九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
大気中固体誘電体沿面のインパルスフラッシオーバ 現象に関する研究
嶋崎, 俊行
https://doi.org/10.11501/3088212
出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
多g.o4主主 E司手ヨ「写吉区圭量じっ二たきし、ま台E而σコ工Eイ�ノてノレエえフラッ乙/
ォー一一ノミ主量不呈とE持f生
4 _ 1 まえカまき
沿面放電は 、 固有容量だけでなく沿面の状態すな わち、 導電性、 材料の 仕事関数、 耐アーク性等 に影響されることが予想される。 そこ で 、 本章の 研究では 、 正極性インパルス電圧を用い 、 第3章と同じ程度の固有容量で、
誘電体材料をアクリルから放電分野でよく使用されるポリエチレンテレ フ タレート( P E T )に変えて第3章と同様な一連の実験研究を行うと共に 、 固有容量を1桁以上大きい領域まで変化して沿面フラ ッ シオーバ電圧特性 および沿面フラ ッ シオーバ過程を調べ、 沿面フラ ッ シオーバ機構を考察し た。 その結果、 次のような要因を通して 、 誘電体材料と固有容量がフラ ッ
シオーバ現象 に影響していることがわかった。
( 1 )電源のエネルギーが一般の高電圧試験 に使用されている程度 であれ ば 、 放電 による沿面の劣化は小さく 、 このとき、 沿面 が乾燥していれ ば沿面フラ ッ シオーバ現象 に対する誘電体材料の影響はほとん ど認め られない。
( 2 )沿面フラ ッ シオーバ現象は、 固有容量が約 2. 6 p F / cm 2を境lこして変 化する。 これは主 に 、 固有容量が大きくなると、 リーダの成長部分と 背後電極との聞の充電電流 によるリーダチ ャネル加熱がリーダ成長 に 大きく寄与することによる。
( 3 )固有容量が大きくなると、 高電界電極近傍の電界傾度が大きくなり、
これはコ ロナ開始電圧を下げる が、 コ ロナの進展を抑制する。
本章ではこれらの結果 について述べる。
4_ 2 主主三店食事定吉主主ラよてノに�h才去
第4 - 1図に実験回路を、 第4 - 1表にその回路定数を示す。 印加電圧は ほぼ1/40μsの正極性インパルスであるが、 固休誘電体の固有容量の増加に よって歪まないように、 3種類の回路を実験条件に応じて使用した。
第4 -2図に電極構成を示す。 同図( a )および(c )は、 斜上から撮影し
た電極の写真で、 同図(b )、 (d )および( e )は横方向から見た断面図であ る。 高圧側の電極としては、 直径が5 mmで先端の曲率半径が 0.28mmの砲弾 型のステンレス棒を、 背後電極としては、 一辺が30 cmの正方形状の銅平板 を使用した。 また、 誘電体の上には内部を半径dでくり抜いた厚さRの環 状電極を置き、 接地側の電極として使用した。 なお、 環状電極の内側部分 は電界集中を避けるため 、 同図(b )に示したように曲率半径R( = d /2)で 丸く仕上げている。 50 %沿面コ ロナ開始電圧VC!Jjおよび50 %沿面フラ y シ
オーバ電圧 V60の測定は、 環状電極の内半径を種々変化して沿面距離dを 変え、 棒電極先端を水銀灯により紫外線照射を行ない、 約30回の昇降法に より測定した。 誘電体は一辺が22 cmの正方形状の PET (ポリエチレンテ レ フタレート) フ ィルムで、 固有容量Coが55 (厚さτ =0.05)、 27(0. 1)、
11 (0.25)、 および7. 8 p F / cm 2 ( O. 3 5 mm )の4種類を用い、Coが3.9(0.7)および 2. 6 p F / cm 2 ( 1. 0 5 mm )の場合には、τ がO. 35 mmの PET をそれぞれ2枚および 3枚を重ねて使用した。 また、 PET フ ィルムは十分に乾燥した反りの無 いものを使用して、 重ね合せる時には十分に密着するように注意し、 電圧 印加毎に取り替えた。 放電過程の観測には、 イメージコ ンパータカメラを 用い、 流し撮り写真の撮影の場合には、 スリ ッ トを取り付け、 環状電極 の代りに半丸棒電極(第4 -2図( c ) 、 (d )}を用いて観測した。
可、JnK
4B・E・pu
高 圧 直 流 電 源
電僅系 C2
オシロへ オシロへ
第4 - 1図 実 験 回 路
第4 - 1表 回 路 定 数
回路記号 波形(μs ) C 1 (μF) C 2 (pF) R 1 (Q ) R 2 ( Q ) R 3 ( Q )
A 1. 0/40 0.2 2450 80. 2 1 56. 8 1 57. 7
B 1. 3/40 1. 0 1 4200 10. 0 2 g. 4 4 g. 0
C 1. 3/3 9 5.0 3 3700 1. 8 6. 8 14. 7
」一一
(a)様対環状電極(11 )
( C)作対半メリ事電極
d→|〆棒電極
環状電極
背後電極 (b) (a)の側面図
U/棒電極
(e) 現状電極なし 第4 - 2図 電 極 構 成
4. 3 乞E手守Eヨ}fgσ:>Jf3ヰ犬とブミきさ
第4 - 3 図は、 種々の電圧を印加した場合の電荷図を示したもので、 同 図(a)�(c) は、 誘電体の固有容量coが2. 6 p F / cm 2 (τが1. 0 5 mm )、 (d ) �
( f )は1 1 p F / cm 2 ( o. 2 5 rnm )、 (g)�(i)は55 p F / cm 2 (0. 0 5 mm )の場合である。
なお、 この羽合には、 第t1 - 2図( c )のように環状電極を取り除いた電極 配置にな っているo 同図(a )、 (d )、 (g )は、 電流パルスが1発のみ 、 す なわちPolbüschelの場合の電荷図であるo この場合には、 Coが大きくなる
と沿面コ ロナストリーマの発生電圧が低くなるため、 ストリーマの進展距
離はCoの増加と共に短くなるが、 いずれの場合にも多数のフ ィ ラメ ント状 のストリーマが棒電極先端から放射状に進展しほぼ円形になる。 同図( b )、
( e ) 、 ( h )は電流波形のパルスが2発の場合で、 沿面コ ロナストリーマが
棒電極先端から2度発生した場合である。 Coが2.6 p F / cm 2の場合には、印加 電圧が15.4kV{同図( b ) }であるが、 c。が増加して11p F / cm 2の場合には、8.8 k V {同図( e )}、 55 p F / cm 2の場合には 2. 2 k V {同図( h )}となり、 Coの増加と 共に低い印加電圧で2発目の沿面コ ロナストリーマが発生する。同図( c )、
( f ) 、 ( i )には電流パルスが多数発生した場合、 すなわちG 1 e i t bü s c h e 1の
電荷図を示している。 これから電荷図先端部のストリーマは、 Coが2.6pF/
cm 2 の場合には明確に認められるが、 Coの増加と共に短くなり、 Coが55pF / cm 2の場合にはさらに著しく短くなることがわかる。
第4 -4図は、 環状電極を取り除いた電極配置で、 固有容量Coと円周上 単位長さ当りのストリーマの枝数nの関係を、 電流パルスが1発のみの場 合(第4 - 3図(a )、 ( d )、 (g )に対応)の電荷図形から求めたものである。
ここで、 円周上単位長さ当りの枝数nは、 電荷図先端部の円周上のストリ ーマの数を求め、 それを図形の最大半径の円周で除したものである。 同図 からCoの増加と共にnは増加し、 c。が2.6-'" 55pF /cm2でのnの平均値は5.7
"-' 20.1本/cmまで増加する。なおそれぞれのτ に対する固有容量Coは PET
の比誘電率εsを、 3.1として計算したものである。 またn(本/cm)とCo(pF/
cm2)の関係は両対数目盛でほぼ直線で示すことができ、
n = 3. 8 Co O. 4 2 (本/cm) ( 4 -1 )
が成立する。 このことからPolbüschel発生時の円周上単位長さ当りのスト リーマの技数nは、 τ 、 すなわちCoのみに依存することがわかる。 なお、
電流パルスが1発のみの場合のストリーマ発生時の瞬時電圧%は、 同じτ、
m
一 VU1 41K 17一
、ぷ!!l年
A、立、-
うJシ,
一 等込山、い
、子園E
同 階 Y
W九 I とよ捻守
EJμベt
(a) V=6.3kV (b) V=15.4kV
(d) V=3.7kV
(g) V=1.6kV
(e) V=8.8kV
(h) V=2.2kV
(c) V=21.7kV
m
MMMYAll e --i
4
一
(f) V=11.6kV
3cm
- t117
( i) V=6.9kV
(a),(d),(g) :電流パルスl 発の場合、(b),(e) , (11):電流パルス2発の場合 (C),(f),(i):電流パルス多数発の場合
( a ) ... ( C ) : co = 2. 6 p F / cm 2 (τ= 1. 05 mm)、(d ) --( f ) : Co = 11 p F / cm 2 (τ= O. 2 5mm) (g)...( i) : Co=55pF/cm2(τ= O. 05 mm)
第4
-
3図 種々の厚さの PET フ ィルムに対する電荷図ロ:τ=1.05mm 圃:て=0. 70mm ð.:て=0. 35mm
Å: r =0. 25mm 0:τ=0. 10mm
・:τ=0.05mm
30
7
2 20
ハUAEag
(EU\怜)C
3 州制以WQA矧初出制}砦Q川「匹E治図EU
2 30 50 70
Co(pF/cm2) 20 10
固有容量 5
3
リーマの校数 電荷図円周上の単位長さ当りのス ト
第4 - 4図
同じCoで したがって 、
すなわち同じcoでも後述のように若干の幅がある。
放電電荷量も大きくなるので、
トリーマの進展長が増し 、 はれが高いと 、 ス
リーマの伎数 本研究ではス ト
しかし 、 トリーマの技数は増加する(8 I )。
ス
トリーマが進展した最大長さを半径とした円周で除しているので 、 lfc
をス
が異な っても同じcoであればれとn の間には何らの関係も認められなくな リーマ発生時の瞬時電圧にも関係しない。
ト n はス り、
電流パルスが1発のみ発生 同械に環状電極を取り除き 、
第4 - 5図は、
リーマ発生時の電圧瞬時値れと電荷図形の最大半
'--、,
coを種々変化させた場合について示したもので ある。
ト した場合について 、 ス
径tとの関係を、
こで極々のcoの瞬時電圧1んに対するtの分布を1本の直線で統ーすると、
1)と( k V )と2 (cm)との間には
2 =0.261ん一0 .2 (c m ) (4-2)
がほぼ成立するo ただし 、 厳密にそれぞれのCoについて見ると、 抗に対す るtの分布はほぼ原点を通る直線となるo また、 それぞれのCoに対する測
定値の分布の範囲はcoによ って異なり、 例えば、 coが2. 6 p F / cm 2の1は1.0
,...,
1. 8 cmの範囲であるが、 coが5 5 p F / cm 2では O. 23--'" O. 5 cmの範囲となり、 Coが大きくなるほど低いれでストリーマが発生し 、 また、 電流パルスが2発 以上発生する電圧もcoが大きい程低くなるo 本実験結果は、 Coが2. 6
--..,
55ご〉ム�
fhU
』4b ukN出MW制似トl
「一ム
代2
dt
2.6pF/cm2(τ==1. 05mm) 3.9pF/cm2(τ==0. 70mm) 7. 8pF/cm2 (τ==0. 35mm) 11 pF/cm2(て==0. 25mm)
ょ・o
れ=55 pF川
ハU ハU
0.5
di--' ハU
1.5 2.0 2.5電荷図形の半径♂( cm)
第4
-
5図 電荷図の大きさp F / c m2のものであるが、 coがこれより小さくなるアクリル板(8 2 )での測定 値ともほぼ連続する。 したがって、 これは種々のCoに対して (4 -2 )式が適 用できることを示している。
4: _ 4: 50%才台在百コロサーロ日tl台てG:ITと50%才台E百フラッシ コr-ーノミτfi:EE
第4 - 6図は PET フ ィルムの固有容量Coが5 5( τ=0.0 5)、 2 7(0.1 )、 11 (0 .2 5)、 7 .8(0 .3 5)、 3.9(0 . 7 )および2. 6 p F / cm 2 ( 1 . 0 5 mm )に対する50%沿函
コ ロナ開始電圧 VCSJと沿面距離dとの関係を示したものである。 同図から
4
二=乙三〉
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三〉
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回 551
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Co=2.6pF/cm2(τ=1. 05mm)
/ 口 口
,・ ・ Co=3.9pF/cm2(τ=0.70伽mm川. ) ロ..^〆込-ム ム A ム
f
coルω=汗7川8ω8pF/Jt!'Å.-JJ..左一1企 Å. Å. .
Co=11 pF/cm2(τ=0. 25mm)
企
〆十0 0 0
Co=27 pF/cm2 (τ=0. 10m m)
/・.-.-・ ・
Co= 55 pF/cm2(τ=0.0Mm).・
2 4 10
沿函距離d (cm)
第4 -6図 50%沿面コ ロナ開始電圧と沿面距離との関係
わかるように、 dがほぼ 2cm以下の範囲ではdの彫響が著しく、 dの増加 と共に VCSJは急激に上昇するo しかし、 dが 2cm程度以上になると、 dの 影響が少 なくなり VCSJはほぼ一定の値になるo また、 PET フ ィルムの回
有容量coの減少と共に VCSJは上昇するが、 Coが3. 9および2 .6 p F / cm 2ではほ ぼ同程度になる。
第4 - 7図は、 第4 - 6図におけ る VCSJが、 dに対 しでほぼ一定となる6cm
のdに対する VCSJと固有容量coとの関係を、 片対数グラ フで示したもので ある。 同図からわかるように、 この羽合の VCSJはCoの彫響を受け、 Coの地
加と共に減少するo その関係は、 片対数グラフでほぼ直線となることから、
VCSJ = - O. 8 6 1 n co + 4. 73 ( k V ) ( 4. 3)
で表すことができる。 なお、 (4 -3 )式による計算他はCoが2.6 p F / cm 2以下に なるτが、1および5mmのアクリル阪に対する VCSJ (3 -3節)とも良く一致するo
4 口
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円ノム O凶U〉出MW設匹
オ\ 口:τ=1 .05mm
・:τ=0.70mm .6:τ=0. 35mm 4:τ=0. 25mm 0:τ=0. 10mm
・:τ=0.05mm 口n回定求om
a-tEI ハU
2 3 5 7 10 20 30 50 70 固有容量Co (pF/cm2)
第4 - 7図 50 %沿面コ ロ ナ開始電圧と固有容量との関係
したがって、 (4 -3 )式は1 . 3 "-' 5 5 p F / cm 2の広い範囲のCoに対して適用できる
ことを示している。
第4
-
8図に、 coを種々変化した場合の、 V 60とdとの関係を示すo そ れぞれのcoに対する V60 - d特性は、 ある沿面距離dcを境として異なるこ とがわかるo なお、このdcはcoに依存し、Coが増加する程小さい。 dが 0.4 c m..._. dcの範囲における Vr,O には、 coに よ る差異は認められず、 Vr,O (kY)は口
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25。 ぱ可
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川式による計算値•
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sas- -'saas'a'e
ロ:Co=2. 6pF/cm2 (τ=1 .05mm)
圃:Co=3. 9pF /cm2 (τ=0. 70mm)
ム:Co= 7 . 8pF/cm2 (τ=0. 35mm) .4:Co=ll pF/cm2(τ=0. 25mm)
0: Co=27 pF /cm2 (τ=0. 10mm)
・:Co=55 pF /cm2 (τ=0. 05mm)
「ヘノ
nU nu
2 付 6 8 10
沿面距離d (cm)
第4
-
8図 50 %沿面フラ ッ シオーバ電圧と沿面距離との関係d (c m)の増加と共に直線的に上昇し、
V�O = 18 d (kV) (4 -4)
が成立する。 しかし、 dがdcを超えると、 VP'>O はCoにも関係するようにな
り、 その減少と共に上昇するようになる。 dがdc --- 10 c mの範囲では、
V�o =A+0 .77d (kV) ( 4 - 5 )
がほぼ成立するo ここでAはらによ って決まる定数で、 Coが 5 5、 27、 11、
7. 8、 3.9、 2 . 6 p F / cm 2の場合Aは、 それぞれ5 .7、 8.0、 9.3、 10. 8、 14. 6、
18 . 4となるo 以上のようにdがdc以下では(4 -4 )式が、 dがdc以上では(4- 5 )式が成立し、 このdcを境として V�O -d特性の異なる二つの領域に分け ることができる。 そこでdがO. 4 --- dc (c m )の範囲をC' 領域、 dc --- 1 0 c m の
範囲をÄ領域と呼ぶことにする。 ところで、 (4 - 5 )式の定数AとCoとの関 係を第4 - 9図に両対数グラフで示すとほぼ直線となり、
30
フJ にJ
ユ0 ム‘
口: -r =1. 05mm 圃:τ=0.70mm
.ð: -r =0. 35mm Â.:τ=0. 25mm 0:τ=0. 10mm
・:τ=0. OSmm 20
〈工
3
2 2 3 5 7 10 20 30 50 70
固有容量Co (pF/cm2) ( d = dc --- 1 0 cm )
第4 - 9図 定数Aと固有容量との関係
A = 2 6 Co-O• 39
がほぼ成立する。 したがって、 (4 -5 )式に(4-6 )式を代入すると V 5 0 = 2 6 Co -O. S 9 + O. 7 7 d ( k V )
( 4 - 6 )
(4-7) となり、 (4-7)式はCoが2. 6 --5 5 p F / cm 2の PET フ ィルムに対するþ:領域の
V 60をCoとdの関数として示した実験式である。 なお、 C' 領域における V 60はτ、 したがってCoに無関係である。
以上の結果をCoが比較的小さいアクリル板の場合(第3章、 Co =0.5-- 2. 6 p F / cm 2)、すなわちτが比較的厚い 場合(τ = 1-- 5 mm )と比較すると、 Coが2.6
p F / cm 2以下の場合の V60 -d特性は3つの領域、 すなわちA、 BおよびC' 領域に分けられ、 C' 領域での V60はCoが2. 6 p F / cm 2以上の PET フ ィルム の場合と同様に(4-4)式で与えられる。 しかし、dが大となりA領域になる と、 その特性は(4-7)式とは異なり、
V50 = 18.4 + k d (kV) (4-8)
となる(6 7 )。 ここで、 kはτすなわちCoによって決る定数で
k = 1. 8 / Co ( 4 -9 )
である。 以上のことから、 (4 -7)式のCoが2. 6 p F / cm 2以上の PET フ ィルム の場合には V50 -d曲線において、 縦軸との交点を示す右辺第1項はCoの 関数でCoの増加と共に減少し、 その直線の勾配を示す第2項dの係数は常 に一定である。 しかし、 (4 -8 )式のCoが2.6 p F / cm 2以下のアクリル板の場合 には逆に縦軸との交点は常に一定で、 直線の勾配はCoによって決ることが
わかる。 なお、 Coが2. 6 pF/cm 2程度、すなわちτが1mm程度では(4-7)および (4 -8 )式の各項はほぼ等しくなり、 PET フ ィルムおよびアクリル板の V50 -d特性はほぼ一致する。 ところで、両者のCoがほぼ同じになる2. 6 pF/cm2 程度では、 前述の電荷図形の半径1 、 50%沿面コ ロナ開始電圧VQjJ 、 また
後述のフラ y シオーバ時間やフラ ッ シオーバ過程もdの広い範囲で両者は 良く一致する。 したがって、 PET あるいはアクリルという材料の違いに よる影響は無いものと見なされるので、 2.6pF/crn2 程度のCoを境として、
V60 -d特性が異なったものと考えられる。 なお、Coが2.6 p F / cm 2以下のア クリル板の場合には、 V 60 の変動幅が著しく大きなB領域が存在したが、
PET フ ィルムの場合には棒電極先端に紫外線照射を行なったため 、 最初
のコ ロナ発生の遅れに起因する V60の変動は小さく、 したがって、 PET フ ィルムの場合にはB領域は存在しなし\ 0 また、 アクリル板でも PET フ
ィルムの場合でもC' 領域の V60を示す実験式は完全に一致する。
第4 - 1 0図は、 Coが2.6 p F / cm 2の場合の V60印加時のフラ ッ シオーバ時 閉じとdとの関係を示したものである。 同図のτが1.0 5 rnmの場合には、 tf -d特性はCoの値がほぼ同じであるτが 1 mmのアクリル板の場合と同様に なり(3-3節)、 dc程度を境としてその特性が異なるo すなわち、dがdc---10 crnの範囲ではdの増加と共にしは増加するo 例えば、 dが2crn の場合には、
tfは0.8---2.2μs、 平均1. 3μsであるが、 dが1 0crnになると 2.0---4.8μs、 平 均3.0μsと増加するo しかし、 dがO.4 c rn ---dcの領域ではdが増加するとtf は減少し 、しかもその変動幅もバ領域に比べて大きし\ 0 例えばdが1.Ocrnで
は0.75---6.2μs、 平均 2. 1μsとなり、 dが2crnの場合に比べてむの変動幅も 平均値も大きくなる。 この傾向は他のCoにおけるし- d特性についてもほ ぼ同様となり、 dcを境として特性が異なる。
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付 6 8 10
沿面距離d (cm)
(Co = 2. 6 p F / cm 2)
第4- 1 0図 Vr,o印加時のフラ ッ シオーバ時間と沿面距離との関係
4_ 5 50% :::ア で?ッ乙/コず一一ノミτn:EE�ロ力un寺(7J言台Iffiコア三?ッ乙/
フf一一ノち凶T-2
4 . 4 章で述べたように 、 PET フ ィルムの V60 - d特性およびし- d
特性はcoによ って決まるある沿面距離dcを境として互に異なるo また 、 d
がdc..._ 1 0 c mの範囲では、 coが2.6 p F / cm 2以上の V60 は(4 -7 )式が、2. 6 p F / cm 2
以下の場合には (4-8)式が成立し、 2.6pF/cm2程度のCoを境として互に V50 - d特性が異なる。 このように、 dおよびCoによって沿面フラ ッ シオーバ
諸特性が異なっているので、 フラ ソ シオーバ過程も各領域で相違するもの と考えられる。 こ こではそれぞれの領域のフラ ッ シオーバ過程をイメージ
コ ンパータカメラを用いて観測した結果について詳細に述べる。 なお、 各 々の条件にて数十枚以上の写真を撮影したが、 現象の再現性は良く同一条 件では本質的に異なるような現象が観測されるようなことはなかった。
4_ 5_ 1 〆立貧頁主或cつま£託面フラッシコ宇一一ノミ逆回室
この領域の代表的観測例として、 第4 -1 1図および4 - 1 2図に d = 5 cm、 Coがそれぞれ7. 8 (τ =0.35)、 および55 p F / cm 2 (0. 0 5 m m )の流し撮り写真 と電庄一電流オシ ログラムを示すo Coが7. 8 p F / cm 2の場合、 V50を印加する と、 まず棒電極先端から、 多数のやや細いフ ィ ラメント状の1次正ストリ ーマ (PPS )(55)が進展するが、進展と共に急激に速度を減じ 、 約1. 2 cmの 距離まで達すると進展を停止する(第4 -1 1図 (a )}。 その後、 端子電圧の 上昇により、 再び棒電極先端から1次正ストリーマが進展し、 1次正スト リーマ幹部には2次正ストリーマ ( S P S )および正リーダ (P L )が形成さ れる。 正リーダはその頭部から間欠的に1次正ストリーマ を発生しながら、
約1.6X106cm/s の速度で進展し、 さらに進展して1次正ストリーマが負極 に到達する頃になると、正リーダは急速に進展して負極に達し、直ちにフラ ッ シオーバする(第4 -1 1図 (b ) }。 この場合、 正リーダチ ャネル からフ ラ ッ シオーバ時の強烈な発光を伴うアーク柱への移行は、 正リーダチ ャネ ルの負極側から進む(第4 -1 1図 (c )}。 また、 正リーダ頭部からの1次 正ストリーマ発生時に、 その起点から発光波 ( L W )が正極へ向って進展す
るので正リーダの発光は間欠的に強くなる{第4 -1 1図( a )、( b ) }。 以上 のフラ ッ シオーバ過程はcoが 2.6pF/cm2以下のアクリル仮での場合のそれ とほぼ同様になるが、 coが 7 . 8 p F / cm 2の PET フ ィルムの場合には、 1次 正ストリーマの発生頻度は大きいが、 1次正ストリーマの進展長はかなり 短くなる。 τがO.05mmとなってcoが55 p F / cm 2に増加すると、 1次正ストリ ーマの進展長はさらに短くなり、 流し撮り写真では1次正ストリーマの発 生が認め難くなる。 この 場 合には VfjO印加直 後 、 棒 電極先端から強い発光 域が進展する(第4 -1 2図( a )}。 この発光域は、 前述の正リーダに較べ て著しく持続的な発光をし、 しかもその先端から発生進展する1次正スト リーマが認められないが、 これが負極に到達すると直ちにフラ ッ シオーバ
するので、 coが7 . 8 p F / cm 2の場合と同様に正リーダと呼ぶ。 この正リーダ
t(us)+ 2.7 1.8 七(us)+ 3.2
(a) -nU
t(us)+
(c)
(Ca = 7. 8 p F / cm 2 , d = 5 cm, V = 1 4. 7 k V =r V!) 0 ) 第4 -1 1図 Ä領域における沿面フラ y シオーバ過程の
流し撮り写真とオシ ログラム
は約3 x 10llcm/sの速度で進展し{第4 -1 2図(a )}、 負極に達すると直ち に フラ y シオーバして(第4 -1 2図(b )}、 負極印IJからアークに移行する (第4 -1 2図(c )} . この場合の流し煽り写真では1次正ストリーマの発生 が認められない.しかし、電荷図(第4 - 3図(g)--(i)}によると著しく短 いが、 棒電極先端および正リーダ先端から1次正ストリーマは発生進展し ているので 、 この場合にも正リーダの先制から極めて短いl次正ストリー
マが、 進展しているものと思われるo また 、 Coが7. 8 p F / cm 2 の場合の電流 波形はパルス状の成分が多�\ 0 しかし、Coが5 5 p F / cm 2 の場合には持続的な 電流成分をもった波形となり、 coが7. 8 p F / cm 2の場合に比べて10倍近い電 流が流れ、 その値は1 0数Aになる{第4 -1 1図(d )、 第4 -1 2図(d )}。
以上のように 、 Ä領域における正リーダはその頭部から1次正ストリーマ
t(llS)+ 勺4 .・ 『/
1.8 七(llS)+ 2.3
(a) hu
七(llS)+
d
16 A
一ー (c) (d)
(Co = 5 5 p F / cm 人 d = 5 cm, V = 9. 6 k V:::;: V 6 0 ) 第4 -1 2図 A・領域における沿面フラ ッ シオーバ過程の
流し撮り写真とオシログラム
を!日]欠的に発生し、 これが負極に到達するとフラ ッ シオーバする。 このÄ 領域の過程は 、 正リーダ先端から1次正ストリーマを間欠的に発生しつつ 進展する点では 、 アクリル板すなわちCoが2.6p F/cm2 以下の場合のA領域 と良く似た過程になる。 しかし、 この PET フ ィルムすなわちCoが 2. 6 pF /cm2以上の場合には 、 c。の増加と共に1次正ストリーマの進展長が著しく 短くなり 、 また、 アクリル仮の場合の Vr:.o - d特性( 3 - 2節)と異なるの で、 cüが2. 6 p F / cm 2以下のアクリル板の場合のA領域と区別して、 Coが2.6 p F / cm 2以上の PET フ ィルムでは 、 この領域をÄ領域と呼んだ。
4 _ 5 _ 2. C' fìTI:l或σ万台ilTIフ ラ ッシフT一一ノミ-hE耳主
この領域の代表的観測例として、 第4 - 1 3図にCo= 7. 8 p F / cm 2、 d = 0.6 cmの場合の流し撮り写真と、 電庄一電流オシ ログラムを示す。 この場合の
七(1-IS ) + 0.5 七(l.1s)+
(a) ,,a‘‘、 、1''hu
七(l.1s)+
(Cü = 7. 8 p F / cm 2 , d = O. 6 cm, V = 1 O. 8 k V =r V 50 ) 第4 - 1 3図 c・ 領域における沿面フラ y シオーバ過程の
流し撮り写真とオシ ログラム
フラ ッ シオーバ過程は、 Coが2. 6 p F / crn 2 以下のアクリル板の場合とほぼ一 致するo すなわち、 V 60を印加すると、 まず棒電極先端から1次正ストリ ーマが進展し、負極に到達する(第4 - 1 3図(a )、(b)}o 1次正ストリーマ が到達した到達点には、 負グロー(N G )が形成され、 この負グローの発光 は長時間持続する{第4 - 1 3図( b ) } 0 その後、 1次正ストリーマ幹部に は2次正ストリーマが形成され、 先行の1次正ストリーマチ ャネルに沿っ て次第に負極に向って進展するo 端子電圧が上昇している問、 2次正スト リーマはその全長にわたって持続的な発光をするが 、 端子電圧が波高値に 近づいてその上昇速度が低下すると、 2次正ストリーマの発光は弱くなるo しかし、 2次正ストリーマはさらに進展をつづけるので、 ある長さの発光
域が負極へ移動するようになる{第4 -1 3図( b ) } 0 その後、 2次正スト リーマが負極に到達すると、 その正極側端が正極に向って進展し、 2次正 ストリーマによって正負両極聞が橋絡されると直ちにフラ y シオーバするo
また、 両極からほぼ同時にアークに移行する{第4 -1 3図( c )} 0 この場 合の電流波形をみると、 電圧印加後1発のみのパルスが発生し、 その後の 極めて微弱な電流につづいてフラ ッ シオーバする。
4_ 6 �併℃言秀官三やk云建立百_f::_ oコ官三手�とJミト リ ーーて7C0道主厄霊
後の沿面放電の議論のために、 複合誘電体の境界面の電位分布や強度を 正確に知る必要があるo また、 電気機器の絶縁設計の指針を得るためにも 電極構成や配置の誘電体表面電界に及ぼす影響を知っておくことは大切で あるo そこで、 ここでは本研究に用いた電極系の高電界電極近傍の電界の
挙動を簡単に議論しておく。
複合誘電体場の数値計算法としては、 差分法(8 3 )、 有限要素法(8 4 )、 電 荷重畳法(8 6 )および表面電荷法(8 6 )があり、 また、 有限要素法と電荷重畳 法を空間的に結合し、 両者の長所を生かすようにした コ ン ビネーシ ョ ン法
( 8 7 )も報告されている。 しかし、 いずれの計算法においても誘電体境界面
で、 いくらかの誤差が発生するという欠点がある。
ところで、 電荷重畳法における仮想、電荷の影像面は普通接地平板電極で あるが、 この場合には仮想電荷を電極内の他に、 誘電体境界面の両側に配 置する必要があるので、 方程式の数が増加し、 また、 電極表面と誘電体の 境界面が直角でない角度で交差する場合には、 その点で電界が特異点とな り、 仮想電荷の配置に難しい問題が生じる(8 8 )。 ところが、 誘電体の境界 面が平面のように単純な場合には、 誘電体の境界面を影像面とする方が精 度が向上し、 しかも仮想、電荷数が減少することが報告されている(B9)o ま た、 その計算原理上誘電体の境界面では境界条件が満足されるので、 誤差 は発生しない。 そこでここでは、 それらの点に着目し、 誘電体の境界面を 影像面とした場合の電荷重畳法によ って、 第4 - 2図( b ) に示したような 電極配置における数値電界計算を行ない は0). (9))、50 %沿面コ ロナ開始電 圧印加時のストリーマの進展について検討した。
4_ 0_ 1 官室w言十主草ヌ子主左
第4 - 1 4 図に設置された平板電極上に、 ある厚さの誘電体εB (絶縁板
等)があり、 その上部は異種の誘電体εA (空気等)で満たされ、 εA 側に球 電極が存在する場合の電荷重畳法による仮想電荷と、 輪郭点の配置の例を 示したものである。 影像面を誘電体の境界面とした場合には、 仮想電荷Q
を球電極の内部と平仮電極の下側に配置し 、 輪郭点を球電極表面と平板電 極上におくo 次に 、 影像電荷として誘電体境界面の境界条件を満足するよ
う に、 仮想、電荷Qと面対休にQ・、仮想、電荷と同位置にQ" の 影像電 荷を配 置すると、 その影像電荷の電荷量Q'、 Q・・ は
Q・ = (1 -εs)Q/(1+εs ) (4-10)
Q・・ = 2εsQ/(l+ εs ) ,,t、 anuτ -SE-- 42EA 1.,J となる(92}o ただし 、 仮想、電荷QがεA Ð1'1にある場合には 、 εs = εB /εぃ
@一ーでー
∞ー一一一一一 二ご士一τ「一ー@
� @- ーも一-�一一切
球 電 極\ (中=v )ミ
×仮想、電荷Q
③影像電荷Q' X影像電荷Q"
. 輪郭点
εA
/誘色体境界面(影像面) ーーー・』
「
,,'" ーー、、、
ノ \
/ ② \
/ ⑧一一一② \ εB
(
φ一一-oi
\ @-z ー @ JF
, '01 /
\‘ 〆
〆平板宮箆 (中=0) 、 、 ー ー/
� • 0一一一一・
,,/ X
/可ー-・・圃幽・ ・ーー・ ・・・・ - よ>1'
〉← 決ーー
-
八一一一一二二一二三f一一 一 ーポ一一 一一一一一一一 大
(誘電体境界面が影像面の場合) 第4
-
1 4図 電荷重量 法の説明図εS 1Mにある場合はεs = εA /ε日であるo ここで、 εAおよび εBはそれぞれ の誘電体の誘電率である。
次に、 仮想電荷Qおよび影像電荷 Q" と計算点、との聞の電位係数をp 、 影像電荷 Q・と計算点との聞の電位係数をP'とすると、 計算点の電位ゅは、
電荷Qと計算点が同じ誘電体内にある場合には
ゆ=Q P + Q' P' (4-12)
電荷Qと計算点、が同じ誘電体内にない場合には
。= Q" P fl、 anuz 4li nぺU 、、,,,
で与えられる{92 )o 次に、 各電極上の輪郭点、において、 各電荷による電位 の総和が各電極電位に等しいとおくと、 次の連立方程式が得られ、
P 11+a 1 P' 11 P21+a2P'21
P 12+ a 1 P・1 2 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ a 2 P 1 j P 22+ a 2 P・22 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ a 2 P 2 j
QA1 QA2
a 2 P j 1 a 2 P J2 P J J+a 1 P・J J QSJ
φA 1 ø A2
(4-14)
ø Sj
となる。 ただし、 a 1および a2はそれぞれ
a 1 = (1 - Es ) / ( 1 + Es )
a 2 2εs / (1 +εs )
(4-15) (4-16) である。 したがって(4-14)式から各電荷の電荷量が求まるので、 それを用 いて任意の点の電位および電界が計算できる。
4_ 6_ 2 てG:-W:1ヨよて〆�{立。コ言(-nWlJ
計算例として用いた電極構成を第4 - 1 5 図に示す。 これは本実験で用 いた電極椛成と ほぼ同じであるが、 高圧D!IJの電極の直径はO. 0 5 cmで、 その 先端は半球状である。f妾地された環状電極は内半径が5 cmで、内側の丸みの 半径はd /2で、2.5 cmである。 また誘電体の厚さτ は O.5 cmとし、 設定電圧 は1V、 環状電極および平板電極(背後電極)はOVで、 誘電率εAとεBの比 (εB /εA )は3としている。
第4 - 1 6図に仮想、電荷と輪郭点の配置を示す。 同図( a )は棒電極の先 端半球状部分の配置を示し、 1個の点、電荷と9個のリング電荷を使用してい る。 これは、 後述するように誤差の関係から、様電極半径の0.9--- 0.64倍の
dー→↑Z
/棒電極(中=1 )
εA
環状篭極↓(ドo )
r
"平板電極(中=0) 第4 - 1 5図 電極構成
f�円上に配置し、 先端近くになるほどその数を密にしている。 また 、第4 - 2表に輪郭点と合せてその座標を示している。 第4 - 1 6図( b )、 (c )は
環状電極および平板電極の仮想、電荷と輪郭点で、 電界が集中すると思われ る所に多くの電荷を配 置しているo なお、 環状電極内に26個、 平 板 電極の 下側に27個のリング電荷(点電荷も含む)を使用したo したがって、 使用し た仮想、電荷の総数は78個となる。
(0 )俸電極
←棒電極(中= 1 )
εA I誘電体境界面 守芝J;==
ーεB=ベ平4F電予(ア= 0 )
× 侭想電荷 - 輪郭点
×
x x x x
×
× x X
リ x x >え ×
〉く '、
(b)環状電極
司、L液状電極(中=0)
- ー 一一ー-ー- - -
軍 曹 曹 曹・ . 曹 • •
、ι 、ι ‘式 y.. 、広 「ι 末 、...'J..'I.、次予、 、ー
市、 、氏 メ
ヲι
( c )平板
電
極第4 - 1 6図 仮想、電荷と輪郭点、の配置
第4 - 2表 有限長線電荷と輪郭点のZ座標、
有限長線電荷 輪郭点
z ^ Z B Z k
0.025000 50. 0 0.02870 0.039625 50. 0 0.04580 0.062800 50. 0 0.07305 0.099525 50. 0 0.11655 0.157750 50. 0 0.18595 0.250000 50. 0 0.29675 0.396250 50. 0 0.47325 0.628000 50. 0 0.75500 0.995250 50. 0 1. 20450 1. 577500 50. 0 1. 92150 2.500000 50. 0 3.06500 3.962500 50. 0 4.89000 6.280000 50. 0 7.80250 9.952500 50. 0 12.44750 15.775000 50. 0 19.85750
第4 -1 7図に棒電極の電位が 1Vの場合の、 棒電極先端半球上の検査 点での誤差(1 Vからの差の絶対値)を示すo 同図は、 一般に棒対平板気中
ギャ ッ プで用いられている同心円配置と楕円配置の場合の誤差を比較した
もので、 電荷の数は同じであるo なお、 電荷の配置の半径は、 同心円配置 の場合には棒電極半径の0.6倍 、 楕円配置の場合は棒電極先端方向でO.9倍、
90度方向でO.64倍 としている。 同図から明らかなように、 棒先端半球状電 極の中心から先端方向の角度。を 0度とすると、 約45度までは楕円配置の 方が精度が良く、 特に先端付近ではその差が著しく、 橋円配置の方が高電
界部分で高い精度が得られることがわかるo しかし、 律先端半球状電極の 中心からの角度Oが10度以上になると急激に精度が低下し、 50度以上にな ると情円配置の方が 同心円配置の場合よりも精度が低下しており、 さらに
仮想、電 荷の配置について考慮の 必要があると思われるo
また、 棒状部分の検査点、での誤差の最大値は1.05xI0一人 環状竜伍およ び平仮電極での誤差は、 OVからの差であるが、 それぞれ最大8.5xI0-.V および1.05xI0-.Vであった. 接地された電極上の電位誤差 (0Vからの差
10-2
10-3 /同心円配置
:: 10-4 ) 。 lHli 日fà Q tJ �;rrP
/.."..-だ円配置 10-5
10-6
10-7
o 10 20 30 'i 0 50 60 70 80 90 検査点の位置 。(度)
(先端がO 度)
第4 -1 7図 様電極先端半球状の検査点での電位の誤差
の絶対値)の報告は少ないが、垂直形球ギャ ッ プの計算例(9 3 )では、 下側電 極の球先端付近で約1.37Xl0-.Y 、 柄の部分で2. 81x 10-3yとなっており、
ここでの計算結果は十分満足できるものと考えられる。 なお、 以下に述べ る計算結果は係電極先端の電荷の配置が、 桁円配置の場合である。
第4 - 1 8図( a )および( b )にZ軸からの距離rが、 それぞれ7. 5および
1. 4 cmの範囲の電位分布を示す。 同図( a )は電位ゆが0.3--0.002 Yまでを、
( b )図は0.5--0.02Y までを示している。 誘電体境界上の電位は、 両図か
εA
εB
\平板電極(中=0)
。 l 2 3 H にノ
6 7
r (cm)
( a ) r = 0 --7. 5 cmの場合
第4 - 1 8図 電位分布(εB /ε^ = 3)
棒電極(中=
1 )/
εA
εB
\平板電極(中=0)
o 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 r (cm)
( b ) r = O..._, 1. 4 cmの場合
第4 - 1 8図 電位分布(εB /εA = 3)
らわかるように 、 rがO.0 3 5 cmでO. 5 Vに 、 沿面距離dの半分の2. 5 cmでは
O. 01 Vとなることから、 棒電極付近に著しく電界が集中することがわかるO また、 環状電極の近傍は、 電界が集中するのを避けるために丸状に仕上げ たが、 その目的どうり、 電界が弱められているのがわかる。
第tt - 1 9図に棒電極近傍の等電界面を示す.同図(a )は電界強度Eが3.0
'" O. 1 V / cmまでを 、同図(b)はEが2O. 0 --1 . 0 V / cmまでの範囲について示し
ハU1』,、11'
= m lドchwo 極川.2電3.棒j
0.5 10.4 0.3
ε A
誘篭体境界面
εB
。 0,2 nu hH・
0.6 0,8 1.0
r (cm)
( a ) E = O. 1 --3. 0 V / cmの場合 第4 - 1 9図 電界分布(εB /ε^ = 3)
2.0 1 .0
εA
\誘電体境界面
1 .0
。
εB
0.1 0.2
( b ) E = 1. 0 --2 O. 0 V / cmの場合 第4 - 1 9図 電界分布(εB /ε^ = 3)
0.3 r (cm)
たものであるo 等電界面はr の増加と共に急激に低下するが、 固体誘電体
内の方が空気中より電界強度は小さく、 誘電(本境界面を境として等電界面
は不連続になることがわかる。
4_ 6_ 3 V回0'-=ロ力日日寺CT:>5!aψf寸秀�やfc _f::_ CT:> 7ß W強1)3:芝と コえト リーー?才Uり道主厄蔓
以上述べた方法により 、 棒電極の形状が砲弾型の場合における棒対環状 電極配置における固体誘電体上の電界分布を求め 、 ストリーマの進展につ いて検討した結果について述べる。 第4 - 2 0図は、 50%沿面コ ロナ開始 電圧VaJjを印加したとして、 d = 5crn の場合の種々のCoに対する高電圧側
棒電極先端の極く 近傍の電界強度E0 (絶対値)と固有容量 Coとの関係を数 値計算したものである。 同図から E。 は、Coの増加と共に増加する事がわか るo 例えば、 Coが 2.6--55pF/crn2に増加すると、 Eoは7 70kV /crn--1180kV/
cmまで増加する。 また、 第4 - 2 1図は、 同様にd = 5crnの場合のV仰を印 加したとしたときの、 Coが2.6 p F / cm 2および55 p F / cm 2について、 絶縁物表
面上の電界強度E (絶対値)を高圧側の棒電極からの距離rを横軸として示 したものである。 rが 増加すると、 最初Eは急激に低下するが 、 rの増加 と共にその低下の割合は減少するようになる。 また、 Coが55 p F / cm 2の方が、
2. 6 p F / cm 2の場合に比べて棒電極先端近傍の電界強度は大きいが、 rの増 加に対するEの低下率はCoが55 p F / cm 2の方が大きいので、 rが O.2mrn 程度 ではCoが2.6 p F / cm 2の場合とほぼ同程度の電界強度となり 、それ以上のrで は、 Coが55 p F / cm 2の方が逆に低くなる。 したがって、 rがO.2 mmを超え、こ れより大きくなると共に、 絶縁物表面の電界強度Eが同程度の値となる棒 電極からの距離r は、 Coが小さいほど大きくなる。 このことから、 それぞ れのτに対するVaJjを印加し沿面コ ロナストリーマが発生進展する場合、
誘電体の厚さτが大きいほど 、 その進展長は長くなる事が予想される。 こ のことは、 前節で述べた、 Coの増加と共に正ストリーマの進展距離が短く
なる、 イメージコ ンパータカメラによる観測結果とよく一致する。
一方、 沿面コ ロナが光学的に 、 あるいは電流として観測し得るには、 電
極先端 の電界のみならず、 その先端よりやや負極方向 へ 離れた点での電界 がある強さに達することが必要であろう。 しかし、 電界強度Eは棒電極先
端から離れるにつれて、 τが小さい程すなわちCoが大なる程急激に低下す るo そのため、 電極先端より離れた点での電界がある一定の値になると、
観測し得るような沿面コ ロナが発生するものとすれば、 棒電極先端近傍の
電界強度は、 τが小さい程すなわちcoが大きい程高くなると考えられる(第 4 - 2 0図) . ここで議論した電界強度は絶対値であるが、 ス トリーマのより
詳細な進展の考察には、 電界の方向につ いても考慮する必要があると思わ れるo なお、 この計算での電位の誤差は、 最大 1.8xI0-2V以下であった。
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口:τ=1.05mm
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・:τ=0.05mm
勺ノ」ハUハU41EEa・
5 7 10 20 30 50 70 固有容量Co (pF/cm2)
第4 - 2 0図 棒電極先端の極く近傍の電界強度
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O 0.01 0.02 0.03
Co=55 pf/cm2(τ=0. 05mm)
0.01
0 0.5 ABE4 ハU 1 . 5 2.0
棒電極からの距離r(cm)
第4 - 2 1図 PET フ ィルム表面の電界強度
4_ , フ ラ ッ 乙/フT一一ノミヰ守化ヒおよて〆主虫干宝Lこ女寸マTるCocつ1;{;手当w
前述したように 、 dがdc 程度を境としてフ ラ ッ シオーバ特性および過程 が互に異なる。 これはcoが2. 6 p F / cm 2 以下、 すなわちアクリル板の場合と ほぼ同様となる.し かし、 coが2. 6 p F / cm 2 からさらに増加すると1次正スト リーマの進展長が著しく減少し、 dがdc 以上のフ ラ ッ シオーバ特性および 過程は、 coが2. 6 p F / cm 2 以下の場合と異な ってくる。 ここでは、 coの増加 によるフ ラ y シオーバ特性および過程への影響について考察する. Coが2. 6
pF / cm 2 程度の場合V60を印加すると、電圧印加後最初に発生進展する1次 正ストリーマは約1. 5cm進展するo そのため、 þ:領域でのdの範囲は1. 5 cm 以上であるので、 1次正ストリーマは負極まで到達することができず 、 さ らに新たな1次正ストリーマが、 端子電圧の上昇と共iこ発生進展するよう になる。 しかし、 C' 領域では最初の1次正ストリーマは必ず 負極に到達し、
両電極聞はグロー状のチ ャネルによって橋絡され、 新たな1次正ストリー マは発生進展しないo このように、 最初のI次正ストリーマの負極到達の 如何が、 その後のフラ ッ シオーバ過程 に著しい差を生じ、 そのためV60や むはdcを境として変化する。 Coが2.6 p F / cm 2 より増加すると、 1次正スト リーマの進展長が著しく短くなる。 前節で述べたように、 V(Rjを印加した 場合、 Coが2.6 p F / cm 2より55 p F / cm 2 の方が印加電圧は低いにもかかわらず、
電極先端近傍での電界強度は高い(第4 - 2 1図) 0 そのため、Coが大きい程、
より低い電圧で沿面コ ロナストリーマの発生が可能となり、 V(RjはCoが大 きくなると共に低下する(第4 - 6図) 0 また、電界強度は電極先端から離れ るにつれて低下するが、 Coが2.6 p F / cm 2より5 5 p F / cm 2の方がr ,こ対する電 界強度の低下率が大きくなるので、 同程度の電界強度になる沿面距離は、
Coが55p F / cm 2より2.6 p F / cm 2 の方が大きい。 したがって、 Coが大きくなる
程、 最初に発生する1次正ストリーマの発生電圧は低いが、 その進展長も 短くなるo V 60を印加した場合にも同様に考えられるので、 þ:領域では、
最初に発生する1次正ストリーマ、 およびその後間欠的に発生進展する1 次正ストリーマの進展長はCoの増加と共に短くなる。 一方、 Coの増加は充
電電流を増大させるので、 Coが7 . 8 p F / cm 2の場合は 2A程度、 55p F / cm 2 の 場合には10数Aの持続的な電流が流れる。 そのため、 正リーダはその発光 を強くしかも持続的にし、その導電性を高める。 Coが2.6 p F / cm 2以下のアク
リル板の場合のフ ラ ッ シオーバ過程は、 気中針対平板ギャ ッ プの場合(6 6)
のそれとほぼ同様になり、 しかも、 V 50を示す実験式も気中針対平板ギャ ッ プの場合のそれと同様な形になるo 従って、 アクリル板の沿面放電にお ける場合には、 1次正ストリーマからの負電荷の供給が正リーダの形成と
進展に大きく貢献しているものと考えられるが、 PET フ ィルムの場合に は1次正ストリーマの進展長は著しく短いo しかし、 Coが著しく大きくな るので、 1次正ストリーマの進展と共に極めて大きな充電電流が流れ、 こ れが正リーダの形成と進展に大きな役割を果すようになる。 これがアクリ ル板と PET フ ィルムの場合の V50 - d特性の違いとして表れたものと考 えられる。
以上述べたように、 正リーダへ供給される電流は、 1次正ストリーマに よる電流と背後電極と正リーダ聞に形成される静電容量に充電される電流 の和になるo 第4 - 2 2図に示すような正リーダの進展モデルを考え、1次 正ストリーマによ って正リーダに供給される電流を1 s 、 正リーダと背後 電極聞に形成された静電容量に充電される電流を1 dとすると、 正リーダ へ供給される全電流Iは、
1 = Is+ Id ,,t、 anuz 4li ワf -JJ
また、
d Q d(C v) d V d C 1 d =ー一一= = C一一一 + V一一一
dt dt dt dt
11J QU 41ムAa ,,,‘、
ここでVは印加電圧であるが、 正リーダが進展している頃には印加電圧は
波高値に達し{第3 - 7図(a . )、第4 - 1 2図( d )}、 ほぼ一定と見なせるの
で、
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第4 - 2 2図 正リーダの進展モデル
故に、
d C
1 d � V一一一一
d t (4-20)
ここで、 YLを正リーダの進展速度、 wをその幅とすると、
1 d � V YL W co (4-21)
となる。
そこで、 実際にcoが2. 6 p F / cm 2およびcoが55p F / cm 2の場合について、 1 d を求めてみると、
co = O. 5 p F / cm 2の場合(第3 - 8図から)、 V=35.5kV、 YL 当2. 3 x 1 0 !l cm / s、
co = 5 5 p F / cm 2の場合(第4 - 1 2図から)、 V=9.6kV、 YL 与2. 8 x 1 0 !l cm / s、
であり、 wは両者ともほぼ同じと仮定すると、Coが55 p F / cm 2とO.5 p F / cm 2の 場合の 1 dの比は、
1. 48w /0. 041w � 36 Auτ /E1 nJL 11J nJ/UM
となり、 Coが 55p F / cm 2の場合にはO. 5 p F / cm 2の場合に比べて、 30倍以上の 充電電流が流れることになる。 すなわち、 Coが大きい場合には、 リーダチ
ャネルが高い導電率を維持するに十分な充電電流が流れるために、 リーダ 先端に顕著な1次正ストリーマを伴うことなく、 リーダを維持できるもの と考えられる。
C'領域でフラ ッ シオーバするには、最初の1次正ストリーマが必ず負極 へ到達しなければならないが、 Coが増加すると最初の1次正ストリーマが 到達する距離が小さくなるので、 Coの増加と共にC '領域の過程でフラ ッ
シオーバ、する沿面距離は小さくなるo そのため、 ÄとC '領域の境界とな る沿面距離dcは、 Coの増加と共に小さくなる(第4 -8図) 0 この領域では、
最初の1次正ストリーマの進展がフラ ッ シオーバに大きく影響するが、 1 次正ストリーマの進展長はCoが異なっても同ーの実験式 (4-3)で示されるO したがって、 この領域での V 50 はτすなわちCoに直接関係なく、 アクリル
板でも PET フ ィルムの場合でも (4-4)式で示されるものと考えられるo
4. 8 嘉吉 言命
絶縁物全面に背後電極が存在するような電極配置で、 固有容量が著し く 増大した場合の沿面フラ ッ シオーバ特性および過程を観測し、 広い範囲で の固有容量の影響について調べたo それらの結果を要約すると以下のよう になる。
( 1 ) 電源のエネルギーが一般の高電圧試験に使用されている程度であれば、、
放電による沿面の劣化は小さく、 このとき、 沿面が乾燥していれば沿面 フラ ッ シオーバ現象に対する誘電体材料の影響はほとんど認められなし'0
(2) Polbüschelにおける電荷図先端部円周上の単位長さ当りの枝数nは、
固有容量Coの増加と共に増加しnとCoとの関係は( 4 -1 )式で示される。
また、 P0 1 bü s c h e 1の伸びと発生電圧との関係は( 4 -2 )式で示され、 これ は種々のτすなわちCoに対して適用できる。
(3) V6o -d特性は、 Coによって決まるある沿面距離dcを境として2本の 直線によって近似されるo dがO. 4 c m -- dcの範囲をC' 領域、 dc -- 10 c mの 範囲をK領域と呼ぶと、 C' 領域の V60 はCoの値に関係なく( 4 -4 ) 式で示 される。 しかし、 Ä領域の V60 は( 4 -7 )で示され、 2. 6 p F / cm 2以上のCoの 場合と異なる。
( 4 ) Ä領域の沿面フラ ッ シオーバ過程は、 Coが 2. 6 p F / cm 2以下のアクリル 板の場合と同様となる。 しかし、 固有容量の増加と共に1次正ストリー マの進展距離が短く、 その発生間隔も小さくなるo 特に、 Coが55 p F / cm 2 の場合は正リーダ全体が持続的にしかも強く発光し、 その先端から発生 する1次正ストリーマは著しく短し\ 0
(5) C' 領域の沿面フラ ッ シオーバ過程は、 アクリル板の場合とほぼ同様と なる。 すなわち、 最初の1次正ストリーマ幹部に形成された2次正スト リーマによって両電極聞が橋絡され、 フラ ッ シオーバが起る。 この領域 では、 1次正ストリーマの発生は1回のみである。
( 6 ) Coが2. 6 p F / cm 2以下の場合の正リーダは、1次正ストリーマを通しての
負電荷の流入によって形成され進展するが、 Coが著しく大きくなると、
正リーダと背後電極聞に流れる大きな充電電流による正リーダの加熱と 導電率上昇によって正リーダは進展する。
(7) VaJ)印加時の誘電体板上の電界強度は、 棒電極先端近傍ではCoが大き い程高いが、 棒電極先端から離れるにつれて、 電界強度はCoが大きい程
急激に低下するo そのためそれぞれのCoに対する電界強度が同程度の値 になる棒電極先端からの距離はCoが小なる程大きくなるo このことから
沿面ストリーマの進展長はCoが小なる程長くなる。
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本章では、 第3章と同じ沿面条件、 すなわち小さい固有容量の誘電体沿 面に負極性インパルス電圧を印加したときの、 沿面フラ ッ シオーバ電圧特 性、 沿面フラ ッ シオーバ過程ならびに、 沿面フラ ッ シオーバ機構に関する
一連の研究結果について述べる。
本章の内容に入る前に、 ここで正極性インパルス電圧の場合との現象の 違い、 および負極性インパルスで沿面がある場合と無い場合のフラ ッ シオ ーパ過程における違いについて触れておくo 一般に、 負放電の場合は電子 が低電界側に向か つて運動するために、 空間電荷の拡散が、 電子が逆向き に運動する正放電の場合より大きくなり、 正極性コ ロナはチ ャネル状にな るのに対し、 負極性コ ロナは広く拡散した形状になる。 この放電の拡散と
荷電粒子の極性による移動度の違いが、 フラ ッ シオーバ電圧特性とフラ y シオーバ過程に影響を及ぼすと考えられ、 本章の研究においても、 これら に対する極性効果が認められたo すなわち、 負極性電圧の沿面フラ ッ シオ ーバ特性と沿面フラ ッ シオーバ過程は、 沿面距離によって次の2つに分類 された。
(1)沿面距離がある臨界値より短い場合、 負ストリーマ先端の発光部が 電極聞を横断した直後に、 正リーダの発生を伴ってフラ ッ シオーバす る。 負ストリーマ中の電界は約 18. 4 k V / cmと推定され、 沿面フラ ッ シ オーバ電圧は固有容量には無関係である。
( 2 )沿面距離が長くなると、 負ストリーマに続いて先端にリーダコ ロナ