えを知 り,戒律と見識を有する僧侶に帰依 します 。佃 目の威ljTtによ って,あなたがたが勝則を獲得 し.一 切(I)危険から免れるよう祈 ります〔」 一一 1:l1

(13)

--あ ります よ うに。そ して それが速 か に成 就 します よ うに。 あなたがたの考 えて い ることが満 月の ど と く,輝 く宝石 の ご と く 満 ちた りるまで

「あ ら ゆ る危険 か ら免 れ, そ し て あ らゆ る病 か ら免 れ, そ して あ らゆ る煩 わ しさ か ら免れたな ら,そ して あ らゆ る罪業 ,輪廻 か ら 超越 した な らば, あなた 写真3 宏の除夜増福儀礼においてお斎を捧げる主人 ;部落の寺から借りる仏像とクルパ ン がた は煩悶 な き人 とな る で しょう

「あ らゆ る呪わ しい ことが 消え うせ るよ うに。あ らゆ る病 が な くな るよ うに。 あな たが た に危 険を あたえ るものが ないよ うに。そ して いつ まで も年 若 く平穏 無事 で あ ります よ う に。4つ の徳 目,す なわ ち長寿,健 康 ,平安 ,威 力は崇拝を常 と し,不 変の賢者 を崇 う人た ち を満 た し,栄 えせ しめ る。」 その後説 教が あ り,つ いで聖水 によ るお政 をお こな う。そ して念仏を 唱えて終 る。 出席者一 同 も朝食 の接待 を受 け る。 さ らに祈 祷 師 によ る特別 の除顧 儀礼 に移 るが,その 内容 は生起 した禍 の種 類 によ って ことな る。つ ぎに, これ につ いてのべ るが, それ は タムブ ン ・ヒア ンプの ときにのみお こなわれ るも ので ない ことはい うまで もない。 6 陰 核 儀 礼 部落 の人 人が精霊を守護霊 と して崇 めな くな った ことはすで に述 べた ご と くで あ る。 しか し 悪霊 の禍 につ いての迷信 は深 く村 人の心 に根 ざ して い る。98世 帯主 中55名 は悪霊 の仕業を強 く 信 じてお り,35名 は多少 な りと も信 じ, ま った く信 じぬ と答 えた もの は7名 にす ぎない。残 り 23) の1名 は調査不能 で あ る。 また悪霊 に潰 かれた経験 の あ るもの24名 , な きもの73名 ,調査 不能 1名 とな って い る。 人 畜 に害をお よぼす霊 は さまざまで あ るが,部落 の祈祷 師 によ ると以下 の どとき も の が あ る。す なわち事 故で死 亡 した人 の悪霊 ピ ィ一 ・タ∼ イホ- ング, コレ ラで死 亡 した人 の悪霊 ピ 23) その他 世帯主自身は経験がな くとも,妻や子が悪霊の禍を蒙った例は多いn - 1

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4-宗 教儀 礼 の機 能 的体 系 ィ- ・ハ -,森 の 悪 霊 ピ ィ- ・パ -, プ ラ ・タムに潰 かれ て死 んだ霊 ピ ィ- ・ター ル ア ンJ/, ラオ族 や 山間 民族 が 畏 れ る ピ ィ一 ・ポ ー プ, 祖 霊 ピ ィ- ・スア,風 に運 ばれ る悪霊 ピ ィ一 ・テ - ン, 天高 く存 す るといわれ る ピ ィ- ・フ ァ-,町 で死 ん だ 人の悪 ど ィ一 ・ムア ング,子 供 の 死 霊 ピ ィ∼ ・デ ィブ,死 霊 ピ ィ∼ ・ロ- グで あ る。 部 落 の祈蕃 師が お こな う除顧 儀 礼 の主 な もの は,森 の悪霊 に よ り病 気 にな った 人を快 復 す る た め にお こな うテ- ン,/ ・ゲ 一, 白昼 悪霊 を み た人 の た め にお こな うシ ア ・クロ, 除敵 を幾 度 お こな って も不 幸 が 続 く人 の た め にお こな われ るサ グ ・クロ, 某地 そ の他 不吉 な場 所 を 夢 みた と き にお こな うスー グ ・クワン ・ゲ - ウ,幸 運 を もた らす た め にお こな うブ- チ ャ- ・チ ョ-グ, 悪 霊 に と り悉 か れ た人 の た め にお こな うラ イ ・ピ ィー な どが あ る. 除政 儀 礼 の うち, チ- ン ・ゲ - の例を あげ るな らば以下 の ご と くで あ る。 まずバ ナナの葉柄 を 使 って , あ さい箱 をつ くり,9つ に仕 切 る。各 仕 切 りは左 上 か ら黒 鼠 ,黄 龍 ,黒 虎 , 白 ラ イ オ ン, 赤 猫 , ウバ ク ッ ド,黄 牛, 白象 に相当 し, 中央 が テー ワダ ー に相当す るといわれ る。 そ して仕 切 られ た空 間 の

に米 , タバ コ,横 榔 予, バ ナナ, 砂糖 黍 な どを入 れ る。そ の他 ,御神 酒 と ロ- ソクを盆 にのせ , そ の盆 か ら木綿 糸 を たれ , そ の先 を バ ナナで 作 った箱 の縁 に -;r.て た 8本 の棒 に順 次 くくりつ け る。 さ らに水を入 れ た 器 と米粒 を

備 す る0 祈蕃 1'1両ままずj四 二に敬 意 を表 し, つ いで 病 人 の守 護 神 とな るテ- ワダ ーを 呼 ぶ .病 人 の 生年 月 日と状 態 を描 写 して , そ の 原 因 とな って い る悪霊 を追 い払 うこ とを援 助 して くれ るよ うテー ワダ ー に願 う。 そ して 悪霊 を 除 去 す る呪 文を 唱 え る。そ の 間 ,用 意 され た米 粒 を 各仕 切 の中 に 撒 くと と もに

,

水を 入れ た [器の申に ロー ソ クを たれ聖 水を つ くる。それ を病人 の 身 体 に振 り掛 け, 豪 の は り, さ らに 出口に撒 くOそ して痛 人の腕苗 に は木綿 糸 を播 きつ け る。最後 に8本 の 棒 にか けた木 綿 糸 は順 次 ロー ソ クの火 で 焼 き切 って しま う。 このバ ナ ナの葉柄 で つ くった箱 は - 1 5-写 真4 祈祷師が所持する盲の表と説明 '夫の外 に持 ち出 して放 棄 す るO この箱 は テ- ワダ ー に捧 げ られ る とい われ るが,明確で はな い。 た だ こ こで 注

」す べ き は,祈 祷

が 除赦 儀 礼 を お こな う

合 , またつ ぎ にのべ る招 魂 儀 礼 を お こ な う場 合 にお いて も, 悪 霊 を疎 い魂 を 呼 び戻 す た め にはつ ね に テ ワダ -の援 助 を求 めて い る こ と

(15)

で あろ う。 仏教儀礼 において もかな らず テ- ワダ ーが 呼 ばれ るが, これ は ともに仏 陀 の言葉を 聞 かせ るた めで あ る。 しか し村 人 の一般 的 な考 え方 に したが うと, チ- ワダ - ほ信頼 しうる守 護 神 で あ る。世 帯主98名 中87名 は 「不幸 や禍 の原 因 は悪霊 の仕 業 か も しれぬ し,前世 におけ る 悪徳行 為 の結 果 で あ るか も しれ ぬが, いずれ にせ よ精霊 よ りもテー ワダ ーを信 じる」 立場 にあ るO 「なぜ な らば テ- ワダ 弓 ま精 霊 よ りも力 強 く, 悪霊を 除去 す るか ら」 にはか な らない。他 の

3

名 は上記 の意 見 に 「そ うか も しれ ない」 と答 え,

5

名 は反対 して い る。反対 の理 由 はテー ワダ ーその もの に向 け られ る とい うよ りも,む しろ不幸 と禍 の原 因 につ いてで あ り, この人 た ちは,不幸 は前世 の 悪徳 の結 果で あ ると割 り切 って い る。残 り 1名 は調査 不能 で あ る。 7 招 魂 儀 礼 部落 の祈篠 師 の も う一つ の役割 は ス- グ ・クワン と称 され る招 魂儀礼 を お こな う こ と で あ る。 クワン信仰 は この地 方一 帯 に ひろ くみ られ るところで あ るが, クワン とは生命 の本質 で あ 24) り,普通 は頭 に宿 るもの とされ, そ の人 の安寧 と幸福 を左 右 す る源 と考 え られて い る。 も しク ワンが頭 か ら離 れて さ迷 った り,悪 霊 によ って 追 い 出 され た りす ると, そ の人 は夢 を みた り, 病気 にな った り, また死 んだ りす る。 したが って クワンが 身体 か ら離 れ な いよ うに腕 首 に白い 木綿 糸 を播 きつ けた り,声を 出 して クワンを 呼 び戻 した りす る。 これが招 魂儀礼 の主 な 目的で あ る。た だその場合 ,食物を用 意 して クワンを もて なす ほか, テー ワダ ー に も供物 を捧 げて援 助 を願 う。 これ らの供 物 はパ ー ・クワン と呼 ばれ, テー ワダ ーのため に は, タバ コ2本 と横 梯 子 をバ ナナの某 に包 み, ロー ソ ク2本 と共に御神 酒 を入 れ た瓶 の上 に立て , 円形 の器 の 中央 に 置 く。 クワンを もて なす ため には,バ ナナ4本 , 卵 4個 ,精 米 を蒸 して握 った もの 4個を瓶 の まわ り4カ所 に分 けて お く。器 内 にはバ ナナの葉 で編 んだ敷 物 4枚を用 意 す る。 クワンが永 久 に身体 か ら離 れた状 態 が死 で あ るが ,死 後 クワンは生前 に積 んだ功 徳 の量 に応 じて, よい部 分 は天 国 にい き, わ るい部 分 は地獄 にお ち る。す なわ ち, この世 に生れ か わ って よ りよい生活を 送 った り, 天上 に住 む テ- ワダ ー とな ること もあれ ば, この世 に生れ か わ って よ り悪 い生活を お くった り, あ るい は動物 に生れ か わ った りす る。 また 中空 に さ迷 うもの は死 霊 ピ ィ一 ・ポ ー プ と して,人人 に危 害 を与え る。死後 ,法要 を お こな い功 徳を 積む習 わ しは クワンが よ り高 い 遺徳 的存在 と して 生 れ かわ ることを願 って で あろ う。 以下 ,種種 の招 魂儀礼 に さい して 唱え られ る祈清文 の 内容 を記 して お こ う。 (1) 播 糸儀礼 シ ィ一 ・シ ィ一, チア ヤマ ング カ ラング。今 日は吉 日, よい ことに満 ち溢 れ た 目。幸 運者 の 口で あ り, あ らゆ る幸運 が ここにあ る。だか ら今 日お前 の腕首 に糸を播 きつ け よ う。他 の村 や 24) 身体には32のクワンが宿 り,身体の機能,精神活動を司るともいわれる,

(16)

宗 教儀 礼 の機能的体 系 田畑 に 出か けて , そ こに と ど ま って い る主 の クワン よ.今 口は戻 って お くれ 。 ラ- ンナ- ム-ゲ - ウに と どま る 主の クワン よ,/-H二Iは戻 って お くれC 他 の地jjに さ迷 う主の クワンよ, 今 日 は戻 って お くれ , 仕 事 に 出か けた主 の ク ワンよ, 今 日は戻 って お くれ 。遠 くに 出か けた 工の ク ワ ン よ,今 日は戻 って お くれ 。地 fIl'_あ る人 人 と会 って い る主の クワンよ,今 「=ま戻 って お くれ O 寺 で 功 徳 を 積 んで い る クワ ン よ, 今 日は戻 って お くれ ∴ 巨の クワンのす べ て よ, お前 の 身 体 に 戻 れ 。眠 りこけて い ると き も, 目覚 めて い ると き も, 日ま迎え入 れ るで あ ろ う。主 の ク ワ ン よ,密 林 や森林 にい か な いで お くれ 。森 林 に 出か けた り, 大 蛇 とと もに 基地 に眠 る主 の クワン よ, ノ汗 Iの よ き 口に戻 って お くれ 。 水龍 と と もに住 む 王の クワンよ,今日は戻 って お くれ 。植 物 や魚 を採 某 に 出か けた主 の クワンよ,今日は戻 って お くれ 。Ⅲ畑 に 出て

,

飯 を食 って い る主 の クワン よ,今仁‖ま戻 って お くれ。 (2) 十 供の ため の ス- グ ・クワン シ ィ- ・シ ィ-。 お前 が母 親 の胎 内 に宿 って か ら/汁 1は9カ月 目だ O母 斑 が 野良 か ら帰 って きて痛 みを 訴え る。兄 弟 姉妹 が 見舞 に くる。 お前 の伯 父 と母 の父 が 見 にや って くる。母 親 は臥 せ て 目を 見 した と き,死 ぬ ので はな いか と思 う。 も し

了が僻 せ だ った ら男の 了で あ り,仰 む けだ った ら女 の 予だ 。 母 親 の右 手 は胎 姫 を もち,左 手は臍 の緒 を 切 るべ くもつ 。 それ か ら母 はお前 を選別用 の盆 の 上 にのせ て ピ ィ- ・プ ラ- イ (魔 法 櫨 が 祭 る鬼 神 ),ピ ィ一 ・パ ウ (

間 民族 が畏 れ る守 護 霊 ) と ピ ィ一 ・ノ ッブ カ ウメー ウ (臭 の霊 ) に連 れて い き, 出産 を 告 げ る。母 親 はそ の前 で , も し この 千が あなた の もの な ら来て連 れ て行 け, も しそ うで な けれ ば, この 子は私 の もので あ ると い う。 そ して母 親 は 了を揺 龍 にのせ て ゆす る。 それ か ら母 親 は火 を 焚 いて暖 を と る。母 親 は 口 が や けた だれ るほ ど熱 い湯 を飲 まね ば な らな い。炎 が あが る と周 らせ られ る。.子 供 が退 屈 しな い よ うに揺 龍 を ゆす る。 つ いで 付規 は 可愛 い お前に名前を つ け る。 お前 は美 しい,黄 色 の皮 膚 を して い る。 お前 の顔 は自い。 女の 予が お前を 取 り合 うだ ろ う。主 の クワン よ, 今 日は来 て お くれ 。森 に 出か けた ク ワンよ, 来 て お くれ 。 仁の クワンが 家 に と ど ま る ことを願 う。珠 は木 で で きて お り,屋 根 は ヤ - ・カ- の草 で 葺 かれ て い るO クワンよ, 恐 れ る ことはな い。土 の頭 に とど まれ 。 身 体 の ク ワンよ,来 て 身 体 に と ど まれ O肩 の クワンよ,肩 に と ど まjt。鼻 の クワンよ, 来 て 鼻 に と ど ま れ O頬 の クワン よ,来 て至頃に と ど まれ o 首の クワン よ, 来て

目ことど まれ , 口の クワ ンよ, 莱 て 「1に と どまれ 。 目の クワンよ, 来て 目に とど まれ 。 月夜 に機 を織 る 女の クワンよ,来 て お く jtoそ して遊 び にttl用、け る男 の クワ ンよ, 来 て お くれ O そ して蟻 の塚 にい る主 の クワンよ, 莱 て お くれ。野良 に出た主 の クワンよ, 来て お くれ 。 悪霊 の問 を さ迷 う工 の クワンよ, 来て お く れ 。川 にい る

の クワン よ,来 て お くれ 。森 の はずれ に い る主 の ク ワンよ,来 て お くれ 。クワン よ, クワン。 チ ャヤ トウ, パ ウ ァン J,, チ ャヤマ ン ,'カ ラ,私 は主 の クワ ンが こ こに来 て くれ - 17-I

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るよ うにテ- ワダ - に頼 んで い る。 ヤー ・カ-の草 に とど まる主 の クワ ンよ,今 日は来 て お く れ 。猿 の住 む森 に とどまる主の クワ ンよ,来 て お くれ 。 ナー グゥ ・ガ ァー ムの腹 にい る主 の ク ワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。 ナー グ ゥ ・- - ムの芋 畑 にい る主 の クワ ンよ,今 日は 来 て お く れ 。 ナー グ ゥ ・- イの クラー ム (染物 に使 う木 )畑 にい る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。 ナ∼ グ ゥ .ノー ンの肩 に とどま る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ .土 地 の神 の字司にい る主 の クワ ンよ,来 て お くれ 。4つ頭 の龍 や人魚 とと もにい る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。猿 と 話 して い る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。 ナ- グ ゥ ・ポー, ナー グ ゥ ・パ ウの家 に とどま る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。谷 間や墓 地 にい る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。象 の牙 にい る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。遠 くに さ迷 う主 の クワ ンよ,今 日は 来 て お く れ 。寺 の土 地 にい る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。他 の遠 い と ころに行 って い る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ O タ イにい る クワ ンよ, そ して他 の園 にい る主 の クワ ンよ,今 日は来 て お くれ 。 あ らゆ る クワン,息子 と子 供 ,稲 の クワン,妻 の 子供 の クワ ンよ,今 日は来 て お く れ O ナー グ ゥ ・シ ィ- とナ- グ ゥ ・ナー ドの クワ ン,地下 に住 む ナ- グ ゥ ・ト- ラニ ーの クワ ンよ,来 て お くれ 。 3の クワ ン, 9の クワ ンよ,来 て お くれ 。 ど うか きて お くれ 。 チ ャヤ トゥ パ ウア ング, チ ャヤマ ング カ ラ, ニパ ー ン, パ ッチ ャ ヨー ホ一。 (3) 病人 のた め の ス- グ ・クワ ン 写 真5 事故 にあ ったバ ス運 転手 (前列左 か ら3人 目) の ク ワンを呼ぶ祈祷師 (前 列左か ら 2人 目) ; 中央はパー ・クワン い るの な ら,今 日は儀礼 を お こな うの に よい 口で あ る。 シ ィー ・シ ィ∼, サ ワ デ ィー。今 日は吉 日,辛 運 の 日。病 め る クワ ンを 強化 しよ う。男 で あ って も, 女で あ って も,大人 で も子 供 で も か ま わ な い。 胃病で あ って も,頭 痛で あ って も,風邪 で あ って も,病 め る クワ ンを 強化 しよ う。 胃病,風 邪, 咲 , あ らゆ る病 気 が お前 を 困 らせ る。 も しお前 が いずれか の病 気で 困 って クワ ンよ来 て お くれ 。今 お前 が病 気で悩 んで い るの な ら,去 って も らうよ うに頼 も う。浄居 天 の よ うな永 遠 の長寿 を祝 福 しよ う。そ して 浬盤 に到達 す るほ どの長寿 を祝 福 しよ う。バ ラモ ンの ご と く1,000年 以上 の生命 を祝 福 しよ う。

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宗教儀 礼の機能 的体系 私 の声 は よい。王 の クワ ンよ遠 くへ行 か な いで お くれ 。 クワ ンよ,森 に 出か けて と どま らな いで お くれ 。夜 おそ く家を 離れ な いで お くれ 。 月の光 が 明 る くと も,稲妻 と雨 が はげ しい とき も,身体を離 れて遠 くへ行 か な いで お くれ 。 も し寒 さが ひ ど くて も,よ く聞 いて お くれ 。辛抱 し て,怒 らないで お くれ 。お前 の身体 が快 復 し,高齢 に達 し,死 ぬ まで,忍耐 強 く辛抱 して お くれ 。 (4) 結 婚 式 の ス- グ ・クワ ン シ ィ- ・シ ィ- ・シ ッテ ィプ ラポ - ン。お前 が成長 して若 い娘 とな ると き, 青年 と年 寄 が お 前 を賞 で に くる。お前 の両 親 と祖父 母 が, お前 を大 切 に取 り扱 うだ ろ う。お前 は適 令期を むか え る。お前 はけ っして離婚 しないだ ろ う。男 の親 達が, お前が かれ らの息子 に適 して い ると聞 きお よび,結 婚 を申 し込 んで きて い る。 結 婚 式 の 臼が近 づ くと,パ ー ・クワ ンが用意 され る。 占師 によ ると,その 日は吉 日で あ る。 お前 は泣 き悲 しむ必要 はない。私 が あ らゆ る散を克 服す るべ く祝 福 しよ う。 お前 が功 徳を 精ん で 悪霊 に打 ち勝つ よ うに祝福 しよ う。 占師 に よ ると今 日は吉 日で あ る。私 はお前達 2人 の ため にパ - ・クワ ンを準備 す る。米,負 ,那,甘 い物 な どい ろい ろあ り,薬 もあ る。パ ー ・クワ ン の用意が ととの うと,花 で香 りもよ くな る。 われ われ はお前達2人 を迎 え入 れ るた め にい ろいろ と準 備を して い る。年 寄 と両親 ,美 しい 娘 た ち も喜 んでや って くる。 かれ らはお前 のパ ー ・クワ ンを もちあげて左 右 に振 る。年 寄 は上 座 に坐 る。私 は遠 くに出か けた主 の クワ ンが お前 の身体 に とどまるよ うに クワンを 呼 ぶ 。私 は 主 の クワ ンを呼 び,愛 す る人 の側 に とどまるよ うに しよ う。 クワ ンよ, クワ ン。主 の クワ ンは 花 と と もに来 る。 お前 の髪 の毛 は美 しい。 今 日は吉 日。 お前 は 夫 の側 に とどま らね ばな らな い。 お前 達2人 は相 ふ さわ しい。私 はお前 達 2人 が年 を とるまで長 く生 きる よ う に 祝 福 し よ う。私 はお前達 が多 くの子供 と召使を もつ よ うに,財産 を きず くことがで きるよ うに祝福 しよ う。私 はお前 達 が よ り大 きな威 力を もつ よ うに祝福 す る。 クワ ンよ, クワ ン。 夕幕 にな るとき,主 の クワ ンが お前 とともに とどま るよ うに。お前 の 母が来 るべ き人 を待 っ て い る。私 た ちほ いろい ろ と衣 類 を そ ろえて用意 して い る。私 は親愛 な クワ ンが お 前 とともに とど まるた め に呼 んで い る。 も し王 の クワ ンが遠 くに離 れて い るの な らば,今 [1来 て お くれ。も しお前 の クワンが昔 の恋人 と一緒 な らば,今 E]ほ来 て お くれ 。私 はお前 の頭 を洗 って,/化を飾 っ て あげ よ う。お前 の親戚 や近 所 の人 人 が お前 が来 るのを待 って い る。 ナ- グ ゥ ・テ ィダ -バ ー ンヌ アが お前 を ま って い る。来 て

食を と もに して お くれ 。私 達 は卵を お前 にあげ よ う。昔 の習 慣 に したが って今 日は吉 日だ とい う。私 はお前 た ち2人 が両 親 とな るよ うに連 れ添 わせ よ う。 (5) 得 度式 の スー グ ・クワ ン シ ィー ・シ ィ-,ス ッグサ ワデ ィ-。私 た ちは祖父 母,両親,親 類 に敬 意を表 わ します 。私 た ちは今 得度 式 のた め に招魂 祭を します。 お前 は両親 と親 類 の人 か ら許 しを えて得 度式を あげ, 仏 門 に入 ろ うと して い る。 苦難 は この世 界 と と もにあ る。お前 は年 を とる し,病 気 に悩 ま され - 19

(19)

-る。お前 は死 に, け っして もとに戻 らない と信 じて い るOそ こで お前 は功徳を積 まね ばな らな い。 お前が子供 の とき,母親 は 臼に2,3回御飯を噛 んであたえた。 お前 の母親 は 臼に 2度 も 3度 も水浴 させて くれた。母親 はお前 のため に食物を探 し,雨 が降 り,稲 妻がす ると母親 はお 前を抱 いた。お前 が眠 ると,- ンモ ックに入 れた。起 きると, お前を抱 き, はめたたえた。大 き くな るまで お前 の世 話をみ,見習僧 の得 度式をす ませ た。そ してお前 は十 戒を学 んだ。 20才 にな った とき, お前 は親類や友人 の ところに出か け,得 度式 の援助を して くれ るよ うに 赦 んだ。あ る人 は毛布を, ある人 は黄衣 を, あ る人 は上衣を, ある人 は下表を, あ る人 は肩衣 を, ある人 は托鉢 を, あ る人 は草履 とベル トを与え る。また鉛筆,食物,椀 と皿 と瓢,ナ イフ, マ ッ ト,横 榔子 とタバ コを あたえ る。た くさんの品物が心 か らあたえ られ る。それ はかれ らが 苦難 か らのがれ,数百年 に もた っす る長寿を獲得す るための行為で ある。4つ の徳 目 と は 長 育,健 康,安寧 ,威力で あ る。 私 た ちは得 度式 を しよ う。森林 に さ迷 った り,悪霊 と友達 にな らないで お くれ。猿 の声,野 鶏 の声を聞いて も,蒔 曙 す るな。森 の悪霊,演,孤 , ラ イオ ン,虎 な どと一緒 に住 むな。山, 沼沢,河 な どをめで るな。私 た ちは得 度式 の ス∼ グ ・クワンをお こないお前 を祝福 す る。 ヤヤ トゥパ ウ ァング, チ ャヤマ ング カラング,ニバ ーナパ ッ トチ ャヨーホ トゥ。

(

6

)

普通 の ス- グ ・クワン 旧6月が来 ると新 しい年が始 まる。富 と稲妻 を ともない,雨 は花 を潤 す。露 のため に魂 は寒 さにおびえ る. クワンよ,来てお くれ,遠 く-行 か ないでお くれ。香 の よい花 レー テ-, マ-テ∼, ラガ-の花 も咲 きは こって い る。 テ- ンチ ャム ピアの花 も地 に咲 きみだれて い る。谷 の 下 は明 るい。お前が遠 くはなれ ると,母親 は心配 して嘆 く。 クワンよ,森 の中を迷 うことなか れ。主 の頭 に戻 り,龍 と戯 れ ることなかれ。 クワンよ,安心 して こち らに来てお くれ。櫛 も衣 類 もあ る。香 の よい木 チ ャンダ イや チ ャンホ- ムもあ る。 すべてお前 のため に用意 して あるの だか らO横榔子,バ ナナ,砂糖 きび, ココナ ツ, カレー ・ス-プ,それか ら鶏 も。急 いでおい で,急 いで 。6月の末 は尾長猿 が吠え る。外 は富 と稲妻 ばか りだ。 クワンよ,主 の頭 に とどま って,宙 に迷 うことなかれ。 空 には鳶が い る。 遠 くへ 1人で行 くな。 クワンよ, 戻 って お く れ。卵 もあ るし砂糖 もある。来て食 べて くだ さい。来て お くれ 。そ して安 らか に とどま ってお くれ。5つ の悪霊 に打 ち勝 て。 クワ- ンよ来 てお くれ。 クワ∼ ンよ。 最後 に, これ ら招魂儀礼 に さい して は多数 の親戚 と知人 が参加す る。祈商が おわ ると,祈構 師 は当人 の腕首 に糸を播 きつ け るが,つづ いて参列者 全員が 同 じことを繰 り返 す。そ して病 気 の快復,無 事息災を祈 りなが ら合掌す る。 さらに援 助 の しる Lとして幾 ば くかの金 を掌 や器 に お いた りす る。当人 は手 を差 し出 し, これ らの人人 に応え る。それ は当人 が よ く知 って い る親 戚 で あ り,友人で ある。播糸が お こなわれて い る問, 当人 は多数 の情愛を感 じて,一種 の安心 感を覚 え るにちが いない。

(20)

宗 教 儀 礼 の機 能 し杓体 京 8 お も り に lュ上,調査 部落 ドー ン ・デ ー ン ・,にお け る宗 教上 oj諸活動 と村人 の 信仰 態 度を

述 し て き た。 かれ らは仏陀 に帰 依 し, クン ・プ ラ ・タム (呪文 ・護符 )の効力を信頼 す る とと もに, ク ワン (霊 魂 )の存在 を信 じ, また テー ワダ ー (大人) に加 護 を求 め る。 ピ ィ一 ・タ一 ・へ - グ

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神),トゥ- カタープ - (村 の 神)の ご とき守 護霊 にた い して は疑 惑 の念を抱 き, 仏教や クン ・プ ラ ・タム信仰 に よ り, ほ とん どその形 態 と機能 を失 って しま って い る。 しか し悪 霊 の 存在 につ いて は不 幸 や禍 の

原因

として根 強 く村 人の心 に とどま って お り, 積極 的 に除顧 儀礼 が お こなわれ る。宗 教上 の これ らすべて の諸活動 は,形 態 的 にみれ ば,歴 史的 に異 った 要素 か ら 構成 されて い る。 しか し各要 素 か らな る混合 物 は全体 として一 つ の機能 を果 して い る。それ に 対応 す る基 本的価値 は 「あ らゆ る危 険 な存在 か らのがれ,安 全を求 め る」態 度の うちにみ られ る。呉 体 的 には FJi=-業,長寿,健 康 ,安寧 , 威 )Jが 「望 ま しい もの」 として 認め られて い る。 身体 に宿 ると され る クワ ンは生 命 の本質 で あ り, 身 体の 諸活動 と精 神 活動 を司 るが , 身体 か らの永 久 的 な離脱 は死 として,一 時 的不在 は夢 の

囚 とされ, さ らに不健 康,病 気, 郵 政な ど の禍 の もと とか んかえ られて い る。 したが って 健 康 を保持 し, 病 気 の快 復 を願 い, 長 寿 を望 み,安 寧 を もとめて招 魂儀礼 が お こなわれ る。積極 的 に クワ ンを呼 び 身体 に とどま るよ うに祈 葡 す ることが その儀礼 の 中心 で あ る。悪 夢 や病 気 は, クワ ンを怯 え させ , また追 出す悪霊 の仕 業 で もあ る。 悪霊 の種 類 は多 く,症 状 に したが って

,

個個 の悪霊 にた い して 除顧 儀礼 が お こな われ る。招 魂儀礼 にお いて も,除顧 儀礼 にお いて も,つ ね に テ- ワダ -が招 かれ,そ の慈悲 の 力が求 め られ る。 さらに悪霊 その他 書 を お よぼ す危険 な存在 を遠 ざけ,安 全な ものを ひ きつ け る力を持 つ もの と して クン・プ ラ・タムが 信 じられて お り,個 人 のみな らず, 宏や村 の安 寧 と繁 栄 を増 加 す る上 にお いて村 人 の心 を深 くと らえ て い る。それ は仏陀 の言葉 の呪術 的使 用 にはか な らな い けれ ど も,村人 の信仰 体 系 のなかで大 きな比重 を 占めて い る。一 切の危 険 と苦 難 か ら の解放 ,長 寿,健 康 ,安寧 ,威 力を獲 得 す る ことは, 仏教 的 な 文脈 にお いて は善 業 に よ って の み

能 で あ る。 寺院や僧侶 にた いす る寄進行 為 はすべて善 業 と解 せ られて お り,死後 クワ ンは 功 徳 と悪徳 の衡 に よ り大 国 に生 れ た り,地 獄 に生 れか わ った りす る。普通 ,大

とは社会的, 経済 的 によ り高 い地 位 に生 れか わ る こと として,地 獄 とは よ り低 い地 位 に生 れか わ る ことと し て姉 別 されて い る。部 落の宗 教 的諸活動 を要 約 す ると上記 の ご と くで あ り, そ こには 「あ らゆ る危 険 な存在 か らのがれ,安 全を求 め る」 とい う態度が一貫 して み いだ され る。 この部落 の宗 教 活動 は形 態 的 に は さまざ まな要素 か ら構成 され て い るが,各 要素 間 の接点 は上 に記 した よ う な基 本 的態 度の うちにみいだ され るので はなか ろ うか 。 -

表 1 社 会 的 地 位 の 序 列 世帯 番号 l 平 均職 位 【 眠位 の範 囲 】年 令 NO NO 住 NO NO NO NO NO 僧 NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO NO N0 NO NJ NO NO NO 2515職0594138407侶1434乃76337456509960270111111111 672320 0 4

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